特許第6240650号(P6240650)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6240650
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】炉の冷却装置
(51)【国際特許分類】
   F27D 1/12 20060101AFI20171120BHJP
   C21B 7/10 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   F27D1/12 A
   C21B7/10 301
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-233091(P2015-233091)
(22)【出願日】2015年11月30日
(65)【公開番号】特開2016-118375(P2016-118375A)
(43)【公開日】2016年6月30日
【審査請求日】2015年11月30日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0186096
(32)【優先日】2014年12月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】592000691
【氏名又は名称】ポスコ
【氏名又は名称原語表記】POSCO
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金,正 イル
(72)【発明者】
【氏名】崔,光
(72)【発明者】
【氏名】趙,明 鎬
(72)【発明者】
【氏名】南,龍 鎬
【審査官】 田口 裕健
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭48−040405(JP,U)
【文献】 特表2012−532991(JP,A)
【文献】 特開平08−020814(JP,A)
【文献】 特開平03−070989(JP,A)
【文献】 特開2014−173164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27D 1/00− 1/18
F27B 1/24
C21B 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炉の内側に配置され、一面が前記炉の鉄皮に接触または対面するように配置されたステーブ本体と、
前記ステーブ本体に備えられ、内部に冷却水を循環させる冷却ラインと、
前記ステーブ本体の他面において突出するか、または凹むように形成された結合部と、
複数個の異なる材質で備えられ、前記結合部によって前記ステーブ本体の他面に固定される第一の材質、及び該第一の材質に隣接して配置された第二の材質からなり、前記ステーブ本体を覆って保護する耐火物部と、を含み、
前記第一の材質は前記第二の材質より耐摩耗性及び熱膨張率が大きく、前記第二の材質は前記第一の材質より熱伝導性が高く、熱膨張率が小さい材質であって、
前記耐火物部は、
前記第二の材質を第一の材質の周りを取り囲むように交互に配置することにより互いの素材の欠点を補完して、冷却効率及び耐久性をともに確保し、
前記結合部は、
前記ステーブ本体が前記炉の内側に向かう面に備えられ、
一定の高さで突出して形成される結合突部と、
一定の深さで凹むように形成される結合溝部と、を含み、
前記結合突部及び前記結合溝部のそれぞれの端は一定の円弧半径を有するように丸く形成されて装入物の衝突による衝撃を最小化し、応力を分散させるように構成したことを特徴とする炉の冷却装置。
【請求項2】
前記第一の材質は非カーボン(Carbon)系の炭化珪素(Silicon Cabide)またはアルミナであって、
前記第二の材質はカーボン(Carbon)系の黒鉛(Graphite)または炭素(Carbon)であることを特徴とする請求項に記載の炉の冷却装置。
【請求項3】
前記耐火物部は、
前記結合突部及び前記結合溝部の形状に対応する締結部を含み、前記締結部が前記結合溝部に挿入されることにより、前記ステーブ本体に締結され、
前記第一の材質を含む第1耐火物部材と、
前記第二の材質を含む第2耐火物部材と、を備え、
前記第1耐火物部材と前記第2耐火物部材が、前記ステーブ本体上において少なくとも一つの方向に交互に配置されて前記ステーブ本体を覆うことを特徴とする請求項1に記載の炉の冷却装置。
【請求項4】
前記結合突部及び前記結合溝部は、
前記ステーブ本体において前記炉の円周方向または高さ方向に連続的に備えられたことを特徴とする請求項1に記載の炉の冷却装置。
【請求項5】
前記結合突部及び前記結合溝部は、
前記ステーブ本体において前記炉の円周方向または高さ方向に複数個備えられ、
前記第1耐火物部材及び前記第2耐火物部材は、
前記炉の円周方向及び高さ方向のうち少なくとも一つの方向に交互に配置されて、前記ステーブ本体の前面を覆うことを特徴とする請求項3に記載の炉の冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炉の冷却装置に係り、より詳しくは、炉、特に高温環境に露出した炉の鉄皮を冷却するための炉の冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は通常の高炉を示す図面であり、図2図1のA領域の拡大図である。
図1に示したとおり、通常の高炉1は、燃料のコークスと原料の鉄鉱石で構成された装入物を上部から投入し、下部からは羽口(図示せず)を通じて熱風を吹き込んで装入物を溶かすことで溶銑を生産する設備である。
高炉1には、高炉1の羽口を通じて微粉炭だけでなく、高温の熱風及びガスが持続的に供給されるため、持続的な高温環境への露出によって熱損傷を受け易い設備である。
このような高炉1を冷却するために、図2に示したとおり、高炉1の鉄皮2の内側には冷却のためのステーブ6が設置される(特許文献1〜5参照)。
【0003】
ステーブ6は、高温の環境から鉄皮2を保護するための冷却システムであり、内部には高炉の鉄皮2を貫通する冷却水配管5が備えられて冷却水による冷却が行われる。また、ステーブ6の前面(炉の内側)には凹凸部が備えられ、その凹凸部に耐火物3がはめ込まれる。
しかし、高炉1の内部に満たされた装入物4が高炉の内部において耐火物3を含むステーブ6の前面と直接、繰り返して接触し、これにより、ステーブ6が損傷を受ける。
即ち、耐火物3とステーブ6のダブテール(dove−tail)構造上、装入物4が繰り返し接触し、装入物4の荷重によって応力が集中し、ステーブ6の前面の耐火物3が早期に破損して脱落するという現象が繰り返し発生する。
これにより、高炉1の冷却システムは致命的な損傷を負い、耐火物3の破損によってその冷却機能が著しく低下して、高炉1自体に熱損傷が加えられる。
その結果、損傷した高炉の全体を取替えるか、または部分的な取替え作業が必要になるが、高炉の取替えにかかる費用が莫大であり、取替え作業が行われる間は高炉の休止が余儀なくされ、生産性が低下するという問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国登録実用新案第20−0153860号公報
【特許文献2】日本国公開特許特開2009−263738号公報
【特許文献3】日本国公開特許特開2005−248209号公報
【特許文献4】日本国公開特許特開平8−225813号公報
【特許文献5】日本国公開特許特開平7−076711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであって、炉の維持保守を容易にするとともに、炉の寿命を延ばして関連費用を節減し、生産性の向上に寄与することを目的とする。
具体的には、ステーブを活用した炉、特に炉の鉄皮の冷却効率性を改善して高炉の熱損傷を防止し、さらに、装入物による荷重または衝突にも容易に損傷しない耐久性が強い冷却システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた本発明による炉の冷却装置は、炉の内側に配置され、一面が炉の鉄皮に接触または対面するように配置されるステーブ本体と、ステーブ本体に備えられ、内部に冷却水を循環させる冷却ラインと、ステーブ本体の他面において突出するか、または凹むように形成される結合部と、複数個の異なる材質で備えられ、結合部によってステーブ本体の他面に固定され、且つ、第一の材質、及び一つの材質に隣接するように配置される第2の材質のステーブ本体を覆って保護する耐火物部と、を含んで構成されることを特徴とする。
【0007】
耐火物部の材質は、第1材質及び第2材質で備えられ、第1材質は第2材質より耐摩耗性及び熱膨張率が大きく、第2材質は第1材質より熱膨張率が小さいものであることが好ましい。
結合部は、ステーブ本体が炉の内側に向かう面に備えられ、一定の高さで突出して形成される結合突部と、一定の深さで凹むように形成される結合溝部と、を含み、且つ、結合突部及び結合溝部の端は丸く形成されることが好ましい。これにより、端に集中する応力を分散させることができる。
【0008】
耐火物部は、結合突部及び結合溝部の形状に対応する締結部を含み、締結部が結合溝部に挿入されることにより、ステーブ本体に締結され、第1材質を含む第1耐火物部材と、第2材質を含む第2耐火物部材と、を備え、第1耐火物部材と第2耐火物部材が交互に配置されてステーブ本体を覆うように備えられることが好ましい。
結合突部及び結合溝部は、ステーブ本体において炉の円周方向または高さ方向に連続的に備えられることが好ましい。
【0009】
第1材質は非カーボン(Carbon)系で提供され、第2材質はカーボン(Carbon)系で提供されることが好ましい。
より好ましくは、結合突部及び結合溝部は、ステーブ本体において炉の円周方向または高さ方向に複数個備えられ、第1耐火物部材及び第2耐火物部材は、炉の円周方向及び高さ方向のうち少なくとも一つの方向に交互に配置されて、ステーブ本体の前面を覆うように備えられることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、炉の冷却装置を上記構成とすることにより、炉の持続的な冷却ができるようになり、操業の安定性及び生産性を向上させることができる。
具体的には、装入物によって繰り返される荷重または衝突にも十分な耐久性を有する冷却装置を構成することができる。
また、部分的な維持保守が容易であるため、維持保守の費用を節減することにより製造原価を減らすことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】通常の高炉を示す図面である。
図2図1のA領域の拡大図である。
図3】本発明の好ましい一実施例による炉の冷却装置のステーブ本体を概略的に示したものである。
図4】本発明の好ましい一実施例による炉の冷却装置の斜視図である。
図5】本発明の他の一実施例による炉の冷却装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を基にして本発明について詳細に説明する。
以下に説明する炉とは、産業現場で用いられる電気炉、加熱炉などの加熱対象物を加熱するために収容する通常の設備を意味する。但し、以下では、簡潔で且つ明確な説明のために、高炉を例にとり、炉を高炉と称する。
【0013】
図3は、本発明の好ましい一実施例による炉の冷却装置のステーブ本体を概略的に示したものである。
図3に示したとおり、本発明の好ましい一実施例による炉の冷却装置は、炉、特に高炉の内側に配置され、一面が高炉の鉄皮2に接触または対面するように配置されたステーブ本体10と、ステーブ本体に備えられた内部に冷却水を循環させる冷却ライン20と、ステーブの他面にあって突出するか、または凹むように形成された結合部30と、結合部によってステーブ本体の他面に固定され、互いに異なる材質で交互に配置されてステーブ本体を保護するように提供される耐火物部と、を含んで構成される。
【0014】
図4及び図5は、本発明の一実施例による炉の冷却装置の斜視図である。
耐火物部は、図4、5に示したとおり、ステーブ本体10が高炉1の内側に向かう面の全体を覆うように備えられて、ステーブ本体10を高温の熱気から保護する。これにより、ステーブ本体10が高炉の鉄皮2の内側にあって、長時間にわたって損傷せずに高炉の鉄皮2を冷却できる。
さらに、耐火物部は、高炉内に投入される装入物と1次的に接触するようになり、ステーブ本体10自体が装入物と直接接触するのを防止する。したがって、ステーブ本体10の損傷を遅延させて内部の冷却ライン20を保護する役割をする。冷却ライン20は、配管の形態で配設されて、その内部に冷却水を循環させることができるが、水の他にも適切な冷却手段が当業者によって選択されて適用されることはもちろんである。
高炉1の内壁は溶融鉄によって引き起こされる腐食及び熱応力によって引き起こされる脆化によっても損傷するが、耐火物部によってステーブ本体10が保護され、その内部の冷却ライン20もまた保護されて、高炉1の効率的な冷却が長時間持続される。したがって、冷却ライン20に冷却水を循環させて冷却することにより、高炉1の熱損傷を事前に防止することができる。
【0015】
一方、耐火物部は、繰り返される装入物の投入によって破損したり、応力によってステーブ本体10から脱落することがある。
本発明では、耐火物部とステーブ本体10の結合部を丸く(round)形成して応力を分散させるように構成した。
即ち、図3に示したとおり、ステーブ本体10において高炉1の内側に向かう面に備えられる結合部30は、一定の高さに突出して形成された結合突部31と、一定の深さに凹むように形成された結合溝部32と、を含む。
このとき、結合突部及び結合溝部は、図3に示した形態以外にも、他の形態で備えられることができ、これは本発明によって制限されない。
【0016】
重要なのは、結合突部31及び結合溝部32の端の形状である。即ち、結合突部の端31a及び結合溝部の端32aは一定のr値(円弧半径)を有するように丸く形成されることがよい。
r値は、本発明によって制限されず、使用者及び使用環境によって適切に選択されて適用されることができる。接合部30の表面が適正なr値を有するラウンド状を有すると、結合溝部及び結合突部に加えられる応力を分散する効果を得ることができる。
【0017】
したがって、結合溝部及び結合突部に結合した耐火物部がある程度損傷してステーブ本体10から一部が脱落しても、露出した結合溝部及び結合突部の端は丸く形成されているため、露出した結合部に装入物が衝突したとしても、装入物による衝撃を最小化し、分散させることができる。
したがって、ステーブ本体10において連続的に備えられた結合溝部32及び結合突部31の一部の領域が装入物に対して露出しても、露出した部分に加えられる応力を分散して、結合突部31及び結合溝部32の全体が破損するという現象を防止することができ、これにより、結合突部31及び結合溝部32に結合した耐火物部の全体が脱落する現象を防止することができる。
【0018】
一方、耐火物部は、図4、5に示したとおり、結合突部31及び結合溝部32の形状に対応する形状の締結部41を含む。特に、締結部41は、結合溝部32に嵌合される一定の高さを有する突起状の形態で備えられることが好ましいが、これも本発明によって制限されない。
したがって、本発明の好ましい一実施例によると、締結部41の上記突起が結合溝部32に嵌入されることにより、耐火物部とステーブ本体10の結合を具現化することができる。
【0019】
特に、耐火物部は、異なる材質の多面体で備えられ、少なくとも第1材質を含む第1耐火物部材42及び第2材質を含む第2耐火物部材43が備えられることが好ましい。また、ステーブ本体10上において少なくとも一つの方向に交互に配置されて第1耐火物部材42及び第2耐火物部材43によってステーブ本体10の前面が覆われるように備えられることが好ましい。
さらに、第1耐火物部材42を構成する第1材質はカーボン(Carbon)系を除いた、即ち、非カーボン系で備えられることがよく、また、第2耐火物部材43を構成する第2材質はカーボン系で備えられることがよい。
カーボンは、熱伝導性が高くて冷却に効果的であり、高い温度でも容易に割れず、一定の構造物に結合されるとき、その結合状態を維持する拘束応力がよいという特徴がある。しかし、耐摩耗性に劣るという短所がある。
したがって、耐摩耗性が劣るというカーボンの短所を補完するために、第1材質をカーボンではない非カーボン系で備えて耐火物の強度を確保することが好ましい。
【0020】
一例として、上述の第1材質の非カーボン系は炭化珪素(Silicon Carbide)またはアルミナで備え、第2材質はカーボン系の黒鉛(Graphite)または炭素(Carbon)で備えることができる。但し、本発明はこれに限定されず、当業者によって適切に変更されて適用できることはもちろんである。以下では、説明を簡単にし、明確に理解をするために、第1材質を炭化珪素(Silicon Carbide)、第2材質を黒鉛(Graphite)または炭素(Carbon)とした例について説明する。
上述の炭化珪素、黒鉛、炭素材質を含む耐火物は、高炉の内部で発生する高熱から高炉の鉄皮2及びステーブ本体10を保護する。
【0021】
炭化珪素は、耐摩耗性が強いという長所があるが、拘束された状態で温度が上昇し続けて約160°に達すると、熱膨張して破損する可能性が高い。したがって、本発明の好ましい一実施例では、第2材質の黒鉛(Graphite)または炭素(Carbon)を含む第2耐火物部材43を第1耐火物部材42の周りを取り囲むように交互に配置する。
即ち、黒鉛(Graphite)または炭素(Carbon)は、熱伝導性がよく、温度の上昇に伴う膨張及び収縮に柔軟性があるため、耐摩耗性に優れるが、熱伝導性が低く、熱膨張に弱いという炭化珪素の短所を補完するすることができる。
さらに、構造物に拘束された状態で、拘束された状態を長く維持することが困難である炭化珪素の短所を、拘束された状態を長く維持することができる物性を有する黒鉛(Graphite)または炭素(Carbon)が補完して、耐火物は優れた冷却効率及び耐久性をともに確保することができる。
【0022】
これよって、結合溝部32に第1耐火物部材42を固定し、第2耐火物部材43を第1耐火物部材42の少なくとも一面に接触させて固定することが好ましい。より好ましくは、第1耐火物部材42の上下左右方向に第2耐火物部材43を接触させると、第2耐火物部材43が四方から第1耐火物部材42を拘束するため、第1耐火物部材42の乏しい拘束応力をより効果的に補完することができる。
このように構成される第1耐火物部材42及び第2耐火物部材43を高炉の内部に交互に配置するにあたり、第1耐火物部材42を高炉の円周方向または高さ方向に連続して配置することが好ましく、第1耐火物部材42の直下部に第2耐火物部材43を高炉の円周方向または高さ方向に連続して配置することが好ましい。
これは、第1耐火物部材42及び第2耐火物部材43の配置方向や配置領域などは当業者によって適切に変更されて適用されることができるが、重要なのは第1耐火物部材42と第2耐火物部材43が交互に配置されて互いに接触するように構成することで互いが有する物性の欠点を補完できるようにすることである。
【0023】
即ち、第2耐火物部材43は、第1耐火物部材42と交互に配置されることにより、炭化珪素の熱膨張による拘束応力を解消し、優れた熱伝導性によって耐火物の温度を速く下げる。これにより、耐火物の温度を効率的に制御することができ、温度の上昇に伴う耐火物の強度低下を防止する効果を有する。
したがって、第1耐火物部材42と第2耐火物部材43は高炉内で少なくとも一つの方向に交互に配置されることがよい。即ち、図4に示したとおりに、一つの結合溝部32において第1耐火物部材42と第2耐火物部材43を交互に配置し、その直下部の結合溝部32においても第1耐火物部材42と第2耐火物部材43交互に配置することが好ましい。
また、図5に示したとおり、第1耐火物部材42を一つの結合溝部32にすべて締結し、その直下部の結合溝部32には第2耐火物部材43をすべて締結した後、これを繰り返すことにより、高炉の前面を覆うように構成することもできる。
【0024】
このように構成された第1及び第2耐火物部材42、43は、高炉1の内側に向かって前面が均一で平らな面を維持するように、第1及び第2耐火物部材の高さを同一に合わせることが重要である。第1及び第2耐火物部材の高さ凸凹があると、装入物の不規則な投入と衝突により、一ヶ所に応力が集中して、耐火物部材の損傷を効果的に防止することができなくなる。
また、好ましくは、ステーブ本体10の材質を熱伝導に優れた銅(Cu)材質で製作すると、高炉1の冷却にさらに効果的である。
このように構成されたステーブ本体10の一側には、冷却水が流入する冷却水流入管21を配設して冷却水がステーブ本体10の内部を流れるようにした後、冷却水排出管22より排出されるように備えて冷却水を循環させると、高炉1の冷却を効率的に行うことができる。
【0025】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは、当技術分野の通常の知識を有するものには明らかである。
【符号の説明】
【0026】
1 高炉
2 鉄皮
3 耐火物
4 装入物
5 冷却水配管
6 ステーブ
10 ステーブ本体
20 冷却ライン
21 冷却水流入管
22 冷却水排出管
30 結合部
31 結合突部
32 結合溝部
41 締結部
42 第1耐火物部材
43 第2耐火物部材
図1
図2
図3
図4
図5