(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のRPGなどのゲームでは、プレイヤキャラクタの攻撃力と敵キャラクタの防御力など、それぞれのキャラクタが予め有するステータスをもとに、プレイヤキャラクタの攻撃の結果が決定されていたため、敵キャラクタが受けるダメージについて、プレイヤの操作による結果の違いが生じるわけでもなく、また、与えることのできるダメージの変化幅もそれほど大きいものではなく、十分な面白みに欠けるものであった。
【0006】
また、特許文献1に記載されたようなゲームでは、仲間となったモンスター型のサブキャラクタはプレイヤの指示や方針に従順に従うのが通常で、混乱状態に陥るといったステータス異常がない限り、サブキャラクタがプレイヤキャラクタに攻撃を加えるなどのプレイヤの不利となる行動をとることはなかった。そのため、モンスターなどのキャラクタを操る難しさを感じながら、冒険を進めるというようなものではなく、モンスターがいつ暴走してこちらに攻撃を仕掛けてくるか分からないといった、臨場感や緊張感が感じられるものではなかった。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するために見出されたもので、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとの戦闘における演算結果について、演算結果の変化幅を大きくし、プレイヤの操作によって、同じ攻撃でも結果の違いを発生させることができる、趣向性に富んだゲーム装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、モンスターなどのキャラクタを操る難しさを感じながら冒険を進めることができるもので、思い通りに操ることが難しいキャラクタを操るという臨場感や緊張感を感じながらゲームをプレイすることができる、趣向性に富んだゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、表示装置と入力装置とを備え、プレイヤの操作対象であるプレイヤキャラクタが敵キャラクタと仮想戦闘を行うことでゲームが進行するゲーム装置であって、プレイヤの入力装置への操作指示に従って、プレイヤキャラクタのステータスを特定するためのパラメータを変化させるパラメータ変化手段と、パラメータ変化手段により変化した前記パラメータをもとに、プレイヤキャラクタのステータスを特定するステータス特定手段と、ステータス特定手段により特定されたプレイヤキャラクタのステータスに従って、ゲームを進行させるゲーム進行手段とを備えるゲーム装置に関する。
【0010】
このように、プレイヤの入力装置への操作指示にしたがって、プレイヤキャラクタのステータスを特定するためのパラメータを変化させ、変化した前記パラメータをもとに、プレイヤキャラクタのステータスを特定することで、てこの原理のように、プレイヤキャラクタのステータスを変化させることができ、結果として、戦闘時の演算結果の変化幅を大きくすることが可能となる。
【0011】
本発明では、ステータス特定手段は、前記パラメータと少なくとも1つ以上設けられた所定の閾値との大小関係をもとに、プレイヤキャラクタのステータスを特定することが好ましい。
【0012】
このように、プレイヤの入力装置への操作指示にしたがって変化する、プレイヤキャラクタのステータスを特定するためのパラメータと、所定の閾値との大小関係をもとにプレイヤキャラクタのステータスを特定することで、複雑な演算を行なうことなく、戦闘時の演算結果の変化幅を大きくすることが可能となる。
【0013】
本発明では、さらに、表示装置の表示画面上に、複数の領域に区切られたゲージを用いて前記パラメータを表示するパラメータ表示手段とを備え、前記領域は、前記所定の閾値に対応する位置にてゲージを区切るものであることが好ましい。
【0014】
このように、複数の領域に区切られたゲージを用いて前記パラメータを表示することで、プレイヤは比較的容易に、プレイヤキャラクタのステータスの状態を把握することできる。
【0015】
本発明では、プレイヤキャラクタ又はプレイヤキャラクタの味方となる第二のプレイヤキャラクタが所有又は装備するアイテムに応じて、前記所定の閾値を決定する閾値決定手段とを備えることが好ましい。
【0016】
このように、プレイヤキャラクタが所有又は装備するアイテムに応じて、閾値を特定することで、プレイヤが前記パラメータの操作指示を入力した際のプレイヤキャラクタのステータスの変化の仕方をコントロールすることができ、ゲームの趣向性を向上させることができる。
【0017】
本発明では、前記パラメータが所定の閾値より大きい場合に、ゲーム進行上において不利となる行動をプレイヤキャラクタに実行させる不利行動実行手段とを備えることが好ましい。
【0018】
このように、前記パラメータが所定の閾値より大きくなった場合に、プレイヤキャラクタが暴走状態となり、プレイヤがプレイヤキャラクタを制御することができない状態となるなど、ゲーム進行上において不利となる行動をプレイヤキャラクタに実行させることで、味方のモンスターがいつ暴走してこちらに攻撃を仕掛けてくるか分からないといった、臨場感や緊張感をもちながらプレイすることができる。
【0019】
特に、前記パラメータの値が大きくなればなるほど、プレイヤキャラクタの攻撃力等のステータスが向上するような場合は、プレイヤキャラクタの能力を最大限引き出すために前記パラメータの値が可能な限り大きくなるよう操作しようとする一方で、プレイヤキャラクタの暴走を防ぐため、前記パラメータの値が所定の閾値より大きくならないように操作する必要がある。プレイヤは、より戦略性をもってプレイヤキャラクタを操る必要があるため、ゲームの趣向性が向上する。
【0020】
本発明は、プレイヤの操作対象であるプレイヤキャラクタが敵キャラクタと仮想戦闘を行うことで進行するゲームを、表示装置と入力装置とを備えるコンピュータ装置に実行させるゲームプログラムであって、コンピュータ装置を、プレイヤの入力装置への操作指示に従って、プレイヤキャラクタのステータスを特定するためのパラメータを変化させるパラメータ変化手段と、パラメータ変化手段により変化した前記パラメータをもとに、プレイヤキャラクタのステータスを特定するステータス特定手段と、ステータス特定手段により特定されたプレイヤキャラクタのステータスに従って、ゲームを進行させるゲーム進行手段として機能させることを特徴とするゲームプログラムに関する。
【0021】
本発明は、表示装置と入力装置とを備え、プレイヤの操作対象であるプレイヤキャラクタが敵キャラクタと仮想戦闘を行うことでゲームが進行するゲーム装置において実行されるゲーム進行方法であって、ゲーム装置において、プレイヤの入力装置への操作指示に従って、プレイヤキャラクタのステータスを特定するためのパラメータを変化させるステップと、変化した前記パラメータをもとに、プレイヤキャラクタのステータスを特定するステップと、特定されたプレイヤキャラクタのステータスに従って、ゲームを進行させるステップとを備えるゲーム進行方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明のゲーム装置について説明する。本発明のゲーム装置としては、特に制限はないが、スマートフォンや携帯電話、携帯型ゲーム専用機などの携帯型の端末、又は、据え置き型のゲーム装置などが利用できる。本実施の形態では、ゲーム装置としてスマートフォンを採用した場合について説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態にかかるゲーム装置の正面外観図である。ゲーム装置1は、本体2、液晶モニタ3、入力部4及びスピーカ5を備えている。液晶モニタ3は、本体2の表面中央に略矩形状に設けられている。液晶モニタ3はタッチパネル式であり、タッチパネルの表面に指やタッチペンで接触すると、タッチ入力検出部により接触位置を検出することができる。プレイヤは、タッチパネルを操作することで、後述する非制御パラメータを変動させて、ゲームを進行させることができる。
【0025】
入力部4は、メニューボタン4a、ボリュームボタン4b及び電源ボタン4cを備えている。メニューボタン4aは、本体2の液晶モニタ3の下部に設けられている。このメニューボタン4aを押すことで、ゲーム装置1の各種設定をするためのメニュー画面を読み出すことができる。ボリュームボタン4bは、本体2の側面上部に設けられている。このボリュームボタン4bにより音量を調整することができる。電源ボタン4cは、本体2の上面に設けられており、この電源ボタン4cを押すことでゲーム装置1の電源のON/OFFを切り替えたり、スリープ状態に移行することができる。スピーカ5は、本体2に内蔵されており、本体2の液晶モニタ3の上側に出力口が設けられている。
【0026】
図2は、本発明の実施の形態にかかるゲーム装置の構成を示すブロック図である。ゲーム装置1は、CPU(Centrl Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、ROM13、HDD14、サウンド処理部15、グラフィック処理部16、タッチ入力検出部17、通信インターフェイス18、及びインターフェイス部19からなり、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0027】
CPU11は、ROM13に格納されたゲームプログラムを実行し、ゲーム装置1の制御を行なう。また、CPU11は時間を計時する内部タイマを備えている。RAM12は、CPU11のワークエリアである。HDD14は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。
【0028】
CPU11は、ゲームの進行に必要なプログラム及びデータをRAM12から読み出して処理を行なう。CPU11は、RAM12にロードされたプログラム及びデータを処理することで、サウンド出力の指示をサウンド処理部15に出力し、描画命令をグラフィック処理部16に出力する。
【0029】
サウンド処理部15は、スピーカ5に接続されている。CPU11がサウンド出力の指示をサウンド処理部15に出力すると、サウンド処理部15はスピーカ5にサウンド信号を出力する。
【0030】
グラフィック処理部16は液晶モニタ3に接続されている。CPU11が描画命令をグラフィック処理部16に出力すると、グラフィック処理部16は、フレームメモリ(フレームバッファ)20に画像を展開し、液晶モニタ3上に画像を表示するためのビデオ信号を出力する。グラフィック処理部16は、フレーム単位で1枚の画像の描画を実行する。画像の1フレーム時間は、例えば30分の1秒である。
【0031】
インターフェイス部19には、入力部4が接続されている。プレイヤによる入力部4およびタッチ入力検出部17からの入力情報はRAM12に格納され、CPU11は入力情報をもとに各種の演算処理を実行する。
【0032】
通信インターフェイス18は無線により通信ネットワークに接続される。また、通信インターフェイス18は、アンテナ21を有する通信ユニットを介して、他のゲーム装置1と無線により通信を行ない、ゲーム情報等の送信を行う。
【0033】
本実施の形態では、人型のプレイヤキャラクタ(以下、主人公という)が、ドラゴン型のプレイヤキャラクタ(以下、ドラゴンという)の背中に乗り、ドラゴンにつないでいる鎖を利用してドラゴンを操るゲームにおいて、本発明を適用した場合について説明する。ゲームは、主人公に操られたドラゴンが敵キャラクタと戦闘を行うことで進行する。
【0034】
図3は、本発明の実施の形態にかかるゲーム装置の表示画面の一例である。表示画面3aには、ドラゴン42と、ドラゴン42の背中に乗っている主人公43が、敵キャラクタ41と向き合って、仮想戦闘を行っている様子が表示されている。表示画面3aの左側上部には、プレイヤキャラクタの体力値(ヒットポイント)を表示するヒットポイント表示ゲージ44が表示されている。
【0035】
また、表示画面3aの中央上側には、後述する制御パラメータの値を表示する制御パラメータ表示ゲージ45が表示されている。制御パラメータ表示ゲージ45は、青色領域45a、緑色領域45b、黄色領域45c、赤色領域45dに区切られている。
図3の制御パラメータ表示ゲージ45では、制御パラメータが緑色領域45bに属している。
【0036】
表示画面3aの左下側には鎖46が表示されており、これは、主人公43がドラゴン42を操るために、ドラゴン42を繋げている鎖を表す。このゲームにおいて、プレイヤは、液晶パネル3のタッチパネルをフリック操作して、鎖46を緩めたり締めたりすることでドラゴン42を操る。このドラゴン42の制御の度合いは、非制御パラメータで表される。この非制御パラメータに応じて、ドラゴン42の攻撃力等のステータスが変動する。例えば、プレイヤの操作により鎖が緩められると、非制御パラメータの値が上昇して、ドラゴン42の攻撃力は強くなり、暴走状態に近づく。逆に、プレイヤの操作により鎖が締められると、非制御パラメータの値が下降して、ドラゴン42の攻撃力は弱くなり、安定状態に近づく。
【0037】
ドラゴン42の各種ステータスは、RAM12にて設定される、プレイヤキャラクタ管理テーブルにて管理される。
図4は、本発明の実施の形態にかかるゲーム装置にて設定されるプレイヤキャラクタ管理テーブルの一例である。プレイヤキャラクタ管理テーブル30には、ドラゴン42の体力値(ヒットポイント)31、魔力値(マジックポイント)32、基準攻撃力33、防御力34、素早さ35、非制御パラメータ36、制御状態37、防御フラグ38が記憶されている。
【0038】
ドラゴン42の基準攻撃力33は、敵キャラクタ41に通常攻撃を行った場合の攻撃力を特定するための基準となる値である。基準攻撃力33に、制御状態37に応じた所定の係数が乗じられて、攻撃力が特定される。制御状態37は、プレイヤがドラゴン42を制御できている度合いを特定するもので、レベル1〜4まで分かれており、非制御パラメータ36をもとに決定される。
【0039】
例えば、非制御パラメータが1〜30の場合は、制御状態37が最も高いレベル4であり、非制御パラメータ36が30〜60(30は含まない)の場合は、制御状態37がレベル3であり、非制御パラメータ36が60〜90(60は含まない)の場合は、制御状態37がレベル2である。そして、非制御パラメータが90より大きくなると、制御状態37がレベル1となる。この場合、非制御パラメータの「30」、「60」、「90」が制御状態37を区分けする閾値となる。
【0040】
非制御パラメータ36は、液晶モニタ3の表示画面3aにおいて制御パラメータ表示ゲージ45にて表示される。この制御パラメータ表示ゲージ45が青色領域45a、緑色領域45b、黄色領域45c、赤色領域45dの複数の領域に区切られており、制御状態37のレベル4〜1が青色領域45a、緑色領域45b、黄色領域45c、赤色領域45dにそれぞれ対応する。したがって、非制御パラメータ36の値が高くなるにつれて、レベル4からレベル1まで順に、制御状態37が変化する。なお、制御状態37がいずれに属するかに応じて、ドラゴン42が使用できる特殊スキルも定められることになる。
【0041】
制御状態37が青色領域45a(レベル4)に属する場合は、ドラゴン42が敵キャラクタ41に攻撃をする際における、敵キャラクタ41のダメージを算定するもととなる攻撃力は、基準攻撃力33と同じとなる。
図5に示すように、攻撃力を算定するために基準攻撃力33に乗じる係数は「1」である。制御状態37がレベル4である場合、ドラゴン42が使用できる特殊スキルは、ドラゴン42の体力値31を回復させることができる回復魔法・回復スキルであったり、ドラゴン42の防御力34や素早さ35を向上させることができる補助魔法・補助スキルとなる。非制御パラメータ36の値が青色領域45aに属していても、非制御パラメータ36の値が上昇して所定の閾値を超えると、制御状態37は緑色領域45bに属するものになる。
【0042】
制御状態37が緑色領域45b(レベル3)である場合は、ドラゴン42が敵キャラクタ41に攻撃をする際におけるドラゴン42の攻撃力は、基準攻撃力33よりも高いものとなる。具体的には、基準攻撃力33に対して、
図5に示すように、1より大きい所定の係数を乗じて攻撃力が算定される。制御状態37が緑色領域45bに属する場合、ドラゴン42が使用する特殊スキルは、敵キャラクタ41を攻撃するための攻撃魔法・攻撃スキルである。制御状態37が緑色領域45bに属する場合は、回復魔法・回復スキルを使用することができないため、回復魔法や補助魔法を使用したいような場合は、タッチパネルを操作して、ドラゴン42の非制御パラメータ36を低下させる必要がある。非制御パラメータ36の値が緑色領域45bに属していても、非制御パラメータ36の値が上昇して所定の閾値を超えると、制御状態37は黄色領域45cに属することになる。
【0043】
制御状態37が黄色領域45c(レベル2)である場合は、敵キャラクタ41を攻撃する際におけるドラゴン42の攻撃力は、基準攻撃力33よりも高く、さらには、制御状態37が緑色領域45bである場合よりも高い攻撃力となる。具体的には、基準攻撃力33に対して、1より大きい所定の係数を乗じて攻撃力が算定される。したがって、緑色領域45bの場合よりも、黄色領域45cの場合の方が、攻撃力に乗算される係数の値が大きくなる。
【0044】
制御状態37が黄色領域45cである場合に、ドラゴン42が使用できる特殊スキルは、敵キャラクタ41を攻撃するための攻撃魔法・攻撃スキルである。制御状態37が黄色領域45cに属している場合に用いられる攻撃魔法・攻撃スキルは、緑色領域45bの場合に用いられる攻撃魔法・攻撃スキルよりも、より敵キャラクタ41に大きなダメージを与えることのできる強力なものとなる。制御状態37が黄色領域45cであっても、非制御パラメータ36の値が上昇して所定の閾値を超えると、制御状態37は赤色領域45dに変化する。
【0045】
非制御パラメータ36が所定の閾値を超えて、制御状態37が赤色領域45dに属することとなった場合、ドラゴン42は暴走状態となり、プレイヤのタッチパネルへの操作で制御することができなくなる。例えば、ドラゴン42が暴走をして主人公43に攻撃をするなど、ゲーム進行上、不利となるような行動をとる。この場合、ドラゴン42が主人公43に襲いかかり、ドラゴン42と主人公43が戦闘不能状態となって、ゲームオーバになるような構成としてもよい。
【0046】
また、ドラゴン42が暴走した際に、主人公43に攻撃するのではなく、敵キャラクタ41に攻撃をさせるが、同時に、何らかのペナルティを科すようにしても良い。例えば、非制御パラメータ36が所定の閾値を超えて、制御状態37が赤色領域45dに属することとなった場合には、基準攻撃力33に1より大きい所定の係数が乗算され、緑色領域45bや赤色領域45dに属している場合よりも強力な攻撃力とすることができるが、ドラゴン42が攻撃を行うたびに、ドラゴン42の最大HPが減っていくような構成とすることができる。この場合、プレイヤとしては、制御状態37が赤色領域45dに属するように、非制御パラメータ36を上昇させることで、ドラゴン42の攻撃力を高め、より大きなダメージを敵キャラクタ41に与えることができるが、最大HPが減っていき、ゲーム進行上、不利になる。
【0047】
制御状態37が赤色領域45dとなり、ドラゴン42が暴走状態となった場合、制御パラメータ表示ゲージ45において、これまで黄色領域45cと緑色領域45bとして表示されていた領域についても、赤色領域45dに変化して表示される。そのため、一度、非制御パラメータ36が赤色領域45dになるための所定の閾値よりも上昇して、制御状態37が赤色領域45dとなると、黄色領域45cと緑色領域45bとして表示されていた領域が赤色領域45dとなり、制御パラメータ表示ゲージ45は青色領域45aと赤色領域45dのみとなる。
【0048】
この場合、ドラゴン42を暴走状態から通常の安定状態に戻すには、これまで黄色領域45c・緑色領域45bとして表示されていた領域よりも、さらに、非制御パラメータ36を低下させて、青色領域45aまで非制御パラメータ36の値を移動させる必要がある。つまり、一度、暴走状態となると通常の状態まで回復するまでに時間がかかることになる。このように、一度、暴走状態となった後、非制御パラメータ36の値を低下させることで、再度、赤色領域45dとなっていた黄色領域45cと緑色領域45bの部分がもとに戻る。
【0049】
非制御パラメータ36は、プレイヤの操作によりパラメータを高くしたり、低くしたりすることができる。例えば、タッチパネルに非制御パラメータ36についての入力をするような場合に、右側から左側にフリック操作を行ったときは、非制御パラメータ36が上昇し、左側から右側にフリック操作を行ったときは、非制御パラメータ36が下降する。
【0050】
また、非制御パラメータ36は、プレイヤのタッチパネルへの操作以外の要素で変化させることができる。例えば、時間が経過するにつれて自動的に非制御パラメータ36が上昇するような構成としても良いし、ドラゴン42が敵キャラクタ41への攻撃を成功させる毎、或いは、ドラゴン42が敵キャラクタ41から攻撃を受ける毎に、非制御パラメータ36を上昇させるような構成とすることもできる。
【0051】
本発明のゲーム装置では、制御パラメータ表示ゲージ45が、青色領域45a、緑色領域45b、黄色領域45c、赤色領域45dに区分けされており、それぞれの領域ごとに設定された閾値を超える毎に、プレイヤキャラクタの攻撃力などのステータスは変化し、使用できる魔法やスキルも変化することになる。このそれぞれの領域を区分けする閾値は固定としてもよいが、例えば、プレイヤキャラクタ(ドラゴン42又は主人公43)のレベルや、所有又は装備するアイテムに応じて閾値を決定することもできる。
【0052】
したがって、アイテムAをプレイヤキャラクタが所有又は装備している場合は、
図6に示すように、青色領域45aが最も長く、緑色領域45b・黄色領域45cは短くなり、アイテムBをプレイヤキャラクタが所有又は装備している場合は、青色領域45aと黄色領域45cは短く、緑色領域45bを長くするといったように、所有又は装備するアイテムに応じて、制御パラメータ表示ゲージ45の区分けが決定される。また、アイテムCをプレイヤキャラクタが所有又は装備している場合は、緑色領域45bがなく、青色領域45a・黄色領域45c・赤色領域45dのみから制御パラメータ表示ゲージ45が構成されるようにしても良い。また、全ての領域を合わせたゲージの長さは、通常、一定であるが、プレイヤキャラクタのレベルや、所有又は装備するアイテムに応じて、制御パラメータ表示ゲージ45の長さを変えるような構成とすることもできる。
【0053】
つぎに、仮想戦闘において、プレイヤキャラクタが敵キャラクタに対して攻撃したり、或いは、防御したり等の行動を実行する際の処理について、説明する。
図7は、本発明の実施の形態にかかるゲーム装置における仮想戦闘の攻撃処理のフローチャートを表す図である。プレイヤキャラクタと敵キャラクタがフィールドマップ上で遭遇することで、プレイヤキャラクタと敵キャラクタの仮想戦闘が開始される。仮想戦闘はターン制であり、プレイヤキャラクタと敵キャラクタが、それぞれ1ターンに所定の回数だけ通常攻撃、防御、特殊スキル、アイテム使用のいずれかの行動をとることができる。各ターンにおいて、プレイヤキャラクタと敵キャラクタがどのような順で攻撃を行うかは、各キャラクタの素早さ35をもとに決定される。
【0054】
プレイヤキャラクタの攻撃ターンが開始されると(ステップS11)、プレイヤキャラクタの攻撃ターン開始時の非制御パラメータ36が特定される(ステップS12)。そして、非制御パラメータ36又は制御状態37をもとにプレイヤキャラクタの行動内容が決定される(ステップS13)。
【0055】
プレイヤキャラクタが通常攻撃、防御、特殊スキル又はアイテム使用のいずれの行動をとるかについては、所定の確率にしたがって、自動的に特定される。この場合、該所定の確率は、非制御パラメータ36の値に応じて、変化するようなものとしてもよい。例えば、制御パラメータ表示ゲージ45が青色領域45aに属している場合は、通常攻撃50%、防御25%、特殊スキル15%、アイテム使用10%であり、制御パラメータ表示ゲージ45が緑色領域に属している場合は、通常攻撃55%、防御15%、特殊スキル20%、アイテム使用10%といった具合である。また、プレイヤキャラクタの攻撃内容が自動的に特定されるのではなく、プレイヤが選択できることとしてもよい。
【0056】
プレイヤキャラクタの攻撃内容が「通常攻撃」に決定されると(ステップS101)、プレイヤキャラクタの通常攻撃が敵キャラクタにヒットするか否かが、プレイヤキャラクタの素早さ35や敵キャラクタの素早さ、回避率などをもとにランダムに決定される(ステップS102)。プレイヤキャラクタの通常攻撃が敵キャラクタにヒットしないと決定されると(ステップS102にてNO)、この攻撃ターンにおける攻撃処理は終了する。
【0057】
プレイヤキャラクタの通常攻撃が敵キャラクタにヒットすると決定されると(ステップS102にてYES)、制御状態37に対応する係数、及び、基準攻撃力をもとに、プレイヤキャラクタの攻撃力が決定される(ステップS103)。プレイヤキャラクタの攻撃力は、プレイヤキャラクタの有する基準攻撃力33をもとに所定の係数を乗じることで特定される。この所定の係数は、プレイヤキャラクタの制御状態に応じて変化するものである。
図5に示すように、非制御パラメータ36が青色領域45aに属している場合は、基準攻撃力33に乗じられる係数は「1」であり、緑色領域45b、黄色領域45c、赤色領域45dとなるにつれて係数の値も大きくなる。
【0058】
ステップS103にて、プレイヤキャラクタの攻撃力が決定されると、敵キャラクタが受けるダメージの大きさが算定される(ステップS104)。敵キャラクタの受けるダメージは、プレイヤキャラクタの攻撃力と、敵キャラクタの防御力をもとに、ランダムに決定される。敵キャラクタの受けるダメージが決定されると、敵キャラクタを管理するテーブルに記憶された、敵キャラクタの体力値が更新され(ステップS105)、この攻撃ターンにおける処理は終了する。
【0059】
プレイヤキャラクタの攻撃内容が「防御」に決定されると(ステップS111)、プレイヤキャラクタを管理するプレイヤキャラクタ管理テーブル30にて防御フラグ38が設定され(ステップS112)、この攻撃ターンにおける処理は終了する。なお、防御フラグ38が設定されている時に敵キャラクタから攻撃を受けた場合、プレイヤキャラクタが受けるダメージは半分となる。なお、このターンにおける、全てのプレイヤキャラクタと敵キャラクタの行動が終了した時点で、設定された防御フラグ38は解除される。
【0060】
プレイヤキャラクタの攻撃内容が「特殊スキル」に決定されると(ステップS121)、
図8に示すようなRAM12に設定される特殊スキル管理テーブル50を参照して、実行する特殊スキル51の内容が決定される(ステップS122)。
【0061】
特殊スキル管理テーブル50には、非制御パラメータ36が属する領域ごと、つまり、制御状態37ごとに使用できる特殊スキル51が設定されており、非制御パラメータ36が青色領域45aに属する場合は「回復魔法1」が使用でき、緑色領域45bに属する場合は「特殊攻撃1」が使用できる。これらの特殊スキル管理テーブル50において記憶されている各特殊スキル51は、メニュー画面等でプレイヤが事前に設定しておくことも可能である。例えば、制御状態37が青色領域45aの場合は、回復魔法や補助魔法を設定しておくことができるが、さらに、これらの回復魔法、補助魔法の中からいずれの魔法を設定しておくかをプレイヤは選択することができる。
【0062】
ステップS122にて決定された特殊スキル51の内容に応じて、その効果(例えば、回復魔法の場合は、プレイヤキャラクタの体力値の回復量が算定され、攻撃魔法の場合は敵キャラクタが受けるダメージの大きさが算定される(ステップS123)。特殊スキル51の効果が算定されると、プレイヤキャラクタ又は敵キャラクタの体力値等のステータスが、特殊スキル51の効果にあわせて加算又は減算して更新され(ステップS124)、この攻撃ターンでの処理が終了する。
【0063】
プレイヤキャラクタの攻撃内容が「アイテム使用」に決定されると(ステップS131)、使用されたアイテムに応じた効果が算定されると(ステップS132)、そのアイテムの効果に応じて、プレイヤキャラクタ又は敵キャラクタの体力値や魔力値などのステータスが更新され(ステップS133)、この攻撃ターンでの処理が終了する。
【0064】
プレイヤキャラクタの攻撃ターンがまわってくるごとに、これらの一連の攻撃処理が実行され、プレイヤキャラクタの体力値31がゼロになり戦闘不能状態となるか、敵キャラクタの体力値がゼロになり戦闘不能状態となるまで、或いは、プレイヤキャラクタ又は敵キャラクタのいずれかが逃走して戦闘を離脱するまで、継続される。
【0065】
次に、非制御パラメータ36の変更処理について、説明する。
図9は、本発明の実施の形態にかかるゲーム装置において実行される非制御パラメータの変更処理のフローチャートを表す図である。まず、プレイヤのタッチパネルへの操作により、非制御パラメータ36の変更入力が受付けられ(ステップS21)、非制御パラメータ36が変更される(ステップS22)。
【0066】
例えば、タッチパネルの長手方向を横方向、短手方向を縦方向とした場合に、タッチパネル上を左側から右方向へフリック操作すると、非制御パラメータ36が上昇し、プレイヤキャラクタがより攻撃的となり、制御が困難な状態となる。また、タッチパネル上を右側から左方向へフリック操作すると、非制御パラメータ36が低下し、プレイヤキャラクタがより防御的となり、制御しやすい状態となる。
【0067】
例えば、プレイヤキャラクタとしてのドラゴン42を鎖46でつないで敵キャラクタ41と戦闘させるゲームでは、タッチパネル上を左側から右方向へフリック操作すると、鎖46は緩み、ドラゴン42は攻撃的となり、暴走状態に近づくことになる。逆に、タッチパネル上を右側から左方向へフリック操作すると、鎖46は締まり、ドラゴン42は防御的となり、安定状態になる。なお、非制御パラメータ36の変化量は、フリック操作において指等がタッチパネルと接触しながら移動した左右方向の移動距離に応じて定められる。
【0068】
非制御パラメータ36が変更され、制御状態37が変化する閾値に到達した場合(ステップS23にてYES)は、プレイヤキャラクタ管理テーブルの制御状態のステータスが更新され(ステップS24)、非制御パラメータ36の変更処理が終了する。非制御パラメータ36が閾値に到達しない場合(ステップS23にてNO)は、制御状態37が変更されることなく、一連の処理が終了する。これらの処理は、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとの仮想戦闘が終了するまで、フレーム毎に実行される。
【0069】
また、上の実施の形態では、非制御パラメータの変化によって、プレイヤキャラクタの攻撃力が決定される場合について述べたが、非制御パラメータが上昇することによって、攻撃力が上昇するだけでなく、防御力や素早さなどが同時に変化するような構成とすることもできる。例えば、非制御パラメータが上昇することで、プレイヤキャラクタが暴走状態に近づくと、攻撃力は高くなるが、防御力も低下し、敵キャラクタに与えるダメージを大きくすることができる半面、プレイヤキャラクタが受けるダメージも大きくなるというリスクが発生するといった構成とすることもできる。このような構成とすることで、プレイヤは、プレイヤキャラクタの制御状態を戦略的に操作してゲームを進める必要があり、ゲームの趣向性が向上する。
【0070】
また、非制御パラメータの変化によって、プレイヤキャラクタの防御力や素早さなど攻撃力以外のその他のステータスを決定するような構成とすることもできる。例えば、プレイヤキャラクタが暴走状態に近づくほど、プレイヤキャラクタのスピードは速くなるが、移動方向を制御できなくなるといったような構成とすることができる。
【0071】
また、プレイヤキャラクタの種類に応じて、非制御パラメータの変化によって影響を受けるステータスの種類を変えることができる。例えば、プレイヤキャラクタが、力の大きさを特徴とする巨人型のモンスターの場合であれば、非制御パラメータの変化に応じて攻撃力が変化し、プレイヤキャラクタが素早さを特徴とする鳥型のモンスターの場合であれば、非制御パラメータの変化に応じて素早さが変化する。
【0072】
上の実施の形態では、主に、本発明をRPGに適用することについて述べたが、本発明はRPG以外のジャンルのゲームに適用することが可能である。例えば、アクションゲームやレースゲームなどにも適用することができる。例えば、レースゲームの場合であれば、人型のキャラクタがダチョウ型のキャラクタに乗り、ダチョウ型キャラクタの操縦を行う。プレイヤの操作により非制御パラメータを低下させれば、ダチョウ型キャラクタのスピードは落ちるが、移動方向についてはプレイヤの操作に従順に従うようになり、非制御パラメータを上昇させれば、ダチョウ型キャラクタのスピードは速くなるが、移動方向についてはプレイヤの操作に従いにくくなる。