特許第6240499号(P6240499)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サントリーホールディングス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6240499-ボトル容器 図000004
  • 特許6240499-ボトル容器 図000005
  • 特許6240499-ボトル容器 図000006
  • 特許6240499-ボトル容器 図000007
  • 特許6240499-ボトル容器 図000008
  • 特許6240499-ボトル容器 図000009
  • 特許6240499-ボトル容器 図000010
  • 特許6240499-ボトル容器 図000011
  • 特許6240499-ボトル容器 図000012
  • 特許6240499-ボトル容器 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6240499
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】ボトル容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/02 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
   B65D1/02 220
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-273511(P2013-273511)
(22)【出願日】2013年12月27日
(65)【公開番号】特開2015-127229(P2015-127229A)
(43)【公開日】2015年7月9日
【審査請求日】2016年4月14日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(74)【代理人】
【識別番号】100171310
【弁理士】
【氏名又は名称】日東 伸二
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 達也
(72)【発明者】
【氏名】小林 俊也
(72)【発明者】
【氏名】菊池 大輔
【審査官】 藤井 眞吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−116427(JP,A)
【文献】 特開2009−096511(JP,A)
【文献】 米国特許第04308955(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製のボトル本体を備えるボトル容器であって、
前記ボトル本体が、四角柱状で筒状の胴部を有し、
前記胴部の水平方向の断面形状が、長辺及び短辺を有する略長方形状であり、
前記胴部が、前記長辺を有する長側面と、前記短辺を有する短側面とを有し、
前記胴部が、容器内側に突出するリブを有するリブ形成部を前記ボトル本体の高さ方向中央部に備え、
該リブが、前記胴部を周回する方向に設けられており、
前記胴部は、前記ボトル本体を同じ形状を有する他のボトル本体と起立状態で並べた際に、前記リブ形成部よりも上部及び下部において前記他のボトル本体と面接触する上面接触部及び下面接触部をそれぞれ有し、
前記上面接触部の下方に延長した仮想平面、前記下面接触部の上方に延長した仮想平面、及び、前記リブ形成部の外方部が、面一となっており、
前記胴部が、前記短側面の前記リブ形成部の上方及び下方に、水平方向において、前記リブ形成部の外方部よりも外方に膨出する上膨出部及び下膨出部をそれぞれ有している、ボトル容器。
【請求項2】
前記ボトル本体が、上端に形成され開口を有する円筒状の首部と、前記上面接触部の上端から首部の下端に向けて先細りする筒状の肩部とを備え、
前記肩部が、前記ボトル本体の外側に向かって湾曲する湾曲部を有し、
前記湾曲部の曲率半径が83mm以上である、請求項1に記載のボトル容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトル容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ペットボトルに代表される合成樹脂製のボトル容器は、軽量性に優れることから、飲料用容器として広く用いられている。
【0003】
この種のボトル容器は、飲料等の充填及び取り出しを行うための開口を有するボトル本体と、該ボトル本体の開口を閉塞するための蓋と、前記ボトル本体に巻き掛けられるラベルなどにより構成されている。
そして、ボトル容器は、飲料の取り出しに際して前記ボトル本体の高さ方向中央部を構成する胴部が使用者によって把持される形で取り扱われる。
【0004】
近年、省資源化の要望により、前記ボトル本体の薄肉化が要望されている。
しかし、ボトル本体を薄肉化すると、例えば、当該ボトル本体の胴部を把持した際に把持に対抗する力が十分に発揮されなくなるおそれを有するため、ボトル容器が持ち難くいものとなるおそれがある。
【0005】
このようなボトル容器の持ち難さを改善する方法として、ボトル本体の胴部をその上方の肩部よりもわずかに細身に形成させる事が行われている。
また、このボトル本体の高さ方向中央部にボトル本体を周回する複数条のリブを設け指先への引っ掛かりを良好にする事がボトル容器の持ち易さを改善する方法として従来採用されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2010−507539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年、包装資材を削減する事が物流全般において求められるようになってきている。
そのため、ペットボトルなどについても、従来のようにダンボール箱に収容して搬送するのではなく、数本を起立状態で並べたものを熱収縮性フィルムでシュリンクパックすることで束ねて搬送する事が行われるようになって来ている。この時、熱収縮性フィルムの熱収縮によって、シュリンクパック内のペットボトルは外側から押圧力が掛かる。従来のペットボトルの外表面は曲面となっているために、ペットボトルを起立状態で並べるとペットボトルどうしは点接触や線接触した状態となる。
そして、ボトル本体の中央部を細身にしたボトル容器では、ボトル本体の比較的高い位置や低い位置において接触状態が点接触や線接触となり、胴部においては互いに接触しない状態となる。熱収縮性フィルムによる包装時に強い押圧力が発生すると外側に位置するボトル容器は、胴部において前記押圧力に対抗出来なくなってボトル本体が変形するという問題を有する。
【0008】
また、シュリンクパックしたボトル容器の束は、通常、輸送時や保管時に上下方向に複数段積み重ねられる。
これにより、ボトル容器に上下方向に荷重がかかるため、従来のボトル容器は、熱収縮フィルムによる側方からの押圧力と前記荷重によってより一層変形しやすくなるという問題を有する。
なお、ボトル容器に変形が生じるのは、シュリンクパックしたものを積み重ねる場合に限って生じるものではなく、変形を抑制する事は、従来のボトル容器に広く求められている事項である。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑み、ボトル本体の重量をより軽量化した場合においても、荷重による変形が生じ難いボトル容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、合成樹脂製のボトル本体を備えるボトル容器であって、
前記ボトル本体が、四角柱状で筒状の胴部を有し、
前記胴部の水平方向の断面形状が、長辺と短辺を有する略長方形状であり、
前記胴部が、前記長辺を有する長側面と、前記短辺を有する短側面とを有し、
前記胴部が、容器内側に突出するリブを有するリブ形成部を前記ボトル本体の高さ方向中央部に備え、
該リブが、前記胴部を周回する方向に設けられており、
前記胴部は、前記ボトル本体を同じ形状を有する他のボトル本体と起立状態で並べた際に、前記リブ形成部よりも上部及び下部において前記他のボトル本体と面接触する上面接触部及び下面接触部をそれぞれ有し、
前記上面接触部の下方に延長した仮想平面、前記下面接触部の上方に延長した仮想平面、及び、前記リブ形成部の外方部が、面一となっている、ボトル容器にある。
【0011】
斯かるボトル容器のボトル本体は、前記上面接触部、前記下面接触部、及び、前記前記リブ形成部の外方部が、面一となっているので、同じ形状を有する他のボトル本体と起立状態で並べた際に、他のボトル本体と長側面同士がリブ形成部よりも上方の上面接触部から下方の下面接触部にかけて当接する形状を有している。これにより、斯かるボトル容器は、ボトル本体に屈曲しようとする力が掛かっても、面接触することにより、応力を分散させることができるので、荷重による変形が生じ難くなる。
【0012】
また、本発明に係るボトル容器においては、好ましくは、前記胴部が、前記短側面の前記リブ形成部の上方及びび下方に、水平方向において、前記リブ形成部の外方部よりも外方に膨出する上膨出部及び下膨出部をそれぞれ有している。
【0013】
斯かるボトル容器は、前記短側面に前記上膨出部及び前記下膨出部を有することにより、長側面に膨出部を有するボトル容器に比べて、他のボトル容器との点接触や線接触を少なくすることができるという利点を有する。また、斯かるボトル容器は、前記上膨出部及び前記下膨出部を有することにより、前記リブ形成部にラベルを貼り付けた際に、ラベルが他のボトル容器との接触により剥がれるのを防止することができるという利点を有する。さらに、斯かるボトル容器は、前記上膨出部及び前記下膨出部を有することにより、意匠性に優れるという利点を有する。
【0014】
また、本発明に係るボトル容器おいては、好ましくは、前記ボトル本体が、上端に形成され開口を有する円筒状の首部と、前記上面接触部の上端から首部の下端に向けて先細りする筒状の肩部とを備え、
前記肩部が、前記ボトル本体の外側に向かって湾曲する湾曲部を有し、
前記湾曲部の曲率半径が83mm以上である。
【0015】
斯かるボトル容器は、前記湾曲部の曲率半径が83mm以上であることにより、垂直方向に掛かる荷重による肩部の変形を抑制することができるという利点を有する。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、ボトル本体の重量をより軽量化した場合においても、荷重による変形が生じ難いボトル容器を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態のボトル本体の概略正面図。
図2】本実施形態のボトル本体の概略側面図。
図3】本実施形態のボトル本体の概略斜視図。
図4図1のB−B断面図。
図5】実施例1のボトル本体の肩部及び首部の概略正面図(数値の単位:mm)。
図6】実施例1のボトル本体の肩部及び首部の概略側面図(数値の単位:mm)。
図7】実施例3のボトル本体の肩部及び首部の概略正面図(数値の単位:mm)。
図8】実施例3のボトル本体の肩部及び首部の概略側面図(数値の単位:mm)。
図9】実施例4のボトル本体の肩部及び首部の概略正面図(数値の単位:mm)。
図10】実施例4のボトル本体の肩部及び首部の概略側面図(数値の単位:mm)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
【0019】
本実施形態のボトル容器は、飲料などの被収容物の充填及び取り出しを行うための開口を有するボトル本体と、該ボトル本体の開口を閉塞するためのキャップ状の蓋とを備える。なお、本実施形態のボトル容器には、例えば、飲料(飲み水、茶、果汁、コーヒー、ココア、清涼飲料水、アルコール飲料、乳飲料、スープ等)や、液体調味料(ソース、醤油等)などの液体を充填することができる。また、ボトル容器の内容量については、特に限定されるものではなく、充填する液体の種類等に応じて、数ミリリットル単位から数百ミリリットル単位の比較的小容量のものから、数リットル単位の比較的大容量のものに至るまで、任意に設定して良い。ボトル容器としては、例えば、内容量が1リットル〜2リットルのボトル容器が好適である。
【0020】
前記ボトル本体及び前記蓋は、合成樹脂で形成されている。合成樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂などが挙げられる。前記ボトル本体及び前記蓋は、同じ合成樹脂で形成されていても良く、異なる合成樹脂で形成されていても良い。
【0021】
前記ボトル本体について図を参照しつつ説明する。
なお、以下においては、ボトル本体の起立姿勢における垂直方向を上下方向又は高さ方向と称する。
図1〜3に示すように、前記ボトル本体1は、水平方向に広がった椀状の底部5と、該底部5の外周に沿って上方に向かって略同じ幅で立設された筒状の胴部2と、該胴部2の上端から上方に向けて先細りに延びた筒状の肩部4と、上端に開口3aを有し、前記肩部4から上方に向けて延びた円筒状の首部3と、を備えている。
【0022】
前記胴部は、四角柱状に形成されている。
図4に示すように、前記胴部2の水平方向の断面形状は、長辺及び短辺を有する略長方形状となっている。
なお、以下の説明は、胴部2の断面における前記長辺を有する側面を長側面とも称し、胴部2の断面における短辺を有する側面を短側面と称する。また、図1〜4では、前方向をFで、後方向をBで、左方向をLで、右方向をRで、それぞれ示している。
前記胴部2は、ボトル本体の内側に突出するリブ2a1と、内側に突出していない非突出部2a2とを有するリブ形成部2aを前記ボトル本体1の高さ方向中央部に備えている。該リブ2a1は、前記胴部2を周回する方向に形成されている。
【0023】
前記ボトル本体1は、図1に示すように、同じ形状を有する他のボトル本体と起立状態で並べた際に前記非突出部2a2どうしが当接する形状を右面及び左面それぞれに有している。
【0024】
図1の右面及び左面それぞれに示すように、前記胴部2は、長側面の前記リブ形成部2aの上方には、前記他のボトル本体と面接触する上面接触部2bを有する。また、前記胴部2は、長側面の前記リブ形成部2aの下方には、前記他のボトル本体と面接触する下面接触部2b’を有している。なお、下面接触部2b’の下縁は、底部5と連設している。
前記上面接触部2b、前記下面接触部2b’、及び、前記リブ形成部2aの外方部たる非突出部2a2が、面一となっている。また、リブ形成部2aの外方部たる非突出部2a2と上面接触部2bと下面接触部2b’は、図1の右面及び左面である長側面においては、前記非突出部2a’とボトル本体の幅が同一となっている。
前記上接触部2b、前記下接触部2b’と前記リブ形成部2aをあわせた長さ、即ち、前記胴部2は、前記ボトル本体1の高さの2/3以上を有することが好ましい。
【0025】
前記胴部2は、図2における前面及び後面それぞれに示すように、前記短側面の前記リブ形成部2aの上方及び下方に、水平方向において、前記リブ形成部2aの外方部たる非突出部2a2よりも外方に膨出する上膨出部2c及び下膨出部2c’をそれぞれ有している。
【0026】
前記首部3は、前記ボトル本体1の上端となっている。
前記首部3は、前記蓋(図示せず)が外螺合できるようにネジ山3bを備えている。前記蓋(図示せず)は、キャップ状に形成されており、前記首部3に螺合できるように内側にネジ溝を備えている。
本実施形態のボトル容器は、前記首部3及び前記蓋を螺合することにより閉状態になるように構成され、前記首部3及び前記蓋の螺合を解除することにより開状態になるように構成されている。
前記首部3は、前記ネジ山3bの下方にサポートリング部3cを更に備えている。
【0027】
前記肩部4は、前記首部3の下端から前記上面接触部2bの上端及び前記上膨出部2cの上端にかけて徐々に拡径して形成されている。すなわち、前記肩部4は、前記上面接触部の上端から首部の下端に向けて先細りする筒状部分である。
また、前記肩部4は、前記ボトル本体1の外側に向かって湾曲する湾曲部6を有する。
さらに、前記肩部4は、略四角錘状に構成される部分である。
前記肩部4の垂直方向の長さは、前記ボトル本体1高さの1/3以下となることが好ましい。
【0028】
なお、前記肩部4の湾曲部6の曲率半径は、83mm以上であることが好ましい。なお、側面における湾曲部6c(第1湾曲部6c)の曲率半径は、119mm以上であることが好ましい。また、長側面における湾曲部6b(第2湾曲部6b)の曲率半径は、87mm以上であることが好ましい。
さらに、前記肩部4の水平断面形状が限りなく正円に近い楕円形状であることが好ましい。前記肩部4の水平断面形状における長径と短径との比率は、1.0より大きく1.2よりも小さいことが好ましく、1.0よりも大きく1.15よりも小さいことが好ましい。
【0029】
本実施形態のボトル容器は、上記のように構成されているので、以下の利点を有するものである。
【0030】
即ち、本実施形態のボトル容器のボトル本体は、同じ形状を有する他のボトル本体と起立状態で並べた際に長側面どうしが当接する形状を有している。これにより、斯かるボトル容器は、ボトル本体に屈曲しようとする力が掛かっても、応力を面全体にわたり分散させることができる。よって、斯かるボトル容器は、応力が集中してしまうのを抑制し、荷重による変形が生じ難くなる。
【0031】
また、本実施形態のボトル容器は、前記仮想軸の方向の全長に対する前記肩部の長さの比が、好ましくは0.33以下、より好ましくは0.17〜0.21である。さらに、本実施形態のボトル容器は、前記肩部4において、少なくとも前記肩部4の中央部より上部の水平断面形状が限りなく正円に近い楕円形状であることにより、垂直方向に掛かる荷重による肩部4の変形をより抑制することができるという利点を有する。
【0032】
さらに、前記胴部2が、前記短側面の前記リブ形成部2aの上方及び下方に、水平方向において、前記リブ形成部2aの外方部たる非突出部2a’よりも外方に膨出する上膨出部2c及び下膨出部2c’をそれぞれ有していることにより、本実施形態のボトル容器は、リブが設けられている箇所を把持した際に、ボトル容器が手から滑っても、上膨出部2c又は下膨出部2c’が手に引っかかり、ボトル容器が滑り落ちるのを抑制することができるという利点を有する。また、本実施形態のボトル容器は、前記上膨出部2c及び下膨出部2c’により、前記リブ形成部にラベルを貼り付けた際に、ラベルが他のボトル容器との接触により剥がれるのを防止することができるという利点を有する。また、本実施形態のボトル容器は、前記上膨出部2c及び下膨出部2c’を備えることにより、意匠性に優れるという利点も有する。
【0033】
尚、本実施形態のボトル容器は、上記構成により、上記利点を有するものであったが、本発明のボトル容器は、上記実施形態の構成に限定されるものではない。また、本発明のボトル容器は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【実施例】
【0034】
次に、実施例および比較例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。
【0035】
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いて、図1〜4と同様な形状で、肩部を図5、6の形状にしたボトル本体(ボトル本体の高さ:336.0mm、短側面の湾曲部における曲率半径:64.1mm、長側面の湾曲部における曲率半径:78.7mm、質量:31g)を作製した。
次に、ボトル本体に飲料を2.0L詰め、ボトル容器に蓋をして、飲料入りボトル容器を24本作製した。
そして、飲料入りボトル容器を起立状態で縦に3本、横に2本並べたものを熱収縮性フィルムでシュリンクパックして束を作製した。また、この束をもう3つ作製し、合計4つの束を作製した。なお、縦方向のボトル容器の面接触部どうしが当接するようにした。
次に、これらの束を1つのパレットに4段積みし更にこのパレットを2段積みしたことを想定した加重に1.5倍の安全率を掛け合わせた加重を、これらの束に3日間掛け、飲料入りボトル容器の変形の程度を目視にて確認して、飲料入りボトル容器の変形試験を行った。結果を表1に示す。
【0036】
(実施例2)
全体的に厚みを大きくしたこと(質量を34gとしたこと)以外は実施例1と同様に、飲料入りボトル容器の変形試験を行った。結果を表1に示す。
【0037】
(比較例1)
リブよりも上方において前記リブよりも外方に膨出する膨出部が、胴部の全周に設けられていること、及び、ボトル容器の長さが334mmであること以外は、実施例1と同様に、飲料入りボトル容器の変形試験を行った。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
表1に示すように、本願発明の範囲内である実施例1、2の飲料入りボトル容器は、比較例1の飲料入りボトル容器に比べて、あまり変形しなかった。
よって、本発明によれば、荷重による変形が生じ難いボトル容器を提供することができることがわかる。
【0040】
(実施例3)
肩部を図7、8の形状にしたこと以外は実施例1と同様にしてボトル本体を作製した(ボトル本体の高さ:336.0mm、短側面の湾曲部における曲率半径:119mm、長側面の湾曲部における曲率半径:87.69mm、質量:31g)。
【0041】
(実施例4)
肩部を図9、10の形状にしたこと以外は実施例4と同様にしてボトル本体を作製した(ボトル本体の高さ:336.0mm、短側面の湾曲部における曲率半径:127.7mm、長側面の湾曲部における曲率半径:87.7mm、質量:31g)。
なお、図1〜4は、実施例4の形状を示している。
【0042】
<肩部の強度試験>
実施例1、3、4のボトル本体を座屈試験装置(例えば、トップロードテスター ME−1000)に置き、初期設定値の50mm/分の変位速度で、上部からボトル本体に荷重を掛け、肩部が座屈する直前の最大座屈強度を測定した。そして、実施例1の最大座屈強度に対する実施例3、4の最大座屈強度の比(以下、単に「強度比」ともいう。)を算出した。結果を表2に示す。
なお、本試験は、リブ形成部にラベルを貼ったボトル本体に対して行った。
【0043】
【表2】
【0044】
実施例3、4のボトル本体は、実施例1のボトル本体よりも強度が高かった。
【符号の説明】
【0045】
1:ボトル本体、2:胴部、2a:リブ形成部、2a1:リブ、2a2:非突出部、2b:上面接触部、2b’:下面接触部、2c:上膨出部、2c’:下膨出部、3:首部、3a:開口、3b:ネジ山、3c:サポートリング部、4:肩部、5:底部、6:湾曲部、6c:第1湾曲部、6b:第2湾曲部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10