(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
強磁性材料で形成されて振動部材に一端を固定される長手状の強度部材を備えていると共に、該強度部材には磁歪材料で形成された発電素子が並列的に取り付けられており、該発電素子に対して磁性的に接続されるヨーク部材が配設されて、該発電素子と該ヨーク部材を含んで構成される閉磁路にバイアス磁界を印加する磁石が設けられていると共に、該閉磁路上にコイルが巻回されて配設されており、該発電素子の歪みによる透磁率の変化に基づいて該コイルに電圧が生じるようにされた磁歪式振動発電装置において、
前記強度部材に対する前記ヨーク部材の相対変位を許容しながら、該強度部材に対する前記磁石および該ヨーク部材の磁性的な接続状態を保持する保持ホルダを備えると共に、
前記発電素子の少なくとも一方の端部を該強度部材への重ね合わせ状態で挟み込んで該強度部材に固定する固定部材によって、該保持ホルダの該強度部材に対する相対変位量を制限する変位制限手段が構成されていることを特徴とする磁歪式振動発電装置。
前記固定部材が前記保持ホルダに対して前記強度部材と反対側に対向する規制部を備えており、該規制部と該強度部材の対向方向で該保持ホルダの該強度部材に対する相対変位が許容されていると共に、該規制部と該保持ホルダの当接によって該保持ホルダの該強度部材に対する相対変位量が制限される請求項1又は2に記載の磁歪式振動発電装置。
前記固定部材が前記強度部材と前記発電素子の端部とを挟み込む第一の挟持部材と第二の挟持部材を組み合わせた構造を有しており、該第一の挟持部材が前記規制部を有すると共に、該第二の挟持部材が該強度部材に外嵌される嵌合凹溝を備えており、該強度部材に嵌合された該第二の挟持部材における該嵌合凹溝の側壁部が該第一の挟持部材に固定されることにより、該発電素子が該強度部材に固定されていると共に、該第一の挟持部材が該強度部材に固定されて該規制部が該強度部材に対して位置決めされている請求項3に記載の磁歪式振動発電装置。
前記強度部材の長さ方向両側にそれぞれ前記磁石が配されており、それら磁石に跨って前記ヨーク部材が延びていると共に、前記保持ホルダが、各該磁石および該ヨーク部材を該強度部材に対する磁性的な接続状態に保持する一対の接続保持部を備えており、それら一対の接続保持部が該強度部材と並列的に延びる長手状の連結部で相互に連結されている請求項1〜4の何れか一項に記載の磁歪式振動発電装置。
前記強度部材の幅方向両側にそれぞれ前記磁石が配設されており、それら磁石がそれぞれ前記保持ホルダにより該強度部材に対して磁性的な接続状態に保持されていると共に、各該磁石を保持する該保持ホルダが該強度部材を幅方向に跨いで延びる前記固定部材によってそれぞれ該強度部材に対する相対変位量を制限されている請求項1〜5の何れか一項に記載の磁歪式振動発電装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、強度部材にヨーク部材が併設された構造であっても、ヨーク部材による強度部材の補強作用が抑えられて、強度部材の実質的な共振周波数の変化が低減されると共に、磁石およびヨーク部材の強度部材からの脱落も防止される、新規な構造の磁歪式振動発電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
【0009】
すなわち、本発明の第一の態様は、強磁性材料で形成されて振動部材に一端を固定される長手状の強度部材を備えていると共に、該強度部材には磁歪材料で形成された発電素子が並列的に取り付けられており、該発電素子に対して磁性的に接続されるヨーク部材が配設されて、該発電素子と該ヨーク部材を含んで構成される閉磁路にバイアス磁界を印加する磁石が設けられていると共に、該閉磁路上にコイルが巻回されて配設されており、該発電素子の歪みによる透磁率の変化に基づいて該コイルに電圧が生じるようにされた磁歪式振動発電装置において、前記強度部材に対する前記ヨーク部材の相対変位を許容しながら、該強度部材に対する前記磁石および該ヨーク部材の磁性的な接続状態を保持する保持ホルダを備えると共に、前記発電素子の少なくとも一方の端部を該強度部材への重ね合わせ状態で挟み込んで該強度部材に固定する固定部材によって、該保持ホルダの該強度部材に対する相対変位量を制限する変位制限手段が構成されていることを、特徴とする。
【0010】
このような第一の態様に従う構造とされた磁歪式振動発電装置によれば、磁石およびヨーク部材の磁性的な接続状態が、保持ホルダによって維持されることから、目的とする発電性能が安定して発揮される。
【0011】
しかも、ヨーク部材の強度部材に対する相対変位が許容されていることから、強度部材がヨーク部材によって補強されるのを防いで、強度部材の共振周波数が入力振動の周波数に対してずれるのを回避できる。これにより、振動入力時に強度部材の変形量が共振状態で大きく得られて、発電素子に歪みが有効に生ぜしめられることで、目的とする発電性能が実現される。
【0012】
また、発電素子が強度部材と固定部材の間に挟持されることから、発電素子にねじ穴などの取付構造を特別に設ける必要がなく、発電素子の強度が大きく確保されると共に、発電素子の形状や大きさなどが大きな自由度で設定される。
【0013】
さらに、発電素子を支持する固定部材が変位制限手段を構成することから、保持ホルダの強度部材に対する相対変位量を、少ない部品点数で且つ機械的な手段による高い信頼性をもって制限することができる。なお、保持ホルダは、変位制限手段によって、強度部材に対する相対変位をある程度まで許容された状態で制限されていても良いし、強度部材に対する相対変位量が略0となるように、実質的な固定状態で相対変位を制限されていても良い。
【0014】
本発明の第二の態様は、第一の態様に記載された磁歪式振動発電装置において、前記強度部材と前記保持ホルダの何れか一方に係止突起が形成されていると共に、それら強度部材と保持ホルダの何れか他方に係止穴が形成されており、該係止突起が該係止穴に挿入されることで該保持ホルダの該強度部材に対する相対変位量が制限されると共に、該係止突起が該係止穴よりも小径とされて該保持ホルダの該強度部材に対する相対変位が許容されているものである。
【0015】
第二の態様によれば、係止突起と係止穴の内周面とが挿入方向と略直交する方向で当接係止されることによって、係止穴にそれよりも小径の係止突起を挿入する簡単な構造で、保持ホルダと強度部材の相対変位量が制限される。これにより、磁石とヨーク部材は、保持ホルダによって、強度部材に対する磁性的な接続状態で適切に保持される。
【0016】
しかも、係止突起が係止穴よりも小径とされて、係止突起が係止穴内で変位可能とされることにより、保持ホルダが強度部材に対する相対変位を許容されることから、保持ホルダによって強度部材に接続保持されるヨーク部材が、強度部材に対する相対変位を許容される。それ故、ヨーク部材の補強作用によって、振動入力に対する強度部材の変形に悪影響が及ぼされるのを、防ぐことができる。
【0017】
本発明の第三の態様は、第一又は第二の態様に記載された磁歪式振動発電装置において、前記固定部材が前記保持ホルダに対して前記強度部材と反対側に対向する規制部を備えており、該規制部と該強度部材の対向方向で該保持ホルダの該強度部材に対する相対変位が許容されていると共に、該規制部と該保持ホルダの当接によって該保持ホルダの該強度部材に対する相対変位量が制限されるものである。
【0018】
第三の態様によれば、保持ホルダと固定部材の規制部が対向配置されていることで、それら保持ホルダと規制部の当接によって、保持ホルダが強度部材に対する相対変位を許容されながら、相対変位量を機械的に制限される。それ故、保持ホルダおよびヨーク部材による強度部材の拘束が回避されると共に、磁石およびヨーク部材の強度部材に対する磁性的な接続状態が、高い信頼性をもって保持される。
【0019】
本発明の第四の態様は、第三の態様に記載された磁歪式振動発電装置において、前記固定部材が前記強度部材と前記発電素子の端部とを挟み込む第一の挟持部材と第二の挟持部材を組み合わせた構造を有しており、該第一の挟持部材が前記規制部を有すると共に、該第二の挟持部材が該強度部材に外嵌される嵌合凹溝を備えており、該強度部材に嵌合された該第二の挟持部材における該嵌合凹溝の側壁部が該第一の挟持部材に固定されることにより、該発電素子が該強度部材に固定されていると共に、該第一の挟持部材が該強度部材に固定されて該規制部が該強度部材に対して位置決めされているものである。
【0020】
第四の態様によれば、第一の挟持部材と第二の挟持部材とを強度部材および発電素子を挟み込むように取り付けることにより、発電素子に特別な取付構造を設けることなく、発電素子を強度部材に取り付けることができる。更に、第一の挟持部材と第二の挟持部材の間に強度部材が挟み込まれることで固定部材が強度部材に取り付けられることから、強度部材に固定部材の取付構造(ねじ穴など)を設ける必要もなく、強度部材における応力集中が回避されて、強度部材の耐久性の向上や、発電素子の広い範囲に対する応力の効率的な伝達などが実現される。
【0021】
本発明の第五の態様は、第一〜第四の何れか一つの態様に記載された磁歪式振動発電装置において、前記強度部材の長さ方向両側にそれぞれ前記磁石が配されており、それら磁石に跨って前記ヨーク部材が延びていると共に、前記保持ホルダが、各該磁石および該ヨーク部材を該強度部材に対する磁性的な接続状態に保持する一対の接続保持部を備えており、それら一対の接続保持部が該強度部材と並列的に延びる長手状の連結部で相互に連結されているものである。
【0022】
第五の態様によれば、磁石およびヨーク部材の端部を強度部材に対して磁性的な接続状態に保持する一対の接続保持部が、連結部によって相互に連結されており、一対の接続保持部を一つの部品として取り扱うことができる。これにより、長さ方向両側の磁石およびヨーク部材の両端部を、少ない部品点数で、強度部材に対する磁性的な接続状態に維持することができる。
【0023】
本発明の第六の態様は、第一〜第五の何れか一つの態様に記載された磁歪式振動発電装置において、前記強度部材の幅方向両側にそれぞれ前記磁石が配設されており、それら磁石がそれぞれ前記保持ホルダにより該強度部材に対して磁性的な接続状態に保持されていると共に、各該磁石を保持する該保持ホルダが該強度部材を幅方向に跨いで延びる前記固定部材によってそれぞれ該強度部材に対する相対変位量を制限されているものである。
【0024】
第六の態様によれば、強度部材の幅方向両側に設けられる保持ホルダが、何れも、強度部材を幅方向に跨ぐ固定部材によって、強度部材に対する相対変位量を制限されることから、それら幅方向両側の保持ホルダの変位制限手段を、少ない固定部材で構成することができる。
【0025】
本発明の第七の態様は、第一〜第六の何れか一つの態様に記載された磁歪式振動発電装置において、前記保持ホルダが樹脂で形成されているものである。
【0026】
第七の態様によれば、保持ホルダを軽量且つ安価に得ることができると共に、金属製に比して保持ホルダの変形剛性を小さく設定し易くなって、保持ホルダが強度部材の変形をより阻害し難くなる。しかも、保持ホルダを大きな形状自由度で設計することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、磁石とヨーク部材を強度部材に対する磁性的な接続状態に保持する保持ホルダが設けられていると共に、ヨーク部材が保持ホルダによって強度部材に対する相対変位を許容されている。これにより、振動入力時に目的とする発電性能を安定して得ることができると共に、ヨーク部材による強度部材の拘束が防止されて、強度部材の有効な弾性変形による優れた発電効率も実現される。しかも、発電素子を強度部材に重ね合わせ状態で固定する固定部材によって、保持ホルダの強度部材に対する相対変位量を制限する変位制限手段が構成されている。それ故、発電素子にねじ孔などの取付構造を設ける必要がなく、発電素子の形状などの設計自由度や耐久性の向上などが図られると共に、少ない部品点数で保持ホルダの強度部材からの脱離を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0030】
図1〜6には、本発明の第一の実施形態としての磁歪式振動発電装置(以下、振動発電装置)10を示す。振動発電装置10は、長手状の強度部材12に発電素子14を取り付けた構造を有している。以下の説明において、原則として、長さ方向とは左右方向である
図2中の左右方向を、幅方向とは前後方向である
図2中の上下方向を、厚さ方向とは上下方向である
図4中の上下方向を、それぞれ言う。
【0031】
より詳細には、強度部材12は、ステンレス鋼(マルテンサイト系ステンレス鋼やフェライト系ステンレス鋼、析出硬化系ステンレス鋼など)や鉄などの強磁性材料で形成された略矩形ロッド状の部材であって、長さ方向一方の端部(
図2中の左端部)には厚さ方向に貫通する取付孔16が形成されている。そして、
図5に二点鎖線で示すように、強度部材12の取付孔16に挿通される取付用ボルト18が振動部材20に螺着されることにより、強度部材12の長さ方向一方の端部が振動部材20に固定されるようになっている。なお、振動部材20への装着状態において、強度部材12は、一端(
図2中、左端)が振動部材20に固定された固定端とされると共に、他端(
図2中、右端)が自由端とされる。振動部材20は、特に限定されるものではないが、自動車などの車両ボデーや、洗濯機などの家電製品、建築物の床などが例示される。
【0032】
また、
図5に示すように、強度部材12の長さ方向中間部分には、厚さ方向一方(
図5中の上方)に向かって開口する凹溝22が形成されている。凹溝22は、強度部材12の長さ方向で中央よりも固定端側(
図5中、左側)にずれた位置に形成されており、強度部材12の幅方向全長に亘って、略一定の断面形状で連続して延びている。このような凹溝22が形成されていることにより、強度部材12は、凹溝22よりも固定端側に位置する取付部24と、凹溝22よりも自由端側に位置するマス部26と、凹溝22の底壁部であって取付部24とマス部26を相互に連結する変形部28とを、一体的に備えた構造とされている。なお、凹溝22が強度部材12の長さ方向中央よりも固定端側に位置していることから、マス部26が取付部24よりも長尺とされている。
【0033】
さらに、凹溝22の底壁内面の全体が、上方に凹の連続的な湾曲面で構成されて、凹溝22の深さ寸法が、強度部材12の長さ方向で徐々に変化している。なお、本実施形態の強度部材12は、変形部28を含む全長に亘って、前後幅寸法が略一定とされていると共に、下面(
図5中の下面)が平面とされており、凹溝22の深さ寸法の変化に伴って厚さ方向の曲げ剛性が変化していると共に、変形部28で最も薄肉となる最深部において厚さ方向の曲げ剛性が最小となっている。
【0034】
更にまた、凹溝22の一対の側壁内面は、それぞれ強度部材12の長さ方向に略直交して広がる平坦面とされていると共に、上端部が開口側(
図5中、上側)に向かって次第に強度部材12の長さ方向外方に傾斜しており、本実施形態では、凹溝22の開口縁部内面が開口側および溝内方に向かって凸となる円弧状断面を有している。
【0035】
また、強度部材12における凹溝22に対する長さ方向両側には、それぞれ係止穴32が形成されている。係止穴32は、強度部材12の前後側面に開口しており、本実施形態では、強度部材12を略一定の円形断面で幅方向に貫通して、強度部材12の前後両側面に開口している。なお、係止穴は、強度部材12を貫通しない有底の凹所状であっても良く、強度部材12の前後各一方の面に開口するように、それぞれ独立して形成され得る。
【0036】
発電素子14は、磁歪材料で形成されて略一定の矩形断面で延びる長手板形状の部材であって、両端部分が強度部材12の上面に重ね合わされている。これにより、発電素子14は、凹溝22の開口を強度部材12の長さ方向に跨いで延びており、強度部材12の変形部28と上下に離隔して並列的に配設されている。
【0037】
なお、発電素子14の形成材料となる磁歪材料は、特に限定されるものではないが、鉄−ガリウム合金や鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金などが好適に採用され、それらの2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、上述の発電素子14を形成する磁歪材料に、イットリウム(Y)やプラセオジム(Pr)などの希土類元素の少なくとも一種を含ませることにより、後述する発電素子14の透磁率の変化を大きく得ることもできる。更に、好適には、発電素子14の曲げ剛性が、強度部材12の変形部28における最小曲げ剛性よりも小さくされており、発電素子14が強度部材12よりも曲げ変形を生じ易くなっている。
【0038】
また、発電素子14には、コイル34が取り付けられている。コイル34は、発電素子14に巻回される導電性の金属線材によって形成されており、発電素子14における磁束の変化に応じてコイル34に電磁誘導による誘導起電力が生じるようになっている。更に、コイル34は、発電素子14の強度部材12への取付け状態において、強度部材12の凹溝22に入り込んでおり、コイル34と強度部材12の干渉が回避されている。なお、図中では明らかではないが、コイル34を構成する金属線材の両端は、蓄電池や電気機器(LEDや電子回路など)に電気的に接続されている。
【0039】
また、強度部材12の前後両側には、それぞれ磁石36a,36bが配設されている。磁石36としては、フェライト磁石やアルニコ磁石、ネオジム磁石などの各種公知の永久磁石が採用されており、強度部材12の前後方向に着磁されている。そして、磁石36a,36bは凹溝22を長さ方向で挟んだ各一方側に取り付けられており、磁石36aが強度部材12における取付部24の前後側面に固着されていると共に、磁石36bが強度部材12におけるマス部26の前後側面に固着されて、それぞれ強度部材12に磁性的に接続されている。更に、磁石36aと磁石36bは、互いに逆向きに着磁されており、例えば、磁石36aの強度部材12側がN極とされる場合には、磁石36bの強度部材12側がS極とされる。更にまた、一対の磁石36a,36aが、強度部材12に対して、長さ方向の略同じ位置で、前後各一方の側から固着されていると共に、一対の磁石36b,36bが、強度部材12に対して、長さ方向の略同じ位置で、前後各一方の側から固着されている。
【0040】
さらに、強度部材12の前後両側には、ヨーク部材38が並列的に配設されている。ヨーク部材38は、強度部材12と略平行に延びるロッド形状乃至は長手板形状とされており、強度部材12と同様にステンレス鋼や鉄などの強磁性材料で形成されている。そして、ヨーク部材38は、磁石36aと磁石36bに跨って延びており、一方の端部が磁石36aの前後外面に重ね合わされて固着されていると共に、他方の端部が磁石36bの前後外面に重ね合わされて固着されている。これにより、ヨーク部材38は、磁石36a,36bを介して強度部材12に磁性的に接続されている。
【0041】
磁石36の強度部材12への固着手段や、ヨーク部材38の磁石36への固着手段は、特に限定されないが、例えば、磁石36の磁気的な引力や接着剤、機械的な係止などによって実現され得る。但し、強度部材12と磁石36が相対変位可能に固着されるか、磁石36とヨーク部材38が相対変位可能に固着されるかの少なくとも一方とされて、ヨーク部材38の強度部材12に対する相対変位が許容される。なお、本実施形態では、強度部材12とヨーク部材38が、磁石36に対して、何れも磁気的な引力で相対変位可能に固着されている。
【0042】
このように、磁石36a,36bの前後一組と、ヨーク部材38の前後一組とが、強度部材12の各一方の前後側面に取り付けられることにより、強度部材12と発電素子14と磁石36a,36bとヨーク部材38とによって、閉磁路40が形成されている。そして、閉磁路40を構成する発電素子14には、磁石36a,36bによるバイアス磁界が印加されている。なお、コイル34は、発電素子14に巻回されることにより、閉磁路40上に配されている。
【0043】
ここにおいて、磁石36a,36bとヨーク部材38は、保持ホルダ42によって覆われている。保持ホルダ42は、合成樹脂で形成された長手状の部材であって、強度部材12の幅方向前後に一対が配設されて、それぞれ磁石36a,36bおよびヨーク部材38に幅方向外方から重ね合わされている。より詳細には、保持ホルダ42は、
図6,7に示すように、一対の接続保持部44,44と、それら一対の接続保持部44,44を連結する連結部46とを、一体で備えている。
【0044】
接続保持部44は、略矩形ブロック形状とされており、長さ方向および幅方向の内方に向かって開口する収容凹所48を備えている。また、接続保持部44における収容凹所48よりも長さ方向の外側には、小径円柱状の係止突起50が一体形成されて、強度部材12に向かって幅方向内方に突出している。
【0045】
連結部46は、略一定の断面形状で延びる長手板状とされており、幅方向内面に開口して長さ方向に連続するヨーク収容溝52を備えている。本実施形態では、ヨーク収容溝52の底壁部を前後に貫通する肉抜き孔54が形成されて、連結部46の軽量化が図られている。
【0046】
そして、一対の接続保持部44,44と連結部46が一体形成されており、一対の接続保持部44,44が長さ方向で相互に離隔して両側に配されると共に、それら一対の接続保持部44,44が連結部46によって相互に連結されて、保持ホルダ42が形成されている。なお、一対の接続保持部44,44の収容凹所48,48と、連結部46のヨーク収容溝52とが、一体的な凹所として相互に繋がっている。
【0047】
この保持ホルダ42は、磁石36a,36bおよびヨーク部材38に対して、幅方向外方から重ね合わされている。即ち、保持ホルダ42における一対の接続保持部44,44の収容凹所48,48に、磁石36a,36bの各一方とヨーク部材38の各一方の端部とが差し入れられている一方、連結部46のヨーク収容溝52に、ヨーク部材38の中間部分が差し入れられている。本実施形態では、磁石36a,36bおよびヨーク部材38が、保持ホルダ42の収容凹所48,48および連結部46のヨーク収容溝52に嵌合されて、保持ホルダ42に対して略相対変位不能に取り付けられている。これにより、磁石36a,36bおよびヨーク部材38の幅方向外側および厚さ方向両側が、保持ホルダ42で覆われており、磁石36a,36bとヨーク部材38が、一対の接続保持部44,44によって、相互に位置決めされて磁性的な接続状態とされている。本実施形態では、磁石36a,36bとヨーク部材38が、保持ホルダ42によって、相互に当接した重ね合わせ状態に保持されている。
【0048】
さらに、磁石36a,36bが強度部材12に固着されることにより、保持ホルダ42が強度部材12の幅方向外方に配されると共に、保持ホルダ42の係止突起50が強度部材12の係止穴32に挿入される。保持ホルダ42の係止突起50は、強度部材12の係止穴32よりも小径とされており、幅方向前後一対の保持ホルダ42,42の各係止突起50が、強度部材12の係止穴32に幅方向各一方側からそれぞれ隙間をもって挿し入れられている。これにより、保持ホルダ42は、係止突起50の係止穴32への挿入方向と直交する方向において、強度部材12に対する相対変位が、係止穴32内での係止突起50の変位によって許容されていると共に、強度部材12に対する相対変位量が、係止穴32の内周面に対する係止突起50の当接係止によって制限されている。
【0049】
また、保持ホルダ42は、強度部材12に対する幅方向外方への脱離が、固定部材56によって防止されている。固定部材56は、第一の挟持部材58と第二の挟持部材60含んで構成されている。
【0050】
第一の挟持部材58は、オーステナイト系ステンレス鋼などの非磁性材料で形成されており、幅方向(
図3中、上下)で互いに対向して厚さ方向(
図4中、上下)に延びる一対の規制部62,62が、上端において幅方向に延びる第一の素子挟持部64によって、相互に一体連結された構造を有している。なお、
図7に示すように、第一の素子挟持部64には、前後に所定の距離を隔てて一対のボルト孔66,66が貫通形成されている。
【0051】
第二の挟持部材60は、第一の挟持部材58と同様に非磁性材料で形成されており、厚さ方向に延びる一対のナット部68,68が、下端において幅方向に延びる第二の素子挟持部70によって、相互に一体連結された構造を有している。更に、第二の挟持部材60における一対のナット部68,68の間には、上方(
図5中、上方)に開口して長さ方向(
図6中、左右)に延びる嵌合凹溝72が形成されている。また、第二の挟持部材60のナット部68,68には、厚さ方向に延びるねじ穴74がそれぞれ形成されている。
【0052】
そして、第二の挟持部材60の嵌合凹溝72には、強度部材12が嵌め入れられる。第二の挟持部材60の一対のナット部68,68は、強度部材12の幅方向各一方において、強度部材12とヨーク部材38の間で且つ磁石36a,36bの間に差し入れられていると共に、強度部材12の長さ方向で変形部28を外れた外側に配置されている。なお、第二の挟持部材60は、強度部材12に対して非接着で嵌合されていても良いし、接着などの手段によって強度部材12に固定されていても良い。
【0053】
さらに、第一の素子挟持部64の中央部分が、強度部材12および発電素子14の端部に、上方から重ね合わされると共に、第一の素子挟持部64におけるボルト孔66,66の形成部分が、第二の挟持部材60の一対のナット部68,68に、上方から重ね合わされる。そして、第一の挟持部材58のボルト孔66,66に挿通される取付ねじ76,76が、第二の挟持部材60のナット部68,68に形成されたねじ穴74,74に螺着されることにより、第一の挟持部材58と第二の挟持部材60が相互に固定されて固定部材56が形成される。
【0054】
本実施形態では、一対の固定部材56,56が強度部材12の長さ方向に所定の距離を隔てて設けられており、一方の固定部材56が取付部24に取り付けられていると共に、他方の固定部材56がマス部26に取り付けられている。そして、発電素子14の両端部分と強度部材12が、それぞれ、第一の挟持部材58の第一の素子挟持部64と第二の挟持部材60の第二の素子挟持部70との対向面間で、取付ねじ76の締結力によって上下に挟持されて、発電素子14が強度部材12に固定されている。
【0055】
また、第一の挟持部材58が強度部材12に固定されることにより、第一の挟持部材58の規制部62,62が、強度部材12に対して位置決めされている。そして、保持ホルダ42の連結部46が固定部材56,56の各規制部62に当接することで、保持ホルダ42が強度部材12に対する幅方向外方への相対変位量を制限されるようになっており、変位制限手段が規制部62,62を備えた固定部材56によって構成されている。本実施形態において、固定部材56の第一の挟持部材58は、幅方向両側に規制部62を備えていると共に、強度部材12および発電素子14とヨーク部材38,38および保持ホルダ42,42とを幅方向に跨いで延びており、規制部62,62が保持ホルダ42の連結部46に対して、強度部材12と反対側である幅方向外側に対向配置されている。これにより、幅方向両側の保持ホルダ42,42が、強度部材12に対する相対変位量を、固定部材56の各規制部62によって制限される(
図6,8参照)。
【0056】
そして、保持ホルダ42の強度部材12からの脱落が、固定部材56によって防止されており、保持ホルダ42と強度部材12の間に配設される磁石36a,36bおよびヨーク部材38が、保持ホルダ42によって強度部材12に対する磁性的な接続状態に保持されている。また、一対の保持ホルダ42,42が、強度部材12の幅方向各一方側に配されており、それら一対の保持ホルダ42,42によって、磁石36a,36bおよびヨーク部材38の前後一組が、強度部材12に対する磁性的な接続状態に保持されている。なお、磁性的な接続状態とは、必ずしも接触して接続されている場合だけでなく、閉磁路40が有効に維持される程度の隙間をもって離隔配置された状態も含む。
【0057】
さらに、強度部材12と規制部62の対向面間距離が、保持ホルダ42における接続保持部44の幅方向寸法よりも大きくされており、強度部材12に対する保持ホルダ42の幅方向への相対変位が、強度部材12と規制部62の対向面間で許容される。特に、保持ホルダ42が許容される強度部材12に対する幅方向への相対変位量(t)は、
図9に示すように、係止突起50の突出寸法(l)よりも小さくされており、保持ホルダ42が強度部材12に対して幅方向外方に相対変位しても、係止突起50が係止穴32への挿入状態に保持されるようになっている。
【0058】
かくの如き構造とされた振動発電装置10は、
図5に示す振動部材20への装着状態において、強度部材12の厚さ方向に振動が入力されると、強度部材12が厚さ方向で薄肉とされた凹溝22の形成部分(変形部28)において弾性変形せしめられて、発電素子14に長さ方向の圧縮歪み又は引張歪みが生じる。これにより、磁歪材料で形成された発電素子14の透磁率が逆磁歪効果(歪みによって透磁率が変化する効果)によって変化して、コイル34を貫通する磁束が変化することから、コイル34に電磁誘導による電圧(誘導起電力)が発生して、コイル34に接続された蓄電池の充電或いは電気機器の作動などに用いられる。
【0059】
なお、本実施形態では、発電素子14の曲げ剛性が、強度部材12の変形部28における最小曲げ剛性よりも小さくされており、曲げ変形における中立軸が発電素子14よりも強度部材12側に偏倚して設定されている。これにより、曲げ変形特性に関して強度部材12の影響が支配的とされて、発電素子14に対する圧縮/引張応力が一層効率的に生ぜしめられるようになっている。
【0060】
ここにおいて、振動発電装置10では、保持ホルダ42と固定部材56によって、ヨーク部材38が強度部材12に対して相対変位可能に取り付けられている。これにより、強度部材12の変形部28における弾性変形が、ヨーク部材38によって拘束されることなく有効に生ぜしめられて、発電素子14の歪みが効率的に生ぜしめられることから、発電効率の向上が図られる。
【0061】
しかも、ヨーク部材38だけでなく、保持ホルダ42も強度部材12に対する相対変位を許容されていることにより、保持ホルダ42の連結部46が強度部材12の変形を阻害することもなく、強度部材12の効率的な変形による発電効率の向上が実現される。本実施形態では、保持ホルダ42が一対の接続保持部44,44を連結部46で相互に連結した構造とされていることから、長さ方向両側の磁石36a,36bとヨーク部材38の両端部を、強度部材12に対して少ない部品点数で磁性的な接続状態に保持することができる。
【0062】
また、保持ホルダ42は、固定部材56によって、強度部材12に対する相対変位を許容された状態で、強度部材12に脱落不能に取り付けられていることから、磁石36a,36bおよびヨーク部材38が、強度部材12に対する磁性的な接続状態に安定して保持される。それ故、磁石36a,36bおよびヨーク部材38と強度部材12および発電素子14とを含んで構成される閉磁路40が、振動入力時にも安定して維持されて、目的とする発電性能を安定して得ることができる。
【0063】
特に、固定部材56の規制部62と保持ホルダ42との対向面間距離(t)が、保持ホルダ42における係止突起50の突出長さ(l)よりも小さく設定されていることにより、係止突起50の係止穴32からの抜けが、規制部62と保持ホルダ42の当接によって防止されている。これにより、係止突起50と係止穴32の機械的な係止によって、保持ホルダ42の強度部材12からの脱落が、高い信頼性をもって阻止されている。
【0064】
さらに、本実施形態では、幅方向両側に配された保持ホルダ42,42の強度部材12に対する幅方向への相対変位量が、何れも、固定部材56の第一の挟持部材58に設けられた一対の規制部62,62によって制限されている。それ故、部品点数の少ない簡単な構造によって、保持ホルダ42,42の強度部材12に対する相対変位量が制限されて、保持ホルダ42,42が強度部材12から脱落するのを防止できる。
【0065】
また、保持ホルダ42を強度部材12に対して脱落不能に保持する固定部材56が、第一の挟持部材58と第二の挟持部材60とを含んで構成されており、発電素子14が第一の挟持部材58と強度部材12の重ね合わせ面間に挟み込まれて支持されている。これにより、発電素子14にねじ穴などの取付構造を設ける必要がなくなって、発電素子14の形状や大きさなどが、強度部材12への取付構造によって制限されることなく、大きな自由度をもって設定可能とされる。しかも、発電素子14が第一の挟持部材58と強度部材12の重ね合わせ面で挟まれて支持されることから、発電素子14の強度部材12に対する取付状態が安定して、発電素子14の強度部材12に対する脱落や位置ずれなどを防ぐことができる。
【0066】
また、保持ホルダ42が合成樹脂で形成されていることにより、軽量化が図られると共に、目的とする形状を大きな自由度で設定することができる。しかも、本実施形態では、保持ホルダ42の連結部46に肉抜き孔54が貫通形成されていることから、更なる軽量化が図られると共に、連結部46の変形剛性が小さくされて、連結部46による強度部材12の補強が防止される。
【0067】
図10〜13には、本発明の第二の実施形態としての磁歪式振動発電装置80を示す。振動発電装置80は、磁石36a,36bとヨーク部材38が、保持ホルダ82によって、強度部材12に対する磁性的な接続状態に保持されている。なお、第一の実施形態と実質的に同一の部材および部位については、第一の実施形態と同じ符号を付すことにより、説明を省略する。
【0068】
より詳細には、
図14にも示すように、保持ホルダ82は、接続保持部44に変位制限部84が一体形成された構造を有している。変位制限部84は、接続保持部44の幅方向外端部から略一定の鉤形断面で長さ方向の内方に向かって突出しており、厚さ方向上下に対向する一対が設けられている。
【0069】
そして、4つの保持ホルダ82,82,82,82によって、磁石36およびヨーク部材38が、強度部材12に対して、離脱不能に保持されて磁性的な接続状態に保持されていると共に、相対変位を許容されている。より具体的には、保持ホルダ82は、接続保持部44がヨーク部材38の端部および磁石36にそれぞれ被せ付けられると共に、変位制限部84が、固定部材56における第一の挟持部材58の規制部62に対して、幅方向内方に所定の距離を隔てて対向配置されている。更に、強度部材12の係止穴32に挿入された接続保持部44の係止突起50の突出長さが、変位制限部84と規制部62の幅方向での対向面間距離よりも大きくされている。そして、規制部62に対する変位制限部84の当接によって、保持ホルダ82の強度部材12に対する幅方向外方への相対変位量を制限する変位制限手段が構成されて、保持ホルダ82の強度部材12からの離脱が防止される。これにより、磁石36およびヨーク部材38が、保持ホルダ82によって、強度部材12に対する磁性的な接続状態に保持される。
【0070】
なお、保持ホルダ82は、前後一組の磁石36a,36bとそれに重ね合わされるヨーク部材38の長さ方向両端部に、それぞれ取り付けられており、四つの独立した保持ホルダ82,82,82,82が設けられている。要するに、本実施形態の保持ホルダ82,82,82,82は、第一の実施形態における前後一対の保持ホルダ82,82において、連結部46の中央部分を取り除いた構造とされている。
【0071】
このような本実施形態に従う構造とされた振動発電装置80においても、第一の実施形態と同様に、ヨーク部材38による強度部材12の補強が回避されることから、強度部材12の変形が有効に生ぜしめられて、発電効率の向上が図られる。更に、磁石36a,36bおよびヨーク部材38が、強度部材12に対して磁性的な接続状態に安定して維持されることから、目的とする発電性能を安定して得ることができる。
【0072】
しかも、本実施形態の振動発電装置80によれば、四つの保持ホルダ82,82,82,82が互いに独立して形成されていることから、保持ホルダ82が強度部材12の変形に悪影響を及ぼすおそれもなく、強度部材12の変形が有効に生ぜしめられることで発電効率の向上が図られる。
【0073】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、保持ホルダ82の連結部46は、必ずしも接続保持部44と同じ材料で一体形成されたものには限定されない。具体的には、例えば、連結部46が柔軟なエラストマで形成されて、一対の接続保持部44,44の相対変位が、連結部46の変形によって許容されるようにしても良い。
【0074】
また、保持ホルダは、強度部材12に固定されて、強度部材12に対する相対変位の許容量が略0とされていても良い。その場合には、例えば、保持ホルダの収容凹所48とヨーク収容溝52が、磁石36およびヨーク部材38の外形よりも大きくされて、磁石36およびヨーク部材38が、収容凹所48とヨーク収容溝52に隙間をもって収容されることにより、保持ホルダに対する相対変位を許容される。また、ヨーク部材38の何れか一方の端部が強度部材12に相対変位不能に固定されると共に、ヨーク部材38の何れか他方の端部が、保持ホルダ42によって、強度部材12に相対変位可能に取り付けられても良く、これによっても、ヨーク部材38による拘束が抑えられて、強度部材12の変形が所定の共振周波数で有効に生ぜしめられる。
【0075】
また、前記実施形態において、磁石36やヨーク部材38,保持ホルダ82は、強度部材12の幅方向両側に設けられていたが、幅方向の何れか片側にだけ設けられていても良い。更に、磁石36は、必ずしも強度部材12の長さ方向両側に設けられていなくても良く、長さ方向の何れか片側だけに設けられ得る。
【0076】
さらに、磁石36やヨーク部材38,保持ホルダ82は、主たる振動入力方向に対する直交方向である幅方向で強度部材12と並列に配されることが望ましいが、例えば、主たる振動入力方向で強度部材12と並ぶように、強度部材12の厚さ方向上下に配されていても良い。
【0077】
また、強度部材12や磁石36,ヨーク部材38などの具体的な形状は、あくまでも例示であって、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、強度部材12において凹溝22は必須ではない。
【0078】
また、第一の挟持部材58と第二の挟持部材60は、ボルト固定以外の手段(接着や溶着など)によって、相互に固定することも可能であり、その場合には、樹脂製の第一, 第二の挟持部材58,60も好適に採用され得る。