(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2では、エアゾール容器のノズルが上に位置するように配置されているので、ノズルを操作するアクチュータも上に配置されることになる。
【0006】
ところで、動物忌避装置を使用することによってエアゾール容器内の薬剤が減っていく。特許文献1、2の動物忌避装置では重量物であるアクチュエータが上に配置されているので、エアゾール容器内の薬剤が減少するに従って動物忌避装置の重心が次第に高くなっていく。
【0007】
動物忌避装置は屋外で使用される場合が殆どであるため、重心が高くなると不安定になり、強風等の影響によって倒れやすくなることが考えられる。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エアゾール容器内の動物忌避剤が減少した状態でも安定させることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明では、エアゾール容器を一般の使用形態とは上下反対にし、噴射状態と非噴射状態とを切り替える切替装置を下に配置するようにした。
【0010】
第1の発明は、エアゾール容器に収容した動物忌避剤を忌避対象動物に噴射するように構成された動物忌避装置において、
上記エアゾール容器は、出口側が下に位置するように配置され、
上記エアゾール容器の下側には、該エアゾール容器から動物忌避剤を噴射させる噴射状態と、動物忌避剤を噴射させない非噴射状態とに切り替えるための切替装置が取り付けられることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、エアゾール容器の下側に切替装置が取り付けられていて重心高が低くなっているので、エアゾール容器内の動物忌避剤が減少した状態でも動物忌避装置が安定する。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、
動物が所定距離内に存在するか否かを検知するセンサーと、
上記センサーにより動物が所定距離内に存在することが検知された場合には上記切替装置を噴射状態にする一方、動物が所定距離内に存在しない場合には上記切替装置を非噴射状態にする制御装置とを備え、
上記センサー及び上記制御装置は上記エアゾール容器の下側に取り付けられることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、センサー及び制御装置もエアゾール容器の下側に取り付けることで重心高をより一層低くすることが可能になる。
【0014】
第3の発明は、第1または2の発明において、
上記動物忌避装置の上記切替装置よりも下側には脚部が設けられていることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、脚部によって動物忌避装置をより一層安定させることが可能になる。
【発明の効果】
【0016】
第1の発明によれば、出口側が下になるようにエアゾール容器を配置し、エアゾール容器の下側にエアゾール容器の噴射状態を切り替える切替装置を取り付けるようにしたので、エアゾール容器内の動物忌避剤が減少した状態でも安定させることができる。
【0017】
第2の発明によれば、センサー及び制御装置をエアゾール容器の下側に取り付けることで重心をより一層低くすることができる。
【0018】
第3の発明によれば、脚部を設けたことで動物忌避装置をより一層安定させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る動物忌避装置1を示すものである。この動物忌避装置1は、屋外の地面に置いて使用されるものであり、例えば猫や犬等の動物が一定の範囲に近づかないようにするためのものである。
【0022】
図2及び
図3にも示すように、動物忌避装置1は、エアゾール容器10と、脚部材20と、噴射部30とを備えている。エアゾール容器10は、例えばアルミニウム合金製の耐圧容器からなるものを用いることができる。アルミニウム合金製とすることで、屋外でエアゾール容器10を露出状態で使用する際に雨等による錆の発生はなく、耐候性が良好になる。尚、エアゾール容器10としては、アルミニウム合金製以外にも、ブリキ缶を使用してもよいが、その場合には防錆処理を施すのが好ましい。また、エアゾール容器10を筒状のカバー部材で覆うようにしてもよい。
【0023】
エアゾール容器10は、上下方向に延びる円筒形状とされており、例えば高さは10cm以上に設定されている。エアゾール容器10は、一般的な使用形態では出口側である弁機構11(
図3に示す)側が上に位置するようにして使用するが、この実施形態では、上下反転させて弁機構11側が下に位置するようにして使用する。
【0024】
すなわち、使用状態では、エアゾール容器10の下部には、弁機構11が設けられることになる。この弁機構11は、従来周知のものなので詳細な説明は省略するが、上下方向に進退動するステム11aとステム11aを進出方向(下方)に付勢するバネ(図示せず)とを有しており、ステム11aが進出位置にあるときには、弁機構11が閉状態となる一方、ステム11aがバネの付勢力に抗して後退位置にあるときには、弁機構11が開状態となる。
【0025】
また、エアゾール容器10は金属材をかしめて接合することによって形成されており、下部に形成されるかしめ部は、エアゾール容器10の径方向に突出して周方向に環状に延びる突条部12となっている。
【0026】
上記エアゾール容器10には、動物忌避剤として、例えば噴射剤が収容されている。その他、芳香剤、エタノール等のうち、少なくとも1種以上が収容されていてもよい。噴射剤は、例えばジメチルエーテルやLPガス等を使用することができ、噴射することで動物に聞こえる音が発生するとともに、動物が感じることのできる風や雰囲気圧力の変化を生じさせることができ、これによって動物が驚いたり、嫌がったりして忌避効果が得られる。芳香剤の場合は、動物が嫌いな香りを放つものが好ましい。また、エタノールを噴射することで、動物に付着した際に気化熱による冷却効果で動物に違和感を感じさせることができ、このことで忌避効果が得られる場合がある。
【0027】
また、エアゾール容器10には、噴射部30の本体ケース50と着脱可能に接続するための接続部材25が設けられている。接続部材25は、エアゾール容器10から取り外す際にはドライバー等の工具が必要で簡単には取り外せないようになっている一方、噴射部30に対しては使用者が工具を使用することなく手で簡単に取り外すことができるようになっている。つまり、エアゾール容器10から接続部材25を取り外す際に要する取り外し力は、接続部材25を本体ケース50から取り外す際に要する取り外し力よりも大きく設定されている。取り外し力は、接続部材25や本体ケース50の形状等によって任意に設定できる。
【0028】
そして、エアゾール容器10に接続部材25を取り付けた状態で、この形状の接続部材25のみが噴射部30の本体ケース50に着脱できるようにしている。このため、例えば接続部材25が取り付けられていないエアゾール容器10や、別構造、別形状の接続部材が取り付けられているエアゾール容器10を噴射部30の本体ケース50に取り付けることはできないので、使用目的の異なるエアゾール容器や異なる忌避剤が収容されたエアゾール容器が誤って噴射部30の本体ケース50に取り付けられることはなく、使用時の安全性を高めることができる。
【0029】
具体的には、接続部材25は、エアゾール容器10の外周面の下部を覆うように形成された筒状部26と、筒状部26の下端開口の周縁部から径方向内方へ延びる複数の棒状部27と、棒状部27の内端部に一体に設けられた略円形の下端板部28とを備えており、例えば樹脂材の一体成形品となっている。筒状部26の上下方向中間部には段差26aが形成されており、この段差26aよりも下側は上側に比べて小径とされて本体ケース50の上部に挿入されるようになっている。筒状部26の段差26aよりも上側の内径は、エアゾール容器10の上下方向中間部分の外径と大略等しく設定されており、筒状部26の上部はエアゾール容器10の外周面に接触して支持されるようになっている。
【0030】
筒状部26の小径部分の外周面には、図示しないが、2つの係合突起26b,26bが周方向に間隔をあけて設けられている。これら係合突起26b,26bは、詳細は後述するが噴射部30の本体ケース50に係合するようになっている。
【0031】
接続部材25の下端板部28の上面には、エアゾール容器10の下端部の突条部12が嵌まる凹部28aが形成されている。凹部28aの周縁部には、エアゾール容器10の突条部12に係合する2つの係合爪部(図示せず)が互いに周方向に離れた部位から上方へ突出するように形成されている。
【0032】
下端板部28の中心部には、エアゾール容器10のステム11aが上方から挿通するようになっている。
【0033】
脚部材20は、例えば樹脂成形品とすることができる。脚部材20は、後述する本体ケース50が取り付けられる円筒状の取付部22と、
図4に示すように取付部22の外周面から径方向外方へ突出する4つの脚23,23,…とを備えている。尚、脚23の数は4つに限られるものではなく、任意の数に設定できる。
【0034】
4つの脚23,23,…は、取付部22の周方向に略等間隔に配置されている。各脚23は、平面視でエアゾール容器10から外方へ突出するように形成されており、これにより、地面等に置いた状態で動物忌避装置1が転倒しにくくなっている。また、各脚23は、取付部22よりも下方へ延びており、地面等に置いた状態で噴射部30を地面から上方へ離間させることができるようになっている。
【0035】
図3に示すように、噴射部30は、ソレノイドバルブ(切替装置)31と、ノズル32と、焦電型赤外線センサー33と、制御装置34と、電池35と、これらを収容する本体ケース50とを有している。本体ケース50は、エアゾール容器10を収容するものではないので、従来例の本体ケースに比べて小型のケースとなっている。
【0036】
本体ケース50は、例えば樹脂材で構成された複数の部材を組み合わせて構成されている。本体ケース50の上部には、エアゾール容器10の接続部材25の下部が挿入される円筒部材(筒状部材)49が設けられている。円筒部材49には接続部材25の係合突起26b、26bが嵌入して係合する係合孔49a、49aが形成されている。円筒部材49の形状及び係合孔49a、49aの形状は、接続部材25のみが接続可能な専用の形状であるので、例えば接続部材25を有していないエアゾール容器や、殺虫剤等の別の薬剤を収容したエアゾール容器を本体ケース50に接続することができないようになっている。
【0037】
また、本体ケース50には、第1リミットスイッチL1及び第2リミットスイッチL2(
図5に示す)が設けられている。これら第1リミットスイッチL1及び第2リミットスイッチL2は、エアゾール容器10を本体ケース50に取り付けた状態で、エアゾール容器10の接続部材25の所定部位が接触することによって開閉操作されるものである。
【0038】
ソレノイドバルブ31は、エアゾール容器10のステム11aに接続される通路部材40と、弁体41と、可動子42と、可動子42を動かすためのコイル43と、可動子42を付勢するバネ44と、可動子42、コイル43及びバネ44を収容するソレノイドケース45とを備えている。
【0039】
通路部材40は、本体ケース50の中央部近傍に固定されており、本体ケース50に対して動かないようになっている。通路部材40には、上面に開口して下方へ延びる上流側通路40aと、ノズル32に連通する下流側通路40bとが形成されている。上流側通路40a及び下流側通路40bは、動物忌避剤をエアゾール容器10から噴射させるための噴射通路である。
【0040】
通路部材40の上流側通路40aの上流端(上端部)には、エアゾール容器10を噴射部30に取り付けた状態でステム11aが挿入されるようになっている。この状態で、ステム11aは通路部材40の上流側通路40aの内面によって後退方向に押されてエアゾール容器10の弁機構11が開状態となるようになっている。また、ステム11aの内部と通路部材40の上流側通路40aとは気密に接続される。
【0041】
弁体41は、通路部材40の内部に配設されており、上流側通路40aの下流端を閉じるためのものであり、例えばゴム等の弾性材で構成することができる。
【0042】
ソレノイドケース45は通路部材40の下部に気密状に固定されている。このソレノイドケース45に収容される可動子42は、磁性体からなるものであり、上下方向に延びる柱状をなしている。可動子42の上端部には上記弁体41が固定されている。可動子42は、ソレノイドケース45内において上下動可能に配設されている。
【0043】
コイル43は、可動子42の外周面を囲む筒状をなしている。このコイル43の内部において可動子42が上下動するようになっている。コイル43は、ソレノイドケース45の内面に固定されている。コイル43には、制御装置34から電圧が印加されるようになっている。
【0044】
バネ44は、コイル43の内部において可動子42の下方に配設されている。バネ44は、可動子42を上方へ付勢することにより、弁体41を通路部材40の上流側通路40aの下流端に押し付けて該下流端を閉状態にする荷重を加えるためのものである。
【0045】
コイル43に制御装置34から電圧が印加されない状態では、
図3に示すように、可動子42がバネ44の付勢力によって、弁体41を通路部材40の上流側通路40aの下流端に押し付けて該下流端を閉状態にする。これが非噴射状態である。このとき、エアゾール容器10の動物忌避剤が通路部材40の下流側通路40bに流入しないように、バネ44による付勢力が設定されている。
【0046】
一方、コイル43に制御装置34から電圧が印加されると、可動子42には下向きの磁力が働くようになっている。これにより、可動子42はバネ44の付勢力に抗して下降して弁体41を通路部材40の上流側通路40aの下流端から離し、該下流端を開状態にする。これが噴射状態である。つまり、コイル43に印加する電圧は、バネ44による付勢力に抗して可動子42を下降させることができるように設定されている。
【0047】
ノズル32は、略水平方向に延びている。ノズル32の上流端は通路部材40に固定されて下流側通路40bに連通している。ノズル32の下流端開口(噴射口)32aは本体ケース50の前面部の上部において外部に臨むように固定されている。本体ケース50の前面部とは、ノズル32の下流端開口32aが位置する部分である。ノズル32の形状としては、図示したものに限られず、短いものであってもよいし、長いものであってもよい。動物忌避剤の噴霧範囲は、ノズル32の構造によって設定することができ、上下方向よりも水平方向に広い方が好ましい。
【0048】
本体ケース50の内部における前面側には、ノズル32よりも下方に回路基板46が設けられている。回路基板46は上下方向に延びており、下部には電源のON(入)、OFF(切)を切り替えるための電源スイッチ46aが設けられている。回路基板46の電源スイッチ46aの上方には、LEDランプ46bが設けられている。さらに、回路基板46のLEDランプ46bの上方には、制御装置34が設けられ、この制御装置34の上方には、赤外線センサー33が設けられている。赤外線センサー33の地面からの高さは、平均的な猫の体高と同程度になるように設定されている。これにより、赤外線センサー33による猫の検知精度が向上する。
【0049】
本体ケース50の前面部の下部には、電源スイッチ46aを操作するためのメンブレンシートで構成された操作ボタン50aが設けられている。操作ボタン50aは、LEDランプ46bの光を透過するように構成されている。
【0050】
LEDランプ46bは、電源がONの状態で点灯し、OFFの状態で消灯するものであり、制御装置34の作動及び非作動を表示するための作動状態表示灯である。LEDランプ46bと、ノズル32の下流端開口32aとは、本体ケース50の前面部、即ち、エアゾール容器10の周方向について同一位置に配置されている。
【0051】
赤外線センサー33は、従来周知のものであるので、詳細な説明は省略するが、赤外線を発するもの(動物)が所定距離内に存在するか否かを検知することができるセンサーである。赤外線センサー33は、本体ケース50内においてエアゾール容器10の真下にくるように配置されている。赤外線センサー33による動物の検知範囲は、例えば赤外線センサー33から2m以上5m以下の範囲に設定することができるが、これに限られるものではない。赤外線センサー33の性能によって検知対象動物の大きさは異なるが、この実施形態では、例えば猫や小型の犬を検知できる性能を有している。
【0052】
赤外線センサー33は、本体ケース50に設けられた赤外線透過性を有するカバー50bにより覆われている。赤外線センサー33の検知範囲は、赤外線センサー33の中心から上下方向、左右方向に広がっている。この実施形態では、地面を歩行する動物を忌避対象動物としているので、赤外線センサー33の検知範囲のうち、上方へ広がる部分をカットしている。すなわち、本体ケース50における赤外線センサー33の配設部位には、正面視で、赤外線センサー33の上側を覆うように下方へ延びる検知範囲設定部としての遮断部50cが設けられている。これにより、例えば鳥等が動物忌避装置1の近傍を飛んでいても、それを忌避対象動物として検知することはない。また、例えば熱を持った物(日光下の洗濯物等)が赤外線センサー33の上方で動いた場合にも、それを忌避対象動物として検知することはないので、誤検知を防止できる。
【0053】
電池35は、本体ケース50の内部において背面側に収容されている。この電池35は、エアゾール容器10の真下に配置されている。電池35は、回路基板46に接続されている。電池35は、本体ケース50に設けられた蓋50eを開閉することによって交換できるようになっている。
【0054】
制御装置34は、周知のマイクロコンピュータ等で構成されており、赤外線センサー33からの入力信号及び電源スイッチ46aの操作状態を検出して、ソレノイドバルブ31及びLEDランプ46bを制御するように構成されている。制御装置34は、電源スイッチ46aの操作状態に基づいて電源がONにされたと判定すると、赤外線センサー33及びLEDランプ46bに電力供給を開始する。LEDランプ46bの光は操作ボタン50aを透過するので、動物忌避装置1に電源が入っているか否かを離れた所から把握できる。また、LEDランプ46bと噴射口32aとが本体ケース50の前面部に位置しているので、LEDランプ46bの光によって噴射口32aのおおよその位置を把握することもできる。同様に赤外線センサー33の位置も把握できる。
【0055】
電源がONの状態で、赤外線センサー33の検知範囲に動物が入ってくると、制御装置34は、赤外線センサー33により動物が所定距離内に存在することが検知されたと判定し、この場合にはソレノイドバルブ31のコイル43に電圧を印加してソレノイドバルブ31を噴射状態にする。電圧の印加時間は、例えば0.5秒以上2秒以下に設定することができるが、この範囲に限られるものではない。また、所定時間内にソレノイドバルブ31を複数回開閉してもよい。
【0056】
一方、赤外線センサー33によって動物が検知されない場合は、制御装置34は所定距離内に動物が存在しないと判定し、この場合にはソレノイドバルブ31のコイル43に電圧を印加せずに、ソレノイドバルブ31を非噴射状態のままにしておく。
【0057】
ソレノイドバルブ31を噴射状態にすると、エアゾール容器10内の動物忌避剤がステム11aから噴射部30の通路部材40の上流側通路40aを経て下流側通路40bに流入する。下流側通路40bに流入した動物忌避剤は、ノズル32に流入し、下流端開口32aから噴射される。このときの音や風等によって動物が忌避行動を示すので、忌避効果が得られる。
【0058】
エアゾール容器10の出口側を下にしているので、動物忌避装置1の使用によって動物忌避剤が減っていくと、動物忌避装置1の上が軽くなっていく。このとき、本実施形態では、ソレノイドバルブ31や、センサー33、制御装置34、電池35等を本体ケース50に収容した状態でエアゾール容器10の下側に取り付けているので、動物忌避装置1の重心高が低くなっており、安定させることができる。
【0059】
動物忌避剤の噴射範囲は、ノズル32の構造やエアゾール容器10に収容する噴射剤等の成分によって変更することができる。この実施形態では、赤外線センサー33による動物の検知範囲と略等しい範囲に動物忌避剤を噴射するようにしている。
【0060】
また、制御装置34は、噴射回数をカウントするためのカウンタを有しているとともに、第1リミットスイッチL1及び第2リミットスイッチL2の動作状態に基づいてどの容量のエアゾール容器10取り付けられているかを判定する判定部も有している。
【0061】
すなわち、エアゾール容器10としては、内容量の異なる複数種のものを用意する場合がある。例えば、小容量タイプのエアゾール容器10、中容量タイプのエアゾール容器10、大容量タイプのエアゾール容器10の3種類を用意した場合、小容量タイプのエアゾール容器10の接続部材25では、第1リミットスイッチL1を閉、第2リミットスイッチL2を開にするように形状設定を行い、また、中容量タイプのエアゾール容器10の接続部材25では、第1リミットスイッチL1を開、第2リミットスイッチL2を閉にするように接続部材25の形状設定を行い、また、大容量タイプのエアゾール容器10の接続部材25では、第1リミットスイッチL1を閉、第2リミットスイッチL2を閉にするように接続部材25の形状設定を行う。接続部材25の形状の具体例としては、例えば、突起や窪み等があり、第1リミットスイッチL1及び第2リミットスイッチL2を開閉操作できる形状であればよい。尚、エアゾール容器10が取り外されている状態では、第1リミットスイッチL1及び第2リミットスイッチL2を共に開とする。
【0062】
制御装置34は、接続部材25が本体ケース50に接続された後、第1リミットスイッチL1が開、第2リミットスイッチL2が閉であることを検出した場合には、小容量タイプのエアゾール容器10が取り付けられていると判定する。また、第1リミットスイッチL1が閉、第2リミットスイッチL2が開であることを検出した場合には、中容量タイプのエアゾール容器10が取り付けられていると判定する。また、第1リミットスイッチL1が閉、第2リミットスイッチL2が閉であることを検出した場合には、大容量タイプのエアゾール容器10が取り付けられていると判定する。
【0063】
そして、制御装置34は、カウンタでカウントした噴射回数が、取り付けられているエアゾール容器10の規定噴射回数に達したと判定した場合には、LEDランプ46bを点滅させてエアゾール容器10の残量が無くなったことを報知する。尚、エアゾール容器10の残量が無くなったことを報知する報知手段としては、LEDランプ46bに限られるものではなく、ブザー等の音を発生するものや別のランプ等であってもよい。また、制御装置34は、第1リミットスイッチL1及び第2リミットスイッチL2が共に開であることを検出すると、噴射回数をリセットする。
【0064】
エアゾール容器10の動物忌避剤が無くなった場合には、エアゾール容器10を噴射部30の本体ケース50から取り外す。このとき、エアゾール容器10を手で持って引き抜くようにすると、接続部材25の係合突起26b,26bが円筒部材49の係合孔49a、49aから離脱する。上述のように接続部材25がエアゾール容器10に強固に取り付けられているのでエアゾール容器10から外れることはない。尚、脚部材20からエアゾール容器10を抜いて脚部材20は再利用する。
【0065】
新品のエアゾール容器10には、接続部材25が予め取り付けられている。従って、接続部材25を本体ケース50の円筒部材49に挿入して接続部材25の係合突起26b,26bを円筒部材49の係合孔49a、49a係合させることで新品のエアゾール容器10を噴射部30に取り付けることができる。この状態で、新品のエアゾール容器10のステム11aが後退して弁機構11が開状態となる。また、新品のエアゾール容器10に脚部材20を取り付ける。
【0066】
以上説明したように、この実施形態に係る動物忌避装置1によれば、エアゾール容器10の出口側を下にし、エアゾール容器10の下側に、動物忌避剤を噴射させる噴射状態と、動物忌避剤を噴射させない非噴射状態とに切り替えるためのソレノイドバルブ31を取り付けているので、動物忌避装置1の重心高を低くすることができる。これにより、エアゾール容器10内の動物忌避剤が減少した状態でも動物忌避装置1を安定させることができる。
【0067】
また、センサー33及び制御装置34をエアゾール容器10の下側に取り付けることで重心をより一層低くすることができる。
【0068】
尚、上記実施形態では、動物が所定距離内に存在するか否かを検知するセンサーとして赤外線センサー33を使用しているが、これに限られるものではなく、各種センサーを使用することができる。
【0069】
また、上記実施形態では、エアゾール容器10から動物忌避剤を噴射させる噴射状態と、動物忌避剤を噴射させない非噴射状態とに切り替えるための切替装置としてソレノイドバルブ31を用いているが、これに限らず、例えばカム機構を利用してエアゾール容器10のステム11aを押し下げるように構成されたものであってもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、電源スイッチ46aを本体ケース50の前面部に設けているが、これに限らず、例えば、本体ケース50の上面部に設けてもよい。また、電源スイッチ46aを本体ケース50の側面部において赤外線センサー33よりも上方に設けてもよい。
【0071】
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。