(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
既設のガス配管において、新たに配管を分岐する場合等には、配管の分岐位置よりもガスの流れ方向上流側で配管を閉塞した後、既設の配管を切断して新たに分岐配管を接続する作業を行う。
配管を閉塞するには、配管の外周面に貫通孔を形成し、この貫通孔から配管内を閉塞する閉塞部材を配管内に挿入する。
【0003】
ここで、上記の作業終了後に貫通孔をプラグによって閉塞する必要があり、強度の面からこのようなプラグは、溶接によって取り付けられることが望ましい。ところが、ガス配管の内周面にはエポキシ樹脂等の防錆材が塗布されているため、プラグを溶接した際には、溶接時の熱によってエポキシ樹脂が溶け出し、ミストとなって配管内に飛散する。すると、このミストがガス配管を通してユーザのガス器具等に到達してしまい、ガス器具の動作に不具合を来たす可能性がある。
【0004】
そこで、特許文献1には、棒の先端に、断熱性と通気性を有するクロスを備えた略円形のばね板を回動自在に設け、このばね板を湾曲させて貫通孔から配管内に挿入し、バネ板を平板状に復元させて配管の穿孔部と配管内面の溶接熱影響部をクロスで覆った状態で、ソケットの溶接を行う構成が開示されている。
この構成によれば、配管内に塗布されたエポキシ樹脂などが溶接熱で分解して発生したミストは、クロスで捕捉されるので、ミストは配管に流れ込まないようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の構成においては、クロスがミストの捕捉によって汚れた場合に、クロスを交換しなければならない。しかし、クロスの交換タイミング等が分かりにくく、適切なタイミングでクロスを交換するのが困難であるとともに、クロス交換に手間がかかるという問題がある。
また、バネ板は配管に形成された貫通孔よりも大きいため、ソケットの溶接完了後、バネ板を、貫通孔を通して配管内から引き抜くのは困難であるという問題もある。
【0007】
そこでなされた本発明の目的は、メンテナンスの手間およびコストを抑えるとともに、作業性を向上させることのできるミスト飛散防止具およびミスト飛散防止具を用いた配管への閉塞プラグの設置方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明のミスト飛散防止具は、配管の外周面を貫通して取り付けられた筒状のソケットと、前記ソケットに嵌め込まれる固定用プラグと、前記固定用プラグから配管の内周面よりも内方に向けて突出するよう設けられる棒状の支持部材と、前記支持部材に支持され、弾性を有したゴム系材料から形成され、前記ソケットの内径よりも大きな外径を有した傘状またはドーム状をなして、外周縁部が全周にわたって前記配管の内周面に密着して該内周面との間に空間を画成可能なカップ部材と、
前記支持部材に設けられ、前記カップ部材と前記配管の内周面との間の前記空間で生じたミストを前記配管外部に排出するミスト排出部と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
このように、カップ部材がゴム系材料から形成されることによって、溶接に先立ってカップ部材を配管内に挿入してその外周縁部を配管の内周面に密着させるとき、および溶接後にカップ部材を配管外に抜き出すときに、カップ部材が弾性変形する。これにより、カップ部材がソケットを容易に通過することができ、作業が容易となる。
また、配管の内周面にスケール等の付着によって凹凸がある場合にも、これに追従してカップ部材を配管の内周面に密着させることができ、ミストの配管内への飛散の防止効果を向上できる。
さらに、カップ部材は、ゴム系弾性材料であるために、クロスのような頻繁な交換も不要であり、さらに、劣化や損傷を目視で容易に確認することができるため、その維持管理も容易となる。
【0011】
また、ミスト排出部により、捕捉したミストの配管内への漏洩を抑制することができる。
【0012】
さらに、前記配管内の流体を前記カップ部材の内方となる前記空間に導入する逆流防止弁をさらに備えていてもよい。
【0013】
配管内の流体をカップ部材の内方の空間に導入することによって、流体によってカップ部材のミストが配管外に押し出され、ミストの排出効果を向上できる。
【0014】
また、前記カップ部材は、中央部側に対して外周縁部側の肉厚が小さくなるよう形成されているのが好ましい。
【0015】
これにより、ソケットを通してカップ部材を出し入れするときや、外周縁部を配管の内周面に密着させるときに、カップ部材の外周縁部がソケットや配管の内周面に倣って変形しやすくなり、作業がさらに容易となる。
【0016】
また、本発明は、上記のミスト飛散防止具を用いた配管への閉塞プラグの設置方法であって、前記配管に形成した貫通孔に前記ソケットを装着する工程と、前記ソケットを通して前記ミスト飛散防止具のカップ部材を前記配管内に挿入し、前記カップ部材の外周縁部を前記配管の内周面に密着させる工程と、前記ソケットと前記配管を溶接する
とともに、前記ミストを前記ミスト排出部により前記配管外部に排出する工程と、前記ソケットの溶接完了後、前記ソケットを通して前記カップ部材を前記配管外に抜き出す工程と、前記カップ部材を抜き出した後に、前記ソケットの開口を閉塞プラグによって閉塞する工程と、を備えることを特徴とする。
【0017】
この方法によれば、閉塞プラグを設置する際、カップ部材がソケットを容易に通過することができ、作業が容易となる。また、カップ部材を配管の内周面に密着させることができ、ミストの配管内への飛散の防止効果を向上できる。さらに、維持管理も容易となる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1のミスト飛散防止具によれば、メンテナンスの手間およびコストを抑えるとともに、作業性を向上させることができる。
【0019】
また、請求項2のミスト飛散防止具によれば、ミストの配管内への飛散の防止効果を向上できる。
【0020】
さらに、請求項3のミスト飛散防止具によれば、ミストの配管内への飛散の防止効果をさらに向上できる。
【0021】
また、請求項4のミスト飛散防止具によれば、さらなる作業性の向上が可能となる。
【0022】
さらに、請求項5の閉塞プラグの設置方法によれば、メンテナンスの手間およびコストを抑えるとともに、作業性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、本発明によるミスト飛散防止具およびミスト飛散防止具を用いた配管への閉塞プラグの設置方法を実施するための形態を説明する。しかし、本発明は本実施形態のみに限定されるものではない。
図1は、本実施形態のミスト飛散防止具の構成を示す図であり、配管100の中心軸方向に沿った断面図である。
図1に示すように、ミスト飛散防止具10は、鋼製の配管100を貫通して取り付けられた円筒状のソケット110と、ソケット110に嵌め込まれる固定用プラグ20と、固定用プラグ20から配管100の内周面100aよりも内方に向けて突出するよう設けられる棒状の支持部材80と、支持部材80の先端部に支持されて傘状をなしたカップ部材60と、を備えている。
【0025】
固定用プラグ20は、例えば金属製で、外形略円柱状をなし、その外周面にネジ溝21が形成されている。固定用プラグ20の中央部には、その中心軸方向に貫通する貫通孔22が形成されている。また、固定用プラグ20は、一端20a側に、その外径が、ネジ溝21が形成された他端20b側よりも小さく設定されたボス部23が一体に形成されている。このボス部23には、その外周面にネジ溝24が形成されている。
【0026】
この固定用プラグ20が嵌め込まれるソケット110は、予め、配管100に形成された貫通孔101に装着される。貫通孔101には、その内周面にネジ溝102が形成されている。ソケット110は、鋼製で、円筒状をなしており、その外周面と内周面には、それぞれネジ溝111,112が形成されている。このソケット110は、外周面のネジ溝111を貫通孔101のネジ溝102にねじ込むことによって、配管100に取り付けられる。
【0027】
上記固定用プラグ20は、このようなソケット110の内周面のネジ溝112に、ネジ溝21をねじ込むことによって装着される。ここで、固定用プラグ20は、ボス部23が配管100の外方を向き、固定用プラグ20よりも配管100の外周側に突出するよう設けられる。
【0028】
支持部材80は、固定用プラグ20を貫通して設けられるミスト排出管(ミスト排出部)30と、ミスト排出管30を固定用プラグ20に固定する固定ネジ40と、ミスト排出管30の先端部に設けられて配管100内に位置する逆流防止弁50と、を備えている。
【0029】
ミスト排出管30は、鋼製あるいは樹脂製等であり、固定用プラグ20の貫通孔22に挿通されている。ミスト排出管30の外径は貫通孔22の内径よりも小さく、これによって、ミスト排出管30は、貫通孔22内でミスト排出管30の中心軸方向に固定用プラグ20に対して相対移動可能とされている。このミスト排出管30は、固定用プラグ20よりも十分に長く、固定用プラグ20をソケット110に装着した状態で、一端30aが配管100の内方に突出し、他端30bが固定用プラグ20から配管100の外方に突出する長さを有している。
【0030】
また、ミスト排出管30は、筒状をなし、その一端30a側には、内外を貫通する複数のスリットまたは孔31が形成されている。ミスト排出管30の一端30aは閉塞端とされ、この一端30aに逆流防止弁50が一体に設けられている。
【0031】
固定ネジ40は、環状で、その中央部に、固定用プラグ20から配管100の外周側に突出したミスト排出管30を貫通させる貫通孔41が形成されている。また、固定ネジ40の一面側には、断面円形の凹部42が形成されている。凹部42の内周面にはネジ溝43が形成されており、このネジ溝43をボス部23のネジ溝24にねじ込むことで、固定ネジ40はボス部23に締結される。ボス部23の頂面と凹部42の底面との間には、ミスト排出管30の外周面に沿う、例えばゴム系材からなるOリング44が設けられる。
【0032】
Oリング44は、固定ネジ40をボス部23に締結すると、固定ネジ40とボス部23との間でミスト排出管30の中心軸方向に押しつぶされ、これによって内周側に膨出するようになっている。すると、Oリング44がミスト排出管30の外周面に押し付けられて、ミスト排出管30は、固定用プラグ20に対してその中心軸方向の位置が固定されるようになっている。
【0033】
逆流防止弁50は、ミスト排出管30側の基端部50aを閉塞端とした有底筒状で、先端部50bには、開口部51が形成されている。逆流防止弁50の内周面は、基端部50aと先端部50bとの間に、その内径が先端部50b側に向かって漸次縮小するテーパ部52が形成されている。そして、逆流防止弁50内には、テーパ部52と基端部50aとの間に、テーパ部52の最小径よりも大きな外径を有した球状の弁体53が収容されている。この弁体53がテーパ部52に押し付けられることにより、開口部51につながる流路54が閉塞可能とされている。
【0034】
また、逆流防止弁50において、テーパ部52と基端部50aとの間には、内外を貫通する貫通孔55が複数形成されている。
これにより、逆流防止弁50においては、開口部51から配管100内の流体(ガス)が流れ込んだ場合には、弁体53が流体に押されることによって、テーパ部52から離間するので、流体は逆流防止弁50内を通り、貫通孔55から流出する。一方、貫通孔55から流体が流れ込んだ場合には、弁体53がテーパ部52に突き当たって開口部51への流路54を閉塞するため、流体が開口部51側に逆流するのが阻止される。
【0035】
この逆流防止弁50には、テーパ部52と先端部50bとの間に、その外径が縮径する段部56が形成されている。これによって、段部56よりも先端部50b側は、段部56よりも基端部50a側よりも外径の小さな小径部57とされ、この小径部57の外周面にはネジ溝が形成されている。
【0036】
カップ部材60は、中央部60aに貫通孔61aが形成された円板部61と、円板部61の外周側に一体に形成され、円板部61が位置する面の一方の側に傘状に延びるフード部62とを備えて形成されている。このカップ部材60は、柔軟性、弾性、可撓性を有し、配管100の内周面に塗布された塗料に対する耐性を有した材料、例えばNBR(ニトリルブタジエンゴム)CR(クロロプレンゴム)、NR(天然ゴム)等のゴム系弾性材料から形成されている。
【0037】
円板部61は、その両面にワッシャ71,72を沿わせた状態で、貫通孔61aに逆流防止弁50の小径部57を挿入させ、ナット73を小径部57のネジ溝にねじ込むことによって、ナット73と段部56との間に挟み込まれて保持される。これらワッシャ71,72およびナット73により、カップ部材60の中央部を逆流防止弁50に支持させる固定部材70が構成されている。
【0038】
フード部62は、円板部61に連続する内周頂部62aから、ミスト排出管30側の外周縁部62bに向けて、その外径が漸次拡大するよう形成されている。このフード部62は、外周縁部62bの全周が、配管100の内周面100aに密着して、内周面100aとの間に空間Sを画成可能な形状を有している。
【0039】
このフード部62は、配管100に形成されたソケット110の内径よりも大きく、さらにソケット110と配管100との溶接時における溶接熱影響部よりも大きな外径を有している。フード部62は、配管100内で、フード部62の外周縁部62bの全周が配管100の内周面100aに密着する。また、このフード部62は、柔軟性、弾性、可撓性を有しているため、このフード部62を窄めるように弾性変形させることで、ソケット110を挿通させることができるようになっている。ここで、フード部62は、ソケット110を挿通させる際に、容易に窄めることができるよう、例えばその外周縁部62bの肉厚を、内周頂部62aの肉厚よりも小さくするのが好ましい。
【0040】
ここで、カップ部材60の好ましい形状の一例について説明する。
図2は、カップ部材の形状の一例を示す図である。
図3は、カップ部材の形状の、より好ましい例を示す図である。
図2(a)に示すように、配管100をその中心軸C1に沿った断面で見た場合、配管100の内周面100aは直線状であるのに対し、
図2(b)に示すように、配管100をその中心軸C1に直交する断面で見た場合、配管100の内周面100aは円弧状をなしている。
このため、円板部61に対するフード部62の開き角θを、貫通孔61aの中心軸C2周りの周方向で一定とした場合、
図2(a)、(b)に示すように、配管100の中心軸C1に沿った方向におけるフード部62の外周縁部62bの径D1が、配管100の中心軸C1周りの周方向におけるフード部62の外周縁部62bの径D2よりも大きくなる。つまりこの場合、
図2(c)に示すように、フード部62は、配管100の断面中心側から見た場合、楕円形となる。これでは、フード部62をすぼめてソケット110に挿通させにくくなることがある。
そこで、
図3(a)、(b)に示すように、配管100の中心軸C1に沿った方向におけるフード部62の外周縁部62bの径D3と、配管100の中心軸C1周りの周方向におけるフード部62の外周縁部62bの径D4とが等しくなるよう、円板部61に対するフード部62の開き角θを、ミスト排出管30および逆流防止弁50の中心軸C2周りの周方向で増減させるのが好ましい。つまりこの場合、
図3(c)に示すように、フード部62は、配管100の断面中心側から見た場合、円形となる。
【0041】
次に、上記したようなミスト飛散防止具10を用いた配管100への閉塞プラグ120の設置方法について説明する。
図4〜
図6は、ミスト飛散防止具10を用いた配管100へのソケット110の設置方法の流れを説明するための図である。
まず、
図4(a)に示すように、配管100に貫通孔101を形成し、貫通孔101の内周面にネジ溝102を形成する。
次いで、その外周面および内周面にネジ溝111、112が予め形成されたソケット110を貫通孔101にねじ込む。
【0042】
そして、
図4(b)に示すように、ミスト飛散防止具10のカップ部材60を、ソケット110を通して配管100内に挿入する。このとき、カップ部材60は、ゴム系弾性材料から形成されているため、ソケット110を通るときには窄まるようにして弾性変形し、貫通孔101を通過して配管100内に入ったときに、自身の弾性により、フード部62が元の傘状の形状に復元される。
このとき、ミスト排出管30を、固定用プラグ20に対して配管100の内方に向けて突出させておくのが好ましい。また、固定ネジ40は緩めておき、ミスト管排出管30の位置をその中心軸方向に移動可能としておく。
【0043】
次いで、
図4(c)に示すように、固定用プラグ20をソケット110にねじ込む。
続いて、
図1に示したように、ミスト排出管30を配管100の外方に引き出し、カップ部材60のフード部62の外周縁部62bの全周を配管100の内周面100aに押し当てて密着させる。この状態で、固定ネジ40をねじ込むことによって、Oリング44を内周側に膨出させ、ミスト排出管30の中心軸方向の位置を固定用プラグ20に対して固定する。
【0044】
この状態で、
図5(a)に示すように、ソケット110の外周部を配管100の外周面100bに溶接する。このとき、溶接部200の溶接時の熱によって、配管100の内周面100aに塗布された防錆材がミスト化するが、発生したミストは、カップ部材60と配管100の内周面100aとに囲まれた空間Sに収まり、配管100内に飛散しないようになっている。
そして、カップ部材60内のミストは、孔31からミスト排出管30内に入り込み、これによって、配管100外に排出される。
このとき、配管100内の流体の圧力が配管100外の圧力(大気圧)よりも高い場合、配管100内の流体が逆流防止弁50を通してカップ部材60内に流れ込む。これによって、
図5(b)に示すように、カップ部材60内のミストがミスト排出管30内に押し込まれ、配管100外に排出される。
【0045】
こののち、
図6(a)に示すように、固定用プラグ20をソケット110から取り外すとともに、カップ部材60を、ソケット110を通して配管100外に抜き出す。このとき、カップ部材60は、弾性変形することによって容易に窄まり、ソケット110を通して容易に取り出すことができる。
【0046】
しかる後、ソケット110を通して配管100内で、例えばガスを遮断してその下流側で所要の作業を行った後、
図6(b)に示すように、ソケット110には、閉塞プラグ120をねじ込み、閉塞プラグ120をソケット110に溶接する。
このようにして、配管100への閉塞プラグ120の設置が完了する。
【0047】
上述したようにして、ミスト飛散防止具10のカップ部材60をゴム系弾性材料から形成することで、ソケット110を通して配管100内に挿入設置したり、配管100内から抜去したりという作業を容易かつ確実に行うことができる。さらに、配管100の内周面100aにスケール等の付着によって凹凸がある場合にも、これに追従してカップ部材60の外周縁部62bを確実に配管100の内周面100aに密着させることができ、ミストの配管100内への飛散を確実に防止できる。
【0048】
また、カップ部材60は、ゴム系弾性材料であるために、クロスのように頻繁な交換は不要であり、また、劣化や損傷を目視で容易に確認することができるため、その維持管理も容易となる。
【0049】
また、ミスト飛散防止具10は、カップ部材60内に連通するミスト排出管30を備えているので、溶接時にカップ部材60内に発生したミストを配管100外に排出することが可能となる。よって、捕捉したミストが配管100内へ漏洩してしまうことを抑制できる。
【0050】
さらに、ミスト飛散防止具10は、配管100内に連通する逆流防止弁50を備えている。これにより、配管100内の流体の圧力が配管100外の圧力よりも高ければ、配管100内の流体が逆流防止弁50を通してカップ部材60内に流入し、これによって、カップ部材60内のミストを配管100外に確実に排出することが可能となる。
【0051】
(その他の実施形態)
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、逆流防止弁50やミスト排出管30は、必須の構成とは限らず、これらを省略した構成とすることもできる。
【0052】
また、ミスト排出管30を筒状として、このミスト排出管30を通してミストを排出するようにしたが、ミスト排出管30は単なる中実の棒状とし、固定用プラグ20に、ミストを排出するミスト排出孔を貫通形成するようにしてもよい。
【0053】
さらに、固定ネジ40に代えて、ミスト排出管30の外周面に周方向に連続する溝を形成し、この溝にC字状のスナップリングを嵌め込むようにしてもよい。
【0054】
また、フード部62は、傘状に限らず、球面状のドーム形状としてもよい。
【0055】
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。