(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画面制御部は、省電力モードが設定される前にシステム画面が表示されていれば、省電力モードから通常モードに遷移した後、所定のシステム画面を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の実施例にかかる情報処理システム1を示す。情報処理システム1は、ユーザ端末である情報処理装置10と、サーバ5とを備える。アクセスポイント(以下、「AP」とよぶ)8は、無線アクセスポイントおよびルータの機能を有し、情報処理装置10は無線または有線経由でAP8に接続して、ネットワーク3上のサーバ5と通信可能に接続する。
【0014】
補助記憶装置2は、HDD(ハードディスクドライブ)やフラッシュメモリなどの大容量記憶装置であり、USB(Universal Serial Bus)などによって情報処理装置10と接続する外部記憶装置であってよく、また内蔵型記憶装置であってもよい。出力装置4は、画像を出力するディスプレイおよび音声を出力するスピーカを有するテレビであってよく、またコンピュータディスプレイであってもよい。
【0015】
情報処理装置10は、ユーザが操作する入力装置6と無線または有線で接続し、入力装置6はユーザの操作結果を示す操作情報を情報処理装置10に出力する。情報処理装置10は、入力装置6から操作情報を受け付けるとOS(システムソフトウェア)やアプリケーションの処理に反映し、出力装置4から処理結果を出力する。入力装置6は複数のプッシュ式の操作ボタンや、アナログ量を入力できるアナログスティック、回動式ボタンなどの複数の入力部を有して構成される。実施例において、情報処理装置10はゲームプログラムやその他のアプリケーションを実行するゲーム装置であり、入力装置6はゲーム装置にユーザの操作情報を提供するゲームコントローラであってよい。
【0016】
撮像装置であるカメラ7は出力装置4の近傍に設けられ、出力装置4周辺の空間を撮像する。
図1ではカメラ7が出力装置4の上部に取り付けられている例を示しているが、出力装置4の側部または下部に配置されてもよく、いずれにしても出力装置4の前方に位置するユーザを撮像できる位置に配置される。カメラ7はステレオカメラであってもよい。
【0017】
サーバ5は、情報処理システム1のユーザに対してネットワークサービスを提供する。サーバ5は、各ユーザを識別するネットワークアカウントを管理しており、各ユーザは、ネットワークアカウントを用いて、サーバ5が提供するネットワークサービスにサインインする。ユーザは情報処理装置10からネットワークサービスにサインインすることで、サーバ5に、ゲームのセーブデータや、またゲームプレイ中に獲得した仮想的な表彰品であるトロフィを登録できる。またユーザは、ネットワーク3経由で他のユーザと繋がり、チャットメッセージや音声メッセージをやりとりすることもできる。
【0018】
図2は、情報処理装置10の機能ブロックを示す。情報処理装置10は、メイン電源ボタン20、電源ON用LED21、スタンバイ用LED22、システムコントローラ24、クロック26、デバイスコントローラ30、メディアドライブ32、USBモジュール34、フラッシュメモリ36、無線通信モジュール38、有線通信モジュール40、サブシステム50およびメインシステム60を有して構成される。
【0019】
メインシステム60は、メインCPU(Central Processing Unit)、主記憶装置であるメモリおよびメモリコントローラ、レジスタ、GPU(Graphics Processing Unit)などを備える。GPUはゲームプログラムの演算処理に主として利用される。メインCPUはOSを起動し、OSが提供する環境下において、補助記憶装置2やROM媒体44に記憶されたアプリケーションを実行する機能をもつ。
【0020】
サブシステム50は、サブCPU、主記憶装置であるメモリおよびメモリコントローラ、レジスタなどを備え、GPUを備えない。サブCPUの回路ゲート数は、メインCPUの回路ゲート数よりも少なく、サブCPUの動作消費電力は、メインCPUの動作消費電力よりも少ない。サブCPUは、メインCPUがスタンバイモードにある間に動作し、消費電力を低く抑えるべく、その処理機能を制限されている。
【0021】
メイン電源ボタン20は、ユーザからの操作入力が行われる入力部であって、情報処理装置10の筐体の前面に設けられ、情報処理装置10のメインシステム60への電源供給をオンまたはオフするために操作される。以下、メイン電源がオン状態にあるとは、メインシステム60が通常モード(アクティブモード)にあることを意味し、メイン電源がオフ状態にあるとは、メインシステム60がスタンバイモード(サスペンドモード)にあることを意味する。電源ON用LED21は、メイン電源ボタン20がオンされたときに点灯し、スタンバイ用LED22は、メイン電源ボタン20がオフされたときに点灯する。
【0022】
システムコントローラ24は、ユーザによるメイン電源ボタン20の押下を検出する。メイン電源がオフ状態にあるときにメイン電源ボタン20が押下されると、システムコントローラ24は、その押下操作を「オン指示」として取得し、一方で、メイン電源がオン状態にあるときにメイン電源ボタン20が押下されると、システムコントローラ24は、その押下操作を「オフ指示」として取得する。なおメイン電源のオンオフは、入力装置6の所定のボタンを操作することによっても切り替えられる。システムコントローラ24がオン指示を取得すると、メインシステム60が、ユーザのログイン処理を実行する。
【0023】
メインCPUは補助記憶装置2やROM媒体44に記憶されているアプリケーションを実行する機能をもつ一方で、サブCPUはそのような機能をもたない。しかしながらサブCPUは補助記憶装置2にアクセスする機能、サーバ5との間でデータを送受信する機能を有している。情報処理装置10では、メインシステム60がサスペンドしている際にもサブシステム50が稼働しているため、サーバ5が提供するネットワークサービスに、常時サインインした状態を維持する。
【0024】
クロック26はリアルタイムクロックであって、現在の日時情報を生成し、システムコントローラ24やサブシステム50およびメインシステム60に供給する。デバイスコントローラ30は、サウスブリッジのようにデバイス間の情報の受け渡しを実行するLSI(Large-Scale Integrated Circuit)として構成される。図示のように、デバイスコントローラ30には、システムコントローラ24、メディアドライブ32、USBモジュール34、フラッシュメモリ36、無線通信モジュール38、有線通信モジュール40、サブシステム50およびメインシステム60などのデバイスが接続される。デバイスコントローラ30は、それぞれのデバイスの電気特性の違いやデータ転送速度の差を吸収し、データ転送のタイミングを制御する。
【0025】
メディアドライブ32は、ゲームなどのアプリケーションソフトウェア、およびライセンス情報を記録したROM媒体44を装着して駆動し、ROM媒体44からプログラムやデータなどを読み出すドライブ装置である。ROM媒体44は、光ディスクや光磁気ディスク、ブルーレイディスクなどの読出専用の記録メディアである。
【0026】
USBモジュール34は、外部機器とUSBケーブルで接続するモジュールである。USBモジュール34は補助記憶装置2およびカメラ7とUSBケーブルで接続する。フラッシュメモリ36は、内部ストレージを構成する補助記憶装置である。無線通信モジュール38は、Bluetooth(登録商標)プロトコルやIEEE802.11プロトコルなどの通信プロトコルで、たとえば入力装置6と無線通信する。なお無線通信モジュール38は、ITU(International Telecommunication Union;国際電気通信連合)によって定められたIMT−2000(International Mobile Telecommunication 2000)規格に準拠した第3世代(3rd Generation)デジタル携帯電話方式に対応してもよく、さらには別の世代のデジタル携帯電話方式に対応してもよい。有線通信モジュール40は外部機器と有線通信し、AP8を介してネットワーク3に接続する。
【0027】
情報処理装置10は、複数種類のログイン処理を用意しており、ユーザからのログイン要求があると、システム設定に応じてログイン処理を実行する。以下、情報処理装置10において代表的な2種類のログイン処理の概要を説明する。
【0028】
<ログイン処理1>
ログイン処理1は、1人のユーザについて自動ログインの設定がされている場合に、ユーザを自動的にログインさせる処理である。ログイン処理1では、情報処理装置10が起動した直後、もしくは情報処理装置10がシステムサスペンドからレジュームした直後に、自動ログインの設定がされているユーザをログインさせる。ユーザは自動ログインの設定をしておくことで、情報処理装置10のメイン電源がオフ状態で、メイン電源ボタン20のオン操作または入力装置6の所定ボタンの操作により、後述のログイン処理2におけるユーザ選択画面を経由することなく、自動ログインできる。このログイン処理1は、ログインしているユーザが存在しない場合に実行され、既にログインしているユーザが存在する場合には、このログイン処理1は実行されない。
【0029】
<ログイン処理2>
ログイン処理2は、ユーザ選択画面において選択されたユーザをログインさせる処理である。ログイン処理2では、ユーザが入力装置6の所定のボタンを操作してログイン要求を情報処理装置10に送信すると、情報処理装置10が出力装置4にユーザ選択画面を表示する。ユーザがユーザ選択画面において、入力装置6を操作して自分のアイコンを選択し、必要に応じてログイン用パスコードを入力することで、情報処理装置10がユーザ認証を行い、ユーザをログインさせる。
【0030】
情報処理装置10は省電力機能を有し、所定の条件が満たされた場合に、動作モードを通常モードから省電力モードに遷移させる。その後、ユーザにより復帰操作がなされて、省電力モードから通常モードに遷移すると、情報処理装置10は、復帰後、最初にログインしたユーザ、および/または、省電力モードが設定される前に表示されていた画面のタイプに応じて表示画面を生成する機能をもつ。
【0031】
図3は、情報処理装置10の構成を示す。情報処理装置10は、処理部100、通信部102および記憶部132を備える。通信部102は、
図2に示す無線通信モジュール38および有線通信モジュール40により構成される。記憶部132は、補助記憶装置2、フラッシュメモリ36、または図示しないRAMなどのメモリにより構成される。処理部100の機能はOS(システムソフトウェア)およびOSにより実行されるアプリケーションやメモリにより実現され、操作受付部110、アプリケーション実行部112、ログイン処理部114、ログインユーザ管理部116、画面制御部120およびモード制御部130を備える。画面制御部120は表示画面を生成する機能をもち、ログイン画面生成部122、システム画面生成部124およびアプリケーション画面生成部126を有する。
【0032】
図3において、さまざまな処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェア的には、回路ブロック、メモリ、その他のLSIで構成することができ、ソフトウェア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0033】
情報処理装置10は、メインシステム60のサスペンドおよびレジュームの制御機能を搭載する。モード制御部130は、システムの動作モードを、通常モードと省電力モードの間で遷移させる。以下「省電力モード」を、スタンバイモード、またはサスペンドモードと呼ぶこともある。
【0034】
ユーザはOSにログインするために、その前提として、ユーザアカウントを予め取得して、情報処理装置10にユーザ情報を登録している必要がある。以下、ユーザアカウントを情報処理装置10に登録したユーザを、「登録ユーザ」と呼ぶこともある。情報処理装置10は、複数の登録ユーザが同時にログイン可能な機器であり、複数のユーザがログインできることで、情報処理装置10は、ログインしている各ユーザのセーブデータを、個別に保存できる。
【0035】
登録ユーザ情報保持部140は、ユーザアカウントに関連付けて、ログイン用パスコード、サーバ5にサインインするためのサインインID、ネットワークアカウント、ユーザのオンラインID、またユーザを表現するためのユーザアイコンなどを、登録ユーザ情報として保持している。実施例においては、少なくともユーザA、Bの登録ユーザ情報が登録ユーザ情報保持部140に登録されており、したがってユーザA、Bのそれぞれがログインして、ゲームなどのアプリケーションを一緒に楽しむことができる。
【0036】
以下、ユーザによるログイン手順について説明する。
既述したように、ログイン処理1は、1人の登録ユーザが自動ログインユーザとして設定されており、ログイン済みのユーザが存在しない場合に実行される。情報処理装置10のメイン電源がオフの状態(スタンバイモード)において、入力装置6の所定のボタンが操作されて情報処理装置10のメイン電源がオン状態になると、操作受付部110がログイン要求を受け付け、ログイン処理部114は、自動ログイン設定されたユーザを情報処理装置10に自動ログインさせる。たとえばユーザAが自動ログインの対象として設定されていれば、ログイン処理部114は、ユーザAをログインさせる。ログイン処理部114は、ログインユーザ記憶部142に、ログイン情報、すなわちユーザAを特定する情報(ユーザアカウント)と、入力装置6の機器IDとを対応付けて記憶する。
【0037】
自動ログインの設定がされていない場合、または自動ログインの設定がされているが、既にログインしているユーザが存在する場合は、ログイン処理2が実行される。
ユーザが入力装置6の所定のボタンを操作すると、操作受付部110がログイン要求を受け付け、ログイン要求を画面制御部120に伝える。ログイン画面生成部122は、登録ユーザ情報保持部140に保持されている登録ユーザ情報を読み出し、登録されたユーザを選択するための選択画面を生成する。具体的にログイン画面生成部122は、登録ユーザ情報のうち、ユーザアイコンおよびオンラインID(もしくはネットワーク上でのニックネーム)を読み出して、登録されたユーザのオンラインIDをリスト形式で並べたユーザ選択画面を出力装置4に表示させる。
【0038】
図4(a)はユーザ選択画面の一例を示す。ユーザ選択画面は、ユーザがログインするためのログイン画面を構成する。以下、ユーザアイコンおよびオンラインIDを、「ユーザ特定情報」とよぶ。ユーザ選択画面において、ログイン画面生成部122が、1つのユーザ特定情報を取り囲むフォーカス枠200をリスト上で移動可能に表示する。ユーザは入力装置6の入力部を操作してフォーカス枠200を自分のユーザ特定情報の表示領域に動かし、入力装置6の決定ボタンを押すことで、自分のユーザ特定情報を選択できる。
【0039】
ここでログインを要求するユーザAが「HANAKO」であるとし、選択画面において「HANAKO」を選択すると、ログイン処理部114が、
図4(b)に示すパスコードの入力画面を出力装置4に表示する。ここでユーザAがパスコードを入力すると、ログイン処理部114が、登録ユーザ情報保持部140に保持されているHANAKOのログイン用パスコードと同じであるか判定し、同じである場合にユーザA(HANAKO)をログインさせる。ログイン処理部114は、ログインユーザ記憶部142に、ログイン情報、すなわちユーザA(HANAKO)を特定する情報(ユーザアカウント)と、入力装置6の機器IDとを対応付けて記憶する。
【0040】
このような手順により、ユーザAは情報処理装置10にログインする。ユーザのログイン後、システム画面生成部124はシステム画面を生成して、出力装置4に表示する。システム画面には、ホーム画面と、ホーム画面から遷移するファンクション画面がある。
【0041】
ユーザAが情報処理装置10にログインすると、まずシステム画面生成部124は、操作の基本となるホーム画面を出力装置4に表示する。
図5は、ホーム画面の一例を示す。システム画面生成部124は、アイコン列の先頭(すなわち左端)に新着情報アイコン330を配置する。システム画面生成部124はコンテンツエリア314において、新着情報アイコン330をフォーカス枠328に入れて、フォーカス状態とする。システム画面生成部124は、各アプリケーションおよび各コンテンツに対するユーザのアクセス日時に基づいて、アイコン列の2番目以降に、アクセス日時が現在日時から近い順にコンテンツアイコン326を並べる。またシステム画面生成部124は、ライブ情報アイテム332をライブエリア316に配置する。
【0042】
またシステム画面生成部124は、情報処理装置10が提供する複数のシステム機能を示す複数のシステム機能アイコン376の一部をシステムエリア312に配置する。
図5の例では、ストアアイコン376a、通知アイコン376b、フレンドアイコン376c、プロフィールアイコン376f、トロフィーアイコン376gを表示させている。システム画面生成部124は、ユーザAが獲得済みのトロフィー数(
図5では「23」)を示すトロフィー数インジケータをトロフィーアイコン376gと対応づけて配置する。またシステム画面生成部124は、ユーザAが未読のメッセージの数(
図5では「6」)を示す未読数インジケータを通知アイコン376bと対応づけて配置する。システム画面生成部124は、通知アイコン376bの近傍に、ユーザA宛のメッセージを表示するための表示領域320を形成する。
【0043】
システム画面生成部124は、オンラインのフレンドユーザ数、すなわちネットワーク3に接続している現在ログイン中のフレンド数(
図5では「3」)を示すオンライン数インジケータをフレンドアイコン376cと対応づけて配置する。フレンドユーザは、サーバ5においてユーザAのフレンドとして登録されているユーザである。
【0044】
図5に示すホーム画面において、ユーザがフレンドアイコン376cを選択すると、システム画面生成部124が、フレンドに関するファンクション画面を生成する。
【0045】
図6は、ホーム画面から遷移したファンクション画面の一例を示す。システム画面生成部124は、システム機能選択エリア372に、複数のシステム機能アイコン376を並べて配置する。ここではストアアイコン376a、通知アイコン376b、フレンドアイコン376c、グループメッセージアイコン376d、パーティーアイコン376e、プロフィールアイコン376f、トロフィーアイコン376g、設定アイコン376h、電源アイコン376iが表示されている。システム画面生成部124はユーザによる入力装置6の横方向の操作入力に応じて、フォーカスさせるシステム機能アイコン376を順次切り替え、フォーカスアイコンを強調した態様(大きいサイズ、異なる色等)で表示する。
図6では、フレンドアイコン376cが選択されてフォーカスされ、他のアイコンより強調表示された状態を示している。プレビューエリア374には、オンラインにあるフレンドのプレゼンス情報が表示される。
【0046】
この状態でユーザAがフォーカスされたフレンドアイコン376cを決定操作すると、操作受付部110が決定操作を受け付けて、システム画面生成部124に提供し、システム画面生成部124が、他のユーザに関する画面(以下、フレンド画面と呼ぶ)を生成して、出力装置4に表示する。
図7はフレンド画面の例を示す。
【0047】
処理部100において、アプリケーション実行部112はアプリケーションを実行し、アプリケーション画面生成部126はアプリケーション画面を生成する。アプリケーションの代表例はゲームであり、他にウェブブラウザや、動画再生アプリケーションなどを含む。したがって実施例においてアプリケーション画面は、ゲームが生成するゲーム画面、ウェブブラウザが生成するブラウザ画面、動画再生アプリケーションが生成する映像画面などであり、それ以外のシステムソフトウェアが生成する画面を、総称してシステム画面と呼び、
図7に示すフレンド画面も、システム画面の1つである。
【0048】
図5に戻り、ホーム画面においてユーザAが、プレイしたいゲームのコンテンツアイコン326をフォーカス枠328に配置して、入力装置6の決定ボタンを操作すると、操作受付部110がアプリケーションの起動操作を受け付け、アプリケーション実行部112が、ゲームプログラムを実行する。操作受付部110が、アプリケーションの起動操作を受け付けると、ログインユーザ管理部116は、起動したユーザAのユーザアカウントに対応付けて、起動したアプリケーションを特定する情報(アプリケーションID)をログインユーザ記憶部142に記憶させる。これによりログインユーザ記憶部142は、アプリケーションを起動したユーザを記憶する。なおログインユーザ管理部116は、アプリケーションを起動したユーザを、別の記憶部に記憶させてもよい。
【0049】
アプリケーション実行部112は、ユーザAから入力装置6に入力された操作情報をもとに、仮想空間においてゲームキャラクタを動かす演算処理を行う。アプリケーション画面生成部126は、レンダリング処理などを実行するGPU(Graphics Processing Unit)を含み、ゲームプログラムの処理結果を受けて、出力装置4に表示するゲームの画像データを生成する。
【0050】
図8は、ゲーム画面の一例を示す。アプリケーション実行部112は、操作受付部110が受け付ける入力装置6の操作情報を用いてゲームを進行し、アプリケーション画面生成部126が、ゲーム画面を生成して出力装置4に表示する。
【0051】
既述したように情報処理装置10には複数の登録ユーザがログインできる。そのためユーザAが1人でログインした後、ゴルフゲームを起動してプレイしている最中に、ユーザBがログインしてゲームに参加できる。
図1には、ユーザBがゲームに参加して、2人で一緒にゴルフゲームをプレイする様子が示されている。
【0052】
以下、システムサスペンドおよびシステムレジュームについて説明する。
モード制御部130は、メインシステム60の動作モードを、通常モードと省電力モード(スタンバイモード)のいずれかに設定する。スタンバイモードへの遷移は、以下の操作を契機として実行される。
(a1)入力装置6の所定のボタンを操作すると電力設定メニューが表示され、「スタンバイモードにする」を選択することで、メインシステム60がサスペンドする。
(a2)
図6に示すファンクション画面で、電源アイコン376iを選択すると、電力設定メニューが表示され、「スタンバイモードにする」を選択することで、メインシステム60がサスペンドする。
(a3)メイン電源ボタン20を短押しすると、メインシステム60がサスペンドする。
(a4)所定時間、操作入力がされない場合にスタンバイモードに遷移することが設定されていれば、無操作期間が所定時間に達したときに、メインシステム60がサスペンドする。
【0053】
操作受付部110が、(a1)〜(a3)のいずれかの操作を受け付け、または無操作期間が所定時間に達したことを検出すると、モード制御部130がサスペンド処理を実行して、動作モードをスタンバイモードに設定する。ここでサスペンド処理は、メインシステム60のメインメモリやレジスタに記憶された遷移直前の実行中のアプリケーションのデータを、サスペンドデータとして別のメモリに待避させる処理をいう。別のメモリは、スタンバイモードにおいても電力供給を受けるRAMであってよく、また不揮発性メモリであるフラッシュメモリ36であってもよい。モード制御部130によるアプリケーションのデータの退避が行われた後、ログイン処理部114は、ログインしている全てのユーザをログアウトさせる。これによりログインしていたユーザA、Bが、スタンバイモードに遷移する前に自動的にログアウトされる。ログイン処理部114がログインユーザをログアウトした後、モード制御部130が、メインシステム60の電源をオフして、動作モードをスタンバイモードに設定する。
【0054】
このようにログイン処理部114は、システムサスペンド前に、ログインしている全てのユーザをログアウトさせることを1つの特徴としている。ログイン処理部114は、システムサスペンド中にもユーザのログイン状態を維持することは可能であるが、その場合、システムレジューム後にサスペンド前の状態に復帰するためには、サスペンド前の全てのログインユーザが再ログインすることが条件となる。しかしながら実施例の情報処理装置10はゲーム装置であり、サスペンド前にログインしていた全てのユーザが、同じタイミングで揃って再ログインする可能性は高いとは言えず、サスペンド中にログイン状態を維持するように制御すると、元の状態への復帰が困難なことが予想される。そこでログイン処理部114は、システムサスペンド前に、ログインしている全てのユーザをログアウトさせることとし、レジューム後に誰でもログインできるようにしている。
【0055】
なおログイン処理部114は、全てのユーザをログアウトさせることで、ログインユーザ記憶部142に記憶しているユーザA、Bのログイン情報を削除する。このとき、ログイン情報には、ユーザAがアプリケーション(ゴルフゲーム)を起動したことを示す情報が含まれているが、この情報は残すようにする。ユーザAがアプリケーションを起動したことを示す情報は、ログインユーザ記憶部142に記憶され続けてもよいが、サスペンド処理により別のメモリに退避されてもよい。いずれの場合であっても、サスペンド前に実行されていたアプリケーションをユーザAが起動したことを示す情報は、サスペンド中も記憶部132に記憶されており、レジューム後に、ログイン処理部114が参照できるようになっている。
【0056】
またログイン処理部114は、モード制御部130によるサスペンド処理が完了した後に、ユーザをログアウトさせることを、さらなる特徴としている。サスペンド処理の前にユーザをログアウトさせると、ゲームからプレイヤがいなくなってしまうため、その時点でゲームは終了してしまう。そこでユーザA、Bがプレイしている状態をサスペンド処理により保存した後に、ログイン処理部114が、ログインしているユーザを強制的にログアウトし、その後、モード制御部130が、メインシステム60をスタンバイモードに遷移させるようにしている。
【0057】
スタンバイモードから通常モードへの遷移は、以下の操作を契機として実行される。
(b1)入力装置6の所定のボタンを操作すると、メインシステム60の電源がオンとなりレジュームする。
(b2)メイン電源ボタン20を短押しすると、メインシステム60の電源がオンとなりレジュームする。
(b3)情報処理装置10とは別の情報機器から送信された起動要求を受信すると、メインシステム60の電源がオンとなりレジュームする。この操作は、リモートプレイの開始時に行われる。なおリモートプレイでは、情報処理装置10にユーザアカウントを登録したユーザが、離れた場所から情報機器を用いて情報処理装置10にゲームの操作情報を送信し、また情報処理装置10から、操作情報がゲーム進行に反映されたゲーム画像を受信することで、ゲームをプレイできる。
【0058】
操作受付部110が、(b1)〜(b3)のいずれかの操作を受け付けると、モード制御部130がレジューム処理を実行して、動作モードを通常モードに遷移させ、ログイン処理部114がログイン処理を実行する。既述したように、自動ログインの設定がされていれば、ログイン処理部114はユーザを自動ログインさせ、自動ログインの設定がされていなければ、ログイン画面生成部122がユーザ選択画面(
図4参照)を出力装置4に表示し、ログイン処理部114がユーザをログインさせる。
【0059】
モード制御部130がスタンバイモードから通常モードに遷移させた後、ユーザがログインすると、画面制御部120は、ログインしたユーザに応じて表示画面を生成する。具体的に画面制御部120は、ログインしたユーザが、スタンバイモードへの遷移前にアプリケーションを起動したユーザであるか否かに応じて、表示画面を生成する。
【0060】
<サスペンド前にアプリケーションを起動したユーザがログインした場合>
サスペンド前、ユーザAがゴルフゲームを起動して、ユーザA、Bが一緒にゲームをプレイしていた。画面制御部120は、システムレジューム後に最初にログインしたユーザがユーザAであれば、サスペンド前に表示されていたゲーム画面を表示する。
【0061】
ログイン処理部114は、ログインしたユーザのユーザアカウントと、記憶部132に記憶されている、サスペンド前にアプリケーションを起動したユーザのユーザアカウントを参照して、両者が一致するか判定する。両者が一致すれば、ログイン処理部114は、サスペンド前にアプリケーションを起動したユーザが再ログインしてきたことを検知し、画面制御部120に通知する。これによりアプリケーション画面生成部126は、サスペンド処理により退避されたアプリケーションのデータを用いて、サスペンド前に表示されていたアプリケーション画面を出力装置4に表示する。これによりユーザAは、すみやかにゲームを再開できる。
【0062】
図9は、システムレジューム後に表示されるアプリケーション画面の例を示す。このアプリケーション画面には一時的に、たとえば10秒程度、情報バー380が表示される。この情報バー380はホーム画面におけるシステムエリア312の表示内容であり(
図5参照)、つまりレジューム後に復帰するアプリケーション画面には、システム画面の一部が表示される。このように画面制御部120が、アプリケーション画面とともに、システム画面(ここではホーム画面)の一部を表示することで、ユーザAに、最新の情報を通知できる。なおユーザAは、情報バー380を操作することはできず、最新の情報を見たいときには、ホーム画面に戻る必要がある。
【0063】
ゲームは、ユーザA、Bがプレイしている状態で復帰するが、復帰した時点でユーザBはログアウトされている。そのためゲームは、復帰した時点でユーザBがゲームから抜けたものとして扱う。ユーザBがゴルフゲームをプレイするためには、再度ログインしてから、ゲームに参加すればよい。
【0064】
<サスペンド前にアプリケーションを起動したユーザ以外のユーザがログインした場合>
システムレジューム後に、ユーザBないしは他の登録ユーザが最初にログインした場合、ログイン処理部114は、サスペンド前にアプリケーションを起動したユーザ以外のユーザがログインしたことを検知する。ログイン処理部114は、この旨を画面制御部120に通知し、これによりシステム画面生成部124は所定の画面を出力装置4に表示する。ここでシステム画面生成部124は所定の画面として、
図5に示すホーム画面を出力装置4に表示する。ホーム画面は、アプリケーションを起動したり、またファンクション画面を開いたりするための基本画面であり、ログインユーザは、ホーム画面から様々な操作をすることができる。つまりホーム画面は、ユーザにとって最も便利な画面ということができ、システム画面生成部124は、ログインユーザにホーム画面を提示することで、ログインユーザは、すみやかにゲームを起動したり、またフレンド画面を見たりできる。なおログインユーザがゲームを起動しようとした場合、アプリケーション実行部112は、ユーザAがサスペンド前に起動したゲームを一時停止している状態にあるため、ログインユーザがゲームを起動すると、ユーザAが起動したゲームが終了することを通知してもよい。
【0065】
このように、スタンバイモードへの遷移前にアプリケーションを起動したユーザAが再ログインしたときには、遷移直前に表示されていたアプリケーション画面がユーザAに提供され、ユーザA以外の登録ユーザがログインしたときには、ホーム画面が提供される。スタンバイモードへの遷移前、ユーザAは、自らゲームを起動してプレイしていたため、再ログイン後にも同じゲームをプレイする可能性が高く、一方、ユーザBは、ユーザAが起動したゲームに参加していたに過ぎないため、再ログイン後には、別のゲームやアプリケーションを行う可能性がある。そこで、前回ログインしていたユーザであっても、アプリケーションを起動したユーザであるか、またはそうでないかで、画面制御部120が、再ログイン後の表示画面が異なるように制御する。
【0066】
以上は、サスペンド直前に、アプリケーション画面が出力装置4に表示されていた場合の処理である。アプリケーション画面が表示されていた状態からスタンバイモードに遷移した場合、レジューム後にログインするユーザに応じて画面制御部120が表示画面を生成することで、ユーザのニーズにマッチした操作感を提供できる。
【0067】
一方で、サスペンド直前に表示されている画面がアプリケーション画面ではなく、システム画面である場合、レジューム後に、サスペンド前のシステム画面に復帰することは必ずしもベストとは言えない。たとえばサスペンド直前に、
図7に示すフレンド画面が表示されていた場合、ユーザAは、その時点ではオンラインにあるフレンドに興味があったかもしれないが、時間をあけて再ログインした際には興味がない可能性が高い。
【0068】
そこでモード制御部130がスタンバイモードから通常モードに遷移させた後、ユーザがログインすると、画面制御部120は、スタンバイモードが設定される前に表示されていた画面のタイプに応じて表示画面を生成する。実施例において画面のタイプは、システム画面またはアプリケーション画面である。
【0069】
具体的に、省電力モードが設定される直前にシステム画面が表示されていれば、省電力モードから通常モードに遷移した後、システム画面生成部124は、所定のシステム画面(ホーム画面)を出力装置4に表示する。ホーム画面は、ユーザが様々な操作を行うことができるため便利であり、またレジューム後には必ずホーム画面を出すようにすることで、統一された操作感をユーザに提供できる。
【0070】
一方で、省電力モードが設定される前にアプリケーション画面が表示されていれば、上記したように、アプリケーション画面生成部126は、サスペンド処理により退避されたアプリケーションのデータを用いて、サスペンド前に表示されていたアプリケーション画面を出力装置4に表示する。これによりユーザは、すみやかにゲームを再開できる。なお、
図9に示すように、アプリケーション画面とともに、ホーム画面の一部が表示されて、ユーザに最新の情報の存在を通知できるようにすることが好ましい。
【0071】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。