(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6240185
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】ケーブル通し付き家電装置
(51)【国際特許分類】
A47J 43/04 20060101AFI20171120BHJP
H05K 7/00 20060101ALI20171120BHJP
A47J 43/07 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
A47J43/04
H05K7/00 K
A47J43/07
【請求項の数】14
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-519297(P2015-519297)
(86)(22)【出願日】2013年6月26日
(65)【公表番号】特表2015-522336(P2015-522336A)
(43)【公表日】2015年8月6日
(86)【国際出願番号】FR2013051493
(87)【国際公開番号】WO2014001718
(87)【国際公開日】20140103
【審査請求日】2016年6月16日
(31)【優先権主張番号】1256288
(32)【優先日】2012年6月29日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−マリー ラフォン
(72)【発明者】
【氏名】セバスチアン アダム
(72)【発明者】
【氏名】ライオネル ペイラス
【審査官】
西田 侑以
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭56−001536(JP,U)
【文献】
実公昭46−021618(JP,Y1)
【文献】
実開昭54−064998(JP,U)
【文献】
実開昭58−164279(JP,U)
【文献】
米国特許第03635270(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 43/04
A47J 43/07
H05K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力付き基台(100)を有する調理用家電装置であって、
− 少なくとも1つの電気モータ(10)と、
− 前記電気モータ(10)を配電網に接続するように設けられたプラグ(21)と前記電気モータ(10)との電気接続を果たす電気コード(20)と、
− 前記動力付き基台(100)の外装を部分的に形成する筐体要素(30)であって、前記電気コード(20)を前記動力付き基台(100)から引き出すための出口孔(31)を備える筐体要素(30)とを備える装置において、
前記筐体要素(30)は、前記出口孔(31)と前記筐体要素(30)の縁部(33)とをつなぐ切れ目(32)を備えており、それによって装置の組立て時に前記電気コード(20)を前記筐体要素(30)の前記切れ目(32)に通して前記電気コード(20)を前記出口孔(31)に挿入できるようにし、
前記動力付き基台(100)は、前記筐体要素(30)を前記動力付き基台(100)に取り付けたときに前記切れ目(32)をその全長の少なくとも一部に関してふさぐように設けられた少なくとも1つの構造部品(90)を備え、
前記少なくとも1つの構造部品(90)は、前記電気モータ(10)の周りに設けられた換気ダクト(40)であることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの構造部品(90)は、前記筐体要素(30)の前記切れ目(32)の中にはまり込むように設けられたリブ(41)を備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記切れ目(32)はその全長の少なくとも一部にわたって前記リブ(41)の案内手段(34)を備えることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記動力付き基台(100)の前記外装は、前記動力付き基台(100)の前方に設けられた前面パネル(80)を備えること、前記筐体要素(30)は前記動力付き基台(100)の後方に設けられること、および前記少なくとも1つの構造部品(90)は前記前面パネル(80)と前記筐体要素(30)の間に挟み込まれることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの構造部品(90)は前記前面パネル(80)上に少なくとも1つの位置決めポイントを備えることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記位置決めポイントに前記前面パネル(80)と前記少なくとも1つの構造部品(90)の間に設けられた弾性シュー(51)を備えることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記切れ目(32)は前記前面パネル(80)の背後に設けられることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記切れ目(32)は、前記装置の下に設けられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記出口孔(31)はY字形であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記出口孔(31)は、前記装置の背後に設けられることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
作業面に対する下方支持面を画定するように設けられた脚(50、55)を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記動力付き基台(100)は、少なくとも1つの加工ツールを駆動するように設けられた駆動軸(60)を備えること、および前記駆動軸(60)が減速機(70)を介して前記電気モータとつながれることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記駆動軸(60)は前記動力付き基台(100)に横方向に設けられることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
動力付き基台(100)を有する調理用家電装置の組立て方法であって、
− 少なくとも1つの電気モータ(10)を前記動力付き基台(100)内に取り付けるステップと、
− 前記電気モータ(10)を配電網に接続するように設けられたプラグ(21)と前記電気モータ(10)との電気接続を果たす電気コード(20)と前記電気モータ(10)とを接続するステップと、
− 前記動力付き基台(100)の筐体要素(30)の切れ目(32)の中に前記電気コード(20)を通すことで、前記切れ目(32)によって前記筐体要素(30)の縁部(33)につながれた前記筐体要素(30)の出口孔(31)に前記電気コード(20)が挿入されるようにするステップと、
を含み、
前記動力付き基台(100)は、前記筐体要素(30)を前記動力付き基台(100)に取り付けたときに前記切れ目(32)をその全長の少なくとも一部に関してふさぐように設けられた少なくとも1つの構造部品(90)を備え、
前記少なくとも1つの構造部品(90)は、前記電気モータ(10)の周りに設けられた換気ダクト(40)であることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に電気コードを備える家電装置に関し、詳細には、装置の筐体におけるその電気コードの通り道に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、特許文献1に記載されているような電気コードを具備した家電装置が知られている。装置は2つの部分からなる筐体を備えており、電気コードは、筺体の2つの部分の間に設けられた孔を通して筐体から引き出される。言い換えると、電気コードは、それぞれにそのための切込みがつけられた筐体の2つの部分の間に挟み込まれる。一方で、このシステムはとりわけ、電気コードの出口孔を設けるために筐体の2つの部分の間の接合面が欠かせないという欠点を有する。それによって筐体およびその部品の幾何学形状に制約が生まれ、そのために形状の設計の自由度が制限されたり、それら部品の価格や複雑度が増したりする。
【0003】
別法として筺体の部品の中ほどに出口孔を設けることも可能だが、組立ては非常に複雑なものとなる。実際、電気コードは、モータを配電網につなぐように設けられたプラグをその自由端に有しているが、そのプラグは出口孔を通り抜けることができない。そのため、電気コードは、電気モータに接続する前に組立て工場で出口孔を通し、それから電気モータに接続しなければならない。そのため、出口孔を備える部品は、そこに通した電気コードを介して組立て中に装置の他の部分につながれた形となり、まだ取り付けられていないその部品のための架台を組立て作業中の装置の近くに用意する必要がある。したがって、組立て中の装置にその部品が電線でつながれた格好となって、組立て作業が難しくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2009/066039号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的の1つは、先行技術による装置の上述のような欠点に対処することにあり、とりわけ、第一に、出口孔を通して筐体から引き出される電気コードを備える家電装置であって、その構成が筐体の部品間の結合境界に制約をもたらすことがなく、なおかつ工場での組立て作業が単純である家電装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明の第1の態様は、動力付き基台を有する調理用家電装置であって、
− 少なくとも1つの電気モータと、
− 電気モータを配電網に接続するように設けられたプラグと電気モータとの電気接続を果たす電気コードと、
− 動力付き基台の外装を部分的に形成する筐体要素であって、電気コードを動力付き基台から引き出すための出口孔を備える筐体要素とを備える装置において、
筐体要素が出口孔と筐体要素の縁部とをつなぐ切れ目を備えており、それによって装置の組立て時に電気コードを筐体要素の切れ目に通して電気コードを出口孔に挿入できるように
し、
前記動力付き基台(100)は、前記筺体要素(30)を前記動力付き基台(100)に取り付けたときに前記切れ目(32)をその全長の少なくとも一部に関してふさぐように設けられた少なくとも1つの構造部品(90)を備え、
前記少なくとも1つの構造部品(90)は、前記電気モータ(10)の周りに設けられた換気ダクト(40)であることを特徴とする装置に関する。
【0007】
本発明による装置の電気コードの出口孔は、必ずしも縁部、接合部または筐体の部品間接合面のレベルに設ける必要がないため、電気コードの出口孔は筐体の部品の境界の幾何学形状に制約を生じない。さらに、出口孔が配設される筐体要素は、出口孔と筐体要素の縁部とをつなぐ切れ目であって、電気コードをそこに通しながら出口孔に挿入することができる切れ目を備えている。そのため、組立て時には、最初に電気コードを装置のモータに接続しておいて、出口孔を備える筐体要素の組立てである次のステップで、電気コードをいつでも切れ目に通しながら筐体要素の出口孔に挿入することができる。言い換えると、電気コードは、たとえ電気コードがすでに装置に取り付けられていても、筺体要素を装置に取り付けなければならなくなった段階で初めて出口孔に挿入される。さらにもう1つのメリットとして、発生する様々な制約(コード長が最小限、後ろ向きの出口)に応じて、工場での装置の組立てを複雑化することなく、この筐体の部品の1つの上のどの箇所であっても電気コードを筐体から引き出せる可能性が設計者に提供されることが挙げられる。
【0008】
有利には、動力付き基台は、筺体要素を動力付き基台に取り付けたときに切れ目をその全長の少なくとも一部に関してふさぐように設けられた少なくとも1つの構造部品を備える。この実現は、筺体要素が組み立てられた後は切れ目をふさいで装置の内部を隠すことで知覚品質をよくする。
【0009】
有利には、前記少なくとも1つの構造部品は、筺体要素の切れ目の中にはまり込むように構成されたリブを備える。この実現は経済的であるとともに、ほぼ連続した筺体の外面を得ることを可能にする。
【0010】
特に興味深い実施は、切れ目がその全長の少なくとも一部にわたってリブの案内手段を備えることにある。案内手段は組立てを支援して、部品の正しい相対位置が見つかるまで何度も位置決めを行なわずにすむようにする。案内手段は、組立て時に部品を互いにあらかじめ位置決めできるようにして、目視なしでの組立てを可能にする。
【0011】
有利には、前記少なくとも1つの構造部品は電気モータの周りに設けられた換気ダクトである。換気ダクトに複数の機能を集中させることで部品のコストおよび数が抑えられる。
【0012】
有利には、動力付き基台の外装は動力付き基台の前方に設けられた前面パネルを備え、筺体要素は動力付き基台の後方に設けられ、前記少なくとも1つの構造部品は前面パネルと筐体要素の間に挟み込まれる。本発明による装置の組立ては容易であり、電気コードは、部品数を増やすことなく、後方に設けられた筐体要素を通して引き出すことができる。
【0013】
本発明はさらに、
− 前記少なくとも1つの構造部品は前面パネル上に少なくとも1つの位置決めポイントを備えること、
− 前記位置決めポイントに前面パネルと前記少なくとも1つの構造部品の間に設けられた弾性シューを備えること、
− 切れ目は前面パネルの背後に設けられていること、
− 切れ目は装置の下に設けられていること、
− 出口孔はY字形であること、
− 出口孔は装置の背後に設けられていること、
− 作業面に対する下方支持面を画定するように設けられた脚を備えること、
− 動力付き基台は、少なくとも1つの加工ツールを駆動するように設けられた駆動軸を備えること、および駆動軸が減速機を介してモータとつながれていること、
− 駆動軸が動力付き基台に横方向に設けられていること
を特徴とする調理用家電装置に関する。
【0014】
本発明の第2の態様は、動力付き基台を有する調理用家電装置の組立て方法であって、
− 少なくとも1つの電気モータを動力付き基台内に取り付けるステップと、
− 電気モータを配電網に接続するように設けられたプラグと電気モータとの電気接続を果たす電気コードと、電気モータとを接続するステップと、
− 動力付き基台の筐体要素の切れ目の中に電気コードを通すことで、切れ目によって筐体要素の縁部につながれた
筐体要素の出口孔に電気コードが挿入されるようにするステップとを含
み、
前記動力付き基台(100)は、前記筐体要素(30)を前記動力付き基台(100)に取り付けたときに前記切れ目(32)をその全長の少なくとも一部に関してふさぐように設けられた少なくとも1つの構造部品(90)を備え、
前記少なくとも1つの構造部品(90)は、前記電気モータ(10)の周りに設けられた換気ダクト(40)である方法である。
【0015】
本発明のその他の特徴や利点は、何ら限定的でない例として添付の図面によって図解しながら示す本発明の実施形態に関する以下の詳しい説明を読むことでより明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明による装置の下部の後方等測図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明による装置の動力付き基台100の下部の後方等測図を示したものである。動力付き基台100は、この図では見えない前面パネル80と、プラグ21を終端とする電気コード20のための出口孔31を有する後方筐体要素30とを備える。筐体要素30は、出口孔31を前面パネル80に対する筐体要素の突付け縁部33とつなぐ切れ目32をさらに備える。この切れ目32は、装置の組立て時に、電気コード20がすでに装置の電気モータ10に接続されているときに、その縁部33から出口孔31まで電気コード20を通すことができるように設けられているものである。本発明によれば、筺体要素30の中央部に出口孔31を設けても、装置に電気コード20をつなぐ前に電気コード20を出口孔31に通さずにおくことが可能である。必要に応じて筐体要素30を弾性変形させて切れ目32を広げながら、電気コード20を切れ目32に通せばよい。そのため、筺体要素30は、装置への取付けが必要となる場合のみ組立てラインに載せられる。
【0018】
ユーザーが使用後に電気コード20を出口孔31の中に滑り込ませることによって容易に筐体要素30内に仕舞えるようにするため、出口孔31はT字形またはY字形である。
【0019】
最後に、動力付き基台100は、前面パネル80の下に設けられた2つの脚50と後方脚55とを有しており、それらによって作業面に対する下方支持面が画定される。脚50および55は装置に対する三脚型の安定した静定な架台を画定する。
【0020】
図2は、作業台の上に置いた動力付き基台100の矢状断面を示したものである。動力付き基台100は、水平に対して顕著に傾斜して設けられた駆動軸60であって、各種回転切削ツール(図示せず)を駆動するための駆動軸60を備える前面パネル80を有する。動力付き基台100は、食品を切断するのに適した回転数で切削ツールを回転させるための減速機70を形成する歯車列71を介して駆動軸60とつながれた電気モータ10を備える。電気モータ10と駆動軸60の間には、遊星歯車減速機やベルトなど、他の形式の連結を企図することもできる。動力付き基台100の保持構造をなすのは、とりわけ後部筐体要素30と前部筐体要素35によって形成される筐体である。電気モータ10の動作時に発生する冷却空気流は、電気モータ10を取り囲んで空気案内手段および空気流路手段の役割を果たす換気ダクト40によって導かれる。冷却空気流は、換気ダクト40と減速機70の間の隙間および/または減速機70の支持壁に明けた開口部から電気モータ10の第1の端部11の方に入る。次いで冷却空気流は、電気モータ10の反対側の第2の端部12の方に向かい、換気ダクト40と前部筐体要素35の間に挟まれた弾性シュー51を通して換気ダクト40から出た後、前面パネル80によって向きを変えられて空気出口36に向かう。
【0021】
電気モータ10は、換気ダクト40とともに、減速機70に取り付けられる。上述したように、換気ダクト40は弾性シュー51によって前部筐体要素35に対して位置決めされ、一方、減速機70は弾性シュー52によって筐体要素30に位置決めされて、電気モータ10からその動作中に発生する振動が筐体要素30および35に伝わらないようにする。
【0022】
自由端がプラグ21で終わる電気コード20は、もう一方の端部で接続端子22を介して電気モータ10に接続され、出口孔31を通して筺体要素30から引き出される。長さ5センチメートル超の切れ目32は、その全長の一部について換気ダクト40のリブ41によってふさがれ、装置の内部が隠される。
【0023】
図3は、切れ目32とリブ41を
図2に示すC−C軸に沿って示した装置の底部の部分断面である。リブ41は切れ目32をふさいで装置の内部を隠すとともに、この部分断面図が示すように、窪みのないほぼ連続した外面を提供して、ユーザーにとっての質感を向上させる。リブ41は、切れ目32を正しくふさぐように、それ自体は十字形の断面を有しており、ユーザーの視線に対して効果的な目隠しを形成する。筺体要素30もまた、切れ目32のレベルにリブ41の案内手段34を有しており、組立て時に装置に筐体要素30を近接させる際に部品の案内役を果たす基準面を提供することによって組立てを容易にする。
【0024】
したがって、本発明の有利な特徴の1つによれば、動力付き基台100は、筺体要素30を動力付き基台100に取り付けたときに切れ目32をその全長の少なくとも一部についてふさぐように構成された少なくとも1つの構造部品90を備える。図に示した実施例では、構造部品90は筐体要素30の切れ目32の中に設けたリブ41を備える。より詳細には、構造部品90は、電気モータ10の周りに設けられた換気ダクト40に属する。
【0025】
したがって、本発明は、少なくとも1つの電気モータ10と、電気モータ10を配電網につなぐために設けられたプラグ21と電気モータ10の間の電気的接続を果たす電気コード20と、動力付き基台100の外装を部分的に形成する筐体要素30であって、電気コード20を動力付き基台100から引き出すための出口孔31を有する筐体要素30とを備える動力付き基台100を有する調理用家電装置に関する。筐体要素30は出口孔31を筐体要素30の縁部33につなぐ切れ目32をさらに備えており、それによって装置の組立て時に電気コード20を筐体要素30の切れ目32に通して電気コード20を出口孔31に挿入できるようにする。
【0026】
図示した実施例では、動力付き基台100は、筺体要素30を動力付き基台100に取り付けたときに切れ目32をその全長の少なくとも一部に関してふさぐように設けられた少なくとも1つの構造部品90を備える。有利には、少なくとも1つの構造部品90は、筺体要素30の切れ目32の中にはまり込むように設けられたリブ41を備える。切れ目32は、その全長の少なくとも一部にわたってリブ41の案内手段34を備える。少なくとも1つの構造部品90は電気モータ10の周りに設けられた換気ダクト40である。動力付き基台100の外装は、動力付き基台100前方に設けられた前面パネル80を備える。筐体要素30は動力付き基台100後方に設けられる。少なくとも1つの構造部品90は前面パネル80と筺体要素30の間に挟み込まれる。少なくとも1つの構造部品90は前面パネル80に少なくとも1つの位置決めポイントを備える。装置は、前面パネル80と少なくとも1つの構造部品90の間の位置決めポイントに設けられた弾性シュー51を備える。切れ目32は前面パネル80の背後に設けられる。切れ目32は装置の下に設けられる。出口孔31はY字形である。出口孔31は装置の背後に設けられる。装置は、作業面に対する下方支持面を画定するように設けられた脚50、55を備える。動力付き基台100は、少なくとも1つの加工ツール(図示せず)を駆動するように設けられた駆動軸60を備える。駆動軸60は減速機70によってモータと連結される。駆動軸60は動力付き基台100に横方向に設けられる。
【0027】
本発明は、動力付き基台100を有する調理用家電装置の組立て方法であって、
− 少なくとも1つの電気モータ10を動力付き基台内に取り付けるステップと、
− 電気モータ10を配電網に接続するように設けられたプラグ21と電気モータ10との電気接続を果たす電気コード20と電気モータを接続するステップと、
− 動力付き基台100の筐体要素30の切れ目32の中に電気コード20を通すことで、切れ目32によって筐体要素30の縁部33につながれた筺体要素30の出口孔31に電気コード20が挿入されるようにするステップとを含む方法にも関する。
【0028】
本明細書に記した本発明の実施形態に対して、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の枠組みから外れることなく、当業者には自明な様々な変更および/または改善を加えることができることは理解されよう。とりわけ、5センチメートルの長さを有する切れ目について述べたが、電気コードの出口孔を配設する筐体要素の縁部から離れたところに出口孔を設けるために、本発明では切れ目の長さを10センチメートル超とすることを企図することが可能である。