(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6240094
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】原子炉冷却材ポンプユニットの軸封止システムのための受動停止封止装置
(51)【国際特許分類】
G21D 3/04 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
G21D3/04 NGDP
【請求項の数】15
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-555206(P2014-555206)
(86)(22)【出願日】2013年1月31日
(65)【公表番号】特表2015-507195(P2015-507195A)
(43)【公表日】2015年3月5日
(86)【国際出願番号】EP2013051928
(87)【国際公開番号】WO2013113827
(87)【国際公開日】20130808
【審査請求日】2015年12月18日
(31)【優先権主張番号】1250957
(32)【優先日】2012年2月1日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】509104562
【氏名又は名称】アレヴァ エヌペ
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
(72)【発明者】
【氏名】トゥイエ,ロメン
【審査官】
長谷川 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/068615(WO,A1)
【文献】
米国特許第05562294(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21D 3/04
G21C 15/243
F16J 15/06 −15/10
F04D 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リーク流が許容されている非起動位置、および前記リーク流を止める起動位置を有する分割されたシールリング(23)と、
前記分割されたシールリング(23)をその起動位置に位置させるように設計されている少なくとも1つのピストン(22)と、
自身の温度がしきい値温度より低いときには前記少なくとも1つのピストン(22)をその非起動位置にロックするように設計されており、自身の温度が前記しきい値温度を超えるときには前記少なくとも1つのピストン(22)を解放するように設計されているロック/アンロック手段(25)と、
前記分割されたシールリング(23)をその起動位置に位置させるために、前記ピストンが解放されたときに前記少なくとも1つのピストン(22)を動かすように設計されている弾性手段(24)と、
を含むことを特徴とする原子炉冷却材ポンプユニットの軸封止システムのための受動停止封止装置(20)。
【請求項2】
稼働中の原子炉冷却材ポンプユニットの軸封止システムに組み込まれるように設計されていることを特徴とする請求項1に記載の原子炉冷却材ポンプユニットの軸封止システムのための受動停止封止装置(20)。
【請求項3】
前記分割されたシールリング(23)は、前記少なくとも1つのピストン(22)の面取りをした側壁と協働するように設計されている面取りをした側壁を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の原子炉冷却材ポンプユニットの軸封止システムのための受動停止封止装置(20)。
【請求項4】
前記ロック/アンロック手段(25)は、しきい値温度80℃から200℃の間、好ましくは150℃に等しいしきい値温度で、機械的に劣化するように設計されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の原子炉冷却材ポンプユニットの軸封止システムのための受動停止封止装置(20)。
【請求項5】
前記分割されたシールリング(23)は、300℃を超す温度に耐えるポリマー材料から作られていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の原子炉冷却材ポンプユニットの軸封止システムのための受動停止封止装置(20)。
【請求項6】
前記分割されたシールリング(23)は、PEEKから作られていることを特徴とする請求項5に記載の原子炉冷却材ポンプユニットの軸封止システムのための受動停止封止装置(20)。
【請求項7】
前記分割されたシールリングは、PEEK母材およびガラスまたは炭素強化繊維からなる複合材料から作られていることを特徴とする請求項5または6に記載の原子炉冷却材ポンプユニットの軸封止システムのための受動停止封止装置(20)。
【請求項8】
前記分割されたシールリング(23)は、金属材料から作られていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の原子炉冷却材ポンプユニットの軸封止システムのための受動停止封止装置(20)。
【請求項9】
前記分割されたシールリング(23)は、金属核より展性がある材料によってコーティングされた前記金属核から形成された複合材料であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の原子炉冷却材ポンプユニットの軸封止システムのための受動停止封止装置(20)。
【請求項10】
前記金属核より展性がある前記材料は、ポリマーまたはニッケルまたは銀であることを特徴とする請求項9に記載の原子炉冷却材ポンプユニットの軸封止システムのための受動停止封止装置(20)。
【請求項11】
前記弾性手段(24)は、圧縮コイルばね、または波形ばね、またはばね座金であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の原子炉冷却材ポンプユニットの軸封止システムのための受動停止封止装置(20)。
【請求項12】
前記リング(23)の周りに分布している複数のピストン(22)および複数のロック/アンロック手段(25)を含み、前記複数のピストン(22)のそれぞれのピストン(22)は前記複数のロック/アンロック手段(25)の1つのロック/アンロック手段(25)と協調動作し、ピストン(22)とロック/アンロック手段(25)とのそれぞれの結合は、ピストン(22)とロック/アンロック手段(25)との他の結合と一定角度で空間的に離れていることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の原子炉冷却材ポンプユニットの軸封止システムのための受動停止封止装置(20)。
【請求項13】
前記装置は、3つのピストン(22)と3つのロック/アンロック手段(25)とを備えることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の原子炉冷却材ポンプユニットの軸封止システムのための受動停止封止装置(20)。
【請求項14】
前記装置は、前記分割されたシールリングに一体化される分割環(26)を含み、前記リング(23)の劣化の場合には前記装置(20)の封止を確保するように設計されていることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の原子炉冷却材ポンプユニットの軸封止システムのための受動停止封止装置(20)。
【請求項15】
原子炉冷却材ポンプユニットのポンプ軸に沿って配置されたリーク経路に沿って生じるリークを制御するように設計されている封止システムと、
前記封止システムが壊れ、前記分割されたシールリングが起動されるときに、リークを制御するように、前記封止システムの前記リーク経路を少なくとも部分的に封止するように設計されている請求項1から14に記載の受動停止封止装置と、
を含むことを特徴とする原子炉冷却材ポンプユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、加圧水型原子炉(PWNR)の原子炉冷却材ポンプユニットである。
【0002】
本発明はさらに、原子炉冷却材ポンプユニットに存在する封止システムの故障によって生じる一次冷却材のリークを制御するための受動停止封止装置(SSD)に関する。
【背景技術】
【0003】
停止封止装置(SSD)は、SBO(全交流電源喪失(Station Black Out))と呼ばれる事故状態の結果としての冷却材ポンプユニットの封止システムの故障に対処する新しい世代の加圧水型原子炉に開発されてきている。
【0004】
従って、停止封止装置は、その事故状態において冷却材ポンプの停止後に、原子炉冷却材ポンプユニットの封止システムの故障によって生じる一次冷却材のリークを制御し、止めることができなければならない。
【0005】
従来、このタイプの装置は、(例えば加圧窒素回路(pressurised nitrogen circuit)のような)補助源によって起動されており、原子炉冷却材ポンプユニットの冷却電源の喪失の場合には、トリガは原子炉制御によってもたらされる情報によって駆動される。
【0006】
起動源の使用の手間を省くために、補助起動システムも原子炉制御におけるトリガ情報を構成することも、必要としない受動停止封止装置が開発されている。そのような受動停止封止装置は、国際公開公報第2010/068615号に記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この状況において、本発明は、事故状態の際に封止装置の起動およびその良好な正常運転を確保するために、そのような封止装置の改善を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
その目的のために、本発明は以下を含んでいる、原子炉冷却材ポンプユニットの軸封止システムのための受動停止封止装置を提供する。
− リーク流が許容されている非起動位置を有する分割されたシールリングであって、前記リングは前記リーク流を止める起動位置を有する分割されたシールリングと、
− 前記分割されたシールリングをその起動位置に位置させるように設計されている少なくとも1つのピストンと、
− ロック/アンロック手段の温度がしきい値温度より低いときには前記少なくとも1つのピストンをその非起動位置にロックするように設計されており、前記ロック/アンロック手段の温度が前記しきい値温度を超えるときには前記少なくとも1つのピストンを解放するように設計されているロック/アンロック手段と、
− 前記シールリングをその起動位置に位置させるために、後者(ピストン)が解放されたときに前記少なくとも1つのピストンを動かすように設計されている弾性手段と、
を含んでいる。
【0009】
本発明によれば、原子炉冷却材ポンプユニットの封止システムの故障によって生じる一次冷却材のリークを補助起動源なしに止めることができる。
【0010】
本発明による装置のデザインによれば、すでに稼働中の原子炉冷却材ポンプユニットの構成に対して簡単に取り付けることが可能になる。
【0011】
本発明による装置によれば、装置の自動起動温度、より正確には可溶性要素の組成を調整することによって、装置をそれぞれのタイプの原子炉の動作要求に適合させることもできる。
【0012】
本発明による受動停止封止装置は、また個別に、またはそれらの技術的に可能な組み合わせによる、以下の1または複数の特徴を有することができる。
− 前記装置は、稼働中の原子炉冷却材ポンプユニットの軸封止システムに組み込まれるように設計されている。
− 前記リングは、前記少なくとも1つのピストンの面取りをした側壁と協働するように設計されている面取りをした側壁を含む。
− 前記ロック/アンロック手段は、しきい値温度80℃から200℃の間、好ましくは150℃に等しいしきい値温度で、機械的に劣化するように設計されている。
− 前記シールリングは、300℃を超す温度に耐えるポリマー材料から作られている。
− 前記シールリングは、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)から作られている。
− 前記シールリングは、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)母材およびガラスまたは炭素強化繊維からなる複合材料から作られている。
− 前記シールリングは、金属材料から作られている。
− 前記シールリングは、金属核および前記金属核より展性のある材料でコーティングされている複合材料である。
− 前記金属核より展性のある前記材料は、ポリマーまたはニッケルまたは銀である。
− 前記弾性手段は、圧縮コイルばね、または波形ばね、またはばね座金である。
− 前記装置は、前記リングの周りに分布している複数のピストンおよび複数のロック/アンロック手段を有し、前記ピストンおよび前記ロック/アンロック手段は、それぞれから一定の角を有している。
− 前記装置は、3つのピストンと3つのロック/アンロック手段とを備える。
− 前記装置は、前記シールリングに一体化される分割環(split collar)を含み、前記リングの劣化の場合には前記装置の封止を確保するように設計されている。
【0013】
本発明の1つの目的は、以下を含む原子炉冷却材ポンプユニットを提供することである。
− 原子炉冷却材ポンプユニットのポンプ軸に沿って配置されたリーク経路に沿って生じるリークを制御するように設計されている封止システムと、
− 前記封止システムが壊れ、前記シールリングが起動されるときに、リークを制御するように、前記封止システムの前記リーク経路を少なくとも部分的に封止するように設計されている本発明による受動停止封止装置と、を含む。
【0014】
本発明の更なる特徴および利点は、添付図面を参照して、示唆の目的でおよび限定する目的なく、以下に与えられた説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】原子炉冷却材ポンプユニットの封止システムの部分断面図である。
【
図2】原子炉冷却材ポンプユニットの封止システムに組み込まれており、その休止位置にある、本発明による受動停止封止装置を説明する図である。
【
図3】
図2に示されている本発明による受動停止封止装置であって、その起動位置にあるものを説明する図である。
【0016】
明瞭にするために、全ての図において同一または類似の要素は、同一の参照符号を付している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
加圧水型原子炉の冷却材ポンプは、垂直方向に搭載された遠心型である。軸出口10(
図1)での運動用シールは、3段階から構成されるシールシステムによって保証されている。
【0018】
第1段階は、ナンバーワン・シールと呼ばれている。ナンバーワン・シールは、J1として示すが、静水圧封止でリークを制御している。正常な運転においては、矢印F1によって示されるリーク流は軸10に沿って生じる。
【0019】
事故状況においては、ナンバーワン・シールの入口で流体の温度は、一次回路のバルブ閉鎖温度、すなわち約280℃に到達する急速な温度上昇を受ける。この温度において、ナンバーワン・シールの性能は劣化し、毎時10m
3を超えるリーク流量という非常に大きなリークの増加を引き起こす。受動停止封止装置(SSD)は、この事故状況においてナンバーワン・シールの下流側でリーク路F1を塞ぐ(ブロックする)ように作られている。
【0020】
図1は、ナンバーワン・シールとナンバーワン・シールの上流に位置するナンバーツー・シール(図示せず)の間の軸10に沿ったリーク経路F1をより詳細に表す。
【0021】
好ましくは、本発明による停止封止装置20は、事故状況において、軸10に沿ったリーク流の流れを塞ぐことができるように、リーク経路F1に位置している。
【0022】
図2は、原子炉冷却材ポンプユニットの正常な動作状態の際の、すなわち、リーク流の温度がしきい値よりも低いときの、封止装置20をより詳細に表す。
【0023】
図3は、原子炉冷却材ポンプユニットの事故動作状態の際の、すなわち、リーク流の温度がしきい値を超えるときの、封止装置をより詳細に表す。
【0024】
本発明による停止封止装置20は、以下を含む。
− 原子炉冷却材ポンプユニットのポンプ軸10の周囲に同心円状に位置付けられている、分割されたシールリング23と、
− リーク流路が塞がれていないところのその動作位置に相当するそれ(動作位置)よりもより近づいた位置で、分割されたシールリング23を拘束するように設計されたピストンタイプの手段22と、
− リーク流の温度が予め設定されたしきい値よりも低いときは、ピストン22の位置を休止位置(または非起動位置)と呼ばれる位置にロックするための、および、
リーク流の温度が予め設定されたしきい値と同等以上のときは、ピストン22の位置をそれらの休止位置から起動位置と呼ばれる位置に到達させるためにアンロックするための、可溶性リングによって形成されたロック/アンロック手段25と、
− 軸10の回りに前記分割されたシールリング23を軸方向に拘束するために、装置20の異なるピストン22を軸方向に動かすように設計された、例えば圧縮ばねのような弾性手段24と、を含む。
【0025】
ピストン22は、シールリング23の周辺の周囲に配置されている。
【0026】
シールリング23は、ピストン22の下部における面取りをした壁32と協働するように設計された第1の面取りされた側壁33を有する。
【0027】
ピストン22と分割されたシールリング23との間の接触、より詳細には、ピストンの面取りした壁32とシールリング23の面取りした壁33との間の接触は、複数の弾性手段24によって確保されている。複数の弾性手段は、例えば、シールリング23の周辺の周囲に配置されてピストン22に圧力(strain)を及ぼす、圧縮コイルばね、波形ばね、ばね座金がある。
【0028】
図2および
図3に示された実施形態によれば、ピストン22は、弾性手段24に部分的にまたは全体的に適合するように設計された穴34を含む。
【0029】
ロック/アンロック手段25は、所定の温度しきい値からの劣化温度および機械的特性の喪失に基づいて選択された可溶性のポリマー材料から構成されたリングによって形成されている。
【0030】
本発明の優先的な形態によれば、装置は、原子炉冷却材ポンプユニットのポンプ軸10の周囲に120度で配置された3つのピストン22および3つの弾性手段24を含む。
【0031】
正常な動作状態(
図2)下では、シールリング23はリーク経路F1から離して置かれたままである。シールリング23は、ピストン22が可溶性のリング25によってそれらの休止位置に保持されるように、ばね復帰によっておよびピストン22の面取りした壁32に押し付けることによってこのピストンにロックされている。
【0032】
事故状態下(
図3)では、リーク流の温度の増加は、停止装置20の近傍の温度、特に可溶性リング25の温度の増加をもたらす。リーク流の温度が、可溶性リング25の種類に基づいて定められたしきい値に到達したときに可溶性リングは劣化される。結果的に、可溶性リング25は、複数の弾性手段24によって生じる圧力に抗するに十分な機械的強度をもはや確保することが出来ない。温度の増加による可溶性リング25の溶解は、従ってピストン22をアンロックすることによって装置20が起動されることを可能にする。
【0033】
ピストン22は、もはやそれらの休止位置に保持されていないので、弾性手段24によって及ぼされる圧力が、
図3に示されたピストンの起動位置までピストンを軸方向に動かす。
【0034】
ピストン22の軸方向の動きは、シールリング23の面取りした壁33にスライドしながら協働して、ピストン22の面取りした壁32を介してシールリング23に半径方向の圧力を生み出す。
【0035】
ピストン22の動きによる半径方向の応力は、分割されたシールリング23がローター10の軸に逆らって押し込まれるようにして、分割されたシールリング23の直径の減少を生じさせる。
【0036】
従って、ピストンの起動位置において、シールリング23は、弾性手段24によって及ぼされる圧力、およびその後、起動位置における封止装置20の上流における圧力の増加によって引き起こされる高圧蒸気効果によって、リーク経路F1を塞ぐことを確保する。
【0037】
本発明の非限定的実施形態によれば、シールリング23は、その第2の側壁34に、反突出し環と呼ばれる分割環26と一体化するように設計された肩部を有する。分割環26は、シールリング23の機械的な性質が劣化するような温度となる例外的な状況の際に、特に停止装置の封止を最適に確保するように設計されている。
【0038】
温度しきい値になるまでは弾性手段24によって及ぼされる圧力に抵抗することができるように可溶性リング25のポリマーの選択が行われている。温度しきい値は、80℃から200℃の間であり、好ましくは150℃に等しい。
【0039】
停止装置20のシールリング23は、例えば、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)または、ガラスまたは炭素繊維で充填されたPEEK複合材料などのように、高温(例えば、300℃を超える)に耐えるポリマー材料から作られることができる。このような材料の使用は、シールリングを高温で弾性のある状態で得ることを可能にし、その(シールリングの)周囲の幾何学的形状に完全に適合するようにシールリングが変形することを許容し、従って、より良い封止品質を保証する。
【0040】
装置20の分割されたシールリング23は、また、金属材料から作られることができる。この場合、残りのリーク流が、シールリング23とそれらに接触している部分との間のクリアランスの存在により想定される。しかしながら、特に、シールリングがポンプ軸の回転の完全な停止の前に前記装置の起動が確保されている場合に、金属材料の使用により、装置を保持することができる。
【0041】
分割されたシールリング23は、また、金属核よりもより展性がある材料、例えば、ポリマー、ニッケル、または銀のような材料によってコーティングされた金属核から形成された複合材料から作ることができる。金属核よりも展性のある主要な材料は、表面層を変形ことにより充填することで、異なる部分の間に存在するクリアランスを許容する。軸の回転によって引き起こされる表面層の摩耗の場合には、密度の高い金属核によって、リーク流の制限を確保することができる。
【0042】
ピストン22および反突出し分割環26は、好ましくは、ステンレスタイプの金属材料から作られている。