特許第6240220号(P6240220)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6240220エンジンのライフサイクルを予想するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6240220
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】エンジンのライフサイクルを予想するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/00 20060101AFI20171120BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   F02C7/00 A
   F01D25/00 W
   F01D25/00 V
【請求項の数】19
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-552619(P2015-552619)
(86)(22)【出願日】2013年3月15日
(65)【公表番号】特表2016-505767(P2016-505767A)
(43)【公表日】2016年2月25日
(86)【国際出願番号】US2013032343
(87)【国際公開番号】WO2014113047
(87)【国際公開日】20140724
【審査請求日】2016年3月11日
(31)【優先権主張番号】13/743,006
(32)【優先日】2013年1月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】オバンド,ロベルト、セカンド
(72)【発明者】
【氏名】トレホ,マリオ・アルフォンソ
(72)【発明者】
【氏名】シマデビージャ,エルナンド
(72)【発明者】
【氏名】グエン,ジョン・タン
(72)【発明者】
【氏名】アルメンダレス,ジーザス・エリオス
(72)【発明者】
【氏名】オーティズ,シーザー
【審査官】 米澤 篤
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第02/103177(WO,A1)
【文献】 特開2002−256888(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0016818(US,A1)
【文献】 特開2011−256865(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0283963(US,A1)
【文献】 特開2004−156580(JP,A)
【文献】 特開2012−113708(JP,A)
【文献】 特開2003−067038(JP,A)
【文献】 特許第3692294(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0296810(US,A1)
【文献】 特表平8−508103(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 7/00
F01D 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサによって、エンジンのエンジンパーツに関連付けされる動作モードの複数のサイクルを決定するステップであって、各サイクルは前記エンジンパーツの増加動作時間を示す、ステップと、
前記プロセッサによって、前記複数のサイクルのそれぞれと関連付けされるガスタービン動作パラメータの閾値に少なくとも部分的に基づいて、前記複数のサイクルのそれぞれのカテゴリを決定するステップと、
前記プロセッサによって、特定の動作モードで推定される劣化の量に基づいて、各カテゴリの重み係数を決定するステップと、
前記プロセッサによって、各エンジンパーツに関連付けされる各カテゴリの決定された前記重み係数に少なくとも部分的に基づいて、前記複数のサイクルのサイクルカウントのインクリメントを決定するステップと、
前記プロセッサによって、各エンジンパーツに関連付けされる増加サイクルカウントに少なくとも部分的に基づいて、各エンジンパーツに関連付けされるライフサイクルを予想するステップと、
前記プロセッサによって、各エンジンパーツに関連付けされる予想された前記ライフサイクルに少なくとも部分的に基づいて、前記エンジンに関連付けされるライフサイクルを予想するステップと、
前記プロセッサによって、各エンジンパーツに関連付けされる予想されたライフサイクルに少なくとも部分的に基づいて、第1のリアルタイムアラートを生成するステップと、
前記プロセッサによって、前記エンジンに関連付けされる予想されたライフサイクルに少なくとも部分的に基づいて、第2のリアルタイムアラートを生成するステップと、
前記プロセッサによって、前記エンジンに関連付けされる予想されたライフサイクルに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つのエンジンパーツの修理または交換する少なくとも1つの指示を行うステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
ライフサイクルを予想するステップが、
前記エンジンに関連付けされる前記複数のサイクルの中のトリップサイクルを識別するステップと、
前記複数のサイクルに関連付けされる前記トリップサイクルのそれぞれに関して、対応する値を関連付けするステップと、
前記対応する値に少なくとも部分的に基づいて、前記ライフサイクルを決定するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トリップサイクルに関連付けされる少なくとも1つのエンジンパーツを識別するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記トリップサイクルに少なくとも部分的に基づいて、前記少なくとも1つのエンジンパーツに関する交換サイクルを決定するステップと、
前記交換サイクルが発生すると、指示をコンピューティングデバイスへ送信するステップと、
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記予想されたライフサイクルに少なくとも部分的に基づいて、前記エンジンに関する交換サイクルを決定するステップと、
前記交換サイクルが発生すると、指示をコンピューティングデバイスへ送信するステップと、
をさらに含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記決定されるカテゴリは、完全サイクル、部分サイクル、またはトリップサイクルのうちの1つを含む、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記ライフサイクルを予想するステップが、
前記エンジンに関する動作の合計時間数に関連付けされる値を決定するステップと、
前記エンジンに関する動作の前記合計時間数に関連付けされる前記決定された値に少なくとも部分的に基づいて、前記ライフサイクルを予想するステップと、
をさらに含む、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記予想されたライフサイクルをディスプレイに出力するステップをさらに含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記複数のサイクルのそれぞれに関して前記決定されたカテゴリを示すヒューマンマシンインターフェース(HMI)をディスプレイに出力するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
エンジンと、
エンジンのエンジンパーツに関連付けされる動作モードの複数のサイクルカウントを識別するように構成されているカウンタであって、各サイクルは前記エンジンパーツの増加動作時間を示す、カウンタと、
少なくとも1つのプロセッサを有する制御ロジックであって、前記制御ロジックは、
前記複数のサイクルのそれぞれと関連付けされるガスタービン動作パラメータの閾値に少なくとも部分的に基づいて、前記複数のサイクルカウントのそれぞれのカテゴリを識別し、
特定の動作モードで推定される劣化の量に基づいて、各カテゴリの重み係数を決定し、
前記プロセッサによって、各エンジンパーツに関連付けされる各カテゴリの決定された前記重み係数に少なくとも部分的に基づいて、前記複数のサイクルのサイクルカウントのインクリメントを決定し、
各エンジンパーツに関連付けされる増加サイクルカウントに少なくとも部分的に基づいて、各エンジンパーツに関連付けされるライフサイクルを予想し、
各エンジンパーツに関連付けされる予想された前記ライフサイクルに少なくとも部分的に基づいて、前記エンジンに関連付けされるライフサイクルを予想し、
各エンジンパーツに関連付けされる予想されたライフサイクルに少なくとも部分的に基づいて、第1のリアルタイムアラートを生成し、
前記エンジンに関連付けされる予想されたライフサイクルに少なくとも部分的に基づいて、第2のリアルタイムアラートを生成し、
前記エンジンに関連付けされる予想されたライフサイクルに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つのエンジンパーツの修理または交換する少なくとも1つの指示を行う
ように構成されている、制御ロジックと、
を含む、装置。
【請求項11】
前記複数のサイクルカウントのそれぞれに関するカテゴリの識別が、
前記エンジンに関連付けされる前記複数のサイクルの中のトリップサイクルを識別することと、
前記複数のサイクルに関連付けされる前記トリップサイクルのそれぞれに関して、対応する値を関連付けすることと、
を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記制御ロジックが、さらに、前記トリップサイクルに関連付けされる前記エンジンパーツの少なくとも一部分を識別するように構成されている、請求項10または11に記載の装置。
【請求項13】
前記制御ロジックが、さらに、前記識別された少なくとも1つのエンジンパーツに少なくとも部分的に基づいて、前記エンジンを交換するように指示を送信するように構成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記制御ロジックが、さらに、前記予想されたライフサイクルに少なくとも部分的に基づいて、前記エンジンを交換するように指示を送信するように構成されている、請求項10から13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記決定されたカテゴリが、完全サイクル、部分サイクル、またはトリップサイクルのうちの1つを含む、請求項10から14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記ライフサイクルの予想が、動作の合計時間数に関連付けされる値を決定することさらに含む、請求項10から15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記制御ロジックが、さらに、前記予想寿命時間をディスプレイに出力するように構成されている、請求項10から16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記制御ロジックが、さらに、前記複数のサイクルのそれぞれに関して決定されたカテゴリを示すHMIをディスプレイに出力するように構成されている、請求項10から17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
コンピュータ実行可能な命令を記憶する1つまたは複数のコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能な命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、
プロセッサによって、エンジンのエンジンパーツに関連付けされる動作モードの複数のサイクルを決定するステップであって、各サイクルは前記エンジンパーツの増加動作時間を示す、ステップと、
前記プロセッサによって、前記複数のサイクルのそれぞれと関連付けされるガスタービン動作パラメータの閾値に少なくとも部分的に基づいて、前記複数のサイクルのそれぞれのカテゴリを決定するステップと、
前記プロセッサによって、特定の動作モードで推定される劣化の量に基づいて、各カテゴリの重み係数を決定するステップと、
前記プロセッサによって、各エンジンパーツに関連付けされる各カテゴリの決定された前記重み係数に少なくとも部分的に基づいて、前記複数のサイクルのサイクルカウントのインクリメントを決定するステップと、
前記プロセッサによって、各エンジンパーツに関連付けされる増加サイクルカウントに少なくとも部分的に基づいて、各エンジンパーツに関連付けされるライフサイクルを予想するステップと、
前記プロセッサによって、各エンジンパーツに関連付けされる予想された前記ライフサイクルに少なくとも部分的に基づいて、前記エンジンに関連付けされるライフサイクルを予想するステップと、
前記プロセッサによって、各エンジンパーツに関連付けされる予想されたライフサイクルに少なくとも部分的に基づいて、第1のリアルタイムアラートを生成するステップと、
前記プロセッサによって、前記エンジンに関連付けされる予想されたライフサイクルに少なくとも部分的に基づいて、第2のリアルタイムアラートを生成するステップと、
前記プロセッサによって、前記エンジンに関連付けされる予想されたライフサイクルに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つのエンジンパーツの修理または交換する少なくとも1つの指示を行うステップと、
を含む動作を行うように、前記少なくとも1つのプロセッサを構成させている、
1つまたは複数のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ガスタービンエンジンに関し、より具体的には、ガスタービンエンジンサイクルカウントを含む、タービンエンジンのためのエンジンサイクルカウントを実装するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンは、圧縮機および入口部などのような、いくつかの機能的なセクションを含み得る。他のセクションは、ファンセクション、燃焼セクション、およびタービンセクションを含み得る。空気および燃料が、燃焼セクションの中で燃焼させられ、タービンローターへ移動させられる。これらの様々なパーツは、様々なレベルの応力および劣化を受ける。したがって、エンジンパーツの交換のために劣化レベルを識別することは、複雑な分析を含む可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第95/18364号
【発明の概要】
【0004】
上記の必要性および/または問題のうちのいくつかまたはすべては、本開示の特定の実施形態によって対処することが可能である。開示されている実施形態は、エンジンパーツサイクルカウントの実装形態を含むことが可能である。特定の実施形態によれば、エンジンに関連付けされる第1の複数のサイクルおよび部分サイクルを決定するための、および、複数のサイクルおよび部分サイクルに少なくとも部分的に基づいて、エンジンに関連付けされるライフサイクルを予想するための、方法が開示されている。
【0005】
他の実施形態によれば、エンジンと、エンジンに関連付けされる複数のサイクルカウントおよび複数の部分サイクルカウントを識別するように構成されているカウンターと、少なくとも1つのプロセッサーを有する制御ロジックであって、制御ロジックは、複数のサイクルカウントのそれぞれに関するカテゴリーを識別し、識別されたカテゴリーに少なくとも部分的に基づいて、ライフサイクルを予想するように構成されている、制御ロジックとを含む装置が開示されている。
【0006】
さらなる実施形態は、コンピューター実行可能な命令を記憶する1つまたは複数のコンピューター可読媒体であって、コンピューター実行可能な命令は、少なくとも1つのプロセッサーによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサーによって、エンジンに関連付けされる複数のサイクルおよび複数の部分サイクルを決定するステップと、少なくとも1つのプロセッサーによって、複数のサイクルのそれぞれに関連付けされる加速度値に基づいて、複数のサイクルのそれぞれに関するカテゴリーを決定するステップと、少なくとも1つのプロセッサーによって、決定されたカテゴリーに少なくとも部分的に基づいて、エンジンに関連付けされるライフサイクルを予想するステップとを含む動作を行うように、少なくとも1つのプロセッサーを構成させている、1つまたは複数のコンピューター可読媒体を開示することが可能である。
【0007】
本開示の他の実施形態、態様、および特徴は、当業者に明らかになることとなる。
【0008】
ここで、添付の図面を参照することとし、添付の図面は、必ずしも、実寸で描かれているとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の少なくとも一実施形態による、ガスタービンエンジンの様々なパーツの予想寿命時間を決定するための例示的なシステムを示す概略ブロック図である。
図2】本開示の少なくとも一実施形態による、ガスタービンエンジンの様々なパーツの予想寿命時間を決定するための例示的な方法を示すフローダイアグラムである。
図3】本開示の少なくとも一実施形態による、ガスタービンエンジンの様々なパーツの予想寿命時間を決定するための別の例示的な方法を示すフローダイアグラムである。
図4】本開示の少なくとも一実施形態による、完全サイクルカウントおよび部分サイクルカウントのために監視されているガスタービンエンジンに関する動作データの図式的なダイアグラムである。
図5】本開示の少なくとも一実施形態による、ガスタービンエンジンの様々なパーツの予想寿命時間を決定するための別の例示的な方法を示すフローダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、本開示の例示目的の実施形態が、添付の図面を参照して、より完全に以下に説明されることとなり、添付の図面には、本開示のすべての実施形態ではないが、いくつかの実施形態が示されている。本開示は、多くの異なる形態で具現化させることが可能であり、本明細書で記載されている実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすこととなるように、提供されている。同様の数字は、全体を通して、同様のエレメントを参照している。
【0011】
タービンエンジンは、多くのパーツおよびコンポーネントを含むことが可能であり、それらは、異なる動作条件を有し、動作の間に異なるレベルの使用に曝される。ルーチン動作は、時間とともに、タービンエンジンの様々なパーツの劣化を引き起こす可能性がある。パーツの劣化は、動作時間の観点から定量化することが可能である。タービンエンジンのそれぞれのパーツは、その使用における寿命時間限界として、所定の合計動作時間を与えられ得る。しかし、特定のイベントまたは動作使用は、これらのエンジンパーツおよびコンポーネントのより早い劣化に寄与する可能性がある。したがって、動作時間に基づいて劣化を純粋に定量化することは、エンジンパーツの劣化の現在の状態の正確な評価を提供することができない。
【0012】
これらの状況下において、エンジンの動作使用は、エンジンコンポーネントのより高いレベルの劣化を生み出す可能性がある。1つの例では、使用時間メトリック(metric)を有する2つのタービンエンジンは、特定の動作使用に基づいて、異なるレベルの劣化を依然として有する可能性がある。たとえば、第1のタービンは、頻繁な離陸および着陸を伴う、短いルートを日常的に運行する航空機によって使用される可能性がある。したがって、タービンエンジンは、より高い量のスロットリングに曝される可能性がある。第2のタービンエンジンは、より少ない着陸および離陸を伴う、より長いルートで使用される航空機において使用される可能性がある。したがって、コンポーネントに対して、より多い定常状態の回転、および、より少ないスロットリングが、存在する可能性がある。この例では、タービンエンジンの両方が、100時間にわたり使用された場合であっても、第1のタービンエンジンの特定のパーツは、約1,000時間の使用と同等の劣化の兆候を示す可能性がある。さらなる別の例では、船などのような船舶に載っているガスタービンエンジンまたはエンジンは、使用および他の要因に応じて、様々なレベルの劣化に曝される可能性がある。したがって、あらゆる場合において、使用時間だけに基づく、比較的に簡単な寿命時間限界の計算を使用することは、現在の劣化の状態の正確な評価を提供しない可能性がある。
【0013】
動作使用に基づいて個々の特徴的な劣化を説明するために、タービンエンジンは、定期的に、修理クルーによって手動で検査され、様々なパーツの状態を識別することが可能である。伝統的に、特定の検査手順が、これらの可能性のある問題および故障を識別するために使用される。1つの例では、手動検査は、典型的に、特定のエンジンコンポーネントの劣化を評価するための所定の期間の後に、タービンエンジンに対して行うことが可能である。これらの手動検査は、ある程度の劣化を識別するが、検査は、法外なコストがかかる可能性がある。さらに、手動検査は、エンジンコンポーネントに対して、すべての可能性のある損傷または障害を検出しない可能性がある。たとえば、燃焼器の中の少量のリークが、不適正な燃料の燃焼を引き起こす場合があるが、これらのリークは、手動検査だけでは、検出できない可能性がある。
【0014】
本開示の実施形態は、エンジンに関連付けされる寿命時間を決定することを含むことが可能な方法を提供することが可能である。また、いくつかの実施形態は、ガスタービンエンジンの様々なパーツに関連付けされる寿命時間を決定することが可能である。本開示の実施形態は、合計動作時間の観点から、エンジン、または、エンジンのパーツの寿命時間を規定することが可能である。動作時間のそれぞれのインクリメントは、サイクルとして識別することが可能である。また、この方法は、エンジン、または、ガスタービンエンジンのパーツに関連付けされる複数のサイクルを決定することを含むことが可能である。本開示の少なくとも一実施形態によれば、これらのサイクルの例としては、完全サイクル、部分サイクル、およびトリップサイクルを含むことが可能である。完全サイクル、部分サイクル、またはトリップサイクルは、サイクルカウントの中の異なるインクリメントをトリガーすることが可能である。これは、様々なパラメーターの中の対応する値に基づくことが可能である。また、この方法は、カテゴリーまたはパラメーターに基づいて、これらの複数のサイクルを識別することを提供することが可能である。一実施形態では、カテゴリーを決定するための方法は、エンジンの様々なパーツに関連付けされる加速度値に基づいて、複数のサイクルのそれぞれを識別することをさらに開示することが可能である。加速度値は、プラスまたはマイナスであることが可能である。この方法は、予想寿命時間をコンピューティングデバイスへ送信することをさらに含むことが可能である。他の実施形態では、この方法は、カテゴリー、パラメーター、および予想寿命時間のそれぞれに関して、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)を出力することが可能である。
【0015】
本開示の実施形態は、エンジンの寿命時間を計算するための制御ロジックを備えるガスタービンエンジンを含む装置を提供することが可能である。また、制御ロジックは、ガスタービンエンジンの様々なパーツに関連付けされる寿命時間を決定する論理回路とともに構成させることが可能である。本開示の実施形態は、合計動作時間の観点から、エンジン、または、エンジンのパーツの寿命時間を規定することが可能である。動作時間のそれぞれのインクリメントは、サイクルとして識別することが可能である。また、制御ロジックは、カウンターを利用することが可能である。また、カウンターは、エンジン、または、ガスタービンエンジンのパーツに関連付けされる複数のサイクルを決定することが可能である。本開示の少なくとも一実施形態によれば、これらのサイクルの例としては、完全サイクル、部分サイクル、およびトリップサイクルを含むことが可能である。完全サイクル、部分サイクル、またはトリップサイクルは、サイクルカウントの中の異なるインクリメントをトリガーすることが可能である。これは、様々なパラメーターの中の対応する値に基づくことが可能である。カウンターは、様々なパラメーターに関する様々な値を示す信号を受信することが可能である。また、制御ロジックは、カテゴリーまたはパラメーターに基づいて、これらの複数のサイクルを識別するように構成させることが可能である。一実施形態では、カウンターは、エンジンの様々なパーツに関連付けされる加速度値を受信することが可能である。加速度値は、プラスまたはマイナスであることが可能である。この方法は、予想寿命時間をコンピューティングデバイスへ送信することをさらに含むことが可能である。他の実施形態では、この方法は、カテゴリー、パラメーター、および予想寿命時間のそれぞれに関して、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)を出力することが可能である。
【0016】
本開示の特定の実施形態は、特定のタービンコンポーネントに関する寿命時間を予想する技術的解決策を提供することが可能である。さらに、本開示の特定の実施形態は、早期の交換および/または修理を必要とし得る特定のタービンコンポーネントを識別する技術的解決策を提供することが可能である。
【0017】
本開示の目的のために、「ガスタービンエンジン」、「ガスタービン」、「エンジン」、および「タービン」の用語は、車両、船舶、船、発電プラント、産業用設備、または、任意の他の定置式もしくは非定置式の物体に動力を提供し得る、任意のマシンまたはデバイスを指すことが可能である。本開示の特定の実施形態は、発電プラントもしくは産業用設備に関して示され、および/または、説明されている可能性があるが、当業者は、車両、船舶、船、または、任意の他の定置式もしくは非定置式の物体への本開示の実施形態の適用可能性を認識することとなる。
【0018】
図1は、ガスタービンエンジンの運転条件を検出するためのシステムの概略ブロック図である。このシステム100は、ガスタービンエンジンおよび関連の制御装置を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、ガスタービンエンジンおよび関連の制御装置は、診断デバイス104と通信することが可能である。さらに、制御装置は、ネットワーク106を通して、診断デバイス104と通信することが可能である。ネットワーク106は、有線ネットワークもしくは無線ネットワーク、ローカルエリアネットワークもしくはワイドエリアネットワーク、および/または、インターネットのいずれかのタイプまたは組み合わせとすることが可能である。
【0019】
通常条件下において、大気は、入口部108を通って、ガスタービンエンジン102に進入することが可能である。空気は、圧縮機110によって圧縮され得る。図1では、単一の圧縮機110だけが示されているが、ガスタービンエンジン102は、任意の数の圧縮機110を含むことが可能である。1つの例では、圧縮機110は、低速ローターシャフトを備える低速圧縮機とすることが可能である。他の例では、圧縮機110は、高速ローターシャフトを備える高速圧縮機を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、低速圧縮機からの圧縮空気は、さらなる圧縮のために、高速圧縮機へ通すことが可能である。圧縮機110からの圧縮空気は、燃焼器114へ出力することが可能であり、燃焼器114において、圧縮空気は、燃料混合物112と混合されて点火される。
【0020】
圧縮されたガス燃料混合物112は、タービン118へ通すことが可能である。タービン118は、任意の数のローターブレード(図示せず)を伴って構成させることが可能である。組み合わせられた空気燃料混合物112は、ローターブレードを通過させられるときに、差圧を引き起こすことが可能である。これは、タービン118がトルクを作り出すことを引き起こすことが可能である。図1では、単一のタービン118だけが示されているが、ガスタービンエンジン102は、連続してまたは並列でのいずれかで使用される任意の数のタービンを含むことが可能である。1つの例では、燃焼ガス生成物は、高速ローターシャフトを備える高速タービンを通過し、高速タービンの回転を引き起こすことが可能である。また、別の例では、これらのガスは、低速タービンを通過することも可能である。これらのガスは、排気ノズル120を通って、ガスタービンエンジン102をさらに出ていくことが可能である。一実施形態では、タービンが、航空機を動作させるために使用される場合には、排気ノズル120を通って出ていく空気は、航空機を前方に推進させるエンジンスラストを生み出すことが可能である。タービンが、発電するために使用される場合には、タービンは、クランクシャフトまたは他の回転体に接続され、発電するために機械的仕事を生み出すことが可能である。
【0021】
図1をさらに参照すると、ガスタービンエンジン102は、制御装置124に接続することが可能である。制御装置124は、必要に応じて、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または、それらの組み合わせで実装され得る。制御装置124のソフトウェアまたはファームウェアの実装形態は、プログラミング言語で書かれた任意の適切なコンピューター実行可能な命令またはマシン実行可能な命令を含み、説明される様々な機能を実施することが可能である。制御装置124のハードウェアの実装形態は、ガスタービンエンジン102を制御し動作させるために、論理ゲート、論理ブロック、または、他の論理回路を含むことが可能である。これらの実施形態によれば、直接的な通信接続が、ガスタービンエンジン102の上述のパーツのいずれかと制御装置124との間に存在することが可能である。
【0022】
図1をさらに参照すると、制御装置124は、1つまたは複数のセンサー126と通信することが可能である。ガスタービンエンジン102の動作は、1つまたは複数のセンサー126によって監視することが可能である。これらのセンサー126は、ガスタービンエンジン102の様々な状態を検出するように構成させることが可能であり、環境の様々なパラメーターを感知することが可能である。たとえば、温度センサーは、ガスタービンエンジン102を取り囲む大気温度、圧縮機吐出温度、タービン排気ガス温度、および、ガスタービンエンジン102を通るガスストリームの他の温度測定を監視することが可能である。圧力センサーは、大気圧力、ならびに、圧縮機入口部および出口部、およびタービン排気における静圧レベルおよび動圧レベル、ならびに、ガスストリームの中の他の場所における静圧レベルおよび動圧レベルを監視することが可能である。さらに、湿度センサー(たとえば、湿球温度計および乾球温度計)は、圧縮機の入口ダクトの中の大気湿度を測定することが可能である。また、センサー126は、ガスタービンエンジン102の動作に関する様々なパラメーターを感知する、流量センサー、速度センサー、火炎検出器センサー、弁位置センサー、案内静翼角度センサーなどを含むことが可能である。本明細書で使用される場合、「パラメーター」および同様の用語は、所与のタービン動作条件を表すために使用され得る、ガスタービンエンジン102の中の所定の場所における温度、圧力、および流量などのような、ガスタービンエンジン102の動作条件を規定するために使用され得る項目を指すことが可能である。
【0023】
制御装置124は、センサー126からの出力信号を受信するように構成させることが可能である。いくつかの実施形態では、制御装置124は、これらのセンサー信号をサイクル計数オドメーター128に送信することが可能である。他の実施形態では、サイクル計数オドメーター128は、ガスタービンエンジン102の動作パラメーターを示す様々な信号を直接的に受信するように構成させることが可能である。
【0024】
制御装置124は、サイクル計数オドメーター128に接続することが可能である。サイクル計数オドメーター128は、必要に応じて、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または、それらの組み合わせで実装することが可能である。サイクル計数オドメーター128のソフトウェアまたはファームウェアの実装形態は、任意の適切なプログラミング言語で書かれたコンピューター実行可能な命令またはマシン実行可能な命令を含み、説明されている様々な機能を行うことが可能である。サイクル計数オドメーター128のハードウェアの実装形態は、論理ゲート、論理ブロック、または、他の論理回路を含み、信号を受信し、エンジンサイクル検出に関係付けされる様々なパラメーターをカウントすることが可能である。これらの実施形態によれば、直接的な通信接続が、ガスタービンエンジン102の上述のパーツのいずれかとサイクル計数オドメーター128との間に存在することが可能である。サイクル計数オドメーター128は、論理回路を用いて、異なるレベルの劣化を提供し得る様々な動作使用モードを識別するように構成させることが可能である。
【0025】
さらに、サイクル計数オドメーター128は、ライフサイクルインクリメント値などのような量化子(quantifier)を識別し、動作使用モードに基づいて劣化を説明することが可能である。1つの例では、完全サイクルのライフサイクルインクリメントは、様々な動作モードで識別され得る。そのような動作モードの1つの例としては、約4,000RPMを超える回転速度を有するタービン118を含むことが可能である。回転速度が約3,500RPMよりも大きいときに、完全サイクル劣化のインクリメントを引き起こす動作モードの別の例は、低圧状態からのタービン118の加速であり得る。
【0026】
ライフサイクルインクリメント値を伴う量化子の別の例としては、部分サイクルを含むことが可能である。部分サイクルによって識別される劣化は、完全サイクルの動作モードによって引き起こされる劣化のある重みとして識別することが可能である。部分サイクルとして定量化される劣化を引き起こし得る動作モードの例としては、あるパーセンテージ閾値よりも大きい電力の減少を含むことが可能である。別の例としては、ある閾値を通り過ぎる電力の減少の後に、別の閾値を超える電力の増加が続くということを含むことが可能であり、別の閾値は、現在の安定した電力から、任意の制御された電力設定へ、Xパーセントよりも大きい。部分サイクルと同等の劣化を引き起こすこれらの様々な動作モードは、サイクル計数オドメーター128によって識別することが可能である。
【0027】
ライフサイクルカウントに関連付けされる別の量化子は、トリップサイクルであることが可能である。トリップサイクルは、様々な動作モードを含むことが可能であり、それは、ガスタービンエンジン102の任意のパーツの重度の劣化につがなる可能性があり、または、重大なエンジン故障につながる可能性がある。たとえば、サイクル計数オドメーター128は、センサー126から、様々な動作モードを示す信号を受信することが可能である。ガスタービンエンジン102が危険な動作点で稼働しており、それが、エンジンにとって安全でなく、または、エンジンの近くの人々にとって安全でない状態になっていることを、センサー126が示す場合には、制御装置124は、ユニットをトリップさせ、または、ユニットを遮断させることが可能である。いくつかの実施形態では、遮断は、供給される燃料の切り離しを通して達成させることが可能である。そのような場合では、カウンターは、トリップサイクルのインクリメントを示すことが可能である。
【0028】
トリップサイクルに関連付けされる運転条件の別の例としては、ガスタービンエンジン102のコンポーネントのうちの1つの故障を含むことが可能であり、そのコンポーネントは、重要なコンポーネントとみなされる可能性があり、ガスタービンエンジン102は、そのコンポーネントがなければ機能しなくなる可能性があるようになっている。たとえば、燃焼器114が故障した場合に、制御装置124は、シャットダウンを開始させるか、または、ガスタービンエンジン102へ供給される燃料を即座に切り離すことが可能である。また、これは、トリップサイクルカウンターをインクリメントするように構成させることが可能である。
【0029】
さらに、トリップサイクルは、それぞれのエンジンモード、故障モード、または損傷に関連付けされる重みを有することが可能である。たとえば、トリップサイクルは、完全ライフサイクルの約2倍としてカウントすることが可能であり、一方、部分サイクルは、劣化の観点から、単に、完全ライフサイクルの約0.8倍としてカウントすることが可能である。
【0030】
サイクル計数オドメーター128は、さらに、センサー126からの信号を受信し、様々な動作モードの発生、および、動作モードに関連付けされるパラメーターを識別するように構成させることが可能である。1つの例では、動作モードは、点火するための燃焼器114の中の圧縮されたガス燃料混合物112の不具合である可能性がある。これは、タービン118の中の特定の閾値を下回る回転速度のパラメーターによって、検出することが可能である。この例では、サイクル計数オドメーター128は、低い回転速度を表す信号を受信することが可能である。サイクル計数オドメーター128は、さらに、閾値検出器ロジックを装備することが可能である。受信される信号値が閾値よりも低下した場合には、サイクル計数オドメーター128は、この例では、トリップサイクルを識別することが可能であり、制御装置124への信号の中で、トリップサイクルに関連付けされるインクリメント値を送信することが可能である。異なる動作モードに関連付けされるこれらの様々なパラメーターを受信すると、サイクル計数オドメーター128は、制御装置124またはコンピューティングシステム130のいずれかと通信することが可能である。
【0031】
コンピューティングシステム130は、制御装置124に通信可能に接続され、制御装置124と通信することが可能である。代替的に、コンピューティングシステム130は、ガスタービンエンジン102と通信可能に連結させることが可能である。コンピューティングシステム130は、より詳細に以下に説明されている1つまたは複数のソフトウェアプログラムまたはモジュールを介して、本明細書で説明されているプロセスを実装または促進させるいくつかの機能を行うことが可能である。たとえば、コンピューティングシステム130は、制御装置124またはサイクル計数オドメーター128のいずれかからの様々なサイクルカウント測定値を、受信、監視、または分析することが可能である。
【0032】
コンピューティングシステム130は、1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含むことが可能であり、1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、メモリー142と通信することができるプロセッサー132を含むことが可能であるが、それに限定されない。また、メモリー142は、プロセッサー132の上にロード可能および実行可能であるプログラム命令、ならびにこれらのプログラムの実行の間に生成されるデータとを記憶することが可能である。コンピューティングシステム130の構成およびタイプに応じて、メモリー142は、揮発性(たとえば、ランダムアクセスメモリー(RAM)など)および/または不揮発性(たとえば、読み取り専用メモリー(ROM)、フラッシュメモリーなど)とすることが可能である。また、いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム130は、追加的なリムーバブルストレージ138および/または非リムーバブルストレージ140を含むことが可能であり、それは、磁気ストレージ、光ディスク、および/またはテープストレージを含むが、それに限定されない。ディスクドライブおよびその関連のコンピューター可読媒体は、コンピューター可読命令、データ構造、プログラムモジュール、および、デバイスのための他のデータの不揮発性のストレージを提供することが可能である。いくつかの実装形態では、メモリー142は、スタティックランダムアクセスメモリー(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリー(DRAM)、またはROMなどのような、複数の異なるタイプのメモリーを含むことが可能である。
【0033】
メモリー142、リムーバブルストレージ138、および非リムーバブルストレージ140は、すべて、コンピューター可読ストレージ媒体の例である。たとえば、コンピューター可読ストレージ媒体は、コンピューター可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどのような、情報のストレージのための任意の方法または技術において実装される、揮発性および不揮発性の、リムーバブルおよび非リムーバブルストレージメディアを含むことが可能である。存在し得る追加的なタイプのコンピューターストレージ媒体は、プログラマブルランダムアクセスメモリー(PRAM)、SRAM、DRAM、RAM、ROM、電気的に消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリー(EEPROM)、フラッシュメモリーまたは他のメモリー技術、コンパクトディスク読み取り専用メモリー(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光学的ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、または、所望の情報を記憶するために使用することができ、デバイスによってアクセスすることが可能な、任意の他の媒体を含むが、それに限定されない。また、上記のいずれかの組み合わせは、コンピューター可読媒体の範囲の中に含まれるべきである。
【0034】
また、コンピューティングシステム130は、デバイスが制御装置124と通信することを可能にする1つまたは複数の通信接続150を含有することが可能である。接続は、USBまたはCOMポートなどのような、様々なデータ通信チャネルまたはポートを介して確立され、デバイス、たとえば、制御デバイスを、IOネットワークの中の様々な他のデバイスに接続するケーブルのための接続部を受け入れることが可能である。IOネットワークの中のデバイスは、デバイスがIOネットワークの上の他のデバイスと通信することを可能にするイーサネット(登録商標)ドライバーなどのような通信ドライバーを含むことが可能である。様々な実施形態によれば、通信接続150は、IOネットワークの上の有線および/または無線の接続を介して確立され得る。
【0035】
また、コンピューティングシステム130は、キーボード、マウス、ペン、音声入力デバイス、およびタッチ入力デバイスなどのような、1つまたは複数の入力デバイス134を含むことが可能である。また、それは、ディスプレイ、プリンター、およびスピーカーなどのような、1つまたは複数の出力デバイス136を含むことが可能である。
【0036】
メモリー142の内容を見てみると、メモリー142は、オペレーティングシステム(OS)144、および、本明細書で開示されている特徴および態様を実装するための1つまたは複数のアプリケーションプログラムまたはモジュールを含むことが可能であるが、それに限定されない。
【0037】
さらに、メモリー142は、サイクル計数モジュール146を含有することが可能である。サイクル計数モジュール146は、動作モードに関して検出されるパラメーターに基づいて、ガスタービンエンジン102の様々なパーツおよび関連のサイクルインクリメント値を識別するサイクル計数オドメーター128から、データを受信することが可能である。サイクル計数モジュール146は、メモリー142と通信し、以前に記憶された値をデータベースから取り出すことが可能である。このデータは、以前の動作および使用の値、ガスタービンエンジン102に関する経時的な値などを含有することが可能である。さらに、サイクル計数モジュール146は、パラメーターの様々な運転条件を検出すると、符号化された制御命令をHMIモジュール148へ送信することが可能である。サイクル計数モジュール146は、それぞれのエンジンパーツに関してサイクル計数オドメーター128から受信される現在の値によって、以前の動作値および使用値をインクリメントすることが可能である。メモリー142は、HMIモジュール148を伴うようにさらに構成させることが可能である。HMIモジュール148は、必要に応じて、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または、それらの組み合わせの中に、実装することが可能である。HMIモジュール148のソフトウェアまたはファームウェアの実装形態は、任意の適切なプログラミング言語で書かれたコンピューター実行可能な命令またはマシン実行可能な命令を含み、説明されている様々な機能を行うことが可能である。HMIモジュール148のハードウェアの実装形態は、論理ゲート、論理ブロック、または他の論理回路を含み、信号を受信し、エンジンサイクル検出に関連付けされる様々なパラメーターをカウントすることが可能である。
【0038】
HMIモジュール148は、サイクル計数モジュール146から、データおよび制御命令を受信することが可能である。HMIモジュール148は、受信されるデータおよび制御命令に基づいて、アラートを生成するか、または、ガスタービンエンジン102の動作パラメーターを示すグラフィッカルユーザーインターフェースを表示することが可能である。アラートは、電子メール、ショートフォームメッセージ、アプリケーション、またはウェブベースのインターフェースとして送信され、診断デバイス104の動作を促進させることが可能である。アラートは、さらに、推奨案を識別することが可能である。推奨案として、特定のエンジンパーツの修理、または、エンジンパーツを交換する命令を含むことが可能である。また、ガスタービンエンジン102が動作している間に、アラートを送信することも可能である。
【0039】
また、HMIモジュール148は、ガスタービンエンジン102の様々な運転条件およびパラメーターを示す複数の所定のアラートまたはメッセージを記憶するか、または取り出すことが可能である。一実施形態では、HMIモジュール148は、ガスタービンエンジン102の診断情報のレポートを発生させることが可能である。これらのレポートは、制御命令、メッセージ、および、サイクル計数モジュール146から受信される信号を通して復号化された制御命令に基づくことが可能である。診断情報は、ネットワーク106を通して、1つまたは複数の診断デバイス104に表示させることが可能である。
【0040】
診断メッセージは、定期的な間隔で送信することが可能である。代替的に、HMIモジュール148は、診断メッセージを記憶し、通信接続150のうちの1つを通してなされた要求に応じてそれを送信することが可能である。第2の例では、HMIモジュール148は、診断メッセージを定期的に送信することが可能である。たとえば、HMIモジュール148は、12時間ごとに診断メッセージを送信するように構成させることが可能である。
【0041】
診断メッセージまたはアラートは、特定の運転条件が検出されると送信され得る。たとえば、ガスタービンエンジン102が、ジェット機または航空機に関連付けされる場合には、HMIモジュール148は、それが、ガスタービンエンジン102が止められたということを検出するときには、診断メッセージ、アラート、またはレポートを地上クルーに送信することが可能である。さらに、アラートは、特定の重要な動作モードが検出されるときに、使用することが可能である。たとえば、臨界サイクルカウントとして知られる閾値を超える値が検出されると、アラートを送信することが可能である。
【0042】
メッセージの送信モードは、検出された動作条件または動作モードに依存することが可能である。たとえば、臨界サイクルカウントが検出されると、HMIモジュール148は、診断デバイス104のうちの1つの遠隔ユーザー端末にアラートを送信することが可能である。しかし、完全サイクルカウントなどのような、別の運転条件の検出が存在する場合には、HMIモジュール148は、特定の所定の時間などに、アラートを送信することが可能である。
【0043】
診断デバイス104は、コンピューター可読命令、コンピューター実装命令、またはコンピューター実行可能な命令を実行するように構成され得る1つまたは複数のプロセッサーを含む任意の数のコンピューティングコンポーネントを含むことが可能である。例示的なデバイスとしては、パーソナルコンピューター、サーバーコンピューター、サーバーファーム、デジタルアシスタント、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント、デジタルタブレット、インターネットアプライアンス、アプリケーション特有の回路、マイクロ制御装置、ミニコンピューター、トランシーバー、ユーザー端末、車両コンピューティングシステム、ジェット機内(in−jet)コンピューティングシステム、航空管制用無線システムなどを含むことが可能である。様々なデバイスに関連付けされる1つまたは複数のプロセッサーによる、適切なコンピューター実装命令の実行は、最適化されたソフトウェアの構成を促進させることができる特殊目的のコンピューターまたは他の特定のマシンを形成することが可能である。診断デバイス104は、様々なガスタービンエンジン102の動作モードを示す様々なアラートメッセージおよび診断情報を受信するように構成させることが可能である。これらのメッセージは、診断デバイス104の上で利用可能なソフトウェアプログラムまたはアプリケーションモジュールを通して取り出すことが可能である。
【0044】
本開示の例示的な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータープログラム製品の概略ブロック図を参照する。ブロック図のブロックのうちの少なくともいくつか、および、ブロック図の中のブロックの組み合わせは、それぞれコンピュータープログラム命令によって少なくとも部分的に実装され得るということが理解されよう。これらのコンピュータープログラム命令は、汎用コンピューター、特殊目的のコンピューター、特殊目的のハードウェアベースのコンピューター、または、他のプログラマブルデータ処理装置の上にロードされ、マシンを生み出すことが可能であり、コンピューターまたは他のプログラマブルデータ処理装置の上で実行する命令が、ブロック図のブロックのうちの少なくともいくつかの機能性、または、議論されているブロック図の中のブロックの組み合わせの機能性を実装するための手段を生成するようになっている。
【0045】
また、これらのコンピュータープログラム命令は、コンピューター可読メモリーの中に記憶することが可能であり、コンピューター可読メモリーは、コンピューターまたは他のプログラマブルデータ処理装置に、特定の様式で機能するように指示することが可能であり、コンピューター可読メモリーの中に記憶された命令が、1つまたは複数のブロックの中に特定された機能を実装する命令手段を含む製造品を生み出すようになっている。また、コンピュータープログラム命令は、コンピューターまたは他のプログラマブルデータ処理装置の上にロードされ、一連の動作ステップがコンピューターまたは他のプログラマブル装置の上で行われることを引き起こし、コンピューター実装プロセスを生み出すことが可能であり、コンピューターまたは他のプログラマブル装置の上で実行する命令が、1つまたは複数のブロックの中に特定されている機能を実装するためのステップを提供するようになっている。
【0046】
本明細書で説明されているシステムの1つまたは複数のコンポーネント、および、本明細書で説明されている方法の1つまたは複数のエレメントは、コンピューターのオペレーティングシステムの上で稼働するアプリケーションプログラムを通して実装させることが可能である。それらは、ハンドヘルドデバイス、マルチプロセッサーシステム、マイクロプロセッサーベースの消費者用電子機器またはプログラマブル消費者用電子機器、ミニコンピューター、メインコンピューターなどを含む、他のコンピューターシステム構成で実践させることも可能である。
【0047】
本明細書で説明されているシステムおよび方法のコンポーネントであるアプリケーションプログラムは、特定の抽象データタイプを実装し、特定のタスクまたはアクションを行う、ルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造などを含むことが可能である。分散型のコンピューティング環境では、アプリケーションプログラム(の全体または部分)は、ローカルメモリーまたは他のストレージの中に位置付けさせることが可能である。代替例では、アプリケーションプログラム(の全体または部分)は、遠隔メモリーまたはストレージの中に位置付けされており、タスクが通信ネットワークを通して遠隔処理デバイスによって行われる状況を可能にすることができる。
【0048】
図1に示されている例示的なシステムは、単なる例として提供されている。多数の他の動作環境、システムアーキテクチャー、およびデバイス構成が可能である。したがって、本開示の実施形態は、任意の特定の動作環境、システムアーキテクチャー、またはデバイス構成に限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0049】
図2および図3は、本開示の特定の実施形態による、ガスタービンエンジンの様々なパーツの予想寿命時間を決定するための例示的な方法である。方法200、300は、図1に示されているシステムコンポーネントのうちのいくつかまたはすべてを使用して実装することが可能である。特定の実施形態では、図2に示されている方法200は、図3に示されている方法300と協調して利用することが可能である。
【0050】
図2を見てみると、たとえば102などのようなガスタービンエンジンの様々なパーツの予想寿命時間を決定するための例示的な方法200が図示されている。フローダイアグラムの一部は、図1に関して示されて説明されているような、制御装置124、プロセッサー132、サイクル計数オドメーター128、サイクル計数モジュール146、および/または、HMIモジュール148を使用して実装することが可能である。ブロック202では、サイクルとして規定される様々な動作モードが、それぞれのパーツに関して識別される。一実施形態では、信号は、サイクル計数オドメーター128によって、ガスタービンエンジン102のパーツのそれぞれから取り出すことが可能である。特定の閾値の上方または下方に入る信号を識別する論理回路が存在し得る。サイクル計数オドメーター128は、動作モードに関連付けされる様々なパラメーター、および、サイクルカウントに対応するインクリメントに関する代表的な信号を受信することが可能である。例としては、最大回転速度を表す信号を含むことが可能である。これらのパラメーターの例としては、ガスタービンエンジン102の加速度、スラスト、加加速度、およびスロットルを含むことが可能である。次いで、これらのパラメーターは、それらの値に基づいて、サイクルカウントをトリガーすることが可能であり、これらの値は、様々な動作モードを示すことが可能である。
【0051】
ブロック204では、完全サイクルインクリメントを引き起こす動作モードに関連付けされるパラメーターを、エンジンパーツのそれぞれに関して決定することが可能である。完全サイクルカウントのインクリメントと同等の劣化を引き起こすと識別されたパラメーターは、ガスタービンエンジン102のパーツのそれぞれに関して識別され、インクリメントされ得る。これらのパラメーターは、ローターブレードに関して約4,000RPMよりも大きい回転速度を含むことが可能である。完全サイクルインクリメントをトリガーし得るパラメーターの別の例としては、特定の閾値よりも大きい加速または減速を有する任意の部分を含むことが可能である。別の例としては、特定の閾値よりも下の、圧縮されたガス燃料混合物112に関する圧力の変化であることが可能である。さらに、これらのパラメーターは、さらに正確にすることが可能である。したがって、起動局面またはシャットダウン局面の間に、同じパラメーターが検出された場合には、それは、動作または使用の間に同じパラメーターが検出された場合とは異なるインクリメントにつながる可能性がある。たとえば、航空機エンジンのケースでは、離陸局面および着陸局面は、速度および加速度の急激な変化を発生させ、それは、ガスタービンエンジン102の様々なパーツに対して応力を引き起こす可能性がある。他の例では、特定のタイプの修理は、完全サイクルと同等の劣化を示すことが可能である。たとえば、ガスタービンエンジン102の様々なパーツに対する比較的に小さい修理は、完全サイクルとして識別することが可能である。
【0052】
ブロック206では、エンジンパーツのそれぞれに関して、部分サイクルインクリメントを引き起こす動作モードに関連付けされるパラメーターを決定することが可能である。部分サイクルカウントをインクリメントするように識別されたパラメーターが、ガスタービンエンジン102のパーツのそれぞれに関して識別され、それにしたがってインクリメントされ得る。部分サイクルカウントインクリメントをトリガーし得るパラメーターの例としては、所定の閾値よりも大きい電力の任意の減少をも含むことが可能である。別の例は、回転速度または加速度の任意の突然の増加であることが可能であり、その後に、2つの閾値の間に制御して下げることが続く。発電機のケースでは、部分サイクルは、発電機ブレーカーが閉じている任意の定常状態の電力を含むことが可能である。さらに、部分サイクルの等級付けが存在し得る。たとえば、加速度に関する値が、2つの閾値の間にある場合には、重み付きのサイクルインクリメントは、閾値を上回る値に関するものとは異なることが可能である。さらに、重みは、特定の動作モードによって推定される劣化の量に比例する係数であることが可能である。たとえば、回転速度の突然の増加を示すパラメーターは、5の係数だけ重みを付けられ得る。しかし、動作の間のシャットダウンを示すパラメーターは、約10の係数だけ重みを付けられ得る。この状況において、第2の部分サイクルは、特定のエンジンパーツに起因して、より高いレベルの劣化を有するように推定され得る。したがって、サイクルカウントは、完全サイクルインクリメントを引き起こす動作モードの値の約10倍の値だけ、および、回転速度サイクルの突然の増加によって識別される動作モードの値の2倍だけ、インクリメントすることが可能である。
【0053】
ブロック208では、ガスタービンエンジン102のエンジンパーツのそれぞれに関して、トリップサイクルインクリメントを引き起こす動作モードに関連付けされるパラメーターを決定することが可能である。これらのパラメーターの例としては、閾値よりも大きい回転加加速度を含むことが可能である。別の例は、圧縮されたガス燃料混合物112に関する圧力の変化であることが可能であり、圧力は特定の閾値よりも下に入る。また、この動作モードは、故障の検出のさらに正確なパラメーターを有し、使用の間に点火することが可能である。航空機エンジンのケースでは、燃焼器114の空中での故障は、トリップサイクルと同等の劣化であると識別することが可能である。トリップサイクルは、さらに、アラート送信をトリガーすることが可能である。アラート送信は、リアルタイムの間に行うことが可能である。このアラートは、典型的なHMIディスプレイとは異なることが可能である。アラートは、診断デバイス104へ送信され、または、ローカルで記憶することが可能である。また、アラートは、所定の産業標準の命令として符号化させることが可能である。
【0054】
ブロック210では、エンジンに関して、寿命時間を予想することが可能である。寿命時間は、ガスタービンエンジン102のパーツのそれぞれに関して、個別に計算することが可能であり、また、ガスタービンエンジン102全体に関して、組み合わせられた重み付きの値を識別することが可能である。これらは、全体の動作時間の観点から規定することが可能である。したがって、パーツのそれぞれに関して、閾値が存在することが可能であり、また、全体として、エンジンの閾値が存在することが可能である。
【0055】
ブロック212では、予想寿命時間のデータを表示することが可能である。データを送信し、HMIとして出力することが可能である。データは、ガスタービンエンジン102のパーツのそれぞれを含むことが可能であり、また、劣化または交換値を表し得る現在のサイクルカウントを含むことが可能である。他の実施形態では、推奨されるアクションのコースを、現在のサイクルカウント値に基づいて識別することが可能である。
【0056】
方法200は、本開示の特定の実施形態にしたがって、様々な方式で修正することが可能であるということが留意されるべきである。たとえば、本開示の他の実施形態において、方法200の1つまたは複数の動作を排除するか、または、違う順序で実行することが可能である。追加的に、本開示の他の実施形態にしたがって、他の動作を方法200に追加することが可能である。
【0057】
図3を見てみると、たとえば102などのようなガスタービンエンジンの様々なパーツの予想寿命時間を決定するための別の例示的な方法300が図示されている。図2と同様に、図3のフローダイアグラムの一部は、図1に関して示されて説明されているような、制御装置124、プロセッサー132、サイクル計数オドメーター128、サイクル計数モジュール146、および/または、HMIモジュール148を使用して実装することが可能である。方法300では、システムコンポーネントのうちのいくつかまたはすべてによって実装される例示的な熱サイクル計数ロジックが説明されている。このロジックでは、1または0のいずれかに設定されるスイッチA、ならびに、カウンターP(部分サイクルカウント用)およびカウンターF(完全サイクルカウント用)などのような、様々なカウンターおよびスイッチを使用することが可能であり、カウンターPおよびカウンターFは、所定の値の範囲を通してインクリメントされ、たとえば102などのようなガスタービンエンジンを修理のために除去するかどうかを決定するために使用され得る。追加的に、例示的な熱サイクル計数ロジックは、たとえばエンジン102などのようなガスタービンエンジンの速度をN2として参照することが可能であり、関連の船舶または設備は、図3において、FSOVと称される可能性がある。
【0058】
ブロック302および304は、スタートカウンターおよびスイッチAの初期化を示している。ブロック302では、ガスタービンエンジン102のためのスタートロジックの中に実装されるスタートカウンターは、1にインデックスされ(indexed)得る。ブロック302の後にブロック304が続き、ブロック304において、スイッチAが1に設定され得る。
【0059】
決定ブロック306へと続いて、ガスタービンエンジン102の速度が8000RPMよりも大きいかどうかについて、たとえば、センサーデータから、決定を行うことが可能である。NO決定がなされた場合には、決定ブロック308において、FSOVとして知られる関連の船舶または設備が、動力源を断たれているかどうかについて、決定がなされる。YES決定がなされた場合には、制御は終了するか、または、そうでなければ打ち切る。そうでなければ、NO決定がなされた場合には、制御は、決定ブロック306に戻ることが可能である。
【0060】
決定ブロック306に戻り、YES決定がなされた場合には、制御は、決定ブロック310へ移行することが可能であり、決定ブロック310において、スイッチAが1に設定され得るかどうかについて、決定を行うことが可能である。YES決定がなされた場合には、制御は、ブロック314へ進むことが可能であり、ブロック314において、カウンターFは、1だけインデックスまたは増加させることが可能であり、スイッチAは、0に設定される。これは、カウントされる完全エンジンサイクルの発生を示すことが可能である。本明細書で参照されているように、約0RPMから約8000RPM以上へのエンジン速度の移行は、1つの完全エンジンサイクルとして規定することが可能である。
【0061】
しかし、決定ブロック310に戻って見てみると、NO決定がなされた場合には、制御は、ブロック312へ進むことが可能であり、ブロック312において、部分サイクルカウンターPは、1だけインデックスまたは増加させることが可能である。本明細書で参照されているように、部分エンジンサイクルは、エンジン速度が、本明細書では約6000RPM未満として規定されるアイドル速度へ降下した後に、約8000RPM以上に戻るときに発生するものとして、規定することが可能である。
【0062】
いずれの場合においても、次いで、制御は、決定ブロック316へ移行することが可能であり、決定ブロック316において、エンジン102が約6000RPM未満の速度で動作しているかどうかについて、決定を行うことが可能である。NO決定がなされた場合には、制御は、決定ブロック316がYES決定を行うまで、ループ状態に進入することが可能であり、YES決定において、制御は、次いで、決定ブロック318へ進むことが可能である。
【0063】
決定ブロック318において、決定ブロック308と同様に、FSOVとして知られる関連の船舶または設備が、動力源を断たれているかどうかについて、決定がなされる。決定ブロック318がYESを決定した場合には、制御は終了するか、または、そうでなければ打ち切る。決定ブロック318がNOを決定した場合には、制御は、決定ブロック306へ戻ることが可能である。
【0064】
このように、制御が、決定ブロック308または決定ブロック316のいずれかから終了するとき、カウンターFおよびPは、カウンターFによってカウントされた完全サイクルの数、および、カウンターPによってカウントされた部分サイクルの数を示すことが可能である。図1の100などのようなシステムは、次いで、カウンターFおよびPの中に記憶されている値を評価し、ガスタービンエンジン102の損耗状態に関して、推奨案または他の指示をサービス人員に提示し、したがって、ガスタービンエンジン102に対する損傷を防止するか、またはそうでなければ最小化することが可能である。
【0065】
特定の実施形態では、熱サイクル計数ロジックおよび結果として生じる任意のメンテナンス計画は、センサー126、制御装置124、および/またはサイクル計数オドメーター128などのような、任意の数のシステムコンポーネントによって受信されるデータに依存することが可能である。データは、起動の数、トリップの数、および、特定の温度にある時間の期間を含むことが可能であるが、それに限定されない。いずれにしても、データのいくらかまたはすべてが使用され、たとえば、ガスタービンエンジン102に対する修理のための時間間隔を決定することが可能である。
【0066】
特定の実施形態では、他のロジックが、図1の制御装置124によって実装され、データを収集し、表示し、および、図3の方法300の間に決定されるか、または、そうでなければ測定された部分エンジンサイクルおよび完全エンジンサイクルを記憶するための条項(provisions)を含むことが可能である。
【0067】
図4は、本開示の少なくとも一実施形態による、完全サイクルカウントおよび部分サイクルカウントのために監視されているガスタービンエンジンに関する動作データの図式的なダイアグラムである。グラフ400は、35の初期値を有する完全サイクルカウンター402を示しており、ゼロRPMまたはユニット停止から約8000RPMを超える度に、1つだけ増加することが可能である。示されているように、波形406の上でカウントされる2つの完全サイクルが存在しており、波形406は、エンジン102の中でタービンを駆動するガス発生器の速度を示しており、したがって、完全サイクルカウンター402は、37の最終値を有している。部分サイクルカウンター404は、5の初期値を有しており、エンジン102の速度が約8000RPMから6000RPMより下に下がり、次いで、約8000RPMの上に上昇して戻る度に、1つだけ増加することが可能である。示されているように、これは、3回起きている。したがって、部分サイクルカウンター404は、図4において8の最終値を有している。参考のために示されている波形408は、タービン速度を参照することが可能であり、したがって、ガス発生器の速度がエンジン102の中のタービンの速度を決定するので、波形408は、時間的に接近して波形406を辿っている。
【0068】
図5は、本開示の少なくとも一実施形態による、ガスタービンエンジンの様々なパーツの予想寿命時間を決定するための別の例示的な方法を示すフローダイアグラムである。図2図3と同様に、図5のフローダイアグラムの一部は、図1に関して示されて説明されているような、制御装置124、プロセッサー132、サイクル計数オドメーター128、サイクル計数モジュール146、および/または、HMIモジュール148を使用して実装することが可能である。ブロック502において、エンジンに関連付けされる複数のサイクルおよび部分サイクルが、図3に示されているように決定される。ブロック504において、複数のサイクルおよび部分サイクルに基づいて、エンジンのライフサイクルについて予想がなされる。ブロック506において、トリップサイクルに関連付けされる少なくとも1つのエンジンパーツが識別される。ブロック508において、エンジンパーツに関する交換サイクルが、トリップサイクルに基づいて決定される。ブロック510において、エンジンパーツの交換サイクルが発生すると、指示が、コンピューティングデバイスへ送信される。ブロック512において、エンジンライフサイクルに基づいて、交換サイクルについて決定がなされる。ブロック514において、エンジンの交換サイクルが発生すると、指示が、コンピューターデバイスへ送信される。ブロック516において、予想されたエンジンのライフサイクルが、ディスプレイに出力される。
【0069】
実施形態は、構造的な特徴および/または方法論的な行為に特有の言語で説明されてきたが、本開示は、必ずしも、説明されている特有の特徴または行為に限定されるわけではないないということが理解されるべきである。むしろ、特有の特徴および行為は、実施形態を実装する例示目的の形態として開示されている。
【符号の説明】
【0070】
100 システム
102 ガスタービンエンジン
104 診断デバイス
106 ネットワーク
108 入口部
110 圧縮機
112 ガス燃料混合物、空気燃料混合物
114 燃焼器
118 タービン
120 排気ノズル
124 制御装置
126 センサー
128 サイクル計数オドメーター
130 コンピューティングシステム
132 プロセッサー
134 入力デバイス
136 出力デバイス
138 リムーバブルストレージ
140 非リムーバブルストレージ
142 メモリー
144 オペレーティングシステム(OS)
146 サイクル計数モジュール
148 HMIモジュール
150 通信接続
200 方法
202 ブロック
204 ブロック
206 ブロック
208 ブロック
210 ブロック
212 ブロック
300 方法
302 ブロック
304 ブロック
306 決定ブロック
308 決定ブロック
310 決定ブロック
312 ブロック
314 ブロック
316 決定ブロック
318 決定ブロック
400 グラフ
402 完全サイクルカウンター
404 部分サイクルカウンター
406 波形
408 波形
502 ブロック
504 ブロック
506 ブロック
508 ブロック
510 ブロック
512 ブロック
514 ブロック
516 ブロック
図1
図2
図3
図4
図5