(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照すると、乗り物の内部100が示され、運転席106とハンドル108とを含む。範囲地図を表示するためのマッピングシステムは、ディスプレイ102と、付属のインプット又はコントロール104とを含む。マッピングシステムは、乗り物の内部100のダッシュボード中央又はコンソールの一部として含まれる。操作中、マッピングシステムは、乗り物が充電又はその他の燃料補給を必要とする前にその乗り物が走行可能な残りの走行範囲を、乗り物の使用者が容易に判断するためにディスプレイ102で視認することを可能とする。ディスプレイ102と関連したインプット又はコントロール104は、物理的に便利な位置に配置されているため、乗り物の操作中、あるいは、運転席106又は乗り物の内部100のどこかに座っている際に、マッピングシステムの閲覧及びやりとり(interfacing)、又はそのいずれかが容易に実行できる。
【0011】
マッピングシステムは、走行経路を生成し、表示するために、乗り物のナビゲーションシステムの一部として構成されてもよい。あるいは、マッピングシステムは、範囲地図の表示用に特に構成されたスタンドアロンのシステムであってもよく、別体のナビゲーションシステムの特定の構成要素又は機能とやりとりをしてもよい。マッピングシステムのディスプレイ102は、周辺の車道又は環境の範囲地図を表示し、乗り物の現在地を特定し、片道又は往復グラフィックインジケータのいずれかを地図上に配置するように構成されてもよい。このグラフィックインジケータは、乗り物が、乗り物のバッテリーに充電を必要とする、あるいは、エネルギー又は燃料の補給を必要とするまでに走行可能な残りの距離に対応する、又は表している。
【0012】
ディスプレイ102と関連したインプット又はコントロール104は、乗り物の使用者がマッピングシステムの各種機能又は特徴に快適にアクセスできるよう、ダッシュボードの中央などの内部100の容易に閲覧可能で手の届く領域に好適に配置される。乗り物の現在の場所を決定するために、又は、範囲地図の表示を補助するために、GPSなどの測位システムがマッピングシステムの一部に含まれているか、マッピングシステムとやりとりをするよう構成されていてもよい。ディスプレイ102上に表示する範囲地図は、乗り物の現在地を中心としていてもよい。インプット又はコントロール104は、地図の拡大レベル、回転、移動の全て又はいずれかなどの、地図の各種設定又は特徴を手動で調節するために使用されてもよい。インプット又はコントロール104で、走行可能範囲の片道表示又は往復表示を使用者が手動でトグル選択できてもよい。本明細書中で更に詳細を説明するように、インプット又はコントロール104の手動操作を必要とせずに、片道又は往復走行範囲を自動的に選択し、使用者に伝達するインテリジェントマッピングシステムを利用することで、乗り物の使用者はマッピングシステムのインプット又はコントロール104を介して範囲地図の走行範囲表示を手動でトグル選択する必要がなくなるかもしれない。
【0013】
次に、
図2を参照すると、ブロック
図200は、本発明の実施形態による、インテリジェント走行範囲システムを具体化する各種構成要素を示している。走行可能範囲を乗り物の使用者に表示又は伝達するディスプレイ202は、プロセッサ204に接続されている。プロセッサ204は、乗り物の走行可能範囲を決定するための処理操作又は機能を実行する。加えて、プロセッサ204は、片道走行範囲と往復走行範囲のどちらを乗り物の運転者に伝えるべきかを決定又は選択するための論理工程又は選択アルゴリズムも実行する。
【0014】
プロセッサ204は、論理工程又は選択アルゴリズムを記憶するメモリ206に接続されている。メモリ206は、例えば、自宅住所データ、地点情報(POI)データ、地理的地図などの、インテリジェントマッピングシステムのためのその他の必要なデータを記憶してもよい。更に、プロセッサ204は、乗り物のバッテリー208、乗り物測位構成部210、及び、その他の目的とする入力装置212ともやりとりをする。乗り物のバッテリー208は、乗り物が使用されるにつれて少しずつ減少する充電状態を有する。現在のバッテリー208充電の状態で乗り物が走行可能な範囲を決定するため、バッテリー208充電の状態がプロセッサ204に入力される。充電状態を決定するため、プロセッサ204がバッテリーに直接接続されてもよく、あるいは、充電状態を決定するため、プロセッサ204は、1つ以上のその他の装置または構成要素(センサなど)を介してバッテリー208に結合していてもよい。乗り物測位構成部210は、乗り物の地理的位置を正確に示すよう構成された、乗り物のナビゲーションシステム又はGPSシステムであってもよい。1つ以上の入力装置212は、ボタン、ノブ、ダイアル、タッチスクリーン、音声認識など、いかなる形式の使用者インタフェースコントロールであってもよい。これら入力装置212によって、使用者はプロセッサ204とやりとりをし、例えば、ディスプレイ202に表示された範囲地図の拡大レベルを変更するなど、マッピングシステムとやりとりすることができる。
【0015】
図3は、本発明の実施形態による、インテリジェント走行範囲システムの画面又はディスプレイ300の拡大正面図を示す。
図2のプロセッサ204などのプロセッサと、
図2の乗り物測位構成部210などの乗り物測位構成部の両方、又はそのいずれかが、乗り物の地理的位置を決定するために稼動する。決定された乗り物位置に基づいて、地
図302がディスプレイ300上に表示され、乗り物周囲の局所的な地理的領域を示す。加えて、使用者の利便性のために決定した乗り物の位置を正確に示すため、マーカー304が地
図302上に示される。このマーカー304は、プロセッサ及び乗り物測位構成部又はそのいずれかによって決定される乗り物の現在地に基づいて、ディスプレイ300に示される地
図302上で周期的に更新されてもよい。
【0016】
ディスプレイ300上の地
図302は、乗り物に電力を送るバッテリーの充電状態に基づいて乗り物の走行範囲のグラフィック表示を含んでもよい。第1の等値線又は概観線(contour or outline)306がマーカー304の周辺に配置され、乗り物の片道走行範囲を表す。従って、ディスプレイ300を見ている乗り物の運転者は、乗り物には、地
図302上の第1の等値線又は概観線306によって特定される地理的境界線まで走行するのに、充分なエネルギー又はバッテリーの充電があることが知らされる。同様に、第2の等値線又は概観線308が、マーカー304の周囲に配置され、乗り物の往復(つまり、2方向の)走行範囲を表す。従って、ディスプレイ300を見ている乗り物の運転者は、乗り物には、第2の等値線又は概観線308によって特定される地理的境界線まで走行し、マーカー304で示された現在特定されている乗り物の現在地まで戻ってくるのに、充分なエネルギー又はバッテリーの充電があることが知らされる。
【0017】
好ましい実施形態では、一時に第1の等値線306又は第2の等値線308の1つのみが地図上に示される。本明細書でより詳細が説明されるが、インテリジェント走行範囲システムは、第1の等値線306と第2の等値線308のどちらを表示するかを自動的に決定してもよい。第1の等値線306と第2の等値線308のいずれかのみを表示することで、運転者の混乱を低減するのに役立ち得る。しかしながら、別の実施形態では、第1の等値線306と第2の等値線308の両方が同時にディスプレイ300上に表示されてもよい。
【0018】
第1の等値線306が、第1の色でディスプレイ300の地
図302上に示されてもよい。第2の等値線308が、第2の色でディスプレイ300の地
図302上に示されてもよい。第1の等値線306によって囲まれた領域は第1の色によって色づけされ、第2の等値線308によって囲まれた領域は第2の色によって色づけされてもよい。第1の等値線306と第2の等値線308の両方が同時に示される場合、第2の等値線308内の領域は第2の色で影又は色が付けられ、第2の等値線308と第1の等値線306との間の領域は第1の色で影が付けられてもよい。別の実施形態では、色は用いないか、色の代わりに、又は色に加えて、影をつけたり、線種を変えたりしてもよい。
【0019】
次に、
図4A〜
図4Dを参照すると、本発明の実施形態による、インテリジェント走行範囲システムの各種論理フローチャートが示される。
図4Aは、自宅位置論理工程に基づき、走行範囲を自動的に選択し乗り物の使用者に伝達する走行範囲システムフローチャート400の一実施形態を示す。走行範囲システムは、本明細書中に記載する工程の全て又は一部分を実行し、処理するために、例えば、
図2で上述したプロセッサ204などのプロセッサを利用してもよい。プロセッサは、例えば、本明細書で説明される機能を実行するように設計された、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はその他のプログラム可能な論理装置、ディスクリートゲート又はトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又は、そのいずれかの組み合わせなどの、本明細書で説明される方法の工程(step)を実行できる、いかなる形式のハードウェア又は回路であってもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサでもよく、あるいは、プロセッサは従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は、ステートマシンのいずれかでもよい。プロセッサは、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、1つ以上のマイクロプロセッサとDSPコア、又は、同様の他のいずれかの構成など、コンピューティングデバイスの組み合わせで実施してもよい。
【0020】
更に、走行範囲システムは、
図2について上述した、プロセッサと接続され、或いは、プロセッサの部分として組み込まれたメモリ206のようなメモリを組み込んでもよい。このメモリは、以下でより詳細に説明するような、決定又は選択的工程において使用される様々な情報又はデータを記憶するために使用されてもよい。メモリは、地図、住所及び/又は地点情報データのような地形データを記憶するために使用されてもよい。例えば、走行範囲システムの様々な1又は複数の論理選択アルゴリズムは、プロセッサによって使用されるためにメモリ内に記憶されてもよい。更に、乗り物の自宅位置に関連するような地形データがメモリ内に記憶されてもよい。
【0021】
工程402で、乗り物の電源が入れられたとき、あるいは、走行範囲システムがバッテリー又は乗り物の動力源から動力を受け取ったとき、この方法は開始する。乗り物の電源がすでに入れられた後、又は、走行範囲システムがすでに動力を受け取った後、例えば、乗り物がすでに稼動中で使用者が手動で走行範囲システムの電源を入れた又は有効化したときに、方法が開始してもよい。工程403で、走行範囲システムは、乗り物の走行可能範囲を決定する。片道走行範囲と往復走行範囲の両方、又はそのいずれかに走行範囲が決定されてもよい。これは、バッテリーの充電レベルを決定するためにバッテリー又は乗り物のバッテリーに接続したセンサとやりとりすることで達成されてもよい。バッテリーの充電レベルに基づいて、走行範囲システムのプロセッサは、バッテリーの補給が必要になるまでに乗り物が移動可能な範囲を計算又は決定する。好ましい実施形態では、電池によって電気が供給される電気自動車を扱うが、別の実施形態では、ガソリン、又は他の代替エネルギー源又は別の燃料源などの様々な燃料によって動力が供給される乗り物の走行範囲を決定してもよい。
【0022】
工程404では、例えば、1つ以上の地理的測位構成部又は測位システムを使用して、又はやりとりをして、走行範囲システムが乗り物の位置を決定する。これは、GPSなどのナビゲーションシステムを利用して、乗り物の緯度と経度を実質的に正確に特定することで実行されてもよい。走行範囲システムは、乗り物に搭載されるナビゲーションシステムの一部として組み込まれてもよく、あるいは、ナビゲーションシステムの一定のデータ又は構成要素とやりとりする別のシステムであってもよい。別の実施形態では、乗り物にはナビゲーションシステムがなく、走行範囲システムは、代わりに、乗り物の地理的位置を特定するために必要な電子機器を組み込み、或いは、やりとりをするが、計算された走行経路又は走行指示を使用者に提供する機能はない。
【0023】
工程406で、走行範囲システムは、工程404で決定した乗り物の位置に基づいて、乗り物が乗り物の自宅住所又は自宅位置から所定の距離内に位置するか(500メーター又はマイル、など)を決定する。自宅住所は、走行範囲システムのメモリに記憶された地理的住所でもよい。ある実施形態では、自宅住所を設定あるいは構築するために、走行範囲システムの付属のコントロールでやりとりをし、又は、音声認識を介してなどの方法で、乗り物の使用者によって自宅住所が手作業で構築されてもよい。別の実施形態では、乗り物の電源が入ったり切れたりする場所に関する地理的データを精査して(by examining geographic data related to the turn-on and turn-off locations for the vehicle)、走行範囲システムによって自宅住所が自動的に構築されてもよい。このように、走行範囲システムは乗り物の電源がしばらくの期間切られていた時間及び場所、又はそのいずれかを認識し、これらの地理的位置を乗り物の自宅住所と関連付けてもよい。乗り物には、複数の自宅住所位置又は一箇所の自宅住所位置があってもよく、これらの位置のいずれか又は全ては、乗り物に手動で又は自動的に構築される。
【0024】
乗り物が、乗り物の位置の自宅住所から所定の距離又は半径内にある場合、方法は工程408に続く。乗り物が、乗り物の自宅位置から、所定の距離又は半径内にない場合、方法は工程410に続く。工程408では、往復(つまり、2方向の)走行範囲が表示される。つまり、乗り物が乗り物の構築された自宅位置から特定の距離内にあると走行範囲システムが決定した場合、走行範囲システムは、乗り物の充電が必要になる前に現在地から第2の位置まで移動し、第2の位置から現在地まで戻ってくるために、乗り物の使用者が乗り物の走行可能範囲を知ることを望むものと選択又は決定する。これは、自宅位置の乗り物の使用者は、その自宅位置にバッテリーの充電が切れることなく戻ってくることを希望する可能性が高いと、走行範囲システムが認識するためである。
【0025】
マッピングディスプレイ上の範囲地図として、往復走行範囲が使用者に表示されてもよい。上述したように、走行範囲は、乗り物の現在地から往復移動するために乗り物が利用可能なエネルギーのグラフィック表現であってもよい。グラフィック表現は、乗り物の現在地マーカーの周囲に配置された等値線又は概観線でもよく、乗り物のエネルギーレベルに対する移動可能範囲を表す。乗り物は移動し続けて、それに伴ってエネルギーレベルを下げるため、等値線又は概観線は、大きさが縮小し続け、乗り物のエネルギーが切れるまで走行可能範囲が小さくなり続けることを示す。
【0026】
別の実施形態では、往復走行範囲が、往復範囲地図の代わりに、又はそれに加えて、数値要素(numerical element)で表示されてもよい。例えば、走行範囲システムが、乗り物に全走行距離で100マイル(161キロメートル)移動するのに充分なエネルギーがあると判断した場合、往復走行範囲は、まず、使用者が元の乗り物の位置に向けた帰路につく前に走行可能な距離が50マイル(80キロメートル)あることを示す数字の50を使用者に表示してもよい。利便性又は明確さを期すために、数値要素と、範囲地図の両方が、同時に使用者に表示されてもよい。走行範囲システムの付属のインプット又はコントロールとやりとりすることで、使用者は表示の好みを指定してもよい。
【0027】
往復走行範囲を使用者に表示する代わりに、又はそれに加えて、乗り物のエネルギーレベルが、例えば残りの全ての距離が20〜30マイル(32〜48キロメートル)など、所定の閾値未満の走行可能範囲になったときに、使用者に警告が伝達されてもよい。特定の使用者間で運転技術にばらつきがあるため(例えば、加速率、速度など)、より短い移動距離に対して走行範囲を正確に予測するのが難しいことがある。ディスプレイ上で、エネルギー補給ステーションの位置を示して警告を伝達してもよい。更に、チャイム音などの使用者への可聴通知、又は、ダッシュボード上の照光記号などの使用者への視覚的通知、又は、そのいかなる組み合わせで警告を伝達してもよい。つまり、警告が伝達されることで、充電が必要になる前に、使用者に乗り物が走行範囲の終わりに近づいていることを通知する。
【0028】
工程410では、走行範囲システムが片道走行範囲又は往復走行範囲のどちらを乗り物の使用者に表示するかを適正に選択又は決定し得る前に、その他の論理テスト又は方法の工程が調べられる。これらのその他の論理テスト又は方法の工程は、例えば、フローチャート400とは異なる、
図4B〜
図4Dで説明するフローチャート430、460、480の全て又はいずれかの1つ以上の工程などの論理テストでもよい。あるいは、その他の論理テスト又は方法の工程は、例えば、フローチャート400に存在する1つ以上の工程を繰り返すなど、すでに処理された1つ以上の論理テストを繰り返してもよい。乗り物の使用者のために、片道走行範囲又は往復走行範囲のどちらを選択及び/又は表示するかを決定するための、いずれの論理テスト又は方法の工程が実行されてもよい。
【0029】
フローチャート400に説明される各種工程は、いかなる順番で実行又は処理されてもよい。例えば、インテリジェント走行範囲システムは、走行範囲システムが片道走行範囲と往復走行範囲のいずれを表示するかを選択又は決定した後で、乗り物の走行範囲を決定してもよい。加えて、フローチャート400の一定の工程が省略されてもよく、又は、新しい工程が追加されてもよい。乗り物の使用者は、表示された走行範囲の種類を、手動で変更又は設定できてもよい。これは、走行範囲システムの1つ以上のいずれかの付属のインプット又はコントロールとやりとりすることで達成されてもよい。従って、インテリジェント走行範囲システムは往復走行範囲が表示されるべきと決定したが、使用者が片道走行範囲の表示を好む場合、使用者は、片道走行範囲を示すように走行範囲システムに手作業で命令してもよい。使用者は、また、走行範囲の優先形式を恒久的に設定して(permanently set)、走行範囲システムのインテリジェント論理工程を効果的に無効にしてもよい。
【0030】
図4Bは、ナビゲーション論理工程に基づいて走行範囲を自動的に選択し自動車の使用者に伝達する、走行範囲システムフローチャート430の一実施形態を示す。フローチャート430の特定の態様は、
図4Aで上述したフローチャート400の態様と同じ又は類似していてもよい。例えば、走行範囲システムは、
図4Aで上述したものと同じ又は類似しているプロセッサとメモリを利用してもよい。フローチャート430の主要な特徴は、乗り物のナビゲーションに関連する別の論理に基づいて、走行範囲を決定し表示することにある。
図4Aのフローチャート400の上述した各種特徴又は態様を、同じか類似した形式で
図4Bのフローチャート430に応用してもよい。
【0031】
工程432で、フローチャート400の工程402ですでに説明したのと同じ又は類似の条件で、方法が開始する。工程433で、フローチャート400の工程403ですでに説明したのと同じ又は類似の条件で、走行範囲システムは乗り物の走行可能範囲を決定する。工程434で、フローチャート400の工程404ですでに説明したのと同じ又は類似の条件で、走行範囲システムは乗り物の位置を決定する。
【0032】
工程436で、走行範囲システムは、乗り物のナビゲーションシステムが、現在、乗り物を指定した目的地へ案内中か否かを判断する。走行範囲システムは、乗り物のナビゲーションシステム全体の一部であってもよく、又は、走行範囲システムは、乗り物のナビゲーションシステムの1つ以上の構成要素とやりとりする別のプロセッサを持つ別のシステムであってもよい。ナビゲーションシステムが、現在、乗り物を計算した目的地に案内中ではない場合、例えば、ナビゲーションシステムの電源が切られている、ナビゲーションシステムが無効にされている、又は、ナビゲーションシステムが定義された目的地までの特定の走行指示又は走行経路は示さず使用者に地図を表示するのみの場合、方法は、本明細書で詳細を説明する工程438に続く。
【0033】
しかしながら、ナビゲーションシステムが乗り物を案内中の場合、方法は工程440に続く。工程440で、走行範囲システムは、乗り物がナビゲーションシステムによって案内される指示又は走行経路に向かって移動している又は従っているかを判断する。これは、乗り物がナビゲーションシステムで定義された目的地の方向に向かっているかを判断するために、乗り物の現在の位置と向きを精査することで達成されてもよい。乗り物がナビゲーションの目的地に向かっていない場合、方法は、本明細書で詳細を説明する工程438に続く。
【0034】
一方、乗り物がナビゲーションシステムの目的地の方向に向かっている場合、方法は工程442に続く。工程442で、走行範囲システムによって片道走行範囲が表示される。つまり、走行範囲システムが、乗り物がナビゲーションシステムによって目的地に案内されていて、且つ、乗り物が目的地に実際に向かって移動している又はナビゲーションシステムの案内に従って移動している、と判断したとき、走行範囲システムは、乗り物の使用者が、往復移動はせずに現在地から第2の位置まで移動するための乗り物の走行可能範囲を知りたいものと選択又は決定する。これは、特定の運転指示に従って移動している乗り物の使用者は、同じバッテリーの充電では元の位置に戻ることを望まないであろうと走行範囲システムが認識するためである。片道走行範囲の使用者への表示または伝達は、
図4Aですでに説明した往復走行範囲の表示又は伝達と同じまたは類似していてもよい。
【0035】
工程438では、走行範囲システムが片道走行範囲又は往復走行範囲のどちらを乗り物の使用者に表示するかを適正に選択又は決定する前に、その他の論理テスト又は方法の工程が調べられる。これらその他の論理テスト又は方法の工程は、例えば、フローチャート430とは異なる、
図4A〜
図4Dで説明するフローチャート400、460、480の全て又はいずれかの1つ以上の工程などの論理テストでもよい。あるいは、その他の論理テスト又は方法の工程は、例えば、フローチャート430に存在する1つ以上の工程を繰り返すなど、すでに処理された1つ以上の論理テストを繰り返してもよい。乗り物の使用者に片道走行範囲又は往復走行範囲のどちらを選択及び/又は表示するかを決定するため、いずれの論理テスト又は方法の工程が実行されてもよい。
【0036】
フローチャート430に記載された各種工程は、いかなる順序で実行又は処理されてもよい。例えば、インテリジェント走行範囲システムは、走行範囲システムがすでに片道走行範囲又は往復走行範囲のいずれを表示するかを選択又は決定した後で、乗り物の走行範囲を決定してもよい。加えて、フローチャート430の一定の工程が省略されてもよい、又は、新しい工程が追加されてもよく、例えば、工程440は必要なく、乗り物が現在ナビゲーション目的地に移動中でなくとも、工程436でナビゲーションシステムが乗り物を案内しているときは常に、工程442で走行範囲システムは片道走行範囲を表示してもよい。乗り物の使用者は、
図4Aですでに説明したように、表示される走行範囲の形式を手動で変更又は設定できてもよい。
【0037】
図4Cは、燃料ステーション論理工程(fuel station logical step)に基づき、走行範囲を自動的に決定し乗り物の使用者に伝達する、走行範囲システムフローチャート460の一実施形態を示す。フローチャート460の一定の態様が、
図4Aで説明したフローチャート400の態様又は
図4Bで説明したフローチャート430の態様と同じ又は類似していてもよい。例えば、走行範囲システムは、
図4Aで上述したものと同じ又は類似したプロセッサとメモリを利用してもよい。フローチャート460の主要な特徴は、燃料ステーション又はその付近での乗り物の位置に関する別の論理に基づいて走行範囲を決定し表示することにある。
図4Aのフローチャート400又は
図4Bのフローチャート430の上述した各種特徴又は態様を、
図4Cのフローチャート460に同じか同様な形式で応用してもよい。
【0038】
工程462で、フローチャート400の工程402ですでに説明したのと同じ又は類似の条件で、方法が開始する。工程463で、フローチャート400の工程403ですでに説明したのと同じ又は類似の条件で、走行範囲システムは乗り物の走行可能範囲を決定する。工程464で、フローチャート400の工程404ですでに説明したのと同じ又は類似の条件で、走行範囲システムは乗り物の位置を決定する。
【0039】
工程466で、走行範囲システムは乗り物がバッテリー又は乗り物のその他のエネルギー貯蓄装置を充電できる燃料ステーション(EVステーションなど)に位置するかを決定する。走行範囲システムは、乗り物が燃料ステーションの既知の地理的位置から所定の距離内に位置する場合に、乗り物は燃料ステーションに位置すると見なしてもよい。燃料ステーションは、例えば、ガソリンステーション又はハイブリッド燃料ステーションなど、乗り物用のいかなる種類の電力又はエネルギー補給ステーションであってもよい。走行範囲システムは、乗り物の現在地と燃料ステーションの既知の地理的位置とを比較するため、走行範囲システムの一部として、又は、乗り物のナビゲーションシステムの一部として、乗り物のメモリとやりとりしてもよい。乗り物が現在燃料ステーションに位置しない場合、方法は、本明細書中で詳細を説明する工程470に続く。
【0040】
しかしながら、乗り物が燃料ステーションに位置する場合、方法は工程468に続く。工程468で、走行範囲システムによって片道走行範囲が表示される。つまり、走行範囲システムは、乗り物が燃料ステーションに位置していると判断したとき、走行範囲システムは、乗り物の使用者が、往復移動せずに現在地から第2の位置まで移動するための乗り物の走行可能範囲を知りたいものと選択又は決定する。これは、走行範囲システムが、燃料ステーションに位置する乗り物の使用者は、燃料ステーションまでの往復移動を希望する可能性は低く、戻ることなしに別の目的地に移動する可能性が高いと認識するためである。片道走行範囲の使用者への表示または伝達は、
図4Aですでに説明した往復走行範囲、又は、
図4Bですでに説明した片道走行範囲の表示又は伝達と同じまたは類似していてもよい。
【0041】
工程470で、走行範囲システムが片道走行範囲又は往復走行範囲のどちらを乗り物の使用者に表示するかを適正に選択又は決定し得る前に、その他の論理テスト又は方法の工程が調べられる。これらその他の論理テスト又は方法の工程は、フローチャート460とは異なっていてもよく、例えば、
図4A〜
図4Dで説明されるフローチャート400、430、480の全て又はいずれかの1つ以上の工程などの論理テストでもよい。あるいは、その他の論理テスト又は方法の工程は、例えば、フローチャート460に存在する1つ以上の工程を繰り返すなど、すでに処理された1つ以上の論理テストを繰り返してもよい。乗り物の使用者に片道走行範囲又は往復走行範囲のどちらを選択及び/又は表示するかを決定するため、いずれの論理テスト又は方法の工程が実行されてもよい。
【0042】
フローチャート460に記載された各種工程は、いかなる順序で実行又は処理されてもよい。例えば、インテリジェント走行範囲システムは、走行範囲システムが片道走行範囲と往復走行範囲のいずれを表示するかを選択又は決定した後で、乗り物の走行範囲を決定してもよい。加えて、フローチャート460の一定の工程が省略されてもよく、又は、新しい工程が追加されてもよい。乗り物の使用者は、
図4Aと
図4Bですでに説明したように、表示される走行範囲の形式を、手動で変更又は設定できてもよい。
【0043】
図4Dは、現在の時間、曜日、日付の全て又はいずれかの論理工程に基づき走行範囲を自動的に決定し、乗り物の使用者に伝達する、走行範囲システムのフローチャート480の一実施形態を示す。フローチャート480の一定の態様が、
図4Aで説明したフローチャート400の態様、
図4Bで説明したフローチャート430の態様、又は、
図4Cで説明したフローチャート460態様と同じ又は類似していてもよい。例えば、走行範囲システムは、
図4Aで上述したものと同じ又は類似したプロセッサとメモリを利用してもよい。フローチャート480の主要な特徴は、移動に対する現在の時間、曜日、日付に関する別の論理に基づいて、走行範囲を決定し表示することにある。
図4Aのフローチャート400、
図4Bのフローチャート430、又は、
図4Cのフローチャート460の上述した各種特徴又は態様を、
図4Dのフローチャート480に同じか類似した形式で応用してもよい。
【0044】
工程482で、フローチャート400の工程402ですでに説明したのと同じ又は類似の条件で、方法が開始する。工程484で、フローチャート400の工程403ですでに説明したのと同じ又は類似した条件で、走行範囲システムは乗り物の走行可能範囲を決定する。工程486で、走行範囲システムは現在の時間、曜日、日付の全て又はいずれかを決定する。走行範囲システムは、独自の時間及び日付の両方又はいずれかの計測システムを有してもよく、又は、走行範囲システムは乗り物の別の時間及び日付の両方又はいずれかの計測システムとやりとりをしてもよい。
【0045】
工程488で、走行範囲システムは、現在の時間が予め定義した又は典型的なランチタイムの時間、例えば、午前11:30〜午後1:00などであるかを判断する。現在の時間が予め定義したランチタイム時間外である場合、方法は、本明細書中で詳細を説明する工程492に続く。しかしながら、現在の時間が予め定義したランチタイム時間外でない場合、方法は工程490に続く。
【0046】
工程490で、走行範囲システムによって往復走行範囲が表示される。つまり、走行範囲システムが、現在の時間が予め定義したランチタイムの時間内と判断したとき、走行範囲システムは、乗り物の使用者が、現在地から第2の位置まで移動し、更に戻ってくるために、乗り物の走行可能範囲を知りたいものと選択又は決定する。これは、走行範囲システムが、ランチタイム時間の乗り物の使用者は、バッテリー又は乗り物のその他の動力源を補充する必要なく、職場事務所などの現在の位置に往復移動をしたい可能性が高いと認識するためである。ある実施形態では、走行範囲システムは、乗り物の使用者にどちらの走行範囲を表示するかを選択するのに、現在の曜日と日付の両方またはいずれかを精査してもよい。例えば、現在の曜日が土曜日又は日曜日の場合、走行範囲システムは、使用者が仕事をしていない可能性が高いため、使用者は往復移動を希望しないであろうと決定するかもしれない。往復走行範囲の使用者への表示又は伝達は、
図4Aですでに説明した往復走行範囲、又は、
図4B又は
図4Cですでに説明した片道走行範囲の表示又は伝達と同じ又は類似していてもよい。
【0047】
工程492では、走行範囲システムが片道走行範囲又は往復走行範囲のどちらを乗り物の使用者に表示するかを適正に選択又決定し得る前に、その他の論理テスト又は方法の工程が調べられる。これらその他の論理テスト又は方法の工程は、フローチャート480とは異なる論理テストでもよく、例えば、
図4A〜
図4Cで説明されるフローチャート400、430、460の全て又はいずれかの1つ以上の工程などの論理テストでもよい。あるいは、その他の論理テスト又は方法の工程は、例えば、フローチャート480に存在する1つ以上の工程を繰り返すなど、すでに処理された1つ以上の論理テストを繰り返してもよい。乗り物の使用者に片道走行範囲又は往復走行範囲のどちらを選択及び/又は表示するかを決定するため、いずれの論理テスト又は方法の工程が実行されてもよい。
【0048】
フローチャート480に記載された各種工程は、いかなる順序で実行又は処理されてもよい。例えば、インテリジェント走行範囲システムが、片道走行範囲又は往復走行範囲のいずれを表示するかを選択し、決定した後で、インテリジェント走行範囲システムは、乗り物のための走行範囲を決定してもよい。加えて、フローチャート480の一定の工程が省略されてもよく、新しい工程が追加されてもよい。乗り物の使用者は、
図4A、
図4B、又は、
図4Cですでに説明したように、表示される走行範囲の形式を手動で変更又は設定するよう許可されてもよい。
【0049】
図4A〜
図4Dに示される又は説明されるフローチャートと類似した、又は異なった、別の論理工程又は方法が本発明の他の実施形態で利用されてもよい。ある実施形態では、乗り物の位置に係わらず、乗り物の利用可能なエネルギーが所定の閾値又は、50%、25%、又は10%などのパーセンテージを下回るときは常に、インテリジェント走行範囲システムが使用者に片道走行範囲を表示してもよい。別の実施形態では、インテリジェント走行範囲システムは、走行範囲システムによって認識されたPOI位置に基づいて、片道走行範囲又は往復走行範囲の選択又は表示を行ってもよい。例えば、走行範囲システムが、乗り物が現在ホテルに位置すると認識した場合、使用者がホテルを自宅住所(
図4Aの上述の説明を参照)として扱う可能性が高く、運転に出掛けた後、ホテルの部屋に戻ることを希望する可能性が高いので、使用者に表示するために往復走行の距離が自動的に選択されてもよい。通常の技量を持つ当業者には当然のことながら、各種論理工程又は方法が、各種論理工程又は方法に含まれる開示内容で、単体又は組み合わされて利用できる。
【0050】
通常の技量を持つ当業者には当然のことながら、本明細書で開示された例に関連して説明された各種具体的論理ブロック、モジュール、及びアルゴリズムの工程は、電子機器のハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はその組み合わせで実施されてもよい。このような機能がハードウェア、又は、ソフトウェアで実施されるかは、システム全体に課された特定のアプリケーション及び設計の制限事項に依存する。技術の高い当業者は、記載された機能を各特定のアプリケーションのために様々な方法で実装することがあるが、そのような実装の決定は、開示された機器又は方法の範囲からの離脱を引き起こしていると解釈されるべきではない。
【0051】
本明細書に開示された例に関連して記載された方法又はアルゴリズムの工程は、ハードウェアに直接組み込まれてもよく、プロセッサによって実行されるソフトウェアに組み込まれてもよく、又はその両方の組み合わせでもよい。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、又は当技術分野で周知のその他のいずれかの形式の記憶媒体に存在してもよい。好ましい記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体に情報を読み書き出来るように、プロセッサに連結している。あるいは、記憶媒体はプロセッサと一体化していてもよい。プロセッサと記憶媒体は、特定用途向け集積回路(ASIC)に存在してもよい。ASICは無線モデムに存在してもよい。あるいは、プロセッサと記憶媒体は、別々の構成要素として無線モデムに存在してもよい。
【0052】
本発明の好ましい実施形態を、例証として開示した。本明細書全体を通して採用された用語は、適宜、制限しない意味合いで読まれるべきである。当業者には、本明細書の内容の些細な修正が着想されるであろうが、本明細書で保証される本発明の範囲の境界線は、本明細書が貢献する技術分野の進歩の範囲内に合理的にある実施形態の全てを意図し、添付の特許請求の範囲とその同等発明の観点を除き、その範囲は制限されるべきではない。