(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
装置本体の内部に収納される引出可能な複数の払出ユニットに、複数の景品を上下方向に集積収納するカセットを収納し、当該カセットから景品を取り出して前記装置本体の外へ払い出す景品払出装置であって、
前記カセットは、
上面及び下面に設けられた開口と、
一側面において前記開口と連続した側面開口が形成された側面開口部と、
前記下面側の前記開口に設けられ、収納されている最下位の景品を保持する景品保持部と、を有し、
前記払出ユニットは、
前記カセットから取り出された景品を一時保留し、景品を前記装置本体の外へと搬送する保留部と、
前記側面開口部に沿って上下方向に移動し、前記カセット内に収納される景品の収納個数を計数する計数部と、
前記カセット内を上下方向に移動可能であり、前記カセット内の最下位景品と接触し、上方へ移動することで前記カセット内の景品を上方向へ押し上げるリフト部と、
前記リフト部によって前記カセットの前記上面側の前記開口から取り出された景品を前記保留部に押し出す押出部と、を有し、
前記計数部と前記リフト部とは、前記カセットの前記側面開口部に臨む位置に設けられており、
前記計数部と前記リフト部とは、互いに独立して上下方向へ動作できることを特徴とする、景品払出装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
<景品払出装置の概要>
図1は、景品払出装置1を前側(従業員が操作する側)から見た斜視図である。この図では、景品払出装置1において従業員側側面の扉5が開かれた状態が示されている。なお、
図1では、上下前後左右の方向を指し示す矢印(方向矢印)が示されており、方向を特定するのにあたって、この方向矢印を参照する(
図1以降の各図においても同様)。ここで、左右方向と幅方向とは同義である。水平方向は、前後方向および左右方向を含んでいる。
【0011】
この景品払出装置1は、遊技施設のフロアに直接据え置かれて使用される。景品の払い出しを受ける客は、景品払出装置1の後側に位置し、従業員は、景品払出装置1の前側に位置して接客を行う。
景品払出装置1で取り扱われる景品2は、遊技施設において遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の数に応じて交換される有価カード体で特殊景品とも呼ばれる。この景品2は、一般的に、1〜3mm程度の厚みを有する樹脂製のカードである(後述する
図3(b)も参照)。景品2には、所定の金銭価値を有する物体が内蔵されており、たとえば、200円、1000円、5000円といった金銭価値に応じた3つの種類が存在する。また、景品2は、その種類を識別するためのRFIDタグ等が内蔵されていたり、偽造等の不正を防止するための処理が施されていることもある。
【0012】
景品払出装置1は、その外郭をなす略直方体形状のキャビネット3と、景品2をカセット11(後述する
図3参照)に積み重ねた状態で収納することができる複数(たとえば7つ)の引出しユニット4とを備えている(
図1では、1つの引出しユニット4が示されている。)。
複数の引出しユニット4は、幅方向に並んだ状態でキャビネット3内に収納される。
【0013】
キャビネット3の上面には、表示部6が設けられている。表示部6は、客側から視認できる第1表示部6Aと、従業員側からのみ視認できる第2表示部6Bとを含んでおり(後述する
図4参照)、それぞれの表示部には、必要な情報が表示される。また、表示部6には、景品払出装置1の動作を制御するために操作される操作キーが設けられる。また、該操作キーとは別に、操作部が設けられる。
【0014】
キャビネット3の上面において、各引出しユニット4の上方位置には、出口7が形成されている。出口7は、引出しユニット4の数に応じて複数形成されている。各出口7は、キャビネット3の内部に連通している。また、各出口7には、シャッタ8が設けられている。シャッタ8は、前後にスライドすることによって、出口7を開閉する。
また、景品払出装置1には、収納された景品2を払い出すための機構として、カセット11(
図3参照)に収納された景品2を上方ヘ持ち上げるためのリフト機構27と、景品2を出口7側へ繰り出すための繰出機構14と、繰り出された景品2を出口7の下方で保留するための保留部28と、保留された景品2を出口7へ向けて持ち上げるためのエレベータ機構29と、出口7まで持ち上げられた景品2をキャビネット3の上面に押し出すための送出機構31とが備えられている(
図4参照)。上述したシャッタ8と、シャッタ8をスライドさせる構成とが、上述した送出機構31に含まれる。これらの機構は、以下で引出しユニット4を説明する際に、個別に説明する。
【0015】
<引出しユニット>
図2は、引出しユニット4の斜視図であって、
図2(a)は、引出部20が閉位置にある状態を示し、
図2(b)は、引出部20が開位置にある状態を示している。
図3(a)は、カセット11の斜視図であり、
図3(b)は、
図3(a)においてカセット11に景品2が目一杯収納された状態を示す。
図4(a)および(b)は、景品払出装置1の縦断面を模式的に示した図である。
【0016】
図2(a)に示すように、各引出しユニット4は、左右方向においてやや薄い中空のボックス形状である。
図2(b)に示すように、引出しユニット4は、その外郭をなすケーシング10と、引出部20と、複数(ここでは4つ)のカセット11(収納部)と、キャリア12とを備えている。引出部20、カセット11およびキャリア12は、常態では、ケーシング10内に収納されている(
図2(a)参照)。キャリア12は、4つのカセット11を前後方向に並んだ状態で一体的に保持する。前後方向に並んだ4つのカセット11を、前から順に、カセット11A、カセット11B、カセット11C、カセット11Dと区別することがある。
【0017】
ケーシング10の前壁には、上下方向に長手の開口21が形成されている。開口21は、ケーシング10内に連通している。
引出部20は、前板22と、後板23と、底板24とを一体的に備えている。前板22は、前側から見て上下方向に長手であり、ケーシング10の開口21をちょうど塞ぎ得る大きさを有している。後板23は、前板22から連続して後側へ延びている。底板24は、前板22の下端と後板23の下端とを繋いでいる。
【0018】
そして、後板23は、ケーシング10において内部を左側から区画する壁面10Aに設けられたレール(図示せず)によって、前後方向へスライド自在に支持されている。これにより、引出部20は、前後方向へスライド自在である。詳しくは、引出部20は、閉位置(
図2(a)参照)と開位置(
図2(b)参照)との間でスライドすることができる。
図2(a)に示すように引出部20が閉位置にある場合には、前板22がケーシング10の開口21を前側から塞いでいる。この状態にある引出部20を前側へ所定量引き出すと、引出部20は、
図2(b)に示す開位置に配置される。引出部20が開位置にある場合には、前板22が開口21の前方に位置して開口21を開き、かつ、後板23のほぼ全てが前側へ引き出されている。
【0019】
図2(b)に示すように、キャリア12は、複数の仕切り17を一体的に備えている。これらの仕切り17は、上下方向に延びる板状であり、所定の間隔を隔てて、前後方向に沿って並んでいる。各カセット11は、隣り合う2つの仕切り17に挟持されることによって、キャリア12に保持される。キャリア12は、引出部20の後板23によって、前後方向へスライド自在に支持されている。ここで、後板23に対するキャリア12の相対位置に関し、最も前側に位置するときのキャリア12の位置を前位置といい(
図4(b)参照)、最も後側に位置するときのキャリア12の位置を後位置という(
図4(a)参照)。
図2(b)では、前位置にあるキャリア12が示されている。
【0020】
また、
図2(b)に示すように、キャリア12の下方には、キャリア12を前後にスライドさせるスライド機構9が設けられている。スライド機構9は、例えばモータ駆動のラックアンドピニオン機構等によって構成されており、引出部20の底板24に固定されている。
図3(a)に示すように、カセット11は、上下方向に長手であり、その平断面は、右側が切り欠かれた略コ字形状をなしている。カセット11の上面および底面は、開放されている。カセット11の右側面は、上述した略コ字形状をなすべく、上下方向における全ての範囲に亘って開放されており、このように開放された部分を開放部25という。開放部25は、カセット11において開放された上面および底面のいずれに対しても連続している。カセット11は、所定の種類の複数枚の景品2を、上下方向に沿って積み重ねた積層状態で最大でたとえば125枚収納することができる(
図3(b)参照)。なお、カセット11の下端には、カセット11内で最下位にある景品2に対して下側から係合する爪26が設けられており、カセット11において開放された底面から景品2が抜け落ちることが防止されている。
【0021】
図4に示すように、ケーシング10内には、カセット11の並び方向(前後方向)に間隔を隔てて並ぶ2つのリフト13が設けられている。各リフト13は、前後左右方向に平坦な板状であって、ケーシング10に支持されており、ケーシング10内で上下方向に沿って昇降することができる。リフト13の待機位置は、ケーシング10の底壁の近くである(点線で示したリフト13を参照)。リフト13と、リフト13を昇降させる構成とが、上述したリフト機構27に含まれる。
【0022】
また、ケーシング10内において、各リフト13の上方には、上述した繰出機構14が配置されている。つまり、繰出機構14は、リフト13の数に応じて2つ設けられている。繰出機構14は、ケーシング10の上壁に隣接するように配置され、ケーシング10に支持されている。
各繰出機構14は、前後方向へスライド自在に支持された移動体18と、回転自在に支持された1対の繰出ローラ19とを含んでいる。移動体18と繰出ローラ19とは、前後方向に沿って並んでいる。移動体18の底面には、下向きに突出した爪18Aが一体的に設けられている。
【0023】
ケーシング10の上壁において、2つの繰出機構14の間に位置する部分には、一時保留部15が形成されている。一時保留部15は、ケーシング10内に連通している。引出しユニット4がキャビネット3に納められている状態では、ケーシング10の一時保留部15は、キャビネット3において対応する出口7に対して、下から対向している。
各繰出機構14では、前後方向において、繰出ローラ19が、移動体18よりも、一時保留部15に近い位置に配置されている。ここで、上述したように前後方向にスライド自在な移動体18の位置に関し、繰出ローラ19に最も近付いたときの移動体18の位置を進出位置といい、繰出ローラ19から最も離れたときの移動体18の位置を退避位置という。
図4では、退避位置にある移動体18が示されており、退避位置が、移動体18の待機位置となる。
【0024】
そして、ケーシング10内において、一時保留部15の下方の空間は、上述した保留部28とされる。保留部28には、上述したエレベータ機構29が設けられている。エレベータ機構29は、エレベータ16を含んでいる。エレベータ16は、前後左右方向に平坦な板状であって、ケーシング10に支持されており、ケーシング10内で上下方向に沿って昇降することができる。エレベータ16が待機位置にあるとき、エレベータ16の上面は、繰出機構14の繰出ローラ19よりも低い位置にある。エレベータ16を昇降させる機構は、エレベータ機構29に含まれる。
【0025】
次に、この景品払出装置1による景品2の払い出し動作について、1つの引出しユニット4に着目して説明する。
まず、キャビネット3の扉5が開かれて、
図2(b)に示すように引出部20が開位置まで引き出される。そして、この状態で、同じ種類の景品2を収納した4つのカセット11(
図3(b)参照)がキャリア12に対して上側から差し込まれ、キャリア12に保持される。その後、引出部20は、閉位置へ押し込まれ(
図2(a)参照)、カセット11およびキャリア12を伴って、ケーシング10内に収納される。このとき、キャリア12は後位置にあるものとする(
図4(a)参照)。そして、扉5(
図1参照)が閉じられると、景品払出装置1による景品2の払い出しが可能となる。
【0026】
このように引出部20が閉位置にあり、キャリア12が後位置にある場合、
図4(a)に示すように、上述した2つのリフト13は、待機位置にある(
図4(a)において点線で示したリフト13を参照)。詳しくは、これらのリフト13のうち、前側のリフト13の上方には、前から1番目のカセット11Aの底面が位置し、後側のリフト13の上方には、前から3番目のカセット11Cの底面が位置している。
【0027】
この状態からキャリア12が前位置へ移動すると、
図4(b)に示すように、4つのカセット11がリフト13に対して前側へ相対移動する。この場合、前側のリフト13の上方には、前から2番目のカセット11Bの底面が位置し、後側のリフト13の上方には、前から4番目のカセット11Dの底面が位置することになる(
図4(b)において点線で示したリフト13を参照)。
【0028】
キャリア12が後位置にある場合には、カセット11Aおよびカセット11Cのいずれか、または、両方から景品2が払い出すことができる(
図4(a)参照)。キャリア12が前位置にある場合には、カセット11Bおよびカセット11Dのいずれか、または、両方から景品2が払い出すことができる(
図4(b)参照)。どのカセット11から景品2を払い出すかは、任意に設定可能である。
【0029】
次に、カセット11Aを例にとって、カセット11から景品2を払い出す手順について具体的に説明する。
まず、
図4(a)に示すように、カセット11Aの下方に位置していたリフト13が、実線で示すように、カセット11Aの開放された底面からカセット11A内を通って上昇する。これにより、カセット11A内の全ての景品2が、このリフト13によって押し上げられる。
【0030】
最上位にある景品2が繰出機構14まで押し上げられると、リフト13の上昇が停止し、繰出機構14が、最上位の景品2を繰り出す。具体的には、退避位置にある移動体18が進出位置まで移動する。カセット11Aの場合、移動体18は、進出位置へ向けて後方へ移動する。このとき、移動体18の爪18Aが最上位の景品2に引っ掛かり、この景品2を1対の繰出ローラ19の間へ搬送する。この後、移動体18は、すぐに退避位置に戻る。そして、この景品2は、回転する1対の繰出ローラ19によって、待機位置にあるエレベータ16(保留部28)側へ放出され、エレベータ16の上面に載置される。
【0031】
そして、リフト13の上昇と繰出機構14による景品2の繰り出しとが、景品2毎に繰り返され、カセット11A内の景品2が、上から順に、エレベータ16に積み重ねられて、保留部28に一時保留される。なお、景品2がエレベータ16に良好に積み重ねられるように、エレベータ16は、待機位置から適宜下降する。具体的には、エレベータ16に景品2が1枚載置される毎に、エレベータ16が下降してもよいし、エレベータ16に所定枚数の景品2が積み重ねられてからエレベータ16が下降してもよい。
【0032】
また、カセット11Aの景品2だけでなく、カセット11Cの景品2も、カセット11Aの場合と同様の手順で、エレベータ16に積み重ねられてもよい。カセット11Aおよびカセット11Cに景品2が無い場合には、キャリア12が後位置から前位置へ移動し(
図4(b)参照)、カセット11Bおよびカセット11Dの景品2が、カセット11Aの場合と同様の手順で、エレベータ16に積み重ねられる。
【0033】
図4(a)に示すように、払い出しに必要な枚数の景品2がエレベータ16に積み重ねられると、キャビネット3の上面において、対応するシャッタ8が、前側へ移動し、このエレベータ16の上方にある出口7を開く。これに伴い、エレベータ16が、引出しユニット4の一時保留部15を介して、出口7まで上昇する。そして、エレベータ16の上面がキャビネット3の上面と面一になるまでエレベータ16が上昇すると、シャッタ8が、出口7を閉じようと後側へ移動し、そのときに、エレベータ16の上面に積み重ねられた景品2を、キャビネット3の上面に押し出す。これにより、景品2が客側(後側)へ払い出される。
【0034】
<計数装置>
図5は、
図2(a)において内部が露出されるように引出しユニット4を部分的に切欠いた図である。
図6は、引出しユニット4の内部の部分的な斜視図である。
引出しユニット4には、カセット11に積層状態で収納された景品2の枚数をカセット11毎に数えるための計数手段としての計数装置30が備えられている。
【0035】
図4に示すように、計数装置30は、各引出しユニット4において、前後方向に間隔を隔てて2つ設けられている。前側の計数装置30は、前側のリフト13と前後方向においてほぼ一致する位置に配置されており、後側の計数装置30は、後側のリフト13と前後方向においてほぼ一致する位置に配置されている。なお、
図5では、後側の計数装置30のみ図示されている。
【0036】
図6に示すように、各計数装置30は、上下方向に沿ってスライド自在となるように、引出しユニット4のケーシング10の右壁10Bの内面に支持されている。引出しユニット4には、各計数装置30に関連して、第1モータ32が設けられている。第1モータ32は、駆動されることによってタイミングベルト等を動かし、これにより、対応する計数装置30を上下方向にスライドさせる。つまり、第1モータ32は、計数装置30を上下方向に相対変位させる機構であり、計数装置30を構成する一部となっている。
【0037】
また、上述したようにリフト13の待機位置がケーシング10の底壁の近くであるのに対し(
図6では待機位置にあるリフト13が示されている。)、待機位置にある計数装置30は、
図6に示すように、ケーシング10の上壁の近くにあり、かつ、リフト13の上方にある。なお、計数装置30とリフト13とは左右方向に互いにずれた位置にあるので、計数装置30とリフト13とが動作中に互いに干渉することはない。
【0038】
なお、対応するリフト13も、計数装置30と同様に、右壁10Bの内面に支持されており、右壁10Bには、リフト13を昇降させるための第2モータ33が取り付けられている。第2モータ33は、駆動されることによってタイミングベルト等を動かし、これにより、リフト13を昇降させる。第2モータ33は、上述したリフト機構27に含まれる。
【0039】
計数装置30は、ケーシング10に収容されたカセット11に対して右側から隣接配置される。詳しくは、
図5に示すように、計数装置30は、対応するカセット11の開放部25(
図3参照)に対して右側から対向することができる。
図4(b)では、カセット11を保持するキャリア12が前位置にある状態が示されており、この状態で、前側の計数装置30は、前から2番目のカセット11Bと前後方向において一致してこのカセット11Bの開放部25に対向可能であり、後側の計数装置30は、前から4番目のカセット11Dと前後方向において一致してこのカセット11Dの開放部25に対向可能である。キャリア12が前位置から後位置へ移動すると、
図4(a)に示すように、4つのカセット11が計数装置30に対して後側へ相対移動する。そのため、この状態では、前側の計数装置30は、前から1番目のカセット11Aと前後方向において一致してこのカセット11Aの開放部25に対向可能となり、後側の計数装置30は、前から3番目のカセット11Cと前後方向において一致してこのカセット11Cの開放部25に対向可能となる。
【0040】
ここで、キャリア12が後位置にあるときのカセット11A〜Dの前後方向位置を第1位置とし(
図4(a)参照)、キャリア12が前位置にあるときのカセット11A〜Dの前後方向位置を第2位置とする(
図4(b)参照)。キャリア12が後位置と前位置との間で前後方向へスライドするのに応じて、カセット11A〜Dは、一体となって、第1位置と第2位置との間で計数装置30に対して前後方向へ相対移動する。
【0041】
そして、上述した表示部6の操作キーが操作されて計数動作の実行が指示されると、第1モータ32(
図6参照)が駆動され、計数装置30は、対応するカセット11の開放部25(
図3参照)に対して右側から対向しつつ、上下にスライドする(
図5も参照)。このとき、計数装置30は、カセット11において開放部25から露出されている景品2(
図3(b)参照)の枚数を数える。具体的に、計数装置30は、カセット11A〜Dが第1位置にあるときには(
図4(a)参照)、カセット11AおよびCに収納された景品2の枚数を数え、カセット11A〜Dが第2位置にあるときには(
図4(b)参照)、残りのカセット11(つまりカセット11BおよびD)に収納された景品2の枚数を数える。そのため、計数装置30をカセット11の数に応じて増設しなくても、2つの計数装置30によって、4つ全てのカセット11に収納された景品2の枚数を数えることができる。そのため、部品点数の削減を図ることができる。そして、各計数装置30がカセット11毎に景品2の枚数を数えるので、どのカセット11に何枚の景品2が収納されているのかを把握することができる。このとき、2つのカセット11(カセット11Aおよび11C、あるいはカセット11Bおよび11D)に収納される景品2の枚数を同時に計数すれば、計数時間の短縮が可能となる。
【0042】
そして、計数装置30が数えた景品2の枚数のデータは、上述した表示部6(厳密には第2表示部6B)や、景品払出装置1に接続される景品管理装置(図示せず)の表示画面に表示され、これにより、景品払出装置1の各カセット11内に収納された景品2の枚数が一括管理される。もちろん、このデータが、印刷機器(図示せず)に出力されて紙に印字されてもよいし、外部のデータベース(図示せず)に保存されてもよい。そのため、この景品払出装置1には、このデータを外部出力するための構成が備えられている。また、この景品払出装置1には、外部機器(図示せず)と通信するための構成が備えられており、外部機器(図示せず)からの指示によって景品2の計数を実行することができる。
【0043】
次に、計数装置30がカセット11の景品2の枚数を数える具体的構成について、複数の例を挙げて説明する。
(1)第1の例
図7(a)は、第1の例に係る計数装置30の斜視図である。
図7(b)は、第1の例に係る計数装置30が景品2の枚数を数える様子を説明するための図である。
【0044】
第1の例に係る計数装置30は、
図7(a)に示すように、フレーム35と、1対の揃えローラ36(揃え機構)と、光学センサ37とを備えている。上述したように計数装置30が上下方向(景品2の積層方向)にスライド自在であることから、計数装置30に備えられたローラ36および光学センサ37は、上下方向に相対変位可能である。
1対の揃えローラ36は、互いに前後方向に間隔を隔てつつ、フレーム35の左側面(カセット11の開放部25(
図3参照)に対向する面)に配置されており、フレーム35によって支持されている。揃えローラ36は、前後方向に延びる軸を中心として回転自在である。
【0045】
光学センサ37は、揃えローラ36より上方において、フレーム35の左側面に取り付けられている。光学センサ37は、いわゆる反射型センサであり、赤外線LED等から構成される発光素子(図示せず)と、発光素子(図示せず)に発光された光のうち、検知物に当たって反射した光を受ける受光素子(図示せず)とを備えている。
このよう計数装置30がカセット11の景品2の枚数を数える場合、
図7(b)を参照して、まず、計数装置30が、カセット11に積層状態で収納された景品2の右側面2Aに右側から対向した状態で、待機位置から下方へスライドする。ここで、カセット11に積層状態で収納された全ての景品2の右側面2Aをまとめて積層側面2Bという。計数装置30が下方へスライドする際、揃えローラ36が、カセット11に積み重ねられた景品2に対して、上側の景品2から順に、カセット11の開放部25を介して右側から接触する。これにより、景品2は、上側の景品2から順に、カセット11の左壁の内面へ押し付けられていく。このとき、光学センサ37は、積層側面2Bに対して、所定の間隔を隔てて右側から対向している。
【0046】
そして、
図7(b)に示すように、揃えローラ36が全ての景品2に接触し終えるまで計数装置30が下方へ移動すると、カセット11において上下に隣り合う景品2の右側縁は、揃えローラ36によって、上下方向に沿って直線状に並ぶように揃えられる。
その後、計数装置30は、待機位置へ向けて上方ヘスライドする。計数装置30の上方へのスライドに伴い、光学センサ37が、上述した景品2の積層側面2Bに対して所定の間隔を隔てて右側から対向した状態で上昇する。光学センサ37が上昇している最中において、光学センサ37では、発光素子(図示せず)が、下側の景品2から順に、景品2の右側面2Aに向けて投光し、この景品2の右側面2Aで反射される反射光が受光素子(図示せず)に受光される。ここで、上下に隣り合う景品2の右側面2Aの境界Xに発光素子(図示せず)からの光が当てられた場合、景品2の右側面2Aに光が当てられる場合と比べて、受光素子(図示せず)が受光する反射光の量(受光量)が変化する。そのため、光学センサ37において、受光素子(図示せず)での受光量が変化する毎に、計数装置30は、景品2が1枚あるとカウントする。そして、同様の手順により、計数装置30は、下側の景品2から順に1枚ずつ景品2をカウントして景品2の枚数を数え、待機位置に戻ったときには、全ての景品2の計数を完了する。
【0047】
以上のように、第1の例に係る計数装置30は、光学センサ37の受光素子(図示せず)の受光信号の変化に応じて、非接触で景品2の枚数を数える。これにより、計数装置30を景品2から離すことができるので、設計の自由度を高めることができる。
また、揃えローラ36がカセット11において隣り合う景品2の側縁(右側縁)を揃えるので、計数装置30は、側縁が揃って整然と積層された状態にある景品2の枚数を数えることができる。そのため、計数装置30は、数え損なうことなく、正確に景品2の枚数を数えることができる。
【0048】
なお、光学センサ37は、上述した受光タイミングのずれを明確に検知できるように、景品2からの光の反射率等に応じて、適宜調整可能である。
(2)第2の例
図8(a)は、第2の例に係る計数装置30の斜視図である。
図8(b)および
図8(c)は、第2の例に係る計数装置30が景品2の枚数を数える様子を説明するための図である。
【0049】
なお、第2の例に係る計数装置30の説明に際し、第1の例に係る計数装置30と対応する部品には、同一の符号を付して説明を省略する。
図8(a)に示すように、第2の例に係る計数装置30は、第1の例における光学センサ37(
図7(a)参照)の代わりに接触子39を備えている。接触子39は、たとえば、樹脂製であり、フレーム35によって、左右にスライド自在に支持されており、常には、板ばね34等(
図8(c)参照)によって、左側(カセット11の景品2側)へ向けて付勢されている。計数装置30が上下方向にスライド自在であることから、計数装置30に備えられた接触子39は、上下方向に相対変位可能である。
【0050】
このような計数装置30がカセット11の景品2の枚数を数える場合、まず、第1の例と同様に計数装置30が待機位置から下方へスライドし、
図8(b)に示すように、全ての景品2の右側縁が揃えローラ36によって揃えられる。
その後、計数装置30は、待機位置へ向けて上方ヘスライドする。計数装置30の上方へのスライドに伴い、接触子39が、上述した景品2の積層側面2Bに対して右側から対向した状態で上昇する。詳しくは、接触子39は、下側の景品2から順に、右側面2Aに対して右側から接触しつつ上昇する。ここで、接触子39は、景品2の右側面2Aに接触しながら上昇しているときには、ほとんど左右に動かないが、上下に隣り合う景品2の右側面2Aの境界Xに差し掛かったときには、左側へ若干移動(変位)する。そのため、計数装置30の上昇中において接触子39が境界Xにおいて左側へ移動する毎に、計数装置30は、景品2が1枚あるとカウントする。そして、同様の手順により、計数装置30は、下側の景品2から順に1枚ずつ景品2をカウントして景品2の枚数を数え、待機位置に戻ったときには、全ての景品2の計数を完了する。
【0051】
以上のように、第2の例に係る計数装置30は、接触子39の接触変位出力により景品2の枚数を数える。つまり、この計数装置30では、景品2の計数に際して接触子39が景品2に接触することから、この計数装置30を用いることによって、数え損なうことなく、正確に景品2の枚数を数えることができる。
なお、このように接触子39自体の左右の変位に基づいて景品2をカウントするのに代えて、
図8(c)に示すように、接触子39の変位に伴う板ばね34の歪み量を歪みゲージ38等で検出し、この歪み量を接触子39の変位量の代わりに用いて景品2をカウントしてもよい。さらに、接触子39の変位量が微小である場合には、この変位量を増幅した値に基づいて景品2をカウントしてもよい。
【0052】
また、接触子39は、移動中に景品2に引っ掛からないように、角が丸められているとよい。
なお、第1の例および第2の例では、計数装置30は、景品2の側縁を揃えるために一端下降し、その後上昇するときに景品2の枚数を数えているが、下降する際に、景品2の側縁を揃えつつ景品2の枚数を数えてもよい。
(3)第3の例
図9は、第3の例に係る計数装置30の斜視図である。
図10A〜Fは、第3の例に係る計数装置30が景品2の枚数を数える様子を説明するための図である。
【0053】
なお、第3の例に係る計数装置30の説明に際し、第1および第2の例に係る計数装置30と対応する部品には、同一の符号を付して説明を省略する。
第3の例に係る計数装置30は、
図9に示すように、ボックス形状のフレーム35を有しており、フレーム35内に、1対の押さえレバー40と、上面検知レバー41と、上面検知センサ46(
図10A参照)と、カウントレバー45と、めくりローラ42と、1対の掻き上げローラ43と、ポジションセンサ44(
図10A参照)と、1対の支えレバー47とを備えている。押さえレバー40、上面検知レバー41、上面検知センサ46、カウントレバー45、めくりローラ42、掻き上げローラ43、ポジションセンサ44および支えレバー47は、めくり機構49を構成する。なお、
図10A〜Fでは、説明の便宜上、めくりローラ42の輪郭が太線で示されている。
【0054】
図9に示すように、1対の押さえレバー40は、互いに前後方向に間隔を隔てて、フレーム35の下端部に配置されており、景品2に臨みつつ左上側へ延びるように傾斜している(
図10A参照)。
図10Aに示すように、押さえレバー40は、その下端部に揺動軸40Aを有しており、この揺動軸40Aを中心として、揺動自在である。押さえレバー40は、常には、景品2側へ向けて付勢されており、フレーム35からはみ出して景品2側(左側であり、以下同じ。)へ臨んでいる。
【0055】
上面検知レバー41は、押さえレバー40の上方に配置されており、景品2に臨みつつ左下側へ延びるように傾斜している。
図9に示すように、上面検知レバー41は、前後方向に延びる揺動軸41Aを有しており、この揺動軸41Aを中心として、揺動自在である。また、
図10Aに示すように、上面検知レバー41は、揺動軸41Aを中心として右側へ扇状に広がる被検知部41Bを一体的に備えている。上面検知レバー41は、被検知部41Bが上限に位置する上位置(
図10A参照)と被検知部45Bが下限に位置する下位置(
図10B参照)との間で揺動自在であるが、常には、上位置に位置するように付勢されている。上位置にある上面検知レバー41は、上述したように左下側へ傾斜し、フレーム35からはみ出して景品2側へ臨んでいる。
【0056】
上面検知センサ46は、下位置にある上面検知レバー41の被検知部41Bに一致する位置に配置されている(
図10B参照)。上面検知センサ46は、上面検知レバー41が下位置にあるか否かを検知することができる。
図9に示すように、カウントレバー45は、上面検知レバー41の前側に配置されている。カウントレバー45は、上面検知レバー41の揺動軸41Aと同軸をなす揺動軸45Aを有しており、この揺動軸45Aを中心として、揺動自在である。なお、上面検知レバー41およびカウントレバー45は、
図10A〜Fでは、ほとんど重なっている。
図10Aに示すように、カウントレバー45は、揺動軸45Aを中心として右側へ扇状に広がる被検知部45Bを一体的に備えている。カウントレバー45の被検知部45Bは、上面検知レバー41の被検知部41Bよりも小さい。カウントレバー45は、被検知部45Bが上限に位置する上位置(
図10A参照)と被検知部45Bが下限に位置する下位置(
図10B参照)との間で揺動自在であるが、常には、上位置に位置するように付勢されている。
【0057】
カウントレバー45に関連して、計数装置30には、カウントレバー45の位置を検知することができるカウントセンサ(図示せず)が設けられている。
図9に示すように、めくりローラ42は、上面検知レバー41とカウントレバー45との間で、回転自在に配置されている。めくりローラ42の回転軸は、前後方向に延びている。めくりローラ42の回転方向は、
図10Aでは時計回りの方向である(
図10B〜Fでも同様)。めくりローラ42の外周面は、ウレタンなどの弾性部材で被覆されている。また、めくりローラ42の外周面において、周上1箇所が、径方向外側へ突き出ており、この部分は、突出部42Aとされる。めくりローラ42は、その回転軸とともに、左右へ移動可能であり、常には、外周面の一部がフレーム35からはみ出して景品2側へ臨むように、左側へ付勢されている。
【0058】
図9に示すように、1対の掻き上げローラ43は、互いに前後方向に間隔を隔てて、上面検知レバー41およびカウントレバー45の上方に配置されている(
図10A参照)。掻き上げローラ43は、前から見て、略半円形状をなしており(
図10Aも参照)、その円中心部分を中心として
図10Aでは時計回りの方向へ回転自在である。掻き上げローラ43の一部は、フレーム35からはみ出して景品2側へ臨んでいる。
図10Aに示すように掻き上げローラ43が待機位置にある場合には、掻き上げローラ43では、円弧部分が下側に位置する。そして、掻き上げローラ43が待機位置にある状態を基準として、掻き上げローラ43においてフレーム35からはみ出して景品2側へ臨む部分は、フック部分48とされ、景品2側へ向かうに従って上向きに湾曲するように突出している。掻き上げローラ43が回転すると、フック部分48も、掻き上げローラ43と一体となって
図10Aでは時計回りの方向へ回転する(
図10B〜Fでも同様)。
【0059】
ポジションセンサ44は、掻き上げローラ43の右側に配置されており、掻き上げローラ43が待機位置にあるか否かを検知することができる。
図9に示すように、1対の支えレバー47は、互いに前後方向に間隔を隔てて、フレーム35の上端部に配置されている。支えレバー47は、その上端部に揺動軸47Aを有しており、この揺動軸47Aを中心として、揺動自在である。
図10Aに示すように、支えレバー47は、常には、景品2側へ向けて付勢されており、その一部がフレーム35からはみ出して景品2側へ臨んでいる。支えレバー47においてフレーム35からはみ出して景品2側へ臨む部分は、景品2側へ向かって細くなる三角形状に形成されており、支え部47Bとされる。
【0060】
このような計数装置30がカセット11の景品2の枚数を数える場合、まず、
図10Aの太線矢印で示すように、計数装置30が待機位置から下方へスライドする。計数装置30の下方へのスライドに伴い、めくり機構49が、上述した景品2の積層側面2Bに対して右側から対向した状態で下降する。
計数装置30の下降に伴い、めくり機構49では、最初に、押さえレバー40が、右上側から最上位の景品2を押さえる。これにより、この景品2がカセット11の左壁の内面へ押し付けられる。
【0061】
計数装置30が引き続き下降すると、図示されていないが、押さえレバー40が、景品2の右側面2Aを左側へ押しながら下降し、上位置にある上面検知レバー41およびカウントレバー45の各左端部が、最上位の景品2の上面に当接する。このとき、めくりローラ42が、この景品2の右側縁に対して右上から接近している。
そして、
図10Bに示すように計数装置30がさらに下降すると、上面検知レバー41およびカウントレバー45の各左端部が、最上位の景品2の上面に当接しつつ上向きに揺動する。これにより、上面検知レバー41およびカウントレバー45が上位置(
図10A参照)から下位置(
図10B参照)へ揺動する。上面検知レバー41が下位置まで揺動すると、上面検知センサ46は、上面検知レバー41が下位置にあることを検知する。
【0062】
上面検知センサ46の検知に応じて、計数装置30の下降が一端停止する。これにより、上面検知レバー41およびカウントレバー45の揺動が停止する。代わりに、めくりローラ42が、時計回りの方向へ1回転する。そのため、めくりローラ42の突出部42Aも時計回りの方向へ回転する。この突出部42Aは、回転途中において最上位の景品2の右端に接触すると、この状態を保ったまま、上側へ移動する。これにより、
図10Cに示すように、この景品2が、右端側においてめくり上げられる。このとき、押さえレバー40は、めくり上げられている景品2(ここでは最上位の景品2)の下の景品2の右側面2Aを左側へ押しているので、最上位の景品2がめくり上げれるのに伴って下の景品2が浮き上がることが防止される。
【0063】
なお、めくりローラ42は、上述したように左右へ移動可能なので、めくられようとする景品2とめくりローラ42との左右方向における相対位置が景品2の寸法誤差等に応じて異なっていても、左右へ適宜移動することによって、どのような景品2でもめくり上げることができる(
図10Cでは、めくりローラ42が右側へ移動した状態が示されている。)。
【0064】
また、上面検知センサ46の検知に応じて、めくりローラ42だけでなく、待機位置にあった掻き上げローラ43も、時計回りの方向へ1回転する。
図10Cに示すようにめくりローラ42によって景品2がめくり上げれると、
図10Dに示すように、1回転する途中の掻き上げローラ43のフック部分48が、めくり上げられた景品2の右端の下側(めくり上げられた景品2とこの景品2の下の景品2との隙間Y)に潜り込む。そして、掻き上げローラ43が引き続き回転することにより、この景品2の右端が、フック部分48によって掻き上げられる。なお、押さえレバー40は、掻き上げられている景品2(ここでは最上位の景品2)の下の景品2の右側面2Aを引き続き押しているので、最上位の景品2が掻き上げれるのに伴って下の景品2が浮き上がることが防止される。
【0065】
ここで、このように計数装置30の下降が一端停止した状態では、上面検知レバー41およびカウントレバー45の各左端部が、最上位の景品2の右端に上から当接している。そのため、回転する掻き上げローラ43によって最上位の景品2の右端がかき上げられると、上面検知レバー41およびカウントレバー45は、この景品2に下から押圧されることよって、揺動する。
【0066】
そして、
図10Eに示すように、掻き上げローラ43が引き続き回転すると、最上位の景品2の右端が一層かき上げられる。これに伴い、この景品2の右端は、かき上げられながら支えレバー47の支え部47Bを右側へ押す。これにより、支えレバー47は、右側へ退避するように揺動する。また、上面検知レバー41およびカウントレバー45の各左端部が、この景品2から外れ、この景品2の下方(隙間Y)において、上位置(
図10Aも参照)に戻る。このとき、掻き上げローラ43の1回転が完了し、掻き上げローラ43は待機位置に戻る。そして、ポジションセンサ44は、掻き上げローラ43が待機位置に戻ったことを検知する。なお、待機位置に戻った掻き上げローラ43では、フック部分48に、掻き上げられた景品2の右端が載置されており、この景品2が掻き上げられた状態(
図10E参照)が維持されている。
【0067】
また、このとき、上述したカウントセンサ(図示せず)が、カウントレバー45が上位置に戻ったことを検知する。カウントレバー45が上位置に戻ったことが1回検知されることにより、計数装置30は、景品2が1枚あるとカウントする。
そして、上述したポジションセンサ44の検知に応じて、これまで静止状態にあった計数装置30が、再び下降する(図示した太い実線矢印参照)。計数装置30の下降に伴い、支えレバー47の支え部47Bも下降する。これにより、
図10Fに示すように、支え部47Bが、掻き上げられた最上位の景品2の右端の下側へ移動すると、支えレバー47は、左側へ進出するように揺動し、支え部47Bに最上位の景品2の右端が載置される。そのため、最上位の景品2は、右端が左端より高くなるように傾いた状態で、支えレバー47に支持される。
【0068】
また、計数装置30の下降に伴い、上面検知レバー41およびカウントレバー45の各左端部が、最上位の景品2の下の景品2の上面に当接して揺動する。そして、上面検知センサ46が、上述したように上面検知レバー41が下位置(
図10Bも参照)まで揺動したことを検知すると、計数装置30の下降が再び停止する。ここで、計数装置30の一度の下降量は、景品2の上下方向の厚さに相当する。
【0069】
次いで、このように最上位の景品2が支えレバー47に支持されて計数装置30の下降が停止した状態で、計数装置30のめくり機構49は、最上位の景品2の場合と同様の手順で、最上位の景品2の下の景品2を、めくり上げて(掻き上げて)、支えレバー47に支持させる。このとき、支えレバー47は、2枚の景品を支持することになる。その後、計数装置30が下限まで下降すると、全ての景品2がめくり上げられて支えレバー47に支持される。ここで、景品2が1枚めくり上げられる毎に、計数装置30は、上述したように景品2をカウントして景品2の枚数を数えるので、全ての景品2がめくり上げられたときには、全ての景品2の計数を完了する。
【0070】
以上のように、第3の例に係る計数装置30は、めくり機構49が上下方向に相対変位しながら景品2を1枚ずつめくるのに応じて、景品2の枚数を数える。つまり、この計数装置30では、めくり機構49が景品2を1枚めくる毎に景品2の枚数を数えられる。そのため、この計数装置30を用いることによって、数え損なうことなく、正確に景品2の枚数を数えることができる。
【0071】
なお、第1および第2の例で示した揃えローラ36(
図7および
図8参照)が第3の例に係る計数装置30に設けられてもよい。
そして、第1〜第3の例に示したように、この景品払出装置1には、
図4に示すように、カセット11に積層状態で収納された複数枚の景品2の枚数を相対変位によって数える計数装置30が含まれている。そのため、この景品払出装置1に何枚の景品2が収納されているのかを把握することができる。つまり、この景品払出装置1は、景品2の計数機能を有することから、景品2の収納枚数を自動的に管理できるので、景品2の枚数管理の自動化に寄与できる。また、このように計数装置30を相対変位させるといった簡易な構成で、景品2の枚数を計数することができる。
【0072】
特に、従来、遊技施設において、開店時や従業員の交代時や景品補充時や閉店時等の所定のタイミングに手作業で景品2を数える場合には1時間程度を要しており、従業員が被る負担が大きかった。さらに、遊技施設の営業時間中に景品2を数える場合には、その間、景品払出装置1では景品2の払い出しが行えない不具合が生じる。
しかし、この景品払出装置1では、計数装置30を用いることによって、上記タイミングにおいて、自動的かつ迅速に景品2の枚数を数えることができるので、このような負担をなくすことができる。
【0073】
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、計数装置30が景品2を正確に計数するための処置(計数装置30を精度良く移動させる機構の適用や計数装置30の最適配置等)は、必要に応じて適宜実施される。
【0074】
また、上記の実施形態では、遊技施設のフロアに直接据え置かれる景品払出装置1を例示したが、本発明は、遊技施設のカウンタ等に載せられる卓上タイプの景品払出装置(上記特許文献2参照)にも適用可能である。
図11は、卓上タイプの景品払出装置に用いられるカセット11の斜視図である。
図11に示すような卓上タイプの景品払出装置に用いられるカセット11にも、上述した開放部25が形成されており、計数装置30(
図5参照)は、この開放部25を介して、カセット11に収納された景品2の枚数を数えることができる。
【0075】
また、上記の実施形態では、計数装置30が、景品2に対して移動することによって、景品2の枚数を数えている(
図7〜
図10F参照)。これに代え、計数装置30を所定位置で固定する一方で景品2を計数装置30に対して移動させることによって、計数装置30が景品2の数を数えてもよい。
図12は、
図4に変形例を適用した図である。
【0076】
図4に示すように、上記の実施形態の各引出しユニット4では、リフト13が2つ設けられているのに対して、計数装置30が、リフト13と前後方向において一致する位置に1つずつ(合計2つ)設けられている。つまり、計数装置30は、リフト13に対して、1対1の関係で配置されている。この場合、各計数装置30では、リフト13が上昇することで景品2が払い出されている最中に、払い出されている景品2が収容されていたカセット11(
図4(a)ではカセット11AおよびC)の景品2の計数をおこなうことが困難であり、また、景品2の払い出しが行われていないカセット11(
図4(a)ではカセット11BおよびD)の景品2の計数をおこなうことができない。
【0077】
そこで、
図12に示す変形例に係る景品払出装置1では、計数装置30が、リフト13と前後方向においてずれる位置に4つ設けられている。つまり、計数装置30(4つ)は、リフト13(2つ)に対して、2対1の関係で配置されている。
ここで、変形例に係る景品払出装置1では、キャリア12が前位置(
図12(b)参照)および後位置(
図12(a)参照)のいずれにある場合においても、エレベータ16の下方にカセット11が配置されないようになっている。
【0078】
そして、各リフト13の前後両側に1つずつ計数装置30が配置されている。以下では、4つの計数装置30を、前から順に、計数装置30A、計数装置30B、計数装置30C、計数装置30Dと区別する。
キャリア12が後位置にある場合には、
図12(a)に示すように、前側のリフト13は、前から1番目のカセット11Aの景品2を払い出すことができる一方で、後側のリフト13は、前から3番目のカセット11Cの景品2を払い出すことができる。このとき、前から1番目の計数装置30Aおよび3番目の計数装置30Cは、前後方向において、いずれのカセット11とも一致しないので、景品2の計数を行うことができない。これに対し、前から2番目の計数装置30Bは、前後方向において、前から2番目のカセット11Bと一致するので、このカセット11Bに収納された景品2を計数することができる。そして、前から4番目の計数装置30Dは、前後方向において、前から4番目のカセット11Dと一致するので、このカセット11Dに収納された景品2を計数することができる。
【0079】
一方、キャリア12が前位置にある場合には、
図12(b)に示すように、前側のリフト13は、前から2番目のカセット11Bの景品2を払い出すことができる一方で、後側のリフト13は、前から4番目のカセット11Dの景品2を払い出すことができる。このとき、前から2番目の計数装置30Bおよび4番目の計数装置30Dは、前後方向において、いずれのカセット11とも一致しないので、景品2の計数を行うことができない。これに対し、前から1番目の計数装置30Aは、前後方向において、前から1番目のカセット11Aと一致するので、このカセット11Aに収納された景品2を計数することができる。そして、前から3番目の計数装置30Cは、前後方向において、前から3番目のカセット11Cと一致するので、このカセット11Cに収納された景品2を計数することができる。
【0080】
つまり、この変形例に係る景品払出装置1では、キャリア12が後位置にある場合には(
図12(a)参照)、カセット11Aおよび11Cの景品2が払い出されている最中に、カセット11Bおよび11Dに収納された景品2を計数することもできる。そして、キャリア12が前位置にある場合には(
図12(b)参照)、カセット11Bおよび11Dの景品2が払い出されている最中に、カセット11Aおよび11Cに収納された景品2を計数することもできる。これにより、この景品払出装置1では、景品2の払い出しおよび計数を迅速に実行できる。
【0081】
また、景品2の形状は、カード状に限定されず、積層状態で収納できるものであれば、箱状の景品2も取り扱うことができる。
また、景品2の計数動作のタイミングは、景品払出装置1の上述した操作キーが操作される場合以外に、通信可能に接続される景品管理装置(図示せず)から実行指示を受けた場合や、予め設定された条件(タイマー設定、扉5の開閉検知時)が成立したときであってもよい。
【0082】
また、景品2を客側に払出すタイプ(客側投出タイプ)の景品払出装置1について説明したが、本発明は、景品2を店員側に払出すタイプ(店側投出タイプ)の景品払出装置1にも適用可能である。店側投出タイプの景品払出装置1では、店員側に払出された景品2を、店員が手にとって客に手渡す。