(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の、環形動物分離装置、及び、環形動物分離方法に関する各実施形態について
図1乃至
図14を参照しながら説明する。
【0014】
<実施形態>
(概要)
実施形態の環形動物分離装置は、環形動物に生息環境を提供する生息床から環形動物を分離する。
環形動物分離装置は、生息床と、発酵に伴って臭気を発生する臭気発生体と、が収容される生息床収容空間を有する生息床収容部を備える。
生息床収容部は、生息床収容空間と、生息床収容空間の外部と、を連通する、少なくとも1つの第1孔を有する。
生息床収容空間は、少なくとも1つの第1孔を除いて、気体に対して密閉される。
【0015】
この環形動物分離装置によれば、臭気は、生息床収容空間に充満する。これにより、臭気は、生息床の内部にも拡散する。ところで、環形動物は、発酵に伴って発生する臭気に対して、相当強い忌避反応を示す。従って、環形動物は、第1孔を通って、生息床収容空間の外部へ移動する。この結果、環形動物分離装置によれば、環形動物を生息床から容易に分離できる。
次に、実施形態の環形動物分離装置について、より詳細に説明する。
【0016】
(構成)
以下、
図1乃至
図14に表されるように、x軸、y軸及びz軸を有する右手系の直交座標系を用いて、実施形態の環形動物分離装置1を説明する。
【0017】
環形動物分離装置1は、生息床から環形動物を分離する。
本例では、環形動物は、シマミミズである。なお、環形動物は、シマミミズ以外のミミズであってもよい。また、環形動物は、ミミズ以外のヒル綱又は多毛綱であってもよい。
生息床は、環形動物に生息環境を提供する。本例では、生息床は、土砂である。なお、生息床は、土砂に代えて、又は、土砂に加えて、土砂以外の物質(例えば、有機物、又は、化学物質等)を含んでもよい。例えば、有機物は、動物の糞等である。例えば、化学物質は、合成樹脂からなる、スポンジ、又は、綿等である。また、生息床は、土砂に代えて土を含んでもよい。本例では、生息床は、ミミズ床と表されてもよい。
【0018】
本例では、z軸方向は、鉛直方向に一致する。また、本明細書においては、x軸方向、y軸方向、及び、z軸方向は、環形動物分離装置1の左右方向、環形動物分離装置1の前後方向、及び、鉛直方向とそれぞれ表されてもよい。また、本明細書においては、x軸の正方向、x軸の負方向、y軸の正方向、y軸の負方向、z軸の正方向、及び、z軸の負方向は、環形動物分離装置1の左方向、環形動物分離装置1の右方向、環形動物分離装置1の後方向、環形動物分離装置1の前方向、鉛直上方向、及び、鉛直下方向とそれぞれ表されてもよい。
【0019】
先ず、
図1乃至
図8を参照しながら、環形動物分離装置1について説明する。
図1は、環形動物分離装置1の左方であり、環形動物分離装置1の前方であり、且つ、環形動物分離装置1の鉛直上方である位置から、環形動物分離装置1を見た図(換言すると、左前上方斜視図)である。
図2は、環形動物分離装置1の前方から環形動物分離装置1を見た図(換言すると、正面図)である。
図3は、環形動物分離装置1の左方から環形動物分離装置1を見た図(換言すると、右側面図)である。
図4は、環形動物分離装置1の鉛直上方から環形動物分離装置1を見た図(換言すると、平面図)である。
【0020】
図5は、
図4のV−V線により表される平面により切断された環形動物分離装置1の断面をy軸の正方向にて見た図である。
図6は、
図4のVI−VI線により表される平面により切断された環形動物分離装置1の断面をx軸の負方向にて見た図である。
【0021】
図7は、環形動物分離装置1が分解された状態において、環形動物分離装置1の左方であり、環形動物分離装置1の前方であり、且つ、環形動物分離装置1の鉛直上方である位置から、環形動物分離装置1を見た図(換言すると、左前上方斜視図)である。
図8は、環形動物分離装置1が分解された状態において、環形動物分離装置1の左方であり、環形動物分離装置1の前方であり、且つ、環形動物分離装置1の鉛直下方である位置から、環形動物分離装置1を見た図(換言すると、左前下方斜視図)である。
【0022】
図1乃至
図4に表されるように、環形動物分離装置1は、z軸方向にて延びる柱体状である。本例では、環形動物分離装置1の底面は、x軸方向にて延びる長辺と、y軸方向にて延びる短辺と、を有する長方形状である。換言すると、環形動物分離装置1は、z軸方向にて延びる四角柱状である。なお、環形動物分離装置1は、四角柱状と異なる形状であってもよい。
【0023】
図7及び
図8に表されるように、環形動物分離装置1は、支持部10と、漏斗部20と、トレイ部30と、蓋部40と、容器部50と、を備える。本例では、漏斗部20、トレイ部30、蓋部40、及び、容器部50は、取り外し可能に支持部10に取り付けられる。なお、漏斗部20、トレイ部30、蓋部40、及び、容器部50のうちの少なくとも1つは、支持部10に固定されていてもよい。
【0024】
図1乃至
図3に表されるように、支持部10は、底板11と、複数(本例では、4本)の支柱12と、支持枠13と、昇降台14と、を備える。
底板11は、x軸方向にて延びる長辺と、y軸方向にて延びる短辺と、を有する長方形状の平板である。なお、底板11は、長方形状と異なる形状(例えば、円形状、楕円形状、又は、正方形状等)であってもよい。
【0025】
4本の支柱12のそれぞれは、z軸方向にて延びる柱体状である。本例では、z軸に直交する平面(換言すると、xy平面)により切断された各支柱12の断面は、x軸方向にて延びる辺と、y軸方向にて延びる辺と、を有する正方形状である。換言すると、各支柱12は、z軸方向にて延びる正四角柱状である。なお、各支柱12は、正四角柱状と異なる形状であってもよい。4本の支柱12は、4本の支柱12のうちの、z軸の負方向における端面が、底板11の4つの隅部にそれぞれ固定される。
【0026】
図7乃至
図9に表されるように、支持枠13は、z軸方向にて延びるとともに、z軸方向における両端面にて開口する、中空の柱体状である。
図9は、支持部10の鉛直上方から支持部10を見た図(換言すると、平面図)である。本例では、xy平面により切断された支持枠13の断面の外縁は、底板11の外縁と同じ形状である。換言すると、支持枠13は、支持部10をz軸の負方向にて見た場合における支持部10の外縁に沿って延びる。また、換言すると、支持枠13は、z軸方向にて延びるとともに、z軸方向における両端面にて開口する、中空の四角柱状である。なお、支持枠13は、中空の四角柱状と異なる形状であってもよい。
【0027】
支持枠13は、4本の支柱12のうちの、z軸の正方向における端面にて、4本の支柱12により支持される。本例では、支持枠13は、4本の支柱12に固定される。
【0028】
図5、
図6、及び、
図9に表されるように、支持枠13は、第1接触面131と、第2接触面132と、第3接触面133と、を有する。第1接触面131、第2接触面132、及び、第3接触面133のそれぞれは、z軸の正方向に向かって露出する。
【0029】
図9に表されるように、第1接触面131は、支持部10をz軸の負方向にて見た場合において、支持枠13の外縁を形成する。第2接触面132は、支持部10をz軸の負方向にて見た場合において、第1接触面131よりも内側にて第1接触面131に沿って延びる。第3接触面133は、支持部10をz軸の負方向にて見た場合において、第2接触面132よりも内側にて第2接触面132に沿って延びる。
【0030】
図5及び
図6に表されるように、第1接触面131は、支持枠13のz軸方向における中心よりもz軸の負方向の位置を有する。第2接触面132は、第1接触面131よりもz軸の正方向の位置を有する。第3接触面133は、第2接触面132よりもz軸の負方向の位置を有する。
【0031】
本例では、第1接触面131、及び、第2接触面132のそれぞれは、xy平面を形成する。本例では、第3接触面133は、漏斗部20のうちの、z軸の正方向における端部と接するように、xy平面に対して傾斜する。
【0032】
昇降台14は、昇降台14のうちの、z軸の正方向における端面(換言すると、載置面)の、z軸方向における位置を変更可能である。本例では、昇降台14は、回転の中心軸がy軸方向にて延びるように回転可能に支持されるハンドル141を備え、ハンドル141の回転に伴って、載置面の、z軸方向における位置を変更可能である。なお、昇降台14は、電力によって駆動されてもよい。
【0033】
本例では、昇降台14は、底板11に載置される。なお、昇降台14は、底板11に固定されていてもよい。
また、支持部10は、キャスター等の車輪を備え、水平方向にて移動可能であってもよい。
【0034】
図5乃至
図8に表されるように、漏斗部20は、本体21と、延出部22と、受面部23と、を備える。
本体21は、z軸方向にて延びるとともに、z軸方向における両端面にて開口する、中空の立体状である。xy平面により切断された、本体21の内部空間の断面積は、当該xy平面のz軸方向における位置がz軸の負方向にて移動するにつれて小さくなる。換言すると、本体21の内部空間は、z軸の負方向にて先細形状を有する。
【0035】
本例では、本体21は、x軸方向にて延びる直線を含む一対の平面をそれぞれ形成する一対の第1平板211と、y軸方向にて延びる直線を含む一対の平面をそれぞれ形成する一対の第2平板212と、からなる。一対の第1平板211がそれぞれ形成する一対の平面と、一対の第2平板212がそれぞれ形成する一対の平面と、は、本体21の内部空間を形成する。
【0036】
本体21のうちの、z軸の正方向における端面の開口は、x軸方向にて延びる長辺と、y軸方向にて延びる短辺と、を有する長方形状である。本例では、本体21のうちの、z軸の正方向における端面の開口は、後述する第1トレイ31の底面よりも大きい。
【0037】
本体21のうちの、z軸の負方向における端面の開口は、x軸方向にて延びる辺と、y軸方向にて延びる辺と、を有する正方形状である。本例では、本体21のうちの、z軸の負方向における端面の開口は、本体21のうちの、z軸の正方向における端面の開口よりも小さい。
【0038】
図5及び
図6に表されるように、一対の第1平板211は、xy平面(本例では、水平面)に対して、第1傾斜角θ1だけ傾斜する。一対の第2平板212は、xy平面に対して、第2傾斜角θ2だけ傾斜する。第1傾斜角θ1、及び、第2傾斜角θ2のそれぞれは、50度以上であり且つ180度よりも小さい。
【0039】
ところで、環形動物は、水平面に対して、50度よりも小さい傾斜角だけ傾斜する斜面に滞留しやすい。換言すると、環形動物は、水平面に対して、50度以上であり且つ180度よりも小さい傾斜角だけ傾斜する斜面に滞留しにくい。従って、第1傾斜角θ1、及び、第2傾斜角θ2は、50度以上であり且つ180度よりも小さいことが好適である。
【0040】
更に、環形動物は、水平面に対して、60度以上であり且つ180度よりも小さい傾斜角だけ傾斜する斜面に、より一層滞留しにくい。従って、第1傾斜角θ1、及び、第2傾斜角θ2は、60度以上であり且つ180度よりも小さいことがより一層好適である。
【0041】
また、第1傾斜角θ1、及び、第2傾斜角θ2が90度以上であり且つ180度よりも小さい場合、本体21のうちの、z軸の負方向における端面の開口は、本体21のうちの、z軸の正方向における端面における開口よりも大きくなる。従って、第1傾斜角θ1、及び、第2傾斜角θ2が90度よりも小さいことが好適である。
【0042】
従って、本例では、第1傾斜角θ1、及び、第2傾斜角θ2は、60度以上であり且つ90度よりも小さい。本例では、第2傾斜角θ2は、60度である。本例では、第1傾斜角θ1は、第2傾斜角θ2よりも大きい。
なお、本体21は、z軸方向にて延びる、中空の円錐台状、又は、中空の角錐台状であってもよい。
【0043】
本体21は、透光性を有しない。例えば、本体21は、木質材料、金属、又は、樹脂からなる。
また、本体21の内壁面は、環形動物が滑り落ちやすくなるように、円滑であることが好適である。本例では、内壁面は、内部空間を形成する壁面である。例えば、表面が円滑でない材料が本体21の基材として用いられる場合、本体21は、本体21の内壁面を構成する被覆材を基材上に備えることが好適である。例えば、被覆材は、ポリプロピレンシート等の樹脂製シートである。また、本体21の内壁面には、環形動物が滑り落ちやすくなるように、潤滑油が塗布されてもよい。
【0044】
延出部22は、z軸方向にて延びるとともに、z軸方向における両端面にて開口する、中空の柱体状である。本例では、xy平面により切断された延出部22の断面は、正方形状である。換言すると、延出部22は、z軸方向にて延びるとともに、z軸方向における両端面にて開口する、中空の正四角柱状である。なお、xy平面により切断された延出部22の断面は、正方形状と異なる形状(例えば、円形状、又は、長方形状等)であってもよい。
【0045】
本例では、延出部22は、x軸に直交する一対の平面、及び、y軸に直交する一対の平面をそれぞれ形成する4枚の平板からなる。4枚の平板がそれぞれ形成する、x軸に直交する一対の平面、及び、y軸に直交する一対の平面は、延出部22の内部空間を形成する。
【0046】
延出部22のうちの、z軸の正方向における端面の開口は、x軸方向にて延びる辺と、y軸方向にて延びる辺と、を有する正方形状である。本例では、延出部22のうちの、z軸の正方向における端面の開口は、本体21のうちの、z軸の負方向における端面の開口と同じ形状を有する。
【0047】
本例では、延出部22のうちの、z軸の負方向における端面の開口は、延出部22のうちの、z軸の正方向における端面の開口と同じ形状を有する。なお、延出部22のうちの、z軸の負方向における端面の開口は、延出部22のうちの、z軸の正方向における端面の開口と異なる形状を有してもよい。
【0048】
延出部22の各平板は、xy平面(本例では、水平面)に対して、第3傾斜角θ3だけ傾斜する。第3傾斜角θ3は、50度以上であり且つ180度よりも小さい。本例では、第3傾斜角θ3は、90度である。
なお、延出部22の内部空間は、z軸の負方向にて先細形状を有していてもよい。この場合、第3傾斜角θ3は、90度よりも小さい。
【0049】
延出部22は、透光性(本例では、透明性)を有する。例えば、延出部22は、ガラス、又は、樹脂からなる。
また、延出部22の内壁面は、環形動物が滑り落ちやすくなるように、円滑であることが好適である。例えば、表面が円滑でない材料が延出部22の基材として用いられる場合、延出部22は、延出部22の内壁面を構成する被覆材を基材上に備えることが好適である。例えば、被覆材は、ポリプロピレンシート等の樹脂製シートである。また、延出部22の内壁面には、環形動物が滑り落ちやすくなるように、潤滑油が塗布されてもよい。
【0050】
なお、漏斗部20は、本体21のうちの少なくとも一部が透光性(例えば、透明性)を有してもよい。この場合、延出部22は、透光性を有していなくてもよい。
【0051】
受面部23は、z軸方向にて延びるとともに、z軸方向における両端面にて開口する、中空の柱体状である。本例では、xy平面により切断された受面部23の断面は、正方形状である。換言すると、受面部23は、z軸方向にて延びるとともに、z軸方向における両端面にて開口する、中空の正四角柱状である。なお、xy平面により切断された受面部23の断面は、正方形状と異なる形状(例えば、円形状、又は、長方形状等)であってもよい。
【0052】
受面部23の内壁面は、延出部22の外壁面と接する。受面部23のz軸方向における長さは、延出部22のz軸方向における長さよりも短い。受面部23は、延出部22のうちの、z軸の正方向における端部にて、延出部22に固定される。
【0053】
図5乃至
図8に表されるように、トレイ部30は、第1トレイ31と、第2トレイ32と、を備える。
第1トレイ31は、z軸方向にて延びるとともに、z軸の正方向における端面にて開口する、有底且つ中空の柱体状である。本例では、xy平面により切断された第1トレイ31の断面は、x軸方向にて延びる長辺と、y軸方向にて延びる短辺と、を有する長方形状である。換言すると、第1トレイ31は、z軸方向にて延びるとともに、z軸の正方向における端面にて開口する、有底且つ中空の四角柱状である。なお、第1トレイ31は、有底且つ中空の四角柱状と異なる形状(例えば、円柱状等)であってもよい。
【0054】
図5及び
図6に表されるように、第1トレイ31は、底面311と、複数の孔312と、縁部313と、を備える。
底面311は、第1トレイ31のうちの、z軸の負方向における端面を構成する。底面311は、本体21のうちの、z軸の正方向における端面の開口よりも僅かに小さい。底面311の外縁は、本体21のうちの、z軸の正方向における端部にて、本体21の内壁面に接する。
【0055】
底面311の外縁は、底面311の外縁が、本体21の内壁面に接する位置を含むxy平面により切断された本体21の断面における当該内壁面の形状と同じ形状を有する。換言すると、底面311の外縁は、底面311の外縁の全体に亘って、本体21の内壁面に接する。従って、底面311は、本体21の内部空間を分割する。
【0056】
本例では、底面311と、本体21の内壁面と、延出部22の内壁面と、により形成される空間は、接続空間SPCに対応する。
本例では、本体21のうちの、第1トレイ31と接する位置よりもz軸の負方向の部分と、延出部22と、は、接続空間SPCを形成する壁に対応する。
本例では、延出部22のうちの、z軸の負方向における端面の開口は、接続空間SPCと、接続空間SPCの外部と、を連通するとともに、接続空間SPCが第1トレイ31と接する面積よりも小さい開口に対応する。
【0057】
複数の孔312のそれぞれは、底面311にて開口するとともに、第1トレイ31の内部空間と第1トレイ31の外部とを連通する。本例では、複数の孔312は、格子状に位置する。本例では、各孔312は、円柱状である。なお、各孔312は、円柱状と異なる形状(例えば、角柱状等)であってもよい。例えば、各孔312の直径は、1mm乃至5mmである。
【0058】
ところで、孔312の大きさが比較的大きい場合、孔312を通過した環形動物に付着する、生息床を構成する物質の量が多くなりやすい。この場合、生息床を構成する物質を環形動物から除去するためには、環形動物を洗浄しなければならない。
【0059】
そこで、本例では、孔312は、環形動物が孔312を通過可能であるとともに、環形動物の通過に伴って生息床を構成する物質が孔312を通過不能である大きさを有する。例えば、環形動物がシマミミズである場合、各孔312の直径は、2mm乃至3mmであることが好適である。このように、孔312の大きさは、環形動物の大きさに応じて設定されることが好適である。
【0060】
従って、環形動物分離装置1によれば、孔312を通過した環形動物に付着する、生息床を構成する物質の量を十分に少なくすることができる。この結果、環形動物を洗浄することなく、生息床を構成する物質を環形動物から除去できる。
なお、第1トレイ31が有する孔312の数は、1つであってもよい。
【0061】
縁部313は、xy平面に沿って延びる平板状である。縁部313は、第1トレイ31のうちの、z軸の正方向における端部において、第1トレイ31の内部空間から遠ざかる方向(換言すると、第1トレイ31の外方向)にて、第1トレイ31の外壁面から延出する。縁部313は、第1トレイ31の外縁に沿って延びる。本例では、縁部313のうちの、z軸の負方向における端面の外縁部は、当該外縁部の全体に亘って、第2接触面132に接する。
【0062】
第2トレイ32は、z軸方向にて延びるとともに、z軸の正方向における端面にて開口する、有底且つ中空の柱体状である。本例では、xy平面により切断された第2トレイ32の断面は、x軸方向にて延びる長辺と、y軸方向にて延びる短辺と、を有する長方形状である。換言すると、第2トレイ32は、z軸方向にて延びるとともに、z軸の正方向における端面にて開口する、有底且つ中空の四角柱状である。なお、第2トレイ32は、有底且つ中空の四角柱状と異なる形状(例えば、円柱状等)であってもよい。
【0063】
図5及び
図6に表されるように、第2トレイ32のz軸方向における長さ(換言すると、第2トレイ32の高さ、又は、深さ)は、第1トレイ31のz軸方向における長さよりも短い。本例では、第2トレイ32の高さは、第1トレイ31の高さの半分よりも低い。
【0064】
第2トレイ32は、底面321と、複数の孔322と、縁部323と、を備える。
底面321は、第2トレイ32のうちの、z軸の負方向における端面を構成する。底面321は、第1トレイ31の内壁面のうちの、z軸の負方向における端よりもz軸の正方向の位置を有する。底面321の外縁は、第1トレイ31のうちの、z軸の正方向における端部にて、第1トレイ31の内壁面に接する。
【0065】
底面321の外縁は、底面321の外縁が、第1トレイ31の内壁面に接する位置を含むxy平面により切断された第1トレイ31の断面における当該内壁面の形状と同じ形状を有する。換言すると、底面321の外縁は、底面321の外縁の全体に亘って、第1トレイ31の内壁面に接する。従って、底面321は、第1トレイ31の内部空間を分割する。換言すると、第2トレイ32の少なくとも一部は、第1トレイ31の内部空間に収容される。
【0066】
複数の孔322のそれぞれは、底面321にて開口するとともに、第2トレイ32の内部空間と第2トレイ32の外部(本例では、第1トレイ31の内部空間)とを連通する。本例では、複数の孔322は、格子状に位置する。本例では、各孔322は、円柱状である。なお、各孔322は、円柱状と異なる形状(例えば、角柱状等)であってもよい。例えば、各孔322の直径は、0.1mm乃至3mmである。
【0067】
ところで、孔322の大きさは、環形動物が孔322を通過不能であるとともに気体が通過可能であることが好適である。このため、孔322の大きさは、環形動物の大きさに応じて設定されることが好適である。例えば、環形動物がシマミミズである場合、各孔322の直径は、0.1mm乃至2mmであることが好適である。
なお、第2トレイ32が有する孔322の数は、1つであってもよい。
【0068】
縁部323は、xy平面に沿って延びる平板状である。縁部323は、第2トレイ32のうちの、z軸の正方向における端部において、第2トレイ32の内部空間から遠ざかる方向(換言すると、第2トレイ32の外方向)にて、第2トレイ32の外壁面から延出する。縁部323は、第2トレイ32の外縁に沿って延びる。本例では、縁部323のうちの、z軸の負方向における端面は、当該端面の全体に亘って、縁部313のうちの、z軸の正方向における端面に接する。換言すると、第2トレイ32は、第1トレイ31に積み重ね可能である。
【0069】
図1、及び、
図5乃至
図8に表されるように、蓋部40は、本体41と、温度制御部42と、開閉部43と、を備える。
本体41は、z軸方向にて延びるとともに、z軸方向における両端面にて開口する、中空の柱体状である。本例では、xy平面により切断された本体41の断面の外縁は、底板11の外縁と同じ形状である。換言すると、本体41は、支持部10をz軸の負方向にて見た場合における支持部10の外縁に沿って延びる。また、換言すると、本体41は、z軸方向にて延びるとともに、z軸方向における両端面にて開口する、中空の四角柱状である。なお、本体41は、中空の四角柱状と異なる形状(例えば、円柱状等)であってもよい。
【0070】
本体41のうちの、z軸の負方向における端面は、当該端面のうちの開口以外の部分の全体に亘って、第1接触面131に接する。また、本体41の内壁面は、縁部323のうちの、z軸の正方向における端面の全体に亘って、当該端面に接する。
【0071】
温度制御部42は、xy平面に沿って延びる平板状である。温度制御部42のz軸方向にて延びる側壁面は、本体41のうちの、z軸の正方向における端部にて、本体41の内壁面に接する。温度制御部42のz軸方向にて延びる側壁面は、当該側壁面が、本体41の内壁面に接する位置を含むxy平面により切断された本体41の断面における当該内壁面の形状と同じ形状を有する。換言すると、温度制御部42のz軸方向にて延びる側壁面は、当該側壁面の全体に亘って、本体41の内壁面に接する。従って、温度制御部42は、本体41の内部空間をz軸方向にて分割する。
【0072】
本例では、xy平面により切断された温度制御部42の断面は、xy平面により切断された第2トレイ32の断面における、第2トレイ32のうちの、z軸の正方向における端面の開口と同じ形状である。
本例では、温度制御部42は、本体41に固定される。なお、温度制御部42は、本体41に取り外し可能に取り付けられてもよい。
【0073】
温度制御部42は、熱を発生するヒーターを備える。本例では、温度制御部42は、本体41の内部空間にて、後述する臭気発生体の温度を検出する、図示されない温度センサを備える。また、本例では、温度制御部42は、ヒーターの温度を制御する、図示されない制御器を備える。なお、温度制御部42は、温度センサによって検出された温度に基づいてヒーターの温度が制御されてよい。なお、温度制御部42は、温度センサ、及び、制御器を備えなくてもよい。また、蓋部40は、温度制御部42を備えなくてもよい。
【0074】
開閉部43は、xy平面に沿って延びる平板状である。開閉部43は、温度制御部42のうちの、z軸の正方向における端面を被覆する。開閉部43は、温度制御部42の少なくとも一部を蓋部40の外部に露出させる状態(換言すると、開状態)と、温度制御部42を蓋部40の外部に露出させない(本例では、温度制御部42のうちの、z軸の正方向における端面の全体を被覆する)状態(換言すると、閉状態)と、の間で開閉部43の状態が切り替わる。本例では、開閉部43は、本体41に対してx軸方向にて摺動することにより、開状態と閉状態との間で開閉部43の状態が切り替わる。
【0075】
本例では、開閉部43は、本体41に対して取り外し可能に取り付けられる。なお、開閉部43は、本体41に対して取り外し不能に取り付けられていてもよい。また、開閉部43は、摺動と異なる機構(例えば、ヒンジ機構等)を用いて、開状態と閉状態との間で開閉部43の状態が切り替わってもよい。また、蓋部40は、開閉部43を備えなくてもよい。
【0076】
本例では、第2トレイ32のうちの、z軸の負方向における端面と、第1トレイ31の内壁面と、により形成される空間は、第1トレイ収容空間SP1に対応する。第1トレイ収容空間SP1には、生息床が収容される。
【0077】
また、本例では、温度制御部42のうちの、z軸の負方向における端面と、第2トレイ32の内壁面と、により形成される空間は、第2トレイ収容空間SP2に対応する。第2トレイ収容空間SP2には、発酵に伴って臭気を発生する臭気発生体が収容される。
【0078】
本例では、開閉部43の状態が開状態である場合、第2トレイ収容空間SP2の熱は、温度制御部42を介して環形動物分離装置1の外部へ移動しやすい。一方、開閉部43の状態が閉状態である場合、第2トレイ収容空間SP2の熱は、温度制御部42を介して環形動物分離装置1の外部へ移動しにくい。従って、本例では、第2トレイ収容空間SP2の温度(例えば、後述するように、第2トレイ収容空間SP2に収容される臭気発生体の温度)を制御するために、開閉部43の状態が変更される。
【0079】
本例では、第1トレイ収容空間SP1、及び、第2トレイ収容空間SP2は、生息床と、発酵に伴って臭気を発生する臭気発生体と、が収容される生息床収容空間に対応する。本例では、各孔312は、生息床収容空間と、生息床収容空間の外部と、を連通する第1孔に対応する。本例では、トレイ部30、及び、蓋部40は、生息床収容空間を有する生息床収容部に対応する。
【0080】
本例では、漏斗部20は、各孔312を介して生息床収容空間に連接する接続空間SPCを形成するように生息床収容部に接続される接続部に対応する。
本例では、温度制御部42は、第2トレイ収容空間SP2の温度を制御する温度制御部に対応する。
【0081】
図5乃至
図8、
図10、及び、
図11に表されるように、容器部50は、支持底51と、本体52と、被覆部53と、容器枠54と、容器蓋部55と、連通管56と、を備える。
【0082】
図10は、容器部50が分解された状態において、容器部50の左方であり、容器部50の前方であり、且つ、容器部50の鉛直上方である位置から、容器部50を見た図(換言すると、左前上方斜視図)である。
図11は、容器部50が分解された状態において、容器部50の左方であり、容器部50の前方であり、且つ、容器部50の鉛直下方である位置から、容器部50を見た図(換言すると、左前下方斜視図)である。
【0083】
図10及び
図11に表されるように、支持底51は、z軸方向にて延びるとともに、z軸の正方向における端面にて開口する、有底且つ中空の柱体状である。本例では、xy平面により切断された支持底51の断面は、x軸方向にて延びる辺と、y軸方向にて延びる辺と、を有する正方形状である。換言すると、支持底51は、z軸方向にて延びるとともに、z軸の正方向における端面にて開口する、有底且つ中空の正四角柱状である。なお、支持底51は、有底且つ中空の正四角柱状と異なる形状(例えば、円柱状等)であってもよい。
【0084】
支持底51のうちの、z軸の負方向における端面は、昇降台14の載置面に接する。本例では、支持底51は、昇降台14の載置面に載置される。
支持底51は、底板511と、第1係合部512と、係止部513と、を備える。
底板511は、支持底51のうちの、z軸の負方向における端部を構成する。
【0085】
第1係合部512は、L字状の棒状である。第1係合部512の断面は、正方形状である。なお、第1係合部512の断面は、正方形状と異なる形状(例えば、楕円形状、又は、円形状等)であってもよい。第1係合部512は、xy平面に沿って、支持底51の内部空間から遠ざかる方向(換言すると、支持底51の外方向)にて、支持底51の外壁面から延出する第1部分と、当該第1部分の先端部からz軸の正方向にて延出する第2部分と、を有する。本例では、第1係合部512は、支持底51の4つの隅部のうちの1つの隅部から延出する。
【0086】
本例では、第1係合部512は、容器部50を支持部10及び漏斗部20から取り外す場合、容器部50を支持部10及び漏斗部20に取り付ける場合、及び、容器部50を移動させる場合等において、環形動物分離装置1のユーザが容器部50を持つために用いられる。
【0087】
係止部513は、第1係合部512のうちの、z軸の正方向における端部にて、xy平面により切断された第1係合部512の断面を拡大するように、第1係合部512の壁面から突出する。
本例では、支持底51は、透光性を有しない。例えば、支持底51は、木質材料、金属、又は、樹脂からなる。
【0088】
本体52は、z軸方向にて延びるとともに、z軸の正方向における端面にて開口する、有底且つ中空の柱体状である。本例では、xy平面により切断された本体52の断面は、x軸方向にて延びる辺と、y軸方向にて延びる辺と、を有する正方形状である。換言すると、本体52は、z軸方向にて延びるとともに、z軸の正方向における端面にて開口する、有底且つ中空の正四角柱状である。なお、本体52は、有底且つ中空の正四角柱状と異なる形状(例えば、円柱状等)であってもよい。
【0089】
本体52のうちの、z軸の負方向における端面は、底板511のうちの、z軸の正方向における端面に接する。換言すると、本体52は、底板511に載置される。なお、本体52は、支持底51に固定されていてもよい。また、支持底51と本体52とは、一体であってもよい。
本例では、本体52は、透光性(本例では、透明性)を有する。例えば、本体52は、ガラス、又は、樹脂からなる。
【0090】
ところで、後述するように、本体52には、環形動物が収容される。収容される環形動物の数に対して、本体52の底面積が過度に狭い場合、環形動物が過度に密集するため、環形動物に対して過大なストレスが与えられる虞がある。このため、本体52の底面積は、収容される環形動物の数に対して十分に広いことが好適である。
【0091】
また、本体52に収容された異物を除去する作業等を行う際、本体52のうちの、z軸の正方向における端面の開口が過度に小さい場合、当該作業が困難になりやすい。このため、本体52のうちの、z軸の正方向における端面の開口は、十分に大きいことが好適である。
【0092】
被覆部53は、本体52の外壁面の少なくとも一部(本例では、本体52の外壁面のうちの、支持底51、容器枠54、及び、容器蓋部55によって被覆されない部分の全体)を被覆する。被覆部53は、取り外し可能に本体52に取り付けられる。例えば、被覆部53は、本体52に対してz軸方向にて摺動することにより、本体52から取り外される。なお、被覆部53は、周方向において分離することにより、本体52から取り外されてもよい。
【0093】
被覆部53は、透光性を有しない。本例では、被覆部53は、繊維(例えば、フランネル等)からなる。なお、被覆部53は、繊維以外の材料(例えば、木質材料、金属、又は、樹脂等)からなっていてもよい。
【0094】
容器枠54は、z軸方向にて延びるとともに、z軸方向における両端面にて開口する、中空の柱体状である。本例では、xy平面により切断された容器枠54の断面は、x軸方向にて延びる辺と、y軸方向にて延びる辺と、を有する正方形状である。換言すると、容器枠54は、z軸方向にて延びるとともに、z軸の正方向における端面にて開口する、有底且つ中空の正四角柱状である。なお、容器枠54は、有底且つ中空の正四角柱状と異なる形状(例えば、円柱状等)であってもよい。
【0095】
xy平面により切断された容器部50の断面において、容器枠54の内壁面は、本体52の外壁面と同じ形状を有する。換言すると、容器枠54の内壁面は、当該内壁面の全体に亘って、本体52の外壁面に接する。
【0096】
更に、容器枠54は、第2係合部541を備える。
第2係合部541は、棒状である。第2係合部541の断面は、正方形状である。なお、第2係合部541の断面は、正方形状と異なる形状(例えば、楕円形状、又は、円形状等)であってもよい。第2係合部541は、xy平面に沿って、容器枠54の内部空間から遠ざかる方向(換言すると、容器枠54の外方向)にて、容器枠54の外壁面から延出する第1部分と、当該第1部分の先端部においてz軸方向にて貫通する孔と、を有する。本例では、第2係合部541は、容器枠54の4つの隅部のうちの1つの隅部から延出する。
【0097】
xy平面により切断された容器部50の断面において、第2係合部541が有する孔は、第1係合部512よりも僅かに大きく、且つ、係止部513よりも小さい。第1係合部512のうちの、係止部513よりもz軸の正方向の部分の一部は、第2係合部541が有する孔に収容される。本例では、第2係合部541のうちの、z軸の負方向における端面は、係止部513のうちの、z軸の正方向における端面に接する。
【0098】
容器枠54は、取り外し可能に支持底51及び本体52に取り付けられる。本例では、容器枠54は、支持底51及び本体52に対してz軸方向にて摺動することにより、支持底51及び本体52から取り外される。
本例では、容器枠54は、透光性を有しない。例えば、容器枠54は、木質材料、金属、又は、樹脂からなる。
【0099】
図10及び
図11に表されるように、容器蓋部55は、z軸方向にて延びるとともに、z軸の負方向における端面にて開口する、有底且つ中空の柱体状である。本例では、xy平面により切断された容器蓋部55の断面は、x軸方向にて延びる辺と、y軸方向にて延びる辺と、を有する正方形状である。換言すると、容器蓋部55は、z軸方向にて延びるとともに、z軸の負方向における端面にて開口する、有底且つ中空の正四角柱状である。なお、容器蓋部55は、有底且つ中空の正四角柱状と異なる形状(例えば、円柱状等)であってもよい。
【0100】
xy平面により切断された容器部50の断面において、容器蓋部55の内部空間を形成するとともにz軸に沿って延びる側壁面は、本体52の外壁面と同じ形状を有する。換言すると、容器蓋部55の内部空間を形成するとともにz軸に沿って延びる側壁面は、当該側壁面の全体に亘って、本体52の外壁面に接する。
【0101】
容器蓋部55は、底板551と、開口552と、孔553と、を有する。本例では、底板551は、容器部50のうちの、z軸の正方向における端部を構成するから、天板551と表されてもよい。
【0102】
底板551は、容器蓋部55のうちの、z軸の正方向における端部を構成する。底板551のうちの、z軸の負方向における端面は、本体52のうちの、z軸の正方向における端面のうちの開口以外の部分の全体に亘って、当該部分に接する。底板551のうちの、z軸の正方向における端面は、受面部23のうちの、z軸の負方向における端面のうちの開口以外の部分の全体に亘って、当該部分に接する。
【0103】
開口552は、底板551のうちの、z軸の正方向における端面にて開口するとともに、容器蓋部55の内部空間と容器蓋部55の外部とを連通する。
【0104】
開口552は、x軸方向にて延びる辺と、y軸方向にて延びる辺と、を有する正方形状である。本例では、xy平面により切断された環形動物分離装置1の断面において、開口552を形成する壁面は、延出部22の外壁面と同じ形状を有する。換言すると、開口552を形成するととにz軸方向にて延びる側壁面は、当該側壁面の全体に亘って、延出部22の外壁面に接する。
【0105】
本例では、延出部22は、開口552を通って底板551を貫通する。換言すると、延出部22のうちの、受面部23よりもz軸の負方向の部分は、本体52の内部空間に収容される。
【0106】
本例では、本体52の内壁面と、底板551のうちの、z軸の負方向における端面と、延出部22の外壁面と、により形成される空間は、環形動物収容空間SPAに対応する。環形動物収容空間SPAには、環形動物が収容される。
【0107】
孔553は、底板551のうちの、z軸の正方向における端面にて開口するとともに、容器蓋部55の内部空間と容器蓋部55の外部とを連通する。孔553は、底板551のうちの、底板551が受面部23に接する領域以外の位置を有する。
本例では、容器蓋部55は、透光性を有しない。例えば、容器蓋部55は、木質材料、金属、又は、樹脂からなる。
【0108】
連通管56は、L字状の管である。なお、連通管56は、直線状であってもよい。また、連通管56は、湾曲していてもよい。
本例では、連通管56の断面は、円形状である。なお、連通管56の断面は、円形状と異なる形状(例えば、楕円形状、正方形状、又は、長方形状等)であってもよい。
【0109】
本例では、連通管56は、z軸方向にて延びる第1部分と、当該第1部分のうちの、z軸の正方向における端部からxy平面に沿って延びる第2部分と、を有する。連通管56の第1部分は、孔553を通って底板551を貫通する。連通管56の断面は、孔553と同じ形状を有する。従って、連通管56の第1部分の外壁面は、容器蓋部55のうちの、孔553を形成する壁面の全体に亘って、当該壁面に接する。
連通管56の内部空間は、環形動物収容空間SPAと、環形動物収容空間SPAの外部と、を連通する。
【0110】
連通管56は、容器蓋部55に対して、z軸方向にて摺動することにより、z軸方向にて、連通管56の容器蓋部55に対する位置を変更可能である。本例では、連通管56は、取り外し可能に容器蓋部55に取り付けられる。本例では、連通管56は、容器蓋部55に対してz軸方向にて摺動することにより、容器蓋部55から取り外される。なお、容器部50は、連通管56を備えなくてもよい。
【0111】
容器部50は、取り外し可能に漏斗部20に接続される。本例では、容器部50は、延出部22に対してz軸方向にて摺動することにより、漏斗部20から取り外される。
本例では、容器部50は、延出部22のうちの、z軸の負方向における端面の開口を介して接続空間SPCに連接する環形動物収容空間SPAを形成するように漏斗部20に接続される環形動物収容部に対応する。本例では、連通管56の内部空間は、環形動物収容空間SPAと、環形動物収容空間SPAの外部と、を連通する第2孔に対応する。また、本例では、連通管56のうちの、本体52の内部空間に収容される部分は、第2孔を形成するとともに、環形動物収容空間SPAに突出する壁に対応する。
【0112】
本例では、第1トレイ収容空間SP1、第2トレイ収容空間SP2、及び、環形動物収容空間SPAのそれぞれは、複数の構成部が取り外し可能に取り付けられることにより形成される。このため、第1トレイ収容空間SP1、第2トレイ収容空間SP2、及び、環形動物収容空間SPAのそれぞれを形成する構成部間に隙間が生じる虞がある。
【0113】
そこで、本例では、環形動物分離装置1は、第1トレイ収容空間SP1、第2トレイ収容空間SP2、及び、環形動物収容空間SPAのそれぞれを形成する構成部間の隙間を埋めることにより当該空間を気体に対して密閉する、図示されないシール部材を備える。
例えば、シール部材は、エラストマー、又は、ゴム(例えば、エチレンプロピレンジエンゴム等)等の弾性体を含む。本例では、シール部材は、シート状である。
【0114】
本例では、シール部材は、受面部23と容器蓋部55との間、容器部50の本体52と容器蓋部55との間、第1トレイ31と漏斗部20の本体21との間、第2トレイ32と第1トレイ31との間、及び、蓋部40の本体41と第2トレイ32との間、のそれぞれに設けられる(例えば、貼付される)。なお、シール部材は、漏斗部20の本体21と支持部10の支持枠13との間、蓋部40の本体41と支持部10の支持枠13との間、及び、第1トレイ31と支持部10の支持枠13との間のそれぞれに設けられてもよい。
【0115】
また、本例では、シール部材は、互いに接する2つの構成部のうちの一方に設けられる。なお、シール部材は、互いに接する2つの構成部の両方に設けられてもよい。
また、互いに接する2つの構成部の間に隙間が存在しない場合には、シール部材は、省略されてもよい。
【0116】
このようにして、本例では、第1トレイ収容空間SP1、及び、第2トレイ収容空間SP2からなる空間は、第1トレイ31が有する複数の孔312を除いて、気体に対して密閉される。また、第1トレイ収容空間SP1、第2トレイ収容空間SP2、及び、接続空間SPCからなる空間は、延出部22のうちの、z軸の負方向における端面の開口を除いて、気体に対して密閉される。また、第1トレイ収容空間SP1、第2トレイ収容空間SP2、接続空間SPC、及び、環形動物収容空間SPAからなる空間は、連通管56の内部空間を除いて、気体に対して密閉される。
【0117】
本例では、上述した容器部50の態様は、第1態様と表される。本例では、第1態様の容器部50は、環形動物を生息床から分離する場合に使用される。また、容器部50に収容された液体を容器部50の外部へ排出する場合、第1態様の容器部50に代えて、
図12及び
図13に表される第2態様の容器部50Aが使用される。第2態様の容器部50Aは、支持部10及び漏斗部20から取り外された状態にて使用される。
【0118】
図12は、容器部50Aの左方であり、容器部50Aの前方であり、且つ、容器部50Aの鉛直上方である位置から、容器部50Aを見た図(換言すると、左前上方斜視図)である。
図13は、容器部50Aが分解された状態において、容器部50Aの左方であり、容器部50Aの前方であり、且つ、容器部50Aの鉛直上方である位置から、容器部50Aを見た図(換言すると、左前上方斜視図)である。
【0119】
図12及び
図13に表されるように、第2態様の容器部50Aは、被覆部53、容器蓋部55、及び、連通管56に代えて、フィルタ57を備える。
【0120】
フィルタ57は、網(換言すると、メッシュ)である。本例では、網は、樹脂(例えば、ポリエチレン等)からなる。なお、網は、繊維、又は、金属等からなっていてもよい。フィルタ57は、環形動物が通過不能であるとともに、液体が通過可能である。
【0121】
フィルタ57は、本体52のうちの、z軸の正方向における端面の開口を、当該開口の全体に亘って被覆する(換言すると、当該開口を塞ぐ)。フィルタ57は、フィルタ57の外縁部が、容器枠54の内壁面と、本体52の外壁面と、の間に挟まれることにより、取り外し可能に本体52に固定される。
なお、容器部50は、第2態様を有しなくてもよい。
【0122】
(分離方法)
次に、環形動物分離装置1を用いた環形動物分離方法について説明する。
先ず、発酵に伴って臭気を発生する臭気発生体を用意する。本例では、臭気発生体は、有機物に、発酵を促進する発酵促進剤を添加することにより生成される。
【0123】
本例では、発酵促進剤は、EM(Effective Microorganisms)と呼ばれる所定の微生物群を含む。本例では、EMは、乳酸菌、光合成細菌、放線菌、及び、糸状菌を含む。本例では、発酵促進剤は、EMぼかし、又は、EM発酵資材と表されてもよい。
本例では、臭気発生体の発酵が最もよく進む温度は、摂氏35度である。
【0124】
なお、臭気発生体は、発酵促進剤が添加されることなく、有機物を発酵させることにより生成されてもよい。本例では、有機物は、飯である。なお、有機物は、飯以外の穀物が主成分である食品(例えば、パン類、又は、麺類等)であってもよい。また、有機物は、穀物が主成分である食品に代えて、又は、穀物が主成分である食品に加えて、炭水化物若しくは糖質が相対的に多い食品、又は、果実(例えば、リンゴ、イチゴ、又は、メロン等の甘味が強い果実)を含んでいてもよい。
【0125】
漏斗部20が支持部10に取り付けられるとともに、トレイ部30、蓋部40、及び、容器部50が支持部10から取り外された状態となるように、環形動物分離装置1の状態を変更する。
【0126】
ところで、環形動物は、乾燥に弱い。そこで、容器部50の本体52には、環形動物が収容されるより前に、予め液体が収容されることが好適である。
そこで、容器部50の本体52に液体を注入する。本例では、注入される液体は、環形動物の皮膚から排泄される液肥である。液肥は、コンポストティーと表されてもよい。なお、注入される液体は、液肥に代えて、又は、液肥に加えて、水を含んでいてもよい。また、容器部50の本体52に液体を注入しなくてもよい。
【0127】
漏斗部20の本体21の内壁面、及び、延出部22の内壁面に潤滑油を塗布する。なお、漏斗部20の本体21の内壁面、及び、延出部22の内壁面に潤滑油を塗布しなくてもよい。
【0128】
第1トレイ31の底面311の外縁が、底面311の外縁の全体に亘って、漏斗部20の本体21の内壁面に接するとともに、第1トレイ31の縁部313のうちの、z軸の負方向における端面の外縁部が、当該外縁部の全体に亘って、支持枠13の第2接触面132に接するように、第1トレイ31を支持部10及び漏斗部20に載置することにより、第1トレイ31を支持部10及び漏斗部20に取り付ける。
【0129】
第1トレイ31の内壁面に生息床を載置する。本例では、生息床は、第1トレイ31の内壁面のうちの、z軸の負方向における端面の全体を被覆するように、且つ、生息床の表面が平らになるように、載置される。
なお、生息床が載置された後に、第1トレイ31が支持部10及び漏斗部20に取り付けられてもよい。
【0130】
第2トレイ32の縁部323のうちの、z軸の負方向における端面が、当該端面の全体に亘って、第1トレイ31の縁部313のうちの、z軸の正方向における端面に接するように、第2トレイ32を第1トレイ31に載置する。
【0131】
第2トレイ32の内壁面に臭気発生体を載置する。本例では、臭気発生体は、第2トレイ32の内壁面のうちの、z軸の負方向における端面の全体を被覆するように、且つ、臭気発生体の表面が平らになるように、載置される。
【0132】
なお、臭気発生体が載置された後に、第2トレイ32が第1トレイ31に載置されてもよい。また、第2トレイ32が第1トレイ31に載置された後に、第1トレイ31が支持部10及び漏斗部20に取り付けられてもよい。
【0133】
蓋部40の本体41のうちの、z軸の負方向における端面が、当該端面のうちの開口以外の部分の全体に亘って、支持部10の第1接触面131に接するとともに、蓋部40の本体41の内壁面が、第2トレイ32の縁部323のうちの、z軸の正方向における端面の全体に亘って、当該端面に接するように、蓋部40を支持部10及びトレイ部30に載置することにより、蓋部40を支持部10及びトレイ部30に取り付ける。
【0134】
容器部50を支持部10及び漏斗部20に取り付ける。本例では、下記のように、容器部50が支持部10及び漏斗部20に取り付けられる。
容器部50が昇降台14の載置面に載置可能となるように、昇降台14の載置面を、z軸の負方向にて移動させる。次いで、容器部50を昇降台14の載置面に載置する。次いで、漏斗部20の延出部22が容器蓋部55の開口552を通って容器部50に挿入されるとともに、容器蓋部55が受面部23を押圧するように、昇降台14の載置面を、z軸の正方向にて移動させる。
このようにして、容器部50が支持部10及び漏斗部20に取り付けられる。
【0135】
なお、容器部50の取り付けは、トレイ部30が支持部10及び漏斗部20に取り付けられる前に行われてもよい。また、容器部50の取り付けは、蓋部40が支持部10及びトレイ部30に取り付けられる前に行われてもよい。
【0136】
このようにして、
図14に表されるように、生息床HBが第1トレイ収容空間SP1に収容されるとともに、臭気発生体BSが第2トレイ収容空間SP2に収容される。
図14は、生息床HB及び臭気発生体BSが環形動物分離装置1に収容された場合において、
図4のV−V線により表される平面により切断された環形動物分離装置1の断面をy軸の正方向にて見た図である。
【0137】
上述したように、第1トレイ収容空間SP1、及び、第2トレイ収容空間SP2からなる空間は、第1トレイ31が有する複数の孔312を除いて、気体に対して密閉される。また、第1トレイ収容空間SP1、第2トレイ収容空間SP2、及び、接続空間SPCからなる空間は、延出部22のうちの、z軸の負方向における端面の開口を除いて、気体に対して密閉される。また、第1トレイ収容空間SP1、第2トレイ収容空間SP2、接続空間SPC、及び、環形動物収容空間SPAからなる空間は、連通管56の内部空間を除いて、気体に対して密閉される。
【0138】
臭気発生体BSは、発酵に伴って臭気を発生する。臭気は、第2トレイ32が有する複数の孔322を通って第1トレイ収容空間SP1に拡散する。そして、臭気は、第1トレイ収容空間SP1に充満する。これにより、臭気は、生息床HBの内部にも拡散する。
【0139】
その結果、生息床HBの内部に生息する環形動物は、第1トレイ31が有する複数の孔312を通って、接続空間SPCへ移動する。これにより、環形動物は、生息床HBから分離される。
【0140】
更に、臭気は、第1トレイ31が有する複数の孔312を通って接続空間SPCに拡散するとともに、漏斗部20の延出部22のうちの、z軸の負方向における端面の開口を通って環形動物収容空間SPAに拡散する。
【0141】
これにより、環形動物は、接続空間SPCにおいて、漏斗部20の内壁面をz軸の負方向へ移動し、その後、環形動物収容空間SPAへ移動する。このようにして、環形動物は、環形動物収容空間SPAに収容される。
【0142】
また、本例では、臭気発生体BSの温度を制御するために、温度制御部42、及び、開閉部43が用いられる。なお、臭気発生体BSの温度を制御するために、温度制御部42、及び、開閉部43のうちの一方のみが用いられてもよい。
【0143】
例えば、環形動物の生息床HBからの分離を開始する時点にて、臭気発生体BSの温度が、生息床HBの温度よりも低い所定の温度に一致するように、温度制御部42を制御する。その後、臭気発生体BSの温度が徐々に高くなるように、温度制御部42を制御する。例えば、6時間乃至12時間が経過する間に、臭気発生体BSの温度が、生息床HBの温度よりも低い所定の温度から、臭気発生体BSの発酵が最もよく進む温度(本例では、摂氏35度)よりも高い所定の温度(本例では、摂氏37度)に変化するように、温度制御部42が制御される。
【0144】
本例では、容器部50の本体52、及び、漏斗部20の延出部22は、透光性(本例では、透明性)を有する。従って、容器部50から、一時的に被覆部53を取り外すことにより、本体52、及び、延出部22を通して、環形動物収容空間SPA、及び、接続空間SPCを目視により確認できる。例えば、延出部22を通過する環形動物を目視により確認できる。また、例えば、環形動物収容空間SPAに収容された環形動物を目視により確認できる。この結果、環形動物の、生息床HBからの分離の進捗状況を容易に知得できる。
【0145】
環形動物の生息床HBからの分離が終了した場合、容器部50が昇降台14の載置面から移動可能となるように、昇降台14の載置面を、z軸の負方向にて移動させる。次いで、容器部50を昇降台14の載置面から取り出す。このようにして、容器部50が支持部10及び漏斗部20から取り外される。
【0146】
次いで、容器部50の本体52から、被覆部53、容器枠54、容器蓋部55、及び、連通管56を取り外す。次いで、フィルタ57が、本体52のうちの、z軸の正方向における端面の開口を、当該開口の全体に亘って被覆するとともに、フィルタ57の外縁部が、容器枠54の内壁面と、本体52の外壁面と、の間に挟まれるように、フィルタ57、及び、容器枠54を本体52に取り付ける。
このようにして、第1態様の容器部50は、第2態様の容器部50Aに変更される。
【0147】
次いで、容器部50Aを水平面に対して傾斜させることにより、本体52に収容された液体を本体52の外部へ排出する。なお、容器部50Aからの液体の排出は、行われなくてもよい。
【0148】
また、環形動物の生息床HBからの分離が終了する前に、容器部50を支持部10及び漏斗部20から取り外すとともに、容器部50に収容された環形動物を容器部50から取り出してもよい。この場合、所定の周期(例えば、数時間)が経過する毎に、環形動物を容器部50から取り出してもよい。
【0149】
以上、説明したように、実施形態の環形動物分離装置1は、生息床HBと、発酵に伴って臭気を発生する臭気発生体BSと、が収容される生息床収容空間(本例では、第1トレイ収容空間SP1、及び、第2トレイ収容空間SP2)を有する生息床収容部(本例では、トレイ部30、及び、蓋部40)を備える。
【0150】
生息床収容部30,40は、生息床収容空間SP1,SP2と、生息床収容空間SP1,SP2の外部と、を連通する、複数の孔312を有する。生息床収容空間SP1,SP2は、複数の孔312を除いて、気体に対して密閉される。
【0151】
環形動物分離装置1によれば、臭気は、生息床収容空間SP1,SP2に充満する。これにより、臭気は、生息床HBの内部にも拡散する。ところで、環形動物は、発酵に伴って発生する臭気に対して、相当強い忌避反応を示す。従って、環形動物は、孔312を通って、生息床収容空間SP1,SP2の外部へ移動する。この結果、環形動物分離装置1によれば、環形動物を生息床HBから容易に分離できる。
【0152】
従って、例えば、環形動物分離装置1によれば、生息床HBに含まれていた環形動物の質量を高い精度にて測定できる。また、環形動物が分離された後の生息床HBは、環形動物の糞を含む。従って、例えば、環形動物分離装置1によれば、環形動物の糞を含む土砂を容易に取得できる。
【0153】
更に、実施形態の環形動物分離装置1は、生息床収容空間SP1,SP2の温度を制御する温度制御部42を備える。
【0154】
発酵は、温度に依存して進行する。従って、環形動物分離装置1によれば、臭気発生体BSの発酵を適切に進行させることができる。この結果、臭気を適切に発生させることができる。
【0155】
更に、実施形態の環形動物分離装置1は、複数の孔312を介して生息床収容空間SP1,SP2に連接する接続空間SPCを形成するように生息床収容部30,40に接続される漏斗部20を備える。
【0156】
漏斗部20は、接続空間SPCと、接続空間SPCの外部と、を連通するとともに、接続空間SPCが生息床収容部30,40と接する面積よりも小さい開口(本例では、延出部22のうちの、z軸の負方向に端面の開口)を有する。
生息床収容空間SP1,SP2、及び、接続空間SPCからなる空間は、当該開口を除いて、気体に対して密閉される。
【0157】
これによれば、臭気は、生息床収容空間SP1,SP2、及び、接続空間SPCからなる空間に充満する。生息床収容空間SP1,SP2、及び、接続空間SPCからなる空間において、臭気の濃度は、開口に近づくほど低くなりやすい。従って、環形動物分離装置1によれば、環形動物を、開口へ向かって移動させることができる。この結果、生息床収容空間SP1,SP2よりも小さい環形動物収容空間SPAを有する容器(本例では、容器部50)を、環形動物収容空間SPAと開口とが連接するように漏斗部20に接続することにより、環形動物収容空間SPAに環形動物を容易に集めることができる。
【0158】
更に、実施形態の環形動物分離装置1は、漏斗部20の開口(本例では、延出部22のうちの、z軸の負方向に端面の開口)を介して接続空間SPCに連接する環形動物収容空間SPAを形成するように漏斗部20に接続される容器部50を備える。
【0159】
容器部50は、環形動物収容空間SPAと、環形動物収容空間SPAの外部と、を連通する、連通管56の内部空間を有する。
生息床収容空間SP1,SP2、接続空間SPC、及び、環形動物収容空間SPAからなる空間は、連通管56の内部空間を除いて、気体に対して密閉される。
【0160】
これによれば、臭気は、生息床収容空間SP1,SP2、接続空間SPC、及び、環形動物収容空間SPAからなる空間に充満する。生息床収容空間SP1,SP2、接続空間SPC、及び、環形動物収容空間SPAからなる空間において、臭気の濃度は、連通管56の内部空間に近づくほど低くなりやすい。従って、環形動物分離装置1によれば、環形動物を、連通管56の内部空間へ向かって移動させることができる。この結果、環形動物を環形動物収容空間SPAに容易に集めることができる。
【0161】
更に、実施形態の環形動物分離装置1は、容器部50は、連通管56の内部空間を形成する壁が環形動物収容空間SPAに突出する。
【0162】
環形動物収容空間SPAに収容された環形動物は、環形動物収容空間SPAを形成する壁に沿って移動することがある。従って、環形動物が、連通管56の内部空間を通って、環形動物収容空間SPAの外部へ移動する虞がある。
【0163】
これに対し、環形動物分離装置1によれば、環形動物収容空間SPAを形成する壁に沿って移動する環形動物が連通管56の内部空間に進入することを抑制できる。従って、環形動物収容空間SPAに収容された環形動物が、環形動物収容空間SPAの外部へ移動することを抑制できる。
【0164】
更に、実施形態の環形動物分離装置1は、接続空間SPCを形成する壁が、水平面に対して、50度以上であり且つ180度よりも小さい傾斜角だけ傾斜する。
【0165】
環形動物は、水平面に対して、50度以上である傾斜角だけ傾斜する斜面を登りにくい。従って、環形動物分離装置1によれば、環形動物が接続空間SPCを形成する壁に滞留することを抑制できる。この結果、環形動物を、漏斗部20の開口(本例では、延出部22のうちの、z軸の負方向に端面の開口)に迅速に到達させることができる。
【0166】
更に、実施形態の環形動物分離装置1は、接続空間SPCを形成する壁の少なくとも一部が透光性を有する。
【0167】
これによれば、接続空間SPCを形成する壁のうちの、透光性を有する部分を通過する環形動物を目視により確認できる。この結果、環形動物の、生息床HBからの分離の進捗状況を容易に知得できる。
【0168】
なお、実施形態の環形動物分離装置1は、漏斗部20を備え、容器部50が漏斗部20に接続されている。ところで、環形動物分離装置1は、漏斗部20を備えることなく、容器部50がトレイ部30に接続されていてもよい。
また、環形動物分離装置1を構成する複数の構成部のうちの少なくとも一部は、一体であってもよい。
【0169】
また、実施形態の環形動物分離装置1は、臭気を用いて環形動物を生息床HBから分離する。ところで、環形動物分離装置1は、臭気に加えて、光を用いて環形動物を生息床HBから分離してもよい。この場合、環形動物分離装置1は、第1トレイ収容空間SP1の上方から第1トレイ収容空間SP1を照射する光源を備えてよい。
【0170】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において当業者が理解し得る様々な変更が加えられてよい。
【解決手段】環形動物分離装置1は、環形動物に生息環境を提供する生息床HBから環形動物を分離する。環形動物分離装置1は、生息床HBと、発酵に伴って臭気を発生する臭気発生体BSと、が収容される生息床収容空間SP1,SP2を有する生息床収容部30,40を備える。生息床収容部30,40は、生息床収容空間SP1,SP2と、生息床収容空間SP1,SP2の外部と、を連通する、少なくとも1つの第1孔312を有する。生息床収容空間SP1,SP2は、少なくとも1つの第1孔312を除いて、気体に対して密閉される。