(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基準質量体と前記一対の上側部分、及び、前記一対の上側部分と前記一対の上側増幅ばね、前記一対の上側増幅ばねと前記上側質量体、前記基準質量体と前記一対の下側部分、前記一対の下側部分と前記一対の下側増幅ばね、前記一対の下側増幅ばねと前記下側質量体は、それぞれ搬送方向に対して直交する幅方向の中央を対称軸として幅方向に対称に接続されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の振動式搬送装置。
前記加振装置は、前記一対の上側部分の少なくとも一方を構成する上側圧電駆動部と、前記一対の下側部分の少なくとも一方を構成する下側圧電駆動部とを有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の振動式搬送装置。
前記加振装置は、前記上側圧電駆動部と前記下側圧電駆動部とが一体形成されており、前記上側圧電駆動部と前記下側圧電駆動部の間の中間部が前記基準質量体に接続されており、板面が前記搬送方向に向いた板状であり、全体として一体に撓み変形するように構成された圧電駆動体を有することを特徴とする請求項4に記載の振動式搬送装置。
【背景技術】
【0002】
従来から、上側質量体と基準質量体と下側質量体とを上下方向に配置して、圧電駆動体によって、上下に位置する上側質量体と下側質量体を同位相で振動させるとともに、その逆位相で真ん中の基準質量体を振動させて、上側質量体に設けられた搬送体の搬送路に沿って搬送物を搬送する振動式搬送装置が考案されている。この振動式搬送装置は上側質量体と下側質量体の振動による反力を基準質量体の振動によって相殺又は減殺するようになっているとともに、上側質量体と基準質量体によって生じる回転モーメントと、基準質量体と下側質量体によって生じる回転モーメントとを相殺又は減殺するようになっている。これにより、装置から設置面へ漏洩する振動を低減できるとともに、装置のピッチング、すなわち、搬送方向に対して直交する左右方向の軸線周りの振動を低減できる。例えば、特許文献1と特許文献2に記載されている。
【0003】
特許文献1に記載された振動式搬送装置は、基準質量体と上側圧電駆動部と上側増幅ばねと上側質量体とが順次接続されるとともに、基準質量体と下側圧電駆動部と下側増幅ばねと下側質量体とが順次接続される。このうち、上側増幅ばねと下側増幅ばねは上側圧電駆動部と下側圧電駆動部の変形量をそれぞれ増幅するためのものである。この場合において、上側圧電駆動部と上側増幅ばねが上下方向に配列されるとともに、下側圧電駆動部と下側増幅ばねが上下方向に配列される。なお、上側圧電駆動部と下側圧電駆動部は一体形成されており、1つの圧電駆動体の上側部分と下側部分とにそれぞれ相当する。
【0004】
図7は特許文献2に記載された振動式搬送装置の一部分解斜視図である。
図7に示すように、特許文献2に記載された振動式搬送装置は、基準質量体1と下側圧電駆動部3adと上側増幅ばね4aと上側質量体2Aとが順次接続されるとともに、基準質量体1と上側圧電駆動部3auと下側増幅ばね5aと下側質量体2Bとが順次接続される。この状態において、下側圧電駆動部3adと上側増幅ばね4aは上下方向に対して直交する搬送方向に配列されるとともに、上側圧電駆動部3auと下側増幅ばね5aは搬送方向に配列される。このため、上側質量体2Aと基準質量体1と下側質量体2Bとにおける上下方向の間隔を狭めることができ、装置全体の高さを低減できる。
【0005】
ここで、下側圧電駆動部3adと上側圧電駆動部3auは一体形成されており、1つの圧電駆動体3aの下側部分と上側部分とにそれぞれ相当する。上側増幅ばね4aと下側増幅ばね5aとは上下方向に対して直交する幅方向(左右方向)に互いに配列されているとともに、それぞれ圧電駆動体3aに対して搬送方向に配列されている。この状態において、下側増幅ばね5aが圧電駆動体3aの左上部分に接続するとともに、上側増幅ばね4aが圧電駆動体3aの右下部分に接続する。これにより、装置全体をコンパクトに構成できる。なお、圧電駆動体3aの中間部分は基準質量体1と接続する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された振動式搬送装置は、上側圧電駆動部と上側増幅ばねが上下方向に配列されるとともに、下側圧電駆動部と下側増幅ばねが上下方向に配列されるので、装置全体の高さが大きくなり、装置が不安定になるという問題がある。
【0008】
特許文献2に記載された振動式搬送装置は、上側圧電駆動部3auと下側増幅ばね5aが搬送方向に配列されるとともに、下側圧電駆動部3adと上側増幅ばね4aが搬送方向に配列されるので、装置全体の高さを低減できる。しかしながら、上側圧電駆動部3auが下側増幅ばね5aを介して下側質量体2Bに接続されるとともに、下側圧電駆動部3adが上側増幅ばね4aを介して上側質量体2Aに接続されるので、特許文献1とは接続態様が異なる。また、
図7に示すように、特許文献2に記載された振動式搬送装置は、下側増幅ばね5aが圧電駆動体3aの左上部分に接続するとともに、上側増幅ばね4aが圧電駆動体3aの右下部分に接続するので、下側増幅ばね5aと上側増幅ばね4aの圧電駆動体3aに対する接続が複雑であり、圧電駆動体3aがねじれる方向に振動して、装置が首振り、つまり、上下方向の軸線周りに振動するおそれがあるという問題がある。この首振りは搬送体(上側質量体2A)の全体に亘って搬送速度が不均一になったり、搬送物の姿勢が乱れたりすることを引き起こす。
【0009】
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、上側圧電駆動部が上側増幅ばねを介して上側質量体に接続されるとともに、下側圧電駆動部が下側増幅ばねを介して下側質量体に接続される振動式搬送装置において、上側増幅ばねと下側増幅ばねの上下方向の長さを確保しつつ、装置全体の高さを低減できる振動式搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明の振動式搬送装置は、搬送方向に向いた
板面を有する板ばねを備えた一対の防振ばねと、前記一対の防振ばねによって支持され、前記一対の防振ばねのそれぞれが前記搬送方向の前後位置で弾性接続された基準質量体と、前記基準質量体の上方に配置された上側質量体と、前記基準質量体の下方に配置された下側質量体と、前記搬送方向の前後位置で前記基準質量体から上方へそれぞれ突出し、前記搬送方向に向いた
板面を有する板ばねを含む一対の上側部分と、前記搬送方向の前後位置で前記上側質量体にそれぞれ弾性接続され、前記搬送方向に向いた
板面を有する板ばねからなる一対の上側増幅ばねと、前記搬送方向の前後位置で前記基準質量体から下方へそれぞれ突出し、前記搬送方向に向いた
板面を有する板ばねを含む一対の下側部分と、前記搬送方向の前後位置で前記下側質量体にそれぞれ弾性接続され、前記搬送方向に向いた
板面を有する板ばねからなる一対の下側増幅ばねと、前記基準質量体と前記上側質量体の間、及び、前記基準質量体と前記下側質量体の間の双方に加振力を与え、前記上側質量体と前記下側質量体を同位相で振動させるとともに、前記上側質量体と前記下側質量体の振動に対して前記基準質量体を逆位相で振動させる加振装置と、を具備し、前記上側質量体と前記下側質量体の少なくともいずれか一方に搬送物を搬送する搬送路が設けられ、前記一対の上側部分と前記一対の上側増幅ばねはそれぞれ搬送方向に配列されるとともに、前記一対の下側部分と前記一対の下側増幅ばねはそれぞれ搬送方向に配列され、前記基準質量体と前記一対の上側部分と前記一対の上側増幅ばねと前記上側質量体とが順次接続されるとともに、前記基準質量体と前記一対の下側部分と前記一対の下側増幅ばねと前記下側質量体とが順次接続され
、前記一対の上側増幅ばねと前記上側質量体の接続位置は、前記一対の上側部分と前記一対の上側増幅ばねの接続位置より下方に位置し、前記一対の下側増幅ばねと前記下側質量体の接続位置は、前記一対の下側部分と前記一対の下側増幅ばねの接続位置より上方に位置することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、
前記一対の上側増幅ばねと前記上側質量体の接続位置は、前記一対の上側部分と前記一対の上側増幅ばねの接続位置より下方に位置し、前記一対の下側増幅ばねと前記下側質量体の接続位置は、前記一対の下側部分と前記一対の下側増幅ばねの接続位置より上方に位置する。これにより、前記一対の上側部分と前記一対の上側増幅ばねがそれぞれ上下方向に配列されるとともに、前記一対の下側部分と前記一対の下側増幅ばねがそれぞれ上下方向に配列される場合に比べて、前記一対の上側増幅ばねと前記一対の下側増幅ばねとの上下方向の長さを確保しつつ、装置全体の高さを低減できる。
【0012】
本発明において、前記基準質量体の上側に前記一対の上側部分と前記一対の上側増幅ばねと前記上側質量体が配置され、前記基準質量体の下側に前記一対の下側部分と前記一対の下側増幅ばねと前記下側質量体が配置されることが好ましい。この発明によれば、前記上側質量体の加振機構と前記下側質量体の加振機構とが基準質量体を挟んで上下に分離されるので、前記一対の上側部分と前記一対の上側増幅ばねと前記上側質量体の接続構造と、前記一対の下側部分と前記一対の下側増幅ばねと前記下側質量体の接続構造とをそれぞれ複雑にすることなく、単純化できる。
【0013】
本発明において、前記基準質量体と前記一対の上側部分、及び、前記一対の上側部分と前記一対の上側増幅ばね、前記一対の上側増幅ばねと前記上側質量体、前記基準質量体と前記一対の下側部分、前記一対の下側部分と前記一対の下側増幅ばね、前記一対の下側増幅ばねと前記下側質量体は、それぞれ搬送方向に対して直交する幅方向の中央を対称軸として幅方向に対称に接続されることが好ましい。この発明によれば、搬送方向に対して直交する幅方向の中央を対称軸として幅方向に対称に各部材が接続されるので、前記一対の上側部分と前記一対の上側増幅ばねと前記一対の下側部分と前記一対の下側増幅ばねとがそれぞれねじれる方向に振動することを抑制できる。
【0014】
本発明において、前記加振装置は、前記一対の上側部分の少なくとも一方を構成する上側圧電駆動部と、前記一対の下側部分の少なくとも一方を構成する下側圧電駆動部とを有することが好ましい。この場合において、前記一対の上側部分の両方が圧電駆動部で構成されていることが望ましい。また、前記一対の下側部分の両方が圧電駆動部で構成されていることが望ましい。
【0015】
本発明において、前記加振装置は、前記上側圧電駆動部と前記下側圧電駆動部とが一体形成されており、前記上側圧電駆動部と前記下側圧電駆動部の間の中間部が前記基準質量体に接続されており、板面が前記搬送方向に向いた板状であり、全体として一体に撓み変形するように構成された圧電駆動体を有することが好ましい。
【0016】
この発明によれば、一体形成された圧電駆動体のうち前記上側圧電駆動部が前記上側質量体を加振し、前記下側圧電駆動部が前記下側質量体を加振するので、前記上側質量体と前記下側質量体とを容易かつ確実に同位相で振動させることができる。また、一体の圧電駆動体で前記上側質量体と前記下側質量体を加振できるため、装置全体の高さを低減でき、装置をコンパクトに構成できる。ここで、前記搬送方向の前後位置の双方で前記上側部分と前記下側部分が上記圧電駆動体で構成されていることが望ましい。この場合には、前記搬送方向の前後位置の上記圧電駆動体は相互に同位相で駆動される。
【0017】
本発明において、前記搬送路は前記上側質量体に設けられることが好ましい。この発明によれば、前記搬送路が前記上側質量体に設けられるので、搬送物の取り扱いが容易になる。なお、前記搬送路が前記下側質量体に設けられてもよいし、前記上側質量体と前記下側質量体の両方に設けられてもよいし、前記基準質量体に設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0018】
以上、説明したように本発明によれば、上側増幅ばねと下側増幅ばねの長さを確報しつつ、装置全体の高さの低減できるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る実施形態の振動式搬送装置について詳細に説明する。
図1は本発明に係る実施形態の振動式搬送装置の左側面図である。
図1において、矢印Uで示す方向を上側とし(紙面の上側)、矢印Dで示す方向を下側とし(紙面の下側)、矢印Fで示す方向を前側とし(紙面に対して向かって左側)、矢印Bで示す方向を後側とする(紙面に対して向かって右側)。これら上側と下側と前側と後側は相対的な位置関係を示すものであり、重力方向に対する絶対的な位置関係を示すものではない。
【0021】
図1に示すように、本実施形態の振動式搬送装置10は、基準質量体11と、この基準質量体11の上側に配置される上側質量体12Aと、基準質量体11の下側に配置される下側質量体12Bとを有する。つまり、上側質量体12Aと下側質量体12Bが基準質量体11の上下両側に配置されており、これら上側質量体12Aと基準質量体11と下側質量体12Bとが上側から下側に向かって上下方向に順次配置されている。これにより、基準質量体11の重心位置と、上側質量体12A及び下側質量体12Bの合計の重心位置と、の上下方向のずれを容易に低減できる。なお、基準質量体11の重心位置と、上側質量体12A及び下側質量体12Bを合わせた重心位置と、が一致するように設計することが好ましい。
【0022】
基準質量体11は中央に配置された膨張部11xと、膨張部11xの前後両側に設けられた連結部11a,11bとを有する。膨張部11xは上下方向に幅広に形成されている。連結部11a,11bは膨張部11xより上下方向に幅狭に形成されており、膨張部11xの上下方向中央部から前側と後側とにそれぞれ突出している。基準質量体11の重心位置は、前後位置にある連結部11a,11bを結ぶ直線上に配置されるように設計することが望ましい。
【0023】
上側質量体12Aの下側部分は側面から見てU字状に形成されており、中央部が上側に凹んでいる。下側質量体12Bは側面から見てU字状に形成されており、中央部が下側に凹んでいる。上側質量体12Aと基準質量体11と下側質量体12Bとが上下方向に配列された状態では、上側質量体12Aの凹部の中に基準質量体11における膨張部11xの上側部分が収容され、下側質量体12Bの凹部の中に基準質量体11における膨張部11xの下側部分が収容される。これにより、装置全体の高さが低減される。
【0024】
上側質量体12Aの上側部分には搬送体20が設けられている。この搬送体20は前後方向に伸びる図示しない搬送路が形成されており、この搬送路に沿って電子部品等の搬送物を後側から前側へ搬送するように構成されている。これにより、搬送物の取り扱いや搬送態様の調整を容易にできる。この場合、上側質量体12Aは搬送体20を含めた質量を有する慣性体として作用する。振動式搬送装置10は矢印Fと矢印Bの両方で示す前後方向が矢印Pで示す搬送方向となっている。
【0025】
図2は本実施形態の圧電駆動体の正面図である。
図2に示すように、振動式搬送装置10には加振装置として圧電駆動体13a,13bが設けられている。この圧電駆動体13a,13bは、一方向に伸びる略矩形状であり、長手方向が上下方向となるように振動式搬送装置10の前側と後側とにそれぞれ配置されている。この圧電駆動体13a,13bはシム板と呼ばれる金属製の弾性基板13Sと、この弾性基板13Sの表裏両面に貼付(積層)された圧電体(圧電層)13Pとを有する。つまり、この圧電駆動体13a,13bは2枚の圧電素子を張り合わせてなるバイモルフ(bimolf)である。圧電体13Pは弾性基板13Sの長手方向中央(上下方向中央)に配置されている。圧電体13Pの幅方向両側に弾性基板13Sの一部が張り出しており、この張り出し部分に貫通孔13hc,13hcがそれぞれ形成されている。換言すると、圧電駆動体13a,13bの長手方向中央には2つの貫通孔13hc,13hcが圧電体13Pを挟んで形成されている。これにより、圧電体13Pを避けて、基準質量体11やスペーサ17a,17bを圧電駆動体13a,13bに接続できる。
【0026】
また、圧電駆動体13a,13bの長手方向の両端部、つまり上端部と下端部はそれぞれ圧電駆動体13a,13bの長手方向に対して直交する幅方向両側に張り出しており、これら上端部と下端部とにはそれぞれ3つの貫通孔13hu,13hu,13hu(13hd,13hd,13hd)が形成されている。これら3つの貫通孔は圧電駆動体13a,13bの幅方向に互いに所定間隔を開けて一列に配列されている。これら3つの貫通孔のうち、真ん中の貫通孔13hu(13hd)は圧電駆動体13a,13bの幅方向中央に位置し、両側の貫通孔13hu,13hu(13hd,13hd)は幅方向両側の張り出し部にそれぞれ位置する。なお、これら貫通孔13hu,13hc,13hdは全て平面視円形の丸孔である。
【0027】
この圧電駆動体13a,13bは上側圧電駆動部13au,13buと下側圧電駆動部13ad,13bdとを有する。上側圧電駆動部13au,13buは圧電駆動体13a,13bの長手方向中央(上下方向中央)から上側の部分であり、下側圧電駆動部13ad,13bdは圧電駆動体13a,13bの長手方向中央(上下方向中央)から下側の部分である。これら上側圧電駆動部13au,13buと下側圧電駆動部13ad,13bdは上記上側部分と上記下側部分にそれぞれ相当する。本実施形態では上側圧電駆動部13au,13buと下側圧電駆動部13ad,13bdが一体形成されている。これにより、上側圧電駆動部13au,13buと下側圧電駆動部13ad,13bdとが均一かつ一体に撓み変形するようになっている。
【0028】
上記圧電駆動体13a,13bは、圧電体13Pに電圧を印加すると、電圧に応じて圧電体13Pが変形し、これによって弾性基板13Sは長さ方向(上下方向)に撓むように構成される。このため、所定周波数の交番電圧を印加することにより、圧電駆動体13a,13bは、交互に逆方向に撓み変形することで振動する。この振動は、後述する上側増幅ばね14a,14bや下側増幅ばね15a,15bを介して基準質量体11を基準として上側質量体12Aと下側質量体12Bに搬送方向にほぼ沿った振動を生じさせる。
【0029】
このとき、搬送方向の前後位置に取り付けられた圧電駆動体13a,13bは共に振動方向に同位相で撓み変形し、それぞれの上側圧電駆動部13au,13buと下側圧電駆動部13ad,13bdも搬送方向に同位相で変形する。このため、基準質量体11に対して上側質量体12Aと下側質量体12Bも搬送方向に同位相で振動する。このとき、基準質量体11は、上側質量体12A及び下側質量体12Bとは逆位相で振動して、上側質量体12Aと下側質量体12Bの振動による反力を打ち消すようになっている。
【0030】
ここで、この圧電駆動体13a,13bは、長手方向中央を対象軸として長手方向に対称に形成されているとともに、幅方向中央を対称軸として幅方向にも対称に形成されている。これにより、上側質量体12Aと下側質量体12Bの双方に対して均等な同位相の加振力を与えることができる。
【0031】
図3(a)は本実施形態の上側増幅ばねの正面図である。
図3(b)は本実施形態の下側増幅ばねの正面図である。振動式搬送装置10の前側と後側とには上記圧電駆動体13a,13bの振動を増幅する上側増幅ばね14a,14bと下側増幅ばね15a,15bとがそれぞれ設けられている。
図3(a)と
図3(b)に示すように、上側増幅ばね14a,14bと下側増幅ばね15a,15bとはそれぞれ正面から見て略矩形状である。上側増幅ばね14a,14bと下側増幅ばね15a,15bとの幅方向(左右方向)の長さは同一又は略同一であり、上側増幅ばね14a,14bと下側増幅ばね15a,15bとの幅方向に対して直交する上下方向の長さは同一又は略同一である。
【0032】
この上側増幅ばね14a,14bの下端部と、下側増幅ばね15a,15bの上端部とには、幅方向中央に凹部14as,14bs(15as,15bs)がそれぞれ形成されている。これら凹部は基準質量体11の連結部11a,11bを避けるためのものである。上側増幅ばね14a,14bと下側増幅ばね15a,15bは上下方向に所定間隔を開けて上下にそれぞれ配置されている。このとき、上側増幅ばね14a,14bの凹部14as,14bsと、下側増幅ばね15a,15bの凹部15as,15bsとは上下方向に対向している。
【0033】
図3(a)に示すように、上側増幅ばね14a,14bの上端部には3つの貫通孔14hu,14hu,14huが形成されており、これら3つの貫通孔は互いに所定間隔を開けて幅方向に一列に配列されている。このうち、真ん中の貫通孔14huは幅方向中央に位置し、両側の貫通孔14hu,14huは幅方向両側にそれぞれ位置する。また、上側増幅ばね14a,14bの下端部には2つの貫通孔14hd,14hdが形成されており、これら2つの貫通孔は上記凹部14as,14bsを挟むように幅方向両側にそれぞれ位置する。上側増幅ばね14a,14bの上端部と下端部とにある貫通孔は全て平面視円形の丸孔である。
【0034】
同様に、
図3(b)に示すように、下側増幅ばね15a,15bの下端部には3つの貫通孔15hd,15hd,15hdが形成されており、これら3つの貫通孔は互いに所定間隔を開けて幅方向に一列に配列されている。このうち、真ん中の貫通孔15hdは幅方向中央に位置し、両側の貫通孔15hd,15hdは幅方向両側にそれぞれ位置する。また、下側増幅ばね15a,15bの上端部には2つの貫通孔15hu,15huが形成されており、これら2つの貫通孔は上記凹部15as,15bsを挟むように幅方向両側にそれぞれ位置する。下側増幅ばね15a,15bの下端部と上端部とにある貫通孔は全て平面視円形の丸孔である。このため、これら上側増幅ばね14a,14bと下側増幅ばね15a,15bは、それぞれ幅方向中央を対称軸として幅方向に対称に形成されている。
【0035】
図1に示すように、上記基準質量体11は前側と後側とに防振ばね16a,16bがそれぞれ接続されており、これら防振ばね16a,16bの下端部は基台19に接続されている。この基台19は設置面上に配置されている。これにより、基準質量体11は前側と後側とで防振ばね16a,16bによって下方から支持されている。
【0036】
また、基準質量体11と上側質量体12Aは前側と後側とで上側圧電駆動部13au,13buと上側増幅ばね14a,14bとを介して接続されている。このため、上側質量体12Aは前側と後側とで上側圧電駆動部13au,13buと上側増幅ばね14a,14bとによって下方から支持されている。
【0037】
さらに、基準質量体11と下側質量体12Bは前側と後側とで下側圧電駆動部13ad,13bdと下側増幅ばね15a,15bとを介して接続されている。このため、下側質量体12Bは前側と後側とで下側圧電駆動部13ad,13bdと下側増幅ばね15a,15bとによって上方から吊り下げられている。
【0038】
ここで、上記上側圧電駆動部13au,13buと下側圧電駆動部13ad,13bdとは板状であり、上記上側増幅ばね14a,14bと下側増幅ばね15a,15bと防振ばね16a,16aとは板ばねである。これら上側圧電駆動部13au,13buと下側圧電駆動部13ad,13bdと上側増幅ばね14a,14bと下側増幅ばね15a,15bと防振ばね16a,16bとは全て板面が撓み変形可能に構成されているとともに、全て板面が前後方向(搬送方向)に向いている。このため、これら上側圧電駆動部13au,13buと下側圧電駆動部13ad,13bdと上側増幅ばね14a,14bと下側増幅ばね15a,15bと防振ばね16a,16bとは全て搬送方向に撓み変形可能に構成されている。
【0039】
図1に示すように、ボルトや座金やスペーサ等の連結部材が圧電駆動体13a,13bの長手方向中央(上下方向中央)の貫通孔13hc,13hcに挿通されてから基準質量体11の連結部11a,11bにねじ込まれている。このため、基準質量体11の連結部11a,11bと圧電駆動体13a,13bとがそれぞれ接続されている。言い換えると、圧電駆動体13a,13bの長手方向中央には、前後方向内側に基準質量体11が接続されている。この状態において、上側圧電駆動部13au,13buは基準質量体11から上方へ伸びており、下側圧電駆動部13ad,13bdは基準質量体11から下方へ伸びている。
【0040】
これに対して、圧電駆動体13a,13bの長手方向中央(上下方向中央)には前後方向外側(搬送方向外側)にスペーサ17a,17bが接続されている。これらスペーサ17a,17bの前後方向外側に、つまり、これらスペーサ17a,17bの基準質量体11に対して反対側の端部に、防振ばね16a,16bがそれぞれ接続されている。これら防振ばね16a,16bはスペーサ17a,17bと基台19とを接続している。したがって、これら防振ばね16a,16bは圧電駆動体13a,13bよりも搬送方向外側に配置されている。このため、振動式搬送装置10の主要振動系全体の安定性が向上する。
【0041】
図4は本実施形態の圧電駆動体と上側増幅ばねと下側増幅ばねとの分解斜視図である。
図5は本実施形態の圧電駆動体と上側増幅ばねと下側増幅ばねとの接続状態を示す斜視図である。
図4と
図5に示すように、圧電駆動体13a,13bの上端部にある貫通孔13hu,13hu,13huと、上側増幅ばね14a,14bの上端部にある貫通孔14hu,14hu,14huとに図示しない連結部材が挿通されて締結されており、圧電駆動体13a,13bの上端部と上側増幅ばね14a,14bの上端部とが接続している。すなわち、上側圧電駆動部13au,13buの上端部と上側増幅ばね14a,14bの上端部とが接続している。
【0042】
この上側増幅ばね14a,14bの下端部にある貫通孔14hd,14hdには図示しない連結部材が挿通されて、上側質量体12Aの前側と後側とにねじ込まれており、上側増幅ばね14a,14bの下端部と上側質量体12Aとが搬送方向の前後位置で接続されている。このため、基準質量体11と上側圧電駆動部13au,13buと上側増幅ばね14a,14bと上側質量体12Aとが順次接続されている。
【0043】
同様に、圧電駆動体13a,13bの下端部にある貫通孔13hd,13hd,13hdと、下側増幅ばね15a,15bの下端部にある貫通孔15hd,15hd,15hdとに図示しない連結部材が挿通されて締結されており、圧電駆動体13a,13bの下端部と下側増幅ばね15a,15bの下端部とが接続している。すなわち、下側圧電駆動部13ad,13bdの下端部と下側増幅ばね15a,15bの下端部とが接続している。
【0044】
この下側増幅ばね15a,15bの上端部にある貫通孔15hu,15huには図示しない連結部材が挿通されて、下側質量体12Bの前側と後側とにねじ込まれており、下側増幅ばね15a,15bの上端部と下側質量体12Bとが搬送方向の前後位置で接続されている。このため、基準質量体11と下側圧電駆動部13ad,13bdと下側増幅ばね15a,15bと下側質量体12Bとが順次接続されている。
【0045】
この状態において、上側圧電駆動部13au,13buと上側増幅ばね14a,14b、及び、下側圧電駆動部13ad,13bdと下側増幅ばね15a,15bは、それぞれ搬送方向に積層(配置)されている。上側増幅ばね14a,14bは上側圧電駆動部13au,13bu(圧電駆動体13a,13b)の上端部から圧電駆動体13a,13bの上下方向中央の近くまで下方へ伸びている。一方、下側増幅ばね15a,15bは下側圧電駆動部13ad,13bd(圧電駆動体13a,13b)の下端部から圧電駆動体13a,13bの上下方向中央の近くまで上方へ伸びている。このため、上側増幅ばね14a,14bの下端部は上側圧電駆動部13au,13buの上端部より下方に位置し、下側増幅ばね15a,15bの上端部は下側圧電駆動部13ad,13bdの下端部より上方に位置する。つまり、上側増幅ばね14a,14bと上側質量体12Aの接続位置は上側増幅ばね14a,14bと上側圧電駆動部13au,13buの接続位置より下方に位置する。これに対して、下側増幅ばね15a,15bと下側質量体12Bの接続位置は下側増幅ばね15a,15bと下側圧電駆動部13ad,13bdの接続位置より上方に位置する。これにより、装置全体の高さを低減できる。
【0046】
このとき、上側増幅ばね14a,14bと下側増幅ばね15a,15bとの上下方向の長さは、それぞれ圧電駆動体13a,13bの上下方向の長さの半分より短く設定されており、これら上側増幅ばね14a,14bと下側増幅ばね15a、15bとは上下方向に離れて配置されている。上側圧電駆動部13au,13buと上側増幅ばね14a,14bが基準質量体11の上側に配置されており、下側圧電駆動部13ad,13bdと下側増幅ばね15a,15bが基準質量体11の下側に配置されている。つまり、上側質量体12Aの加振機構と下側質量体12Bの加振機構とが上下に分離している。
【0047】
また、圧電駆動体13a,13bの上端部と上下方向中央と下端部とにある貫通孔は、それぞれ圧電駆動体13a,13bの幅方向中央を対称軸として幅方向に対称に形成されている。同様に、上側増幅ばね14a,14bの上端部と下端部とにある貫通孔は、それぞれ上側増幅ばね14a,14bの幅方向中央を対称軸として幅方向に対称に形成されており、下側増幅ばね15a,15bの上端部と下端部とにある貫通孔は、それぞれ下側増幅ばね15a,15bの幅方向中央を対象軸として幅方向に対称に形成されている。このとき、これら圧電駆動体13a,13bと上側増幅ばね14a,14bと下側増幅ばね15a,15bは、全て板面が前後方向(搬送方向)に向いており、幅方向が搬送方向に直交する左右方向になっている。このため、基準質量体11と圧電駆動体13a,13b、及び、上側圧電駆動部13au,13bu(圧電駆動体13a,13b)と上側増幅ばね14a,14b、上側増幅ばね14a,14bと上側質量体12A、下側圧電駆動部13ad,13bd(圧電駆動体13a,13b)と下側増幅ばね15a,15b、下側増幅ばね15a,15bと下側質量体12Bは、それぞれ搬送方向に直交する左右方向に対称に接続されている。これにより、上側圧電駆動部13au,13bu(圧電駆動体13a,13b)と下側圧電駆動部13ad,bd(圧電駆動体13a,13b)と上側増幅ばね14a,14bと下側増幅ばね15a,15bとがそれぞれねじれる方向に振動することが抑制される。
【0048】
これら上側増幅ばね14a,14bと下側増幅ばね15a,15bとの幅長は、それぞれ圧電駆動体13a,13bの張り出し部がある部分(圧電駆動体13a,13bの上端部と上下方向中央部と下端部)の幅長と同一又は略同一であり、圧電駆動体13a,13bの張り出し部がない部分の幅長よりも幅広である。上側増幅ばね14a,14bの下端部にある貫通孔14hd,14hdと、下側増幅ばね15a,15bの上端部にある貫通孔15hu,15huとは、それぞれ圧電駆動体13a,13bの張り出し部がない部分の幅方向外側に配置されており、それぞれ圧電駆動体13a,13bと重ならないように圧電駆動体13a,13bの幅方向外側に露出している。これにより、上側増幅ばね14a,14bと上側質量体12A、及び、下側増幅ばね15a,15bと下側質量体12Bは、それぞれ圧電駆動体13a,13bを避けて接続できるようになっている。
【0049】
このとき、上側増幅ばね14a,14bの下端部と、圧電駆動体13a,13bの上下方向中央の張り出し部と、下側増幅ばね15a,15bの上端部とが、上下方向に互いに接近している。このため、これら上側増幅ばね14a,14bの下端部と、圧電駆動体13a,13bの上下方向中央の張り出し部と、下側増幅ばね15a,15bとに、上側質量体12Aと基準質量体11と下側質量体12Bとを、それぞれ接続すると、上側質量体12Aと基準質量体11と下側質量体12Bとが上下方向に互いに接近した位置に配置される。これにより、振動式搬送装置10の高さをさらに低減できる。
【0050】
また、圧電駆動体13a,13bと上側増幅ばね14a,14bの間と、圧電駆動体13a,13bと下側増幅ばね15a,15bの間とには、それぞれ図示しないスペーサが介挿されている。このため、圧電駆動体13a,13bと上側増幅ばね14a,14b、及び、圧電駆動体13a,13bと下側増幅ばね15a,15bは、それぞれ前後方向(搬送方向)に所定間隔を開けて配置される。この状態で圧電駆動体13a,13bを加振させると、上側増幅ばね14a,14bの下端部の振動方向と、下側増幅ばね15a,15bの上端部の振動方向とが、それぞれ前側に向かって斜め上方になる。これにより、搬送体20を含む上側質量体12Aと下側質量体12Bとは、それぞれ前側に向かって斜め上方に振動する。この振動は、搬送体20の搬送路上の搬送物に前側へ移動する推進力を与える。本実施形態では、圧電駆動体13a,13bと上側増幅ばね14a,14bの間の間隔と、圧電駆動体13a,13bと下側増幅ばね15a,15bの間の間隔とは、それぞれ0.5mmに設定されている。
【0051】
図1に示すように、これら上側増幅ばね14a,14bと下側増幅ばね15a,15bとの双方は、圧電駆動体13a,13bの後側に配置されている。言い換えると、搬送方向の前方位置にある圧電駆動体13aは、上側増幅ばね14aと下側増幅ばね15aの前側に配置されており、搬送方向の後方位置にある圧電駆動体13bも、上側増幅ばね14bと下側増幅ばね15bの前側に配置されている。これにより、搬送体20における搬送路全体に亘る搬送力を均一化できる。
【0052】
また、基台19の両側面には、図示しないカバー板が取り付けられている。これらカバー板は、基台19から上方へ伸びており、上側質量体12Aの下側部分の側方位置まで達しており、搬送体20はカバー板の上側に露出する。つまり、これらカバー板の内側に上側質量体12Aの下側部分と基準質量体11と下側質量体12Bとが収容される。
【0053】
図6は本実施形態の振動式搬送装置と、従来の振動式搬送装置との共振周波数を対比したグラフである。
図6に示すように、本実施形態の振動式搬送装置10の共振周波数は約490Hzであり、その振幅が0.17mmである。これに対して、従来の振動式搬送装置の共振周波数は約380Hzであり、その振幅が0.44mmである。これは上側増幅ばね14a,14bと下側増幅ばね15a,15bとの上下方向の長さが従来に比べて短いことに起因する。これにより、本実施形態の振動式搬送装置10では、従来に比べて、高周波、かつ、小さい振幅の振動で搬送物を搬送できる。
【0054】
このように構成された振動式搬送装置10において、圧電駆動体13a,13bを図示しない制御駆動ユニットにより稼働させると、圧電駆動体13a,13bは相互に同位相で搬送方向の前後で撓み変形して振動を発生する。この振動は、圧電駆動体13a,13bの上側圧電駆動部13au,13buから上側増幅ばね14a,14bを経由して上側質量体12Aに伝達されるとともに、圧電駆動体13a,13bの下側圧電駆動部13ad,13bdから下側増幅ばね15a,15bを経由して下側増幅ばね12Bに伝達される。
【0055】
このとき、圧電駆動体13a,13bの上端部、つまり、上側圧電駆動部13au,13buの上端部は圧電駆動体13a,13bの上下方向中央を中心としてほぼ円弧状に振動し、上側増幅ばね14a,14bの下端部は上記円弧状より大きな曲率半径の円弧状に振動する。同様に、圧電駆動体13a,13bの下端部、つまり、下側圧電駆動部13ad,13bdの下端部は圧電駆動体13a,13bの上下方向中央を中心としてほぼ円弧状に振動し、下側増幅ばね15a,15bの上端部は上記円弧状より大きな曲率半径の円弧状に振動する。上記振動により、基準質量体11と、上側質量体12A及び下側質量体12Bとは、相互に搬送方向に逆位相で振動し、上側質量体12Aと下側質量体12Bとは相互に搬送方向に同位相で振動する。
【0056】
本実施形態においては、圧電駆動体13a,13bと上側圧電駆動部13au,13buと下側圧電駆動部13ad,13bdと上側増幅ばね14a,14bと下側増幅ばね15a,15bとは全て搬送方向に撓み変形可能に構成されており、基準質量体11と圧電駆動体13a,13b、及び、上側圧電駆動部13au,13buと上側増幅ばね14a,14b、上側増幅ばね14a,14bと上側質量体12A、下側圧電駆動部13ad,13bdと下側増幅ばね15a,15b、下側増幅ばね15a,15bと下側質量体12Bは、それぞれ搬送方向に直交する左右方向に対称に接続されているので、圧電駆動体13a,13bと上側圧電駆動部13au,13buと下側圧電駆動部13ad,13bdと上側増幅ばね14a,14bと下側増幅ばね15a,15bとがそれぞれねじれる方向に振動することを抑制できる。これにより、装置全体の首振りを防止でき、搬送路全体に亘って搬送速度を均一にできるとともに、振動による搬送物の搬送姿勢の乱れも低減できる。
【0057】
この実施形態においては、上側圧電駆動部13au,13buと上側増幅ばね14a,14bと上側質量体12Aが基準質量体11の上側に配置されており、下側圧電駆動部13ad,13bdと下側増幅ばね15a,15bと下側質量体12Bが基準質量体11の下側に配置されており、上側質量体12Aの加振機構と下側質量体12Bの加振機構とが上下に分離されるので、上側質量体12Aの振動系に下側質量体12Bの振動が混入したり、下側質量体12Bの振動系に上側質量体12Aの振動が混入したりすることを防止でき、上側質量体12Aの振動系と下側質量体12Bの振動系とのそれぞれの振動の乱れを低減できる。
【0058】
また、基準質量体11と、上側質量体12A及び下側質量体12Bとは、相互に搬送方向に逆位相で振動し、上側質量体12Aと下側質量体12Bは相互に搬送方向に同位相で振動するので、基準質量体11の反力と、上側質量体12A及び下側質量体12Bの反力とが互いに打ち消し合って、互いに相殺又は減殺される。その結果、基準質量体11から防振ばね16a,16bを介して基台19へ伝達される振動を低減できる。
【0059】
このとき、上側質量体12Aと基準質量体11と下側質量体12Bとは上下方向に配置されており、上側質量体12Aと基準質量体11から生じる回転モーメントと、基準質量体11と下側質量体12Bから生じる回転モーメントとが逆向きになるので、これら回転モーメントが互いに打ち消し合って、互いに相殺又は減殺される。このため、振動式搬送装置10のピッチング(搬送方向に対して直交する水平方向の軸線周りの振動)を低減でき、基準質量体11から防振ばね16a,16bを介して基台19へ伝達される上下方向の振動が低減され、搬送路全体に亘る搬送速度を均一にできるとともに、搬送物の姿勢の乱れを低減できる。
【0060】
尚、上記実施形態の振動式搬送装置10は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、本実施形態の振動式搬送装置10は搬送体20が上側質量体12Aに設けられているが、下側質量体12Bに設けられていてもよいし、基準質量体11に設けられていてもよいし、上側質量体12Aと下側質量体12Bの双方に設けられていてもよい。搬送体20が基準質量体11に設けられる場合には搬送物は前側から後側へ搬送される。
【0061】
なお、本実施形態の振動式搬送装置10は上側圧電駆動部13au,13buと下側圧電駆動部13ad,13bdが一体形成された圧電駆動体13a,13bを用いているが、上側圧電駆動部13au,13buと下側圧電駆動部13ad,13bdが別々の圧電駆動体であってもよい。この場合、上側圧電駆動部13au,13buに相当する圧電駆動体と、下側圧電駆動部13ad,13bdに相当する圧電駆動体とはそれぞれ基準質量体11に接続される。また、本実施形態の振動式搬送装置10は圧電駆動体13a,13bが前側と後側(搬送方向の前後位置)にそれぞれ配置されているが、前側(搬送方向の前位置)のみに配置されていてもよいし、後側(搬送方向の後位置)のみに配置されていてもよい。上側圧電駆動部13au,13buと下側圧電駆動部13ad,bdとが別々の圧電駆動体である場合には、上側圧電駆動部13auが前側(搬送方向の前位置)に配置されて、下側圧電駆動部13bdが後側(搬送方向の後位置)に配置されていてもよいし、この反対に、上側圧電駆動部13adが後側(搬送方向の後位置)に配置されて、下側圧電駆動部13adが前側(搬送方向の前位置)に配置されていてもよい。
【0062】
また、本実施形態に用いる圧電駆動体13a,13bは、圧電体13Pが圧電駆動体13a,13bの上下方向中央に配置されているが、上側圧電駆動部13au,13buと下側圧電駆動部13ad,13bdとにそれぞれ配置されていてもよい。さらに、本実施形態に用いる圧電駆動体13a,13bはバイモルフであるが、弾性基板13Sの片面のみに圧電体13Pが配置されてなるユニモルフでもよいし、その他、公知の種々の圧電駆動体でもよい。また、上側圧電駆動部13au,13buと上側増幅ばね14a,14b、及び、下側圧電駆動部13ad,13bdは、それぞれ別体に構成されているが、搬送方向に対して直交する側方から見てU字状に一体形成されていてもよい。さらに、圧電駆動体13a,13bと上側増幅ばね14a,14bと下側増幅ばね15a,15bとは別体に構成されているが、一体形成されていてもよい。
【0063】
なお、圧電駆動体13a,13bと上側増幅ばね14a,14bと下側増幅ばね15a,15bとには、それぞれ貫通孔が形成されているが、貫通孔の内周にねじ山が形成されていてもよい。圧電駆動体13a,13bと上側増幅ばね14a,14bと下側増幅ばね15a,15bとのそれぞれの貫通孔は平面視円形の丸孔であるが、平面視四角形や五角形や六角形や八角形の角孔でもよいし、平面視楕円形でもよいし、長孔でもよい。
【0064】
さらに、圧電駆動体13a,13bの上端部と下端部、及び、上側増幅ばね14a,14bの上端部、下側増幅ばね15a,15bの下端部には、それぞれ貫通孔が3つ形成されているが、幅方向中央を対称軸として幅方向に対称に形成されていればよく、貫通孔の数は特に限定されず、それぞれ貫通孔が1つ形成されていてもよいし、2つ形成されていてもよいし、4つ形成されていてもよいし、5つ形成されていてもよいし、6つ形成されていてもよい。同様に、圧電駆動体13a,13bの上下方向中央と、上側増幅ばね14a,14bの下端部と、下側増幅ばね15a,15bの上端部とには、それぞれ幅方向両側に貫通孔が1つずつ形成されているが、幅方向中央を対称軸として幅方向に対称に形成されていればよく、貫通孔の数は特に限定されず、それぞれ幅方向両側に貫通孔が2つずつ形成されていてもよいし、3つずつ形成されていてもよい。