特許第6240723号(P6240723)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6240723
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】直列配置を有する二極遮断器
(51)【国際特許分類】
   H01H 73/06 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
   H01H73/06 B
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-148286(P2016-148286)
(22)【出願日】2016年7月28日
(65)【公開番号】特開2017-33934(P2017-33934A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2016年9月2日
(31)【優先権主張番号】14/812,509
(32)【優先日】2015年7月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508117743
【氏名又は名称】カーリング テクノロジーズ、 インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CARLING TECHNOLOGIES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ファサーノ
【審査官】 段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03171931(US,A)
【文献】 米国特許第02531157(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 73/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸を有する第1トリップ機構を収容する第1ハウジングを有する第1回路遮断器であって、前記第1ハウジングが円形開口部を有する、第1回路遮断器と;
第2軸を有する第2トリップ機構を収容する第2ハウジングを有する第2回路遮断器であって、前記第2ハウジングが円形開口部を有する、第2回路遮断器と;
前記第1ハウジングの前記円形開口部内に位置決めされ且つ前記第1トリップ機構に接続された第1カプラーディスクと;
前記第2ハウジングの前記円形開口部内に位置決めされ且つ前記第2トリップ機構に接続された第2カプラーディスクと;
第1回動接続部を有する第1端部と、第2回動接続部を有する第2端部と、を有する長尺トリップ部材と;
前記長尺トリップ部材を覆って位置決めされたカバーであって、前記第1回路遮断器及び前記第2回路遮断器に留められた、カバーと;
を備える回路遮断器組立体であって、
前記第1回路遮断器及び前記第2回路遮断器が、前記第1軸及び前記第2軸が平行であり且つ所定距離離されるように、整列させられ;
前記第1トリップ機構が非トリップ状態からトリップ状態に作動するときに、前記長尺トリップ部材が前記第2トリップ機構を非トリップ状態からトリップ状態に作動させるように、前記第1回動接続部が前記第1カプラーディスクに接続され、且つ前記第2回動接続部が前記第2カプラーディスクに接続されていることを特徴とする回路遮断器組立体。
【請求項2】
前記第1回路遮断器が、前記非トリップ状態と前記トリップ状態との間で前記第1トリップ機構を作動させるための第1ハンドルをさらに含み、
前記第2回路遮断器が、前記非トリップ状態と前記トリップ状態との間で前記第2トリップ機構を作動させるための第2ハンドルをさらに含み、
前記第1ハンドル及び前記第2ハンドルが、コネクタを介して互いに連結されていることを特徴とする請求項1に記載の回路遮断器組立体。
【請求項3】
前記コネクタが、第1留め具によって前記第1ハンドルに連結され且つ第2留め具によって前記第2ハンドルに連結されたバーを備えていることを特徴とする請求項2に記載の回路遮断器組立体。
【請求項4】
前記コネクタが、中央セクションを有する一体部品組立体であり、脚部の第1セット及び脚部の第2セットが、前記中央セクションの両側それぞれから突出し、前記脚部の第1セットが、内側に突出する第1突起のセットを有し、前記脚部の第2セットが、内側に突出する第2突起のセットを有し、前記第1突起のセットが、前記第1ハンドルと機能的に接続され、前記第2突起のセットが、前記第2ハンドルと機能的に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の回路遮断器組立体。
【請求項5】
前記コネクタが、第1キャビティを有する第1端部と、第2キャビティを有する第2端部と、を含み、前記第1ハンドルが、前記第1キャビティ内に収まり、前記第2ハンドルが、前記第2キャビティ内に収まっていることを特徴とする請求項2に記載の回路遮断器組立体。
【請求項6】
前記第1ハウジングの前記円形開口部と前記第1カプラーディスクとの間の第1間隙と、前記第2ハウジングの前記円形開口部と前記第2カプラーディスクとの間の第2間隙と、が、前記第1ハウジングの前記円形開口部の内縁部が前記第1カプラーディスクの外縁部のための支持面として作用し且つ前記第2ハウジングの前記円形開口部の内縁部が前記第2カプラーディスクの外縁部のための支持面として作用するように、設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回路遮断器組立体。
【請求項7】
第1トリップ機構を収容する第1ハウジングを有する第1回路遮断器であって、前記第1ハウジングが、第1側面と、前記第1側面と垂直な2つの端部と、を有し、前記2つの端部が、互いに平行である、第1回路遮断器と;
第2トリップ機構を収容する第2ハウジングを有する第2回路遮断器であって、前記第2ハウジングが、第2側面と、前記第2側面と垂直な2つの端部と、を有し、前記2つの端部が、互いに平行である、第2回路遮断器と;
前記第1側面及び前記第2側面に沿って延びている長尺トリップ部材であって、前記第1トリップ機構が非トリップ状態からトリップ状態へ作動するときに、前記長尺トリップ部材が前記第2トリップ機構を非トリップ状態からトリップ状態へ作動させるように、前記長尺トリップ部材が、前記第1側面の第1開口部を通じて前記第1トリップ機構に接続され、且つ前記第2側面の第2開口部を通じて前記第2トリップ機構に接続されている、長尺トリップ部材と;
を備える、回路遮断器組立体であって、
前記第1回路遮断器及び前記第2回路遮断器が、前記第2ハウジングの前記2つの端部の一方が前記第1ハウジングの前記2つの端部の一方と接触し且つ前記第1側面及び前記第2側面が同じ方向に向けられるように、整列させられていることを特徴とする回路遮断器組立体。
【請求項8】
前記第1回路遮断器が、前記非トリップ状態と前記トリップ状態との間で前記第1トリップ機構を作動させるための第1ハンドルを含み;
前記第2回路遮断器が、前記非トリップ状態と前記トリップ状態との間で前記第2トリップ機構を作動させるための第2ハンドルを含み;
前記第1ハンドル及び前記第2ハンドルが、コネクタを介して互いに連結されていることを特徴とする請求項7に記載の回路遮断器組立体。
【請求項9】
前記コネクタが、第1留め具によって前記第1ハンドルに連結され且つ第2留め具によって前記第2ハンドルに連結されたバーを備えていることを特徴とする請求項8に記載の回路遮断器組立体。
【請求項10】
前記コネクタが、中央セクションを有する一体部品組立体であり、脚部の第1セット及び脚部の第2セットが、前記中央セクションの両側から突出し、前記脚部の第1セットが、内側に突出する第1突起のセットを有し、前記脚部の第2セットが、内側に突出する第2突起のセットを有し、前記第1突起のセットが、前記第1ハンドルに機能的に接続され、前記第2突起のセットが、前記第2ハンドルに機能的に接続されていることを特徴とする請求項8に記載の回路遮断器組立体。
【請求項11】
前記コネクタが、第1キャビティを有する第1端部と、第2キャビティを有する第2端部と、を含み、前記第1ハンドルが、前記第1キャビティ内に収まり、前記第2ハンドルが、前記第2キャビティ内に収まっていることを特徴とする請求項8に記載の回路遮断器組立体。
【請求項12】
前記回路遮断器組立体が、第1カプラー及び第2カプラーをさらに含み、前記第1カプラーが、前記第1ハウジングの前記第1開口部内に収まり、且つ前記第1トリップ機構に接続され、前記第2カプラーが、前記第2ハウジングの前記第2開口部内に収まり、且つ前記第2トリップ機構に接続され、前記長尺トリップ部材が、前記第1カプラー及び前記第2カプラーに接続されていることを特徴とする請求項7に記載の回路遮断器組立体。
【請求項13】
前記第1ハウジングの前記第1開口部及び前記第2ハウジングの前記第2開口部が、円形であり、前記第1カプラー及び前記第2カプラーが、ディスクとして形成されていることを特徴とする請求項12に記載の回路遮断器組立体。
【請求項14】
前記第1開口部と前記第1カプラーとの間の第1間隙と、前記第2開口部と前記第2カプラーとの間の第2間隙と、が、前記第1ハウジングの前記第1開口部の内縁部が前記第1カプラーの外縁部のための支持面として作用し且つ前記第2ハウジングの前記第2開口部の内縁部が前記第2カプラーの外縁部のための支持面として作用するように、設けられていることを特徴とする請求項13に記載の回路遮断器組立体。
【請求項15】
前記第1回路遮断器が、前記非トリップ状態と前記トリップ状態との間で前記第1トリップ機構を作動させるための第1ハンドルを含み;
前記第2回路遮断器が、前記非トリップ状態と前記トリップ状態との間で前記第2トリップ機構を作動させるための第2ハンドルを含み;
前記第1ハンドル及び前記第2ハンドルが、コネクタを介して互いに連結されていることを特徴とする請求項12に記載の回路遮断器組立体。
【請求項16】
前記コネクタが、第1留め具によって前記第1ハンドルに連結され且つ第2留め具によって前記第2ハンドルに連結されたバーを備えていることを特徴とする請求項15に記載の回路遮断器組立体。
【請求項17】
前記コネクタが、中央セクションを有する一体部品組立体であり、脚部の第1セット及び脚部の第2セットが、前記中央セクションの両側から突出し、前記脚部の第1セットが、内側に突出する第1突起のセットを有し、前記脚部の第2セットが、内側に突出する第2突起のセットを有し、前記第1突起のセットが、前記第1ハンドルに機能的に接続し、前記第2突起のセットが、前記第2ハンドルに機能的に接続していることを特徴とする請求項15に記載の回路遮断器組立体。
【請求項18】
前記コネクタが、第1キャビティを有する第1端部と、第2キャビティを有する第2端部と、を含み、前記第1ハンドルが、前記第1キャビティ内に収まり、前記第2ハンドルが、前記第2キャビティ内に収まっていることを特徴とする請求項15に記載の回路遮断器組立体。
【請求項19】
複数の回路遮断器であって、各回路遮断器が、
第1側面と、前記第1側面と垂直な2つの端部と、を有するハウジングであって、前記2つの端部が、互いに平行である、ハウジングと、
オン位置とオフ位置との間で可動のハンドルと;
トリップ状態及び非トリップ状態を有する回路遮断器リンク機構であって、前記回路遮断器リンク機構が、前記回路遮断器リンク機構が状態を変えるときに少なくとも1つの接点の位置を変えるために配置され、前記回路遮断器リンク機構が、前記ハンドルと前記少なくとも1つの接点との間で動作可能に接続され、このため、前記ハンドルの手動操作が、前記回路遮断器リンク機構の運動を引き起こし、それにより、前記少なくとも1つの接点の運動を引き起こす、回路遮断器リンク機構と;
前記回路遮断器の前記第1側面上の開口部と;
前記ハウジングの前記開口部内に位置決めされ且つ前記回路遮断器リンク機構に接続されたカプラーと;
を備える、回路遮断器と;
前記複数の回路遮断器の前記第1側面に沿って延在する長尺トリップ部材であって、前記長尺トリップ部材が、第1回動接続部を有する第1端部と、第2回動接続部を有する第2端部と、を有し、前記回路遮断器リンク機構の1つが前記非トリップ状態から前記トリップ状態に作動するときに、前記複数の回路遮断器の残りの前記回路遮断器リンク機構も前記非トリップ状態から前記トリップ状態に作動されるように、前記第1回動接続部が前記カプラーの1つに接続され、前記第2回動接続部が前記カプラーの他の1つに接続されている、長尺トリップ部材と;
前記複数の回路遮断器の各ハンドルを接続するハンドルカプラーであって、前記複数の回路遮断器が、同時に作動可能である、ハンドルカプラーと;
を備える回路遮断器組立体であって、
前記複数の回路遮断器が、前記第1側面が同じ方向に向けられ且つ所定の平面に沿って整列させられるように、端部と端部とが接続される方式で整列させられることを特徴とする回路遮断器組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として多極回路遮断器装置に関し、特に、直列に配置された2つ以上の回路遮断器を提供する多極回路遮断器装置であって、1つの回路遮断器のトリップが、相互接続された遮断器を同時にトリップさせるように、回路遮断器トリップ機構がトリップ部材を介して接続された、多極回路遮断器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、地絡又は短絡によって引き起こされる損傷から電気回路を保護するために使用される回路遮断器に関する。回路遮断器によって保護された回路内で電力サージが生じると、遮断器がトリップする。これは、“オン”位置にあった遮断器を“オフ”位置に反転させ、当該遮断器から導く電力を中断する。このようにトリップすることによって、回路遮断器は、過負荷回路で損傷が生じることを防止し、電気を得ているデバイス又は保護回路に接続された他のデバイスの破損も防止する。
【0003】
代表的な回路遮断器は、ライン及び負荷を含んでいる。通常、ラインは、入力電力源、例えば公共ラインのような電力ネットワークから供給される電源に接続されている。これは、回路遮断器への入力と称されることもある。出力と称されることもある負荷は、電気回路と、回路遮断器から給電される回路に接続された構成要素と、に回路遮断器を接続する。回路遮断器は、回路遮断器に直接的に接続された個々の構成要素、例えば空気調節装置を保護するか、又は回路遮断器は、多数の構成要素、例えば電気的出口で終端する回路に接続された家庭電化製品を保護する。
【0004】
パネルボードに固定されたタイプの回路遮断器を提供することが公知である。例えば、単極、二極及び三極回路遮断器がすべて公知であり、これら回路遮断器は、特定の回路に給電するために単相、二相及び三相回路にさまざま接続することができる。しかしながら、三相回路遮断器は、三相回路遮断器としてしか構成することができず、且つ単相負荷に給電するために使用することができない。
【0005】
いくつかの用途では、2つ以上の回路遮断器が同時にトリップするように相互接続された2つ以上の回路遮断器を有することが望ましい。例えば、参照することによって本明細書に組み込まれる特許文献1は、多極回路遮断器装置を開示しており、この多極回路遮断器装置では、共通トリップカプラーが、スイッチケースの隣接する側壁を通って回路遮断器を接続している。この配置では、互いに反対側の部分が、隣接するスイッチケースの内部のU字状の共通トリップ部材の部分と協働し、これにより、これら共通トリップ部材の回動運動を引き起こし、カプラーの同軸運動、ひいては隣接するケース内の隣接するトリップ部材の同軸運動を達成する。また、多極回路遮断器は、互いに一斉に遮断器を作動させるための長尺内部コネクタに取り付けられた単一のハンドルを有している。
【0006】
しかしながら、特許文献1で開示される回路遮断器装置は、多くの欠点を有している。例えば、遮断器の配置は、かさばるだけでなく、回路遮断器パネル内に収まるために大きなスペースを必要とする。これは、空間が制限されるとともに細い設置面積の多極回路遮断器が必要とされる状況下で問題となる。このような状況は、通常、現代の空間効率のよい回路遮断器パネルにおいて、また他の範囲、例えばサーバーの間の細い範囲に多極回路遮断器を有する必要があるサーバールームにおいて生じる。
【0007】
従来技術の構成での別の問題は、開示された三極構成を組み立てるために、少なくとも3つの異なるタイプの回路遮断器を製造しなければならないことである。これは、スイッチケースの隣接する側壁におけるキャビティを通じて遮断器を相互接続する必要性によって余儀なくされる。従って、示される構成のために、中央遮断器は、隣接する側壁双方にキャビティを有していなければならない一方で、2つのサイド遮断器は、互いに反対側の側壁にキャビティを必要とする。従来技術の構成のさらに別の問題は、側壁キャビティのためだけでなく単一のハンドル装置のためにも異なるスイッチケースを形成しなければならないことである。従って、中央遮断器が、単一のハンドルのために頂部開口部を有する一方で、サイド遮断器のためのスイッチケースは平坦頂部を有する。結果として、開示される遮断器を組み立てるために、少なくとも6つの異なるケースが製造されなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4504807号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、細い外形の多極回路遮断器装置であって、共通トリップカプラーが少なくとも2つの別個の回路遮断器を接続するために使用される、多極回路遮断器装置を提供することが望まれている。
【0010】
製造及び開発に比較的安価な、より少ない固有のパーツを必要とする多極回路遮断器の構成を提供することが、さらに望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従って、1つの目的は、第1動作軸を有する第1トリップ機構を収容する第1ハウジングを有する第1回路遮断器であって、第1ハウジングが第1円形開口部を有する、第1回路遮断器と;第2動作軸を有する第2トリップ機構を収容する第2ハウジングを有する第2回路遮断器であって、第2ハウジングが第2円形開口部を有する、第2回路遮断器と;第1開口部内にあり且つ第1トリップ機構に接続された第1カプラーディスクと;第2開口部内にあり且つ第2トリップ機構に接続された第2カプラーディスクと;第1回動接続部を有する第1端部と、第2回動接続部を有する第2端部と、を有する長尺トリップ部材と;長尺トリップ部材を覆って延在するカバーであって、第1回路遮断器のハウジング及び第2回路遮断器のハウジングに留められた、カバーと;を含む回路遮断器組立体であって、第1回路遮断器及び第2回路遮断器が、第1動作軸及び第2動作軸が略平行であり且つ第1距離だけ離されるように、整列させられ;第1トリップ機構が非トリップ状態からトリップ状態に作動するときに、長尺トリップ部材が第2トリップ機構を非トリップ状態からトリップ状態に作動させるように、第1回動接続部が第1カプラーディスクに接続され、且つ第2回動接続部が第2カプラーディスクに接続されている、回路遮断器組立体を提供することである。
【0012】
別の目的は、回路遮断器のそれぞれが、非トリップ状態とトリップ状態との間でトリップ機構を手動作動させるためのハンドルを有する回路遮断器組立体であって、ハンドルが、コネクタを介して連結されている、回路遮断器組立体を提供することである。一例では、コネクタは、留め具を介してハンドルに取り付けられたバーであってもよい。
【0013】
他の例では、コネクタは、中央セクションを有する一体部品組立体であり、脚部の第1セット及び脚部の第2セットが、中央セクションの両側から突出し、脚部の第1セットが、内側に突出する第1突起のセットを有し、脚部の第2セットが、内側に突出する第2突起のセットを有し、突起の第1セットが、一方のハンドルに接続し、突起の第2セットが、他方のハンドルに接続している。
【0014】
さらなる他の例では、コネクタは、第1キャビティを有する第1端部と、第2キャビティを有する第2端部と、を有する長尺スライダであり、一方のハンドルが第1キャビティ内に収まり、他方のハンドルが第2キャビティ内に収まっている。
【0015】
さらにさらなる目的は、第1開口部と第1カプラーディスクとの間の第1間隙と、第2開口部と第2カプラーディスクとの間の第2間隙と、が、第1開口部の内縁部が第1カプラーの外縁部のための支持面として作用し且つ第2開口部の内縁部が第2カプラーの外縁部のための支持面として作用するように、設けられている、回路遮断器組立体を提供することである。
【0016】
これら及び他の目的は、第1トリップ機構を収容する第1ハウジングを有する第1回路遮断器であって、第1ハウジングが、側面と、第1ハウジングの第1端部と、第1ハウジングの第2端部と、を有し、第1ハウジングの第1端部及び第2端部が第1ハウジングの側面と垂直であり、且つ互いに平行である、第1回路遮断器と;第2トリップ機構を収容する第2ハウジングを有する第2回路遮断器であって、第2ハウジングが、側面と、第2ハウジングの第1端部と、第2ハウジングの第2端部と、を有し、第1端部及び第2端部双方が、第2ハウジングの側面と垂直であり、且つ互いに平行である、第2回路遮断器と;第1ハウジングの側面及び第2ハウジングの側面に沿って延びている長尺トリップ部材であって、第1トリップ機構が非トリップ状態からトリップ状態へ作動するときに、長尺トリップ部材が第2トリップ機構を非トリップ状態からトリップ状態へ作動させるように、長尺トリップ部材が、第1ハウジングの側面の開口部を通じて第1トリップ機構に接続され、且つ第2ハウジングの側面の開口部を通じて第2トリップ機構に接続されている、長尺トリップ部材と;を含む、回路遮断器組立体であって、第1回路遮断器及び第2回路遮断器が、第1ハウジングの第2端部及び第2ハウジングの第1端部が互いに接触するように、整列させられている、回路遮断器組立体を提供することによって達成される。
【0017】
別の目的は、第1ハンドル及び第2ハンドルが、コネクタを介してともに機械的に連結されているように、第1回路遮断器が、非トリップ状態とトリップ状態との間で第1トリップ機構を手動作動させるための第1ハンドルを有し、第2回路遮断器が、非トリップ状態とトリップ状態との間で第2トリップ機構を手動作動させるための第2ハンドルを有する、回路遮断器組立体を提供することである。一例では、コネクタは、第1留め具によって第1ハンドルに取り付けられ且つ第2留め具によって第2ハンドルに取り付けられたバーである。
【0018】
他の実施形態では、コネクタが、中央セクションを有する一体部品組立体であり、脚部の第1セット及び脚部の第2セットが、中央セクションの両側から突出し、脚部の第1セットが、内側に突出する第1突起のセットを有し、脚部の第2セットが、内側に突出する第2突起のセットを有し、突起の第1セットが、第1ハンドルに接続し、突起の第2セットが、第2ハンドルに接続している。
【0019】
さらなる他の例では、コネクタは、第1キャビティを有する第1端部と、第2キャビティを有する第2端部と、を有する長尺スライダであり、第1ハンドルが第1キャビティ内に収まり、第2ハンドルが第2キャビティ内に収まっている。
【0020】
さらにさらなる目的は、第1カプラー及び第2カプラーを含む回路遮断器組立体であって、長尺トリップ部材が第1カプラー及び第2カプラーに接続されるように、第1カプラーが、第1開口部内に収まり、且つ第1トリップ機構に接続され、第2カプラーが、第2開口部内に収まり、且つ第2トリップ機構に接続されている、回路遮断器組立体を提供することである。
【0021】
別の目的は、それぞれのハウジングにおける第1開口部及び第2開口部が円形であり且つ第1カプラー及び第2カプラーがディスクとして設けられている、回路遮断器組立体を提供することである。所定の例では、第1開口部と第1カプラーディスクとの間の第1間隙と、第2開口部と第2カプラーディスクとの間の第2間隙と、が、第1開口部の内縁部が第1カプラーの外縁部のための支持面として作用し且つ第2開口部の内縁部が第2カプラーの外縁部のための支持面として作用するように、設けられている。
【0022】
他の目的は、複数の回路遮断器であって、各回路遮断器が、側面と、側面と垂直な第1端部及び第2端部と、を有するハウジングであって、2つの端部が互いに平行である、ハウジング、を備える、回路遮断器を含む回路遮断器組立体を提供することによって達成される。回路遮断器組立体は、オン位置とオフ位置との間で可動のハンドルと、トリップ状態及び非トリップ状態を有する回路遮断器リンク機構と、をさらに含んでいる。回路遮断器リンク機構が、回路遮断器リンク機構が状態を変えるときに少なくとも1つの接点の位置を変えるために配置され、回路遮断器リンク機構が、ハンドルと少なくとも1つの接点との間で動作可能に接続され、このため、ハンドルの運動が、回路遮断器リンク機構の運動を引き起こし、それにより、少なくとも1つの接点の運動を引き起こす。回路遮断器リンク機構は、遮断器の第1側面上の開口部をさらに含み、複数の回路遮断器は、ハウジングの側面が同じ方向に向けられ且つ所定の平面上で整列させられるように、端部と端部とが接続して整列させられている。回路遮断器リンク機構は、長尺トリップ部材が複数の回路遮断器の側面に沿って延在し、回路遮断器リンク機構の1つが非トリップ状態からトリップ状態に作動するときに、複数の回路遮断器の残りの回路遮断器リンク機構も非トリップ状態からトリップ状態に作動されるように、長尺トリップ部材が、複数の回路遮断器の回路遮断器リンク機構のそれぞれに機械的に接続されているように、設けられている。最後に、回路遮断器リンク機構は、複数の回路遮断器の各ハンドルを接続するハンドルカプラーであって、使用者が複数の回路遮断器を同時に作動することを可能にする、ハンドルカプラーを含んでいる。
【0023】
本発明の他の目的並びに本発明の具体的な特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の図面を検討することによって、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】トリップ部材接続部の分解図を示す2つの回路遮断器の図である。
図2図1による2つの回路遮断器の図である。
図3】閉鎖位置にある、図1による回路遮断器の一方の図である。
図4】開放位置にある、図1による回路遮断器の一方の図である。
図5】閉鎖位置にあるトリップ部材接続部を示す、図1による回路遮断器の図である。
図6】開放位置にあるトリップ部材接続部を示す、図1による回路遮断器の図である。
図7】トリップ部材接続部を示す、図5による回路遮断器の断面図である。
図8】ハンドル接続部材の図である。
図9図8のハンドル接続部材を組み込む回路遮断器の図である。
図10】ハンドル接続部材の別の例の図である。
図11図10のハンドル接続部材を組み込む回路遮断器の図である。
図12】ハンドル接続部材を組み込む別の例の図である。
図13図12による回路遮断器装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1及び図2は、本発明の態様による多極回路遮断器10を示している。図1は、多極回路遮断器10の分解図を示している。多極回路遮断器は、2つの回路遮断器12,14を含み、これら回路遮断器12,14は、手動スイッチハンドル15と、共通トリップ組立体20を介して接続されたトリップ機構のためのアクチュエータ22と、をそれぞれ有している。共通トリップ組立体20は、2つの回路遮断器12,14を共に同様に接続するカバー25によって隠されている。図1から分かるように、回路遮断器12,14双方は、外側ケース16及び内側ケース18から形成された同じハウジング組立体を有している。内側ケース18は、トリップ機構のためのアクチュエータ22へのアクセスを提供する円形開口部32を有している。回路遮断器12,14のそれぞれは、そこから手動スイッチハンドル15が延在する頂部37と、頂部37と同じ幅を有する2つの端部36と、前面35と、を有している。回路遮断器12,14は、端部36と端部36とが接続して整列させられ、回路遮断器12,14のそれぞれの前面35は、より大きな面を形成している。アクチュエータ22は、アクチュエータ回動点23が、好ましい実施形態では前面35の長さ38以上である距離だけ離されるように、離されている。
【0026】
共通トリップ組立体20は、2つの回路遮断器12,14のそれぞれのためのカプラーディスク24と、カプラーディスク24を接続する長尺トリップ部材21と、を備えている。各カプラーディスク24に対して、一側面は、アクチュエータ22の対応する開口部27内に収まる2つの突起26を有し、他側面は、単一の回動突起28を有している。長尺トリップ部材21は、対応する回動突起28上に収まる2つの離間した回動開口部30,31を有し、これにより、長尺トリップ部材21上に2つの離間した回動点を形成する。回動開口部30,31を離す間隔は、アクチュエータ回動点23を離す間隔にほぼ等しい。組み立てられると、カプラーディスク24は、内側ケース18の円形開口部32内に収まり、このため、長尺トリップ部材は、回路遮断器12,14の内側ケース18の外側前面35に沿って着座する。
【0027】
図3及び図4は、各回路遮断器12,14の内部構成要素の側面図である。回路遮断器は、ライン端子110に接続された静止接点105を含んでいる。ライン端子は、電力源から電気を受け取る。可動接点115が、図3に示す閉鎖位置と図4に示す開放位置/トリップ状態との間で動かすことができる可動接点アーム120上に配置されている。
【0028】
可動接点115は、故障検出器150及びコネクタ116を通じて負荷端子160に接続されている。図3に示すように可動接点115が閉鎖位置/非トリップ状態にあると、静止接点105及び可動接点115は互いに接触し、電気はライン端子110から接点105及び115を通って負荷端子160へ流れることができる。
【0029】
また、可動接点アーム120は、折畳式リンク装置145を含むトリップ機構140に接続されている。故障検出器150は、故障状況、例えば過電流が生じると、トリップ機構140を作動させ、それにより、折畳式リンク装置145を折り畳んで接点105,115を離す。折畳式リンク装置145は、アクチュエータ22が時計回りの方向に回転させられるときにアクチュエータ22を介して折り畳むこともできる。
【0030】
いくつかの利用では、故障検出器は、回路とインラインで配置されたソレノイドである。ソレノイドを通る電流が所定レベルを超えると、ソレノイドは、トリップ機構を作動させるのに十分な電磁場を発生させる。ソレノイドは、選択的に、電流が所定レベルを超えたときにトリップ機構を作動させるプランジャ又は他の接極子を組み込んでいてもよい。
【0031】
特定の状況が生じたときにトリップ機構をトリップさせる他の故障検出方法が、使用されてもよいことが理解される。
【0032】
ハンドル15は、折畳式リンク装置145を介して可動接点アーム120に接続されている。ハンドル15は、可動接点アーム120を開閉するために設けられている。
【0033】
図5及び図6は、組み立てられた遮断器12,14及び図1の共通トリップ組立体20の切断側面図である。図5は、非トリップ状態にある組み立てられた遮断器12,14を示し、図6は、トリップ状態にある組み立てられた遮断器12,14を示している。図5において矢印によって指示されるように、遮断器12,14の一方がトリップすると、長尺トリップ部材21は、非トリップ状態の遮断器における相互接続されたカプラーディスク24を押すか又は引くことによって、他方の遮断器をトリップさせる。従って、左側の回路遮断器12が故障状況、例えば過電流を経験すると、故障検出器150は、トリップ機構140を作動させ、折畳式リンク装置145を折り畳ませ、接点105,115を離し、カプラーディスク24を時計回りに回転させる。左側の回路遮断器12におけるカプラーディスク24の回転は、その後、長尺トリップ部材21を通じて右側の回路遮断器14のカプラーディスク24に伝達され、トリップ機構140を作動させ、折畳式リンク装置145を折り畳ませ、右側の回路遮断器14の接点105,115を離す。
【0034】
図5及び図6にさらに示すように、カプラーディスク24と内側ケース18上の円形開口部32との間には間隙が設けられている。設けられた間隙の幅は、用途によって変わる。例えば、重量級の用途では、カプラーディスク24によってトリップ部材21にかけられる力は、迅速であり、且つ高い規模を有し、これは、長尺トリップ部材21を通じて伝達されるときに、カプラーディスク24をシフトさせてアクチュエータ22を通じてトリップ機構に大きな量の力をかける。このような力は、誤動作と、回路遮断器の構成要素への早過ぎる摩耗と、を引き起こす可能性がある。従って、この力を制限するために、カプラーディスク24と内側ケース18上の円形開口部32との間に設けられた間隙は、作動中にカプラーディスク24の外縁部40が内側ケース18における円形開口部32の内縁部42と相互作用するように、狭くされている。この相互作用は、支持面として作用し、且つシステムでの運動をアクチュエータ22上での所望の回転運動に制限することに役立つ。内側ケース18上の円形開口部32内に挿入されたカプラーディスク24は、図5の遮断器の断面図である図7に示してある。
【0035】
本発明において所定のタイプの回路遮断器が使用される場合、共通トリップ組立体20を通じて回路遮断器のトリップ機構を同時にリセットすることは可能ではない。従って、故障の後又は遮断器が手動でトリップされた後に、回路遮断器組立体10をリセットするために、回路遮断器のハンドル15を接続することが必要である。図8から図13は、回路遮断器12,14のハンドル15のためのコネクタの3つの異なる実施形態を示している。図8及び図9の実施形態は、留め具52を介してハンドル15における孔17と接続する接続バー50を示している。図10及び図11の実施形態は、単一の部品コネクタ60を示している。単一の部品コネクタ60は、中心ハンドル部分68を有しており、2つの脚部62,64が、中心ハンドル部分68の両側から延在している。脚部62,64の4つすべてが、内側に延在する突起66を有している。4つの突起66は、ハンドル15内の孔17と接続する。
【0036】
図12及び図13は、ハンドルコネクタ80の第3実施形態を示し、この実施形態では、カバー70は、共通トリップ組立体20と回路遮断器12,14のためのハンドル15との双方を隠すためにL字状で形成されている。カバー70は、回路遮断器12,14のためのハンドル15が収容された開放空間76と、ハンドルコネクタ80へのアクセスのための頂部開口部72と、を有している。開放空間76は、ハンドルコネクタ80を収納し、ハンドルコネクタ80が前後にスライドするためのトラックを提供する。ハンドルコネクタ80は、それらの先端でキャビティ84を有する2つの延在部品82を有している。各遮断器12,14のためのハンドル15は、延在部品82の端部においてキャビティ84内に収まっている。回路遮断器12,14を手動でトリップ又はリセットする場合、使用者は、ハンドルコネクタ80を所望の位置に単に動かし、遮断器のハンドル15は、各延在部品82の端部においてキャビティ84によって作動される。図12及び図13に示す実施形態の利点は、L字状ケースが組立体に、より大きな剛性を提供するとともに、ハンドル15が延在する範囲を通って塵及び破片が遮断器12,14の内部に入ることを防止することである。
【0037】
パーツの特別な配置及び特徴などを参照して本発明が説明されたが、これらは、全ての考えられる配置又は特徴を網羅するよう意図されず、実際には、多くの修正及び変形が、当業者には確かめられるであろう。
【符号の説明】
【0038】
12 第1回路遮断器、14 第2回路遮断器、15 第1ハンドル,第2ハンドル、16,18 第1ハウジング,第2ハウジング、21 長尺トリップ部材、24 第1カプラーディスク,第2カプラーディスク、25,70 カバー、30 第1回動接続部、31 第2回動接続部、32 円形開口部、35 第1側面,第2側面、36 2つの端部、40 外縁部、42 内縁部、50,60,80 コネクタ,ハンドルカプラー、52 第1留め具,第2留め具、62,64 脚部、66 第1突起,第2突起、68 中央セクション、84 第1キャビティ,第2キャビティ、105,115 接点、140 第1トリップ機構,第2トリップ機構、145 回路遮断器リンク機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図13