【文献】
鈴木 宏哉,モバイル端末保持者の周辺無線LAN APのベンダー情報と時間帯の相関,日本,2016年 1月22日,pp.1-8
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記推定部は、前記端末装置が留まった量として、前記端末装置が留まった回数、前記端末装置が留まった時間の長さ、および、前記端末装置が留まった時間帯の少なくともいずれか1つに基づいて、前記端末装置と対応する拠点を推定する
ことを特徴とする請求項3に記載の判定装置。
前記判定部は、前記訪問先となる拠点と対応する端末装置を使用する複数の利用者のうち、いずれかの利用者がいるか否かを判定し、いずれかの利用者がいると判定した場合には、当該拠点に前記利用者がいると判定する
ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1つに記載の判定装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る判定装置、判定方法及び判定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る判定装置、判定方法及び判定プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位及び処理には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
また、以下の説明では、判定装置が実行する処理として、利用者U01〜U04が使用する端末装置101〜104の位置の履歴に基づいて、利用者U01〜U04の拠点を推定し、推定結果を利用して、指定された拠点まで荷物を配送する配送サービスを実現する判定システムの一例について説明する。
【0012】
〔1.判定システムの概要〕
まず、
図1を用いて、判定システム1が実行する推定処理および判定処理の概念について説明する。
図1は、実施形態に係る判定システムが発揮する作用効果の一例を説明するための図である。
図1に示す例では、判定システム1は、判定サーバ10、宅配センタサーバ50、複数の端末装置101〜104、および訪問者端末V01を有する。
【0013】
なお、以下の説明では、端末装置101〜104を、端末装置100と総称する場合がある。また、
図1に示す概要は、あくまで一例であり、判定システム1は、任意の数の端末装置100、任意の数の判定サーバ10、任意の数の宅配センタサーバ50、および任意の数を訪問者端末V01を有していてよい。
【0014】
端末装置100は、スマートフォン、タブレット端末やPDA(Personal Digital Assistant)等の移動端末、ノート型PC(Personal Computer)等の端末装置であり、移動通信網、インターネット、および無線LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して、任意のサーバと通信可能な端末装置である。また、端末装置100は、GPS(Global Positioning System)等の測位手段を用いて、端末装置100の位置(以下、「現在地」と記載する。)を所定の時間間隔で特定する測位機能を有する。
【0015】
判定サーバ10は、後述する推定処理、判定処理および決定処理を実行する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。また、判定サーバ10は、ネットワークNを介して、宅配センタサーバ50と通信可能に接続される。
【0016】
宅配センタサーバ50は、配送サービスを実現する各種の情報処理を実行する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。また、宅配センタサーバ50は、ネットワークNを介して判定サーバ10や訪問者端末V01と通信可能に接続される。
【0017】
訪問者端末V01は、スマートフォン、タブレット端末やPDA等の移動端末、ノート型PC等の端末装置であり移動通信網、インターネット、および無線LAN(Local Area Network)等のネットワークNを介して、宅配センタサーバ50と通信可能な端末装置である。例えば、訪問者端末V01は、宅配センタサーバ50からの指示に従って、配送先となる拠点への訪問の可否や、配送経路等、配送サービスに関する各種の情報を表示する。
【0018】
例えば、各利用者U01〜U04は、各端末装置101〜104を使用する利用者であり、同一の集合住宅M10に居住する利用者である。より具体的には、端末装置101を使用する利用者U01と、端末装置102を使用する利用者U02とは、集合住宅M10の部屋(住戸ないし住居の意。以下同じ)R21に居住する利用者である。また、端末装置103を使用する利用者U03は、集合住宅M10の部屋R11に居住する利用者であり、端末装置104を使用する利用者U04は、集合住宅M10の部屋R12に居住する利用者である。すなわち、各利用者U01〜U04は、略同一の位置に存在する複数の部屋R11〜R21を拠点とする利用者である。
【0019】
ここで、
図1中(A)に示すように、利用者U01が外出中であるものの、利用者U02が部屋R21に留まっている。このため、利用者U01や利用者U02宛ての荷物、すなわち、部屋R21を宛先とする荷物は、利用者U02により受け取り可能であるため、配送可能である。一方、
図1中(B)に示すように、利用者U04が外出中であるため、部屋R12には荷物を受ける利用者がおらず、利用者U04宛ての荷物、すなわち、部屋R12を宛先とする荷物は、配送することができない。このため、訪問者が部屋R12を訪問した場合には、再配送を行う必要が生じる。
【0020】
しかしながら、このような再配送の手間を削減するため、専用機器を宅内に設置したり、利用者の端末装置をあらかじめ登録するといった配送先での事前準備を行うのは、手間がかかる。また、このような事前準備を行っていない利用者については、利用者が在宅しているか否かを判定することができなかった。
【0021】
例えば、端末装置101が集合住宅M10の近傍に位置しているとしても、端末装置101を使用する利用者U01が、集合住宅M10を拠点としている(居住している)か否か、集合住宅M10のうちどの部屋の住人であるか等といった情報は、不明である。すなわち、端末装置100の現在位置が特定可能であるとしても、荷物の宛先となる拠点と対応する端末装置100が不明である場合には、宛先に荷物を受け取る利用者が居るか否か、すなわち、荷物が配送可能であるか否かを判定することができない。また、荷物の宛先となる拠点に荷物を受け取る利用者が居たとしても、その利用者が本当に宛先を拠点としている利用者であるかを確認することができないため、悪意のある第3者に荷物を渡してしまう恐れがある。
【0022】
そこで、判定システム1においては、以下に説明する各種の処理が実行することで、事前準備を行うことなく、各利用者U01〜U04が在宅して居るか否か、すなわち、各拠点を宛先とする荷物が配送可能であるかを判定する。
【0023】
まず、端末装置100は、GPS等の測位手段を用いて端末装置100の現在位置を測定する。そして、判定サーバ10は、各利用者U01〜U04の端末装置100から現在位置を示す位置情報を収集する(ステップS1)。例えば、端末装置100は、あらかじめインストールされた所定のアプリケーション等の機能により、位置情報を判定サーバ10に送信してもよい。
【0024】
また、判定サーバ10は、端末装置100から収集した位置情報に基づいて、端末装置100と拠点との対応付けを推定することで、各利用者U01〜U04の家や職場といった拠点を推定する推定処理を実行する(ステップS2)。また、判定サーバ10は、推定結果に基づいて、訪問先となる拠点に、その拠点と対応する端末装置100を使用する利用者U01〜U04が居るか否かを判定する判定処理、および、各利用者U01〜U04が推定された拠点に居る可能性が所定の閾値よりも高い時間帯を特定する特定処理を実行し、各処理の結果を宅配センタサーバ50に通知する(ステップS3)。
【0025】
一方、宅配センタサーバ50は、通知された情報に基づいて、配送先となる拠点への訪問の可否(すなわち、荷物の配送の可否)や、複数の拠点へ配送を行う経路である配送経路を生成する生成処理を実行する(ステップS4)。そして、宅配センタサーバ50は、生成した配送可否や配送経路を訪問者端末V01に送信する(ステップS5)。
【0026】
〔2.実施形態に係る判定サーバ10が実行する推定処理および判定処理について〕
以下、図を用いて、上述した推定処理および判定処理を実現する判定サーバ10の機能構成及び作用効果の一例を説明する。
【0027】
〔2−1.機能構成の一例〕
図2は、実施形態に係る判定サーバが有する機能構成の一例を説明する図である。
図2に示すように、判定サーバ10は、通信部20、記憶部30、および制御部40を有する。通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、判定サーバ10と、宅配センタサーバ50、および端末装置100との間で情報の送受信を行う。
【0028】
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部30は、位置履歴データベース31、推定結果データベース32、および在宅確率データベース33を有する。
【0029】
位置履歴データベース31は、端末装置100が留まった位置の履歴を示す位置履歴情報が登録される。より具体的には、位置履歴データベース31には、端末装置100から収集された位置情報が位置履歴情報として登録される。
【0030】
例えば、
図3は、実施形態に係る位置履歴データベースに登録される情報の一例を示す図である。
図3に示す例では、位置履歴データベース31には、「端末ID(Identifier)」、「利用者ID」、「位置情報」、「収集時刻」、「端末情報」、および「通信機器情報」といった項目を有する位置履歴情報が登録される。なお、位置履歴データベース31には、
図3に示す項目以外にも、任意の項目を有する位置履歴情報が登録されていてよい。
【0031】
ここで、「端末ID」とは、GPS等の測位機能を用いて、対応付けられた位置情報を取得した端末装置100を示す識別子である。また、「利用者ID」とは、対応付けられた「端末ID」が示す端末装置100を使用している利用者を示す識別子である。また、「位置情報」とは、対応付けられた「端末ID」が示す端末装置100によって測定された端末装置100の位置を示す情報である。また、「収集時刻」とは、対応付けられた「位置情報」が測定された時刻、または、対応付けられた「位置情報」を端末装置100から収集した時刻である。
【0032】
また、「端末情報」とは、対応付けられた「端末ID」が示す端末装置100に関する情報である。例えば、「端末情報」は、端末装置100の機種名や型番、端末装置100に対して割り当てられたIP(Internet Protocol)アドレス、MAC(Media Access Control)アドレス等である。また、例えば、「端末情報」は、OS(Operating System)、対応付けられた「位置情報」を収集したアプリケーション(例えば、防災速報アプリ、地図アプリなど)、「位置情報」を判定サーバ10へと送信したアプリケーション等の名称やバージョンを示す情報等である。すなわち、「端末情報」は、対応付けられた「端末ID」が示す端末装置100がどのような端末装置であるかを示す任意の情報が採用可能である。
【0033】
また、「通信機器情報」とは、対応付けられた「端末ID」が示す端末装置100が、通信可能な通信機器(例えば、無線LAN親機。無線ルータなどとも呼ばれる)や、位置情報を判定サーバ10へと送信する際に用いた通信機器を示す情報である。例えば、「通信機器情報」は、端末装置100と通信機器との通信にあたり発生する通信の仕様や形式を含む諸元に関する情報であり、端末装置100が通信機器から取得しもしくは判定サーバ10の収集部41が通信部20を介して取得する。通信機器情報は、例えば、通信機器の機器名や型番、IP(Internet Protocol)アドレス、ポート番号、SSID(Service Set Identifier)等である。より具体的な例を挙げると、「通信機器情報」は、対応付けられた「端末ID」が示す端末装置100が、通信可能な通信機器等、拠点に設置されたアクセスポイントに関する各種の情報である。
【0034】
例えば、
図3に示す例では、位置履歴データベース31には、端末ID「ID101」、利用者ID「U01」、位置情報「位置#1」、収集時刻「2015/01/01/21:00:00」、端末情報「端末情報#1」、および通信機器情報「通信機器#1」が対応付けられた位置履歴情報が登録されている。このような位置履歴情報は、例えば、端末ID「ID101」が示す端末装置101が、利用者ID「U01」が示す利用者U01によって使用されている旨を示す。また、このような位置履歴情報は、端末装置101によって位置情報「位置#1」が収集時刻「2015/01/01/21:00:00」において収集された旨を示す。また、このような位置履歴情報は、端末装置101の端末情報が「端末情報#1」であり、端末装置101と通信可能な位置に設置された通信機器の通信機器情報が、通信機器情報「通信機器#1」である旨を示す。なお、端末装置101が、通信機器を介して位置情報等を判定サーバ10へと送信した場合、通信機器情報は、端末装置101から送信された位置情報を判定サーバ10へと転送した通信機器のIPアドレス等となる。
【0035】
なお、
図3に示す例では、「位置#1」、「端末情報#1」、「通信機器#1」といった概念的な値を記載したが、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、位置履歴データベース31には、「位置情報」として、GPSを用いて測定された北緯東経、緯度経度等の値が登録され、「端末情報」として、端末装置100の機種名や型番、OSの名称やバージョン等が登録され、「通信機器情報」として、通信機器のIPアドレスや通信機器が使用するSSID等が登録される。なお、
図3に示す各項目のうち、判定サーバ10が収集することができなかった項目の情報については、登録が行われずともよい。
【0036】
推定結果データベース32は、後述する推定処理による推定結果が登録される。より具体的には、推定結果データベース32には、推定された端末装置100と拠点との対応を示す推定結果情報が登録される。例えば、
図4は、実施形態に係る推定結果データベースに登録される情報の一例を示す図である。
図4に示す例では、推定結果データベース32には、「拠点ID」、「位置情報」、「端末ID」、「利用者ID」、および「部屋番号」といった項目を有する推定結果情報が登録される。なお、推定結果データベース32には、
図4に示す項目以外にも、任意の項目を有する推定結果情報が登録されていてよい。
【0037】
ここで、「拠点ID」とは、利用者の活動の足場とする場所、すなわち、拠点とする場所を識別するための識別子である。ここで、拠点とは、例えば、利用者が居住している住宅のみならず、利用者が定期的に訪れる場所であれば、職場、仮設住宅、公園等といった所定の施設であってもよい。さらには、拠点は、位置を特定することができるのであれば、現実に存在する所定の地点等であってもよく、例えば、所定の職場の受付やビルの守衛所等であってもよい。すなわち、拠点とは、訪問者が利用者に会うことができる地点や、訪問を行うサービスにおいて訪問を行う単位となる場所であれば、任意の地点が採用可能である。
【0038】
なお、
図4に示す例では、拠点の一例として、各利用者が居住する部屋を採用した例について記載した。例えば、
図4に示す「部屋番号」とは、対応付けられた「位置情報」が示す位置にある施設のうち、対応付けられた「利用者ID」が示す利用者が拠点する部屋の番号を示す情報である。
【0039】
例えば、
図4に示す例では、推定結果データベース32には、拠点ID「拠点#1」、位置情報「位置#1」、端末ID「ID101、ID102」、利用者ID「U01、U02」、および部屋番号「R21」が対応付けられた推定結果情報が登録されている。このような推定結果情報は、拠点ID「拠点#1」が示す拠点が、位置情報「位置#1」に存在する施設にある部屋のうち、部屋番号「R21」が示す部屋であり、この部屋を、端末ID「ID101、ID102」が示す端末装置101、102を使用する利用者U01、U02が拠点としている旨を示す。
【0040】
在宅確率データベース33は、後述する特定処理により、特定された在宅確率を示す在宅確率情報が登録される。より具体的には、在宅確率データベース33には、時間帯ごとに、各拠点に利用者が居る確率を示す在宅確率情報が登録される。例えば、
図5は、実施形態にかかる在宅確率データベースに登録される情報の一例を示す図である。
図5に示す例では、在宅確率データベース33には、「拠点ID」と、各時間帯ごとに利用者が拠点に居る確率を対応付けた在宅確率情報が登録されている。
【0041】
例えば、
図5に示す例では、在宅確率データベース33には、拠点ID「拠点#1」が示す拠点に、「10:00〜11:00」の間利用者が居る確率「70%」が登録され、「11:00〜12:00」の間利用者が居る確率「80%」が登録されている。また、在宅確率データベース33には、拠点ID「拠点#2」が示す拠点に、「10:00〜11:00」の間利用者が居る確率「80%」が登録され、「11:00〜12:00」の間利用者が居る確率「20%」が登録されている。
【0042】
図2に戻り、説明を続ける。制御部40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって、判定サーバ10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムが、RAM等の記憶領域を作業領域として実行されることにより実現される。
図2に示す例では、制御部40は、収集部41、推定部42、判定部43、特定部44、および情報提供部45を有する。
【0043】
なお、制御部40が有する各処理部41〜45の接続関係は、
図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。また、各処理部41〜45は、以下に説明するような推定処理や判定処理の機能・作用(例えば
図1)を実現・実行するものであるが、これらは説明のために整理した機能単位であり、実際のハードウェア要素やソフトウェアモジュールとの一致は問わない。すなわち、以下の推定処理や判定処理の機能・作用を実現・実行することができるのであれば、判定サーバ10は、任意の機能単位で推定処理や判定処理を実現・実行して良い。
【0044】
〔2−2.案内処理における作用効果の一例〕
以下、
図6に示すフローチャートを用いて、各処理部41〜45が実行・実現する案内処理の内容について説明する。
図6は、実施形態に係る判定サーバが実行する案内処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【0045】
まず、収集部41は、各端末装置101〜104から位置情報を収集する(ステップS101)。例えば、端末装置100は、所定の時間間隔で位置情報を取得する。また、後述する説明で明らかとなるように、端末装置100は、位置情報以外にも、拠点を推定する際の指標となりうる各種の情報を収集する。例えば、端末装置100は、宅内に設けられた無線ルータのSSID等、拠点において端末装置100が通信を行う通信機器の通信機器情報を取得する。また、端末装置100は、例えば、所定のウェブサービスやアプリケーションにおける利用者の認証を介して、端末装置100を使用する利用者の利用者IDを取得する。そして、端末装置100は、端末装置100の端末ID、端末装置100を使用する利用者の利用者ID、取得した位置情報、位置情報を取得した日時、取得した通信機器情報、および端末装置100のOSやブラウザ等を示す端末情報を判定サーバ10へと送信する。この結果、収集部41は、取得した各種の情報を位置履歴情報として位置履歴データベース31に格納する(ステップS102)。
【0046】
なお、収集部41は、位置情報以外の情報を、任意の手法で収集してもよい。例えば、収集部41は、端末装置100から位置情報を取得した場合、位置情報の送信元となる端末装置100に貸与やアドレス変換などにより対応付けられたIPアドレスや端末装置100が用いるMACアドレス等の識別情報をキーとして、端末装置100に対して移動通信網のサービスを提供するサーバ等から端末IDや端末装置100を使用する利用者の利用者IDを収集してもよい。また、例えば、収集部41は、所定のウェブサービス等を提供するために利用者のログインを受付ける受付サーバ等から、端末装置100を介してログインを行った利用者の利用者IDを収集してもよい。
【0047】
また、収集部41は、端末装置100から位置情報を受信する際に取得可能な各種の情報から端末情報や通信機器情報を収集してもよい。例えば、収集部41は、端末装置100が情報を送信する際に付与するOSの名称やバージョンを端末情報として取得してもよい。また、収集部41は、拠点に配置された通信機器を介して位置情報が送信された場合、位置情報の送信元のIPアドレスやポート番号として、通信機器のIPアドレスやポート番号を取得可能である。そこで、収集部41は、位置情報の送信元となるIPアドレスやポート番号を通信機器情報として収集してもよい。
【0048】
次に、推定部42は、位置履歴データベース31に登録された位置履歴情報から、各利用者が訪れた場所を特定する(ステップS103)。より具体的には、推定部42は、位置履歴データベース31に対応付けて登録された端末IDと位置情報との組を全て抽出することで、各端末装置100が留まった全ての場所を特定する。そして、推定部42は、各端末装置100が各場所に留まった量(以下、滞在量と記載する。)に基づいて、各端末装置100と拠点との対応を推定する(ステップS104)。より具体的には、推定部42は、端末装置100の滞在量に基づいて、その端末装置100を使用する利用者の拠点となる場所を特定し、特定した場所とその利用者が使用する端末装置100とを対応付ける。そして、推定部42は、推定結果を推定結果データベース32に登録する(ステップS105)。
【0049】
例えば、推定部42は、位置履歴データベース31を参照し、端末装置101を示す端末ID「ID101」を含むすべての位置履歴情報を抽出する。そして、推定部42は、抽出した位置履歴情報に含まれる位置情報に基づいて、端末装置101を使用する利用者が訪れた場所を特定する。例えば、推定部42は、利用者が訪れた場所の住所や施設名等を特定する。続いて、推定部42は、抽出した位置履歴情報に含まれる収集時刻に基づいて、特定された場所に端末装置100や利用者が留まった滞在量を算出する。例えば、推定部42は、特定された場所ごとに、端末装置100があった回数、端末装置100が留まった時間の長さ、端末装置100が留まった時間帯の少なくともいずれか1つを算出する。すなわち、推定部42は、端末装置100を使用する利用者が訪れた場所を特定し、特定した場所に利用者が訪れた回数、滞在した期間、および滞在した時間帯の少なくとものいずれか1つを滞在量として算出する。
【0050】
そして、推定部42は、滞在量に基づいて、端末装置100と対応する拠点、すなわち、端末装置100を使用する利用者が住居とする拠点や業務を行う会社等の拠点を推定する。すなわち、推定部42は、いわば利用者が訪れる場所のヒートマップに基づいて、各拠点と利用者との対応を推定する。
【0051】
例えば、日中の間に利用者が決まった場所を訪れている場合には、その場所もしくはその場所を含むエリアが利用者の職場であると予測される。また、例えば、夜間の間に利用者が決まった場所に長時間滞在している場合には、その場所が利用者の住宅であると予測される。また、利用者が専業主婦などである場合には、滞在時間が最も長い場所が利用者の住宅であると予測され、利用者が事務職等である場合には、滞在時間が最も長い場所が利用者の職場であると予測される。
【0052】
このように、職場や住宅等、利用者が拠点とする場所を訪れる場合には、所定のパターンが生じると予測される。そこで、推定部42は、位置履歴情報に基づいて、利用者の滞在量(すなわち、端末装置100の滞在量)を算出し、算出した滞在量に基づいて、どの拠点がどの利用者の拠点であるか、すなわち、拠点と利用者との対応関係を推定することができる。
【0053】
また、推定部42は、各端末装置100が留まった回数や時間的な量に基づいて、利用者の拠点を推定する。このため、例えば、推定部42は、端末装置100から取得される位置情報にある程度の誤差があり、取得される度に位置情報が示す位置が若干異なっているとしても、利用者が何度も訪れている地域や、利用者が長時間滞在している地域をその利用者の拠点として推定することができる。このため、推定部42は、端末装置100から取得される位置情報にある程度の誤差があったとしても、利用者の拠点を推定することができる。
【0054】
ここで、
図1に示すように、集合住宅M10には、各利用者U01〜U04が居住する部屋R11〜R21が存在する。このような場合、各端末装置101〜104から収集する位置情報が似通ってしまうため、位置情報から各利用者U01〜U04の拠点を推定した場合、集合住宅M10を拠点として推定することは可能であるものの、各利用者U01〜U04がどの部屋を拠点としているか推定することができない場合がある。
【0055】
そこで、推定部42は、位置情報に加えて、各端末装置100に関する端末装置情報や、各端末装置100と通信する通信機器に関する通信機器情報に基づいて、各端末装置101〜104と拠点との対応付けを推定することで、各利用者U01〜U04の拠点を推定する。
【0056】
例えば、アパートやマンション等の集合住宅には、インターネット等のネットワークに接続するための通信機器が部屋ごとに設置され、通信機器ごとに異なるSSIDが付与されていると予測される。また、複数の商業施設が含まれるビル等においても、商業施設ごとに異なるSSIDにより識別可能な通信機器が設置される場合が多い。
【0057】
例えば、部屋R21に設置された無線ルータと、部屋R11に設置された無線ルータとは、それぞれ異なるSSIDを使用すると考えられる。このため、通信機器が使用するSSIDと、通信機器が設置された部屋との対応を特定することができる場合には、端末装置100が通信可能な通信機器が使用するSSIDの情報は、集合住宅M10のうち、利用者が拠点とする部屋を特定するための指標となりうる。同じSSIDを用いる複数の端末装置100のうちの少なくとも一つについて、何らかのサービスにおけるユーザ登録の情報などで部屋が特定できている場合、同じSSIDを用いる全ての端末装置100について、その部屋との対応付けが可能である。
【0058】
また、通信機器には、ネットワークN側から見た際にそれぞれ異なるグローバルIPアドレスが貸与されている場合がある。このような場合には、通信機器と通信可能な端末装置100には、ネットワークN側から見た際に、その通信機器に対して貸与されたIPアドレスとポート番号との組が貸与されることとなる。このため、端末装置100が通信可能な通信機器に対して貸与されたIPアドレスの情報は、集合住宅M10のうち、利用者がどの部屋を拠点としているかの指標となりえる。
【0059】
なお、集合住宅M10等においては、各部屋に設置された全ての通信機器と接続された親機となる通信機器に対して1つのIPアドレスが貸与され(すなわち、集合住宅M10全体で1つのグローバルIPアドレスが貸与され)、各部屋に設置された通信機器については、ポート番号によりネットワークN側から指定が可能となる場合がある。このような場合において、端末装置100が部屋に設置された通信機器を介して位置情報を判定サーバ10へと送信した場合、判定サーバ10側では、送信元となる通信機器のIPアドレスおよびポート番号を用いることで、端末装置100がどの通信機器を介して位置情報を送信したかを特定することができる。このため、端末装置100が通信可能な通信機器に貸与されたIPアドレスやポート番号の情報は、集合住宅M10のうち、利用者がどの部屋を拠点としているかの指標となりえる。
【0060】
また、集合住宅の各部屋に通信機器があらかじめ設置されていた場合を含め、インターネットサービスプロバイダ(ISP:Internet Services Provider)(以下、「プロバイダ」と記載する。)の選択や契約等は、部屋ごと(住居ごと)に利用者が行うこととなる。このように、通信機器が使用するSSID、IPアドレス、ポート番号、通信機器がネットワークNに接続する際に使用するプロバイダ等、通信機器に関する各種の情報は、プロバイダのシステムから集合住宅の部屋番号を含む契約住所の情報の提供を受けることにより、その通信機器と通信を行うことができる端末装置100の利用者が拠点とする部屋を特定する指標となりえる。
【0061】
また、同一の会社に勤務する利用者には、会社から端末装置100が支給される場合があるが、このように会社から支給された端末装置100は、共通の機種が支給される場合が多い。また、異なる会社であれば、それぞれ異なる機種の端末装置100が支給されると予測される。このため、例えば、同一のビルに複数の会社が入居している場合、各利用者が使用する端末装置100の種別は、各利用者が勤務している会社、すなわち、各利用者が拠点としている会社を推定する指標となりえる。
【0062】
また、端末装置100が実行するOS、ブラウザ、およびアプリケーション等のバージョンや型番は、端末装置100の機種に応じて異なる場合がある。このため、端末装置100の型番や端末装置100が実行するOS、ブラウザ、アプリケーション等のバージョンや型番は、同一の業務先を拠点とする利用者を特定する指標となりえる。また、同一の家庭や同一の会社を拠点とする複数の利用者は、同一のキャリアによる移動通信網のサービスを利用している可能性が高い。
【0063】
そこで、収集部41は、通信機器のSSIDのみならず、通信機器のIPアドレスやポート番号、プロバイダの情報等を通信機器情報として収集する。また、収集部41は、各端末装置100のOS、ブラウザ、およびアプリケーション等のバージョンや型番、キャリア等を端末装置情報として収集する。そして、推定部42は、位置履歴に加えて、端末装置情報および通信機器情報の共通性や相違点等に基づいて、同じ場所に存在する複数の拠点から各端末装置100と対応する拠点を推定する。
【0064】
また、推定部42は、各拠点ごとに、拠点ID、拠点IDが示す拠点の場所を示す位置情報、その位置情報が示す場所を拠点とする利用者が使用する端末装置100の端末ID、その位置情報が示す場所を拠点する利用者の利用者IDとを対応付けた推定結果情報を生成する。そして、推定部42は、生成した推定結果情報を推定結果データベース32に登録する。
【0065】
例えば、推定部42は、夜間の間、端末装置101〜104から取得した位置情報が集合住宅M10の位置を示す場合、各端末装置101〜104の利用者U01〜U04は、集合住宅M10を拠点としていると推定する。また、推定部42は、端末装置101、102から取得した通信機器情報が同じであり、端末装置103、104から取得した通信機器情報がそれぞれ異なる場合、端末装置101、102の利用者U01、U02は共通する部屋を拠点とし、端末装置103、104の利用者U03、U04はそれぞれ異なる部屋を拠点としていると推定する。
【0066】
また、通信機器のIPアドレスやプロバイダ等からは、プロバイダが有する顧客情報等に基づいて、通信機器が設置されている部屋を特定することができる。例えば、プロバイダが顧客情報を管理する顧客情報管理サーバには、各通信機器に貸与されたIPアドレスの値や、各通信機器を使用する顧客情報等が登録されている。このような顧客情報には、各通信機器を使用する利用者の住所や利用者ID、各通信機器が設置された部屋の部屋番号を含む住所等が含まれている。
【0067】
そこで、推定部42は、通信機器情報に含まれるプロバイダの顧客情報管理サーバが管理する情報を取得し、端末装置100から受信した通信機器情報に基づいて、端末装置100と通信可能な通信機器が設置されている部屋を特定する。例えば、収集部41は、端末装置100が通信可能な通信機器に貸与されたIPアドレスを、端末装置100から位置情報とともに収集する。また、他の例では、収集部41は、端末装置100が通信機器を介して位置情報を送信した場合、位置情報の送信元を示すIPアドレスやポート番号を、端末装置100が通信可能な通信機器のIPアドレスやポート番号として収集する。
【0068】
一方、推定部42は、収集部41によって収集されたIPアドレスやポート番号を顧客情報管理サーバに通知する。このような場合、顧客情報管理サーバは、通知されたIPアドレスやポート番号が貸与されている通信機器を特定するとともに、特定した通信機器を使用する利用者と、特定した通信機器が設置されている部屋を顧客情報から特定する。そして、顧客情報管理サーバは、特定した利用者を示す利用者IDと特定した部屋を示す部屋番号とを判定サーバ10に送信する。このような場合、推定部42は、受信した利用者IDと部屋番号とを対応付けて推定結果データベース32に登録する。
【0069】
ここで、顧客情報に含まれる利用者の住所は、利用者の拠点の住所であると考えられる。そこで、推定部42は、端末装置100から受信した利用者IDに基づいて、顧客情報管理サーバが管理する顧客情報から、端末装置100を使用する利用者の拠点を推定してもよい。例えば、推定部42は、端末装置100から受信した利用者IDを顧客情報管理サーバに通知する。このような場合、顧客情報管理サーバは、通知された利用者IDが示す利用者の顧客情報や、利用者が使用する通信機器の情報等を特定し、特定した顧客情報や通信機器の情報を判定サーバ10へと送信する。このような場合、推定部42は、受信した顧客情報に含まれる利用者の住所から、端末装置100を使用する利用者が拠点とする場所の位置情報や部屋番号等を特定し、特定した位置情報や部屋番号を利用者IDと対応付けて推定結果データベース32に登録する。
【0070】
なお、判定サーバ10は、例えば、利用者U01が使用する端末装置101から、端末装置101が接続可能な通信機器のSSIDを含む通信機器情報や端末情報を収集し、収集した通信機器情報や端末情報から利用者U01の拠点が部屋R21である旨を推定した場合、通信機器のSSIDとその通信機器が設置された拠点である部屋R21との対応を推定したこととなる。そこで、推定部42は、収集した通信機器情報に含まれるSSIDと対応する拠点が推定済である場合には、その推定済の拠点を、通信機器情報の収集元となる端末装置100の拠点としてもよい。
【0071】
この結果、例えば、推定部42は、端末装置101、102の利用者U01、U02が集合住宅M10の部屋R21を拠点とする旨を推定することができる。また、推定部42は、端末装置103の利用者U03が集合住宅M10の部屋R11を拠点とし、端末装置104の利用者U04が集合住宅M10の部屋R12を拠点としている旨を推定することができる。
【0072】
なお、推定部42は、上述した処理以外にも、任意の手法を用いて、各利用者の拠点を推定する処理を実行して良い。上述したように、各通信機器に対して貸与されるIPアドレスやポート番号等の通信機器情報等、各通信機器が設置された部屋を特定するために用いられる情報は、端末装置100が通信機器から通信機器情報を収集する経路、判定サーバ10が端末装置100から位置情報を受信する経路、集合住宅M10内における各通信機器の接続構成等によって異なる。
【0073】
そこで、収集部41は、SSIDや通信機器のIPアドレス等といった通信機器情報のみならず、端末装置100がネットワークNにアクセスする経路に関する取得可能な任意の情報等、端末装置100との通信において用いられる各種の情報を通信情報として収集してもよい。なお、このような場合には、通信機器情報は、通信情報の一部として収集されることとなる。そして、推定部42は、収集された通信情報に基づいて、端末装置100が通信可能な通信機器が設置されている拠点の推定を行ってもよい。また、推定部42は、端末装置100がネットワークNにアクセスする経路を示す情報に基づいて、通信情報のうち、拠点の推定に用いる情報を選択し、選択した情報に基づいて、拠点の推定を行ってもよい。
【0074】
また、推定部42は、端末情報から利用者の拠点を推定してもよい。例えば、会社等が利用者に対して支給する端末装置100のキャリアが顧客情報を管理する管理サーバには、端末装置100の支給元となる会社の住所等といった会社情報や、端末装置100の機種や実行するソフトウェアの種別等が対応付けて登録されている。そこで、推定部42は、端末装置100から受信した位置情報と、端末装置100から受信した端末情報とをクエリとして管理サーバに送信する。すると、管理サーバは、クエリとして受信した位置情報と端末情報とに対応する会社情報を判定サーバ10に送信する。このような場合、推定部42は、受信した会社情報を、利用者の拠点を示す情報として推定結果データベース32に登録してもよい。
【0075】
続いて、判定部43は、推定部42による推定結果に基づいて、訪問先となる拠点にその拠点と対応する端末装置100の利用者が居るか否かを判定する(ステップS106)。より具体的には、判定部43は、訪問先となる拠点、すなわち、荷物の配送先として指定された拠点に、その拠点と対応する端末装置100を使用する複数の利用者のうち、いずれかの利用者が居るか否かを判定する。そして、判定部43は、いずれかの利用者が拠点に居ると判定される場合には、その旨を宅配センタサーバ50に送信する。
【0076】
例えば、判定部43は、宅配センタサーバ50等から配送先となる拠点の情報を受信する。このような場合、判定部43は、推定結果データベース32を参照し、配送先となる拠点の拠点IDと対応付けられた端末IDを抽出する。また、判定部43は、抽出した端末IDが示す端末装置100から受信した位置情報のうち、最新となる位置情報であって、取得されてから所定の時間が経過していない位置情報を位置履歴データベース31から検索する。
【0077】
そして、判定部43は、検索結果として得られた位置情報が推定結果データベース32に含まれる拠点の位置と一致する場合には、利用者が拠点に居ると判定する。一方、判定部43は、検索結果として位置情報を得ることができなかった場合や、検索結果として得られた位置情報が推定結果データベース32に含まれる拠点の位置と一致しない場合には、利用者が拠点に居ないと判定する。そして、判定部43は、情報提供部45を介して、判定結果を宅配センタサーバ50に送信する。
【0078】
例えば、
図1に示す例では、拠点となる部屋R21には、利用者U01の端末装置101と利用者U02の端末装置102とが対応付けられ、拠点となる部屋R12には、利用者U04の端末装置104が対応付けられている。ここで、
図1に示す例では、端末装置101から取得される位置情報が、集合住宅M10の位置情報と一致しない為、利用者U01が不在である旨を特定することができる。また、
図1に示す例では、端末装置102から取得される位置情報が、集合住宅M10の位置情報と一致する(又は、所定の範囲内に位置する)ため、利用者U02が拠点に居る旨を特定することができる。
【0079】
ここで、利用者U01宛ての荷物を配送する場合、部屋R21に利用者U01が居なくとも、部屋R21を拠点する利用者U02が居る場合には、訪問して荷物を渡すことができる。このため、判定部43は、部屋R21を拠点とする利用者U01、U02のうち、いずれかの利用者(例えば、利用者U02)が居る場合には、
図1中(C)に示すように、訪問が可能である旨を判定する。一方、
図1に示す例では、拠点となる部屋R12には、部屋R12を拠点とする利用者U04が居ない。このため、判定部43は、
図1中(D)に示すように、部屋R12への訪問ができない旨を判定する。
【0080】
このように、配送先となる拠点に複数の端末装置が対応付けられており、これらの端末装置のうちいずれかの端末装置が拠点と同じ場所にある場合には、その場所を拠点とする利用者のうちいずれかの利用者が拠点に居ると推定することができる。ここで、拠点に一人でも利用者が居る場合には、荷物の配送は可能である。そこで、判定部43は、配送先となる拠点と対応付けられた利用者のうち、いずれかの利用者がその拠点に居る場合には、配送可能であると判定する。
【0081】
図6に戻り、説明を続ける。特定部44は、時間帯ごとに、各拠点に対応する利用者のいずれかが居る可能性を算出する(ステップS107)。そして、特定部44は、端末装置100が対応する拠点に留まった履歴に基づいて、拠点に端末装置100の利用者が居る可能性が所定の閾値よりも高い時間帯を特定する。その後、特定部44は、算出結果を在宅確率データベース33に登録する(ステップS108)。
【0082】
例えば、特定部44は、推定結果データベース32から、拠点と利用者との対応を抽出する。そして、特定部44は、位置履歴データベース31を参照し、抽出した拠点に、その拠点と対応付けられた利用者が留まっていた確率を、時間帯ごとに算出する。例えば、特定部44は、「10:00〜11:00」までの間、利用者U01または利用者U02が部屋R21に居る確率を算出する。そして、特定部44は、時間帯ごとに算出した確率を在宅確率情報として在宅確率データベース33に登録する。
【0083】
続いて、情報提供部45は、判定部43による判定結果を、特定部44によって特定された在宅確率情報と共に宅配センタサーバ50に送信する(ステップS109)。より具体的には、情報提供部45は、推定部43による推定結果とともに、在宅確率データベース33に登録された在宅確率情報を、宅配センタサーバ50へと送信する。
【0084】
なお、各処理部41〜45は、それぞれ独立して、
図6中の各ステップS101〜S108に示す処理を任意の粒度で分割して実行可能であるものとする。例えば、収集部41は、ステップS101、S102を所定の時間間隔で実行してよい。また、推定部42は、ステップS103〜S105に示す処理、すなわち、推定処理を所定の時間間隔で実行して良い。また、判定部43は、ステップS106に示す所定、すなわち、判定処理を、所定の時間間隔で実行してもよく、宅配センタサーバ50から要求を受けた際に実行してもよい。また、特定部44は、ステップS107、S108に示す処理、すなわち、特定処理を所定の時間間隔で実行してもよい。
【0085】
〔3.実施形態に係る宅配センタサーバ50が実行する処理について〕
以下、図を用いて、上述した生成処理と共に、荷物の配送先となる利用者の端末装置100に配送が行われる旨を示す配送情報を送信する送信処理を実現する宅配センタサーバ50の機能構成及び作用効果の一例を説明する。
【0086】
〔3−1.機能構成の一例〕
図7は、実施形態に係る宅配センタサーバが有する機能構成の一例を説明する図である。
図7に示すように、宅配センタサーバ50は、通信部60、記憶部70、および制御部80を有する。通信部60は、例えば、NIC等によって実現され、ネットワークNと有線または無線で接続され、宅配センタサーバ50と、判定サーバ10、端末装置100および訪問者端末V01との間で情報の送受信を行う。
【0087】
記憶部70は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部70は、在宅確率データベース71、および配送データベース72を有する。なお、在宅確率データベース71は、判定サーバ10が有する在宅確率データベース33と同様の情報が登録されるものとして、説明を省略する。
【0088】
配送データベース72には、荷物の配送先となる拠点、すなわち、配送サービスにおいて訪問する訪問先となる拠点を示す情報が登録されている。例えば、
図8は、実施形態にかかる配送データベースに登録される情報の一例を示す図である。
図8に示すように、配送データベース72には、「配送者ID」、「荷物ID」、「配送先ID」といった項目を有する配送情報が登録される。
【0089】
ここで、「配送者ID」とは、荷物を拠点へと配送する配送者を識別する情報であり、例えば、配送者が使用する訪問者端末V01の識別子である。また、「荷物ID」とは、拠点へと配送される荷物の識別子である。また、「配送先ID」とは、配送先となる拠点、すなわち、訪問先となる拠点の拠点IDである。
【0090】
例えば、
図8には、配送者ID「V01」、荷物ID「荷物#1」、配送先ID「拠点#1」を対応付けた配送情報が登録されている。このような配送情報は、例えば、配送者ID「V01」が示す配送者、すなわち、訪問者端末V01を使用する配送者により、荷物ID「荷物#1」が示す荷物が、配送先ID「拠点#1」が示す拠点へと配送される旨を示す。なお、
図8に示す例では、「荷物#1」といった概念的な値を記載したが、実施形態は、これに限定されるものではない。また、配送データベース72には、
図8に示す情報以外にも、任意の項目を有する配送情報が登録されていてよい。
【0091】
図7に戻り、説明を続ける。制御部80は、例えば、CPU、MPU、ASICやFPGA等によって、宅配センタサーバ50内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムが、RAM等の記憶領域を作業領域として実行されることにより実現される。
図7に示す例では、制御部80は、情報取得部81、生成部82、送信部83、および受付部84を有する。
【0092】
なお、制御部80が有する各処理部81〜84の接続関係は、
図7に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。また、各処理部81〜84は、以下に説明するような生成処理や送信処理の機能・作用(例えば
図1)を実現・実行するものであるが、これらは説明のために整理した機能単位であり、実際のハードウェア要素やソフトウェアモジュールとの一致は問わない。すなわち、以下の生成処理や送信処理の機能・作用を実現・実行することができるのであれば、宅配センタサーバ50は、任意の機能単位で生成処理や送信処理を実現・実行して良い。
【0093】
〔3−2.生成処理における作用効果の一例〕
以下、
図9に示すフローチャートを用いて、情報取得部81および生成部82が実行・実現する生成処理の内容について説明する。
図9は、実施形態に係る宅配センタサーバが実行する生成処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【0094】
まず、情報取得部81は、判定サーバ10から判定結果と在宅確率情報とを取得する(ステップS201)。そして、情報取得部81は、取得した在宅確率情報を在宅確率データベース71に登録する(ステップS202)。
【0095】
続いて、生成部82は、荷物の配送先となる拠点に利用者が居る確率に基づいて、荷物の配送先となる複数の拠点に訪問する順番を示す配送経路を生成する(ステップS203)。例えば、生成部82は、配送データベース72を参照し、訪問者端末V01と対応付けられた拠点、すなわち、訪問者端末V01を使用する配送者が訪問する複数の拠点を特定する。続いて、生成部82は、在宅確率データベース71を参照し、配送データベース72から特定した拠点に利用者が居る確率を時間帯ごとに特定する。
【0096】
そして、生成部82は、特定した時間帯に基づいて、配送データベース72から特定した複数の拠点を訪問するための配送経路を生成する。例えば、生成部82は、各拠点の位置関係に基づいて、各拠点間の移動時間を推定し、推定した移動時間を考慮しつつ、各拠点を訪れた際に利用者が居る確率が所定の閾値よりも高くなるように、配送経路を生成する。そして、生成部82は、生成した配送経路を判定結果とともに訪問者端末V01に送信し(ステップS204)、配送経路を訪問者端末V01に表示させる。
【0097】
なお、生成部82は、例えば、配送経路とともに、各拠点を訪問する時間帯を示す情報を訪問者端末V01に表示させてもよく、各拠点に利用者が居る確率を、時間帯ごとに表示させてもよい。すなわち、生成部82は、判定サーバ10による推定処理、判定処理、および特定処理の結果得られる情報であれば、任意の情報を、訪問者端末V01に表示させてもよい。
【0098】
また、宅配センタサーバ50は、配送経路を生成せずとも、判定サーバ10による判定結果をそのまま訪問者端末V01へと送信することで、訪問先となる拠点に利用者が居るか否か、すなわち、各訪問先となる拠点に訪問可能であるか否かを通知してもよい。また、宅配センタサーバ50は、各拠点に利用者が居る確率と共に、各拠点に荷物を受け取る利用者が居るか否か、すなわち、各拠点に訪問可能であるか否かを示す情報を送信し、表示させてもよい。
【0099】
〔3−3.送信処理における作用効果の一例〕
ここで、荷物の配送前においては、配送先となる場所を拠点とする利用者や、その拠点に居る利用者に対して訪問通知を送信することで、再配送を行う手間をさらに削減することができると予測される。そこで、送信部83および受付部84は、
図10に示す送信処理を実行することで、再配送の手間をさらに削減する。以下、
図10に示すフローチャートを用いて、送信部83および受付部84が実行・実現する送信処理の内容について説明する。
図10は、実施形態に係る宅配センタサーバが実行する送信処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【0100】
例えば、送信部83は、訪問通知を送信するタイミングであるか否かを判定し(ステップS301)、訪問通知を送信するタイミングではない場合は(ステップS301:No)、訪問通知を送信するタイミングまで待機する。そして、送信部83は、訪問通知を送信するタイミングであると判定した場合には(ステップS301:Yes)、訪問通知を送信する(ステップS302)。
【0101】
例えば、送信部83は、訪問者端末V01の現在位置を特定し、特定した位置が配送先となる拠点から所定の範囲内に接近した場合には、訪問通知を送信するタイミングであると判定する。そして、送信部83は、その拠点と対応する利用者の端末装置100に対して、訪問者が拠点に訪問する旨を示す訪問情報を送信する。
【0102】
例えば、送信部83は、訪問者端末V01を使用する配送者が部屋R21へと訪問する場合は、訪問者端末V01の現在位置が部屋R21から所定の範囲内であるか否かを判定する。また、送信部83は、訪問者端末V01の現在位置が部屋R21から所定の範囲内であると判定した場合には、判定サーバ10から取得した判定結果に基づいて、部屋R21を拠点する利用者U01、UU02のうち利用者U02が部屋R21に居る旨を特定し、特定した利用者U02が使用する端末装置102に対し、訪問通知を送信する。なお、送信部83は、部屋R21を拠点する全ての利用者U01、U02により使用される各端末装置101、102に対して、訪問通知を送信してもよい。
【0103】
また、送信部83は、訪問者端末V01の現在地と拠点との距離に基づいて、訪問者が拠点に到達するまでの時間を算出し、算出した時間が所定の時間内になった場合には、その拠点と対応する利用者に対して、訪問情報を送信してもよい。例えば、例えば、送信部83は、訪問者端末V01の現在地から部屋R21までの移動時間が10分以内となった場合には、10分以内に荷物が配送される旨や訪問がある旨を含む訪問通知を端末装置102に送信してもよい。
【0104】
例えば、送信部83は、端末装置102の位置情報が示す位置が、配送先となる拠点である部屋R21の位置と対応する場合には、利用者が使用する端末装置100に対して訪問情報を送信してもよい。具体的には、送信部83は、配送先となる拠点と対応する利用者が使用する端末装置100の位置情報に基づいて、訪問情報を端末装置100に送信してもよい。
【0105】
例えば、利用者U02が部屋R21の中に居ないとしても、部屋R21の外を掃除していたり、近所に外出している場合等には、訪問通知を送信することで、荷物の受け取りが可能であるとも考えられる。また、端末装置100が測定する位置情報には、誤差が生じる場合もある。そこで、送信部83は、利用者U01、U02が使用する端末装置101、102の現在地が集合住宅M10から離れているとしても、いずれかの端末装置101、102の現在地が、集合住宅M10の近傍に位置する場合には、訪問通知を送信してもよい。例えば、送信部83は、端末装置102の現在地が、集合住宅M10から徒歩5分圏内に位置する場合には、端末装置102に対して訪問通知を送信してもよい。
【0106】
また、受付部84は、配送先の場所を拠点とする利用者の端末装置100から応答情報を受信したか否かを判定し(ステップS303)、受信していない場合は(ステップS303:No)、そのまま処理を終了する。一方、受付部84は、応答情報を受信した場合は(ステップS303:Yes)、応答情報を訪問者端末V01に通知し(ステップS304)、処理を終了する。
【0107】
例えば、端末装置102は、送信部83から訪問通知を受信した場合には、配送者が訪問する旨の情報を表示するとともに、訪問の可否や、訪問し直してほしい時間帯、すなわち、訪問可能な時間帯の入力を受付ける。そして、端末装置102は、受付けた訪問の可否や訪問可能な時間帯を応答情報として宅配センタサーバ50へと送信する。このような場合、受付部84は、端末装置102から受付けた応答情報の内容を訪問者端末V01へ送信する。
【0108】
なお、宅配センタサーバ50は、受付部84が受け付けた応答情報に基づいて、新たな経路情報を再生成してもよい。例えば、生成部82は、利用者U02の端末装置102から訪問ができない旨や、訪問可能な時間帯を示す応答情報を受付部84が受付けた場合は、応答情報が示す訪問可能な時間帯に部屋R21を訪れるように経路情報を再生成し、再生成した経路情報を訪問者端末V01に送信してもよい。この結果、受付部84は、利用者が不在であるにもかかわらず訪問するといった空振りや、再配送を行うといった手間を防ぐことができる。
【0109】
〔4.変形例〕
上述した実施形態に係る判定システム1は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、上記の判定システム1の他の実施形態について説明する。
【0110】
〔4−1.受け取り設備の仕様について〕
近年、配送先に利用者が居ない場合であっても、荷物を配送することができるように、ロッカーやポスト等といった荷物の受け取り設備が設置されてきている。このような受け取り設備が存在する場合、配送先に荷物を受け取る利用者が居ない場合であっても、荷物の配送は可能となる。
【0111】
一方で、ロッカーの大きさやポスト口の大きさ、ロッカーの数等、受け取り設備が受け取り可能な荷物の大きさや数には、上限が存在する。そこで、判定システム1は、判定処理による判定結果と共に、訪問先となる拠点に荷物の受け取り設備に関する情報に基づいて、訪問先となる拠点への訪問の可否を決定してもよい。例えば、宅配センタサーバ50は、訪問先となる各拠点と対応する受け取り設備が存在するか否かや、各受け取り設備が受け取り可能な荷物の大きさ、数、重さ等といった受け取り設備に関する情報をあらかじめ記憶する。
【0112】
そして、例えば、宅配センタサーバ50は、判定処理による判定の結果、訪問先となる部屋R12に利用者U04が居ないと判定された場合には、部屋R12に対応する受け取り設備が存在するか否かを判定する。そして、宅配センタサーバ50は、部屋R12に対応する受け取り設備が存在する場合には、訪問者端末V01に、部屋R12を宛先とする荷物を受け取り設備に入れておく旨の指示を送信してもよい。
【0113】
また、宅配センタサーバ50は、配送される荷物の大きさが、受け取り設備が受け取り可能な荷物の大きさの上限を超えている場合には、訪問ができない旨の通知を訪問者端末V01に送信してもよい。また、宅配センタサーバ50は、受け取り設備が受け取り可能な荷物の数をリアルタイムで特定することができる場合には、受け取り設備が新たな荷物を受け取り可能であるか否かを判定し、判定結果に基づいて、訪問の可否を示す通知を訪問者端末V01に送信してもよい。
【0114】
〔4−2.判定システムの提供態様について〕
上述した説明では、判定サーバ10による推定処理および判定処理の結果を、指定された拠点まで荷物を配送する配送サービスに提供する例について記載した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではなく、上述した推定処理および判定処理の結果は、利用者の拠点を推定するものであれば、訪問先に利用者が居ることを前提する各種のサービスに提供可能である。
【0115】
例えば、判定システム1が実行した推定処理や判定処理の結果は、配送サービス以外にも、書留郵便等といった受け取り先が指定されている郵便物、営業活動、セールス、面談、各種設備の点検、各種訪問を行う行政サービス、訪問介護サービス等、利用者が拠点に居る間に他者が訪問を行う各種のサービスにおいて利用可能である。
【0116】
〔4−3.拠点の変更について〕
上述した説明では、判定サーバ10は、各拠点と各利用者U01〜U04との対応を推定した。しかしながら、利用者U01〜U04によっては、時間帯ごとに拠点が変化する場合がある。例えば、利用者は、日中の間は会社が拠点となり、夜間の間は住宅が拠点となる場合がある。また、例えば、個人事業主等は、日中の間は拠点がなく、夕方や夜間の時間帯の間は会社が拠点となる場合がある。そこで、判定サーバ10は、位置情報が取得された時間帯に基づいて、利用者の拠点を時間帯ごとに推定してもよい。
【0117】
例えば、判定サーバ10は、日中の時間帯は、利用者U04の勤務先等を利用者U04の拠点として推定し、夜間の時間帯は、部屋R12を利用者U04の拠点として推定する。そして、判定サーバ10は、日中の間は、部屋R12を拠点とする利用者が居ないと判定してもよい。また、宅配センタサーバ50は、訪問を行う時間帯における利用者U04の拠点を特定し、特定した拠点を、訪問先として特定してもよい。また、宅配センタサーバ50は、日中の時間帯は、部屋R12が利用者U04の拠点ではないと判定し、部屋R12を宛先とする荷物の配送が行えないと判定してもよい。
【0118】
また、宅配センタサーバ50は、荷物の種別に応じて、配送先となる拠点を変更してもよい。例えば、宅配センタサーバ50は、荷物が事務用品である場合には、日中の間拠点として推定された場所に荷物を配送してもよい。
【0119】
〔4−4.各処理の結果の利用について〕
上述した実施形態では、判定サーバ10は、利用者が対応する拠点に居るか否かの判定を行い、宅配センタサーバ50は、利用者が対応する拠点に居ると判定された場合には、配送が可能であると判定した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。
【0120】
例えば、判定システム1は、利用者が対応する拠点に居ないことを用いて、各種のサービスを提供してもよい。具体的な例を挙げると、判定システム1による判定結果は、利用者が対応する拠点に居ないと判定された場合に、その拠点の電気系統を点検するため停電させるといった用途に用いられてもよい。また、判定結果は、例えば、利用者が対応する拠点に居る確率が低い時間帯においては、警察官や自治体等によるパトロールを重点的に行うといった用途に用いられてもよい。
【0121】
また、上述した例では、判定システム1は、利用者U01〜U04が使用する端末装置100の位置履歴情報に基づき、利用者U01〜U04と拠点との対応を推定した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、判定システム1は、ロボット等の移動可能な情報処理装置の位置履歴情報に基づいて、ロボットと拠点との対応を推定してもよい。このようなロボットの拠点の推定結果や判定結果は、例えば、ロボットが充電場所や整備場所に戻って居るか否か、ロボットが盗難されていないか等といった判断の指標に用いることができる。
【0122】
また、上述した例では、判定システム1は、部屋R21を拠点とする利用者U01、U02のうち、いずれかの利用者が居る場合には、荷物の配送が可能であると判定した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、判定システム1は、訪問先となる施設に対応する利用者のうち、所定の利用者が居るか否かを判定し、所定の利用者が居ると判定される場合には、訪問可能であると判定してもよい。
【0123】
例えば、判定システム1は、訪問先となる会社を拠点とする利用者のうち、事前登録された情報等に基づいて、受付け業務を行う利用者を特定し、特定した利用者が居るか否かを判定する。そして、特定システム1は、特定した利用者が居ると判定した場合には、訪問可能であると判定してもよい。このような処理を実行することで、判定システム1は、宛先となる利用者が拠点に居ない場合であっても、受付などの所定の利用者に荷物を受け渡すことができる。
【0124】
〔4−5.利用者の特定について〕
また、判定サーバ10は、任意の手法で端末装置100を使用する利用者の特定を行ってよい。例えば、判定サーバ10は、端末装置101を使用する利用者が利用者U01である旨の事前登録を受付けてもよく、例えば、端末装置101のキャリアから利用者U01に関する情報を取得してもよい。また、判定サーバ10は、オークションサイト等に端末装置101を用いて利用者U01がログインした際に、利用者U01がログインに用いた情報や利用者U01が予め登録した登録認証情報等をオークションサイト等から取得してもよい。また、判定サーバ10は、これらの情報を、各種情報を管理するサーバ装置から取得してもよく、端末装置101から取得してもよい。
【0125】
また、例えば、判定サーバ10は、端末装置100からの識別情報に基づいて、端末装置100を使用する利用者の特定を行ってもよい。例えば、端末装置100は、オークションサイト等のログイン時に、利用者が入力した登録認証情報等を記憶しておき、記憶した登録認証情報を位置情報とともに判定サーバ10へ送信することで、端末装置100を使用する利用者を通知してもよい。すなわち、判定サーバ10は、位置履歴情報として登録される端末ID、利用者ID、端末情報、および通信機器情報については、任意の手法により収集してよい。
【0126】
また、判定サーバ10は、全ての利用者と端末装置100との対応を特定しておく必要はない。例えば、判定サーバ10は、荷物の配送サービス等、訪問先に居る利用者が荷物の受取人本人ではなくとも良い場合には、利用者と端末装置100との対応を特定せずともよく、一部の利用者と端末装置100との対応のみを特定してもよい。すなわち、判定サーバ10は、端末装置100とその端末装置100を使用する利用者の拠点との対応、すなわち、端末装置100と拠点との対応のみを推定することができれば、端末装置100の有無に基づいて、各拠点に訪問することができるか否かを判定してもよい。このような処理をする場合、例えば、判定サーバ10は、
図4に示す推定結果データベース32のうち、「利用者ID」については、特定や登録を行わずともよい。
【0127】
〔4−6.SSIDについて〕
また、上述した説明では、判定サーバ10は、端末装置100がGPS等の測位手段を用いて取得した位置情報を位置履歴情報とした。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、判定サーバ10は、SSID等の通信機器情報を用いて、端末装置100の位置を特定してもよい。例えば、判定サーバ10は、通信機器に設定されたSSID、IPアドレス、MACアドレス、ポート番号等を通信機器が設置された位置と対応付けて記憶する。そして、判定サーバ10は、端末装置100から通信機器情報を受付けた場合には、通信機器情報と対応付けられた位置を特定し、特定した位置を端末装置100の位置としてもよい。
【0128】
〔4−7.訪問通知について〕
また、上述した説明では、宅配センタサーバ50は、訪問先の拠点に対応する利用者に対して訪問通知を送信した。ここで、宅配センタサーバ50は、予め登録された利用者に対してのみ、訪問通知を送信してもよい。例えば、宅配センタサーバ50は、利用者U01、U02のうち、利用者U02のみが予め登録を行っていた場合には、利用者U02の端末装置102のみに訪問通知を送信してもよい。
【0129】
〔4−8.判定結果について〕
また、上述した説明では、判定システム1は、推定結果に基づいて、利用者が拠点に居るか否かをリアルタイムに判定するとともに、各利用者が拠点に居る確率を算出した。ここで、判定システム1は、推定結果に基づいて、リアルタイムに利用者が拠点に居るか否かを判定するだけでもよく、各利用者が拠点に居る確率を算出するだけでもよい。また、宅配センタサーバ50は、利用者が拠点に居る時間帯ごとの確率を全て訪問者端末V01に通知する必要はない。例えば、宅配センタサーバ50は、利用者が拠点に居る確率が所定の閾値よりも高い時間帯のみを通知してもよい。また、宅配センタサーバ50は、訪問先となる全ての拠点について、利用者が拠点に居る確率が所定の閾値よりも高い時間帯を特定し、特定した時間帯に基づいて、配送経路を生成してもよい。
【0130】
〔4−9.その他の実施形態〕
なお、上記実施形態は例示に過ぎず、本発明は、以下に例示するものやそれ以外の他の実施態様も含むものである。例えば、本出願における機能構成、データ構造、フローチャートに示す処理の順序や内容などは例示に過ぎず、各要素の有無、その配置や処理実行などの順序、具体的内容などは適宜変更可能である。例えば、上述した各種の処理は、上記実施形態で例示したように判定サーバ10や宅配センタサーバ50が実現する以外にも、スマートフォンのアプリなどが実現する端末における装置、方法やプログラムとして実現することもできる。また、判定サーバ10と宅配センタサーバ50とが実施する機能や機能構成は、1台のサーバ装置や1つのクラウドシステム等によって実現されてもよい。
【0131】
また、判定サーバ10を構成する各処理部41〜45を、さらにそれぞれ独立した装置で実現する構成も一般的であり、宅配センタサーバ50を構成する各処理部81〜84を、さらにそれぞれ独立した装置で実現する構成も一般的である。同様に、外部のプラットフォーム等をAPI(アプリケーション・プログラム・インタフェース)やネットワークコンピューティング(いわゆるクラウドなど)で呼び出すことで、上記実施形態で示した各処理を実現するなど、本発明の構成は柔軟に変更できる。さらに、本発明に関する各要素は、コンピュータの演算制御部に限らず物理的な電子回路など他の情報処理機構で実現してもよい。
【0132】
〔5.効果〕
このように、判定サーバ10は、端末装置100の位置を示す位置情報の履歴である位置履歴情報から、端末装置100と拠点との対応を推定する。そして、判定サーバ10は、推定結果に基づいて、訪問先となる拠点にその拠点と対応する端末装置100の利用者が居るか否かを判定する。
【0133】
このように、判定サーバ10は、端末装置100や端末装置100を使用する利用者と、その利用者の拠点との対応が予め登録されていなくとも、拠点と利用者との紐付けすることができる。この結果、判定サーバ10は、事前登録無しで、利用者が訪問先となる拠点に居るか否かを容易に判定することができる。また、判定サーバ10は、各種の訪問サービスにおける空振りの防止や再訪問の回数を削減するので、採算の改善を実現することができる。また、判定サーバ10は、利用者と紐付けることができるのであれば、任意の場所を拠点とすることができるので、例えば、住所不定の利用者に対しても、配送サービス等といった訪問サービスを提供させることができる。
【0134】
また、判定サーバ10は、位置履歴情報が示す各位置に端末装置100が留まった量に基づいて、端末装置100と対応する拠点を推定する。例えば、判定サーバ10は、端末装置100が留まった量として、端末装置100が留まった回数、端末装置100が留まった時間の長さ、および、端末装置100が留まった時間帯の少なくともいずれか1つに基づいて、端末装置100と対応する拠点を推定する。
【0135】
このため、判定サーバ10は、各端末装置100の利用者が本当に拠点としている場所を特定することができる。例えば、判定サーバ10は、利用者が滞在した時間が長い程、その場所が利用者の拠点であるという信頼性を高めることができる。このような処理を実行した場合、訪問先に長時間滞在した利用者、すなわち、訪問先を本当に拠点としている利用者を推定することができる。この結果、判定サーバ10は、例えば、訪問先を拠点としていないにも関わらず、訪問先に忍び込んだり、訪問先の玄関先で待機するなどして、訪問先を拠点としているふりをした利用者に荷物を受け渡してしまうといった事態を防ぐことができる。
【0136】
また、判定サーバ10は、位置履歴情報に加えて、端末装置100に関する端末装置情報に基づいて、同じ場所に存在する複数の拠点からその端末装置100と対応する拠点を推定する。また、判定サーバ10は、位置履歴情報に加えて、拠点において端末装置100と通信する通信機器に関する通信機器情報に基づいて、同じ場所に存在する複数の拠点からその端末装置100と対応する拠点を推定する。このため、判定サーバ10は、集合住宅M10にある各部屋R11〜R21等、同じ場所にある複数の拠点と各利用者との対応を適切に推定することができる。
【0137】
また、判定サーバ10は、訪問先となる拠点と対応する端末装置100を使用する複数の利用者のうち、いずれかの利用者がその拠点に居るか否かを判定し、いずれかの利用者が居ると判定した場合には、その拠点に利用者が居ると判定する。このため、例えば、判定サーバ10は、宛先となる利用者本人が居ない場合であっても、その利用者の家族等に荷物の受渡しを行うことができるか否か判定することができる。
【0138】
また、判定サーバ10は、荷物の配送先として指定された拠点に、その拠点と対応する端末装置100の利用者が居るか否かを判定する。このため、判定サーバ10は、判定結果に基づいて、配送サービスにおける訪問の空振りや再訪問の回数を削減することができる。
【0139】
また、判定サーバ10は、端末装置100が対応する拠点に留まった履歴に基づいて、その拠点に端末装置100の利用者が居る可能性が所定の閾値よりも高い時間帯を特定する。また、宅配センタサーバ50は、訪問先となる複数の拠点について特定された時間帯に基づいて、各拠点を訪問する経路を示す経路情報を生成する。このため、宅配センタサーバ50は、推定結果に基づいて、効率的な配送サービスの提供を実現することができる。
【0140】
また、判定サーバ10は、訪問先となる拠点について、利用者が居る確率を時間帯ごとに算出し、算出した確率を訪問者が使用する訪問者端末V01に表示させる。このため、判定サーバ10は、訪問するか否かを判断するための指標を訪問者に提供することができる。
【0141】
また、宅配センタサーバ50は、訪問者が拠点に訪問する旨を示す訪問情報を、その拠点と対応する利用者に対して送信する。具体的には、宅配センタサーバ50は、訪問先として指定された拠点と対応する端末装置100に対して、訪問情報を送信する。例えば、宅配センタサーバ50は、訪問者が拠点から所定の範囲内に接近した場合には、その拠点と対応する利用者に対して、訪問情報を送信する。また、宅配センタサーバ50は、訪問者が拠点に到達するまでの時間が所定の時間内になった場合には、その拠点と対応する利用者に対して、訪問情報を送信する。
【0142】
このような訪問情報を送信した場合、拠点の近傍に居た利用者に対して、訪問者が訪問する旨を通知し、拠点へと戻るよう促すことができるので、宅配センタサーバ50は、訪問の空振りや再訪問の回数を削減することができる。
【0143】
また、宅配センタサーバ50は、訪問情報が送信された利用者から、訪問の可否、または、訪問可能な時間帯を示す応答情報を受け付ける。このため、宅配センタサーバ50は、訪問の空振りや再訪問の回数を削減することができる。
【0144】
また、宅配センタサーバ50は、拠点と対応する利用者が使用する端末装置100の位置情報に基づいて、訪問情報を端末装置100に送信する。例えば、宅配センタサーバ50は、端末装置100の位置情報が示す位置が、訪問先となる拠点の位置と対応する場合には、その端末装置100に対して訪問情報を送信する。このため、宅配センタサーバ50は、拠点の近傍に居た利用者に対して、拠点へと戻るよう促すことができるので、訪問の空振りや再訪問の回数を削減することができる。
【0145】
また、判定システム1は、判定結果とともに、訪問先となる拠点に配送される荷物の受け取り設備に関する情報に基づいて、訪問先となる拠点への訪問の可否を決定する。このように、判定システム1は、ロッカーやポスト等、拠点を宛先とする荷物の受け取り設備に関する情報に基づいて、訪問先への訪問の可否を決定するので、配送の空振りや再配送の回数を削減することができる。
【0146】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0147】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、移動状態判定部は、移動状態判定手段や移動状態判定回路に読み替えることができる。