【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明は、はめ込み壁の第1のパネルと第2のパネルとの間の接続ジョイントであり、各パネルの面と共働するようにされていて、且つ、第1の外面及び第2の外面を有する少なくとも1つの支持体と、該支持体の第1の外面に配置された第1の連結手段と、該支持体の第2の外面に配置された第2の連結手段とを含む接続ジョイントであって、可動式のあごの移動速度が100mm/分の可動あご式引張試験機を用いてガラスパネル上で測定した、第1の連結手段の直角分離力が3N/cmと20N/cmの間、好ましくは3N/cmと15N/cmの間にある一方で、可動式のあごの移動速度が100mm/分の可動あご式引張試験機を用いてガラスパネル上で測定した、第2の連結手段の直角分離力が30N/cm以上であることを特徴とする、はめ込み壁の第1のパネルと第2のパネルとの間の接続ジョイントに関する。
【0007】
好ましくは、可動式のあごの移動速度が100mm/分の可動あご式引張試験機を用いてガラスパネル上で測定した第1の連結手段の直角分離力は5N/cmと15N/cmの間にある。
【0008】
好ましくは、可動式のあごの移動速度が100mm/分の可動あご式引張試験機を用いてガラスパネル上で測定した第2の連結手段の直角分離力は30N/cmと40N/cmの間にある。
【0009】
本発明に関して言えば、連結手段は、パネルの面と、特に端面又は主面と、接着結合によって共働することが可能である接着剤の層であることができる。別の実施形態として、それは、パネルのレリーフ模様との補完により共働することが可能である機械的な固定手段であってもよい。詳しく言うと、レリーフ模様は、パネルの面、特に端面に形成された長手方向の溝であって、その内部容積中に機械的固定手段を適切な力で受け入れるようにされた溝であることができる。連結手段が接着剤の層である場合、直角分離力は直角剥離力とも呼ばれる。
【0010】
本発明による接続ジョイントは、取り付けた状態におけるはめ込み壁の良好な結束性と、パネルを隣接パネルに対して移動させる場合の容易な分離の両方を確実にするため直角分離力が調整される第1の連結手段の助けによって、はめ込み壁のパネル間の取り外し可能な連結を行うのを可能にする。この結果として、位置合わせが不十分な場合にパネルを互いに対して再配置することが可能であるので、はめ込み壁の取り付けが容易になるとともに、中間のパネルをはめ込み壁から容易に抜き出すことができるので、取り外すことも容易になる。本発明による接続ジョイントは、パネル間の可逆的な接続を保証し、はめ込み壁の迅速な取り付け・取り外しを可能にする。内部間仕切りの場合、同じパネルを再利用することによってスペースを再編成することが可能である。第1の連結手段と第2の連結手段との直角分離力の違いのために、接続ジョイントは、それが間に配置される2枚のパネルのうちの一方に第2の連結手段によって強固に固定することができるので、はめ込み壁を取り外す際にこのパネルにそのまま固定したままにされる。
【0011】
本発明の範囲内において、連結手段の直角分離力、あるいは接着剤の層の場合における直角剥離力は、添付の
図14に示したように、可動あご式引張試験機を用いて通常のように測定される。この試験は、評価しようとする連結手段を支持する軟質の支持体を、それを固定するガラス基材に対して90°の角度で分離させるのに必要な力を測定するものである。
【0012】
直角分離力を測定しようとする各連結手段8、9ごとに、添付の
図15及び16に示したように、3つの供試体103を用意する。各供試体103はガラス基材105を含み、その片面106に連結手段8、9を支持する軟質の支持体セグメント7を固定する。この面106は、ガラス基材の端面でもよく、あるいはその主面でもよい。実施の実例として、軟質の支持体セグメント7は長さが250mm±1mm、幅が10mm±1mmであり、あるいはロールとして納品される市販の製品である場合、幅はロールのそれである。ガラス基材105の面106は長さが190mmであり、幅は10mm以上である。面106上の軟質支持体セグメント7の適用条件は、連結手段8、9の供給元により推奨されるものである。これは、詳しく言えば、接着剤層の場合接着についての推奨、特に押圧中の圧力と押圧の手段についての推奨、あるいは機械的な固定手段の場合は固定の条件についての推奨、特に基材上に形成するレリーフ模様の形状とその機械加工の仕方についての推奨を含むことができる。
【0013】
試験中の軟質支持体7の引張伸びを避けるために、それにアルミニウムストリップ107が装着される。ストリップ107は、評価しようとする連結手段よりも硬質の接着剤の層で軟質支持体7に固定され、そのため試験中に機能しなくなる結合は特性を調べようとする連結手段によりもたらされるものとなる。更に、
図16に示したように各供試体103には2本の基準線、すなわち供試体の端面から25mm離れた第1の基準線t
1と、第1の基準線t
1から140mm離れた第2の基準線t
2が引かれている。供試体103ごとに、23℃±2℃及び相対湿度50%±5%に調整した室内に22時間静置後に試験を行う。
【0014】
図14に見られるように、引張試験機100は、試験機の骨組み101に対して可動式の下あご102と、骨組み101に対して固定した上あご104を含む。上あご104は軟質支持体セグメント7の一方の端面を把持する。供試体103の移動は、およそ90°の分離角αを維持するよう、支持体105に取り付けたスレーブケーブル110によって下あご102の動きに追随する。下あご102の移動速度は100mm/分±1mm/分に調節される。試験機100は、可動式の下あご102の移動に応じて力を変動させる記録計を備えている。
【0015】
連結手段8、9の直角分離力を引張試験機100を用いて測定する操作のやり方は次のとおりである。
【0016】
まず、
図14に示した構成とするように、供試体103を引張試験機100に導入する。このために、供試体から軟質支持体セグメントの一部分を第2の基準線t
2を過ぎることなく分離し、そして軟質支持体セグメント7の端面を分離した領域の境界があごの軸線のところに至るまで上あごに固定する。その後、軟質支持体セグメント7にわずかな張力をかけるように、下あごを下げてから、スレーブケーブル110を基材105に取り付ける。
【0017】
この配置構成から、引張試験機100は100mm/分±1mm/分の下あご速度で開始して、分離力を下あご102の移動の関数としてニュートンで記録する。各供試体103ごとに、最初の25mmの分離に対応する力−移動曲線(横座標が移動、縦座標が力)の部分を除いてから100mmの長さにわたり、ニュートンでの平均分離力を測定する。平均分離力の測定は、曲線がなだらかになってから行ってもよく、あるいは、対象とする面を横軸に対する平行面のどちらかの側に図式的に投影させるようにし、この平行面の縦座標軸との交点が分離力の平均値を与えるようにして行ってもよい。
【0018】
次に、3つの供試体103についてこうして測定した分離力の値の平均を求める。結果は、連結手段の幅1cm当たりのニュートン(N/cm)で表した平均分離力で与えられる。より正確に言えば、接着剤層については、直角分離力は接着剤層の幅1cm当たりのニュートンの値で表される。レリーフ模様と共働する機械的な固定手段については、直角分離力は基材表面のレリーフ模様の幅1cm当たりのニュートン値で表される。例えば、溝に適した力で受け入れられた機械的固定手段の場合は、直角分離力は基材表面の溝の開口部の幅1cm当たりのニュートン値で表される。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、第1の連結手段は支持体の第1の外面に配置した第1の接着剤層であり、第2の連結手段は基材の第2の外面に配置した第2の接着剤層であって、可動あご式引張試験機を用い可動式のあごの移動速度100mm/分にてガラスパネル上で上記のように測定した第1の接着剤層の直角剥離力は3N/cmと20N/cmの間、好ましくは3N/cmと15N/cmの間にあり、その一方可動あご式引張試験機を用い可動式のあごの移動速度100mm/分にてガラスパネル上で上記のように測定した第2の接着剤層の直角剥離力は30N/cm以上である。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、第1の連結手段は支持体の第1の外面により支持されそしてパネルのレリーフ模様と補完的な形状によって共働することが可能である機械的な固定手段であり、第2の連結手段は支持体の第2の外面に配置した接着剤層であって、可動あご式引張試験機を用い可動式のあごの移動速度100mm/分にてガラスパネル上で上記のように測定した機械的固定手段の直角分離力は3N/cmと20N/cmの間、好ましくは3N/cmと15N/cmの間にあり、その一方可動あご式引張試験機を用い可動式のあごの移動速度100mm/分にてガラスパネル上で上記のように測定した接着剤層の直角分離力は30N/cm以上である。
【0021】
1つの特徴によれば、接続ジョイントの第1及び第2の連結手段のうちの少なくとも一方は、支持体をパネルの溝に適切な力で受け入れることができるように、支持体の対応する外面により支持された凹部と凸部とを含む機械的固定手段である。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、接続ジョイントは単一の支持体を含み、支持体の第1の外面に配置した第1の連結手段は第1のパネルの面と共働するようにされており、その一方支持体の第2の外面に配置した第2の連結手段は第2のパネルの面と共働するようにされている。
【0023】
それとは異なる1つの実施形態によれば、接続ジョイントは、互いに向かい合う第1の外面を有するとともに第1の連結手段によって一緒に接続されている第1の支持体と第2の支持体とを含み、第1の支持体の第2の外面に配置した第2の連結手段は第1のパネルの面と共働するようにされており、その一方で第2の支持体の第2の外面に配置した第2の連結手段は第2のパネルの面と共働するようにされている。
【0024】
もう一つの異なる実施形態によれば、接続ジョイントは互いに向かい合う第2の外面を有するとともに第2の連結手段によって一緒に接続されている第1の支持体と第2の支持体とを含み、第1の支持体の第1の外面に配置した第1の連結手段は第1のパネルの面と共働するようにされており、その一方で第2の支持体の第1の外面に配置した第1の連結手段は第2のパネルの面と共働するようにされている。
【0025】
1つの特徴によれば、接続ジョイントは各パネルの1つの端面と共働するようにされていて、これはパネルを互いの延長線上で端面と端面を接して組み立てるのを可能にする。それとは異なる1つの実施形態によれば、接続ジョイントは、一方のパネルの端面及び他方のパネルの主面と共働するようにされていて、これはパネルを互いに対して横に向けて組み立てて、T字状又はL字状にするのを可能にする。
【0026】
接続ジョイントの支持体はポリマー材料からなるのが有利である。好ましくは、接続ジョイントの支持体は、透明又は半透明の熱可塑性ポリマー、特に熱可塑性エラストマー(TPE)からなる少なくとも1つの部分を含む。適合した材料の例には、ポリエステルや、ポリオレフィン、特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンや、ビニルコポリマー、特にポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルや、オレフィンコポリマー、特にエチレン−メタクリレートコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−プロピレンコポリマーや、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマーや、アクリルポリマー、アクリルコポリマー、ポリウレタンや、それらの組み合わせ又は混合物が含まれる。適合した混合物には、例えば、ポリプロピレン/ポリエチレン混合物、ポリウレタン/ポリオレフィン混合物、ポリウレタン/ポリカーボネート混合物、ポリウレタン/ポリエステル混合物が含まれる。このほかの適合した混合物には、例えば、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリクロロプレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、アクリレートゴム、天然ゴム、熱可塑性ゴム、特にスチレンブロックコポリマー、エーテル−ウレタンブロックコポリマー、エステル−ウレタンブロックコポリマー、エーテル−エステルブロックコポリマー、エーテル−アミドブロックコポリマー、及びそれらの組み合わせが含まれる。
【0027】
1つの有利な特徴によれば、接続ジョイントの支持体は、建設産業において要請される要件を満足するように、難燃性と防煙性とを有する自己消火性材料、例えば特定の熱可塑性ポリマーなど、特にTPEからなる。
【0028】
好ましくは、接続ジョイントは少なくとも1つの内部空洞を含む。詳しく言えば、支持体は1以上の容積空洞を含むことができる。それとは異なる実施形態として、支持体は複数の内部微小空洞を含むことができ、特に支持体をポリマー発泡体で形成することができる。これらの2つの場合には、各支持体の構造中に1以上の内部空洞の存在することが、接続ジョイントにそれをはめ込み壁で使用するのに好都合な変形特性とエネルギー吸収特性を付与する。その一方で、接続ジョイントは、それが間に配置される2枚のパネルの面との連続的な接触を、たとえこれらのパネルの面に凹凸があろうとも確実にするため、変形することができる。こうして、接続ジョイントは、パネル間の良好な封止を約束し、外気と騒音の透過に対する効果的なバリアを形成する。更に、パネルの製造公差のための要件のレベルを引き下げることができる。その一方、接続ジョイントは、はめ込み壁のパネル間でエネルギーを、特に衝撃エネルギーを吸収することができ、これがパネルの連続した割れの回避を可能にするとともに、また振動エネルギーを吸収することができ、これがはめ込み壁の防音性能の向上を可能にする。
【0029】
1つの特徴によれば、接続ジョイントの支持体は四角形の断面を有する。この場合、接続ジョイントの連結手段は、支持体の4つの外面のうちの2つに取り付けることができる。支持体はできるだけ最小の幅を有する長方形の断面を有すること、そして接続ジョイントの連結手段はこの長方形断面の全長を形成する2つの面に取り付けることが有利である。こうして、2枚の隣り合ったパネル間の接続ジョイントの体積が制限されて、これがはめ込み壁の美観と透明性を向上させる。
【0030】
それとは異なる1つの実施形態として、接続ジョイントの支持体は少なくとも部分的に凸状の断面を有する。この場合、支持体の凸状部分は、パネルに形成されて支持体の凸状断面と実質的に補完しあう凸状断面を有する溝に受け入れられるのが有利である。このような配置関係が、2枚の隣り合ったパネル間の接続ジョイントの体積を減らすのを可能にし、従ってはめ込み壁の美観と透明性を向上させるのを可能にする。
【0031】
どのような実施形態であっても、接続ジョイントは、隣り合う2枚のパネルの面の間隔が5mm未満、好ましくは2mm程度であるようにされるのが有利である。
【0032】
別の実施形態によれば、支持体は空中ごまの形状の断面を有する。空中ごまの断面は、接続ジョイントが隣接したパネルの端面と共働しこれらが面取りされている場合に特に有利である。これは、その場合接続ジョイントが、間に挿入されるパネルの2つの端面の面全体にぴったり合わさることができるからである。
【0033】
別の有利な特徴によれば、接続ジョイントは隣り合うパネルの端面の間の隙間全体を埋めて、パネルの主面と同一平面になる。はめ込み壁の面と同一平面となる接続ジョイントの配置は、はめ込み壁の美観に寄与するとともに、パネル間に汚れがたまる危険がなくなるので、特にクリーニングの点から見てその維持管理を容易にする。
【0034】
1つの実施形態では、接続ジョイントは、少なくとも1つの内部容積空洞を含む熱可塑性ポリマーで製作した、特にポリ塩化ビニル(PVC)で製作した異形断面を含み、そしてそれはその外面のうちの2つを第1の両面接着テープ及び第2の両面接着テープでそれぞれ覆われていて、可動式のあごの移動速度が100mm/分の可動あご式引張試験機を用いてガラスパネル上で上述のように測定して、第1の接着テープの外側を向いた接着剤層の直角剥離力が3N/cmと20N/cmの間、好ましくは3N/cmと15N/cmの間にある一方で、可動式のあごの移動速度が100mm/分の可動あご式引張試験機を用いてガラスパネル上で上述のように測定して、第2の接着テープの外側を向いた接着剤層の直角剥離力は30N/cm以上である。
【0035】
従ってこの実施形態においては、接続ジョイントの支持体は第1の接着テープの支持体、熱可塑性ポリマー製の異形断面の方に向けた第1の接着テープの接着剤層、熱可塑性ポリマー製の異形断面、熱可塑性ポリマー製の異形断面の方に向けた第2の接着テープの接着剤層、第2の接着テープの支持体の積重体によって形成される。これらの接着テープの支持体は、特にポリエステル又はアクリル発泡体製であることができる。好ましくは、各接着テープと異形断面の対応する外面との間の接着プライマーを用いて、各接着テープと異形断面の対応する外面との間の強固な接着力が得られる。一例として、異形断面がPVC製の場合には、PVC製異形断面の外面の接着テープの接着力を向上させるため、ポリアミド樹脂を基礎材料とするプライマーの層を設けることができる。1つの特徴によれば、熱可塑性ポリマー製の異形断面は四角形の断面を有し、第1及び第2の接着テープは異形断面の相対する2つの外面に配置される。1つの有利な特徴によれば、接続ジョイントの熱可塑性ポリマー製の異形断面は押出成形された異形断面である。
【0036】
1つの特徴によれば、接続ジョイントの支持体はその内部に、伸びに対して耐性を示す金属又は別の材料のストランドを含み、それは支持体の全長にわたり延在する。上述の実施形態において、ストランドは特に、熱可塑性ポリマー製異形断面の内部に配置することができる。このストランドは、接続ジョイントの剛性と伸びに対する耐性とを向上させる。詳しく言えば、このストランドが存在することによって、例えばそれをロールから、一旦取り付けると接続ジョイントの機械的特性を低下させかねない接続ジョイントの過負荷又はそれへのストレスの原因となることなしに巻き戻すために、ストランドに引張力を加えることにより接続ジョイントをパネルの面に配置することが可能である。
【0037】
本発明はまた、第1のパネルと第2のパネルを含むとともに、各パネルの面と共働する上述のとおりの接続ジョイントも含む、はめ込み壁にも関する。
【0038】
はめ込み壁の各パネルは、単一の基材により形成された単一のグレージング材であることができる。それとは別の実施形態として、各パネルは、積層グレージング材あるいは一緒に集成された複数の基材を含む複層グレージング材であってもよい。1つの有利な特徴によれば、はめ込み壁の各パネルごとに、パネルの基材はガラス製又は硬質ポリマー製、例えばポリカーボネートもしくはポリメチルメタクリレート製である。
【0039】
1つの特徴によれば、はめ込み壁のパネルのうちの少なくとも1つは、特にその端面に形成された、溝を含み、この溝は接続ジョイントの支持体の一部分の断面と実質的に相補的な断面を有する。溝と支持体の相補的断面は少なくとも一部が凸状であるのが有利である。
【0040】
別の特徴によれば、接続ジョイントの連結手段の1つは機械的な固定用手段であり、そしてはめ込み壁のパネルの1つは、特にその端面に形成された、その内部容積中に適切な力で機械的固定手段を受け入れるようにされた溝を含む。
【0041】
本発明はまた、面のうちの少なくとも1つに、特にその端面のうちの少なくとも1つに、上述のとおりの接続ジョイントを含む、特にガラス製の、パネルにも関し、第1及び第2の連結手段のうちの一方がパネルの面と共働する一方で、第1及び第2の連結手段のうちの他方は別のパネルへの接続のために利用することができる。別のパネルへの接続のために利用できる連結手段が接着剤の層である場合、後者は除去可能な保護テープ(ライナー)で覆われるのが有利である。
【0042】
少なくとも1つの接続ジョイントとともに前もって組み立てられる上述のとおりのパネルは、特にそれがガラスパネルである場合、パネルのための既存の製造ラインを過度に改造することなく工業的に製造できることが有利である。これは、製造ラインの最後において、パネルに付形するためのモジュールの後で、パネルの面のうちの1つに接続ジョイントを取り付けるための追加のモジュールを一体化させるのは、比較的容易であるからである。更に、面のうちの1つに別のパネルと共働するためその連結手段を利用することが可能な接続ジョイントを備えたこのようなパネルは、はめ込み壁の簡単で迅速な取り付けを可能にする。これは、接続ジョイントとともに前もって組み立てられたこれらのパネルのバッチから開始すると、連続するパネルの各対ごとに、一方のパネルの接続ジョイントを備えた面を別のパネルの対応する面に面するよう注意して配置しながら、それらのパネルを並べて配置することで十分であるからである。
【0043】
好ましくは、上述のパネルにおいて、パネルの面と共働するより大きな直角分離力を有するのは第2の連結手段であり、その一方、直角分離力がより小さく別のパネルへの結合のために利用できるのが第1の連結手段である。これは、パネルと共働するのは分離力がより大きな連結手段であるため、一緒に前もって組み立てられるパネルに対する接続ジョイントの分離の危険を制限する。
【0044】
本発明はまた、上述のパネルを少なくとも2つ含むはめ込み壁を取り付けるための方法であって、
・第1のパネルの接続ジョイントを備えた面が第2のパネルの対応する面に面するようにしてこれらのパネルを配置する工程、
・利用できる連結手段が働くようにするためパネルの面の加圧力をお互いに向かって及ぼさせることによって2枚のパネルを固定する工程、
を含む方法にも関する。
【0045】
詳しく言えば、端面の1つのみに接続ジョイントを備えたパネルの場合には、隣り合うパネルの各対のパネルを、第1のパネルの接続ジョイントを備えた端面が第2のパネルの対応する接続されていない端面に面するようにして配置する。このとき、2枚のパネルは、第1のパネルによって支えられた接続ジョイントの利用可能な連結手段を第2のパネルの接続されていない端面に押しつけることにより固定される。
【0046】
向かい合う2つの端面に接続ジョイントを備えたパネルの場合には、隣り合うパネルの各対のパネルを、第1のパネルの接続ジョイントを備えた1つの端面が第2のパネルの接続ジョイントを備えた1つの端面に面するようにして配置する。このときは、2枚のパネルの固定は、第1のパネルにより支えられた接続ジョイントの利用可能な連結手段を第2のパネルにより支えられた接続ジョイントの利用可能な連結手段に押しつけることにより行われる。
【0047】
本発明はまた、パネルの面へ上述の接続ジョイントを取り付けるための方法であって、第1の連結手段及び第2の連結手段のうちの一方をパネルの面に向けて、接続ジョイントをパネルの当該面と向かい合わせに配置し、そしてパネルの当該面に面する連結手段を働かせるよう、パネルの面を横切る方向に、パネルの面に接続ジョイントを押しつけるため力をかける接続ジョイントの取り付け方法にも関する。
【0048】
本発明の1つの実施形態によれば、ジョイントをパネルの面に向き合わせて順次配置し、そしてパネルの面に接続ジョイントを押しつけるためそれにかける力を、パネルの面に向き合わせて先ほど配置した接続ジョイントのセグメントに局所的に加える。この場合、接続ジョイントの全長にわたり同じ加圧力を加えるのが好ましい。
【0049】
1つの実施形態では、パネルの面へ取り付けるよりも前に接続ジョイントをそれ自体へ巻取り、この場合の方法は、パネルの面に向き合わせて接続ジョイントを巻き出し、そしてこのパネルの面に向き合わせて巻き出した接続ジョイントのセグメントに局所的に加圧力を加えるようにする。
【0050】
パネルの上記の面に面する連結手段が除去可能な保護層(ライナー)で覆われた接着剤の層である場合、方法は、パネルの面に向き合わせて接続ジョイントを取り付ける前に保護テープを取り除く事前の工程を含む。
【0051】
本発明はまた、パネルの面に上述の接続ジョイントを取り付けるための工具であって、第1の連結手段及び第2の連結手段のうちの一方をパネルの面に向けて、接続ジョイントをパネルの当該面と向かい合わせに配置するための手段、及びパネルの面を横切る方向に、パネルの面に接続ジョイントを押しつけるため力を加えるための手段を含む接続ジョイントの取り付け工具にも関する。
【0052】
特にパネルの面に取り付けるよりも前にそれ自体に巻取る接続ジョイントを取り付けるための、1つの実施形態では、工具は、
・前記配置手段がパネルの面に向き合わせて接続ジョイントを順次巻き出すための可動式手段であり、
・前記押しつける力を加えるための手段が前記配置手段に運動学的に連結されており、そして接続ジョイントの一連のセグメントをパネルの面に向き合わせて巻き出したときにそれらに一定の力を加えるように構成されている、
ようなものである。
【0053】
パネルの面がパネルの端面である場合、工具を配置するための手段は接続ジョイントをその端面に向き合わせて中央に合わせるための手段を含むのが有利である。工具は、接続ジョイントの連結手段を保護する除去可能な保護テープ(ライナー)を取り除くための手段を含むこともできる。
【0054】
本発明の特徴と利点は、本発明による接続ジョイント、はめ込み壁及びパネルのいくつかの実施形態についての、添付の図面を参照して実例としてのみ提示する以下の説明でもって明らかとなろう。