【実施例】
【0050】
具体的には、ゼロ〜24容積パーセントの範囲のイソブタノール濃度の15のASTM
Aクラス燃料を、業界標準方法(たとえば、ASTM標準蒸留および蒸気圧燃料検査試験、CRC E28標準低温始動および暖機ドライバビリティ試験)を用いて揮発度特性およびCS&W性能について試験した。全15の燃料を、40°Fでの12の軽量車両のそれぞれにおいてCS&W性能について試験し、試験の1/3は、統計的検出力を得るために繰り返した。計240のCS&W評価(各車両で20)を行った。これらの試験の結果を下の表1および表2に示す。
【0051】
これらの試験は、Coordinating Research Councilによって行われる類似のプログラム(CRC Report No.638として文書化された、CRC Program CM−138−02)の後にパターン化され;このCRC
Programの目的は、揮発度/CS&Wドライバビリティへの低エタノール(10容積パーセント未満)ガソリンの組成影響を明らかにすることであった。主題CRC Programは、エタノール「オフセット」項がASTMドライバビリティ指数、DIの先行定義に追加された、上の式1がそのような低濃度のエタノールを含有するガソリンブレンドのCS&Wドライバビリティ性能を説明することを明らかにした。
図1は、ガソリン中の低濃度のイソブタノールの多数のブレンドについての全加重デメリットの平均補正自然対数対それらのブレンドについてのASTM DIのプロットである。
図1は、試験され、そして式1を用いて指数化された低ブタノール燃料についてのドライバビリティ結果を示す。グラフでおよび計算された適合度統計値(fit statistic)、R
2からの両方で、明らかであるように、式1は、低ブタノール燃料のCS&Wドライバビリティ性能を説明できない。
【0052】
図の全加重デメリット(TWD)の平均補正自然対数は、CS&W試験のすべてについ
てのフリートデータから計算する。それらは、用いられる12の車両フリートにおける燃料の不偏平均性能を示す。すべての15の燃料および12の車両の組み合わせから、行われた試験は合計180になる。しかし、180の試験の幾つかの繰り返しであった60の追加の試験もまた行った。こうして、計240の試験を行った。この補正平均は、あたかも同じ数の試験が各燃料−車両組み合わせに関して行われたかのようにバランスしている各燃料の最小二乗平均である。これは、12の車両にわたって平均された各燃料についての不偏TWDを与える。
【0053】
以下の拡張/修正を、式1として示される慣習的ドライバビリティ指数DIを行った。下の式2aおよび2bは、低ブタノールドライバビリティ指数またはLBDIを示し、それは、ASTM DIの修正であり、温度、アルコール濃度およびE200の線形結合である。
LBDI=a
1T
10+a
2T
50+a
3T
90+a
4EtOH+BuOH(a
5−a
6E200) (式2a)
ここで、LBDIは修正ドライバビリティ指数であり;T
10、T
50、およびT
90は、ブレンドの、それぞれ、10、50および90容積パーセントの蒸留のための温度であり;EtOHおよびBuOHは、ブレンド中の、それぞれ、エタノールおよびブタノールの容積パーセントであり;E200は、200°F以下の温度で蒸留するブレンドの容積パーセントであり、a
1、a
2、a
3、a
4、a
5およびa
6は、20容積パーセント未満、19容積パーセント未満、18容積パーセント未満、17容積パーセント未満、16容積パーセント未満、15容積パーセント未満、14容積パーセント未満、13容積パーセント未満、12容積パーセント未満、11容積パーセント未満、10容積パーセント未満、9容積パーセント未満、8容積パーセント未満、7容積パーセント未満、6容積パーセント未満、または5容積パーセント未満のエタノールの濃度で、30容積パーセント未満、29容積パーセント未満、28容積パーセント未満、27容積パーセント未満、26容積パーセント未満、25容積パーセント未満、24容積パーセント未満、23容積パーセント未満、22容積パーセント未満、21容積パーセント未満、20容積パーセント未満、19容積パーセント未満、18容積パーセント未満、17容積パーセント未満、16容積パーセント未満、15容積パーセント未満、14容積パーセント未満、13容積パーセント未満、12容積パーセント未満、11容積パーセント未満、10容積パーセント未満、9容積パーセント未満、8容積パーセント未満、7容積パーセント未満、6容積パーセント未満、または5容積パーセント未満のブタノールの濃度で、ならびに35容積パーセント未満、30容積パーセント未満、25容積パーセント未満、20容積パーセント未満、15容積パーセント未満、10容積パーセント未満のエタノールおよびブタノールの合計濃度で、ブタノールおよび任意選択的にエタノールを含有するガソリンブレンドについての前記の線形結合の値と、そのようなブレンドについての平均測定全加重デメリットの対数との間に実質的に直線の関係を与えるように選択される係数である。一実施形態においては、このブレンドはエタノールを含まない。
【0054】
一実施形態においては、低ブタノールドライバビリティ指数(LBDI)は、ガソリン、少なくとも1つの生物源ブタノール異性体、および任意選択的にエタノールをブレンドしてブタノールガソリンブレンドを形成する前に測定することができる。別の実施形態においては、低ブタノールドライバビリティ指数(LBDI)は、ガソリン、少なくとも1つの生物源ブタノール異性体、および任意選択的にエタノールをブレンドしてブタノールガソリンブレンドを形成した後に測定することができる。LBDIが後で測定される場合には、ガソリン量、少なくとも1つの生物源ブタノール異性体量、エタノール、またはそれらのあらゆる組み合わせは、LBDIが、特定クラスのガソリンに関するドライバビリティ指数(DI)についての最大限度よりも下の線形結合a
1T
10+a
2T
50+a
3T
90+a
4EtOH+BuOH(a
5−a
6E200)に等しい値を有するように任意選択的に調整することができる。さらに別の実施形態においては、低ブタノールドライバ
ビリティ指数(LBDI)は、ブタノールガソリンブレンドを形成するためにガソリン、少なくとも1つの生物源ブタノール異性体、および任意選択的にエタノールをブレンドする間に測定することができる。LBDIがブレンドする間に測定される場合には、ガソリン量、少なくとも1つの生物源ブタノール異性体量、エタノール、またはそれらのあらゆる組み合わせは、LBDIが、特定クラスのガソリンに関するドライバビリティ指数(DI)についての最大限度よりも下の線形結合a
1T
10+a
2T
50+a
3T
90+a
4EtOH+BuOH(a
5−a
6E200)に等しい値を有するように任意選択的に調整することができる。もちろん、低ブタノールドライバビリティ指数(LBDI)は、1回または2回以上測定することができ、ブタノールガソリンブレンドが生成する前、生成する間、および生成した後を含むが、それらに限定されない、ブタノールガソリンブレンドをブレンドする様々な段階で測定することができる。
【0055】
エタノールの濃度が10容積パーセント未満であるとき、a
1、a
2、a
3、およびa
4は、それぞれ、1.5、3、1、および2.4に等しく、式2aは:
LBDI=1.5T
10+3T
50+T
90+2.4EtOH+BuOH(a
5−a
6E200) (式2b)
になる。
【0056】
さらに、エタノールの濃度が10容積パーセント未満であり、そしてブタノールの濃度が20容積パーセント未満であるとき、a
1、a
2、a
3、a
4、a
5およびa
6は、それぞれ、おおよそ1.5、3、1、2.4、16および0.3に等しく、式2aおよび2bは:
LBDI=1.5T
10+3T
50+T
90+2.4EtOH+BuOH(16−0.3E200) (式2c)
または言い換えれば:
LBDI=DI+BuOH(16−0.3E200) (式2d)
になり、
ここで、DIは、前記のASTM DIである。式の形から分かるように、LBDIは、ブタノールが不在であるとき慣習的ASTM DIと化し、それ故にDIについて定められた同じ規格限度がLBDIに適用できる。
【0057】
欧州の用途では、EN228ガソリン規格は、標準蒸留試験において100℃までに蒸留される燃料留分である、E100について最小値を規定することによって良好なCS&Wドライバビリティのための中程度の揮発度を規制している。試験はまた、本規格および制限値E100が低ブタノールガソリンに適用できないことを示している。その結果として、本発明は、「有効なE100」を線形結合:
Eff
100=E100−BuOH(b
1−b
2E100) (式3a)
と定義する。
【0058】
Eff
100が、「有効なE100」と称される新規修正ドライバビリティ指数である場合;E100は、標準蒸留試験において観察されるような100℃で蒸留される燃料容積パーセントであり、BuOHは再び、容積パーセント単位の燃料ブタノール含量であり;全3つの量は容積パーセントの単位にあり;b
1およびb
2は、20容積パーセント未満、19容積パーセント未満、18容積パーセント未満、17容積パーセント未満、16容積パーセント未満、15容積パーセント未満、14容積パーセント未満、13容積パーセント未満、12容積パーセント未満、11容積パーセント未満、10容積パーセント未満、9容積パーセント未満、8容積パーセント未満、7容積パーセント未満、6容積パーセント未満、または5容積パーセント未満のエタノールの濃度で、30容積パーセント未満、29容積パーセント未満、28容積パーセント未満、27容積パーセント未満、26容積パーセント未満、25容積パーセント未満、24容積パーセント未満、23容積パー
セント未満、22容積パーセント未満、21容積パーセント未満、20容積パーセント未満、19容積パーセント未満、18容積パーセント未満、17容積パーセント未満、16容積パーセント未満、15容積パーセント未満、14容積パーセント未満、13容積パーセント未満、12容積パーセント未満、11容積パーセント未満、10容積パーセント未満、9容積パーセント未満、8容積パーセント未満、7容積パーセント未満、6容積パーセント未満、または5容積パーセント未満のブタノールの濃度で、ならびに35容積パーセント未満、30容積パーセント未満、25容積パーセント未満、20容積パーセント未満、15容積パーセント未満、10容積パーセント未満のエタノールおよびブタノールの合計濃度で、ブタノールおよび任意選択的にエタノールを含有するガソリンブレンドについての前記線形結合の値と、そのようなブレンドについての平均測定全加重デメリットの自然対数との間に実質的に直線の関係を与えるように選択される係数である。一実施形態においては、このブレンドはエタノールを含まない。
【0059】
エタノールの濃度が5容積パーセント未満であり、そしてブタノールの濃度が20容積パーセント未満であるとき、b
1およびb
2は、それぞれ、おおよそ2.3および0.034に等しく、式3aは:
Eff
100=E100−BuOH(2.3−0.034E100) (式3b)
になる。
【0060】
再度、新規指数Eff
100は、ブタノールが不在のとき慣習的形態に戻り、それ故にE100について定められた既存の制限値がEff
100に適用できる。
【0061】
各場合に、この指数は、主題燃料についての蒸留試験データをこの式に代入し、そして新規指数の値を計算することで用いられる。LBDIについて、式2a〜2cから計算される、生じた値を次に、ASTM D 4814−08aの表1に規定されるような当該クラスの燃料に与えられたDIについての規格最大限度と比較する。計算されたLBDIが適切な揮発度クラスについての規定されたDI最大値よりも下である場合には、この燃料は許容できるCS&W性能を有するであろう。同様にEff
100について、式3a〜3bで試験データから計算された値を、EN 228における表2に規定されたような当該クラスの燃料についての最小E100値と比較する。Eff
100の計算値が適切な揮発度クラスに関するE100についての規定された最小値よりも上である場合には、この燃料は許容できるCS&W性能を有するであろう。
【0062】
式2a〜2dおよび3a〜3bは、
図2および3に示されるような低ブタノール燃料についてのCS&Wドライバビリティ結果の相互関係を比較するのに式1よりも著しく有効である。
図2および3は、揮発度および組成特性から低ブタノールガソリンのCS&Wドライバビリティ性能を説明することにおける、それぞれ、式2a〜2dおよび3a〜3bの有効性を明らかにする。ASTM D 4814およびEN 228からの現行規格限度が新規指数に適切であることを実証するために、
図2および3のデータを、それぞれ、
図4および5ではlog変形なしに再プロットする。これらのプロットはまた、試験される燃料のブタノール濃度を示すために具体的な記号が割り当てられているという点においても異なる。
【0063】
図4のデータは、24容積パーセントまでのイソ−ブタノール濃度に及び、対照ポイントとしての0容積パーセントのi−BuOH従来型燃料を含み、そしてまた許容できるから許容できないまでのドライバビリティ性能の範囲に及ぶ。1250のDI限度よりも下および上の両方の従来型燃料が含まれている。可変範囲は非常に完璧であるので、A−クラス燃料についての1250最大DIの現限度もまた、LBDIが指数として用いられるとき24容積パーセント以下のイソブタノールを含有する燃料に適切である。24容積パーセント以下のイソブタノールを含有する燃料が限度として1250LBDIを用いて調
合することができ、そして1250DIに指数化される従来型のブタノールを含まない燃料と同じ低いデメリットレベルを達成できることは容易に明らかである。同様に、1250超のLBDIのブタノール燃料は、1250超のDIの従来型のブタノールを含まない燃料とまったく同じように、より高い、許容できないレベルのデメリットを有する。
【0064】
図5から欧州型の規格および指数について同様な結論に達することができる。ブタノールを含有するおよびブタノールを含まない燃料の完璧な範囲についてのデータは再び、許容できる(46容積パーセントよりも上のE100の従来型燃料)から許容できない(46容積パーセントよりも下のE100の従来型燃料)までのドライバビリティ性能の範囲に及ぶ。
図5は、イソ−ブタノール燃料が46容積パーセント以上のEff
100にブレンドされるときに、ドライバビリティデメリットが46容積パーセント以上の定められた限度のE100にブレンドされた従来型のブタノールを含まない燃料とまさに同じ程度に低いことを示す。40容積パーセントまたはその程度に低いEff
100の従来型燃料およびブタノール含有燃料が両方ともまた非常に低いドライバビリティデメリットを示すことが明らかであるので、これらのデータはまた、最小46容積パーセントの定められた限度が過度に限定的である可能性があることを示唆する。
【0065】
本発明によれば、
図2および3はまた、ブタノール、および任意選択的にエタノールを含む新規ガソリンブレンドのTWDを計算するために用いることができる。本方法は、ガソリンをブタノールおよび任意選択的に、エタノールとブレンドする工程と;このガソリンブレンドのE200、T
10、T
50、およびT
90値を測定する工程と;E200、T
10、T
50、およびT
90値を式a
1T
10+a
2T
50+a
3T
90+a
4EtOH+BuOH(a
5−a
6E200)に代入して上の適切な式2a〜dを用いて燃料ブレンドのLBDIを計算する工程と;ガソリンブレンドについてのTWDを計算するために
図2を用いて燃料ブレンドのLBDI値の相互関係を比較する工程とを含むであろう。ガソリンブレンドの計算されたTWDは、燃料の低温始動および暖機ドライバビリティ性能を予測するために用いることができる。
【0066】
図2および3にプロットしたデータを、それぞれ、表1および表2に示す。そのTWDが約20以下である燃料は許容できるドライバビリティ特性を与えると考えられる。表1のデータは、燃料3、4、6、7、9、13および18のDIが許容できるドライバビリティ特性を与えるであろうことを不正確に示唆するが、それらのLBDIはそれとは反対に、それらのドライバビリティ特性が許容できないかまたは、1つの場合に、境界線上にあるにすぎないことを示す。表2のデータは、燃料3、4、6、7、および18のE100が許容できるドライバビリティ特性を与えるであろうことを不正確に示唆するが、Eff100はそれとは反対に、それらが許容できないかまたは、1つの場合に、境界線上にあるにすぎないことを示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
20容積パーセント以下のエタノール濃度および34容積パーセント以下のブタノール濃度の全域についての係数a1〜a6を決定するための一般的な方法は、本明細書で上記のCRCプログラム(CRC Program CM−138−02,CRC Report No.638)によってエタノール・オフセットを決定するために用いられた方法に似ている。この方法は、CRC E28標準CS&W試験によって測定されたTWDの自然対数を相当する燃料変数に関連付ける回帰式を開発する工程を含む。標準DI式へのこの式のコラプスを達成するために、係数a1〜a4を、ASTM D 4814 DI式において使用されるものと同じものであるように選択した。追加の燃料変数E200お
よびiBuOHを、試験方法のばらつき内のデータにぴったり合う相関関係を与えるために加え、それらの値を、一般線形統計モデルを用いて最小二乗法によって計算した。具体的には、iBuOH含量は線形項として加え、E200は相互作用項(すなわちiBuOH
*E200)として加えた。
図2は、この片対数関係についての良好な相関関係を示す。その他のブタノール異性体についての係数は、様々な濃度で対象の異性体を含有する燃料を使用してCS&W試験を行い、そして要因:DI、ブタノール異性体濃度およびE200
*ブタノール異性体濃度込みの一般線形統計モデルを用いて結果(すなわちTWDの自然対数)を統計的に解析することによって誘導することができる。
【0070】
同様に、式の欧州版についての係数、b
1、およびb
2は、一般線形モデルを用いてE100、ブタノール異性体濃度、およびE100
*ブタノール異性体濃度の関数として自然対数TWDを統計的に解析することによって推定される。
図3は、この片対数相関の結果を示す。
【0071】
当業者は、ガソリンブレンドの、T
20、T
30、E158またはE70などの、揮発度または沸点プロフィールのその他の尺度がT
10、T
50、T
90、E200またはE100の代わりに用いられる場合に、これは、式2(a)〜2(d)および3(a)〜3(b)の比較的小さい変形をもたらすが、本発明の特許請求される方法およびガソリンブレンドはそのような変形を包含することを容易に理解するであろう。
【0072】
表3および表4は、表1および表2の当該データについて用いられたものに類似のドライバビリティ試験からのデータを含有する。用いられた燃料は、揮発度クラスAAおよびEのものであり、ガソリンのみかガソリンとエタノール単独、イソブタノール単独またはエタノールおよびイソブタノールの両方とのブレンドかのどちらかであった。表3において、ガソリン単独またはガソリンとエタノールのみとのブレンドである燃料については、DIおよびLBDIは等しかった。ガソリンとブタノール単独かブタノールおよびエタノールの両方かのどちらかとのブレンドである燃料については、LBDIはDIよりも大きく、一般に、LBDIがD 4814DIについての規定の最大値に近づけば近づくほど、デメリットの数は大きくなる。表4において、E100およびEff
100は、ガソリン単独かガソリンとエタノール単独とのブレンドである燃料については等しかった。Eff
100は一般に、ガソリンとブタノール単独かブタノールおよびエタノールの両方かのどちらかとのブレンドである燃料についてはE100よりも小さかった。E100についての規定の最小値よりも下またはそれにより近いEff
100は一般に、より大きい数のデメリットを有した。
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【0075】
生物源ブタノール異性体および任意選択的にエタノールとのガソリンブレンドのLBDIは、十分な容積の軽質炭化水素をブレンドに加えることによって当該クラスのガソリンについての規定の最大値よりも下に維持できる、または最大値よりも下のレベルに低下させ得ることがまた意外にもおよび予想外にも見いだされた。そのような軽質炭化水素は、コールドエンジンにおける燃料の蒸発/燃焼性を向上させるようにブレンドの沸点分布を修正するのに役立つ。そのような軽質炭化水素として用いることができる幾つかの製油所ストリームを表5にリストする。この使用の例は、ガソリンブレンド中の含酸素化合物、すなわち、ブタノール異性体およびエタノールと共沸混合物を形成するように使用される
炭化水素である。そのような共沸混合物は、ブレンドに加えられる、そして共沸混合物の成分である特定の炭化水素よりもさらに低い温度で沸騰する。こうして、共沸混合物を形成する、加えられた軽質炭化水素は、加えられた炭化水素それ自体の沸点から予期されるであろうよりも大きい、ブレンドの沸点を低下させる効果を有する。好適なそのような炭化水素ならびにエタノールおよび各ブタノール異性体とのそれらの共沸混合物の沸点を表6に示す。表6の単語「ゼオトロ−プ」は、共沸混合物がまったく形成されなかったことを示す。表6において、重量%は、共沸混合物中の炭化水素の重量パーセントである。一実施形態においては、軽質炭化水素は、5〜9個の炭素原子を含むことができ、260°F未満のT90を有する少なくとも1つの製油所ストリームか、パラフィン、シクロパラフィン、オレフィンもしくは芳香族化合物またはそれらの混合物を含む製油所ストリームかのどちらかを含むことができるか、または軽質炭化水素は、216°Fでまたはそれよりも下で沸騰する、ブタノールもしくは、エタノールが存在する場合には、エタノールと共沸混合物を形成する少なくとも1つの炭化水素化を含むことができるか、または軽質炭化水素は、それらの混合物および組み合わせを含むことができる。
【0076】
【表5】
【0077】
【表6】
【0078】
本発明は具体的な手段、材料および実施例を参照することによって本明細書に記載されてきたが、本発明の範囲はそれらに限定されず、本発明の実施に好適なすべてのその他の手段および材料にまで及ぶことは当業者によって理解されるであろう。