(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付した図面を参照して、本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限られない。
【0025】
図面において、種々の層及び領域を明確に表現するために、厚さを拡大して示した。明細書の全体にわたって類似する部分に対しては同一の図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるというとき、これは他の部分の「すぐ上」にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の「すぐ上」にあるというときには、中間に他の部分がないことを意味する。
【0026】
最初に、
図1乃至
図5を参照して、本発明の一実施形態による液晶表示装置について説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の下板電極の平面図であり、
図2は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の上板電極の平面図であり、
図3は、
図1の下板電極及び
図2の上板電極を共に示した平面図であり、
図4は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の一画素に対する配置図であり、
図5は、
図4の液晶表示装置の断面図である。
【0028】
先ず、
図4及び
図5を参照すれば、本発明の一実施形態による液晶表示装置は、互いに対向する下部表示パネル100と上部表示パネル200、及びこれら二つの表示パネル100、200の間に挿入されている液晶層3を含む。
【0029】
次に、下部表示パネル100について説明すれば、絶縁基板110の上にゲート電極(gate electrode)124を含むゲート線121が形成されている。ゲート線121は、ゲート信号を伝達し、主に横方向に延在している。
【0030】
ゲート線121の上にはゲート絶縁膜(図示せず)が形成されており、ゲート絶縁膜の上には水素化非晶質または多結晶シリコンまたは酸化物半導体などで形成することができる半導体154を配置する。
【0031】
半導体154及びゲート絶縁膜の上にはデータ線(data line)171とドレイン電極(drain electrode)175が形成されている。
【0032】
データ線171は、データ電圧を伝達し、主に縦方向に延在してゲート線121と交差する。データ線171は、ゲート電極124に向かって延在したソース電極(source electrode)173を含む。
【0033】
ドレイン電極175は、データ線171と分離されており、ソース電極173と対向する部分を含む。
【0034】
ゲート電極124、ソース電極173、及びドレイン電極175は、半導体154と共に薄膜トランジスタ(thin film transistor、TFT)Qを構成する。
【0035】
薄膜トランジスタQの上には絶縁物からなる保護膜180を配置する。保護膜180にはドレイン電極175を露出するコンタクトホール185が形成されている。
【0036】
保護膜180の上には下板電極(lower electrode)191が形成されている。下板電極191は、ITOまたはIZOなどの透明な導電物質や、アルミニウム、銀、クロムまたはその合金などの反射性金属で形成してもよい。下板電極191は、ゲート信号によって制御される薄膜トランジスタQを通じてデータ電圧が印加される。
【0037】
図1を参照すれば、一画素PXに位置する下板電極191の全体的な形状は四角形であり、横幹部195及びこれと交差する縦幹部197からなる十字状の幹部を含む。一画素PXの下板電極191は、横幹部195と縦幹部197によって4つの副領域に分かれ、各副領域に形成された複数の微細枝部199を含む。隣接する微細枝部199の間には電極が除去されている微細スリット91が位置する。
【0038】
下板電極191の横幹部195はゲート線121にほぼ平行に延在し、下板電極191の縦幹部197はデータ線171にほぼ平行に延在してもよい。
【0039】
下板電極191の4つの副領域のうち、左上方向に位置する副領域の微細枝部199は、横幹部195または縦幹部197から左側の上方向にななめに延在しており、右上方向に位置する副領域の微細枝部199は、横幹部195または縦幹部197から右側の上方向にななめに延在しており、左下方向に位置する副領域の微細枝部199は、横幹部195または縦幹部197から左側の下方向に延在しており、右下方向に位置する副領域の微細枝部199は、横幹部195または縦幹部197から右側の下方向にななめに延在している。
【0040】
微細枝部199と微細スリット91のピッチは、ほぼ5μm乃至ほぼ8μmであってもよいが、これに限定されることではない。また、微細枝部199と微細スリット91の幅の比は、ほぼ1.5:1〜ほぼ1:1.5などであってもよいが、これに限定されず、表示特性を考慮して適切に調節してもよい。
【0041】
微細枝部199の長さL1の最大値は、ほぼ53μmであってもよく、この場合、微細枝部199と微細スリット91のピッチは、ほぼ5μm〜6μmであってもよい。つまり、微細枝部199のうち、十字幹部の中心から始まる最も長い微細枝部199の長さは、ほぼ53μm以下であってもよい。これは、後述する配向補助剤などを利用した液晶のプレチルトを利用することなく、本発明の一実施形態による液晶表示装置の透過率が減少しないようにする微細枝部199の条件を探すためのシミュレーション及び実験によって得られたデータである。微細枝部199及び微細スリット91のピッチが変化すれば、微細枝部199の最大長さも変化し得る。
【0042】
下板電極191の横幹部195または縦幹部197の幅は、ほぼ4μm〜ほぼ6μmであってもよいが、これに限定されることではない。
【0043】
微細枝部199が横幹部195となす鋭角は、ほぼ40度〜45度であってもよいが、これに限定されず、液晶表示装置の視認性などの表示特性を考慮して適切に調節してもよい。
【0044】
複数の微細枝部199のうちの少なくとも一部の端部は、直線形態の接続部(図示せず)によって接続してもよい。例えば、下板電極191の上端に位置する微細枝部199の端部、下端に位置する微細枝部199の端部、左端に位置する微細枝部199の端部、または右端に位置する微細枝部199の端部のうちの少なくとも一部分は、互いに接続されて下板電極191の外郭縁を形成してもよい。
【0045】
図1に示した下板電極191は、後述する多様な実施形態による下板電極の単位である下板単位電極UPを形成する。
【0046】
さらに
図5を参照して、上部表示パネル200について説明すれば、上部表示パネル200は、絶縁基板210の上にカラーフィルタ(color filter)230及び遮光部材(light blocking member)220を配置してもよい。遮光部材220は、ブラックマトリックス(black matrix)ともいい、下板電極191の間の光漏れを防止する。カラーフィルタ230は、赤色、緑色、及び青色の三原色など原色(primary color)のうちの1つを表示してもよい。
【0047】
図5に示したこととは異なり、遮光部材220とカラーフィルタ230のうちの少なくとも1つは、下部表示パネル100に配置してもよい。
【0048】
カラーフィルタ230及び遮光部材220の上には蓋膜(overcoat)250を配置し、蓋膜250の上には上板電極270を配置する。上板電極270は、ITO、IZOなどの透明な導電体または金属などで形成してもよい。上板電極270は共通電圧Vcomの印加を受けてもよい。
【0049】
図2を参照すれば、一画素PXに位置する上板電極270はほぼ四角形であり、横開口部75及びこれと交差する縦開口部77からなる十字状の開口部を含む。一画素PXの上板電極270は、十字状の開口部によって4つの副領域に分かれてもよい。
【0050】
上板電極270の十字状の開口部75、77の幅は、ほぼ3μm乃至ほぼ5μmであってもよいが、これに限定されることではない。上板電極270の横開口部75の幅と縦開口部77の幅は、液晶表示装置の表示特性により互いに同一であるか、または互いに異なってもよい。
【0051】
図2に示した上板電極270は、後述する多様な実施形態による上板電極の単位である上板単位電極UCを形成する。
【0052】
図1乃至
図3を参照すれば、下板電極191の十字状の幹部195、197及び上板電極270の十字状の開口部75、77は、互いに対向してアライメントされており、下板電極191の4つの副領域は、上板電極270の4つの副領域とそれぞれ対向する。上板電極270の十字状の開口部75、77は、下板電極191の十字状の幹部195、197と平行に延在してもよい。
【0053】
さらに
図5を参照すれば、二つの表示パネル100、200の内側面には配向膜11、21を配置し、これらは垂直配向膜であってもよい。
【0054】
二つの表示パネル100、200のうちの少なくとも1つの外側面には、偏光子(polarizer)(図示せず)が備えられているが、二つの偏光子の偏光軸は直交し、このうちの1つの偏光軸は、ゲート線121に対してほぼ平行であってもよい。
【0055】
二つの表示パネル100、200の間に位置する液晶層3は、負の誘電率異方性を有する液晶31を含む。液晶31は、液晶層3に電界が生成されない状態で、その長軸が二つの表示パネル100、200の表面に対してほぼ垂直となるように配向されている。一画素PXの液晶31の配向は、副領域の位置によって区分されなくてもよく、表示パネル100、200の表面に対して微細枝部199の長さ方向へのプレチルト(pretilt)を有していなくてもよい。つまり、液晶層3または配向膜11、21は、従来技術のように液晶31がプレチルトを有するようにする硬化した配向補助剤などを含んでいる必要がない。
【0056】
それでは、上述した
図1乃至
図5と共に
図6A及び
図6Bを参照して、本発明の一実施形態による液晶表示装置の駆動方法について簡単に説明する。
【0057】
図6A及び
図6Bは本発、明の一実施形態による液晶表示装置の下板電極及び上板電極によるフリンジフィールドを示した図面である。
【0058】
薄膜トランジスタQのゲート電極124にゲートオン電圧Vonを印加して薄膜トランジスタQをターンオンさせると、データ電圧が下板電極191に印加される。データ電圧が印加された下板電極191と、共通電圧Vcomが印加された上板電極270は、共に液晶層3に電界を生成する。
【0059】
電界は、表示パネル100、200の表面にほぼ垂直方向の垂直成分を含み、電界の垂直成分により、液晶31は、表示パネル100、200の表面にほぼ平行な方向に傾斜しようとする。また、
図6A及び
図6Bを参照すれば、下板電極191の微細枝部199の周縁と、上板電極270の十字状の開口部75、77とは、フリンジフィールドを生成する。具体的に、
図6Aを参照すれば、微細枝部199の周縁近くに位置する液晶31は、フリンジフィールドによって下板電極191の微細枝部199の内側に向かって傾く。
図6Bを参照すれば、上板電極270の十字状の開口部75、77の周縁近くに位置する液晶31は、フリンジフィールドによって十字状の開口部75、77の内側に向かって傾く。
【0060】
結果的に、このようなフリンジフィールドにより、液晶31はほぼ十字状の幹部195、197の中心部分に向かって、そして微細枝部199にほぼ平行な方向に傾く。これにより、下板電極191及び上板電極270の4つの副領域における液晶31の傾く方向(配列方向という)は互いに異なる。
【0061】
このように、本発明の一実施形態によれば、上板電極270に下板電極191の十字状の幹部195、197と対向する十字状の開口部75、77を形成することにより、微細枝部199にほぼ平行に傾くようにする液晶31の配列方向の制御力(液晶制御力という)を強化することができる。特に、液晶31がプレチルトを有するようにして、応答速度を速やかにするための従来の配向補助剤を配向膜11、21または液晶層3に形成しなくても、液晶31の制御力を十分に得ることができる。
【0062】
本発明の一実施形態による液晶表示装置が、十分な液晶制御力及びこれに伴う十分な透過率を有するようにするために、上述した通り下板電極191の微細枝部199の長さを最大ほぼ53μmに制限することにより、テクスチャの発生及び輝度の減少を減らすことができる。しかし、微細枝部199及び微細スリット91のピッチまたは他の設計条件などが変化すれば、透過率を最適化する微細枝部199の最大長さも変化し得る。
【0063】
一画素PXに対して透過率の減少がないように、液晶31に対する十分な液晶制御力を確保するためには、画素PXのサイズが大きくなるとき、一画素PXは、上述した下板単位電極UP及び上板単位電極UCを複数個含んでもよい。これについては後記する。
【0064】
このように、本発明の一実施形態による液晶表示装置は、その製造段階において液晶31のプレチルトを形成するための配向補助剤の硬化工程のような追加工程が必要でない。したがって、液晶表示装置の製造費用を節減し、製造工程を簡単にすることができる。
【0065】
次に、
図7乃至
図9を参照して、本発明の一実施形態による液晶表示装置について説明する。上述した実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を付け、同一の説明は省略する。
【0066】
図7は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の下板電極の平面図であり、
図8は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の上板電極の平面図であり、
図9は、
図7の下板電極及び
図8の上板電極を共に示した平面図である。
【0067】
図7を参照すれば、本実施形態による下板電極191は、上述した実施形態による下板電極191と実質的に同様であるが、十字状の幹部195、197の中心部分に位置する電極である中心パターン198を含む。中心パターン198は、下板電極191の4つの副領域にそれぞれ位置する4直線辺を含む多角形、例えば、菱形であってもよい。中心パターン198の頂点は、下板電極191の十字状の幹部195、197上に位置してもよい。中心パターン198の一辺の長さL2、または対向する二辺の間の距離L2は、ほぼ20μm〜40μmであってもよく、この場合、微細枝部199及び微細スリット91のピッチが、ほぼ5μm〜6μmであってもよい。しかし、中心パターン198の一辺の長さL2はこれに限定されない。
【0068】
このように、下板電極191が中心パターン198を含むことにより、中心パターン198の周縁辺によるフリンジフィールドを通じて液晶制御力が強化されて、液晶表示装置の透過率をさらに高めることができる。
【0069】
図8及び
図9を参照すれば、本実施形態による上板電極270は、上述した実施形態による上板電極270と実質的に同様であるが、下板電極191が、
図7に示したように中心パターン198を有する場合、十字状の開口部75、77の中心部分に位置する中心開口部78を含んでもよい。
【0070】
中心開口部78は、上板電極270の4つの副領域にそれぞれ位置する4直線辺を含む多角形、例えば菱形であってもよい。中心開口部78の頂点は、上板電極270の十字状の開口部75、77上に位置してもよい。中心開口部78の一辺の長さL3、または対向する二辺の間の距離L3は、下板電極191の中心パターン198の一辺の長さL2より小さくてもよい。つまり、上板電極270の中心開口部78の周縁辺は、下板電極191の中心パターン198の周縁辺の内側に位置してもよい。
【0071】
このように上板電極270が中心開口部78を含むことにより、中心開口部78の周縁辺によるフリンジフィールドを通じて液晶制御力が強化されて、液晶表示装置の透過率をさらに高めることができる。特に、下板電極191の中心パターン198の大きさが大きくなるとき、下板電極191の中心部分に位置する液晶31の制御力は、このような上板電極270の中心開口部78によってさらに強化され、十字状の幹部195、197の中心部分の輝度の減少及びテクスチャを減らすことができる。
【0072】
次に、
図10〜
図18を参照して、本発明の一実施形態による液晶表示装置について説明する。上述した実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を付け、同一の説明は省略する。
【0074】
図10〜
図18を参照すれば、一画素PXの液晶制御力を十分に確保するために、一画素PXに対する下板電極191は、上述した
図1に示したように、下板単位電極UPを複数個含み、一画素PXに対する上板電極270も、上述した
図2に示したように、上板単位電極UCを複数個含んでもよい。一画素PXが含む下板単位電極UPまたは上板単位電極UCの数は、画素PXの面積によって液晶制御力を考慮して異なるようにしてもよい。
【0075】
図10〜
図12は、一画素PXが互いに接続されている4つの下板単位電極UP及び上板単位電極UCを含む例を示しており、
図13〜
図15は、一画素PXが互いに接続されている6つの下板単位電極UP及び上板単位電極UCを含む例を示しており、
図16〜
図18は、一画素PXが互いに接続されている8つの下板単位電極UP及び上板単位電極UCを含む例を示している。
【0076】
複数の下板単位電極UPは、ほぼ行列状に配列してもよく、隣接する下板単位電極UPは、少なくとも1つの接続部192によって接続されている。接続部192は、下板単位電極UPの十字状の幹部195、197の延長線上に配置してもよい。つまり、接続部192は、十字状の幹部195、197から突出した形態であってもよい。また、列方向、つまり、縦方向に隣接する下板単位電極UPの間の空間は横間隙95を形成し、行方向、つまり、横方向に隣接する下板単位電極UPの間の空間は縦間隙97を形成する。
【0077】
下板電極191の外郭境界に位置する微細枝部199の端部の一部は、互いに接続してもよい。例えば、下板電極191の外郭境界の上端に位置する微細枝部199の端部、下板電極191の外郭境界の下端に位置する微細枝部199の端部、下板電極191の外郭境界の左端に位置する微細枝部199の端部、または下板電極191の外郭境界の右端に位置する微細枝部199の端部のうちの少なくとも一部分は、互いに接続して下板電極191の外郭縁を形成してもよい。
【0078】
複数の上板単位電極UCもほぼ行列状に配列してもよく、隣接する上板単位電極UCは互いに接続されている。行方向または列方向に隣接する上板単位電極UCの互いに対向する十字状の開口部75、77は、互いに接続されていなくてもよい。隣接する上板単位電極UCの互いに対向する十字状の開口部75、77の間の部分は、接続部272を形成してもよい。つまり、接続部272は、上板単位電極UCの十字状の開口部75、77の延長線上に配置してもよい。しかし、これとは異なって上板単位電極UCの互いに対向する十字状の開口部75、77は、互いに接続されていてもよい。
【0079】
図12、
図15及び
図18を参照すれば、上板電極270の各上板単位電極UCと下板電極191の各下板単位電極UPは、互いに対向してアライメントされている。また、下板電極191の各下板単位電極UPの十字状の幹部195、197は、対向する上板電極270の各上板単位電極UCの十字状の開口部75、77と対向してアライメントされている。
【0080】
図10〜
図18に示した下板単位電極UP及び上板単位電極UCに、上述した
図1乃至
図9に示した種々の実施形態の特徴及び効果が適用されてもよい。これは、後述する実施形態においても同一である。
【0081】
次に、
図19及び
図20を参照して、本発明の一実施形態による液晶表示装置について説明する。
【0082】
図19は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の下板電極の平面図であり、
図20は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の上板電極の平面図である。
【0083】
図19を参照すれば、本実施形態による一画素PXに対する下板電極191は、上述した
図10〜
図18に示した実施形態と実質的に同様であるが、上述した
図7に示したように、各下板単位電極UPの十字状の幹部195、197の中心部分に位置する中心パターン198を含む。
【0084】
図20を参照すれば、本実施形態による一画素PXに対する上板電極270は、上述した
図10〜
図18に示した実施形態と実質的に同様であるが、上述した
図8及び
図9に示したように、下板電極191が中心パターン198を有する場合、各上板単位電極UCの十字状の開口部75、77の中心部分に位置する中心開口部78をさらに含んでもよい。
【0085】
中心パターン198及び中心開口部78の特徴及びそれに伴う効果は、上述した実施形態と同様なので、ここで詳細な説明は省略する。
【0086】
次に、
図21A〜
図21Dを参照して、本発明の一実施形態による液晶表示装置について説明する。
【0087】
図21A〜
図21Dは、それぞれ本発明の一実施形態による液晶表示装置の下板電極及び上板電極を共に示した平面図、及び実際の液晶表示装置の一画素を示す写真である。
【0088】
さらに具体的に、
図21Aは、下部表示パネル100及び上部表示パネル200がアライメントされた状態で、下板電極191の十字状の幹部195、197の幅と、上板電極270の十字状の開口部75、77の幅が、ほぼ5μmである場合において、実際の液晶表示装置の輝度を示す。
図21Bは、
図21Aに示した液晶表示装置の下部表示パネル100及び上部表示パネル200のミスアライメント状態、及びそのときの液晶表示装置の輝度を示す。ミスアライメントの程度は、上部表示パネル200が下部表示パネル100に対して右側にほぼ7μm、上側にほぼ7μm程度シフトされた場合を例として挙げている。
【0089】
図21Cは、下部表示パネル100及び上部表示パネル200がアライメントされた状態で、下板電極191の十字状の幹部195、197の幅がほぼ10μmであり、上板電極270の十字状の開口部75、77の幅がほぼ6μmである場合において、実際の液晶表示装置の輝度を示す。
図21Dは、
図21cに示した液晶表示装置の下部表示パネル100及び上部表示パネル200のミスアライメント状態、及びそのときの液晶表示装置の輝度を示す。ミスアライメントの程度は、上部表示パネル200が下部表示パネル100に対して右側にほぼ7μm、上側にほぼ7μm程度シフトされた場合を例として挙げている。
【0090】
図21A乃至
図21Dを参照すれば、下板電極191の十字状の幹部195、197の幅が小さいほど、下部表示パネル100及び上部表示パネル200がアライメントされた場合と、ミスアライメントの場合の透過率の差が、小さいことを確認できる。つまり、下部表示パネル100及び上部表示パネル200がミスアライメントの場合に、透過率が大きく低下することを防止するためには、下板電極191の十字状の幹部195、197の幅を、上板電極270の十字状の開口部75、77の幅に比べて、小さくすることが有利である。さらに、下板電極191の十字状の幹部195、197の幅を小さくすることにより、下部表示パネル100と上部表示パネル200のアライメントマージンを大きくすることができる。
【0091】
図22は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の一画素が含む二つの副画素を示した図面である。
【0092】
次に、
図22を参照すれば、本発明の一実施形態による液晶表示装置の一画素PXは、第1副画素PXa及び第2副画素PXbを含んでもよい。第1副画素PXa及び第2副画素PXbは、1つの入力映像信号に対し、互いに異なるガンマ曲線による映像を表示することもでき、同一のガンマ曲線による映像を表示することもできる。つまり、一画素PXの第1副画素PXaと第2副画素PXbは、1つの入力映像信号に対して側面視認性の向上のために、互いに異なる輝度の映像を表示してもよい。第1副画素PXa及び第2副画素PXbの面積は、互いに同一であるか、または異なってもよい。
【0093】
このように、第1副画素PXa及び第2副画素PXbを含む画素PXは、互いに異なる輝度の映像を表示するために、多様な回路構造及び配置を有してもよい。
【0094】
図23は、発明の一実施形態による液晶表示装置の一画素の等価回路図である。
【0095】
図23を参照すれば、本発明の一実施形態による液晶表示装置は、ゲート線121、減圧ゲート線123、及びデータ線171を含む信号線と、これに接続された画素PXを含む。
【0096】
各画素PXは、第1副画素PXa及び第2副画素PXbを含む。第1副画素PXaは、第1スイッチング素子Qa、第1液晶キャパシタClca、及び第1ストレージキャパシタCstaを含み、第2副画素PXbは、第2スイッチング素子Qb及び第3スイッチング素子Qc、第2液晶キャパシタClca、Clcb、第2ストレージキャパシタCsta、Cstb、そして減圧キャパシタCstdを含む。
【0097】
第1スイッチング素子Qa及び第2スイッチング素子Qbは、それぞれゲート線121及びデータ線171に接続されており、第3スイッチング素子Qcは、減圧ゲート線123に接続されている。
【0098】
第1スイッチング素子Qa及び第2スイッチング素子Qbは、薄膜トランジスタなどの三端子素子であって、その制御端子は、ゲート線121と接続されており、入力端子は、データ線171と接続されており、出力端子は、第1液晶キャパシタClca及び第2液晶キャパシタClcbと、第1ストレージキャパシタCsta及び第2ストレージキャパシタCstbに、それぞれ接続されている。
【0099】
第3スイッチング素子Qcも薄膜トランジスタなどの三端子素子であって、制御端子は、減圧ゲート線123と接続されており、入力端子は、第2液晶キャパシタClcbと接続されており、出力端子は、減圧キャパシタCstdと接続されている。
【0100】
減圧キャパシタCstdは、第3スイッチング素子Qcの出力端子と共通電圧に接続されている。
【0101】
このような画素PXの動作について説明すれば、先ず、ゲート線121にゲートオン電圧Vonが印加されれば、これに接続された第1薄膜トランジスタQa及び第2薄膜トランジスタQbがターンオンされる。これにより、データ線171のデータ電圧は、ターンオンされた第1スイッチング素子Qa及び第2スイッチング素子Qbを通じて第1液晶キャパシタClca及び第2液晶キャパシタClcbに印加され、第1液晶キャパシタClca及び第2液晶キャパシタClcbは、データ電圧Vdと共通電圧Vcomの差によって充電される。このとき、減圧ゲート線123にはゲートオフ電圧Voffが印加される。
【0102】
次に、ゲート線121にゲートオフ電圧Voffが印加されることと同時に、減圧ゲート線123にゲートオン電圧Vonが印加されれば、ゲート線121に接続された第1スイッチング素子Qa及び第2スイッチング素子Qbはターンオフされ、第3スイッチング素子Qcはターンオンされる。これにより、第2スイッチング素子Qbの出力端子と接続された第2液晶キャパシタClcbの充電電圧が下降する。したがって、フレーム反転で駆動される液晶表示装置の場合、第2液晶キャパシタClcbの充電電圧を第1液晶キャパシタClcaの充電電圧より常に低くすることができる。したがって、第1液晶キャパシタClca及び第2液晶キャパシタClcbの充電電圧を異なるようにして、液晶表示装置の側面視認性を向上することができる。
【0103】
それでは、
図24及び
図25を参照して、
図23に示した回路構造を有する本発明の一実施形態による液晶表示装置について説明する。上述した実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を付け、同一の説明は省略する。
【0104】
図24は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の一画素の平面図であり、
図25は、
図24の液晶表示装置のXXV-XXV線に沿った断面図である。
【0105】
本発明の一実施形態による液晶表示装置は、互いに対向する下部表示パネル100と上部表示パネル200、及びこれら二つの表示パネル100、200の間に挿入されている液晶層3を含む。
【0106】
液晶層3は、上述した
図1乃至
図5に示した実施形態と同様なので、ここで詳細な説明は省略する。
【0107】
先ず、下部表示パネル100について説明すれば、絶縁基板110の上にゲート線121、減圧ゲート線123、及び維持電極線125を含む複数のゲート導電体が形成されている。ゲート線121及び減圧ゲート線123は、主に横方向に延在し、ゲート信号を伝達する。ゲート線121は、第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bを含み、減圧ゲート線123は、第3ゲート電極124cを含んでもよい。第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bは互いに接続されている。維持電極線125も、主に横方向に延在してもよく、共通電圧Vcomなどの定められた電圧を伝達する。維持電極線125は、維持拡張部126、ゲート線121にほぼ垂直に上に延在した一対の縦部128、及び一対の縦部128を接続する横部127を含んでもよいが、維持電極線125の構造はこれに限定されることではない。
【0108】
ゲート導電体の上にはゲート絶縁膜140が位置し、その上には線状半導体151が位置する。線状半導体151は、主に縦方向に延在してもよく、第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bに向かって延在して、互いに接続されている第1半導体154a及び第2半導体154b、そして第2半導体154bと接続された第3半導体154cを含む。
【0109】
線状半導体151の上には線状オーミックコンタクト部材161を形成し、第1半導体154aの上にはオーミックコンタクト部材163a、165aを形成し、第2半導体154b及び第3半導体154cの上にもそれぞれオーミックコンタクト部材を形成してもよい。しかし、オーミックコンタクト部材161、165aは省略してもよい。
【0110】
オーミックコンタクト部材161、165aの上には、データ線171、第1ドレイン電極175a、第2ドレイン電極175b、及び第3ドレイン電極175cを含むデータ導電体が形成されている。データ線171は、第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bに向かって延在した第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bを含んでもよい。第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bの棒状の端部は、第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bにより一部が取り囲まれている。第2ドレイン電極175bの広い一端部はさらに延長されて、「U」字状に曲がった第3ソース電極173cを形成してもよい。第3ドレイン電極175cの広い端部177cは、維持拡張部126と重なって減圧キャパシタCstdを形成し、棒状の端部は、第3ソース電極173cにより一部が取り囲まれている。
【0111】
第1/第2/第3ゲート電極(124a/124b/124c)、第1/第2/第3ソース電極(173a/173b/173c)、及び第1/第2/第3ドレイン電極(175a/175b/175c)は、第1/第2/第3半導体(154a/154b/154c)と共に1つの第1/第2/第3薄膜トランジスタ(Qa/Qb/Qc)を形成する。
【0112】
データ導電体171、175a、175b、175c及び露出した半導体154a、154b、154c部分の上には下部保護膜180pを配置し、その上にはカラーフィルタ230及び遮光部材220を配置してもよい。遮光部材220は、第1薄膜トランジスタQa及び第2薄膜トランジスタQbの上に位置する開口部227、第1ドレイン電極175aの広い端部の上に位置する開口部226A、第2ドレイン電極175bの広い端部の上に位置する開口部226b、及び第3薄膜トランジスタQcの上に位置する開口部228を含んでもよい。これとは異なり、カラーフィルタ230及び遮光部材220のうちの少なくとも1つは、上部表示パネル200に配置してもよい。
【0113】
カラーフィルタ230及び遮光部材220の上には、上部保護膜180qを配置する。下部保護膜180p及び上部保護膜180qには、第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bをそれぞれ露出する複数のコンタクトホール185a、185bが形成されている。
【0114】
上部保護膜180qの上には、第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bを含む下板電極を配置する。第1副画素電極191aと第2副画素電極191bそれぞれは、上述した種々の実施形態、例えば、
図1、
図7、
図10、
図13、
図16、または
図19に示した下板電極191のうちのいずれか1つと同一の構造を有してもよい。特に、側面視認性の向上のために、第2副画素電極191bの面積と第1副画素電極191aの面積を異なるようにする場合、第1副画素電極191aは、
図10に示した下板電極191のように、4つの下板単位電極UPを含み、第2副画素電極191bは、
図13または
図16に示した下板電極191のように、6つまたは8つの下板単位電極UPを含んでもよい。
図24は、第1副画素電極191aが4つの下板単位電極UPを含み、第2副画素電極191bが6つの下板単位電極UPを含む例を示している。
【0115】
第1副画素電極191aは、コンタクトホール185aによって第1ドレイン電極175aからデータ電圧の印加を受け、第2副画素電極191bは、コンタクトホール185bによって第2ドレイン電極175bからデータ電圧の印加を受けてもよい。
【0116】
次に、上部表示パネル200について説明すれば、絶縁基板210の上に上板電極270を配置する。各副画素PXa、PXbに位置する上板電極270は、説明した種々の実施形態、例えば、
図2、
図8、
図11、
図14、
図17、または
図20に示した上板電極270のうちのいずれか1つと同一の構造を有してもよい。特に、側面視認性の向上のために、第2副画素PXbの面積と第1副画素PXaの面積を異なるようにする場合、第1副画素PXaの上板電極270は、
図11に示した上板電極270のように、4つの上板単位電極UCを含み、第2副画素PXbの上板電極270は、
図14または
図17に示した上板電極270のように、6つまたは8つの上板単位電極UCを含んでもよい。
図24は、第1副画素PXaの上板電極270が4つの上板単位電極UCを含み、第2副画素PXbの上板電極270が6つの上板単位電極UCを含む例を示している。
【0117】
第1副画素電極191aと上板電極270は、その間の液晶層3と共に第1液晶キャパシタClcaを形成し、第2副画素電極191bと上板電極270は、その間の液晶層3と共に第2液晶キャパシタClcbを形成して、第1薄膜トランジスタQa及び第2薄膜トランジスタQbがターンオフされた後にも、印加された電圧を維持する。また、第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bは維持電極線125と重なって、第1ストレージキャパシタCsta及び第2ストレージキャパシタCstbを形成してもよい。
【0118】
図26は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置の一画素の等価回路図である。
【0119】
図26を参照すれば、本発明の一実施形態による液晶表示装置は、ゲート線121、データ線171、及び基準電圧を伝達する基準電圧線178などの信号線と、これに接続された画素PXを含む。
【0120】
各画素PXは、第1副画素PXa及び第2副画素PXbを含む。第1副画素PXaは、第1スイッチング素子Qa及び第1液晶キャパシタClcaを含み、第2副画素PXbは、第2スイッチング素子Qb及び第3スイッチング素子Qc、そして第2液晶キャパシタClca、Clcbを含む。
【0121】
第1スイッチング素子Qa及び第2スイッチング素子Qbは、それぞれゲート線121及びデータ線171に接続されており、第3スイッチング素子Qcは、第2スイッチング素子Qbの出力端子及び基準電圧線178に接続されている。
【0122】
第1スイッチング素子Qaの出力端子は、第1液晶キャパシタClcaに接続されており、第2スイッチング素子Qbの出力端子は、第2液晶キャパシタClcb及び第3スイッチング素子Qcの入力端子に接続されている。第3スイッチング素子Qcの制御端子は、ゲート線121に接続されており、入力端子は、第2液晶キャパシタClcbに接続されており、出力端子は、基準電圧線178に接続されている。
【0123】
図26に示した画素PXの動作について説明すれば、先ず、ゲート線121にゲートオン電圧Vonが印加されれば、これに接続された第1スイッチング素子Qa、第2スイッチング素子Qb、及び第3スイッチング素子Qcがターンオンされる。これにより、データ線171に印加されたデータ電圧は、ターンオンされた第1スイッチング素子Qa及び第2スイッチング素子Qbを通じてそれぞれ第1液晶キャパシタClca及び第2液晶キャパシタClcbに印加されて、第1液晶キャパシタClca及び第2液晶キャパシタClcbはデータ電圧Vd及び共通電圧Vcomの差ほど充電される。このとき、第1液晶キャパシタClca及び第2液晶キャパシタClcbには第1スイッチング素子Qa及び第2スイッチング素子Qbを通じて同一のデータ電圧Vdが伝達されるが、第2液晶キャパシタClcbの充電電圧は、第3スイッチング素子Qcを通じて分圧される。したがって、第2液晶キャパシタClcbの充電電圧は、第1液晶キャパシタClcaの充電電圧より小さくなるので、二つの副画素PXa、PXbの輝度が変化することがある。したがって、第1液晶キャパシタClcaに充電される電圧と、第2液晶キャパシタClcbに充電される電圧とを適切に調節すれば、側面から見る映像が、正面から見る映像に最大限近くなるようにすることができ、これによって側面視認性を改善することができる。
【0124】
それでは、
図27〜
図29を参照して、
図26に示した回路構造を有する本発明の一実施形態による液晶表示装置について説明する。上述した実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を付け、同一の説明は省略する。
【0125】
図27及び
図28は、それぞれ本発明の一実施形態による液晶表示装置の一画素の平面図であり、
図29は、
図27の液晶表示装置のXXIX-XXIX線に沿った断面図である。
【0126】
本発明の一実施形態による液晶表示装置は、互いに対向する下部表示パネル100と上部表示パネル200、及び二つの表示パネル100、200の間に介されている液晶層3を含む。
【0127】
図27は、一画素PXが縦方向より横方向にさらに長い例であって、第1副画素PXaと第2副画素PXbが横方向に隣接する実施形態を示しており、
図28は、一画素PXが横方向より縦方向にさらに長い例であって、第1副画素PXaと第2副画素PXbが横方向に隣接する実施形態を示している。
【0128】
図27〜
図29を参照して、下部表示パネル100について説明すれば、絶縁基板110の上に第1ゲート電極124a、第2ゲート電極124b、及び第3ゲート電極124cを含み、横方向に延在するゲート線121が位置する。ゲート線121の上にゲート絶縁膜140が位置し、その上に第1半導体154a、第2半導体154b、及び第3半導体154cが位置する。第1半導体154a、第2半導体154b、及び第3半導体154cの上には、複数のオーミックコンタクト部材163a、165a、163b、165b、163c、165cを配置してもよい。オーミックコンタクト部材及びゲート絶縁膜140の上には、第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bを含み、縦方向に延在するデータ線171、第1ドレイン電極175a、第2ドレイン電極175b、第3ソース電極173a、第3ドレイン電極175c、及び基準電圧線178を含むデータ導電体を配置する。基準電圧線178は、データ線171とほぼ平行な二つの幹部178aと、二つの幹部178aを互いに接続する接続部178bとを含んでもよい。基準電圧線178の二つの幹部178aを接続部178bに接続することにより、基準電圧線178に流れる信号の遅延を防止することができる。しかし、基準電圧線178の形状はこれに限定されず、多様に変更してもよい。
【0129】
第1ゲート電極124a、第1ソース電極173a、及び第1ドレイン電極175aは、第1半導体154aと共に第1薄膜トランジスタQaを形成し、第2ゲート電極124b、第2ソース電極173b、及び第2ドレイン電極175bは、第2半導体154bと共に第2薄膜トランジスタQbを形成し、第3ゲート電極124c、第3ソース電極173c、及び第3ドレイン電極175cは、第3半導体154cと共に第3薄膜トランジスタQcを形成してもよい。
【0130】
データ導電体及び露出した半導体154a、154b、154c部分の上には、保護膜180を配置する。保護膜180は、第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bを露出する複数のコンタクトホール185a、185bを含んでもよい。
【0131】
保護膜180の上には、第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bを含む下板電極191を配置する。第1副画素電極191aと第2副画素電極191bそれぞれは、上述した種々の実施形態、例えば、
図1、
図7、
図10、
図13、
図16、または
図19に示した下板電極191のうちのいずれか1つと同一の構造を有してもよい。特に、側面視認性の向上のために、第2副画素電極191bの面積と第1副画素電極191aの面積を異なるようにする場合、第1副画素電極191aは、
図10に示した下板電極191のように、4つの下板単位電極UPを含み、第2副画素電極191bは、
図13または
図16に示した下板電極191のように、6つまたは8つの下板単位電極UPを含んでもよい。
図27及び
図28は、第1副画素電極191aが4つの下板単位電極UPを含み、第2副画素電極191bが6つの下板単位電極UPを含む例を示している。
【0132】
第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bは、コンタクトホール185a、185bを通じてそれぞれ第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bと物理的、電気的に接続されており、第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bからデータ電圧の印加を受けてもよい。このとき、第2ドレイン電極175bに印加されたデータ電圧のうちの一部は第3ソース電極173cを通じて分圧されて、第2副画素電極191bに印加される電圧の大きさは、第1副画素電極191aに印加される電圧の大きさより小さくてもよい。
【0133】
一方、基準電圧線178に印加される電圧は、共通電圧Vcomより大きくてもよく、その差の絶対値は、約1V〜4Vであってもよい。
【0134】
上部表示パネル200について説明すれば、絶縁基板210の上に遮光部材220及びカラーフィルタ230を配置してもよい。遮光部材220とカラーフィルタ230のうちの少なくとも1つは、下部表示パネル100に配置してもよい。カラーフィルタ230及び遮光部材220の上には蓋膜250を配置してもよいが、蓋膜250は省略してもよい。
【0135】
蓋膜250の上には上板電極270を配置する。各副画素PXa、PXbに位置する上板電極270は、説明した種々の実施形態、例えば、
図2、
図8、
図11、
図14、
図17、または
図20に示した上板電極270のうちのいずれか1つと同一の構造を有してもよい。特に、側面視認性の向上のために、第2副画素PXbの面積と第1副画素PXaの面積を異なるようにする場合、第1副画素PXaの上板電極270は、
図11に示した下板電極191のように、4つの上板単位電極UCを含み、第2副画素PXbの上板電極270は、
図14または
図17に示した上板電極270のように、6つまたは8つの上板単位電極UCを含んでもよい。
図27及び
図28は、第1副画素PXaの上板電極270が4つの上板単位電極UCを含み、第2副画素PXbの上板電極270が6つの上板単位電極UCを含む例を示している。
【0136】
図30、
図31及び
図32は、それぞれ本発明の一実施形態による液晶表示装置の一画素の等価回路図であって、上記実施形態以外に、第1副画素PXa及び第2副画素PXbを含む画素PXの多様な回路構造を示している。
【0137】
図30を参照すれば、本発明の一実施形態による液晶表示装置は、第1データ線171a及び第2データ線171bとゲート線121を含む信号線、及びこれに接続された画素PXを含む。
【0138】
各画素PXは、第1副画素PXa及び第2副画素PXbを含む。第1副画素PXaは、第1スイッチング素子Qa、第1液晶キャパシタClca、及び第1ストレージキャパシタCstaを含み、第2副画素PXbは、第2スイッチング素子Qb、第2液晶キャパシタClcb、及び第2ストレージキャパシタCstbを含む。
【0139】
第1スイッチング素子Qaは、ゲート線121に接続された制御端子、及び第1データ線171aに接続された入力端子を含む。第1スイッチング素子Qaの出力端子は、第1液晶キャパシタClca及び第1ストレージキャパシタCstaと接続されている。
【0140】
第2スイッチング素子Qbは、ゲート線121に接続された制御端子、及び第2データ線171bに接続された入力端子を含む。第2スイッチング素子Qbの出力端子は、第2液晶キャパシタClcb及び第2ストレージキャパシタCstbと接続されている。
【0141】
第1液晶キャパシタClca及び第2液晶キャパシタClcbは、互いに異なるデータ線171a、171bに接続された第1スイッチング素子Qa及び第2スイッチング素子Qbを通じて、1つの入力映像信号IDATに対する互いに異なるデータ電圧Vdがそれぞれ印加されてもよい。
【0142】
次に、
図31を参照すれば、本実施形態による液晶表示装置は、データ線171と第1ゲート線121a及び第2ゲート線121bを含む信号線と、これに接続された画素PXを含む。各画素PXは、第1副画素PXa及び第2副画素PXbを含む。
【0143】
第1副画素PXaが含む第1スイッチング素子Qaは、第1ゲート線121aに接続された制御端子、及びデータ線171に接続された入力端子を含む。第1スイッチング素子Qaの出力端子は、第1液晶キャパシタClca及び第1ストレージキャパシタCstaと接続されている。
【0144】
第2スイッチング素子Qbは、第2ゲート線121bに接続された制御端子、及びデータ線171に接続された入力端子を含む。第2スイッチング素子Qbの出力端子は、第2液晶キャパシタClcb及び第2ストレージキャパシタCstbと接続されている。
【0145】
第1液晶キャパシタClca及び第2液晶キャパシタClcbは、互いに異なるゲート線121a、121bに接続されている第1スイッチング素子Qa及び第2スイッチング素子Qbを通じてデータ線171が伝達する1つの入力映像信号IDATに対する互いに異なるデータ電圧Vdを、異なる時間に印加を受けてもよい。
【0146】
次に
図32を参照すれば、本実施形態による液晶表示装置は、データ線171とゲート線121を含む信号線と、これに接続された画素PXを含む。各画素PXは、第1副画素PXa及び第2副画素PXbと、二つの副画素PXa、PXbの間に接続されている結合キャパシタCcpを含んでもよい。
【0147】
第1副画素PXaは、ゲート線121及びデータ線171に接続されているスイッチング素子Qと、これに接続された第1液晶キャパシタClca及び第1ストレージキャパシタCstaを含み、第2副画素PXbは、結合キャパシタCcpと接続されている第2液晶キャパシタClcbを含む。
【0148】
スイッチング素子Qの制御端子は、ゲート線121と接続されており、入力端子は、データ線171と接続されており、出力端子は、第1液晶キャパシタClca、第1ストレージキャパシタCsta、及び結合キャパシタCcpと接続されている。スイッチング素子Qは、ゲート線121からのゲート信号によってデータ線171のデータ電圧Vdを第1液晶キャパシタClca及び結合キャパシタCcpに伝達し、結合キャパシタCcpは、この電圧の大きさを変えて第2液晶キャパシタClcbに伝達してもよい。結合キャパシタCcpによって第2液晶キャパシタClcbに充電された電圧Vbは、第1液晶キャパシタClcaに充電された電圧Vaに比べ、常に小さくてもよい。したがって、結合キャパシタCcpの静電容量を適切に調節すれば、第1液晶キャパシタClcaの充電電圧Vaと第2液晶キャパシタClcbの充電電圧Vbの比率を調節して、側面視認性を向上させることができる。
【0149】
このような種々の実施形態による液晶表示装置においても、画素PXが含む第1液晶キャパシタClcaと第2液晶キャパシタClcbの一端子を構成する第1副画素電極と第2副画素電極は、それぞれ上述した種々の実施形態による下板電極191と同一の形態及び機能を有してもよく、各副画素PXa、PXbの上板電極270も、上述した種々の実施形態による上板電極270と同一の形態及び機能を有してもよい。
【0150】
それでは、上述した
図22〜
図32と共に、次の
図33及び
図34を参照して、側面視認性をさらに向上させることができる、本発明の一実施形態による液晶表示装置について説明する。
【0151】
図33及び
図34は、それぞれ本発明の一実施形態による液晶表示装置の下板電極の平面図である。
【0152】
本発明の一実施形態による液晶表示装置の一画素PXは、上述した種々の実施形態による第1副画素PXa及び第2副画素PXbを含み、第1副画素PXaの輝度は、第2副画素PXbの輝度より高いか、または同一である。第1副画素PXaの第1副画素電極191aと第2副画素PXbの第2副画素電極191bは、それぞれ上述した種々の実施形態による下板電極191の構造を有してもよく、上板電極270も、上述した種々の実施形態による上板電極270の構造を有してもよい。
図33及び
図34は、第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bが、それぞれ上述した
図10に示したように、4つの下板単位電極UPを含み、上板電極270が、上述した
図11に示したように、4つの上板単位電極UCを含む例を代表的に示している。
【0153】
しかし、
図34に示したこととは異なり、第2副画素電極191bは、第1副画素電極191aより多い下板単位電極UPを含んでもよく、第2副画素PXaの上板電極270も、第1副画素PXbの上板電極270より多い上板単位電極UCを含んでもよい。
【0154】
本発明の一実施形態によれば、
図33に示したように、第1副画素電極191aの1つの下板単位電極UPにおいて、微細枝部199が横幹部195となす角A1(鋭角を意味する)は、ほぼ45度より小さくてもよく、例えば、ほぼ40度であってもよい。これによれば、液晶層3に電界を生成したとき、第1副画素PXaの傾いた液晶31が横幹部195となす角が、ほぼ45度より小さい液晶31が多くなって、特に低階調領域における左右側面からの視認性を向上させることができる。
【0155】
また、
図34を参照すれば、第2副画素電極191bの1つの下板単位電極UPにおいて、微細枝部199が横幹部195となす角A2は、第1副画素PXaにおける角A1より大きくて、ほぼ45度であるか、またはこれより大きくてもよい。これによれば、高階調領域においても左右側面からの視認性を向上させることができる。
【0156】
本発明の他の実施形態によれば、
図33に示したように、第1副画素電極191aの隣接する下板単位電極UPの間のギャップのうち、横方向に延在する横ギャップの幅を第1距離D1とし、縦方向に延在する縦ギャップの幅を第2距離D2とするとき、第2距離D2が第1距離D1より大きくてもよい。これと同時に、または選択的に、第1副画素PXaの上板電極270の横開口部75の幅を第3距離D3とし、縦開口部77の幅を第4距離D4とするとき、第4距離D4が第3距離D3より大きくてもよい。これによれば、液晶層3に電界を生成したとき、第1副画素PXaの傾いた液晶31が横幹部195となす角が、ほぼ45度より小さい液晶31が多くなって、特に低階調領域における左右側面からの視認性を向上させることができる。
【0157】
また、
図34を参照すれば、第2副画素電極191bの隣接する下板単位電極UPの間のギャップのうち、横ギャップの幅である第1距離D1が縦ギャップの幅である第2距離D2より大きくてもよい。これと同時に、または選択的に、第2副画素PXbの上板電極270の横開口部75の幅である第3距離D3が、縦開口部77の幅である第4距離D4より大きくてもよい。これによれば、高階調領域においても左右側面からの視認性を向上させることができる。
【0158】
本発明の他の実施形態によれば、側面視認性の向上のために、
図33に示したように、第1副画素電極191aの微細枝部199の端部のうち、上端及び下端に位置する微細枝部199の端部は、接続部194aによって接続されてもよい。また、
図34を参照すれば、第2副画素電極191bの微細枝部199の端部のうち、左端及び右端に位置する微細枝部199の端部は、接続部194bによって接続されてもよい。
【0159】
次に、
図35〜
図38を参照して、本発明の一実施形態による液晶表示装置について説明する。上述した実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を付け、同一の説明は省略する。
【0160】
図35〜
図38は、それぞれ本発明の一実施形態による液晶表示装置の下板電極と上板電極を示した平面図である。
【0161】
本実施形態による液晶表示装置は、上述した
図10〜
図18に示した実施形態のように、一画素PXに対する下板電極191は、上述した種々の実施形態による下板単位電極UPを複数個含み、一画素PXに対する上板電極270も、上述した種々の実施形態による上板単位電極UCを複数個含む。一画素PXが含む下板単位電極UPまたは上板単位電極UCの数は、画素PXの構造及び面積により液晶制御力を考慮して異なるようにしてもよい。ここでは、互いに接続されている4つの下板単位電極UP、及び互いに接続されている4つの上板単位電極UCを例として挙げて説明するが、これに限定されることではない。
【0162】
複数の下板単位電極UPは、接続部192によって接続されている。接続部192は、下板単位電極UPの十字状の幹部195、197の延長線上に配置してもよい。列方向、つまり、縦方向に隣接する下板単位電極UPの間の空間は横間隙95を形成し、行方向、つまり、横方向に隣接する下板単位電極UPの間の空間は縦間隙97を形成する。
【0163】
複数の上板単位電極UCは互いに接続されている。行方向または列方向に隣接する上板単位電極UCの互いに対向する十字状の開口部75、77は互いに接続されてもよい。この場合、1つの上板電極270の上板単位電極UCが複数の切れに分離されるのを防止するために、上板電極270の周縁辺に隣接した十字状の開口部75、77の端部は、上板電極270の周縁辺と離隔して接続部274を形成してもよい。つまり、各上板単位電極UCで十字状の開口部75、77によって区分された4つの副領域は、接続部274によって接続されていてもよい。
【0164】
隣接する下板単位電極UPの間の空間である横間隙95または縦間隙97の領域に位置する液晶31は、その傾斜方向が一定でなく、横間隙95または縦間隙97の延長方向にほぼ平行な両方向に傾いてもよい。したがって、この部分において、液晶31は、下板電極191の微細枝部199が形成された副領域においてとは異なる方向に制御される。特に、映像を表示している液晶表示装置の表示パネルに外部から圧力が加わると、横間隙95または縦間隙97付近の液晶31の配列方向が乱れ、互いに衝突してテクスチャが発生し、このようなテクスチャは、外部の圧力が除去された後にも、横間隙95または縦間隙97付近の液晶31の方向が元の状態に復元されなくて、ムラ(bruising)と視認される。つまり、横間隙95または縦間隙97付近の液晶31の配列は、外部圧力によって周辺液晶31に影響を与え、横間隙95または縦間隙97周辺に液晶31の配列の乱れが伝達されて、テクスチャが広がり、これは外部圧力が除去された後にもムラと視認されるおそれがある。このようなムラは、表示される映像が高階調のときさらに激しくなる。
【0165】
このように外部圧力が除去された後にも残っているテクスチャによるムラの発生を抑制するか、またはムラが速やかに除去されるようにする方法について、
図35〜
図38を参照して説明する。
【0166】
図35を参照すれば、本実施形態による一画素PXに対する下板電極191は、上述した
図10〜
図18に示した実施形態と実質的に同様であるが、上述した
図7に示したように、各下板単位電極UPの十字状の幹部195、197の中心部分に位置する中心パターン198を含む。
図7に示した実施形態と関連して説明したことが、ここでも同一に適用される。例えば、中心パターン198が菱形のとき、各周縁辺は十字状の幹部195、197の延長方向に対して斜角をなしてもよい。さらに具体的に、中心パターン198の周縁辺と微細枝部199が延在する方向は、互いにほぼ直角をなしてもよい。
【0167】
このように、各下板単位電極UPの十字状の幹部195、197の中心部分に中心パターン198を形成すれば、中心パターン198の周縁辺によるフリンジフィールドが横間隙95または縦間隙97付近まで影響を与えて、液晶制御力を大きくすることができる。したがって、外部圧力が除去された後にもテクスチャによるムラが簡単に除去されるか、または発生を抑制することができる。中心パターン198の一辺の長さL2または対向する二辺の間の距離L2が大きいほど、このような外部圧力によるムラの発生をさらに減らすことができる。
【0168】
また、下板単位電極UPの微細枝部199の長さL1を短くすれば、微細枝部199の端部によって形成されたフリンジフィールドによって液晶制御力を高めることができ、横間隙95または縦間隙97付近での液晶制御力を高めることができる。限定された下板単位電極UP中で中心パターン198の大きさが大きくなるほど、微細枝部199の長さL1は短くなるので、中心パターン198の形成による効果と、微細枝部199の長さを短くすることによる効果が重なって、外部圧力によるムラの発生をさらに減らすことができる。
【0169】
本実施形態による一画素PXに対する上板電極270も、上述した
図10〜
図18に示した実施形態と実質的に同様であるが、上述した
図8に示したように、各上板単位電極UCの十字状の開口部75、77の中心部分に位置する中心開口部78を含んでもよい。
図8に示した実施形態と関連して説明したことが、ここでも同一に適用される。例えば、中心開口部78が菱形であるとき、各周縁辺は十字状の幹部195、197の延長方向に対して斜角をなしてもよい。さらに具体的に、中心開口部78の周縁辺と微細枝部199が延在する方向は、互いにほぼ直角をなしてもよい。
【0170】
このように、上板電極270が中心開口部78を含むと、中心開口部78の周縁辺によるフリンジフィールドが横間隙95または縦間隙97付近まで影響を与えて、液晶制御力を大きくすることができる。したがって、外部圧力が除去された後にもテクスチャによるムラが簡単に除去されるか、または発生を抑制することができる。
【0171】
次に、
図36を参照すれば、本実施形態は
図35に示した実施形態と実質的に同様であるが、下板電極191の構造が異なってもよい。本実施形態において、下板単位電極UPの4つの角部CA、CB、CC、CD、CE、CF、CG、CH、CI部分のうちの少なくとも一部分は、面取りされて(chamfered)いてもよい。
図36は、各下板単位電極UPの4つの角部CA、CB、CC、CD、CE、CF、CG、CH、CIが全て面取りされた例を示している。しかし、これとは異なって下板電極191の中心部分、つまり、4つの下板単位電極UPが集まっている中心部分に位置する各下板単位電極UPの角部CIは、面取りされていなくてもよい。
【0172】
面取りされた角部の長さL4は、ほぼ10μm〜15μmであってもよいが、これに限定されることではない。この場合、1つの下板単位電極UPの一辺の長さは、ほぼ70μm以下であってもよい。
【0173】
このように下板単位電極UPの角部を面取りすれば、微細枝部199の端部が切り取られるので、相対的に長い微細枝部199の長さを減らすことができる。したがって、上述したように、短くなった微細枝部199の端部によるフリンジフィールドの影響が、横間隙95または縦間隙97付近までよく伝達されて、液晶制御力を高めることができる。また、面取りされた角部において、微細枝部199の端部はほぼ横幹部195または縦幹部197と斜角をなすので、微細枝部199の延長方向にほぼ平行な方向への液晶制御力を高めることができる。そのために、外部圧力によるムラをさらによく防止するか、または速やかに除去することができる。
【0174】
図36に示した実施形態においては、
図35に示した実施形態の特徴も含んでいるが、これとは異なって中心パターン198または中心開口部78を含んでいなくてもよい。しかし、種々の実施形態の特徴を共に含むことにより、本発明の実施形態による効果を極大化することができる。
【0175】
次に、
図37を参照すれば、本実施形態は、
図35または
図36に示した実施形態と実質的に同様であるが、下板電極191の構造が異なってもよい。特に、下板電極191の横間隙95または縦間隙97の形状が異なってもよい。本実施形態によれば、横間隙95または縦間隙97の周縁Aは、横方向または縦方向に対して平行でなく、傾斜をなして斜角をなしてもよい。つまり、横間隙95または縦間隙97の幅は一定でなく、位置によって変化してもよい。
【0176】
さらに具体的に、横間隙95または縦間隙97は、接続部192付近でその幅が最も小さく、接続部192から遠くなるほどその幅が大きくなってもよい。つまり、横間隙95または縦間隙97は、十字状の幹部195、197に近づくほどその幅が小さくなり、下板単位電極UPの角部に近づくほどその幅が大きくなってもよい。これにより、横間隙95または縦間隙97は下板電極191の中心部分CT、つまり、4つの下板単位電極UPが集まっている中心部分CTで、または下板単位電極UPの角部で、その幅が最大になってもよい。また、横間隙95または縦間隙97は、下板電極191の周縁付近でその幅が最大になってもよい。
【0177】
横間隙95の最大幅G1は、ほぼ5.5μm〜8μmであってもよく、横間隙95の最小幅G2は、ほぼ3μm〜4μmであってもよいが、これに限定されることではない。縦間隙97の最大幅G3は、ほぼ7μm〜10μmであってもよく、縦間隙97の最小幅G4は、ほぼ4μm〜5μmであってもよいが、これに限定されることではない。
【0178】
このように、下板電極191の横間隙95または縦間隙97の周縁Aが傾斜をなすようにすれば、横間隙95または縦間隙97の領域に位置する液晶31が、横方向または縦方向に平行でない方向に傾く場合がある。したがって、横間隙95または縦間隙97付近の液晶31が、隣接する微細枝部199の延長方向に近い方向に制御されて傾くので、この部分におけるテクスチャを減らすことができる。したがって、外部圧力が加わった後圧力が除去された後にも残っているムラの発生を抑制するか、またはムラが速やかに除去されるようにすることができる。
【0179】
図37に示した実施形態においては、
図35及び
図36に示した実施形態の特徴も含んでいるが、これとは異なって
図35及び
図36のうちの少なくとも一実施形態の特徴は含んでいなくてもよい。しかし、種々の実施形態の特徴を共に含むことにより、本発明の実施形態による効果を極大化することができる。
【0180】
次に、
図38を参照すれば、本実施形態は
図35、
図36、または
図37に示した実施形態と実質的に同様であるが、下板電極191の構造が異なってもよい。特に、下板電極191の隣接する微細枝部199の端部の一部が互いに接続されていてもよい。
図38は、横間隙95または縦間隙97付近の微細枝部199の端部のうちの一部である隣接する二つが、接続部199aによって互いに接続されている例を示しているが、これに限定されることではない。
【0181】
特に、上述したように、横間隙95または縦間隙97の周縁Aが傾斜をなす場合、横間隙95または縦間隙97付近の微細枝部199の端部を接続する接続部199aは、横方向または縦方向と斜角をなす方向にフリンジフィールドを生成する。したがって、横間隙95または縦間隙97付近に位置する液晶31は、接続部199aによって方向性を有して傾くようになるので、外部の圧力が除去された後にムラが残ることを減らすことができる。
【0182】
図38に示した実施形態においては、
図35〜
図37に示した実施形態の特徴も含んでいるが、これとは異なって
図35〜
図37のうちの少なくとも一実施形態の特徴は含んでいなくてもよい。しかし、種々の実施形態の特徴を共に含むことにより、本発明の実施形態による効果を極大化することができる。
【0183】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されることではなく、請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の種々の変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。