【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、水力発電タービンの運転を制御する制御システムであって、前記タービンに接続された発電機により供給され、前記タービンの回転速度の関数である電圧及び周波数を有する交流電力を、前記交流電力を受電ステーションに送電する送電システムの電圧及び周波数を有する交流電力に変換するように構成された変換システムと、前記変換システムと協働可能であって、前記タービンを通る水流の流速に応答して前記発電機により供給される前記交流電圧を調整することにより、前記タービンの回転を制御する制御部と、を含んで構成される。
【0008】
好ましくは、前記発電機により供給される前記交流電力は、前記タービンの回転速度に比例した電圧及び周波数を有する。
【0009】
好ましくは、前記変換システムは、第1段階変換器と、第2段階変換器と、前記第1段階変換器と前記第2段階変換器との間に配置された直流リンクとを含んで構成され、前記第1段階変換器は、前記発電機により供給された前記交流電力を直流電力に変換するように構成され、前記第2段階変換器は、前記直流電力を前記受電ステーションへ送電するための前記交流電力に変換するように構成される。
【0010】
あるいは、前記変換システムは、前記発電機により供給される前記交流電力を、前記受電ステーションへ送電するための前記交流電力に変換するサイクロコンバータ又はマトリックスコンバータを含んで構成される。
【0011】
好ましくは、前記直流リンクは、直流電流を検出する少なくとも1つのセンサを含み、前記検出した直流電流に関する信号を前記制御部に供給するように構成される。
【0012】
好ましくは、前記直流リンクは、直流電圧を検出する少なくとも1つのセンサを含み、前記検出した直流電圧に関する信号を前記制御部に供給するように構成される。
【0013】
好ましくは、前記第1段階変換器は整流器を含んで構成される。
【0014】
好ましくは、前記整流器は三相の位相制御整流器であり、前記制御部は、前記位相制御整流器のサイリスタトリガ信号の遅れ角を調整するように構成される。
【0015】
あるいは、前記第1段階変換器は、ダイオードブリッジと直列に設けられたサイリスタ交流コントローラを含んで構成される。
【0016】
好ましくは、前記第2段階変換器は、位相制御電流形相整流インバータ(phase-controlled, current-source, line-commutated inverter)であることが好ましい。
【0017】
好ましくは、前記水流の流速が定格値未満であることに応答して、前記制御部は、前記第2段階変換器のサイリスタの点弧角を調整して、前記直流リンク電圧を、前記直流リンクで最適な直流電力値をもたらす値に設定するように構成される。
【0018】
好ましくは、前記水流の流速が閾値未満であることに応答して、前記制御部は、前記第1段階変換器を非制御整流器として作動するように設定し、前記直流リンク電流を決定し、前記タービンでの前記水流の流速との関係で最適な直流電力を決定し、且つ前記第2段階変換器の作動を調整して、前記直流リンク電圧を、前記決定した直流リンク電流での前記最適な直流電力値をもたらす値に設定するように構成される。
【0019】
好ましくは、前記水流の流速が定格値を超えたことに応答して、前記制御部は、前記第2段階変換器のサイリスタの点弧角を調整して前記直流リンク電圧を直流電圧の閾値に設定し、且つ前記第1段階変換器のサイリスタの点弧角を調整して、前記直流リンク電流を固定値に設定し、前記直流電力を前記最適な直流電力値に制限するように構成される。
【0020】
好ましくは、前記水流の流速が閾値を超えたことに応答して、前記制御部は、前記第2段階変換器を調整して、前記直流リンク電圧を直流電圧の閾値に設定し、前記タービンでの前記水流の流速との関係で最適な直流電力値を決定し、且つ前記第1段階変換器を調整して、前記直流リンク電流を固定値に設定し、前記直流電力を前記最適な直流電力値に制限するように構成される。
【0021】
あるいは、前記第1段階変換器及び前記第2段階変換器は、電圧形インバータ型のものである。
【0022】
好ましくは、前記第1段階変換器は、アクティブフロントエンドとして作動する電圧形インバータであって、直流リンクを固定電圧として作動するように構成される。
【0023】
好ましくは、前記第1段階変換器及び前記第2段階変換器は、6デバイス、三相ブリッジであって、各デバイスは、スイッチと還流ダイオードとを含んで構成される。
【0024】
好ましくは、前記各スイッチは、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、スイッチングデバイス、集積ゲート転流型サイリスタ(IGCT)、又はゲートターンオフ(GTO)サイリスタ等の任意の半導体スイッチから選択される。
【0025】
好ましくは、前記スイッチングデバイスは、前記制御部から受信した信号に応じて作動するように構成される。
【0026】
好ましくは、コンデンサが、前記第1及び第2段階変換器と並列にこれらの直流端子間に接続され、前記デバイスの前記スイッチのスイッチサイクルの周期に亘って略一定な直流リンク電圧を維持するように構成される。
【0027】
好ましくは、前記制御部は、前記第1段階変換器の前記デバイスを制御して、前記第1段階変換器の交流入力へ供給される電圧を制御するように構成される。
【0028】
好ましくは、前記制御部は、前記第1段階変換器の前記デバイスを制御することにより、前記発電機の端子での電圧の振幅と周波数及び対応する実電力及び無効電力流を設定するように構成される。
【0029】
好ましくは、前記第1段階変換器は、発生する交流電流が前記発電機の巻線に誘起された電磁力と同位相となるように前記電気周波数に応じて変化する交流電圧を、前記発電機に供給するように制御される。
【0030】
好ましくは、前記制御部は、前記第2段階変換器の前記デバイスに伝送されたスイッチング信号を用いて交流出力電圧の振幅及び周波数を制御することにより、前記第2段階変換器の交流出力電圧を制御するように構成される。
【0031】
好ましくは、前記制御部は、前記第1段階変換器の前記デバイスの作動を変更して、前記第1段階変換器の前記入力端子での前記交流電圧の周波数を調整することにより、前記タービンの回転を制御するように構成される。
【0032】
好ましくは、前記水流の流速が閾値未満であることに応答して、前記制御部は、前記直流リンク電流を決定し、前記タービンでの水流の流速との関係で最適な直流電力値を決定し、且つ前記デバイスのスイッチングシーケンスを変更することにより前記第1段階変換器の作動を調整して、前記入力端子での前記交流電圧の周波数を、前記決定した直流リンク電流での前記最適な直流電力値をもたらす値に調整するように構成される。
【0033】
好ましくは、前記水流の流速が閾値を超えたことに応答して、前記制御部は、前記タービンでの前記水流の流速との関係で最適な直流電力値を決定し、且つ前記デバイスのスイッチングシーケンスを変更することにより前記第1段階変換器の作動を調整して、前記入力端子での前記交流電圧の周波数を、前記直流電力を前記最適な直流電力値に制限する固定値をもたらす値に調整するように構成されることが好ましい。
【0034】
好ましくは、閾値は、通常運転する水流の流速又は定格流速である。
【0035】
好ましくは、前記制御システムは、監視用コントローラと協働して前記タービンのための前記閾値を決定するように構成される。
【0036】
好ましくは、前記閾値は、タービンシステムの配列内の各タービンのパフォーマンスレベル、タービンの配列に亘る水流のパターン、及び送電網オペレータの意向のいずれかに基づくものである。
【0037】
好ましくは、各タービンシステムは、沿岸への1つの共通のケーブルに接続される。
【0038】
好ましくは、前記タービンの前記性能レベルは、前記タービンの配列内の前記タービンシステムの各タービンの出力電力を含む。
【0039】
好ましくは、タービンシステムをさらに提供し、該タービンシステムは、前記変換システムを含んで構成されると共に、発電機に接続された水力発電タービンを含んで構成され、前記発電機は、前記制御システムへの入力として交流電力出力を供給するように構成される。
【0040】
好ましくは、前記タービンは固定ブレードを有し、前記発電機は、直接連結された永久磁石発電機を含む。
【0041】
好ましくは、前記タービンシステムはさらに、変圧器を含む送電システムを含んで構成され、前記送電システムは、前記制御システムから交流電力出力を受け取り、前記交流電力を、沿岸に設置された受電ステーションへ送電するように構成される。
【0042】
好ましくは、前記タービンシステムはさらに、前記発電機の出力部と前記変換システムの入力部との間に設けられ、且つ前記変換システムの前記発電機の力率に与える影響を補正する第1力率補正部品を含んで構成される。
【0043】
好ましくは、前記第1力率補正部品は、3組の部品セットを含んで構成され、各部品セットは、コンデンサとそれに直列に設けられたインダクタとを含んで構成され、各部品セットは、前記発電機の三相出力部それぞれと並列に設けられる。前記コンデンサは、前記発電機電流の時間高調波成分(time harmonic components)及び基本波成分の無効部の両方を低減させる働きをして前記発電機の損失を低減し、前記各インダクタは、前記三相の位相制御整流器が整流するときに、対応するコンデンサを大電流が通過することを防ぐ働きをする。
【0044】
好ましくは、前記タービンシステムはさらに、前記変換システムの出力部と前記送電システムとの間に設けられ、該送電システムを比較的高い力率で確実に作動させる第2力率補正部品を含んで構成される。この方法により、沿岸への前記ケーブル内の損失が最小化され、前記送電システムは、実電力を前記送電網へ供給するための最大の容量で作動する。
【0045】
好ましくは、前記第2力率補正部品は、3組の部品セットを含んで構成され、各部品セットは、少なくともコンデンサと、任意に、前記コンデンサと直列に設けられたインダクタとを含んで構成され、各部品セットは、前記変換システムの三相出力部それぞれと並列に設けられる。前記コンデンサは、前記送電システムにより搬送される電流を低減して、損失を最小化すると共に、前記送電システムの容量を最大化して有用な実電力を沿岸へ送電する働きを有し、前記インダクタは、前記第2段階変換器の前記サイリスタがスイッチングされるときに、前記コンデンサから大電流が引き出されることを防ぐように設けられる。
【0046】
前記コンデンサは、前記変圧器の高電圧端子、又は低電圧端子に接続されてもよい。
【0047】
あるいは、前記第2力率補正部品は、前記変圧器の別個の巻線に接続されてもよく、それにより、前記各巻線の漏れインダクタンスにより前記コンデンサが前記変換システムの作動を阻害することを防ぐ。
【0048】
好ましくは、前記タービンシステムは、前記タービンシステムを少なくとも1つの他のタービンシステムと並列に接続するように構成された第1電力ケーブルを備え、前記交流電力を沿岸へ供給する共通の第2電力ケーブルに電力を供給するように構成される。
【0049】
あるいは、前記第2力率補正部品は、前記第1電力ケーブルと第2電力ケーブルとの間の接続点に接続されてもよい。
【0050】
本発明はさらに、第1電力ケーブルにより互いに並列に接続された複数のタービンシステムを含んで構成されるタービンシステムの配列を提供し、前記タービンシステムは、前記交流電力を前記受電ステーションへ搬送するように構成された共通の第2電力ケーブルに電力を供給するように構成される。
【0051】
好ましくは、前記タービンの配列はさらに、監視用コントローラを含んで構成され、監視用コントローラは、前記配列内の各タービンのパフォーマンスレベルを決定し、各タービンシステムの前記制御部に対し、前記発電機により供給される前記交流電圧を調整するように指示し、各タービンシステムにより生成される前記電力を変更して前記配列により生成される全電力を制御するように構成される。
【0052】
この方法により、前記タービンシステムの配列の前記出力電力をモニタでき、各タービンシステムのうち、例えば、平均水流より速い水流を受けたタービンを有するタービンシステムを選択し、それらの運転は、関連する水流が平均未満のために前記定格電力を生成しない配列内の他のタービンシステムの不足を補うように変更可能である。
【0053】
好ましくは、前記第1及び第2電力ケーブルは、オイル絶縁を必要としない電気設備に適した線間電圧、例えば、22kVの線間電圧で三相交流電流を搬送するように構成される。