【文献】
Database REGISTRY,2010年,RN 1255777-56-0, 950274-61-0, 337956-00-0; Retrieved from STN international [online] ;retrieved on 17 August 2017
【文献】
Hay, Michael P. 他,4-Pyridylanilinothiazoles That Selectively Target von Hippel-Lindau Deficient Renal Cell Carcinoma Cells by Inducing Autophagic Cell Death,Journal of Medicinal Chemistry,2010年,53(2),787-797
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の置換アミノチアゾールは、無制御な細胞成長と関連する疾患、例えば、原発性肝癌、肝細胞癌、肝芽腫、および胆管癌、乳癌、卵巣癌、肺癌、白血病、ならびに転移性疾患を治療および予防することができる。本発明の置換アミノチアゾールはまた、肝炎ウイルス、例えば、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、およびE型肝炎ウイルス、ならびに肝臓に感染する他のウイルスによる感染と関連する疾患を治療または予防することができる。本開示の化合物が、肝細胞癌(HCC)由来の細胞、ならびに肝芽腫、乳癌細胞、および卵巣癌細胞において、細胞周期の停止およびアポトーシスをもたらすことが発見されている。さらに、感受性細胞、例えば、HCC由来の細胞、ならびに肝芽腫、乳癌細胞、および卵巣癌細胞に対する効果が、不可逆的であること、および本開示の化合物が、制御性キナーゼであるAKT、mTORC1、およびmTORC2による有糸分裂抗アポトーシスシグナル伝達の阻害を通じて機能することがわかっている。さらに、本開示の置換アミノチアゾールは、(肝炎感染を支持する細胞型)等、肝炎ウイルス、例えば、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、およびE型肝炎ウイルスによる感染を支持する細胞を破壊し、肝炎ウイルス、例えば、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、およびE型肝炎ウイルス、ならびに肝臓に感染する他のウイルス種による感染と関連する疾患の治療および予防のための抗ウイルス剤として機能し得る。
【0024】
理論により制限されることを望むものではないが、本開示の置換アミノチアゾールは、無制御な細胞成長に関連する疾患を緩和、軽減するか、あるいはそれの制御をもたらすことができると考えられる。加えて、また理論により制限されることを望むものではないが、本開示の置換アミノチアゾールは、ウイルスによる肝臓の感染と関連する疾患を緩和、軽減するか、あるいはそれの制御をもたらすことができると考えられる。
【0025】
説明全体を通じて、組成物が、特定の構成要素を有する、含む、もしくは備えるとして記載される場合、またはプロセスが、特定のプロセスステップを有する、含む、もしくは備えるとして記載される場合、本教示の組成物はまた、列挙される構成要素から本質的になるか、もしくはそれらからなること、および本教示のプロセスはまた、列挙されるプロセスステップから本質的になるか、もしくはそれらからなることが企図される。
【0026】
本願において、要素または構成要素は、列挙される要素または構成要素の一覧に含まれる、および/またはそこから選択されると考えられ、要素または構成要素が、列挙される要素または構成要素のうちのいずれか1つであってもよく、列挙される要素または構成要素の2つ以上からなる群から選択されてもよいことを理解されたい。
【0027】
本明細書における単数形の使用は、そうでないことが具体的に記述されない限り、複数形を含む(逆の場合も同様)。さらに、定量値の前に「約」という用語が使用される場合、本教示はまた、そうでないことが具体的に記述されない限り、その特定の定量値そのものを含む。
【0028】
ステップの順序またはある特定の動作を行うための順序は、本教示が動作可能である限りは、重要でないことを理解されたい。さらに、2つ以上のステップまたは動作を、同時に実行してもよい。
【0029】
本明細書に使用される際、「ハロゲン」という用語は、塩素、臭素、フッ素、およびヨウ素を意味するものとする。
【0030】
本明細書に使用される際、別段の記述がない限り、「アルキル」および/または「脂肪族」という用語は、単独または置換基の一部として使用されるかにかかわらず、1〜20個の炭素原子、またはこの範囲の任意の数、例えば、1〜6個の炭素原子もしくは1〜4個の炭素原子を有する、直鎖および分枝鎖の炭素鎖を指す。指定される炭素原子の数(例えば、C
1−6)は、独立して、アルキル部分、またはより大きなアルキル含有置換基のアルキル部の炭素原子の数を指す。アルキル基の非限定的な例には、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル等が挙げられる。アルキル基は、任意に置換され得る。置換アルキル基の非限定的な例には、ヒドロキシメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、アミノメチル、1−クロロエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジフルオロエチル、3−カルボキシプロピル等が挙げられる。(C
1−6アルキル)
2アミノ等、複数のアルキル基を有する置換基の場合、アルキル基は、同じかまたは異なってもよい。
【0031】
本明細書に使用される際、「アルケニル」および「アルキニル」基という用語は、単独または置換基の一部として使用されるかにかかわらず、2つ以上、好ましくは2〜20個の炭素原子を有する直鎖および分枝鎖の炭素鎖を指し、ここで、アルケニル鎖は、鎖内に少なくとも1つの二重結合を有し、アルキニル鎖は、鎖内に少なくとも1つの三重結合を有する。アルケニル基およびアルキニル基は、任意に置換され得る。アルケニル基の非限定的な例には、エテニル、3−プロペニル、1−プロペニル(2−メチルエテニルも同様)、イソプロペニル(2−メチルエテン−2−イルも同様)、ブテン−4−イル等が挙げられる。置換アルケニル基の非限定的な例には、2−クロロエテニル(2−クロロビニルも同様)、4−ヒドロキシブテン−1−イル、7−ヒドロキシ−7−メチルオクト−4−エン−2−イル、7−ヒドロキシ−7−メチルオクト−3,5−ジエン−2−イル等が挙げられる。アルキニル基の非限定的な例には、エチニル、プロプ−2−イニル(プロパルギルも同様)、プロピン−1−イル、および2−メチル−ヘキシ−4−イン−1−イルが挙げられる。置換アルキニル基の非限定的な例には、5−ヒドロキシ−5−メチルヘキシ−3−イニル、6−ヒドロキシ−6−メチルヘプト−3−イン−2−イル、5−ヒドロキシ−5−エチルヘプト−3−イニル等が挙げられる。
【0032】
本明細書に使用される際、「シクロアルキル」は、単独または別の基の一部として使用されるかにかかわらず、例えば、3〜14個の環炭素原子、好ましくは3〜7個もしくは3〜6個の炭素原子、またはさらには3〜4個の環炭素原子を有し、任意で1つ以上(例えば、1、2、もしくは3つ)の二重または3重結合を有する、環化アルキル、アルケニル、およびアルキニル基を含む、非芳香族の炭素含有環を指す。シクロアルキル基は、単環式(例えば、シクロへキシル)または多環式(例えば、縮合、架橋、および/もしくはスピロ環系を含有する)であり得、炭素原子は、環系の内側または外側に位置する。シクロアルキル基のいずれの好適な環の位置も、定義された化学構造に共有結合し得る。シクロアルキル環は、任意に置換され得る。シクロアルキル基の非限定的な例には、シクロプロピル、2−メチル−シクロプロピル、シクロプロペニル、シクロブチル、2,3−ジヒドロキシシクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロへキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロオクタニル、デカリニル、2,5−ジメチルシクロペンチル、3,5−ジクロロシクロへキシル、4−ヒドロキシシクロへキシル、3,3,5−トリメチルシクロヘキシ−1−イル、オクタヒドロペンタレニル、オクタヒドロ−1H−インデニル、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−イル、デカヒドロアズレニル、ビシクロ[6.2.0]デカニル、デカヒドロナフタレニル、およびドデカヒドロ−1H−フルオレニルが挙げられる。「シクロアルキル」という用語には、二環式炭化水素環である炭素環式環も含まれ、その非限定的な例には、ビシクロ−[2.1.1]ヘキサニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、1,3−ジメチル[2.2.1]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、およびビシクロ[3.3.3]ウンデカニルが挙げられる。
【0033】
「ハロアルキル」は、1つ以上のハロゲンで置換される、特定の数の炭素原子を有する、分枝鎖および直鎖両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むことを意図する。ハロアルキル基には、アルキル基の全ての水素がハロゲンと置き換えられている、パーハロアルキル基が含まれる(例えば、−CF
3、−CF
2CF
3)。ハロアルキル基は、ハロゲンに加えて、1つ以上の置換基で任意に置換され得る。ハロアルキル基の例には、限定されないが、フルオロメチル、ジクロロエチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、およびペンタクロロエチル基が挙げられる。
【0034】
「アルコキシ」という用語は、−O−アルキル基を指し、アルキル基は上に定義された通りである。アルコキシ基は、任意に置換され得る。C
3−C
6環状アルコキシとは、3〜6個の炭素原子および少なくとも1つの酸素原子を含有する環を指す(例えば、テトラヒドロフラン、テトラヒドロ−2H−ピラン)。C
3−C
6環状アルコキシ基は、任意に置換され得る。
【0035】
単独または他の基の一部として使用される「アリール」という用語は、本明細書において、不飽和の芳香族単環式6員炭素環または不飽和の芳香族多環式10〜14員炭素環として定義される。アリール環は、例えば、それぞれが1つ以上の水素原子と置き換えることが可能な1つ以上の部分で任意に置換される、フェニルまたはナフチル環であり得る。アリール基の非限定的な例には、フェニル、ナフチレン−1−イル、ナフチレン−2−イル、4−フルオロフェニル、2−ヒドロキシフェニル、3−メチルフェニル、2−アミノ−4−フルオロフェニル、2−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、2−シアノフェニル、2,6−ジ−tert−ブチルフェニル、3−メトキシフェニル、8−ヒドロキシナフチレン−2−イル、4,5−ジメトキシナフチレン−1−イル、および6−シアノ−ナフチレン−1−イルが挙げられる。アリール基にはまた、例えば、芳香環および/または飽和もしくは部分飽和環の1つ以上の炭素原子が置換され得る、1つ以上の飽和または部分飽和炭素環(例えば、ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエニル、インダニル)と縮合されたフェニルまたはナフチル環が挙げられる。
【0036】
「アリールアルキル」または「アラルキル」という用語は、−アルキル−アリール基を指し、アルキルおよびアリール基は、本明細書に定義される通りである。本発明のアラルキル基は、任意に置換される。アリールアルキル基の例には、例えば、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、フルオレニルメチル等が挙げられる。
【0037】
「複素環式」および/または「複素環」および/または「ヘテロシクリル」という用語は、単独または別の基の一部として使用されるかにかかわらず、3〜20個の原子を有する1つ以上の環として本明細書に定義され、少なくとも1つの環内の少なくとも1つの原子は、窒素(N)、酸素(O)、または硫黄(S)から選択されるヘテロ原子であり、さらに、ヘテロ原子を含む環は、非芳香環である。2つ以上の縮合環を含む複素環式基において、非ヘテロ原子含有環は、アリールであり得る(例えば、インドリニル、テトラヒドロキノリニル、クロマニル)。例示的な複素環基は、3〜14個の環原子を有し、そのうちの1〜5個は、窒素(N)、酸素(O)、または硫黄(S)から独立して選択されるヘテロ原子である。複素環基内の1つ以上のNまたはS原子は、酸化され得る。複素環基は、任意に置換され得る。
【0038】
単一の環を有する複素環単位の非限定的な例には、ジアジリニル(diazirinyl)、アジリジニル、ウラゾリル、アゼチジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリニル(isoxazolinyl)、イソキサゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリニル、オキサチアゾリジノニル、オキサゾリジノニル、ヒダントイニル(hydantoinyl)、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジン−2−オニル(バレロラクタム)、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−アゼピニル、2,3−ジヒドロ−1H−インドール、および1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリンが挙げられる。2つ以上の環を有する複素環単位の非限定的な例には、ヘキサヒドロ−1H−ピロリジニル、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾリル、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−インドリル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、クロマニル、イソクロマニル、インドリニル、イソインドリニル、およびデカヒドロ−1H−シクロオクタ[b]ピロリルが挙げられる。
【0039】
「ヘテロアリール」という用語は、5〜20個の原子を有する1つ以上の環として本明細書に定義され、少なくとも1つの環内の少なくとも1つの原子は、窒素(N)、酸素(O)、または硫黄(S)から選択されるヘテロ原子であり、さらに、ヘテロ原子を含む環のうちの少なくとも1つは、芳香環である。2つ以上の縮合環を含むヘテロアリール基において、非ヘテロ原子含有環は、炭素環(例えば、6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタピリミジン)またはアリール環(例えば、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル)であり得る。例示的なヘテロアリール基は、5〜14個の環原子を有し、窒素(N)、酸素(O)、または硫黄(S)から独立して選択される、1〜5個のヘテロ原子を含有する。ヘテロアリール基内の1つ以上のNまたはS原子は、酸化され得る。ヘテロアリール基は、置換され得る。単一の環を含有するヘテロアリール環の非限定的な例には、1,2,3,4−テトラゾリル、[1,2,3]トリアゾリル、[1,2,4]トリアゾリル、トリアジニル、チアゾリル、1H−イミダゾリル、オキサゾリル、フラニル、チオフェンイル、ピリミジニル、2−フェニルピリミジニル、ピリジニル、3−メチルピリジニル、および4−ジメチルアミノピリジニルが挙げられる。2つ以上の環を含有するヘテロアリール環の非限定的な例には、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、シンノリニル、ナフチリジニル、フェナントリジニル、7H−プリニル、9H−プリニル、6−アミノ−9H−プリニル、5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジニル、7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジニル、ピリド[2,3−d]ピリミジニル、2−フェニルベンゾ[d]チアゾリル、1H−インドリル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1−H−インドリル、キノキサリニル、5−メチルキノキサリニル、キナゾリニル、キノリニル、8−ヒドロキシ−キノリニル、およびイソキノリニルが挙げられる。
【0040】
上述のヘテロアリール基の1つの非限定的な例は、C
1−C
5ヘテロアリールであり、これは、1〜5個の炭素環原子と、窒素(N)、酸素(O)、または硫黄(S)から独立して選択されるヘテロ原子である少なくとも1つの追加の環原子(好ましくは、ヘテロ原子である1〜4個の追加の環原子)とを有する。C
1−C
5ヘテロアリールの例には、限定されないが、トリアジニル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、イミダゾール1−イル、1H−イミダゾール2−イル、1H−イミダゾール4−イル、イソキサゾリン−5−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、およびピリジン−4−イルが挙げられる。
【0041】
別段に示されない限り、2つの置換基が一緒になって指定数の環原子を有する環を形成する(例えば、R
2およびR
3が、それらが結合する窒素(N)と一緒になって3〜7個の環員を有する環を形成する)場合、環は、炭素原子と、任意で窒素(N)、酸素(O)、または硫黄(S)から独立して選択される1つ以上の(例えば、1〜3個の)追加のヘテロ原子とを有し得る。環は、飽和または部分飽和であり得、任意で置換され得る。
【0042】
本発明の目的で、単一のヘテロ原子を含む、縮合環単位、ならびにスピロ環式環、二環式環等は、ヘテロ原子含有環に対応する環式ファミリーに属すると見なす。例えば、式
【化8】
を有する1,2,3,4−テトラヒドロキノリンは、本発明の目的では、複素環単位と見なされる。式
【化9】
を有する6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタピリミジンは、本発明の目的では、ヘテロアリール単位と見なされる。縮合環単位が、飽和およびアリールの両方の環内にヘテロ原子を含有する場合、アリール環が優勢となり、環が割り当てられる分類の種類を決定することになる。例えば、式
【化10】
を有する1,2,3,4−テトラヒドロ[1,8]ナフチリジンは、本発明の目的では、ヘテロアリール単位と見なされる。
【0043】
用語またはそれらの接頭辞語幹のいずれかが置換基の名称に現れるときは常に、その名称は、本明細書に提供される制限を含むものとして解釈される。例えば、「アルキル」もしくは「アリール」という用語、またはそれらの接頭辞語幹のいずれかが、置換基(例えば、アリールアルキル、アルキルアミノ)の名称中に現れる場合、その名称は、「アルキル」および「アリール」について提供された制限を含むものとして解釈される。
【0044】
「置換された」という用語は、本明細書全体を通じて使用される。「置換された」という用語は、非環式または環式にかかわらず、本明細書で以下に定義されるように、1つ以上の水素原子が置換基または複数の(例えば1〜10個の)置換基によって置き換えられた、部分として本明細書に定義される。置換基は、単一の部分の1つまたは2つの水素を同時に置き換えることができる。さらに、これらの置換基は、2つの隣接する炭素上の2つの水素を置き換えて、前記置換基になる新しい部分または単位を形成することができる。例えば、単一の水素原子の置き換えを必要とする置換単位には、ハロゲン、ヒドロキシル等が含まれる。2つの水素原子の置き換えには、カルボニル、オキシミノ等が含まれる。隣接する炭素原子からの2つの水素原子の置き換えには、エポキシ等が含まれる。「置換された」という用語は、ある部分が水素原子のうちの1つ以上が置換基によって置き換えられ得ることを示して、本明細書全体を通じて使用される。部分が、「置換」として記載される場合、任意の数の水素原子が、置き換えられ得る。例えば、ジフルオロメチルは置換C
1アルキルであり、トリフルオロメチルは置換C
1アルキルであり、4−ヒドロキシフェニルは置換芳香環であり、(N,N−ジメチル−5−アミノ)オクタニルは置換C
8アルキルであり、3−グアニジノプロピルは置換C
3アルキルであり、2−カルボキシピリジニルは置換ヘテロアリールである。
【0045】
本明細書に定義される可変基、例えば、本明細書に定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アリール、複素環、およびヘテロアリール基は、単独または別の基の一部として使用されるかにかかわらず、任意に置換され得る。任意に置換された基は、そのように示される。
【0046】
以下は、ある部分上で水素原子と置換し得る置換基の非限定的な例である:ハロゲン(塩素(Cl)、臭素(Br)、フッ素(F)、およびヨウ素(I))、−CN、−NO
2、オキソ(=O)、−OR
3、−SR
3、−N(R
3)
2、−NR
3C(O)R
3、−SO
2R
3、−SO
2OR
3、−SO
2N(R
3)
2、−C(O)R
3、−C(O)OR
3、−C(O)N(R
3)
2、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、C
2−8アルケニル、C
2−8アルキニル、C
3−14シクロアルキル、アリール、複素環、またはヘテロアリール、ここで、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、複素環、およびヘテロアリール基のそれぞれは、ハロゲン、−CN、−NO
2、オキソ、およびR
3から独立して選択される1〜10個(例えば、1〜6個または1〜4個)の基で任意に置換され、R
3は、各発生時、独立して、水素、−OR
4、−SR
4、−C(O)R
4、−C(O)OR
4、−C(O)N(R
4)
2、−SO
2R
4、−S(O)
2OR
4、−N(R
4)
2、−NR
4C(O)R
4、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
2−8アルケニル、C
2−8アルキニル、シクロアルキル(例えば、C
3−6シクロアルキル)、アリール、複素環、もしくはヘテロアリールであるか、または2つのR
x単位が、それらが結合する原子(複数可)と一緒になって任意に置換された炭素環もしくは複素環を形成し、前記炭素環もしくは複素環は3〜7個の環原子を有し、R
4は、各発生時、独立して、水素、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
2−8アルケニル、C
2−8アルキニル、シクロアルキル(例えば、C
3−6シクロアルキル)、アリール、複素環、もしくはヘテロアリールであるか、または2つのR
4単位が、それらが結合する原子(複数可)と一緒になって任意に置換された炭素環もしくは複素環を形成し、前記炭素環もしくは複素環は、好ましくは、3〜7個の環原子を有する。
【0047】
いくつかの実施形態において、置換基は、
i) −OR
5、例えば、−OH、−OCH
3、−OCH
2CH
3、−OCH
2CH
2CH
3、
ii) −C(O)R
5、例えば、−COCH
3、−COCH
2CH
3、−COCH
2CH
2CH
3、
iii) −C(O)OR
5、例えば、−CO
2CH
3、−CO
2CH
2CH
3、−CO
2CH
2CH
2CH
3、
iv) −C(O)N(R
5)
2、例えば、−CONH
2、−CONHCH
3、−CON(CH
3)
2、
v) −N(R
5)
2、例えば、−NH
2、−NHCH
3、−N(CH
3)
2、−NH(CH
2CH
3)、
vi) ハロゲン、−F、−Cl、−Br、および−I、
vii) −CH
eX
g、式中、Xはハロゲンであり、mは0〜2であり、e+g=3である、例えば、−CH
2F、−CHF
2、−CF
3、−CCl
3、または−CBr
3、
viii) −SO
2R
5、例えば、−SO
2H、−SO
2CH
3、−SO
2C
6H
5、
ix) C
1−C
6直鎖、分枝鎖、または環状アルキル、
x) シアノ
xi) ニトロ、
xii) N(R
5)C(O)R
5、
xiii) オキソ(=O)、
xiv) 複素環、ならびに
xv) ヘテロアリールから選択され、
式中、各R
5は、独立して、水素、任意に置換されたC
1−C
6直鎖もしくは分枝鎖アルキル(例えば、任意に置換されたC
1−C
4直鎖もしくは分枝鎖アルキル)、または任意に置換されたC
3−C
6シクロアルキル(例えば、任意に置換されたC
3−C
4シクロアルキル)であるか、あるいは2つのR
5単位が、一緒になって3〜7個の環原子を含む環を形成し得る。ある特定の態様において、各R
5は、独立して、水素、ハロゲンで任意に置換されたC
1−C
6直鎖もしくは分枝鎖アルキル、またはC
3−C
6シクロアルキル、またはC
3−C
6シクロアルキルである。
【0048】
本明細書中の種々の箇所において、化合物の置換基は、群または範囲で開示される。説明が、このような群および範囲のメンバーのそれぞれ1つ1つの個別の部分的組み合わせを含むことが具体的に意図される。例えば、「C
1−6アルキル」という用語は、具体的に、C
1、C
2、C
3、C
4、C
5、C
6、C
1−C
6、C
1−C
5、C
1−C
4、C
1−C
3、C
1−C
2、C
2−C
6、C
2−C
5、C
2−C
4、C
2−C
3、C
3−C
6、C
3−C
5、C
3−C
4、C
4−C
6、C
4−C
5、およびC
5−C
6アルキルを個別に開示することを意図する。
【0049】
本発明の目的では、「化合物」、「類似体」、および「主題の組成物」という用語は、本明細書に記載される置換アミノチアゾールと同等の関係にあり、全てのエナンチオマー形態、ジアステレオマー形態、塩等を含み、また、「化合物」、「類似体」、および「主題の組成物」という用語は、本明細書全体を通じて互換的に使用される。
【0050】
本明細書に記載される化合物は、不斉分子(キラル中心とも称される)を含有し得、本化合物のうちのいくつかは、1つ以上の不斉分子または中心を含有し得、これが、光学異性体(エナンチオマー)およびジアステレオマーをもたらし得る。本教示および本明細書に開示される化合物には、このようなエナンチオマーおよびジアステレオマー、ならびにそれらのラセミ体、および分割された鏡像異性的に純粋なRおよびS立体異性体、ならびにRおよびS立体異性体の他の混合物、ならびに薬学的に許容される塩が含まれる。光学異性体は、ジアステレオマー塩形成、動的分割、および不斉合成が含まれるがこれらに限定されない、当業者に既知の標準的な手順によって純粋な形態で得ることができる。本教示はまた、アルケニル部分を含有する化合物のシスおよびトランス異性体も包含する(アルケンおよびイミン)。本教示が、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、および高速液体クロマトグラフィーを含むがこれらに限定されない、当業者に既知の標準的な分離手順によって、純粋な形態で得ることができる、全ての可能性のある位置異性体およびそれらの混合物を包含することも理解されたい。
【0051】
酸性部分を有し得る本教示の化合物の薬学的に許容される塩は、有機および無機塩基を用いて形成することができる。脱プロトン化に利用可能な酸性水素の数に応じて、モノアニオン性およびポリアニオン性の両方の塩が企図される。塩基を用いて形成される好適な塩には、金属塩、例えば、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩、例えば、ナトリウム、カリウム、もしくはマグネシウム塩;アンモニア塩および有機アミン塩、例えば、モルホリン、チオモルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モノ−、ジ−、もしくはトリ−低級アルキルアミン(例えば、エチル−tert−ブチル−、ジエチル−、ジイソプロピル−、トリエチル−、トリブチル−、もしくはジメチルプロピルアミン)、またはモノ−、ジ−、またはトリヒドロキシ低級アルキルアミン(例えば、モノ−、ジ−、もしくはトリエタノールアミン)から形成されるものが含まれる。無機塩基の特定の非限定的な例には、NaHCO
3、Na
2CO
3、KHCO
3、K
2CO
3、Cs
2CO
3、LiOH、NaOH、KOH、NaH
2PO
4、Na
2HPO
4、およびNa
3PO
4が挙げられる。分子内塩もまた、形成され得る。同様に、本明細書に開示される化合物が塩基性部分を含有する場合、塩は、有機酸および無機酸を使用して形成され得る。例えば、塩は、次の酸から形成することができる:酢酸、プロピオン酸、乳酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、ジクロロ酢酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレンスルホン酸、硝酸、シュウ酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、フタル酸、プロピオン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、およびカンファースルホン酸、ならびに他の薬学的に許容される酸。
【0052】
任意の変数が、任意の構成物質または任意の式において1つを上回って発生する場合、各発生におけるその定義は、他の全ての発生におけるその定義から独立している(例えば、N(R
4)
2の場合、各R
4は、同じであるか、または互いに異なってもよい)。置換基および/または変数の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容可能である。
【0053】
本明細書に使用される「治療する」、「治療している」、および「治療」という用語は、患者が罹患している疑いのある状態を、部分的または完全に軽減、阻害、緩和、および/または改善することを指す。
【0054】
本明細書に使用される際、「治療有効」および「有効用量」とは、所望の生物学的活性または効果を誘起する物質または量を指す。
【0055】
示される場合を除いて、「対象」または「患者」という用語は、互換的に使用され、ヒト患者および非ヒト霊長類、ならびにウサギ、ラット、およびマウス等の実験動物、ならびに他の動物といった、哺乳動物を指す。したがって、本明細書に使用される「対象」または「患者」という用語は、本発明の化合物を投与することができる任意の哺乳動物患者または対象を意味する。本発明の例示的な実施形態において、本発明の方法による治療のための対象患者を識別するために、許容されるスクリーニング方法を用いて、標的となるかもしくは疑いのある疾患もしくは状態と関連する危険因子を判定するか、または対象における既存の疾患もしくは状態の状況を判定する。これらのスクリーニング方法には、例えば、標的となるかまたは疑いのある疾患または状態と関連し得る危険因子を判定するための従来的な精密検査が含まれる。これらおよび他の日常的な方法により、臨床医が、本発明の方法および化合物を使用した治療を必要とする患者を選択することが可能となる。
置換アミノチアゾール
【0056】
本発明の化合物は、置換アミノチアゾールであり、式
【化11】
を有するそれらの全てのエナンチオマーおよびジアステレオマー形態、ならびに薬学的に許容される塩であって、
その水和物、溶媒和物、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、および複合体を含み、式中、
R
1は、水素、C
1−C
9直鎖アルキル、イソプロピル、シクロへキシル、臭素、シアノ、
【化12】
からなる群から選択され、R
2は、水素、メチル、イソプロピル、tert−ブチル、ベンジル、および
【化13】
からなる群から選択され、Ar
1は、フェニル、
【化14】
からなる群から選択され、Ar
2は、フェニル、
【化15】
からなる群から選択される、全てのエナンチオマーおよびジアステレオマー形態、ならびに薬学的に許容される塩を含む。
【0057】
構造
【化16】
の化合物は、式(I)の新規化合物から除外される。
【0058】
本発明はまた、構造
【化17】
の化合物の使用の新規な方法を対象とする。
【0059】
いくつかの実施形態において、R
1は、水素である。
【0060】
いくつかの実施形態において、R
1は、C
1−C
9直鎖アルキルである。
【0061】
いくつかの実施形態において、R
1は、メチルである。
【0062】
いくつかの実施形態において、R
1は、エチルである。
【0063】
いくつかの実施形態において、R
1は、ペンチルである。
【0064】
いくつかの実施形態において、R
1は、ノニルである。
【0065】
いくつかの実施形態において、R
1は、イソプロピルである。
【0066】
いくつかの実施形態において、R
1は、シクロへキシルである。
【0067】
いくつかの実施形態において、R
1は、臭素である。
【0068】
いくつかの実施形態において、R
1は、シアノである。
【0069】
いくつかの実施形態において、R
1は、
【化18】
である。
【0070】
いくつかの実施形態において、R
1は、
【化19】
である。
【0071】
いくつかの実施形態において、R
1は、
【化20】
である。
【0072】
いくつかの実施形態において、R
1は、
【化21】
である。
【0073】
いくつかの実施形態において、R
1は、
【化22】
である。
【0074】
いくつかの実施形態において、R
1は、
【化23】
である。
【0075】
いくつかの実施形態において、R
1は、
【化24】
である。
【0076】
いくつかの実施形態において、R
1は、
【化25】
である。
【0077】
いくつかの実施形態において、R
1は、
【化26】
である。
【0078】
いくつかの実施形態において、R
1は、
【化27】
である。
【0079】
いくつかの実施形態において、R
1は、
【化28】
である。
【0080】
いくつかの実施形態において、R
1は、
【化29】
である。
【0081】
いくつかの実施形態において、R
2は、水素である。
【0082】
いくつかの実施形態において、R
2は、メチルである。
【0083】
いくつかの実施形態において、R
2は、イソプロピルである。
【0084】
いくつかの実施形態において、R
2は、tert−ブチルである。
【0085】
いくつかの実施形態において、R
2は、ベンジルである。
【0086】
いくつかの実施形態において、R
2は、
【化30】
である。
【0087】
いくつかの実施形態において、Ar
1は、ペンチルである。
【0088】
いくつかの実施形態において、Ar
1は、
【化31】
である。
【0089】
いくつかの実施形態において、Ar
1は、
【化32】
である。
【0090】
いくつかの実施形態において、Ar
1は、
【化33】
である。
【0091】
いくつかの実施形態において、Ar
1は、
【化34】
である。
【0092】
いくつかの実施形態において、Ar
1は、
【化35】
である。
【0093】
いくつかの実施形態において、Ar
1は、
【化36】
である。
【0094】
いくつかの実施形態において、Ar
1は、
【化37】
である。
【0095】
いくつかの実施形態において、Ar
1は、
【化38】
である。
【0096】
いくつかの実施形態において、Ar
2は、フェニルである。
【0097】
いくつかの実施形態において、Ar
2は、
【化39】
である。
【0098】
いくつかの実施形態において、Ar
2は、
【化40】
である。
【0099】
いくつかの実施形態において、Ar
2は、
【化41】
である。
【0100】
いくつかの実施形態において、Ar
2は、
【化42】
である。
【0101】
いくつかの実施形態において、Ar
2は、
【化43】
である。
【0102】
いくつかの実施形態において、Ar
2は、
【化44】
である。
【0103】
いくつかの実施形態において、Ar
2は、
【化45】
である。
【0104】
いくつかの実施形態において、Ar
2は、
【化46】
である。
【0105】
いくつかの実施形態において、Ar
2は、
【化47】
である。
【0106】
いくつかの実施形態において、Ar
2は、
【化48】
である。
【0107】
いくつかの実施形態において、Ar
2は、
【化49】
である。
【0108】
例示的な実施形態には、式(I)を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩の形態が含まれ、
【化50】
R
1、R
2、Ar
1およびAr
2の非限定的な例は、本明細書において以下の表1に定義される。
【表1】
【0109】
本発明の化合物を命名し本明細書において言及する方式を示す目的で、式
【化51】
を有する化合物は、
化学名N−(ピラジン−2−イル)−4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを有する。
【0110】
本発明の化合物を命名し本明細書において言及する方式を示す目的で、式
【化52】
を有する化合物は、
化学名(4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−イル)酪酸メチルを有する。
【0111】
本発明の目的で、ラセミ式で示される化合物は、2つのエナンチオマーのいずれかもしくはそれらの混合物が同等、または第2のキラル中心が存在する場合は、全てのジアステレオマーが同等の関係にある。
【0112】
本明細書に提供される実施形態の全てにおいて、好適な任意の置換基の例は、特許請求される本発明の範囲を制限することを意図するものではない。本発明の化合物は、本明細書に提供される置換基のいずれか、または置換基の組み合わせを含有し得る。
プロセス
【0113】
本発明はさらに、本発明の化合物を調製するためのプロセスに関する。本教示の化合物は、本明細書に概説される手順に従って、市販入手可能な出発物質、文献において既知の化合物、または容易に調製される中間体から、有機化学の分野の当業者に既知の標準的な合成方法および手順を採用することによって調製することができる。有機分子の調製ならびに官能基の形質転換および操作のための標準的な合成方法および手順は、関連科学文献または当該技術分野の標準的な教本から容易に得ることができる。典型的または好ましいプロセスの条件(すなわち、反応温度、時間、反応物質の比率、溶媒、圧力等)が与えられる場合、別段に記述されない限り、他のプロセス条件もまた使用可能であることが理解される。最適な反応条件は、使用される特定の反応物質または溶媒に応じて多様であり得るが、このような条件は、日常的な最適化手順により当業者によって決定され得る。有機合成の分野の当業者であれば、提示される合成ステップの性質および順序が、本明細書に記載される化合物の形成を最適化する目的で多様であり得ることを認識するであろう。
【0114】
本明細書に記載されるプロセスは、当該技術分野で既知の任意の好適な方法により監視することができる。例えば、生成物の形成は、核磁気共鳴分析法(例えば、
1Hまたは
13C)、赤外線分光法、分光光度法(例えば、UV可視)、質量分析法等の分光分析手段によって、または、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、ガスクロマトグラフィー(GC)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、もしくは薄層クロマトグラフィー(TLC)等のクロマトグラフィーによって、監視することができる。
【0115】
本化合物の調製は、種々の化学基の保護および脱保護を伴い得る。保護および脱保護の必要性、ならびに適切な保護基の選択は、当業者によって容易に判定することができる。保護基の化学は、例えば、Greene et al.,Protective Groups in Organic Synthesis,2d.Ed.(Wiley&Sons,1991)に見出すことができ、その全開示は、全ての目的で参照により本明細書に組み込まれる。
【0116】
本明細書に記載される反応またはプロセスは、有機合成の当業者によって容易に選択することができる好適な溶媒中で実行され得る。好適な溶媒は、典型的に、反応が実行される温度、すなわち、溶媒の凍結温度から溶媒の沸点の範囲に及び得る温度において、反応物質、中間体、および/または生成物と実質的に反応しない。所定の反応は、1つの溶媒または1つを上回る溶媒の混合物中で実行され得る。特定の反応ステップに応じて、特定の反応ステップに好適な溶媒を選択することができる。
【0117】
以下に提供される実施例は、本発明の例示的な化合物を調製するための代表的な方法を提供する。当業者であれば、本発明の化合物を調製するために、当業者に既知の適切な試薬、出発物質、および精製方法を代用する方法を理解するであろう。
【0118】
1H NMRスペクトルは、300MHz INOVA VARIAN分光計で記録した。化学シフト値は、ppmで示し、内部標準物質としてTMS(テトラメチルシラン)を参照する。ピークパターンは、次の様に示す:sは一重線、dは二重線、tは三重線、qは四重線、mは多重線、およびddは二重線の二重線。結合定数(J)は、ヘルツ(Hz)で報告する。質量スペクトルは、1200 Aligent LC−MS分光器(ES−API,Positive)で得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーを、本明細書に本明細書に記載される溶媒系を使用して、シリカゲル100−200メッシュ上で行った。
【0119】
実施例は、式(I)の代表的な化合物を調製する方法を提供する。当業者であれば、本発明のさらなる化合物を調製するために、当業者に既知の適切な試薬、出発物質、および精製方法を代用する方法を理解するであろう。
【0120】
実施例1:1−(ピリミジン−2−イル)チオ尿素の合成:
【化53】
【0121】
0℃、アルゴン雰囲気下で、無水酢酸エチル(30mL)中のチオシアン酸カリウム(3.31g、34.0mmol)の懸濁液に、無水酢酸エチル(30mL)中のフルオレニルメチルオキシ−塩化カルボニル(8.00g、30.9mmol)の溶液を滴下添加した。添加後に、反応混合物を室温で24時間撹拌した。次いで、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:ヘキサン=40:60)を通して精製して、無色の油として5.00gの純粋な生成物O−((9H−フルオレン−9−イル)メチル)カルボンイソチオシアナチデートを得た。
【0122】
トルエン(80mL)中のO−((9H−フルオレン−9−イル)メチル)カルボンイソチオシアナチデート(5.00g、17.8mmol)およびピリミジン−2−アミン(1.61g、16.9mmol)の反応混合物を、4時間還流させた。次いで、それを濾過し、トルエンで洗浄して、白色の固体として6.00gの生成物1−Fmoc−3−(ピリミジン−2−イル)チオ尿素を得、これをさらなる精製なしに次のステップで直接使用した。
【0123】
ジクロロメタン(120mL)中の1−Fmoc−3−(ピリミジン−2−イル)チオ尿素(6.00g、15.9mmol)の撹拌懸濁液に、ピペリジン(24mL)を添加した。反応混合物を、室温で20時間撹拌し、次いで、濾過してジクロロメタンで洗浄した。粗生成物を、10分間水(50mL)中にスラリー化し、濾過し、水で洗浄して、真空下で乾燥させて、白色の固体として2.35gの純粋な生成物1−(ピリミジン−2−イル)チオ尿素を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ10.57(s,1H,NH),10.20(s,1H,NH),9.13(s,1H,NH),8.63(d,J=4.8Hz,2H,CH
ar),7.14(t,J=5.1Hz,1H,CH
ar).
【0124】
実施例2:1−(ピラジン−2−イル)チオ尿素の合成。
【化54】
【0125】
1−(ピラジン−2−イル)チオ尿素を、実施例1と同じ方式でピラジン−2−イルアミンから合成し、白色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ10.83(s,1H,NH),9.94(s,1H,NH),9.08(s,1H,NH),8.52(s,1H,CH
ar),8.23(s,2H,CH
ar).
【0126】
実施例3:1−(ピリミジン−4−イル)チオ尿素の合成。
【化55】
【0127】
1−(ピリミジン−4−イル)チオ尿素を、実施例1と同じ方式でピリミジン−4−イルアミンから合成し、白色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ10.83(s,1H,NH),10.28(s,1H,NH),9.29(s,1H,NH),8.78(d,J=0.6Hz,1H,CH
ar),8.54(d,J=6.0Hz,1H,CH
ar),7.14(dd,J=5.7,1.2Hz,1H,CH
ar).
【0128】
実施例4:1−(5−クロロピリミジン−2−イル)チオ尿素の合成。
【化56】
【0129】
1−(5−クロロピリミジン−2−イル)チオ尿素を、実施例1と同じ方式で5−クロロ−ピリミジン−2−イルアミンから合成し、白色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ10.88(s,1H,NH),9.90(s,1H,NH),9.20(s,1H,NH),8.72(s,2H,CH
ar).
【0130】
実施例5:1−(5ブロモピリミジン−2−イル)チオ尿素の合成。
【化57】
【0131】
1−(5ブロモピリミジン−2−イル)チオ尿素を、実施例1と同じ方式で5−ブロモ−ピリミジン−2−イルアミンから合成し、白色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ10.85(s,1H,NH),9.89(s,1H,NH),9.21(s,1H,NH),8.77(s,2H,CH
ar).
【0132】
実施例6:1−(4−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)チオ尿素の合成。
【化58】
【0133】
1−(4−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)チオ尿素を、実施例1と同じ方式で4−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イルアミンから合成し、生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ9.85(s,1H,NH),9.33(s,1H,NH),8.97(d,J=5.1Hz,1H,CH
ar),7.61(d,J=4.8Hz,1H,CH
ar).
【0134】
実施例7:1−(4−メチルピリミジン−2−イル)チオ尿素の合成。
【化59】
【0135】
塩化ベンゾイル(1.74mL、15mmol)を、室温で乾燥アセトン(20mL)中のチオシアン酸アンモニウム(1.90g、25mmol)の溶液に滴下添加した。それを15分間加熱還流し、次いで、4−メチルピリミジン−2−アミン(1.09g、10mmol)で処理した。還流を、30分間継続した。冷却した後、反応混合物を氷上に注ぎ、30分間撹拌した。沈殿物を、濾過によって収集し、水で洗浄し、次いで、80℃で30分間、2Nの水酸化ナトリウム(30mL)中で加水分解した。室温に冷却し、氷冷の6MのHCl(20mL)に注いだ。pHを、粉末の炭酸ナトリウムで8〜9に調節した。粗生成物を濾過によって収集し、水で洗浄した。それをさらに、ジクロロメタン中にスラリー化し、濾過して、白色の固体として340mgの化合物1−(4−メチルピリミジン−2−イル)チオ尿素を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ10.39(s,1H,NH),10.27(s,1H,NH),9.09(s,1H,NH),8.46(d,J=5.1Hz,1H,CH
ar),7.03(d,J=5.1Hz,1H,CH
ar),2.40(s,3H,ArCH
3).
【0136】
実施例7:1−(6−メチルベンゾ[d]チアゾール−2−イル)チオ尿素の合成。
【化60】
【0137】
1−(6−メチルベンゾ[d]チアゾール−2−イル)チオ尿素の合成を、実施例7と同じ方式で6−メチル−ベンゾチアゾール−2−イルアミンから合成して、白色の固体の生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ11.73(s,1H,NH),9.06(s,2H,NH
2),7.69(s,1H,CH
ar),7.56(d,J=7.8Hz,1H,CH
ar),7.20(d,J=7.5Hz,1H,CH
ar),2.37(s,3H,ArCH
3).
【0138】
実施例8:1−(ピリミジン−2−イル)チオ尿素の合成。
【化61】
【0139】
0℃、アルゴン雰囲気下で、無水酢酸エチル(EtOAc、50mL)中のチオシアン酸カリウム(4.28g、44.0mmol)の懸濁液に、無水酢酸エチル(50mL)中のフルオレニルメチルオキシ−塩化カルボニル(Fmoc−Cl、10.35g、40.0mmol)の溶液を滴下添加した。添加後に、反応混合液を室温で24時間撹拌した。反応混合物を、ヘキサン(100mL)で希釈し、次いで、シリカゲルパッドを通して濾過し、ジクロロメタンとヘキサンの混合物(25:75、200mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、淡黄色の油として粗製O−((9H−フルオレン−9−イル)メチル)カルボンイソチオシアナチデートを得、これをトルエン(100mL)中に溶解し、続いてピリミジン−2−アミン(3.62g、38.0mmol)を添加した。それを4時間還流させ、濾過し、トルエン(100mL)で洗浄して、1−Fmoc−3−(ピリミジン−2−イル)チオ尿素を得、これをジクロロメタン(100mL)中に懸濁し、ピペリジン(24mL)で処理した。室温で12時間撹拌した後、混合物を濾過し、ジクロロメタン(100mL)で洗浄し、次いで水(100mL)で洗浄した。固体を真空下で乾燥させて、薄茶色の固体として4.45gの純粋な生成物1−(ピリミジン−2−イル)チオ尿素を得た。
【0140】
実施例8:1−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンの合成。
【化62】
【0141】
−15℃を下回るアルゴン雰囲気下で、無水ジエチルエーテル(20mL)中の2−シアノピリジン(1.04g、10mmol)の撹拌溶液に、臭化イソブチルマグネシウム(ジエチルエーテル中2M、6.0mL、12mmol)をゆっくりと添加した。添加後に、反応混合物を、この温度で1時間撹拌し、次いで、3時間にわたって室温まで温めた。0℃において2NのHCl(6mL)で反応停止処理を行い、さらに15分間撹拌した。pHを、2NのNaOHで8〜9に調節した。混合物を、水(15mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(30mL×3回)。合わせた有機層を、Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=4:96〜16:84)を通して精製して、無色の油として1.40gの生成物1−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンを得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ8.68(dt,J=4.2,0.9Hz,1H,CH
ar),8.04(d,J=8.1Hz,1H,CH
ar),7.83(dt,J=7.5,1.8Hz,1H,CH
ar),7.48−7.43(m,1H,CH
ar),3.11(d,J=6.6Hz,2H,CH
2CO),2.34−2.30(m,1H,CH),1.00(d,J=6.6Hz,6H,C(CH
3)
2).MS:MH
+=164.
【0142】
実施例9:1−(3,5−ジメチルピリジン−2−イル)エタノンの合成。
【化63】
【0143】
1−(3,5−ジメチルピリジン−2−イル)エタノンを、実施例8と同じ方式で、3,5−ジメチル−ピリジン−2−カルボニトリルおよび臭化メチルマグネシウムから合成して、無色の油として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ8.33(d,J=0.9Hz,1H,CH
ar),7.37(d,J=1.5Hz,1H,CH
ar),2.69(s,3H,CH
3),2.56(s,3H,CH
3),2.36(s,3H,CH
3CO).MS:MH
+=150.
【0144】
実施例10:1−(6−メトキシピリジン−2−イル)エタノンの合成。
【化64】
【0145】
1−(6−メトキシピリジン−2−イル)エタノンを、実施例8と同じ方式で、6−メトキシ−ピリジン−2−カルボニトリルおよび臭化メチルマグネシウムから合成して、固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ7.72−7.62(m,2H,CH
ar),6.93(dd,J=8.1,0.9Hz,1H,CH
ar),4.00(s,3H,CH
3OAr),2.69(s,3H,CH
3CO).MS:MH
+=152.
【0146】
実施例11:1−(キノリン−2−イル)エタノンの合成。
【化65】
【0147】
1−(キノリン−2−イル)エタノンを、実施例8と同じ方式で、キノリン−2−カルボニトリルおよび臭化メチルマグネシウムから合成して、白色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ8.27(d,J=8.4Hz,1H,CH
ar),8.20(d,J=8.7Hz,1H,CH
ar),8.13(d,J=8.7Hz,1H,CH
ar),7.87(d,J=8.4Hz,1H,CH
ar),7.82−7.76(m,1H,CH
ar),7.68−7.62(m,1H,CH
ar),2.88(s,3H,CH
3CO).MS:MH
+=172.
【0148】
実施例12:1−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンの合成。
【化66】
【0149】
1−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンを、実施例8と同じ方式で、ピリジン−2−カルボニトリルおよび臭化エチルマグネシウムから合成して、淡黄色の油として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ8.68(dt,J=4.8,0.9Hz,1H,CH
ar),8.05(dt,J=8.1,1.2Hz,1H,CH
ar),7.83(dt,J=7.5,1.8Hz,1H,CH
ar),7.49−7.44(m,1H,CH
ar),3.25(q,J=7.5Hz,2H,CH
2CO),1.22(t,J=7.5Hz,3H,CH
3).MS:MH
+=136.
【0150】
実施例13:1−(ピリジン−2−イル)ブタン−1−オンの合成。
【化67】
【0151】
1−(ピリジン−2−イル)ブタン−1−オンを、実施例8と同じ方式で、ピリジン−2−カルボニトリルおよび臭化プロピルマグネシウムから合成して、無色の油として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ8.68(dq,J=5.1,0.9Hz,1H,CH
ar),8.04(dt,J=8.1,1.2Hz,1H,CH
ar),7.83(dt,J=7.5,1.8Hz,1H,CH
ar),7.48−7.44(m,1H,CH
ar),3.20(t,J=7.5Hz,2H,CH
2CO),1.81−1.74(m,2H,CH
2),1.02(t,J=7.5Hz,3H,CH
3).MS:MH
+=150.
【0152】
実施例14:1−(ピリジン−2−イル)ヘプタン−1−オンの合成。
【化68】
【0153】
1−(ピリジン−2−イル)ヘプタン−1−オンを、実施例8と同じ方式で、ピリジン−2−カルボニトリルおよび臭化へキシルマグネシウムから合成して、無色の油として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ8.68(dq,J=4.8,0.9Hz,1H,CH
ar),8.04(dt,J=8.1,0.9Hz,1H,CH
ar),7.83(dt,J=7.5,1.8Hz,1H,CH
ar),7.48−7.44(m,1H,CH
ar),3.21(t,J=7.5Hz,2H,CH
2CO),1.76−1.68(m,2H,CH
2),1.42−1.26(m,6H,3xCH
2),0.89(t,J=7.2Hz,3H,CH
3).MS:MH
+=192.
【0154】
実施例15:2−シクロへキシル−1−(ピリジン−2−イル)エタノンの合成。
【化69】
【0155】
2−シクロへキシル−1−(ピリジン−2−イル)エタノンを、実施例8と同じ方式で、ピリジン−2−カルボニトリルおよび臭化シクロへキシルメチルマグネシウムから合成して、無色の油として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ8.68(dt,J=3.9,0.6Hz,1H,CH
ar),8.03(d,J=8.1Hz,1H,CH
ar),7.83(dt,J=7.8,1.8Hz,1H,CH
ar),7.48−7.43(m,1H,CH
ar),3.10(d,J=7.2Hz,2H,CH
2CO),2.04−2.00(m,1H,CH),1.78−1.02(m,10H,5xCH
2).MS:MH
+=204.
【0156】
実施例16:1−(ピリジン−2−イル)ウンデカン−1−オンの合成。
【化70】
【0157】
1−(ピリジン−2−イル)ウンデカン−1−オンを、実施例8と同じ方式で、ピリジン−2−カルボニトリルおよび臭化ウンデカニルマグネシウムから合成して、無色の油として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ8.68(dq,J=4.8,0.9Hz,1H,CH
ar),8.04(dt,J=8.1,1.2Hz,1H,CH
ar),7.83(dt,J=7.5,1.8Hz,1H,CH
ar),7.48−7.43(m,1H,CH
ar),3.21(t,J=7.5Hz,2H,CH
2CO),1.75−1.68(m,2H,CH
2),1.35−1.23(m,14H,7xCH
2),0.88(t,J=6.9Hz,3H,CH
3).MS:MH
+=248.
【0158】
実施例17:エチル3−(6−メチルピリジン−2−イル)−3−オキソプロパン酸の合成。
【化71】
【0159】
エタノール(40mL)中の6−メチルピコリン酸(1.0g、7.3mmol)および濃硫酸(約98%、0.6mL)の反応混合物を、24時間還流させた。過剰なエタノールを蒸発させ、続いて、0℃で水(20mL)を添加した。pHを、粉末の重炭酸ナトリウムで9に調節した。次いで、混合物を、酢酸エチルで抽出し(30mL×3回)、合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、無色の油として1.20gのエチル6−メチルピコリン酸を得た。MS:MH
+=166.
【0160】
トルエン(10mL)中の無水酢酸エチル(1mL、9.9mmol)の溶液を、室温においてナトリウムエトキシド(449mg、6.6mg)で処理した。混合物を、アルゴン雰囲気下で1時間撹拌し、次いで、エチル6−メチルピコリン酸(499mg、3.3mmol)を添加した。反応混合物を、20時間加熱還流した。室温に冷却した後、酢酸で酸性化し(pH=6)、続いて、水(20mL)を添加し、酢酸エチルで抽出した(20mL×3回)。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=10:90〜20:80)を通して精製して、淡黄色の油として440mgの化合物、エチル3−(6−メチルピリジン−2−イル)−3−オキソプロパン酸を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ7.87(d,J=7.8Hz,1H,CH
ar),7.72(t,J=7.8Hz,1H,CH
ar),7.33(d,J=7.5Hz,1H,CH
ar),4.23−4.16(m,4H,2xCH
2),2.59(s,3H,ArCH
3),1.24(t,J=7.2Hz,3H,CH
3).MS:MH
+=208.
【0161】
実施例18:エチル3−(4−メチルピリジン−2−イル)−3−オキソプロパン酸の合成。
【化72】
【0162】
エチル3−(4−メチルピリジン−2−イル)−3−オキソプロパン酸を、実施例17と同じ方式で、4−メチル−ピリジン−2−カルボン酸から合成して、淡黄色の油として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ8.52(d,J=5.1Hz,1H,CH
ar),7.90(d,J=0.6Hz,1H,CH
ar),7.30(dd,J=5.1,0.9Hz,1H,CH
ar),4.23−4.16(m,4H,2xCH
2),2.43(s,3H,ArCH
3),1.24(t,J=7.2Hz,3H,CH
3).MS:MH
+=208.
【0163】
実施例19:2−ブロモ−1−(ピリジン−2−イル)エタノン臭化水素酸塩の合成。
【化73】
【0164】
0℃で48%臭化水素酸(2.26mL、20mmol)および酢酸(22mL)の混合物中の2−アセチルピリジン(2.42g、20mmol)の溶液に、臭素(1.13mL、22mmol)を滴下添加した。反応混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで、75℃で3時間撹拌した。室温に冷却した後、テトラヒドロフラン(25mL)で希釈し、一晩撹拌した。生成物を、濾過によって収集し、テトラヒドロフランで洗浄し、真空下で乾燥させた。5.38gの2−ブロモ−1−(ピリジン−2−イル)エタノン臭化水素酸を、白色の固体として得た。
【0165】
実施例20:4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化74】
【0166】
エタノール(30mL)中の2−ブロモ−1−(ピリジン−2−イル)エタノン臭化水素酸(1.69g、6mmol)、1−(ピリミジン−2−イル)チオ尿素(0.93g、6mmol)、およびトリエチルアミン(2.1mL、15mmol)の反応混合物を、アルゴン雰囲気下で1時間還流させた。室温に冷却した後、反応混合物に、水(100mL)で反応停止処理を行い、さらに2時間撹拌した。粗生成物を、濾過によって収集し、メタノール中での再結晶化によってさらに精製した。白色の固体として、1.14gの化合物4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを得た。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6):δ11.88(s,1H,NH),8.67(d,J=5.0Hz,2H,CH
ar),8.61−8.59(m,1H,CH
ar),7.99(d,J=8.0Hz,1H,CH
ar),7.89(dt,J=7.5,1.5Hz,1H,CH
ar),7.75(s,1H,CH
ar),7.33−7.31(m,1H,CH
ar),7.06(t,J=5.0Hz,1H,CH
ar).MS:MH
+=256。4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンは、さらに、次の手順を使用してHCl塩に変換することが可能であった:メタノール(10mL)中の4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミン(102mg、0.4mmol)の懸濁液を、4MのHCl溶液(1,4−ジオキサン中、1mL)で処理した。次いで、それを加熱還流し、反応混合物は透明な溶液となった。溶媒を蒸発により除去し、得られた残渣を、酢酸エチル中で再結晶化させることによりさらに精製して、130mgのHCl塩を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ8.71−8.67(m,3H,CH
ar),8.33−8.24(m,3H,CH
ar),7.71−7.67(m,1H,CH
ar),7.09(t,J=5.1Hz,1H,CH
ar).MS:MH
+=256.
【0167】
実施例21:N,4−ジフェニルチアゾール−2−アミンの合成。
【化75】
【0168】
N,4−ジフェニルチアゾール−2−アミンを、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−1−フェニル−エタノンおよびフェニル−チオ尿素から合成して、淡黄色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ7.88−7.84(m,2H,CH
ar),7.55(s,1H,NH),7.43−7.28(m,7H,CH
ar),7.10−7.05(m,1H,CH
ar),6.83(d,J=1.8Hz,1H,CH
ar).MS:MH
+=253.
【0169】
実施例22:N−フェニル−4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化76】
【0170】
N−フェニル−4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−1−ピリジン−2−イル−エタノンおよびフェニル−チオ尿素から合成して、淡黄色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ8.62−8.60(m,1H,CH
ar),8.00(dt,J=8.1,1.2Hz,1H,CH
ar),7.75(dt,J=8.1,2.1Hz,1H,CH
ar),7.44−7.34(m,6H,5xCH
arおよびNHの重複),7.23−7.18(m,1H,CH
ar),7.11−7.06(m,1H,CH
ar).MS:MH
+=254.
【0171】
実施例23:4−フェニル−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化77】
【0172】
4−フェニル−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−1−フェニル−エタノンおよびピリミジン−2−イル−チオ尿素から合成して、白色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ11.80(s,1H,NH),8.63(d,J=5.1Hz,2H,CH
ar),7.92−7.89(m,2H,CH
ar),7.52(s,1H,CH
ar),7.43−7.38(m,2H,CH
ar),7.31−7.29(m,1H,CH
ar),7.03(t,J=5.1Hz,1H,CH
ar).MS:MH
+=255.
【0173】
実施例24:N,4−ジ(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化78】
【0174】
N,4−ジ(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−1−ピリジン−2−イル−エタノンおよびピリジン−2−イル−チオ尿素から合成して、白色の固体として生成物を得た。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6):δ11.45(s,1H,NH),8.60(d,J=4.5Hz,1H,CH
ar),8.32(dd,J=5.5,2.0Hz,1H,CH
ar),7.97(d,J=8.0Hz,1H,CH
ar),7.88(dt,J=8.0,2.0Hz,1H,CH
ar),7.74−7.71(m,1H,CH
ar),7.65(s,1H,CH
ar),7.33−7.30(m,1H,CH
ar),7.11(d,J=8.5Hz,1H,CH
ar),6.96−6.93(m,1H,CH
ar).MS:MH
+=255.
【0175】
実施例25:4−(ピリジン−3−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化79】
【0176】
4−(ピリジン−3−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−1−ピリジン−3−イル−エタノンおよびピリミジン−2−イル−チオ尿素から合成して、灰色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ11.93(s,1H,NH),9.14−9.13(m,1H,CH
ar),8.65(d,J=4.8Hz,2H,CH
ar),8.51(dd,J=5.1,1.8Hz,1H,CH
ar),8.25−8.21(m,1H,CH
ar),7.70(s,1H,CH
ar),7.46−7.42(m,1H,CH
ar),7.04(t,J=4.8Hz,1H,CH
ar).MS:MH
+=256.
【0177】
実施例26:4−(ピリジン−4−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化80】
【0178】
4−(ピリジン−4−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−1−ピリジン−4−イル−エタノンおよびピリミジン−2−イル−チオ尿素から合成して、灰色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ11.93(s,1H,NH),8.65(d,J=4.8Hz,2H,CH
ar),8.59(dd,J=4.8,1.5Hz,2H,CH
ar),7.89(s,1H,CH
ar),7.85−7.83(m,2H,CH
ar),7.05(t,J=4.8Hz,1H,CH
ar).MS:MH
+=256.
【0179】
実施例27:N−(ピラジン−2−イル)−4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化81】
【0180】
N−(ピラジン−2−イル)−4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−1−ピリジン−2−イル−エタノンおよびピリミジン−2−イル−チオ尿素から合成して、茶色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ11.87(s,1H,NH),8.60−8.57(m,1H,CH
ar),8.51(d,J=1.5Hz,1H,CH
ar),8.32(dd,J=3.0,1.5Hz,1H,CH
ar),8.13(d,J=2.4Hz,1H,CH
ar),7.96(dt,J=7.8,1.2Hz,1H,CH
ar),7.87(dt,J=7.8,1.8Hz,1H,CH
ar),7.73(s,1H,CH
ar),7.33−7.29(m,1H,CH
ar).MS:MH
+=256.
【0181】
実施例28:4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−4−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化82】
【0182】
4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−4−イル)チアゾール−2−アミンを、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−1−ピリジン−2−イル−エタノンおよびピリミジン−4−イル−チオ尿素から合成して、茶色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ11.91(s,1H,NH),8.84(d,J=0.9Hz,1H,CH
ar),8.60−8.57(m,1H,CH
ar),8.46(d,J=6.0Hz,1H,CH
ar),7.95(dt,J=7.8,1.2Hz,1H,CH
ar),7.87(dt,J=8.1,2.1Hz,1H,CH
ar),7.80(s,1H,CH
ar),7.34−7.29(m,1H,CH
ar),7.10(dd,J=5.7,1.2Hz,1H,CH
ar).MS:MH
+=256.
【0183】
実施例29:4−(6−ブロモピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化83】
【0184】
4−(6−ブロモピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−1−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−エタノンおよびピリミジン−2−イル−チオ尿素から合成して、灰色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ11.92(s,1H,NH),8.65(d,J=4.5Hz,2H,CH
ar),7.95(dd,J=7.8,0.9Hz,1H,CH
ar),7.82(t,J=8.1Hz,1H,CH
ar),7.75(d,J=0.6Hz,1H,CH
ar),7.54(dd,J=8.1,0.9Hz,1H,CH
ar),7.05(t,J=4.8Hz,1H,CH
ar).MS:MH
+=334.
【0185】
実施例30:4−(4−メチルピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化84】
【0186】
4−(4−メチルピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−1−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−エタノンおよびピリミジン−2−イル−チオ尿素から合成して、濃灰色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ11.81(s,1H,NH),8.64(d,J=4.8Hz,2H,CH
ar),8.42(dd,J=4.2,0.6Hz,1H,CH
ar),7.82(t,J=0.9Hz,1H,CH
ar),7.70(s,1H,CH
ar),7.14−7.12(m,1H,CH
ar),7.04(t,J=4.8Hz,1H,CH
ar),2.36(s,3H,ArCH
3).MS:MH
+=270.
【0187】
実施例31:4−(3,5−ジメチルピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化85】
【0188】
4−(3,5−ジメチルピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−1−(3,5−ジメチル−ピリジン−2−イル)−エタノンおよびピリミジン−2−イル−チオ尿素から合成して、淡灰色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ11.70(s,1H,NH),8.64(d,J=4.8Hz,2H,CH
ar),8.24(s,1H,CH
ar),7.46(s,1H,CH
ar),7.41(s,1H,CH
ar),7.02(t,J=4.8Hz,1H,CH
ar),2.52(s,3H,ArCH
3),2.27(s,3H,ArCH
3).MS:MH
+=284.
【0189】
実施例32:6−(2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−4−イル)ピリジン−2−オール二塩酸塩の合成。
【化86】
【0190】
6−(2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−4−イル)ピリジン−2−オール二塩酸塩を、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−1−(6−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル)−エタノン二塩酸塩およびピリミジン−2−イル−チオ尿素から合成して、灰色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ11.93(s,1H,NH),8.64(d,J=4.5Hz,2H,CH
ar),7.92(s,1H,CH
ar),7.53(t,J=8.1Hz,1H,CH
ar),7.05(t,J=4.8Hz,1H,CH
ar),6.89(d,J=6.9Hz,1H,CH
ar),6.33(d,J=9.3Hz,1H,CH
ar).MS:MH
+=272.
【0191】
実施例33:N−(ピリミジン−2−イル)−4−(キノリン−2−イル)チアゾール−2−アミン二塩酸塩の合成。
【化87】
【0192】
N−(ピリミジン−2−イル)−4−(キノリン−2−イル)チアゾール−2−アミン二塩酸塩を、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−1−キノリン−2−イル−エタノン二塩酸塩およびピリミジン−2−イル−チオ尿素から合成して、灰色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ8.84(d,J=9.0Hz,1H,CH
ar),8.70(d,J=5.1Hz,1H,CH
ar),8.56(s,1H,CH
ar),8.38(dd,J=8.7,3.3Hz,1H,CH
ar),8.16(d,J=7.8Hz,1H,CH
ar),7.96(t,J=7.5Hz,1H,CH
ar),7.75(t,J=7.8Hz,1H,CH
ar),7.10(t,J=4.8Hz,1H,CH
ar).MS:MH
+=306.
【0193】
実施例34:N−(5−クロロピリミジン−2−イル)−4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化88】
【0194】
N−(5−クロロピリミジン−2−イル)−4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−1−ピリジン−2−イル−エタノンおよび(5−クロロ−ピリミジン−2−イル)−チオ尿素から合成して、白色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ12.11(s,1H,NH),8.74(s,2H,CH
ar),8.58(d,J=5.1Hz,1H,CH
ar),7.97(d,J=8.1Hz,1H,CH
ar),7.87(m,1H,CH
ar),7.76(s,1H,CH
ar),7.31(m,1H,CH
ar).MS:MH
+=290.
【0195】
実施例35:N−(5ブロモピリミジン−2−イル)−4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化89】
【0196】
N−(5−ブロモピリミジン−2−イル)−4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−1−ピリジン−2−イル−エタノンおよび(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−チオ尿素から合成して、白色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ12.10(s,1H,NH),8.79(s,2H,CH
ar),8.58−8.57(m,1H,CH
ar),7.96(d,J=7.8Hz,1H,CH
ar),7.86(dt,J=8.1,1.8Hz,1H,CH
ar),7.77(s,1H,CH
ar),7.33−7.28(m,1H,CH
ar).MS:MH
+=334.
【0197】
実施例36:N−(4−メチルピリミジン−2−イル)−4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化90】
【0198】
N−(4−メチルピリミジン−2−イル)−4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−1−ピリジン−2−イル−エタノンおよび(4−メチル−ピリミジン−2−イル)−チオ尿素から合成して、灰色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ11.74(s,1H,NH),8.57(d,J=4.2Hz,1H,CH
ar),8.48(d,J=4.8Hz,1H,CH
ar),7.96(d,J=7.8Hz,1H,CH
ar),7.86(dt,J=7.5,1.8Hz,1H,CH
ar),7.71(s,1H,CH
ar),7.31−7.27(m,1H,CH
ar),6.92(d,J=4.8Hz,1H,CH
ar),2.44(s,3H,ArCH
3).MS:MH
+=270.
【0199】
実施例37:4−(ピリジン−2−イル)−N−(4−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化91】
【0200】
4−(ピリジン−2−イル)−N−(4−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−1−ピリジン−2−イル−エタノンおよび(4−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル)−チオ尿素から合成して、灰色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ12.42(s,1H,NH),8.98(d,J=4.5Hz,1H,CH
ar),8.58(d,J=3.6Hz,1H,CH
ar),7.97(d,J=8.1Hz,1H,CH
ar),7.89−7.83(m,2H,CH
ar),7.48(d,J=4.5Hz,1H,CH
ar),7.31(t,J=5.7Hz,1H,CH
ar).MS:MH
+=324.
【0201】
実施例38:6−メチル−N−(4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−イル)ベンゾ[d]チアゾール−2−アミンの合成。
【化92】
【0202】
6−メチル−N−(4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−イル)ベンゾ[d]チアゾール−2−アミンを、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−1−ピリジン−2−イル−エタノンおよび(6−メチル−ベンゾチアゾール−2−イル)−チオ尿素から合成して、薄茶色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ8.62(s,1H,CH
ar),8.13(d,J=6.6Hz,1H,CH
ar),7.82(t,J=7.5Hz,1H,CH
ar),7.64−7.59(m,1H,CH
ar),7.52−7.48(m,2H,CH
ar),7.23−7.18(m,2H,CH
ar),2.44(s,3H,ArCH
3).MS:MH
+=325.
【0203】
実施例39:5−メチル−4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化93】
【0204】
5−メチル−4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−1−ピリジン−2−イル−プロパン−1−オンおよびピリミジン−2−イル−チオ尿素から合成して、灰色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ11.63(s,1H,NH),8.61(d,J=4.5Hz,3H,CH
ar),7.97(d,J=8.4Hz,1H,CH
ar),7.84(t,J=7.5Hz,1H,CH
ar),7.28−7.24(m,1H,CH
ar),7.01(t,J=4.8Hz,1H,CH
ar),2.72(s,3H,ArCH
3).MS:MH
+=270.
【0205】
実施例40:5−エチル−4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化94】
【0206】
5−エチル−4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−1−ピリジン−2−イル−ブタン−1−オンおよびピリミジン−2−イル−チオ尿素から合成して、灰色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ11.61(s,1H,NH),8.62−8.59(m,3H,CH
ar),7.97(d,J=7.8Hz,1H,CH
ar),7.84(dt,J=7.8,1.8Hz,1H,CH
ar),7.28−7.24(m,1H,CH
ar),7.01(t,J=4.8Hz,1H,CH
ar),2.49−2.48(m,2H,ArCH
2,DMSOのピークと重複),1.26(t,J=7.5Hz,3H,CH
3).MS:MH
+=284.
【0207】
実施例41:5−イソプロピル−4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化95】
【0208】
5−イソプロピル−4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−3−メチル−1−ピリジン−2−イル−ブタン−1−オンおよびピリミジン−2−イル−チオ尿素から合成して、淡灰色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ9.95(s,1H,NH),8.67−8.66(m,3H,CH
ar),7.88(d,J=7.8Hz,1H,CH
ar),7.73(t,J=8.1Hz,1H,CH
ar),7.17(m,1H,CH
ar),6.89(t,J=5.1Hz,1H,CH
ar),4.35−4.30(m,1H,CH),1.40(d,J=6.6Hz,6H,C(CH
3)
2).MS:MH
+=298.
【0209】
実施例42:5−ペンチル−4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化96】
【0210】
5−ペンチル−4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを、実施例20と同じ方式で2−ブロモ−1−ピリジン−2−イル−ヘプタン−1−オンおよびピリミジン−2−イル−チオ尿素から合成して、灰色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ10.07(s,1H,NH),8.66(m,3H,CH
ar),7.88(d,J=7.5Hz,1H,CH
ar),7.73(t,J=7.2Hz,1H,CH
ar),7.16(m,1H,CH
ar),6.89(m,1H,CH
ar),3.29(t,J=7.5Hz,2H,ArCH
2),0.89(m,3H,CH
3).MS:MH
+=326.
【0211】
実施例43:5−シクロへキシル−4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミン二塩酸塩の合成。
【化97】
【0212】
5−シクロへキシル−4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミン二塩酸塩を、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−2−シクロへキシル−1−ピリジン−2−イル−エタノン二塩酸塩およびピリミジン−2−イル−チオ尿素から合成して、淡黄色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ8.74(d,J=4.5Hz,1H,CH
ar),8.65(d,J=4.8Hz,1H,CH
ar),8.24(t,J=8.1Hz,1H,CH
ar),8.04(d,J=8.7Hz,1H,CH
ar),7.63(t,J=6.3Hz,1H,CH
ar),7.05(t,J=4.8Hz,1H,CH
ar),3.58(m,1H,CH),2.02−1.29(m,10H,5xCH
2).MS:MH
+=338.
【0213】
実施例44:5−ノニル−4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化98】
【0214】
5−ノニル−4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを、実施例20と同じ方式で、2−ブロモ−1−ピリジン−2−イル−ウンデカン−1−オンおよびピリミジン−2−イル−チオ尿素から合成して、銀白色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ9.70(s,1H,NH),8.64(d,J=5.1Hz,3H,CH
ar),7.88(d,J=8.1Hz,1H,CH
ar),7.72(dt,J=7.8,1.8Hz,1H,CH
ar),7.19−7.14(m,1H,CH
ar),6.89(t,J=5.1Hz,1H,CH
ar),3.29(t,J=8.1Hz,2H,ArCH
2),1.77−1.69(m,2H,CH
2),1.40−1.25(m,12H,6xCH
2),0.87(t,J=6.9Hz,3H,CH
3).MS:MH
+=382.
【0215】
実施例45:N−イソプロピル−4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化99】
【0216】
ジメチルホルムアミド(4mL)中の4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミン(51mg、0.2mmol)の撹拌溶液に、水素化ナトリウム(60%、12mg。0.3mmol)を添加し、2分後に2−ヨードプロパン(20μL、0.2mmol)を添加した。撹拌を、24時間継続した。反応物に、飽和塩化アンモニウム(10mL)で反応停止処理を行い、酢酸エチルで抽出した(15mL×3回)。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=30:70)を通して精製して、白色の固体として54mgの化合物N−イソプロピル−4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ8.59(s,3H,CH
ar),8.15(d,J=7.2Hz,1H,CH
ar),7.77(s,2H,CH
ar),7.19(s,1H,CH
ar),6.85(s,1H,CH
ar),5.85(m,1H,NCH),1.69(d,J=6.0Hz,6H,C(CH
3)
2).MS:MH
+=298.
【0217】
実施例46:N−メチル−4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化100】
【0218】
N−メチル−4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを、実施例45と同じ方式で、4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンおよびヨードメタンから合成して、50%の収率で、白色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ8.64−8.60(m,3H,CH
ar),8.18−8.15(m,1H,CH
ar),7.77(dt,J=7.8,1.8Hz,1H,CH
ar),7.72(s,1H,CH
ar),7.22−7.17(m,1H,CH
ar),6.90(t,J=4.8Hz,1H,CH
ar),4.07(s,3H,NCH
3).MS:MH
+=270.
【0219】
実施例47:N−ベンジル−4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化101】
【0220】
N−ベンジル−4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを、実施例45と同じ方式で、4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンおよび臭化ベンジルから合成して、白色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ8.62−8.60(m,3H,CH
ar),8.08(d,J=7.8Hz,1H,CH
ar),7.75−7.70(m,2H,CH
ar),7.51(d,J=7.2Hz,2H,CH
ar),7.29−7.15(m,4H,CH
ar,CHCl
3のピークと重複),6.88(t,J=4.8Hz,1H,CH
ar),5.98(s,2H,NCH
2Ar).MS:MH
+=346.
【0221】
実施例48:2−((4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−イル)(ピリミジン−2−イル)アミノ)エタノールの合成。
【化102】
【0222】
2−((4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−イル)(ピリミジン−2−イル)アミノ)エタノールを、実施例45と同じ方式で、4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンおよび2−ブロモエタノールから合成して、白色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ8.63−8.60(m,3H,CH
ar),8.02(d,J=7.8Hz,1H,CH
ar),7.79−7.73(m,2H,CH
ar),7.23−7.18(m,1H,CH
ar),6.93(t,J=4.8Hz,1H,CH
ar),4.94(t,J=5.1Hz,2H,NCH
2),4.71(t,J=4.5Hz,1H,OH),4.20−4.15(m,2H,OCH
2).MS:MH
+=300.
【0223】
実施例49:5−ブロモ−4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンの合成。
【化103】
【0224】
酢酸(2mL)中の4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミン(102mg、0.4mmol)の懸濁液に、室温で臭素を添加した。撹拌を、2時間継続し、次いで、酢酸エチル(20mL)を添加した。粗生成物を、濾過によって収集し、酢酸エチル中で再結晶化させて、黄色の固体として130mgの5−ブロモ−4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミンを得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ8.73−8.67(m,3H,CH
ar),8.10(d,J=3.3Hz,2H,CH
ar),7.57−7.53(m,1H,CH
ar),7.11(t,J=5.1Hz,1H,CH
ar).MS:MH
+=334.
【0225】
実施例50:(4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−イル)メタノールの合成。
【化104】
【0226】
封管において、テトラヒドロフラン(4mL)中の4−(ピリジン−2−イル)−N−(ピリミジン−2−イル)チアゾール−2−アミン(51mg、0.2mmol)の懸濁液を、ホルムアルデヒド水溶液(36.5%、2mL)で処理し、次いで、トリエチルアミン(0.6mL)で処理した。これを、12時間130℃に加熱し、次いで、冷却して濃縮した。残渣に、水(20mL)で反応停止処理を行い、撹拌し、濾過して、生成物を得、これを水および酢酸エチルで順に洗浄し、次いで、真空下で乾燥させた。白色の固体として、55mgの純粋な化合物(4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−イル)メタノールを得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ11.63(s,1H,NH),8.63−8.59(m,3H,CH
ar),8.00(d,J=7.8Hz,1H,CH
ar),7.87(t,J=7.2Hz,1H,CH
ar),7.30−7.26(m,1H,CH
ar),7.02(t,J=4.8Hz,1H,CH
ar),5.81(t,J=5.7Hz,1H,OH),5.03(d,J=5.7Hz,2H,OCH
2Ar).MS:MH
+=286.
【0227】
実施例51:(4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−イル)酢酸メチルの合成。
【化105】
【0228】
1,2−ジクロロエタン(DCE、5mL)中の(4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−イル)メタノール(29mg、0.1mmol)の懸濁液を、ピリジン(81μL、1mmol)で処理し、続いて、室温で無水酢酸(38μL、0.4mmol)を添加した。次いで、これを5時間加熱還流した。冷却した後、反応物に、水(50mL)で反応停止処理を行い、pHを、粉末の炭酸ナトリウムを使用することによって10に調節し、ジクロロメタンで抽出した(30mL×4回)。合わせた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、次いで、濃縮した。結果として得られた残渣を、酢酸エチル中に懸濁し、濾過し、さらに酢酸エチルで洗浄した。白色の固体として28mgの(4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−イル)酢酸メチル。MS:MH+=281
【0229】
実施例52:(4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−イル)酪酸メチルの合成。
【化106】
【0230】
(4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−イル)酪酸メチルを、実施例49と同じ方式で、(4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−イル)メタノールおよび無水酪酸から合成して、57%の収率で、黄色がかった白色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ9.84(s,1H,NH),8.68−8.64(m,3H,CH
ar),7.98(d,J=7.8Hz,1H,CH
ar),7.75(dt,J=7.8,2.1Hz,1H,CH
ar),7.20(dt,J=6.3,1.2Hz,1H,CH
ar),6.93(t,J=4.8Hz,1H,CH
ar),5.85(s,2H,ArCH
2O),2.38(t,J=7.5Hz,2H,CH
2CO),1.74−1.67(m,2H,CH
2),0.97(t,J=7.5,3H,CH
3).MS:MNa
+=378.
【0231】
実施例53:エチル4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボン酸塩の合成。
【化107】
【0232】
0℃で、CHCl
3(20mL)中のエチル3−オキソ−3−(ピリジン−2−イル)プロパン酸(1.16g、6mmol)の撹拌溶液に、臭素(339μL、6.6mmol)を滴下添加した。反応混合物を、まず、40℃で1時間撹拌し、次いで、70℃でさらに1時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、粗製エチル2−ブロモ−3−オキソ−3−(ピリジン−2−イル)プロパン酸臭化水素酸塩を得た。
【0233】
エタノール(20mL)中の粗製エチル2−ブロモ−3−オキソ−3−(ピリジン−2−イル)プロパン酸臭化水素酸塩、1−(ピリミジン−2−イル)チオ尿素(617mg、4mmol)、およびトリエチルアミン(1.94mL、14mmol)の反応混合物を、アルゴン雰囲気下で1時間還流させた。室温に冷却した後、反応混合物に、水(200mL)で反応停止処理を行い、30分間撹拌した。次いで、それを濾過し、固体を収集し、酢酸エチル/ヘキサン(1:1、20mL)中でスラリー化した。濾過して、真空下で乾燥させた後、赤褐色の固体として910mgのエチル4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボン酸塩が得られた。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ12.34(s,1H,NH),8.73(d,J=4.5Hz,2H,CH
ar),8.60(d,J=3.9Hz,1H,CH
ar),7.86(dt,J=7.8,1.8Hz,1H,CH
ar),7.65(d,J=7.5Hz,1H,CH
ar),7.43−7.38(m,1H,CH
ar),7.14(t,J=5.1Hz,1H,CH
ar),4.12(q,J=7.2Hz,2H,OCH
2),1.12(t,J=7.2Hz,3H,CH
3).MS:MH
+=328.
【0234】
実施例54:エチル4−(4−メチルピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボン酸塩の合成。
【化108】
【0235】
エチル4−(4−メチルピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボン酸塩を、実施例53と同じ方式で、ピリミジン−2−イル−チオ尿素および3−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−3−オキソ−プロピオン酸エチルエステルから合成して、灰色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ8.72(d,J=5.1Hz,2H,CH
ar),8.59(d,J=4.8Hz,1H,CH
ar),7.62(s,1H,CH
ar),7.15(d,J=4.2Hz,1H,CH
ar),6.98(t,J=4.8Hz,1H,CH
ar),4.28(q,J=7.2Hz,2H,OCH
2),2.43(s,3H,ArCH
3),1.29(t,J=7.2Hz,3H,CH
3).MS:MH
+=342.
【0236】
実施例55:エチル4−(6−メチルピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボン酸塩の合成。
【化109】
【0237】
エチル4−(6−メチルピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボン酸塩を、実施例53と同じ方式で、ピリミジン−2−イル−チオ尿素および3−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−3−オキソ−プロピオン酸エチルエステルから合成して、赤褐色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ9.95(s,1H,NH),8.71(d,J=4.2Hz,2H,CH
ar),7.66(t,J=7.5Hz,1H,CH
ar),7.56(d,J=7.8Hz,1H,CH
ar),7.20(d,J=7.5Hz,1H,CH
ar),6.98(m,1H,CH
ar),4.26(q,J=7.2Hz,2H,OCH
2),2.66(s,3H,ArCH
3),1.28(t,J=7.2Hz,3H,CH
3).MS:MH
+=342.
【0238】
実施例56:エチル2−((4−メチルピリミジン−2−イル)アミノ)−4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−5−カルボン酸塩の合成。
【化110】
【0239】
エチル2−((4−メチルピリミジン−2−イル)アミノ)−4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−5−カルボン酸塩を、実施例53と同じ方式で、(4−メチル−ピリミジン−2−イル)−チオ尿素および3−オキソ−3−ピリジン−2−イル−プロピオン酸エチルエステルから合成して、赤褐色の固体として生成物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ9.43(s,1H,NH),8.74(d,J=4.5Hz,1H,CH
ar),8.51(d,J=5.4Hz,1H,CH
ar),7.82−7.73(m,2H,CH
ar),7.32(t,J=5.7Hz,1H,CH
ar),6.84(d,J=5.4Hz,1H,CH
ar),4.27(q,J=7.2Hz,2H,OCH
2),2.56(s,3H,ArCH
3),1.28(t,J=7.5Hz,3H,CH
3).MS:MH
+=342.
【0240】
実施例57:4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボン酸の合成。
【化111】
【0241】
テトラヒドロフラン/CH
3OH/H
2O(5:5:1、16.5mL)中のエチル4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボン酸塩(435mg、1.33mmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(391mg、9.31mmol)を添加した。反応混合物を、6時間還流させた。冷却した後、溶媒を蒸発させ、水(20mL)を添加して残渣を溶解した。pHを、6MのHCl水溶液で6に調節し、混合物を、4℃で16時間おいた。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、真空下で乾燥させて、薄茶色の固体として385mgの4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボン酸を得た。MS:MNa
+=322.
【0242】
実施例58:メチル4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボン酸塩の合成。
【化112】
【0243】
メタノール(10mL)中の4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボン酸(60mg、0.2mmol)の懸濁液を、濃硫酸(約98%、2滴)で処理した。反応混合物を、4日間還流させた。冷却した後、溶媒を蒸発させ、水(20mL)を添加した。pHを、飽和重炭酸ナトリウムで8に調節し、混合物を、ジクロロメタン(20mL×4回)で抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、次いで蒸発させて、白色の固体として26mgのメチル4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボン酸塩を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ12.37(s,1H,NH),8.72(d,J=4.2Hz,2H,CH
ar),8.60(d,J=3.3Hz,1H,CH
ar),7.86(t,J=7.5Hz,1H,CH
ar),7.66(d,J=7.5Hz,1H,CH
ar),7.41(t,J=5.7Hz,1H,CH
ar),7.14(t,J=4.8Hz,1H,CH
ar),3.67(s,3H,OCH
3).MS:MH
+=314.
【0244】
実施例59:tert−ブチル 2−(tert−ブチル(ピリミジン−2−イル)アミノ)−4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−5−カルボン酸塩の合成。
【化113】
【0245】
トルエン(2mL)中の4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボン酸(30mg、0.1mmol)および1,1−ジ−tert−ブトキシ−N,N−ジメチルメタンアミン(120μL、0.5mmol)の混合物を、24時間加熱還流した。冷却した後、水(20mL)で反応停止処理を行い、ジクロロメタン(10mL×3回)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、分取TLC(酢酸エチル:ヘキサン=30:70)によって精製して、白色の固体として12mgのtert−ブチル2−(tert−ブチル(ピリミジン−2−イル)アミノ)−4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−5−カルボン酸塩を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ8.61(d,J=4.8Hz,3H,CH
ar),7.87(dt,J=7.8,1.5Hz,1H,CH
ar),7.67(d,J=7.8Hz,1H,CH
ar),7.43−7.38(m,1H,CH
ar),7.09(t,J=4.8Hz,1H,CH
ar),1.55(s,9H,C(CH
3)
3),1.31(s,9H,C(CH
3)
3).MS:MH
+=412.
【0246】
実施例60:4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボキサミドの合成。
【化114】
【0247】
封管において、メタノール(5mL)中、7MのNH
3溶液中のエチル4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボン酸塩(16mg、0.05mg)の懸濁液を、7日間80℃に加熱した。溶媒を蒸発させ、残渣を酢酸エチルで洗浄して、純粋なアミドを得た。それをメタノール中に懸濁し、ジオキサン(0.4mL)中の4MのHClで処置し、加熱還流させた。溶媒を、蒸発によって除去し、粗生成物を、酢酸エチルで洗浄して、淡黄色の固体として17mgの4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボキサミドを得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.93−8.89(m,2H,CH
ar),8.71−8.63(m,3H,CH
ar),8.04(t,J=6.6Hz,1H,CH
ar),7.14(t,J=5.1Hz,1H,CH
ar).MS:MH
+=299.
【0248】
実施例61:N−メチル−4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボキサミドの合成。
【化115】
【0249】
封管において、ジメチルホルムアミド(2mL)中の4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボン酸(60mg、0.2mmol)、メチルアミン塩酸塩(27mg、0.4mmol)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP、221mg、0.5mmol)、トリエチルアミン(83μL、0.6mmol)の反応混合物を、24時間で75℃まで加熱した。次いで、水(20mL)で反応停止処理を行い、濾過し、水で洗浄した。固体を、メタノール(2mL)中に懸濁し、ジオキサン(0.6mL)中の4MのHClで処理した。それを加熱還流し、蒸発させて溶媒を除去した。結果として得られた固体を酢酸エチルで洗浄し、真空下で乾燥させて、淡黄色の固体として64mgのN−メチル−4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボキサミド塩酸塩を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ8.85(m,1H,CH
ar),8.72(d,J=4.8Hz,2H,CH
ar),8.93−8.29(m,2H,CH
ar),7.72(m,1H,CH
ar),7.13(m,1H,CH
ar),2.85(s,3H,NCH
3).MS:MH
+=313.
【0250】
実施例62:N−ベンジル−4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボキサミドの合成。
【化116】
【0251】
ジメチルホルムアミド(10mL)中の4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボン酸(60mg、0.2mmol)、ベンジルアミン(43mg、0.4mmol)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP、195mg、0.44mmol)、トリエチルアミン(83μL、0.6mmol)の反応混合物を、4日間撹拌した。次いで、水(50mL)で反応停止処理を行い、濾過し、水で洗浄した。固体を、メタノール/ジクロロメタン(4:6)中に懸濁し、次いで、濾過した。濾液を濃縮して、収率31%で黄色がかった白色の固体として24mgのアミドを得た。上述のアミド8mgを、メタノール(1mL)中に懸濁し、ジオキサン(0.3mL)中の4MのHClで処理した。これを加熱還流し、次いで、蒸発させて溶媒を除去した。結果として得られた固体を、酢酸エチルで洗浄し、真空下で乾燥させて、黄色がかった白色の固体として9mgのN−ベンジル−4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボキサミド塩酸塩を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ12.29(br,1H,NH),12.09(br,1H,NH),8.71(d,J=4.5Hz,2H,CH
ar),8.40(s,1H,CH
ar),8.32(d,J=8.4Hz,1H,CH
ar),8.09(t,J=7.5Hz,1H,CH
ar),7.51(m,1H,CH
ar),7.37−7.28(m,5H,CH
ar),7.11(m,1H,CH
ar),4.52(d,J=4.5Hz,2H,ArCH
2N).MS:MH
+=389.
【0252】
実施例63:MTX誘導体、24−(4−(((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチル)(メチル)アミノ)ベンズアミド)−1,21−ジオキソ−1−(4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−イル)−5,8,11,14,17−ペンタオキサ−2,20−ジアザペンタコサン−25−酸トリ−トリフルオロ酢酸の合成。
【化117】
【0253】
封管において、ジメチルホルムアミド(2mL)中の4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボン酸(66mg、0.22mmol)、tert−ブチル1−アミノ−22−(4−(((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチル)(メチル)アミノ)ベンズアミド)−19−オキソ−3,6,9,12,15−ペンタオキサ−18−アザトリコサン−23−オエート(MTX(CO
2Bu
t)−(PEG)
6−NH
2、170mg、0.22mmol)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP、146mg、0.33mmol)、トリエチルアミン(55μL、0.4mmol)の反応混合物を、48時間60℃に加熱した。室温に冷却した後、水(30mL)で反応停止処理を行い、濾過し、水で洗浄した。固体を乾燥させ、次いで、ジクロロメタンとメタノールの混合物(6:4、30mL)中に懸濁させた。それを濾過し、濾液を濃縮して、純粋なtert−ブチルエステルを得、これをジクロロメタン(10mL)で処理し、次いでトリフルオロ酢酸(2mL)を添加した。混合物を、室温で24時間撹拌し、蒸発させて、赤褐色の固体として268mgの24−(4−(((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチル)(メチル)アミノ)ベンズアミド)−1,21−ジオキソ−1−(4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−イル)−5,8,11,14,17−ペンタオキサ−2,20−ジアザペンタコサン−25−酸トリ−トリフルオロ酢酸を得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.78(d,J=4.5Hz,1H,CH
ar),8.62−8.57(m,4H,CH
ar),8.37(t,J=7.8Hz,1H,CH
ar),7.79(t,J=6.3Hz,1H,CH
ar),7.71(d,J=9.0Hz,2H,CH
ar),7.06(t,J=4.8Hz,1H,CH
ar),6.78(d,J=8.7Hz,2H,CH
ar),4.85(s,2H,ArCH
2N),4.55−4.50(m,1H,CH),3.70−3.42(m,24H),3.21(s,3H,NCH
3),2.38−2.07(m,4H).MS:MNa
+=1020.
【0254】
実施例64:ビオチン誘導体、N−(31−オキソ−35−((3aS,4S,6aR)−2−オキソヘキサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−4−イル)−3,6,9,12,15,18,21,24,27−ノナオキサ−30−アザペンタトリアコンチル)−4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボキサミドの合成。
【化118】
【0255】
封管において、ジメチルホルムアミド(2mL)中の4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボン酸(30mg、0.1mmol)、N−(29−アミノ−3,6,9,12,15,18,21,24,27−ノナオキサノナコシル)−5−((3aS,4S,6aR)−2−オキソヘキサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−4−イル)ペンタンアミド(ビオチン−(PEG)
10−NH
2、68mg、0.1mmol)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP、66mg、0.15mmol)、トリエチルアミン(28μL、0.2mmol)の反応混合物を、48時間60℃に加熱した。室温に冷却した後、水(20mL)で反応停止処理を行い、ジクロロメタンで抽出した(20mL×4回)。合わせた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、次いで、分取TLC(メタノール中2MのNH
3:ジクロロメタン=5:95)によって精製して、白色の固体として49mgのN−(31−オキソ−35−((3aS,4S,6aR)−2−オキソヘキサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−4−イル)−3,6,9,12,15,18,21,24,27−ノナオキサ−30−アザペンタトリアコンチル)−4−(ピリジン−2−イル)−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)チアゾール−5−カルボキサミドを得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.70(m,1H,CH
ar),8.61(d,J=4.8Hz,2H,CH
ar),8.43(d,J=8.1Hz,1H,CH
ar),7.96(t,J=7.8Hz,1H,CH
ar),7.88(s,1H,NH),7.44(t,J=5.7Hz,1H,CH
ar),7.00(t,J=4.8Hz,1H,CH
ar),4.48−4.44(m,1H,CH),4.29−4.25(m,1H,CH),3.74−3.49(m,40H),3.18−3.12(m,1H,CH),2.88(dd,J=12.9,5.4Hz,1H,CH),2.68(d,J=12.9Hz,1H,CH),2.20−2.14(m,2H),1.71−1.53(m,4H),1.44−1.37(m,2H).MS:MNa
+=986.
【0256】
実施例65:2−ブロモ−3−オキソ−3−ピリジン−2−イル−プロピオニトリル臭化水素酸塩の合成。
【化119】
【0257】
臭素(4ml、0.8mmol、1当量)を、0〜5℃でCHCl
3(5ml)中の3−オキソ−3−ピリジン−2−イル−プロピオニトリル(117mg、0.8mmol、1当量)の溶液にに滴下添加した。次いで、反応混合物を、1時間40℃に加熱し、さらに1時間70℃に加熱した。反応混合物を蒸発させて溶媒を除去し、粗生成物を次のステップで直接使用した。
【0258】
実施例66:4−ピリジン−2−イル−2−(ピリミジン−2−イルアミノ)−チアゾール−5−カルボニトリルの合成:
【化120】
【0259】
2−ブロモ−3−オキソ−3−ピリジン−2−イル−プロピオニトリル臭化水素酸塩(46mg、0.3mmol)、1−(ピリミジン−2−イル)チオ尿素(0.6mmol)、およびトリエチルアミン(0.83ml、6mmol、15当量)を、アルゴン下で、エタノール(5mL)中に一緒に混合し、1時間還流させた。室温に冷却した後、反応物に、水(10mL)で反応停止処理を行い、次いで、メタノールと塩化メチレンの3対1混合物(1:3)で抽出した(5ml×3回)。合わせた有機層を蒸発させた。表題化合物を、カラムクロマトグラフィーによって得た。MS:MH+=281.
製剤
【0260】
本発明はまた、本発明による置換アミノチアゾールを含む組成物または製剤に関する。一般に、本発明の組成物は、無制御な細胞成長を伴う疾患の治療または予防を提供するために有効な本発明による1つ以上の置換アミノチアゾールまたはそれらの塩の有効量と、1つ以上の賦形剤とを含む。本発明の組成物はまた、肝炎ウイルスによる感染を伴う疾患の治療または予防に有効な本発明による1つ以上の置換アミノチアゾールおよびそれらの塩の有効量と、1つ以上の賦形剤とを含む。
【0261】
本発明の目的で、「賦形剤」および「担体」という用語は、本発明の説明全体にわたって互換的に使用され、前記用語は、本明細書において、「安全かつ有効な薬学的組成物の製剤化の実施に使用される成分」として本明細書に定義される。
【0262】
製剤化を行う者は、賦形剤が、主として安全で安定な機能的薬剤を送達する目的で使用され、送達のための総合的なビヒクルの一部としてだけでなく、活性成分の受容者による効果的な吸収を達成する手段としても機能することを理解するであろう。賦形剤は、不活性充填剤であるのと同程度に単純かつ直接的な役割を果たし得るか、または本明細書に使用される賦形剤は、胃への成分の安全な送達を確実にするためのpH安定化系またはコーティングの一部であり得る。製剤化を行う者はまた、本発明の化合物が、改善された細胞の効力、ならびに改善された経口バイオアベイラビリティを有するという事実を利用することができる。
【0263】
本教示はまた、本明細書に記載される少なくとも1つの化合物と、1つ以上の薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤とを含む、薬学的組成物を提供する。このような担体の例は、当業者に周知であり、例えば、その全開示が全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences,17th edition,ed.Alfonoso R.Gennaro,Mack Publishing Company,Easton,PA(1985)に記載されるものといった、許容される薬学的手順に従って調製することができる。本明細書に使用される際、「薬学的に許容される」とは、毒物学の観点から、薬学的用途での使用が許容され、活性成分と不利に相互作用しない物質を指す。したがって、薬学的に許容される担体は、製剤中の他の成分と適合性があり、生物学的に許容されるものである。補助的な活性成分もまた、薬学的組成物中に組み込むことができる。
【0264】
本教示の化合物は、経口または非経口で、単独または従来の薬学的担体と組み合わせて、投与することができる。適用可能な固体担体には、香味剤、滑沢剤、可溶化剤、懸濁化剤、充填剤、流動促進剤、圧縮補助剤、結合剤または錠剤崩壊剤、または封入材料が挙げられる。本化合物は、従来の方式、例えば、既知の抗癌剤に使用されるものと類似の方式で製剤化することができる。本化合物はまた、従来の方式、例えば、既知の抗ウイルス剤に使用されるものと類似の方式で製剤化することができる。本明細書に開示される化合物を含有する経口製剤は、錠剤、カプセル、バッカル剤形、トローチ、ロゼンジ、および経口用の液体、懸濁液、または溶液を含む、従来的に使用されるあらゆる経口剤形を含み得る。粉末の場合、担体は、微細に分割された固体であり得、これは、微細に分割された化合物との混合物である。錠剤の場合、本明細書に開示される化合物は、好適な比率で、必要な圧縮特性を有する担体と混合され、所望される形状および寸法に圧縮され得る。粉末および錠剤は、最大99%まで本化合物を含有し得る。
【0265】
カプセルは、本明細書に開示される1つ以上の化合物(複数可)と、不活性充填剤(複数可)および/または希釈剤、例えば、薬学的に許容されるデンプン(例えば、トウモロコシ、ジャガイモ、またはタピオカスターチ)、糖、人工甘味剤、粉末セルロース(例えば、結晶および微結晶)、小麦粉、ゼラチン、ゴム等との混合物を含有し得る。
【0266】
有用な錠剤製剤は、従来的な圧縮、湿式造粒、または乾式造粒方法によって作製することができ、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、糖、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ポリビニルピロリジン、アルギン酸、アカシアゴム、キサンタンゴム、クエン酸ナトリウム、ケイ酸塩複合体、炭酸カルシウム、グリシン、スクロース、ソルビトール、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、低融点ワックス、およびイオン交換樹脂を含むがこれらに限定されない、薬学的に許容される希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、表面改質剤(界面活性剤を含む)、懸濁化剤、または安定化剤を利用する。表面改質剤には、非イオンおよびアニオン表面改質剤が含まれる。表面改質剤の代表的な例には、ポロキサマー188、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス、ソルビタンエステル、コロイド状二酸化ケイ素、リン酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、およびトリエタノールアミンが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書の経口製剤は、標準的な遅延または持続放出製剤を利用して、本化合物(複数可)の吸収を変化させることができる。経口製剤はまた、必要に応じて適切な可溶化剤または乳化剤を含有する水または果汁中で本明細書に開示される化合物を投与することからなる。
【0267】
液体担体を、溶液、懸濁液、エマルジョン、シロップ、エリキシル、および吸入送達の調製時に使用することができる。本教示の化合物は、水、有機溶媒、もしくはその両方の混合物、または薬学的に許容される油または脂質等、薬学的に許容される液体担体中に溶解または懸濁することができる。液体担体は、可溶化剤、乳化剤、緩衝剤、保存剤、甘味剤、香味剤、懸濁化剤、増粘剤、着色剤、粘性調節剤、安定化剤、および浸透圧調節剤といった他の好適な薬学的添加剤を含有し得る。経口および非経口投与のための液体担体の例には、水(特に、本明細書に記載の添加剤を含有するもの、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液等のセルロース誘導体)、アルコール(一価アルコールおよび多価アルコールを含む、例えばグリコール)およびそれらの誘導体、ならびに油(例えば、分留ココナツ油およびラッカセイ油)が挙げられるがこれらに限定されない。非経口投与については、担体は、オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピル等、油性エステルであってもよい。滅菌の液体担体を、非経口投与のための滅菌液体形態に使用する。加圧組成物のための液体担体は、ハロゲン化炭化水素または他の薬学的に許容される噴射剤であり得る。
【0268】
滅菌溶液または懸濁液である液体の薬学的組成物は、例えば、筋肉内、腹腔内、または皮下注射に利用可能である。滅菌溶液はまた、静脈内投与することもできる。経口投与のための組成物は、液体または固体のいずれかの形態であり得る。
【0269】
好ましくは、薬学的組成物は、単位投薬形態、例えば、錠剤、カプセル、粉末、溶液、懸濁液、エマルジョン、顆粒、または坐剤である。このような形態では、薬学的組成物は、適切な量の化合物を含有する単位用量(複数可)にさらに分割され得る。単位投薬形態は、パッケージ化された組成物、例えば、小包の粉末、バイアル、アンプル、充填済みのシリンジ、または液体を含有する小袋であり得る。あるいは、単位投薬形態は、カプセルまたは錠剤そのものであってもよく、またはそれは、パッケージ形態にある適切な数の任意のこのような組成物であってもよい。このような単位投薬形態は、約1mg/kgの化合物から約500mg/kgの化合物を含有し得、単回投与または2回以上の投与で提供され得る。このような用量は、経口、インプラント経由、非経口(静脈内、腹腔内、および皮下注射を含む)、直腸内、膣内、ならびに経皮と含む、本化合物(複数可)を受容者の血流に送るのに有用な任意の方式で投与することができる。
【0270】
特定の疾患または障害の治療または阻害のために投与する際、有効投薬量は、利用される特定の化合物、投与方式、および治療されている状態の重症度、ならびに治療されている個体と関連する種々の身体的要因に応じて多様であり得る。治療的用途において、本教示の化合物を、既に疾患を患う患者に、疾患およびその合併症の症状の治癒または少なくとも部分的な緩和に十分な量で、提供することができる。具体的な個体の治療に使用されることになる投薬量は、担当医によって主観的に決定されるはずである。関与する可変要素には、具体的な症状およびその状態、ならびに患者の寸法、年齢、および応答パターンが挙げられる。
【0271】
いくつかの場合において、限定されないが、定量吸入器、呼吸動作式(breath−operated)吸入器、多用量ドライパウダー吸入器、ポンプ、圧搾作動式噴霧スプレーディスペンサー、エアロゾルディスペンサー、およびエアロゾル噴霧器等のデバイスを使用して、患者の気道に直接化合物を投与することが望ましい場合がある。鼻腔内または気管支内吸入による投与のために、本教示の化合物を、液体組成物、固体組成物、またはエアロゾル組成物に製剤化することができる。液体組成物は、例示の目的として、1つ以上の薬学的に許容される溶媒中に溶解、部分的に溶解、または懸濁された1つ以上の本教示の化合物を含み得、例えば、ポンプまたは圧搾作動式噴霧スプレーディスペンサーによって投与することができる。溶媒は、例えば、等張食塩水または静菌水であり得る。固体組成物は、例示の目的として、ラクトースまたは気管支内での使用が許容される他の不活性粉末と混合された1つ以上の本教示の化合物を含む粉末調製物であり得、例えば、エアロゾルディスペンサーまたは固体組成物を包んだカプセルを破壊または穿刺し、吸入のための固体組成物を送達するデバイスによって投与することができる。エアロゾル組成物は、例示の目的として、1つ以上の本教示の組成物、噴射剤、界面活性剤、および共溶媒を含み得、例えば、定量デバイスによって投与することができる。噴射剤は、クロロフルオロカーボン(CFC)、ヒドロフルオロアルカン(HFA)、または生理学的および環境的に許容される他の噴射剤であり得る。
【0272】
本明細書に記載される化合物は、非経口または腹腔内投与することができる。これらの化合物または薬学的に許容されるそれらの塩、水和物、もしくはエステルの溶液または懸濁液は、ヒドロキシル−プロピルセルロース等の界面活性剤と好適に混合された水中で調製することができる。分散剤はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、および油中のそれらの混合物中で調製することができる。通常の保管および使用条件下において、これらの調製物は、典型的に、微生物の成長を阻害するための保存剤を含有する。
【0273】
注射に好適な薬学的形態には、滅菌水溶液または分散液、および滅菌注射溶液または分散液の即時調製のための滅菌粉末が含まれる。いくつかの実施形態において、形態は滅菌であり得、その粘度は、シリンジを通って流れることを可能にする。形態は、好ましくは、製造および保管の条件下で安定であり、細菌および真菌等の微生物の混入作用から保護することが可能である。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール)、それらの好適な混合b通、および植物油を含有する溶媒または分散媒であり得る。
【0274】
本明細書に記載される化合物は、経皮投与、すなわち、身体の表面ならびに上皮および粘膜組織を含む身体的通路の内層を越えて投与することができる。このような投与は、ローション、クリーム、フォーム、パッチ、懸濁液、溶液、および坐剤(直腸および膣)で、本教示の化合物(薬学的に許容されるそれらの塩、水和物、またはエステルを含む)を使用して実行することができる。
【0275】
経皮投与は、本明細書に開示される化合物等の化合物と、化合物に対して不活性であり得、皮膚に非毒性であり得、皮膚を介した血流中への全身吸収のための化合物の送達を可能にし得る担体と、を含有する経皮パッチの使用を通じて達成することができる。担体は、クリームおよび軟膏、ペースト、ゲル、ならびに閉塞デバイス等、任意の数の形態をとることができる。クリームおよび軟膏は、水中油型または油中水型のいずれかの粘稠液または半固体エマルジョンであり得る。化合物を含有する石油または親水性赤つ中に分散された吸収性粉末から構成されるペーストもまた、好適であり得る。担体ありまたはなしで化合物を含有するレザーバーを被覆する半透膜、または本化合物を含有するマトリックス等、種々の閉塞性デバイスを使用して、本化合物を血流中に放出することができる。他の閉塞性デバイスが、文献上で知られている。
【0276】
本明細書に記載される化合物は、従来的な坐剤の形態で、直腸または膣に投与することができる。坐剤製剤は、坐剤の融点を変化させるためのワックスの添加ありまたはなしで、カカオバターおよびグリセリンを含む、従来的な材料から作製することができる。種々の分子量のポリエチレングリコール等の水溶性坐剤基剤もまた使用可能である。
【0277】
脂質製剤またはナノカプセルを使用して、本教示の化合物を、インビトロまたはインビボで宿主細胞内に導入することができる。脂質製剤およびナノカプセルは、当該技術分野で既知の方法によって調製することができる。
【0278】
本教示の化合物の有効性を増加させるために、化合物を、標的疾患の治療に有効な他の薬剤と組み合わせることが望ましい場合がある。例えば、標的疾患の治療に有効な他の活性化合物(すなわち、他の活性成分または薬剤)を、本教示の化合物とともに投与することができる。他の薬剤は、本明細書に開示される化合物と同時または異なる時点で投与することができる。
【0279】
本教示の化合物は、哺乳動物、例えばヒト対象における病態または障害の治療または阻害に有用であり得る。本教示は、したがって、哺乳動物に、本教示の化合物(その薬学的に許容される塩を含む)または1つ以上の本教示の化合物を含む薬学的組成物を、薬学的に許容される担体との組み合わせまたは関連で提供することによって、病態または障害を治療または阻害する方法を提供する。本教示の化合物は、病態または障害の治療または阻害のために、単独で、または他の治療的に有効な化合物もしくは療法と組み合わせて投与することができる。
【0280】
本発明による組成物の非限定的な例は、約0.001mg〜約1000mgの1つ以上の本発明による化合物と1つ以上の賦形剤;約0.01mg〜約100mgの1つ以上の本発明による置換アミノチアゾールと1つ以上の賦形剤;および約0.1mg〜約10mgの1つ以上の本発明による置換アミノチアゾールと1つ以上の賦形剤を含む。
手順
【0281】
以下の手順を、無制御な細胞成長を伴う疾患の治療または予防に有効である化合物の評価および選択に使用することができる。以下の手順はまた、肝炎ウイルスによる感染を伴う疾患の治療または予防に有効な化合物の評価および選択に利用することができる。
細胞培養および条件
【0282】
Huh−7細胞および肝細胞癌細胞由来のものは、Xuanyong Lu博士(Drexel University College of Medicine,Doylestown,PA)から寄贈された。THLE−2は、American Type Culture Collection(Manassas,VA)から購入した。PH5CHは、Masayuki Noguchi博士(University of Tsukuba,Ibaraki,Japan)から寄贈された。THLE−2およびPH5CHは、SV40大型T抗原の正常肝細胞への安定なトランスフェクションを通じて不死化させたものであり、したがって、HCC細胞ではなく正常肝細胞を代表する細胞系である。THLE2は、胸腺欠損マウスにおいて腫瘍を形成しないことが確認されている。全ての細胞系を培養し、37℃で5%CO
2に維持した。Huh−7は、10%ウシ胎児血清(FBS)、100μg/mLペニシリン、100単位/mLのストレプトマイシン、および50μg/mLノルモシン(normocin)を補充した培養培地DMEM/F12(ダルベッコ変法イーグル培地)で維持した。THLE−2およびPH5CHを、10%FBS、100μg/mLのペニシリン、100単位/mLのストレプトマイシンを含むBrochial Epithelial Growth Media(BEGM)培養培地中で、ウシ下垂体抽出物(BPE)、インスリン、ヒドロコルチゾン、レチノイン酸、トランスフェリン、トリヨードチロニンによって事前パッケージされたキットを形成する添加剤とともに、5ng/mlのヒト上皮成長因子および70ng/mlのホスホエタノールアミン(Lonza Walkersville Inc.,Walkersville,MD)を補充して、維持した。
置換アミノチアゾール類似体の試験。
【0283】
Huh7細胞を、1ウェル当たり2.0×10
4細胞で、96ウェルプレートに播種し、本開示の化合物の存在下で成長させた。本開示の化合物を、事前希釈し、自動液体処理によって細胞プレートに移した。細胞を、本開示の化合物とともに72時間インキュベートし、その後、培養物の成長および生存率を、50μg/mLの3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−臭化テトラゾリウム(MTT)を添加し37℃で4時間のインキュベートすることにより評価した。可溶化緩衝液(0.01MのHCl、10%SDS)を、37℃で一晩インキュベートした後に添加した。吸光を、570nmで測定した(基準630nm)。本開示の化合物を、Huh7、THLE−2、およびPH5CHにおいて、ハーフログのステップで8段階希釈物にわたって試験し、0.5%DMSO中50.0、16.6、5.0、1.66、0.5、0.166、0.05、および0.016μMについて、各濃度を二重のウェルで、試験した。二重のウェルにわたるMTTアッセイにおける生存シグナルの低減の平均値を使用して、DMSOのみの対照ウェル(n=8)と比較して50%の細胞に細胞毒性である濃度(CC
50)を、XLfit(IDBS,Surrey,UK)による線形適合分析を用いて判定した。各化合物を、別個のアッセイ検査で2〜7回試験した。
【0284】
正常な肝臓由来細胞よりもHCC由来細胞において高い毒性の選択性は、腫瘍全体に対して低い毒性で癌を特異的に標的とする治療法の開発の目的で重要である。選択的指標(SI)は、正常細胞(THLE2またはPH5CH)におけるCC
50と肝臓癌由来細胞におけるCC
50の比であり、したがって、数値が高いほど、有効用量での潜在的毒性が低い。
【表2】