特許第6240179号(P6240179)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6240179シロキサンハードコーティング樹脂組成物、ハードコーティング硬化物の製造方法、及びハードコーティング硬化物を含む光学フィルムまたはシート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6240179
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】シロキサンハードコーティング樹脂組成物、ハードコーティング硬化物の製造方法、及びハードコーティング硬化物を含む光学フィルムまたはシート
(51)【国際特許分類】
   C09D 183/04 20060101AFI20171120BHJP
   C08G 77/18 20060101ALI20171120BHJP
   C09D 7/12 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   C09D183/04
   C08G77/18
   C09D7/12
【請求項の数】9
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2015-517187(P2015-517187)
(86)(22)【出願日】2013年6月12日
(65)【公表番号】特表2015-524855(P2015-524855A)
(43)【公表日】2015年8月27日
(86)【国際出願番号】KR2013005208
(87)【国際公開番号】WO2013187699
(87)【国際公開日】20131219
【審査請求日】2015年1月26日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0062846
(32)【優先日】2012年6月12日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0066550
(32)【優先日】2013年6月11日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514291196
【氏名又は名称】コリア アドバンスト インスティチュート オブ サイエンス アンド テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベ、ビョン−ス
(72)【発明者】
【氏名】ゴ、ジ−フン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、グァン−ムン
【審査官】 高崎 久子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−132416(JP,A)
【文献】 特開2007−009080(JP,A)
【文献】 特開2007−217704(JP,A)
【文献】 特開2007−063325(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/008498(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D1/00−10/00;101/00−201/10
C08G77/00−77/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1,000〜4,000の範囲の重量平均分子量を有し、PDIの1.05〜1.4の分子量分布を有する脂環式エポキシ基を含むシロキサン樹脂と、任意要素の脂環式エポキシ基を有するモノマーまたはオキセタン基を有するモノマーとを含み、酸無水物モノマーを含まず、
前記シロキサン樹脂のエポキシ当量が0.35〜0.6(モル/100g)であり、
前記シロキサン樹脂は、
下記の化学式1で表示される脂環式エポキシ基とアルコキシ基を含むアルコキシシラン単独で加水分解縮合させてなるか、または
下記の化学式1で表示される脂環式エポキシ基とアルコキシ基を含むアルコキシシランと、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、N−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリプロポキシシラン、3−アクリルオキシプロピルメチルビス(トリメトキシ)シラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリプロポキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリプロポキシシラン、N−(アミノエチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル−3−アミノプロピル)トリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、クロロプロピルトリメトキシシラン、クロロプロピルトリエトキシシラン、及びヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランからなる群から選択された1種以上を含むアルコキシシランを加水分解縮合させてなり、
前記脂環式エポキシ基を有するモノマーまたはオキセタン基を有するモノマーを追加に含む場合、前記シロキサン樹脂100重量部に対して1〜40重量部の前記モノマーが含まれるハードコーティング樹脂組成物:
[化学式1]
【化1】
前記の化学式1において、
は、脂環式エポキシ基を含む直鎖形または分枝形のC〜C6アルキル基であり、
脂環式エポキシ基はC〜Cのシクロアルキル基であってエポキシ基を有する構造を有し、
は、直鎖形または分枝形のC〜Cアルキル基であり、
nは、1である。
【請求項2】
前記の化学式1で表示されるアルコキシシランは、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、または2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランを含むものである、請求項1に記載のハードコーティング樹脂組成物。
【請求項3】
前記オキセタン基を有するモノマーは、3−メチルオキセタン、2−メチルオキセタン、3−オキセタノール、2−メチレンオキセタン、3,3−オキセタンジメタンチオール、4−(3−メチルオキセタン−3−イル)ベンゾニトリル、N−(2,2−ジメチルプロピル)−3−メチル−3−オキセタンメタンアミン、N−(1,2−ジメチルブチル)−3−メチル−3−オキセタンメタンアミン、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレート、 4−[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ブタン−1−オール、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、2−エチルヘキシルオキセタン、キシレンビスオキセタン、及び3−[エチル−3[[3−エチルオキセタン−3−イル]メトキシ]メチル]オキセタンからなる群から選択された1種以上を含むものである、請求項に記載のハードコーティング樹脂組成物。
【請求項4】
前記脂環式エポキシ基を有するモノマーは、4−ビニルシクロへキセンジオキシド、シクロへキセンビニルモノオキシド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル 3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−1,3−ジオキソランからなる群から選択された1種以上を含むものである、請求項に記載のハードコーティング樹脂組成物。
【請求項5】
触媒は、塩酸、酢酸、フッ化水素、硝酸、硫酸、クロロスルホン酸、ヨウ素酸、ピロリン酸を含む酸触媒;アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、イミダゾールを含む塩基触媒;イオン交換樹脂;及びこれらの組み合わせからなる群から選択された触媒を含む、請求項1または請求項2に記載のハードコーティング樹脂組成物。
【請求項6】
前記ハードコーティング樹脂組成物は、シロキサン樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部であって、オニウム塩、有機金属塩、アミン、及びイミダゾールからなる群から選択される重合開始剤を追加に含む、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のハードコーティング樹脂組成物。
【請求項7】
前記ハードコーティング樹脂組成物は、有機溶媒、酸化防止剤、レベリング剤、及びコーティング調剤からなる群から選択された1種以上の添加物を追加に含む、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のハードコーティング樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載のハードコーティング樹脂組成物を重合することを含む、ハードコーティング硬化物の製造方法。
【請求項9】
前記重合は、光照射または加熱段階を含む、請求項に記載のハードコーティング硬化物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、シロキサン樹脂を含むハードコーティング樹脂組成物、前記ハードコーティング樹脂組成物を用いたシロキサンハードコーティング硬化物の製造方法、及びシロキサンハードコーティング硬化物を含む光学フィルムまたはシートに関する。
【背景技術】
【0002】
透明プラスチックは、光学及び透明ディスプレイ産業における核心素材として幅広く活用されている。特に、PC(polycarbonate)またはPMMA(polymethyl methacrylate)のような透明プラスチックは、高い光透過率、耐破裂性、高屈折率の特性と、ガラスに比べて低い重量であり、既存のガラスに取り替えて、ディスプレイ、光学レンズはもちろん、大型建築物の透明板、自動車産業に適用されている。しかし、このようなプラスチック樹脂は、ガラスに比べて低い表面硬度を有するため、耐磨耗性が落ちるという短所を有する。このような短所を改善するために、プラスチックの表面硬度を高めるためのハードコーティング技術が重要なイシューになっている。
【0003】
ハードコーティング技術に使用される材料は、大きくは有機物、無機物、及び有機無機ハイブリッド材料に分けられる。アクリル、ウレタン、メラミンなどのような有機物は表面硬度が低いが、有機物の特性として柔軟性、成形性などの長所を有する。これに比べて、シリコン系列の無機物は柔軟性及び成形性が低いが、高い表面硬度と透明性の特性を有する。ハードコーティング技術にはこのような二つの材料の長所を何れも要するため、これを単独で使用するより有無機ハイブリッド材料が多くの脚光を浴びている。しかし、これに関するハードコーティング技術研究が活発に進行されているにもかかわらず、有機物と無機物の長所を何れも具現するには至っていないのが実情である。
【0004】
従来の技術のうち、日本公開特許公報2006−063244号には、分子内に反応性(メタ)アクリレート基を有するシランカップリング剤で表面処理されたコロイダルシリカ、分子内に1個の反応性(メタ)アクリレート基を有するモノマーまたはそのモノマーを重合させたポリマー、2官能性(メタ)アクリレート、3官能性以上の多官能性(メタ)アクリレート、レベリング剤、及び光重合開始剤で構成されるハードコーティング用樹脂組成物が提案されている。しかし、アクリレートの光ラジカル重合反応の場合、脂環式エポキシ基の重合反応とは違って酸素に敏感であるため、これを用いてハードコーティング硬化物を得ようとする場合、不活性気体で雰囲気を維持しなければならないという短所がある。
【0005】
一方、米国公開特許公報2012/0034450号は、電離放射線硬化性樹脂、マット剤、紫外線吸収剤、疎水化処理された無機微粒子を混合して樹脂を造成し、これを硬化させることで得ることができる表面保護フィルムを提案している。しかし、電離放射線硬化性樹脂に無機微粒子を物理的に混合する際、分散性が落ちると共に、無機微粒子間の凝集が起きる可能性がある。また、樹脂と無機微粒子との間の界面に起因した光の散乱によって透過度が落ちるため、光学用保護フィルムとしては不適である。
【0006】
よって、有機物の容易な加工性と無機物の高い光透過性、及び表面硬度を有するハードコーティング材料の開発は、プラスチックの広範囲な活用のための必須な技術になると期待される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願では、シリカ粒子を有機物樹脂に物理的に混合する従来の技術とは違って、無機物の特性を有するシロキサン分子と、有機物の特性を有する脂環式エポキシ基が一つの分子を構成するように化学的に結合するようにし、無機物に起因した高い表面硬度を得るために、シロキサン分子が脂環式エポキシ基の重合反応を用いて緻密に架橋できるように多様な分子量分布を有するようにすることで、ハードコーティング剤に適合した容易な加工性と、高い表面硬度を有するハードコーティング用ハードコーティング樹脂組成物、前記ハードコーティング樹脂組成物を用いたハードコーティング硬化物、及び前記ハードコーティング硬化物を含む光学フィルムまたはシートを提供しようとする。
【0008】
しかし、本願が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されなかった他の課題は、下の記載から当業者が明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の第1側面は、約1,000〜約4,000の範囲の重量平均分子量を有し、PDIの約1.05〜約1.4の分子量分布を有する脂環式エポキシ基を含むシロキサン樹脂を含む、ハードコーティング樹脂組成物を提供する。
【0010】
本願の第2側面は、前記ハードコーティング樹脂組成物を重合することを含む、ハードコーティング硬化物の製造方法を提供する。
【0011】
本願の第3側面は、前記ハードコーティング硬化物の製造方法によって製造されるハードコーティング硬化物を含む、光学フィルムまたはシートを提供する。
【発明の効果】
【0012】
上述したように、本願は、無機物の特性を有するシロキサン分子と、有機物の特性を有する脂環式エポキシ基が化学的に結合されており、無機物に起因した高い表面硬度を得るために、シロキサン分子が脂環式エポキシ基の重合反応を用いて緻密に架橋されることができるように多様な分子量分布を有するようにしたハードコーティング樹脂組成物であって、ハードコーティング剤に適合した容易な加工性と高い表面硬度を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本願の一実施の形態による脂環式エポキシ基を含むシロキサン樹脂の分子量をMatrix−Assisted Laser Desorption Ionization Mass Spectrometerで測定して得たグラフである。
図2】本願の一実施の形態による脂環式エポキシ基を含むシロキサン樹脂の分子量をMatrix−Assisted Laser Desorption Ionization Mass Spectrometerで測定して得たグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、添付した図面を参照しながら、本願が属する技術分野で通常の知識を持った者が容易に実施できるように、本願の実施の形態を詳しく説明する。しかし、本願は色々な相違した形態に具現されることができ、ここで説明する実施の形態に限定されない。さらに、図面で本願を明確に説明するために説明と関系ない部分は省略し、明細書の全体を通じて類似した部分に対しては類似した図面符号を付けた。
【0015】
本願の明細書の全体において、ある部分が他の部分と「連結」されていると言う場合、これは「直接的に連結」されている場合だけではなく、その中間に他の素子を介して「電気的に連結」されている場合も含む。
【0016】
本願の明細書の全体において、ある部材が他の部材の「上に」位置していると言う場合、これは、ある部材が他の部材に接している場合だけではなく、両部材の間にまた他の部材が存在する場合も含む。
【0017】
本願の明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0018】
本願の明細書の全体において使われている程度の用語「約」、「実質的に」などは、言及された意味に固有の製造及び物質許容誤差が提示される場合、その数値で、またはその数値に近接した意味として使われ、本願の理解を助けるために、適確であるか絶対的な数値が言及された開示内容を非良心的な侵害者が不当に用いることを防止するために使われている。
【0019】
本願の明細書の全体において使われている程度の用語「〜(する)段階」または「〜の段階」は、「〜のための段階」を意味していない。
【0020】
本願の明細書の全体において、マーカッシュ形式の表現に含まれた用語「これらの組み合わせ」は、マーカッシュ形式の表現に記載された構成要素からなる群から選択される一つ以上の混合または組み合わせを意味するものであって、前記構成要素からなる群から選択される一つ以上を含むことを意味している。
【0021】
本願の明細書の全体において、「A及び/またはB」の記載は、「AやB、またはA及びB」を意味している。
【0022】
本願の明細書の全体において、用語「アルキル基」は、それぞれ、直鎖形または分枝形の、非置換または置換された飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、トリデシル、ペンタデシル、及びヘプタデシルなどを含む。アルキルは、炭素数1〜30のアルキルユニットを有するアルキル基を含むことができ、C〜C30アルキルが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていないものである。
【0023】
本願の明細書の全体において、用語「アルコキシ基」は、前記定義されたアルキル基と酸素原子が結合された形態であって、C〜C20アルコキシ基を含むものであることができ、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシなど、または可能な限りそれらの全ての異性質体を含む。
【0024】
本願の第1側面は、約1,000〜約4,000の範囲の重量平均分子量を有し、PDIの約1.05〜約1.4の分子量分布を有する脂環式エポキシ基を含むシロキサン樹脂を含む、ハードコーティング樹脂組成物を提供する。
【0025】
前記脂環式エポキシ基を含むシロキサン樹脂(または、脂環式エポキシシロキサン樹脂)は、脂環式エポキシ基を有するアルコキシシラン単独、または脂環式エポキシ基を有するアルコキシシランと、異種のアルコキシシラン間の縮合反応を通じて約1,000〜約4,000の範囲、例えば、約1,000〜約3,500、約1,000〜約3,000、約1,000〜約2,500、約1,000〜約2,000、約1,000〜約1,500、約1,500〜約4,000、約2,000〜約4,000、約2,500〜約4,000、約3,000〜約4.000、または約3,500〜約4,000の重量平均分子量と、PDIの約1.05〜約1.4、例えば、約1.05〜約1.2、または約1.1〜約1.4の分子量分布を有する。
【0026】
本願の一具体例において、前記シロキサン樹脂は、約0.35〜約0.6(モル/100g)の範囲の比較的高いエポキシ当量を有することができるが、これに制限されない。これによって、脂環式エポキシ基の光重合または熱重合時、多様な分子量のシロキサン分子が緻密に架橋を成すことを可能にするので、これに起因する高い硬度のシロキサンハードコーティング硬化物を提供することができる。
【0027】
また、本願の前記脂環式エポキシ基を含むシロキサン樹脂は、脂環式エポキシ基の特性で重合反応時、酸素敏感性がなく、重合開始剤によって光硬化または熱硬化が可能であるため、加工性が容易である。
【0028】
前記縮合反応によって合成された脂環式エポキシ基を含むシロキサン樹脂は、脂環式エポキシ基と反応して架橋を成すことができる反応性モノマー、例えば、酸無水物またはオキセタンなどを添加することで、シロキサン樹脂の粘度と硬化速度及び密度を制御することができ、これを通じてハードコーティング剤の用途による最適のシロキサンハードコーティング樹脂組成物を提供することができる。
【0029】
よって、本願のシロキサンハードコーティング樹脂は、脂環式エポキシ基の容易な加工性と多様な分子量のシロキサン分子から起因するシロキサンネットワークの緻密な架橋を通じて高い表面硬度と透明性を有する。
【0030】
本願によるシロキサン樹脂は、水の存在下で脂環式エポキシ基を有するアルコキシシラン単独または脂環式エポキシ基を有するアルコキシシランと異種のアルコキシシラン間の加水分解と縮合反応を通じて製造される。
【0031】
下記の反応式1〜3は水と触媒の存在下でアルコキシシランの加水分解と縮合反応を概略的に示したものである。
[反応式1]
【化1】
[反応式2]
【化2】
[反応式3]
【化3】
【0032】
前記の反応式1〜3において、Rは、直鎖形または分枝形のC〜Cアルキル基であり、R'は脂環式エポキシ基を含む直鎖形または分枝形のC〜C20アルキル基、C〜Cシクロアルキル基、C〜C20アルケニル基、C〜C20アルキニル基、C〜C20アリール基、アクリル基、メタクリル基、ハロゲン基、アミノ基、メルカプト基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボキシル基、ビニル基、ニトロ基、スルホン基、アルキド基などからなる群から1種以上の作用基を含むことができるが、これに制限されない。
【0033】
前記の反応式1は、出発物質であるアルコキシシランのアルコキシ基が水によって加水分解されて水酸化基を形成することを示したものである。これを通じて形成された水酸化基は、反応式2または反応式3から分かるように、他のシランの水酸化基またはアルコキシ基間の縮合反応を通じてシロキサン結合を形成する。よって、前記反応速度を調節することで最終的に形成されるシロキサン化合物の重量平均分子量と分子量分布(PDI)を調節することができ、反応温度、触媒の量、種類、溶媒などが主要な要因になることができる。
【0034】
前記の反応式を用いて約1,000〜約4,000の範囲の重量平均分子量と、PDIの約1.05〜約1.4の分子量分布を有する脂環式エポキシシロキサン樹脂を製造する時、反応速度を調節するために触媒を使用するようになるが、使用可能な触媒には、例えば、塩酸、酢酸、フッ化水素、窒酸、硫酸クロロスルホン酸、ヨウ素酸、ピロリン酸などの酸触媒;アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、イミダゾールなどの塩基触媒;及び、Amberite IRA−400、IRA−67等のイオン交換樹脂があり、また、これらの組み合わせからなる群から選択されて使用されることができる。触媒の量は特別に制限されないが、酸触媒及び塩基触媒の場合、アルコキシシラン約100重量部に対して約0.0001〜約0.01重量部を添加することができ、イオン交換樹脂の場合、アルコキシシラン約100重量部に対して約1〜約10重量部を添加することができる。
【0035】
前記の加水分解及び縮合反応は、常温で約12時間〜約7日程度の撹拌によって進行されることができるが、反応を促進するためには、約60℃〜約100℃で約2時間〜約72時間の間撹拌することができるが、これに制限されない。
【0036】
前記の反応式1〜3から分かるように、反応が起きれば副産物であるアルコール及び水が生成されるが、これを除去することで逆反応を減らし、正反応を誘導することができ、これを通じて反応速度を調節することができる。また、反応が終了された際に、シロキサン樹脂内に残存するアルコール及び水は、減圧下で約10分〜約60分の間、約60℃〜約100℃の条件を加えることで除去されることができるが、これに制限されない。
【0037】
本願の一具体例において、前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の製造のための脂環式エポキシ基を有するアルコキシシランは、下記の化学式1で表示される脂環式エポキシ基とアルコキシ基を含むアルコキシシランから1種以上選択して使用することができるが、これに制限されない:
【0038】
[化学式1]
【化4】
【0039】
前記の化学式1において、Rは、脂環式エポキシ基を含む直鎖形または分枝形のC〜Cアルキル基であり、前記脂環式エポキシ基はC〜Cのシクロアルキル基であり、エポキシ基を含む構造を有し、Rは、直鎖形または分枝形のC〜Cアルキル基であり、nは1〜3の整数である。
【0040】
前記の化学式1で表示されるアルコキシシランの例には、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランなどがこれに属し、これらの組み合わせからなる群から1種以上選択されて使用されることができるが、これに制限されない。本願の一具体例において、前記脂環式エポキシシロキサン樹脂は、脂環式エポキシ基を有するアルコキシシランの単独で製造されることもできるが、また、脂環式エポキシ基を有するアルコキシシランと異種のアルコキシシラン間の加水分解と縮合反応を通じても製造されることができるが、これに制限されない。異種のアルコキシシランは、下記の化学式2で表示されるアルコキシシランから1種以上選択して使用することができる:
【0041】
[化学式2]
【化5】
【0042】
前記の化学式2において、Rは、C〜C20アルキル基、C〜Cシクロアルキル基、C〜C20アルケニル基、C〜C20アルキニル基、C〜C20アリール基、アクリル基、メタクリル基、ハロゲン基、アミノ基、メルカプト基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボキシル基、ビニル基、ニトロ基、スルホン基、及びアルキド基などからなる群から1種以上の作用基を含むことができる。Rは、直鎖形または分枝形のC〜Cアルキル基であり、mは、0〜3の整数である。
【0043】
例えば、前記の化学式2で表示されるアルコキシシランは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルエチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、N−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリプロポキシシラン、3−アクリルオキシプロピルメチルビス(トリメトキシ)シラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリプロポキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリプロポキシシラン、N−(アミノエチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル−3−アミノプロピル)トリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、クロロプロピルトリメトキシシラン、クロロプロピルトリエトキシシラン、及びヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランなどからなる群から選択された1種以上であるが、これに制限されない。
【0044】
本願の一具体例において、前記シロキサン樹脂の脂環式エポキシ基と反応して架橋を形成するように酸無水物モノマーを追加に添加して、シロキサンハードコーティング樹脂組成物を製造することができる。前記酸無水物モノマーは、下記の化学式3の酸無水物基を少なくとも一つ以上含むものであることができる。
【0045】
[化学式3]
【化6】
【0046】
具体的に、例えば、前記酸無水物モノマーは、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ナディックメチル無水物、無水クロレンド酸、及びピロメリト酸無水物からなる群から選択された1種以上であるが、これに制限されない。
【0047】
本願の一具体例において、前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の粘度を制御し、加工性を容易にするために、光重合または熱重合することができる反応性モノマーを追加に添加してシロキサンハードコーティング樹脂組成物を製造することができる。前記反応性モノマーの添加量は特に制限されないが、前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の約100重量部に対して約1〜約40重量部を添加することができる。前記反応性モノマーは脂環式エポキシ基を有するモノマーまたはオキセタン基を有するモノマーであることができるが、これに制限されない。
【0048】
例えば、前記オキセタン基を有するモノマーは、下記の化学式4のオキセタン基を少なくとも一つ以上含むものであることができるが、これに制限されない。
【0049】
[化学式4]
【化7】
【0050】
本願の一具体例において、前記オキセタンモノマーは、3−メチルオキセタン、2−メチルオキセタン、3−オキセタノール、2−メチレンオキセタン、3,3−オキセタンジメタンチオール、4−(3−メチルオキセタン−3−イル)ベンゾニトリル、N−(2,2−ジメチルプロピル)−3−メチル−3−オキセタンメタンアミン、N−(1,2−ジメチルブチル)−3−メチル−3−オキセタンメタンアミン、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレート、4−[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ブタン−1−オール、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、2−エチルヘキシルオキセタン、キシレンビスオキセタン、及び3−[エチル−3[[3−エチルオキセタン−3−イル]メトキシ]メチル]オキセタンからなる群から選択された1種以上であることがあるが、これに制限されない。
【0051】
本願の一具体例において、前記脂環式エポキシ基を有するモノマーは、4−ビニルシクロへキセンジオキシド、シクロへキセンビニルモノオキシド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル 3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−1,3−ジオキソランからなる群から選択された1種以上を含むことができるが、これに制限されない。
【0052】
本願の一具体例において、前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の重合のために開始剤を追加に含むことができ、例えば、オニウム塩、有機金属塩などの光重合開始剤と、アミン、イミダゾールなどの熱重合開始剤を使用することができるが、これに制限されない。重合開始剤の添加量は特に制限されないが、脂環式エポキシを有するシロキサン樹脂約100重量部に対して約0.1〜約10重量部を添加することができるが、これに制限されない。
【0053】
例えば、光重合開始剤の場合、アリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩、アリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート塩、ジフェニルダイオドニウムヘキサフルオロホスフェート塩、ジフェニルダイオードニウムヘキサアンチモニウム塩、ジトリルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート塩、及び9−(4−ヒドロキシエトキシフェニル)チアンスレニウムヘキサフルオロホスフェート塩などからなる群から選択された1種以上を含むことができるが、これに制限されない。
【0054】
また、熱重合開始剤の場合、3−メチル−2ブテニルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩、イッテルビウムトリフルオロメチンスルホネート塩、サマリウムトリフルオロメチンスルホネート塩、エルビウムトリフルオロメチンスルホネート塩、ジスプロシウムトリフルオロメチンスルホネート塩、ランタントリフルオロメチンスルホネート塩、テトラブチルホスホニウムメチンスルホネート塩、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド塩、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノメチルフェノール、トリエタノールアミン、N−n−ブチルイミダゾール、及び2−エチル−4−メチルイミダゾールなどからなる群から選択された1種以上を含むことができるが、これに制限されない。
【0055】
本願の一具体例において、前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の粘度を制御して加工性を容易にすると同時に、コーティング膜の厚さを調節するために有機溶媒を添加することができるが、これに制限されない。有機溶媒の添加量は特に制限されないが、アルコールの場合、脂環式エポキシシロキサン樹脂約100重量部に対して約0.1〜約10重量部を添加するのが望ましい。
【0056】
使用可能な有機溶媒には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、またはメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類、または、エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロブタンなどのエーテル類、または酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチルなどのエステル類、またはブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、または、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、コロロベンゼン、オルト−ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、またはn−ヘキサン、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類などからなる群から選択された1種以上を含むことができるが、これに制限され。
【0057】
本願の一具体例において、前記脂環式エポキシシロキサン樹脂は、重合反応から起因する酸化反応を抑制するために酸化防止剤を含むことができるが、これに制限されない。前記酸化防止剤は、フェノーリック系、ホスフェート系、アミニック系、及びチオエステル系などからなる群から選択される1種以上の混合物を含むことができるが、これに制限されない。例えば、フェノーリック系酸化防止剤は、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナムオリ)ヒドラジン、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、イソトリデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N'−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナムアミド)、ベンゼンプロパン酸、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−2,2'−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−tert−ブチルベンジル)イソシアヌレート、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、2,5−ジ−tert−アミル−ヒドロキノン、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリス−(3,5−ジ−tert−ブチルヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4'−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、4,4'−ブチリデンビス(6−tert−3−メチルフェノール)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されたもの、ホスフェート系酸化防止剤は、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ノニル、ジステアリルペンタエリトリトールジノニル、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジノニル、トリフェニルノニル、トリイソデシルノニル、ジフェニルイソデシルノニル、2−エチルヘキシルジフェニルノニル、ポリ(ジプロピレングリコール)フェニルノニル、トリス(ノニルフェニル)ノニル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されたもの、アミニック系酸化防止剤は、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンオリゴマー、チオエステル系酸化防止剤は、ペンタエリトリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジステアリルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されたものを含むことができるが、これに制限されないこともある。酸化防止剤の添加量は、特に制限されないが、脂環式エポキシシロキサン樹脂約100重量部に対して約0.1〜約10重量部を添加することができる。
【0058】
本願の一具体例において、前記ハードコーティング樹脂組成物は、レベリング剤またはコーティング調剤を追加に含むことができるが、これに制限されない。
【0059】
本願の第2側面は、前記本願の第1側面によるハードコーティング樹脂組成物を重合することを含む、ハードコーティング硬化物の製造方法を提供する。
【0060】
本願の一具体例において、前記重合は光照射または加熱段階を含むことができるが、これに制限されない。
【0061】
本願の一具体例において、前記脂環式エポキシシロキサン樹脂組成物を用いて、コーティング、キャスティング、モルディングなどの成形段階を経た後、光重合または熱重合によって高い表面硬度を有するシロキサンハードコーティング硬化物を製造することができる。光重合の場合、光照射した後、後続の熱処理を通じて均質の硬化密度を得ることができ、これは約50℃以上〜約250℃以下の温度で遂行されることができるが、これに制限されない。また、熱重合の場合、約50℃以上〜約250℃以下の温度で遂行されることができるが、これに制限されるものではなく、シロキサンハードコーティング硬化物の工程条件によって変わることができる。前記熱処理温度が約250℃超過の高温の場合、有機官能基間の結合鎖を破壊することができ、約50℃未満の低温の場合には重合がよく行われないこともある。
【0062】
本願の第3側面は、前記本願の第2側面による製造方法によって製造される、ハードコーティング硬化物を含む光学フィルムまたはシートを提供する。
【実施例】
【0063】
以下、発明の具体的な実施例を通じて、発明の作用及び效果をより詳しく述べる。但し、このような実施例は、発明の例示として提示されたものに過ぎず、これによって発明の権利範囲が定められるわけではない。
【0064】
下記の実施例による脂環式エポキシ基を含むシロキサン樹脂の分子量を測定するために、Matrix−Assisted Laser Desorption Ionization Mass Spectrometerを用いており、その結果を代表的に図1及び図2に示し、シロキサン樹脂のエポキシ当量(モル/100g)はJIS K7236によって測定した。
【0065】
また、実施例から得られたシロキサン樹脂組成物のコーティング性を高め、加工性を容易にするために、有機溶媒としてメチルエチルケトンを添加し、実施例から得られたシロキサンハードコーティング硬化物の表面硬度を測定するために、JIS K5600による鉛筆硬度計を使った。
【0066】
実施例1.光重合
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Gelest社)と水(HO、Sigma−Aldrich社)を24.64g:2.70g(0.1mol:0.15mol)の比率で混合し、100mLの2neckフラスコに入れた。その後、前記混合物に0.05mLのアンモニアを触媒として添加して、60℃で6時間撹拌した。以後、0.45μmテフロンフィルター(Teflon filter)を使って濾過して、脂環式エポキシシロキサン樹脂を得た。前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の分子量は、Matrix−Assisted Laser Desorption Ionization Mass Spectrometerを用いて測定し、下記の図1に示した。この測定値を通じて前記脂環式エポキシシロキサン樹脂は1,498の数平均分子量と1,771の重量平均分子量、1.18のPDI(M/M)値を有することを確認した。
【0067】
次に、光重合のための重合開始剤として、アリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩を前記樹脂対比2重量部添加した。引き続き、重合反応から起因する酸化反応を抑制するための酸化防止剤として、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートと、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトを樹脂対比それぞれ1.35重量部、3.6重量部添加して、シロキサンハードコーティング樹脂組成物を得た。
【0068】
前記シロキサンハードコーティング樹脂組成物をPET表面上に20μm、40μm、及び60μmに厚さを異にしてコーティングした後、365nm波長の紫外線ランプに1分間露出して光硬化し、光硬化が完了された後、80℃の温度で1時間熱処理を実施して、シロキサンハードコーティング硬化物を製作した。
【0069】
実施例2.光重合
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Gelest社)と水(HO、Sigma−Aldrich社)を24.64g:2.70g(0.1mol:0.15mol)の比率で混合し、100mLの2neckフラスコに入れた。その後、前記混合物に0.05mLのアンモニアを触媒として添加して、60℃で6時間撹拌した。以後、0.45μmテフロンフィルター(Teflon filter)を使って濾過し、脂環式エポキシシロキサン樹脂を得た。前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の分子量は、Matrix−Assisted Laser Desorption Ionization Mass Spectrometerを用いて測定し、下記の図1に示した。この測定値を通じて、前記脂環式エポキシシロキサン樹脂は1,498の数平均分子量と1,771の重量平均分子量、1.18のPDI(M/M)値を有することが確認された。
【0070】
次に、光重合が可能な反応性モノマーとして、3−[エチル−3[[3−エチルオキセタン−3−イル]メトキシ]メチル]オキセタンを、前記得た樹脂対比20重量部添加し、光重合のための重合開始剤としてアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩を前記混合された樹脂対比2重量部添加した。引き継き、重合反応から起因する酸化反応を抑制するための酸化防止剤として、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートと、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトを樹脂対比それぞれ1.35重量部、3.6重量部添加してシロキサンハードコーティング樹脂組成物を得た。
【0071】
前記シロキサンハードコーティング樹脂組成物をPET表面上に20μm、40μm、及び60μmに厚さを異にしてコーティングした後、365nm波長の紫外線ランプに1分間露出して光硬化し、光硬化が完了された後、80℃の温度で1時間熱処理を実施してシロキサンハードコーティング硬化物を製作した。
【0072】
実施例3.熱重合
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Gelest社)と水(HO、Sigma−Aldrich社)を24.64g:2.70g(0.1mol:0.15mol)の比率で混合して100mLの2neckフラスコに入れた。その後、前記混合物に0.05mLのアンモニアを触媒として添加して、60℃で6時間撹拌した。以後、0.45μmテフロンフィルター(Teflon filter)を使って濾過し、脂環式エポキシシロキサン樹脂を得た。前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の分子量は、Matrix−Assisted Laser Desorption Ionization Mass Spectrometerを用いて測定し、下記の図1に示した。この測定値を通じて、前記脂環式エポキシシロキサン樹脂は1,498の数平均分子量と1,771の重量平均分子量、1.18のPDI(M/M)値を有することが確認された。
【0073】
次に、熱重合が可能な反応性モノマーとして、4−メチル−1,2−シクロへキセンジカルボキシリック無水物を前記得た樹脂対比90重量部添加し、熱重合のための重合開始剤として2−エチル−4−メチルイミダゾールを前記混合された樹脂対比2重量部添加した。引き続き、重合反応から起因する酸化反応を抑制するための酸化防止剤として、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートと、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトを樹脂対比それぞれ1.35重量部、3.6重量部添加してシロキサンハードコーティング樹脂組成物を得た。
【0074】
前記シロキサンハードコーティング樹脂組成物をPET表面上に20μm、40μm、及び60μmに厚さを異にしてコーティングした後、80℃の温度で3時間熱処理を実施してシロキサンハードコーティング硬化物を製作した。
【0075】
実施例4.光重合
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Gelest社)と水(HO、Sigma−Aldrich社)を24.64g:2.70g(0.1mol:0.15mol)比率で混合し、100mLの2neckフラスコに入れた。その後、前記混合物に6.1gのAmberite IRA−400を触媒として添加し、60℃で24時間撹拌した。以後、0.45μmテフロンフィルター(Teflon filter)を使って濾過し、脂環式エポキシシロキサン樹脂を得た。前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の分子量は、Matrix−Assisted Laser Desorption Ionization Mass Spectrometerを用いて測定し、下記の図2に示した。この測定値を通じて前記脂環式エポキシシロキサン樹脂は2,217の数平均分子量と2,525の重量平均分子量、1.14のPDI(M/M)値を有することが確認された。
【0076】
次に、光重合のための重合開始剤として、アリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩を、前記樹脂対比2重量部添加した。引き続き、重合反応から起因する酸化反応を抑制するための酸化防止剤として、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートと、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトを樹脂対比それぞれ1.35重量部、3.6重量部添加してシロキサンハードコーティング樹脂組成物を得た。
【0077】
前記シロキサンハードコーティング樹脂組成物をPET表面上に20μm、40μm、及び60μmに厚さを異にしてコーティングした後、365nm波長の紫外線ランプに1分間露出して光硬化し、光硬化が完了された後、80℃の温度で1時間熱処理を実施してシロキサンハードコーティング硬化物を製作した。
【0078】
実施例5.光重合
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Gelest社)と水(HO、Sigma−Aldrich社)を24.64g:2.70g(0.1mol:0.15mol)の比率で混合し、100mLの2neckフラスコに入れた。その後、前記混合物に6.1gのAmberite IRA−400を触媒として添加し、60℃で24時間撹拌した。以後、0.45μmテフロンフィルター(Teflon filter)を使って濾過し、脂環式エポキシシロキサン樹脂を得た。前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の分子量は、Matrix−Assisted Laser Desorption Ionization Mass Spectrometerを用いて測定し、下記の図2に示した。この測定値を通じて、前記脂環式エポキシシロキサン樹脂は2,217の数平均分子量と2,525の重量平均分子量、1.14のPDI(M/M)値を有することが確認された。
【0079】
次に、光重合が可能な反応性モノマーとして、3−[エチル−3[[3−エチルオキセタン−3−イル]メトキシ]メチル]オキセタンを、前記得た樹脂対比20重量部を添加し、光重合のための重合開始剤としてアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩を前記混合された樹脂対比2重量部添加した。引き続き、重合反応から起因する酸化反応を抑制するための酸化防止剤として、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートと、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトを樹脂対比それぞれ1.35重量部、3.6重量部添加し、シロキサンハードコーティング樹脂組成物を得た。
【0080】
前記シロキサンハードコーティング樹脂組成物をPET表面上に20μm、40μm、及び60μmに厚さを異にしてコーティングした後、365nm波長の紫外線ランプに1分間露出して光硬化し、光硬化が完了された後、80℃の温度で1時間熱処理を実施してシロキサンハードコーティング硬化物を製作した。
【0081】
実施例6.熱重合
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Gelest社)と水(HO、Sigma−Aldrich社)を24.64g:2.70g(0.1mol:0.15mol)の比率で混合し、100mLの2neckフラスコに入れた。その後、前記混合物に6.1gのAmberite IRA−400を触媒として添加し、60℃で24時間撹拌した。以後、0.45μmテフロンフィルター(Teflon filter)を使って濾過し、脂環式エポキシシロキサン樹脂を得た。前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の分子量は、Matrix−Assisted Laser Desorption Ionization Mass Spectrometerを用いて測定し、下記の図2に示した。この測定値を通じて、前記脂環式エポキシシロキサンハード樹脂は2,217の数平均分子量と2,525の重量平均分子量、1.14のPDI(M/M)値を有することが確認された。
【0082】
次に、熱重合が可能な反応性モノマーとして、4−メチル−1,2−シクロへキセンジカルボキシリック無水物を、前記得た樹脂対比90重量部添加し、熱重合のための重合開始剤として2−エチル−4−メチルイミダゾールを前記混合された樹脂対比2重量部添加した。引き続き、重合反応から起因する酸化反応を抑制するための酸化防止剤として、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートと、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトを樹脂対比それぞれ1.35重量部、3.6重量部添加し、シロキサンハードコーティング樹脂組成物を得た。
【0083】
前記シロキサンハードコーティング樹脂組成物をPET表面上に20μm、40μm、及び60μmに厚さを異にしてコーティングした後、80℃の温度で3時間熱処理を実施してシロキサンハードコーティング硬化物を製作した。
【0084】
実施例7.光重合
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Gelest社)とフェニルトリメトキシシラン(PTMS、Gelest社)を23.41g:0.99g(0.95mol:0.05mol)の比率で混合し、水(HO、Sigma−Aldrich社)を2.70g(全体のシランの0.1mol対比0.15mol)添加して100mLの2neckフラスコに入れた。その後、前記混合物に0.05mLのアンモニアを触媒として添加し、60℃で6時間撹拌した。以後、0.45μmテフロンフィルター(Teflon filter)を使って濾過し、脂環式エポキシシロキサン樹脂を得た。前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の分子量は、Matrix−Assisted Laser Desorption Ionization Mass Spectrometerを用いて測定し、この測定値を通じて前記脂環式エポキシシロキサン樹脂は、1,392の数平均分子量と1,758の重量平均分子量、1.26のPDI(M/M)値を有することが確認された。
【0085】
次に、光重合が可能な反応性モノマーとして、3−[エチル−3[[3−エチルオキセタン−3−イル]メトキシ]メチル]オキセタンを、前記得た樹脂対比20重量部添加し、光重合のための重合開始剤としてアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩を前記混合された樹脂対比2重量部添加した。引き続き、重合反応から起因する酸化反応を抑制するための酸化防止剤として、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートと、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトを樹脂対比それぞれ1.35重量部、3.6重量部添加してシロキサンハードコーティング樹脂組成物を得た。
【0086】
前記シロキサンハードコーティング樹脂組成物をPET表面上に20μm、40μm、及び60μmに厚さを異にしてコーティングした後、365nm波長の紫外線ランプに1分間露出して光硬化し、光硬化が完了された後、80℃の温度で1時間熱処理を実施してシロキサンハードコーティング硬化物を製作した。
【0087】
実施例8.熱重合
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Gelest社)とフェニルトリメトキシシラン(PTMS、Gelest社)を23.41g:0.99g(0.95mol:0.05mol)の比率で混合し、水(HO、Sigma−Aldrich社)を2.70g(全体のシランの0.1mol対比0.15mol)添加して100mLの2neckフラスコに入れた。その後、前記混合物に0.05mLのアンモニアを触媒として添加し、60℃で6時間撹拌した。以後、0.45μmテフロンフィルター(Teflon filter)を使って濾過し、脂環式エポキシシロキサン樹脂を得た。前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の分子量は、Matrix−Assisted Laser Desorption Ionization Mass Spectrometerを用いて測定し、この測定値を通じて前記脂環式エポキシシロキサン樹脂は、1,392の数平均分子量と1,758の重量平均分子量、1.26のPDI(M/M)値を有することが確認された。
【0088】
次に、熱重合が可能な反応性モノマーとして、4−メチル−1,2−シクロへキセンジカルボキシリック無水物を、前記得た樹脂対比90重量部添加し、熱重合のための重合開始剤として2−エチル−4−メチルイミダゾールを前記混合された樹脂対比2重量部添加した。引き続き、重合反応から起因する酸化反応を抑制するための酸化防止剤として、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートと、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトを樹脂対比それぞれ1.35重量部、3.6重量部添加してシロキサンハードコーティング樹脂組成物を得た。
【0089】
前記シロキサンハードコーティング樹脂組成物をPET表面上に20μm、40μm、及び60μmに厚さを異にしてコーティングした後、80℃の温度で3時間熱処理を実施してシロキサンハードコーティング硬化物を製作した。
【0090】
実施例9.光重合
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Gelest社)とヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシルトリメトキシシラン(PFAS、Gelest社)を24.15g:1.14g(0.98mol:0.02mol)の比率で混合し、水(HO、Sigma−Aldrich社)を2.70g(全体のシランの0.1mol対比0.15mol)添加して100mLの2neckフラスコに入れた。その後、前記混合物に0.05mLのアンモニアを触媒として添加し、60℃で6時間撹拌した。以後、0.45μmテフロンフィルター(Teflon filter)を使って濾過して、脂環式エポキシシロキサン樹脂を得た。前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の分子量は、Matrix−Assisted Laser Desorption Ionization Mass Spectrometerを用いて測定し、この測定値を通じて前記脂環式エポキシシロキサン樹脂は、1,979の数平均分子量と2,507の重量平均分子量、1.27のPDI(M/M)値を有することが確認された。
【0091】
次に、光重合が可能な反応性モノマーとして、3−[エチル−3[[3−エチルオキセタン−3−イル]メトキシ]メチル]オキセタンを前記得た樹脂対比20重量部添加し、光重合のための重合開始剤としてアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩を前記混合された樹脂対比2重量部添加した。引き続き、重合反応から起因する酸化反応を抑制するための酸化防止剤として、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートと、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトを樹脂対比それぞれ1.35重量部、3.6重量部添加し、シロキサンハードコーティング樹脂組成物を得た。
【0092】
前記シロキサンハードコーティング樹脂組成物をPET表面上に20μm、40μm、及び60μmに厚さを異にしてコーティングした後、365nm波長の紫外線ランプに1分間露出して光硬化し、光硬化が完了された後、80℃の温度で1時間熱処理を実施してシロキサンハードコーティング硬化物を製作した。
【0093】
実施例10.熱重合
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Gelest社)とヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシルトリメトキシシラン(PFAS、Gelest社)を24.15g:1.14g(0.98mol:0.02mol)の比率で混合し、水(HO、Sigma−Aldrich社)を2.70g(全体のシランの0.1mol対比0.15mol)添加して100mLの2neckフラスコに入れた。その後、前記混合物に0.05mLのアンモニアを触媒として添加し、60℃で6時間撹拌した。以後、0.45μmテフロンフィルター(Teflon filter)を使って濾過し、脂環式エポキシシロキサン樹脂を得た。前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の分子量は、Matrix−Assisted Laser Desorption Ionization Mass Spectrometerを用いて測定し、この測定値を通じて前記脂環式エポキシシロキサン樹脂は、1,979の数平均分子量と2,507の重量平均分子量、1.27のPDI(M/M)値を有することが確認された。
【0094】
次に、熱重合が可能な反応性モノマーとして、4−メチル−1,2−シクロへキセンジカルボキシリック無水物を、前記得た樹脂対比90重量部添加し、熱重合のための重合開始剤として、2−エチル−4−メチルイミダゾールを前記混合された樹脂対比2重量部添加した。引き続き、重合反応から起因する酸化反応を抑制するための酸化防止剤として、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートと、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトを樹脂対比それぞれ1.35重量部、3.6重量部添加し、シロキサンハードコーティング樹脂組成物を得た。
【0095】
前記シロキサンハードコーティング樹脂組成物をPET表面上に20μm、40μm、及び60μmに厚さを異にしてコーティングした後、80℃の温度で3時間熱処理を実施してシロキサンハードコーティング硬化物を製作した。
【0096】
実施例11.光重合
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Gelest社)と3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPTS、Gelest社)を23.41g:1.24g(0.95mol:0.05mol)の比率で混合し、水(HO、Sigma−Aldrich社)を2.70g(全体のシランの0.1mol対比0.15mol)添加して100mLの2neckフラスコに入れた。その後、前記混合物に0.05mLのアンモニアを触媒として添加して60℃で6時間撹拌した。以後、0.45μmテフロンフィルター(Teflon filter)を使って濾過し、脂環式エポキシシロキサン樹脂を得た。前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の分子量は、Matrix−Assisted Laser Desorption Ionization Mass Spectrometerを用いて測定し、この測定値を通じて前記脂環式エポキシシロキサン樹脂は、1,563の数平均分子量と2,014の重量平均分子量、1.29のPDI(M/M)値を有することが確認された。
【0097】
次に、光重合が可能な反応性モノマーとして、3−[エチル−3[[3−エチルオキセタン−3−イル]メトキシ]メチル]オキセタンを、前記得た樹脂対比20重量部添加し、光重合のための重合開始剤として、アリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩を前記混合された樹脂対比2重量部添加した。引き続き、重合反応から起因する酸化反応を抑制するための酸化防止剤として、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートと、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトを樹脂対比それぞれ1.35重量部、3.6重量部添加してシロキサンハードコーティング樹脂組成物を得た。
【0098】
前記シロキサンハードコーティング樹脂組成物をPET表面上に20μm、40μm、及び60μmに厚さを異にしてコーティングした後、365nm波長の紫外線ランプに1分間露出して光硬化し、光硬化が完了された後、80℃の温度で1時間熱処理を実施してシロキサンハードコーティング硬化物を製作した。
【0099】
実施例12.熱重合
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Gelest社)と3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPTS、Gelest社)を23.41g:1.24g(0.95mol:0.05mol)の比率で混合し、水(HO、Sigma−Aldrich社)を2.70g(全体のシランの0.1mol対比0.15mol)添加して100mLの2neckフラスコに入れた。その後、前記混合物に0.05mLのアンモニアを触媒として添加して60℃で6時間撹拌した。以後、0.45μmテフロンフィルター(Teflon filter)を使って濾過し、脂環式エポキシシロキサン樹脂を得た。前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の分子量は、Matrix−Assisted Laser Desorption Ionization Mass Spectrometerを用いて測定し、この測定値を通じて前記脂環式エポキシシロキサン樹脂は、1,563の数平均分子量と2,014の重量平均分子量、1.29のPDI(M/M)値を有することが確認された。
【0100】
次に、熱重合が可能な反応性モノマーとして、4−メチル−1,2−シクロへキセンジカルボキシリック無水物を、前記得た樹脂対比90重量部添加し、熱重合のための重合開始剤として、2−エチル−4−メチルイミダゾールを前記混合された樹脂対比2重量部添加した。引き続き、重合反応から起因する酸化反応を抑制するための酸化防止剤として、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートと、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトを樹脂対比それぞれ1.35重量部、3.6重量部添加してシロキサンハードコーティング樹脂組成物を得た。
【0101】
前記シロキサンハードコーティング樹脂組成物をPET表面上に20μm、40μm、及び60μmに厚さを異にしてコーティングした後、80℃の温度で3時間熱処理を実施してシロキサンハードコーティング硬化物を製作した。
【0102】
比較例1
本願によるシロキサン樹脂は、PDIの1.05〜1.4の分子量分布を有するシロキサン分子で構成されており、多様な大きさのシロキサン分子が緻密に架橋され、高い硬度のシロキサンハードコーティング硬化物を提供する。このような多様な分子量分布の効果を示すために、比較例1を実施した。
【0103】
下記の化学式5で表示される脂環式エポキシ基を含むシロキサン樹脂であるPC−1000(Polyset Company)を重合して硬化物を得るために、光重合のための重合開始剤としてアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩を前記樹脂対比2重量部添加した。次に、重合反応から起因する酸化反応を抑制するための酸化防止剤として、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートと、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトを樹脂対比それぞれ1.35重量部、3.6重量部添加して樹脂組成物を得た。
【0104】
[化学式5]
【化8】
【0105】
前記樹脂組成物をPET表面上に20μm、40μm、及び60μmに厚さを異にしてコーティングした後、365nm波長の紫外線ランプに1分間露出して光硬化し、光硬化が完了された後、80℃の温度で1時間熱処理を実施して硬化物を製作した。
【0106】
前記の実施例から得られた脂環式エポキシシロキサン樹脂の重量平均分子量とPDI値を下記の表1に整理して示した。
【0107】
【表1】
【0108】
前記の実施例と比較例から得られたシロキサンハードコーティング硬化物の表面硬度を測定するために、JIS K5600による鉛筆硬度計を使っており、その結果を下記の表2に示した。
【0109】
【表2】
【0110】
前記の表2から分かるように、本願のシロキサン樹脂は重合時に一つの分子量を有する比較例1のPC−1000とは違って、PDIの1.05〜1.4の多様な分子量分布を有するため、シロキサン分子が緻密に架橋され、高い硬度のシロキサンハードコーティング硬化物を提供し、また加工性が容易であるため、ハードコーティング剤として適合した特性を有する。
【0111】
次に、本願によるシロキサン樹脂は、エポキシ当量が0.35〜0.6(モル/100g)の範囲を有することを特徴とするが、このような範囲のエポキシ当量の効果を明確にするために、下記の実施例を実施した。
【0112】
実施例13
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Gelest社)とフェニルトリメトキシシラン(PTMS、Gelest社)を22.17g:1.98g(0.90mol:0.10mol)の比率で混合して、水(HO、Sigma−Aldrich社)を2.70g(全体のシランの0.1mol対比0.15mol)添加して100mLの2neckフラスコに入れた。その後、前記混合物に0.05mLのアンモニアを触媒として添加し、60℃で6時間撹拌した。以後、0.45μmテフロンフィルター(Teflon filter)を使って濾過して脂環式エポキシシロキサン樹脂を得た。前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の分子量は、Matrix−Assisted Laser Desorption Ionization Mass Spectrometerを用いて測定し、この測定値を通じて前記脂環式エポキシシロキサン樹脂は2,181の数平均分子量と2,382の重量平均分子量、1.09のPDI(M/M)値を有することが確認され、エポキシ当量は0.52モル/100gであることが確認された。
【0113】
次に、光重合のための重合開始剤として、アリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩を前記樹脂対比2重量部添加した。引き続き、重合反応から起因する酸化反応を抑制するための酸化防止剤として、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートと、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトを樹脂対比それぞれ1.35重量部、3.6重量部添加してシロキサンハードコーティング樹脂組成物を得た。
【0114】
前記シロキサンハードコーティング樹脂組成物をPET表面上に40μmの厚さでコーティングした後、365nm波長の紫外線ランプに1分間露出して光硬化し、光硬化が完了された後、80℃の温度で1時間熱処理を実施してシロキサンハードコーティング硬化物を製作した。
【0115】
実施例14
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Gelest社)とフェニルトリメトキシシラン(PTMS、Gelest社)を19.71g:3.97g(0.80mol:0.20mol)の比率で混合し、水(HO、Sigma−Aldrich社)を2.70g(全体のシランの0.1mol対比0.15mol)添加して100mLの2neckフラスコに入れた。その後、前記混合物に0.05mLのアンモニアを触媒として添加し、60℃で6時間撹拌した。以後、0.45μmテフロンフィルター(Teflon filter)を使って濾過して脂環式エポキシシロキサン樹脂を得た。前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の分子量は、Matrix−Assisted Laser Desorption Ionization Mass Spectrometerを用いて測定し、この測定値を通じて前記脂環式エポキシシロキサン樹脂は、2,193の数平均分子量と2,435の重量平均分子量、1.11のPDI(M/M)値を有することが確認され、エポキシ当量は0.48モル/100gであることが確認された。
【0116】
次に、光重合のための重合開始剤として、アリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩を前記樹脂対比2重量部添加した。引き続き、重合反応から起因する酸化反応を抑制するための酸化防止剤として、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートと、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトを樹脂対比それぞれ1.35重量部、3.6重量部添加してシロキサンハードコーティング樹脂組成物を得た。
【0117】
前記シロキサンハードコーティング樹脂組成物をPET表面上に40μmの厚さでコーティングした後、365nm波長の紫外線ランプに1分間露出して光硬化し、光硬化が完了された後、80℃の温度で1時間熱処理を実施してシロキサンハードコーティング硬化物を製作した。
【0118】
実施例15
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Gelest社)とフェニルトリメトキシシラン(PTMS、Gelest社)を17.25g:5.95g(0.70mol:0.30mol)の比率で混合し、水(HO、Sigma−Aldrich社)を2.70g(全体のシランの0.1mol対比0.15mol)添加して100mLの2neckフラスコに入れた。その後、前記混合物に0.05mLのアンモニアを触媒として添加し、60℃で6時間撹拌した。以後、0.45μmテフロンフィルター(Teflon filter)を使って濾過して脂環式エポキシシロキサン樹脂を得た。前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の分子量は、Matrix−Assisted Laser Desorption Ionization Mass Spectrometerを用いて測定し、この測定値を通じて前記脂環式エポキシシロキサン樹脂は、2,238の数平均分子量と2,460の重量平均分子量、1.10のPDI(M/M)値を有することが確認され、エポキシ当量は0.43モル/100gであることが確認された。
【0119】
次に、光重合のための重合開始剤として、アリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩を前記樹脂対比2重量部添加した。引き続き、重合反応から起因する酸化反応を抑制するための酸化防止剤として、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートと、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトを樹脂対比それぞれ1.35重量部、3.6重量部添加してシロキサンハードコーティング樹脂組成物を得た。
【0120】
前記シロキサンハードコーティング樹脂組成物をPET表面上に40μmの厚さでコーティングした後、365nm波長の紫外線ランプに1分間露出して光硬化し、光硬化が完了された後、80℃の温度で1時間熱処理を実施してシロキサンハードコーティング硬化物を製作した。
【0121】
実施例16
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Gelest社)とフェニルトリメトキシシラン(PTMS、Gelest社)を14.78g:7.93g(0.60mol:0.40mol)の比率で混合し、水(HO、Sigma−Aldrich社)を2.70g(全体のシランの0.1mol対比0.15mol)添加して100mLの2neckフラスコに入れた。その後、前記混合物に0.05mLのアンモニアを触媒として添加して60℃で6時間撹拌した。以後、0.45μmテフロンフィルター(Teflon filter)を使って濾過して脂環式エポキシシロキサン樹脂を得た。前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の分子量は、Matrix−Assisted Laser Desorption Ionization Mass Spectrometerを用いて測定し、この測定値を通じて前記脂環式エポキシシロキサン樹脂は、2,224の数平均分子量と2,469の重量平均分子量、1.11のPDI(M/M)値を有することが確認され、エポキシ当量は0.38モル/100gであることが確認された。
【0122】
次に、光重合のための重合開始剤として、アリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩を前記樹脂対比2重量部添加した。引き続き、重合反応から起因する酸化反応を抑制するための酸化防止剤として、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートと、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトを樹脂対比それぞれ1.35重量部、3.6重量部添加してシロキサンハードコーティング樹脂組成物を得た。
【0123】
前記シロキサンハードコーティング樹脂組成物をPET表面上に40μmの厚さでコーティングした後、365nm波長の紫外線ランプに1分間露出して光硬化し、光硬化が完了された後、80℃の温度で1時間熱処理を実施してシロキサンハードコーティング硬化物を製作した。
【0124】
比較例2
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Gelest社)とフェニルトリメトキシシラン(PTMS、Gelest社)を12.32g:9.92g(0.50mol:0.50mol)の比率で混合し、水(HO、Sigma−Aldrich社)を2.70g(全体のシランの0.1mol対比0.15mol)添加して100mLの2neckフラスコに入れた。その後、前記混合物に0.05mLのアンモニアを触媒として添加し、60℃で6時間撹拌した。以後、0.45μmテフロンフィルター(Teflon filter)を使って濾過して脂環式エポキシシロキサン樹脂を得た。前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の分子量は、Matrix−Assisted Laser Desorption Ionization Mass Spectrometerを用いて測定し、この測定値を通じて前記脂環式エポキシシロキサン樹脂は、2,134の数平均分子量と2,379の重量平均分子量、1.11のPDI(M/M)値を有することが確認され、エポキシ当量は0.33モル/100gであることが確認された。
【0125】
次に、光重合のための重合開始剤として、アリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩を前記樹脂対比2重量部添加した。引き続き、重合反応から起因する酸化反応を抑制するための酸化防止剤として、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートと、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトを樹脂対比それぞれ1.35重量部、3.6重量部添加してシロキサンハードコーティング樹脂組成物を得た。
【0126】
前記シロキサンハードコーティング樹脂組成物をPET表面上に40μmの厚さでコーティングした後、365nm波長の紫外線ランプに1分間露出して光硬化し、光硬化が完了された後、80℃の温度で1時間熱処理を実施してシロキサンハードコーティング硬化物を製作した。
【0127】
前記の実施例及び比較例から得られた脂環式エポキシシロキサン樹脂の重量平均分子量、PDI、エポキシ当量値を、下記の表3に整理して示した。
【0128】
【表3】
【0129】
前記の実施例及び比較例から得られたシロキサンハードコーティング硬化物の表面硬度を測定するために、JIS K5600による鉛筆硬度計を使っており、その結果を下記の表4に示した。
【0130】
【表4】
【0131】
前記の表4に示すように、エポキシ当量が0.35〜0.6(モル/100g)の範囲を有する実施例13〜16の場合、7H以上の高い硬度のシロキサンハードコーティング硬化物を得ることができる一方、エポキシ当量が0.35(モル/100g)以下の比較例2の場合、2Hの低い硬度を有することが分かる。よって、本願によるシロキサン樹脂は0.35〜0.6(モル/100g)の範囲のエポキシ当量を有し、同時にPDIの1.05〜1.4の多様な分子量分布を有するため、これを重合する際に、シロキサン分子が緻密に架橋されることができ、これに起因する高い硬度のシロキサンハードコーティング硬化物を提供することができる。
【0132】
次に、本願によるシロキサンハードコーティング樹脂組成物は、シロキサン樹脂の粘度を制御し、加工性を容易にするために光重合または熱重合することができる反応性モノマーをシロキサン樹脂100重量部に対して1〜40重量部を追加に添加することを特徴とするが、このような範囲の反応性モノマー添加量の効果を明確にするために下記の実施例を実施した。
【0133】
実施例17
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Gelest社)と水(HO、Sigma−Aldrich社)を24.64g:2.70g(0.1mol:0.15mol)の比率で混合し、100mLの2neckフラスコに入れた。その後、前記混合物に0.05mLのアンモニアを触媒として添加し、60℃で6時間撹拌した。以後、0.45μmテフロンフィルター(Teflon filter)を使って濾過して脂環式エポキシシロキサン樹脂を得た。前記脂環式エポキシシロキサン樹脂の分子量は、Matrix−Assisted Laser Desorption Ionization Mass Spectrometerを用いて測定し、下記の図1に示した。この測定値を通じて前記脂環式エポキシシロキサン樹脂は、1,498の数平均分子量と1,771の重量平均分子量、1.18のPDI(M/M)値を有することが確認された。
【0134】
次に、光重合が可能な反応性モノマーとして、3−[エチル−3[[3−エチルオキセタン−3−イル]メトキシ]メチル]オキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、2−エチルヘキシルオキセタン、4−[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ブタン−1−オール、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレートを、前記得た樹脂対比それぞれ10、20、30、40、50重量部添加し、光重合のための重合開始剤としてアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩を前記混合された樹脂対比2重量部添加した。引き続き、重合反応から起因する酸化反応を抑制するための酸化防止剤として、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートと、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトを樹脂対比それぞれ1.35重量部、3.6重量部添加してシロキサンハードコーティング樹脂組成物を得た。
【0135】
前記シロキサンハードコーティング樹脂組成物をPET表面上に40μmの厚さでコーティングした後、365nm波長の紫外線ランプに1分間露出して光硬化し、光硬化が完了された後、80℃の温度で1時間熱処理を実施してシロキサンハードコーティング硬化物を製作した。
【0136】
前記の実施例から得られた脂環式エポキシシロキサン樹脂の重量平均分子量、PDI値を下記の表5に整理して示した。
【0137】
【表5】
【0138】
前記の実施例から得られたシロキサンハードコーティング硬化物の表面硬度を測定するためにJIS K5600による鉛筆硬度計を使っており、その結果を下記の表6に示した。
【0139】
【表6】
【0140】
前記の表6に示すように、シロキサンハードコーティング樹脂組成物を製造する際に、反応性モノマーをシロキサン樹脂100重量部に対して40重量部以上添加するようになれば、これによるハードコーティング硬化物が2H以下の低い硬度を示すようになり、急激に特性が下向される反応性モノマーをシロキサン樹脂約100重量部に対して約1重量部〜約40重量部を追加に添加することが望ましい。
【0141】
以上、実施の形態を挙げながら本発明を詳細に説明したが、本発明は、前記の実施の形態に限定されず、多様な形態に変形されることができ、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を持った者によって様々な多い変形が可能であることが明白である。
図1
図2