(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
最終生成物(B)を形成するために流体(F)が加えられるべき初期生成物(P)を収容するのに適したキャビティ(5)を画定するベース壁(3)および側壁(4)を備える変形可能および/または押し潰し可能なケーシング(2)であって、前記ケーシング(2)が縁部(6)を含むと共に、前記側壁(4)が予め定められた柔軟なラインを含み且つ当該柔軟なラインに沿って変形可能および/または圧縮可能になっている、ケーシング(2)と、
前記キャビティ(5)を密閉するために前記縁部(6)に固定される被覆要素(19)と、
長手方向側壁(110;210;310;410;510;610)と、淹出マシンの前記流体(F)の注入手段と係合するのに適した第1の開口(113;213;313;413;513;613)が設けられ且つ前記被覆要素(19)に固定された第1の端部(108;208;308;408;508;608)と、を備えるノズル(107;207;307;407;507;607)であって、前記長手方向側壁(110;210;310;410;510;610)には、注入ステップ(J)において前記流体(F)を前記キャビティ(5)内に導入するために第1のダクト(114;214;314;414;514;614)を通じて前記第1の開口(113;213;313;413;513;613)に連通させられる少なくとも1つの流出開口(111;211;311;411;511;611)が設けられる、ノズル(107;207;307;407;507;607)と、
を備えるカプセルにおいて、
前記ノズル(107;207;307;407;507;607)は、前記長手方向側壁(110;210;310;410;510;610)に沿って形成される少なくとも1つの送出開口(118;218;318;418;518;618)と、前記第1の端部(108;208;308;408;508;608)の反対側にある第2の端部(109;209;309;409;509;609)と、を備えると共に、前記キャビティ(5)内に配置され、前記第2の端部(109;209;309;409;509;609)は、前記ベース壁(3)の出口開口(31)を貫通して前記キャビティ(5)から部分的に出るとともに、第2のダクト(117;217;317;417;517;617)を通じて前記送出開口(118;218;318;418;518;618)に連通させられる第2の開口(116;216;316;416;516;616)が設けられていて、
前記送出開口(118;218;318;418;518;618)および前記第2のダクト(117;217;317;417;517;617)は、送出ステップ(E)において前記最終生成物(B)が前記第2の開口(116;216;316;416;516;616)を通じて前記キャビティ(5)から抜け出て収集容器内へ直接的に送られ得ることを特徴とするカプセル。
前記第1のダクト(114;214;314)および前記第2のダクト(117;217;317)は、並んで配置されるとともに、特に前記ノズル(107;207;307)の長手方向軸(X)と平行に、前記ノズル(107;207;307)の全長に実質的にわたって延びる請求項1または2に記載のカプセル。
前記第1のダクト(114;214;314)および前記第2のダクト(117;217;317)は、前記ノズル(107;207;307)の長手方向軸(X)と実質的に揃えられて重ね合わされる請求項1または2に記載のカプセル。
前記流出開口(111;211;311)が前記第2の端部(109;209;309)の近傍に形成され、前記送出開口(118;218;318)が前記第1の端部(108;208;308)の近傍に形成される請求項1から4のいずれか一項に記載のカプセル。
前記流出開口(411;511;611)および前記送出開口(418;518;618)が前記第1の端部(408;508;608)の近傍に形成される請求項1から4のいずれか一項に記載のカプセル。
前記長手方向側壁(210;310)に沿って互いから離間して形成されるとともに前記第1のダクト(214;314)を通じて前記第1の開口(213,313)に連通させられる複数の流出開口(211;311)と、前記長手方向側壁(210;310)に沿って互いから離間して形成されるとともに前記第2のダクト(217;317)を通じて前記第2の開口(216,316)に連通させられる複数の送出開口(218;318)とを備える請求項1から4のいずれか一項に記載のカプセル。
前記最終生成物(B)が前記キャビティ(5)から抜け出ることができるとともに前記ノズル(107;207;307;407;507;607)が前記キャビティ(5)から更に抜け出ることができるようにするために、前記側壁(4)は、前記ベース壁(3)を横断する、特に前記ベース壁(3)と直交する方向(A)に沿って圧縮可能および/または押し潰し可能である請求項1から7のいずれか一項に記載のカプセル。
前記ノズル(107;207;307;407;507;607)は、前記出口開口(31)内に挿入されるとともに、前記出口開口(31)内で干渉を伴ってシール状態でスライドする請求項1から8のいずれか一項に記載のカプセル。
前記ノズル(407;507;607)が環状突起(425;525;625)を備え、該環状突起は、前記送出開口(418;518;618)と隣り合って配置されるとともに、前記ケーシング(2)の圧縮および/または完全な押し潰しを回避するように配置されて、前記カプセル(1)からの前記ノズル(407;507;607)の完全な抜け出しを防止する請求項1から9のいずれか一項に記載のカプセル。
少なくとも前記第2の開口(116)および前記キャビティ(5)を密閉するために、前記第2の端部(109)の外周縁(109a)におよび/または前記ベース壁(3)の外面に取り外し可能に固定される閉塞要素(139)を備える請求項1から10のいずれか一項に記載のカプセル。
前記被覆要素(19)は、前記被覆要素(19)と前記ノズル(107;407)の前記第1の端部(198;408)との間に流体シールを形成するために、前記ノズル(107;407)の前記第1の端部(108;408)に対して溶着により固定される請求項12に記載のカプセル。
前記閉塞要素(139)により閉じられる前記第2のダクト(117;217;317;417;517;617)内に収容されるとともに前記送出ステップ(E)の前に前記第2の開口(116;216;316;416;516;616)を通じて前記収集容器内へ直接に送出可能な固体生成物(UP)を備える請求項11または請求項11に従属する請求項12または13に記載のカプセル。
前記固体生成物(UP)が前記キャビティ(5)へ向けて前記第2のダクト(117;217;317;417;517;617)から抜け出るのを前記送出開口(118;218;318;418;518;618)が防止するように、前記固体生成物(UP)は、前記送出開口(118;218;318;418;518;618)の幅よりも大きい、または該幅と同じ少なくとも1つの寸法を有する単一の要素から構成される請求項14に記載のカプセル。
前記固体生成物(UP)が前記キャビティ(5)へ向けて前記第2のダクト(117;217;317;417;517;617)から抜け出るのを前記送出開口(118;218;318;418;518;618)が防止するように、前記固体生成物(UP)は、前記送出開口(118;218;318;418;518;618)の幅よりも大きい、または該幅と同じ少なくとも1つの寸法をそれぞれが有する複数の要素から構成される請求項14に記載のカプセル。
前記要素は、例えば甘味料または穀物のような均質要素である、または、前記要素は、例えば甘味料と穀物との混合物のような非均質要素である請求項16に記載のカプセル。
前記最終生成物(B)を前記収集容器内へ送出する前に前記最終生成物(B)の特性を変えるために、前記第2のダクト(117;217;317;417;517;617)内に収容され前記最終生成物(B)と相互に作用するための相互作用手段を備える請求項1から17のいずれか一項に記載のカプセル。
前記相互作用手段は、渦流を形成するための要素、および/または、濾過機能を果たすための、または代わりに前記最終生成物(B)中に存在する想定し得る泡を減少させる若しくは排除するための有孔要素を備える請求項18に記載のカプセル。
渦流を形成するための前記要素は、螺旋突起(530)が設けられる長手方向側壁(529)を有する長尺状の管形状挿入体(528)を備え、前記螺旋突起は、少なくとも前記挿入体(528)の一部に沿って、好ましくは前記挿入体(528)の全体に沿って長手方向に延びる請求項19に記載のカプセル。
前記カプセル(1)は、前記第2のダクト(117;217;317;417;517;617)の滑らかな壁(532)と前記突起(539)が設けられる前記挿入体(528)の前記側壁(529)との間に環状隙間(531)を有し、前記環状隙間(531)は、前記渦流を形成するための螺旋チャネルを有する請求項20に記載のカプセル。
前記閉塞要素(139)が接合縁部(139a)を備え、前記接合縁部(139a)は、第1の部分(239a)がブロッキングシールによって前記ベース壁(3)の前記外面に固定されるとともに、第2の部分(239b)が剥離可能シールによって前記ベース壁(3)の前記外面に固定され、前記ブロッキングシールは、前記接合シール(139a)を前記ベース壁(3)から取り外すために前記剥離可能シールよりも大きな力を要し、それにより、前記第1の部分(239a)の前記取り外し前に前記第2の部分(239b)の前記取り外しを促す請求項11または請求項11に従属する請求項12から21のいずれか一項に記載のカプセル。
前記第1の部分(239a)は、80°と110°の間の角度、特に好ましくは100°の角度を成す第1の角度区間で延び、前記第2の部分(239b)は、前記第1の角度区間の残りである第2の角度区間で延び、前記第1の部分(239a)および前記第2の部分(239b)が前記接合縁部(139a)の全体にわたって延びる請求項22に記載のカプセル。
前記第2の部分(239b)は、少なくとも1つの取り外し部(240)を備える取り外し促進手段を備え、前記第2の部分(239b)は、前記取り外し部(240)で、前記ベース壁(3)からの前記接合縁部(139a)の漸進的で進行的な分離を容易にするために略「V」形状または楔形状を有する請求項22または23に記載のカプセル。
前記閉塞要素(139)は、前記第1の部分(239a)から延びる前記接合縁部(139a)の接続部から外側に延びる長尺タブ(39b)を備える請求項21から26のいずれか一項に記載のカプセル。
前記ノズル(107;207;307;407;507;607)の前記第2の端部(109;209;309;409;509;609)は、前記第2の開口(116;216;316;416;516;616)の周囲を取り囲むとともに前記カプセル(1)の初期形態(K)で前記ベース壁(3)の外面に当接する外部フランジ(109a;209a;309a;409a;509a;609a)を有する請求項1から27のいずれか一項に記載のカプセル。
前記流体の前記導入前に、前記ノズル(107;307;407;507;607)の前記第2の開口(116;316;416;516;616)を密閉するために前記カプセル(1)に固定された閉塞要素(139)を除去するステップを備え、前記除去するステップは、特に、前記ノズル(107;307;407;507;607)を前記キャビティ(5)から更に抜け出させて前記閉塞要素(139)を除去するべく、前記ケーシング(2)を部分的に圧縮するおよび/または押し潰すことを含む請求項29に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本明細書中では、同じ要素が様々な図において同じ数字により示される。
【0022】
図1〜
図5、
図11、および、
図12を参照すると、本発明に係るカプセル1が示され、該カプセルは、初期生成物Pを収容するとともに、カプセル内に加圧流体を注入することにより最終生成物B、例えばコーヒー、大麦、茶などの飲料を生成するべく自動淹出マシンにおいて使用できる。
【0023】
初期生成物Pは、例えば、可溶性の、凍結乾燥した、濃縮された、煎じるために浸出可能な食品である。
【0024】
カプセル1は、キャビティ5を画定するベース壁3および側壁4を有するグラスまたはカップの形状をほぼ成す外部ケーシング2または容器を備え、キャビティ5は、開放するとともに、初期生成物Pを収容するのに適しており、初期生成物Pから最終生成物Bを得ることができる。
【0025】
ケーシング2は、圧縮可能および/または押し潰し可能および/または変形可能であり、熱成形可能な材料シート、特に液体および気体を透過しない多層プラスチックの成形によって得られるとともに、食料品との接触に適している。
【0026】
カプセル1の長手方向軸と略平行で且つベース壁3と略直交する方向Aに沿ってケーシング2を圧縮して押し潰すことができるようにするため、側壁4は、例えば螺旋傾向を有する予め定められた柔軟なライン17に沿って変形できおよび/または圧縮でき、あるいは、
図12に示される実施形態の場合のようにアコーディオンまたはベローズの形状に形成される。
【0027】
また、側壁4は、ベース壁3を発端として外周フランジ形状縁部6に至るまで広がり、それにより、例えば略円錐台形状を有する。
【0028】
ベース壁3は、例えば、キャビティ5の方向に凹んでいる。
【0029】
カプセル1は、最終生成物Bを得るために初期生成物Pと相互に作用できる流体F、特に加圧高温液体、例えば水をキャビティ5内へ導入するように配置されるケーシング2に連結されるノズル107を備える。
【0030】
ノズル107は、長手方向側壁110と互いに反対側の第1の端部108および第2の端部109とを有する長尺な硬質管状部材を備える。第1の端部108には、流体Fを送出できる淹出マシンの注入手段と係合するように配置される第1の開口113が設けられ、一方、長手方向側壁110には、第1のダクト114を介して第1の開口113に流通接続される少なくとも1つの流出開口111が設けられ、該流出開口は、以下の記載において最も良く説明されるように、注入ステップJにおいて流体Fをキャビティ5内へ導入するように配置される。
【0031】
カプセル1の図示しない変形において、ノズルには、それぞれの流体噴流Lをキャビティ5内へ送出するように配置される複数の流出開口111が設けられる。
【0032】
第2の端部109には、長手方向側壁110に形成される送出開口118に対して第2のダクト117を介して流通接続される第2の開口116が設けられる。送出開口118、第2のダクト117、および、第2の開口116は、最終生成物Bがキャビティ5から抜け出ることができるようにするとともに、以下の記載において最も良く説明されるように、送出ステップEにおいて最終生成物Bを収集容器内へ直接に送出できるようにする。
【0033】
第1のダクト114および第2のダクト117は並んで配置され、特に、これらのダクトは、互いに平行であるとともにノズル107の長手方向軸Xに対して平行であり、ノズルのほぼ全長にわたって延びる。図示の実施形態では、流出開口111が第2の端部109の近傍に形成され、一方、送出開口118が第1の端部108の近傍に形成される。
【0034】
特に
図2を参照すると、ケーシング2が圧縮も押し潰しもされないカプセル1の初期形態Kにおいて、ノズル107は、第2の端部109がベース壁3に形成される出口開口31を通じて前述したキャビティ5から部分的に出る状態でキャビティ5の内側に配置される。ノズル107は、出口開口31に挿入して、出口開口31内で干渉を伴って(したがって、液圧シールを形成する)スライドできる。すなわち、そのような方法では、以下の記載において最も良く説明されるように、最終生成物Bは、ノズル107のみを通じて、特に、送出開口118、第2のダクト117、および、第2の開口116を通じてカプセル1から抜け出ることができる。
【0035】
ノズル107の第2の端部109は、第2の開口116の周囲を取り囲む外部フランジ109aを有する。カプセル1の初期形態Kでは、外部フランジ109aがベース壁3の外面に当接する。
【0036】
ノズル107の第2の開口116を密閉するために、キャビティ5を外部環境から隔離する閉塞要素139が設けられる。例えばディスクの形状を成す閉塞要素139は、例えば環状の接合縁部139aを備え、この接合縁部139aによって閉塞要素がベース壁3の外面に除去可能に固定される。閉塞要素139は、ケーシング2の初期部分押し潰しステップにおいてノズル107により、または、この場合も先と同様、キャビティ5の内側に収容される空気の圧力により、ベース壁3から自動式に容易に取り外されてもよく、また、キャビティ5の内側に収容される空気は、注入ステップJ中に流体Fをカプセル内へ導入することにより、外側に押し出される。
【0037】
更に、閉塞要素139は、カプセル1を淹出マシン内へ挿入する前に、ユーザによって手作業でベース壁3から容易に取り外されてもよく、この場合、好ましい実施形態によれば、閉塞要素には、接合縁部139aの接続部を発端として外側へ延びる長尺タブ139bが設けられる。
【0038】
タブ139bを備える、または欠く閉塞要素139は、例えば熱的に、または超音波によって溶着可能なプラスチックまたはアルミニウムから形成され、また、接合縁部139aは、特に、ブロッキングシールにより第1の部分239aによって、および、剥離可能シールにより第2の部分239bによって、ベース壁3の外面に固定される。第1の部分239aを解放する前に接合縁部139aの第2の部分239bの解放を促すべく、ブロッキングシールは、ベース壁3から接合縁部139aを取り外すために、剥離可能シールと比べて大きな力を要する。
【0039】
第1の部分239aは、80°〜100°、特に好ましくは100°を成す第1の角度区間で延び、また、第2の部分239bは、第1の角度区間の残りである第2の角度区間で延びる。言い換えると、第1の部分239aおよび第2の部分239bが接合縁部139a全体にわたって延びる。
【0040】
閉塞要素139に長尺タブ139bが設けられる場合、接合縁部139aの接続部は、本明細書中の以下で最も良く分かる理由により、ブロッキングシールにより固定される第1の部分239aから延びる。
【0041】
剥離可能シールにより固定される第2の部分239bは、ベース壁3からの接合縁部139aの漸進的で進行的な分離を促すための取り外し促進手段を備え、この取り外し促進手段は少なくとも1つの取り外し部240を備え、該取り外し部240で第2の部分239bがほぼ「V」形状または楔形状を有する。
【0042】
好ましくは、第2の部分239bの全体に沿うそのような解放の効率を分配するために、取り外し促進手段は、
図12に示されるように、等しい角度間隔を成す複数の取り外し部240を第2の部分239bに備える。
【0043】
逆に、ブロッキングシールにより固定される第1の部分239aは取り外し促進手段を欠いており、したがって、ブロッキングシールおよび剥離可能シールの両方が閉塞要素139をベース壁3に除去可能に固定できるようにするが、ブロッキングシールは、第2の部分239bに対する第1の部分239aの解放を可能にするために剥離可能シールと比べて大きな力を要する。
【0044】
タブ139bが存在するとともに、1つの取り外し部240のみ(図示せず)が存在する場合、取り外し部240は、タブ139bに対して反対側で、タブ139bの対称軸Sに沿う第2の部分239bに配置される。
【0045】
このようにすると、閉塞要素139がノズル107によって押されて自動式に取り外されるときに、第1の部分239aは、ベース壁3に接続されたままであって、ヒンジ要素としての役目を果たし、このヒンジ要素の周りで接合縁部139aの第2の部分239aを備える閉塞要素139の部分がベース壁3から離れるように回転できる。
【0046】
図示しない実施形態によれば、閉塞要素139は、第2の開口116を密閉するべく外部フランジ109aに除去可能に固定されてもよい。この場合、閉塞要素は、カプセル1を淹出マシン内へ挿入する前にユーザにより手作業で取り外されなければならない。
【0047】
カプセル1は、キャビティ5を密閉するためにケーシング2の縁部6に固定される被覆要素19を更に備える。被覆要素19は、特に淹出マシンの注入手段によって穿孔可能であり、それにより、注入手段は、ノズル107の第1の開口113と係合して、ノズル107を通じて流体Fをカプセル内へ導入できる。
【0048】
被覆要素19は、溶着によってノズル107の第1の端部108にも固定され、それにより、出口開口31と協働して前述したノズル107をキャビティ5内の所定位置に保持し、とりわけ、被覆要素19と前述した第1の端部108との間に流体シールを形成する。このようにすると、第1の開口113でノズル107から受けられる流体Fが流出開口111のみを通じて生成物Pの収容キャビティへ送出されるとともに、第1の端部108での流体Fの望ましくない漏れが回避される。
【0049】
閉塞要素139および被覆要素19の両方は、カプセル内に収容された初期生成物Pを水分および酸素から経時的に保護するために、選択された材料、例えば、多層プラスチックポリラミネートから形成される。そのような多層プラスチックは、例えば、アルミニウムまたは異なるバリア層、例えばエチレンビニルアルコール(EVOH)またはポリ塩化ビニリデン(PVDC)を含有する。多層プラスチックが例えばアルミニウムを含有する場合には、多層プラスチックを再生可能プラスチックと見なすことができず、したがって、多層プラスチックは、廃棄物処理の目的で、カプセルを構成する残りのプラスチックから分けられなければならない。
【0050】
自動淹出マシンにおける本発明のカプセル1の動作または使用は、ケーシング2の部分的な押し潰しの初期ステップをもたらし、それにより、ノズル107は、出口開口31内で干渉を伴ってスライドして、出口開口31から更に抜け出ることができ、閉塞要素139を少なくとも部分的に取り外すことができる。実際に、第2の部分239bを備える閉塞要素139の部分は、依然としてベース壁に接続される第1の部分239aの周りでベース壁3から離れるように回転し、139のヒンジラインとしての役目を果たす。
【0051】
閉塞要素139の取り外しは、部分的であっても、送出開口118、第2のダクト117、および、第2の開口116を通じてキャビティ5を外部環境と流通接続された状態にする。このようにすると、カプセル1の内側に収容される空気は、連続注入ステップJにおいて流体Fがノズル107の流出開口111を通じてキャビティ5内へ導入されるときに自由に抜け出ることができる。ノズル107は、流体Fをキャビティ内に導入するために流出開口111がとにかくキャビティ5内にとどまるようにするべく(
図4)、少ない量だけカプセル1から出る。
【0052】
ノズル107には、被覆要素19を穿孔して第1の開口113と係合することができる淹出マシンの注入手段によって供給される。
【0053】
あるいは、閉塞要素139は、カプセル1を淹出マシン内へ挿入する前にユーザにより手作業で除去されてもよい。この場合、ケーシング2は、流体Fの注入ステップJの前および/または最中に部分的に圧縮されて押し潰される必要がない。
【0054】
注入ステップJにおいて、ノズル107を通じて挿入される流体Fは、最終生成物Bを徐々に形成するために初期生成物Pと相互に作用し得る。このステップでは、カプセル1のケーシング2が部分的に押し潰される(前述したようにノズルが閉塞要素139を取り外すことができるようにするため)とともに、ノズル107の第2の端部199が出口開口31内に係合されてシール嵌合する。送出開口118がノズル107の第1の端部108の近傍にあるため、流体F、流体と初期生成物Pとの混合物、および、カプセル1の底部で次第に生じる最終生成物Bは、第2の開口116を通じてカプセルの外部に出ることができない。
【0055】
キャビティ5内へ導入される流体Fの圧力および温度は、初期生成物Pのタイプおよび組成に応じて適切に調整されなければならない。
【0056】
最終生成物Bを形成するべくキャビティ5が初期生成物Pと相互に作用する流体Fで完全に満たされた時点で、送出ステップEにおいて、適切に配置される収集容器内へ直接に最終生成物を送出することができる。
【0057】
送出ステップは、ノズル107が出口開口31を通じてキャビティ5から更に抜け出ることができるようにするべく、とりわけ、送出開口118、第2のダクト117、および、第2の開口116を通じて最終生成物Bをキャビティ5から抜け出させるべく、方向Aに沿ってケーシング2を次第に圧縮して押し潰すことによって実施されてもよい。ノズル107の長手方向側壁110が出口開口31内に干渉を伴って当接して、その後、出口開口31内においてシール状態でスライドするため、また、ケーシング2を押し潰して圧縮することによりキャビティ5が閉じられるため、キャビティ内に収容される最終生成物Bは、実際には、圧力によって押し進められて送出開口118に入り、第2のダクト117および第2の開口116を通じてカプセル1から出る。
【0058】
ケーシング2の斬新的な押し潰し中、および、結果として生じるノズル107の抜け出し中に、ノズル107の流出開口111がカプセル1の外側にあると、流体Fも収集容器内へ直接に更に送出することができる。より正確には、ノズル107は、最終生成物を更に薄めて所望用量の最終生成物を形成するために、流体F(第1のダクト114および流出開口111を通じて)と最終生成物B(第2のダクト117および第2の開口116を通じて)とを同時に送出できるようにする。本発明のカプセル1を使用すると、公知のカプセルの場合にはユーザにより手作業で実施されなければならないそのような動作を代わりに淹出マシンによって自動式に行うことができる。
【0059】
本発明のカプセル1が(送出ステップE中に)最終生成物Bのみをその可溶化および/または溶解の終わりに容器内へ送出できるようにすることに留意すべきである。実際に、ノズル107の形態は、最終生成物Bの調製ステップ中にカプセル1からの流体Fの不測の抜け出しも防止する。
【0060】
あるいは、送出ステップEは、最初は、流体Fをキャビティ5内へ注入し続け、それにより、圧力の作用に起因して最終生成物Bをカプセル1から抜け出させることによって行われてもよい。その後、ケーシング2を完全に圧縮して押し潰すことにより、カプセルからの最終生成物Bの完全な流出が行われる。
【0061】
なお、そのような送出モードを用いても、最終生成物Bを薄めて、カプセル容量よりも多い所望の量の最終生成物を形成することができる。本発明のカプセル1を使用すると、公知のカプセルの場合にはユーザにより手作業で実施されなければならないそのような動作を代わりに淹出マシンによって自動式に行うことができる。
【0062】
被覆要素19および/または閉塞要素139が例えばアルミニウムを含有する多層プラスチックで形成される場合にそれらをケーシング2およびノズル107から分離できるのと確かに同様に、再生可能プラスチック中の成分を再生不可能成分から分離するべく、送出動作の終わりに、ユーザは、被覆要素19の除去(そのような目的のため、図示しない実施形態では、被覆要素に長尺タブを設けることもできる)および/または閉塞要素139の除去を手作業で完了してもよい。
【0063】
閉塞要素139に関して、ユーザは、第2の部分239bを備える閉塞要素139の既に取り外された部分を握ることによって閉塞要素をカプセル1から分離してもよく、あるいは、ユーザは、好適には、接合縁部139の第1の部分239aに接続されるタブ139bが存在する場合には、そのタブ139bを握り、それにより、最終生成物Bの送出動作中に前述した既に取り外された部分と接触した場合に汚染されるおよび/または濡れることが回避される。
【0064】
したがって、自動淹出マシン内で本発明のカプセル1を使用して最終生成物Bを生成するための方法を規定することができ、該方法は、以下のステップ、すなわち、
注入ステップJにおいて、ノズル107の第1の開口113、第1のダクト114、流出開口111を通じて流体Fをカプセル1のキャビティ5内に導入して、流体Fが前記カプセル1内に収容される初期生成物Pと相互に作用するようにするステップと、
送出ステップEにおいて、少なくともノズル107の送出開口118、第2のダクト117、および、第2の開口116を通じて、そのように得られた最終生成物Bを収集容器内へ直接に送出するステップであって、前記送出するステップは、送出開口118、第2のダクト117、および、第2の開口116を通じて最終生成物Bをキャビティ5から圧力によって抜け出させるために、流体Fをキャビティ5内に導入し続けること、および/または、カプセル1のケーシング2を漸進的に圧縮して押し潰すことを含む、ステップと
を備える。
【0065】
流体Fを導入する前に、更に、ノズル107の第2の開口116の密封シールカプセル1に固定される閉塞要素139を除去するようにし、前記除去は、ノズル107をキャビティ5から更に抜け出させて閉塞要素139を少なくとも部分的に取り外すべくケーシング2を部分的に圧縮しておよび/または押し潰すことを含む。
【0066】
本発明のカプセル1がベース壁3の穿孔を行う必要なく最終生成物Bを収集容器内に直接に送出できることに注目すべきである。ベース壁3の出口開口31を通じてキャビティ5から抜け出るノズル107は、送出するステップ中に送出開口118、第2のダクト117、および、第2の開口16を通じた収集容器内への直接的な最終生成物Bの制御された抜け出しを可能にする。
【0067】
したがって、送出回路を備えない淹出マシンで本発明のカプセル1を使用することができる。これは、そのようなカプセルが、最終生成物の抜け出しを可能にするためにカプセルの底部を穿孔するのに適した抽出手段も、そのような最終生成物を収集容器(例えば、マグ、カップ、グラスなど)内へ運ぶためのダクト手段も必要としないからである。
【0068】
送出回路の欠如は、淹出マシンを更に簡単にかつ更に安価にするとともに、送出プロセスの衛生状態および送出飲料の品質の維持を更に確保する。これは、その後の瞬間に送出される飲料間の汚染が起こり得ないからである。
【0069】
本発明のカプセル1の別の利点は、調製ステップにおいておよびその後に送出ステップにおいて淹出マシンの注入手段が初期生成物Pおよび/または混合物/最終生成物Bと接触することをカプセルが防止するという点である。実際に、カプセル1のノズル107は、第1の端部108の第1の開口113により、淹出マシンの注入手段と係合されるように配置される。そのような方法では、第1の端部108でノズル107に溶着される被覆要素19のおかげにもより、注入手段は、それらが前記第1の開口113内に挿入されて第1の開口113に係合されるときにも、キャビティ5および初期生成物Pから分離されて隔離される。したがって、注入手段を備えるマシンの供給回路は、初期生成物および/または最終生成物によって汚染されず、または汚されず、これにより、送出プロセスの衛生状態および各送出動作時における最終生成物の品質が確保される。
【0070】
カプセル1の更なる利点は、初期生成物Pを保護するために被覆要素19および閉塞要素139がキャビティ5を外部環境から密閉隔離するので、カプセルが特別なシールパッケージを必要としないという点である。
【0071】
図6は、カプセルがそれぞれの長手方向側壁210と互いに反対側のそれぞれの第1の端部208およびそれぞれの第2の端部209とを有するとともにノズル107に類似する形状を有するそれぞれのノズル207を備えるがために
図1〜
図5において参照されて前述した実施形態とは異なるカプセル1の変形を示す。ノズル207は複数のそれぞれの流出開口211を備え、これらの流出開口211は、長手方向側壁210に沿って長手方向側壁のほぼ全長にわたって互いに離間して形成されるとともに、それぞれの第1のダクト214によって、第1の端部208に設けられるそれぞれの第1の開口213に接続される。また、ノズル207は複数のそれぞれの送出開口218も含み、これらの送出開口218は、前記長手方向側壁210に沿って長手方向側壁のほぼ全長にわたって互いに離間して形成されるとともに、それぞれの第2のダクト217によって、第2の端部209に設けられるそれぞれの第2の開口216に接続される。流出開口211および送出開口218はほぼ反対側である。ノズル207は、
図3の外部フランジ109aと類似するそれぞれの外部フランジ209aを備える。
【0072】
そのようなカプセルは、浸出されるべき初期生成物P、一般的にはコーヒー粉末と共に使用するのに特に適している。実際に、流出開口211は、流体Fがキャビティ5内に収容される初期生成物の塊に略均一な完全な方法で浸透できるようにする。適切に寸法付けられた送出開口218は、初期生成物Pを保持してその抜け出しを防止しつつ、最終生成物Bの抜け出し(浸出)を可能にする。
【0073】
自動淹出マシン内における本発明のカプセル1のこの変形の動作または使用は、ケーシング2の部分的な押し潰しの初期ステップ(
図6に破線で表わされる)をもたらして、ノズル207が閉塞要素139を少なくとも部分的に取り外す(したがって、送出開口218、第2のダクト214、および、第2の開口216を通じてキャビティ5を外部環境に接続する)ことができるようにするとともに、とりわけカプセル1内の初期生成物Pを圧縮して凝集させる。ケーシング2の押し潰し度合いは、初期生成物Pの圧密度を確保するように計算されるとともに、高品質な満足できる官能特性を有する最終生成物B(コーヒー)を形成するべく浸出中に流体Fの優先的な通過経路の形成を妨げる。また、熱成形可能プラスチックにおいて低コストで得ることができる圧縮可能でかつ押し潰し可能なケーシング2を使用することもできる。
【0074】
この場合、注入ステップおよび送出ステップは同時に起こる。これは、流体Fが注入されて流出開口211を通じてキャビティ5内へと抜け出る間、浸出により形成される最終生成物Bが送出開口218を通じてキャビティから抜け出るからである。ノズル207がフィルタとして作用し、それにより、最終生成物Bを抜け出させて収集容器内へ直接に送出できるとともに、浸出された初期生成物をカプセル内に保持することに留意すべきである。
【0075】
自動淹出マシン内で前述したカプセルの変形を使用することにより最終生成物Bを生成するための方法は、
浸出されるべき初期生成物P、特にカプセル内に収容されるコーヒー粉末を圧縮して凝集させるためにケーシング2を圧縮して押し潰すステップと、
注入ステップJにおいて、特に浸出によって流体Fを初期生成物Pと相互に作用させて最終生成物Bを形成するために、ノズル207の第1の開口213、第1のダクト214、および、流出開口211を通じて流体Fをカプセル1のキャビティ5内に挿入するステップと、
送出ステップEにおいて、ノズル207の送出開口218、第2のダクト217、および、第2の開口216を通じて最終生成物Bを収集容器内に直接に送出するステップであって、前記送出するステップは、送出開口218、第2のダクト217、および、第2の開口216を通じて最終生成物Bをキャビティ5から圧力によって抜け出させるために、流体Fをキャビティ5内に注入し続けることを含む、ステップと、
を備える。
【0076】
図7は、カプセルがそれぞれの長手方向側壁310と、互いに反対側のそれぞれの第1の端部308およびそれぞれの第2の端部309とを有する
図6のノズル207に類似するそれぞれのノズル307を備えるがために
図6のカプセルとは異なるカプセル1の変形を示す。
【0077】
ノズル307は、
図3の外部フランジ109aと類似するそれぞれの外部フランジ309aを備える。
【0078】
ノズル307は、ノズル207に関して説明されたものとは異なり、長手方向側壁310に沿って長手方向側壁のほぼ全長にわたって互いに離間して形成される複数のそれぞれの流出開口311と、前記長手方向側壁310に沿って互いに離間して形成されるがケーシング2のベース壁3から予め設定された距離Hを隔てて第1の端部308の近傍のみに配置される複数のそれぞれの送出開口318とを備える。ノズル307は、
図3の外部フランジ109aに類似するそれぞれの外部フランジ309aを備える。
【0079】
そのようなカプセルは、煎じ出しのための初期生成物Pと共に使用するのに特に適している。適切に寸法付けられた送出開口318は、ケーシング2が圧縮されて押し潰されるときにのみ、初期生成物P(例えば、茶葉)を保持してその抜け出しを防止しつつ、最終生成物Bの抜け出し(浸出)を可能にし、それにより、流体の注入ステップと送出ステップとの間で成される初期生成物の事前煎じ出しを可能にする。より正確には、自動淹出マシン内における本発明のカプセル1のこの変形の動作または使用は、
ノズル307が閉塞要素139を少なくとも部分的に取り外すことができるようにするためにケーシング2を部分的に押し潰し、これにより、キャビティ5を外部環境と接続する初期ステップと、
送出開口318の高さよりも下側のレベルHに達するまで流出開口311を通じて流体Fがキャビティ5内へ導入される注入ステップJと、
煎じ出しによって最終生成物(茶)を形成できるようにする初期生成物Pに応じて変化し得る継続時間を伴う事前煎じ出しステップと、
最終生成物Bをカプセル1からノズル307の送出開口311、第2のダクト317、および、第2の開口316を通じて収集容器内へと直接に抜け出させることができるようにケーシング2が圧縮されて押し潰される送出ステップと
をもたらす。
【0080】
事前煎じ出しステップ後、送出ステップの前に、流出開口311を通じて流体Fをキャビティ5内へ更に注入することができる。これにより、ケーシング2の押し潰し前に、最終生成物Bを薄めて、カプセル1の容量よりもよりも多い所望の量の最終生成物を形成することができる。本発明のカプセル1を使用すると、公知のカプセルの場合にはユーザにより手作業で行われなければならないそのような動作を代わりに淹出マシンによって自動式に行うことができる。
【0081】
図8は、カプセルがそれぞれの長手方向側壁410と互いに反対側のそれぞれの第1の端部408およびそれぞれの第2の端部409とを有するそれぞれのノズル407を備えるがために
図1〜
図5に示された実施形態とは異なるカプセル1の別の変形を示す。ノズル407は、特にほぼ一直線に合わせられるとともに第1の端部408で長手方向側壁410に形成されるそれぞれの対向する流出開口411の対と、ケーシング2のベース壁3から予め設定された距離を隔てて流出開口と第2の端部409との間に介挿される、特にほぼ一直線に合わせられるとともに流出開口411と隣り合って長手方向側壁410に形成されるそれぞれの対向する送出開口418の対とを備える。流出開口411は、それぞれの第1のダクト414により、第1の端部408に設けられるそれぞれの第1の開口413と流通接続され、一方、送出開口418は、それぞれの第2のダクト417により、第2の端部409に設けられるそれぞれの第2の開口416と流通接続される。この変形では、第1のダクト414および第2のダクト417は、ノズル407の長手方向軸Xと実質的に揃えられて重ね合わされる。ノズル407は、
図3の外部フランジ109aに類似するそれぞれの外部フランジ409aを備える。
【0082】
ノズル407は、送出開口と第2の端部409との間に送出開口418と隣り合って配置されるそれぞれの環状突起425を更に備える。環状突起425は、長手方向側壁410から径方向に突出するとともに、送出ステップの全体にわたって流出開口411および送出開口418をカプセル1内に保持するべくベース壁3に当接してケーシング2の完全な押し潰しを妨げるように配置される。
【0083】
環状突起425は、ケーシング2の押し潰し時にストロークストッパとしての役目を果たして、カプセル1からのノズル407の完全な抜け出しを防止する。行われた試験により、このカプセルが特に多用途であることが分かった。これは、カプセルが、可溶性の初期生成物P、例えば可溶性粉末と共に、または、濃縮液と共に、または、煎じ出し用の初期生成物Pと共に使用するのに適しているからである。
【0084】
環状突起425は、好適には、
図8の変形だけでなく、残りの図に示される本発明のカプセル1の変形にも適用され得る。
【0085】
自動淹出マシンにおける本発明のカプセル1のこの変形の動作または使用は、ノズル407、特に外部フランジ409aが閉塞要素139を少なくとも部分的に取り外すことができるようにするべくケーシング2を部分的に押し潰し、したがって、送出開口418、第2のダクト417、および、第2の開口416を通じてキャビティ5を外部環境と接続する初期ステップをもたらす。
【0086】
注入ステップJでは、流体Fが初期生成物Pと相互に作用するべく流出開口411を通じてキャビティ5内へ導入される。流体Fと初期生成物Pとの初期混合ステップでは、ベース壁3からの送出開口418の距離が、完全に可溶化しないおよび/または薄められないおよび/または煎じ出しされない流体および生成物の抜け出しを防止する。送出ステップは、既に可溶化された、薄められた、および/または、煎じ出された最終生成物Bが送出開口418の高さに達するときに始まる。煎じ出し用の生成物が存在する場合には、事前煎じ出しステップまたは一時的中断が、煎じ出しによって最終生成物(茶)を形成できるようにする初期生成物Pに応じて変えることができる継続時間を伴って行われてもよい。
【0087】
この時点で、最終生成物Bの抜け出しを可能にするためにケーシング2が圧縮されて押し潰されてもよい。
【0088】
ノズル407の形態のおかげにより、ケーシング2の押し潰し中(および、環状突起425のおかげにより押し潰しの終わり)においても、流入開口411を通じてキャビティ5内に流体Fを導入し続けて、初期生成物Pを可溶化および/または希釈し続けることができる。ケーシング2の押し潰しのためのストロークストッパとして作用する環状突起425は、送出、すなわち、カプセル1からの最終生成物Bの抜け出しがノズル407の第2の開口416を通じて常に起こるようにする。
【0089】
図9は、カプセルがそれぞれの長手方向側壁510と互いに反対側のそれぞれの第1の端部508およびそれぞれの第2の端部509とを有する
図8のノズル407に類似するそれぞれのノズル507を備えるという点で
図8のカプセルとは異なるカプセル1の更なる変形を示す。ノズル507は、それぞれの流出開口511の対を備え、これらの流出開口511は、ノズル507の第1の端部508で両側に配置されるとともに、流体Fのそれぞれの噴流をベース壁3へ向けて方向付けるために、長手方向側壁510に対して例えば20°〜45°の範囲の角度、好ましくは30°の角度だけ傾けられる。ノズル507は複数のそれぞれの送出開口518を更に備え、これらの送出開口518は、長手方向側壁510に沿って限られた長さにわたって互いに離間されて対向して形成されるとともに、流出開口511とベース壁3との間に介挿される。流出開口511は、第1のダクト514によってそれぞれの第1の開口513と流通接続され、一方、送出開口518は、第2のダクト517によってそれぞれの第2の開口516と流通接続される。第1のダクト514および第2のダクト517は、ノズル507の長手方向軸Xと実質的に揃えられて重ね合される。ノズル507は、
図3の外部フランジ109aに類似するそれぞれの外部フランジ509aを備える。
【0090】
ノズル407の環状突起425に関して述べられた方法と同様の方法で、ノズル507は、送出開口と第2の端部509との間に送出開口518と隣り合って配置されるそれぞれの環状突起525を備え、環状突起は、ケーシング2の押し潰し時にストロークストッパとしての役目を果たして、カプセル1からのノズル507の完全な抜け出しを防止する。
【0091】
長手方向側壁510から同様に突出するとともにケーシング2を方向Aに沿って部分的に押し潰す初期ステップにおいて中間ストロークストッパとして作用するように構成される更なる環状突起525aが更に設けられる。特に、更なる環状突起525aは外部フランジ509aの近傍にある。特に、更なる環状突起525aは、ケーシング2のそのような初期押し潰しステップにおいて外部フランジ509aによるケーシング2のベース壁3からの閉塞要素139の少なくとも部分的な取り外しを可能にするべく押し潰し方向Aと平行に測定される距離を外部フランジから隔てて配置される。より正確には、更なる環状突起525aが外部フランジ509aから隔てて配置される距離は、例えば混合および/または事前煎じ出しなどの可変継続期間を有する一時中断ステップ中に予め設定された位置、例えば最終生成物Bの連続的な抜け出しを妨げないような位置に閉塞要素139を保持しつつ、ノズル507がケーシング2のベース壁3から閉塞要素139を少なくとも部分的に取り外すことができるようにするのに十分である。
【0092】
更なる環状突起525aは、ケーシング2の連続的な圧縮・押し潰しステップにおいてストロークストッパ環状突起525までのカプセルからのノズル507の更なる抜け出しを妨げないような寸法を有する。
【0093】
そのような更なる環状突起525aは、好適には、
図9の変形だけでなく、残りの図に示される本発明のカプセル1の変形に適用することもできる。
【0094】
カプセル1のこの変形の動作または使用は、
図8におけるカプセルのそれとほぼ同様である。傾斜した流出開口511は、ベース壁3上に位置する初期生成物Pに向けて流体Fをより良く方向付けて、初期生成物を移動させ、混合させ、より容易に溶解させ、または、煎じ出し用の生成物の芳香特性を引き出すことができるようにする。最終生成物Bの送出は、送出開口518の数によって促進される。
【0095】
行われた試験により、カプセルのこの変形が特に多用途であり且つ可溶性粉末、凍結乾燥生成物、液体濃縮物を備える初期生成物、または、煎じ出し用の初期生成物Pにおいて望ましいことが分かった。
【0096】
図9bは、第2のダクト517内に収容されて送出ステップEの前に第2の開口516を通じて収集容器内へ直接に送出可能な概略的に示される固体生成物UPをカプセルが備えるという点において
図9のカプセルとは異なる、カプセル1の更なる変形を示す。
【0097】
固体生成物UPは、可溶性であってもよく、または可溶性でなくてもよく、また、最終生成物Bと一緒に消費されるようになっている。
【0098】
固体生成物UPは、1つの要素(例えば、クッキーまたはクルトンまたは一切れのパン)のみから構成されてもよく、あるいは、複数の要素によって構成されてもよく、そのような要素は、送出開口518の幅よりも大きい、または送出開口518の幅と同じ少なくとも1つの寸法(長さ、幅、または、高さ)を有し、それにより、送出開口518は、そのような固体生成物UPがキャビティ5へ向けて第2のダクト517から抜け出ることを妨げる。そのような方法では、固体生成物UPは、カプセル1が未使用のままの間中にわたって初期生成物Pから分離されて第2のダクト517内にとどまる。
【0099】
特に、固体生成物UPは、互いに均質な複数の要素、すなわち、同じタイプの複数の要素、例えば甘味料、または、着色され、または着色されない穀物、または、クルトンなどを備えてもよく、あるいは、互いに均質でない複数の要素、例えば甘味料と穀物との混合物を備えてもよい。
【0100】
固体生成物UPは、生産ライン中でカプセル1内へ挿入されてもよく、これにより、生成物倉庫が減少されて簡略化される。また、これにより、包装ステップにおいて、同じ初期生成物Pを収容するカプセル1を多様化することができる。実際に、包装ステップでは、同じ初期生成物Pを収容するカプセル1に対して複数の異なる固体生成物UPを加えることができる。例えば、同じ生成物Pを収容するカプセル1に対して甘味料から成る固体生成物UPまたは穀物から成る固体生成物UPを加えることができる。
【0101】
自動淹出マシンにおけるカプセル1のこの変形の動作または使用は、最終生成物Bの調製に関して、
図9におけるカプセルのそれとほぼ同様である。また、
図9bのカプセルは、固体生成物UPの使用を可能にする。
【0102】
固体生成物UPは、自動式に収集容器内へ直接に送出されてもよい。そのような方法によれば、ケーシング2を部分的に押し潰すステップにより、ノズル507は、閉塞要素139を少なくとも部分的に取り外して、第2の開口516を介して第2のダクト517を外部環境に接続することができるとともに、第2のダクト517から収集容器へ向けた固体生成物UPの抜け出しを可能にする。
【0103】
あるいは、固体生成物UPは、手作業により収集容器内へ直接に送出されてもよい。そのような方法によれば、閉塞要素139は、カプセル1を淹出マシン内へ挿入する前に、ユーザによりベース壁3から手作業で取り外される。ユーザは、例えば固体生成物UPが甘味料である場合には、甘い、またはあまり甘くない最終生成物Bを得るために、収集容器内へ送出されるべき固体生成物UPの量を慎重に決定してもよい。無論、手作業で、ユーザは、固体生成物UPを全く使用しないことを決めてもよい。この場合、ユーザは、固体生成物UPを収集容器内に挿入することなく第2のダクト517から固体生成物UPを除去しさえすればよい。
【0104】
付け加えると、好適には、
図9bの変形においてのみならず、残りの図に示される本発明のカプセル1の変形においても、固体生成物UPをそれぞれの第2のダクト内に設けることができる。
【0105】
図2bは、例えば、カプセルが第2のダクト117内に収容される固体生成物UPを備えるという点において
図1のカプセルとは異なる、カプセル1の異なる変形を示す。
図2bの変形については、既に前述した同じ要素が同じ参照数字に対応するため、ここでは説明しない。
【0106】
図9cは、第2のダクト517内に収容される最終生成物Bと相互に作用して、そのような最終生成物の官能特性または視覚特性を収集容器内への送出前に変えるための相互作用手段をカプセルが備えるという点において
図9のカプセルとは異なる、カプセル1の更なる変形を示す。
【0107】
そのような相互作用手段は、渦流発生部材および/または有孔部材(図示せず)を備え、有孔部材は、濾過機能を果たす、または代わりに、最終生成物B中に存在する想定し得る泡を減少させる、または排除する。
【0108】
渦流発生部材は、螺旋突起530が設けられる長手方向側壁529を有する長尺で硬質な管形状挿入体528を備え、螺旋突起530は、少なくとも前記挿入体528の一部に沿って、好ましくは挿入体528の全体に沿って長手方向に延びる。挿入体528は、第2のダクト517内に収容されて、第2のダクト517の滑らかな壁532と突起530を備える前記側壁529との間に環状隙間531を形成する。環状隙間531は、流体の渦流を環状隙間内に発生させるために螺旋傾向を伴うチャネル(溝)を有する。このようにすると、最終生成物Bは、収集容器内へ送出される前に、渦運動を伴って流れるように回転されて環状隙間531内に押し進められる。最終生成物Bは更に混合され、それにより、殆ど溶けない、またはゆっくりと溶ける生成物の完全で均質な可溶化が更に促進される。これに加えて、または代えて、渦運動は、望ましい場合には、最終生成物B中での泡の形成を促進させる。挿入体528は、該挿入体528を第2のダクト517内の所定位置に干渉によって保持できるようにする端部突起533を更に備える。突起533と他方の突起との間には、最終生成物Bの送出通路が画定される。
【0109】
図9bに示される突起530は、挿入体528の長手方向軸に対して30°だけ傾けられるコイルを伴う帯の形状を成すように長手方向の広がりを有する。また、突起530がネジ山の形状に形成されてもよい(図示せず)。コイルのピッチ、突起が帯の形状を成すか、またはネジ山の形状を成すかどうかを決定付ける各コイルの長手方向の広がり、および、挿入体528の長手方向軸に対して垂直な方向の突起530の厚さは、流体中における回転を決定し、したがって、これらの突起は、得られるべき最終生成物Bのタイプに基づいて選択される。
【0110】
有孔部材は、例えば、微小穿孔付きのディスクの形状を成す挿入体として、または、両側に微小穿孔付きヘッド壁を有する中空管状挿入体として得られてもよく、第2のダクト517内に配置されるとともに、干渉により所定位置に保持されて、濾過機能を果たし、最終生成物B中に存在する場合がある初期生成物Pの断片の収集容器内への抜け出しを回避する。
【0111】
あるいは、有孔部材は、送出されるべき特定の最終生成物Bにとって泡が不要であるときに最終生成物B中に存在する場合がある泡を減少させる、または避けるために大きなメッシュネットが設けられた挿入体を備えてもよい。
【0112】
もう一つの方法として、渦流発生部材および有孔部材が第2のダクト17内に存在してもよい。
【0113】
しかしながら、例えば初期生成物Pの完全な可溶化を促進させるために最終生成物Bが更なる混合を必要とする一方で、収集容器内への送出前に渦流により形成される想定し得る泡の減少が望まれる場合には、渦流発生部材と有孔部材とが第2のダクト517内に同時に存在してもよい。
【0114】
そのような相互作用手段は、生産ライン中で第2のダクト517へ挿入され、これにより、生成物倉庫が減少されて簡略化される。
【0115】
自動淹出マシンにおけるカプセル1のこの変形の動作または使用は、
図9におけるそれとほぼ同様であるとともに、残りの図に示される変形のそれとほぼ同様であるが、加えて、最終生成物Bが更に混合されおよび/または濾過され、および/または、最終生成物中の泡が形成され/回避される。したがって、生成されるべきカプセルのタイプを変更する必要なく、最終生成物Bの幾つかの質的特性が簡単且つ効率的な方法で変更される。
【0116】
最終生成物Bと相互に作用するための相互作用手段は、
図9cへの特定の言及を伴って説明されるが、好適には、残りの図に示される本発明のカプセル1の変形においても、それぞれの第2のダクト内に設けられ得る。
【0117】
図2cは、例えば、第2のダクト117内に収容される最終生成物Bと相互に作用するための相互作用手段をカプセルが備える、すなわち、カプセル1が管状挿入体528を備えるという点において
図1のカプセルとは異なる、カプセル1の異なる変形を示す。
図2cの変形については、既に前述した同じ要素が同じ参照数字に対応するため、ここでは説明しない。
【0118】
図10は、それぞれの長手方向側壁610と互いに反対側のそれぞれの第1の端部608およびそれぞれの第2の端部609とを有する前述したノズル407に類似するそれぞれのノズル607をカプセルが備えるがために
図8のカプセルとは異なるカプセル1の更なる変形を示す。
【0119】
ノズル607は、
図3の外部フランジ109aに類似するそれぞれの外部フランジ609aを備える。
【0120】
ノズル607は、長手方向側壁610と直交してほぼ一直線に合わされて第1の端部608のほぼ両側に配置される、それぞれの流出開口611とそれぞれの送出開口618とを備える。流出開口611は、それぞれの第1のダクト614により、第1の端部608に設けられるそれぞれの第1の開口613と流通接続され、一方、送出開口618は、それぞれの第2のダクト617により、第2の端部609に設けられるそれぞれの第2の開口616と流通接続される。第1のダクト614および第2のダクト617は、ノズル607の長手方向軸Xとほぼ一直線に合わせられて重ね合わされる。ノズル607は、
図8に関連して説明された環状突起425に類似するそれぞれの環状突起625を備える。
【0121】
カプセル1のこの変形の動作または使用は、
図8のカプセルのそれとほぼ同様である。
【0122】
行われた試験により、カプセルのそのような変形が液状濃縮物を備える初期生成物にとって特に望ましいことが分かった。
【0123】
カプセル1の図示しない変形では、特に
図1〜
図5に関連して、ノズル107の外部フランジ109aは、三角形断面を有する環状溝が第2の開口116付近に設けられる外面を有し、環状溝は、最終生成物Bが前述した第2の開口116を通じてカプセル1から抜け出るときに最終生成物Bを方向付けるのに適している。そのような溝は、最終生成物Bの流れを収集容器内へより正確に方向付けるのに役立ってもよい。好適には、そのような環状溝は、残りの図に例示される本発明のカプセル1の変形において示されるノズルの外部フランジで実施可能であってもよい。
【0124】
カプセルの更なる図示しない変形では、
図1〜
図5に関連して、ベース壁3は、出口開口31の周囲で且つキャビティ5の内側または外側で延びる縁部または環状壁を備えてもよい。環状壁は、ノズル107の長手方向側壁110とシール係合するようになっている。ノズル107および環状壁の断面は相補的な形状を成す。
【0125】
ベース壁3のそのような変形は、好適には、残りの図に示される本発明のカプセル1の変形に適用されてもよい。
【0126】
図1〜
図5のカプセル1のノズル107に特に関連して前述した、
図11および
図12に示されてキャビティ5を外部環境に対して隔離するために設けられる閉塞要素139に関して述べられたことの全てが、好適には、残りの図に示されるカプセル1の変形に適用されてもよいことが更に指摘される。
【0127】
この場合も、前述したように、被覆要素19とノズル107の第1の端部108との間に流体シールを形成するために被覆要素19が溶着によってノズル107に固定される。
【0128】
やはり先と同様、
図1〜
図5のカプセル1のノズル107に特に関連して前述したことが、好適には、それぞれが溶着によって被覆要素19に固定されるノズル207,307,407,507,607にも特に関連して、残りの図に示されるカプセル1の変形に適用されてもよい。
【0129】
更なる図示しない変形によれば、収集容器内への初期生成物Pの断片の抜け出しが望まれないときには、初期生成物Pが不織布バッグ内に収容される。好適には、初期生成物P、例えば煎じ出し用の生成物は、例えば茶の消費のための小袋に類似する小袋の形状を成すバッグ内に収容されてもよい。しかしながら、バッグが異なる形状を成してもよく、また、例えば、バッグに例えばドーナッツの形状を成す穴を設けて、そのような穴内にノズルを収納し、カプセルの内側でノズルの周囲にバッグを位置決めするようにしてもよい。そのようなバッグの形状が何れであっても、カプセルは、ナッツ風味のアメリカーノコーヒーまたはマルチフレーバー茶のような2つの風味の最終生成物Bを得るために、異なるタイプおよび/または異なる風味の生成物を収容する複数のバッグを収容してもよい。