(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6240763
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】熱ターボ機械のためのロータ
(51)【国際特許分類】
F04D 29/32 20060101AFI20171120BHJP
F01D 5/06 20060101ALI20171120BHJP
F04D 19/02 20060101ALI20171120BHJP
F04D 29/58 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
F04D29/32 C
F01D5/06
F04D19/02
F04D29/58 R
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-526492(P2016-526492)
(86)(22)【出願日】2014年6月26日
(65)【公表番号】特表2016-525642(P2016-525642A)
(43)【公表日】2016年8月25日
(86)【国際出願番号】EP2014063561
(87)【国際公開番号】WO2015007494
(87)【国際公開日】20150122
【審査請求日】2016年5月13日
(31)【優先権主張番号】13176855.8
(32)【優先日】2013年7月17日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508008865
【氏名又は名称】シーメンス アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】カリン・コスタマグナ
(72)【発明者】
【氏名】カルステン・コルク
(72)【発明者】
【氏名】セバスティアン・シュトック
(72)【発明者】
【氏名】ヴァチェスラフ・ヴァイツマン
【審査官】
田谷 宗隆
(56)【参考文献】
【文献】
特公昭45−003841(JP,B1)
【文献】
米国特許第05700130(US,A)
【文献】
独国特許出願公開第19617539(DE,A1)
【文献】
特表2013−510259(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/32
F01D 5/06
F04D 19/02
F04D 29/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ機械のロータ(10)であって、前記ロータ(10)の内部に媒体を誘導するために構成されているロータ(10)のための、ロータディスク(42)であって、前記ロータディスク(42)は、前記ロータディスク(42)の回転軸(13)の全周にわたって延在するディスクウェブ(26)を有しており、
前記ディスクウェブは、前記回転軸(13)に対して前記ディスクウェブ(26)の径方向内側の端部において、中央開口部(30)を備えたハブ領域(28)と、前記ディスクウェブ(26)の径方向外側の端部において、ロータブレード(31)を受容するための環状領域(32)と、を有しており、
前記ハブ領域(28)は、軸方向において両側に突出長さ(44)を有しており、
前記ハブ領域(28)の2つの突出長さ(44)のうち少なくとも1つは、外側を向いた自由端を有する環状の補助ウェブ(46)を含んでおり、それによって環状の凹部(48)が形成されており、
前記環状領域(32)において、両方のディスク面に、横方向に突出したカラー(33)が配置されており、前記カラー(33)のカラー高さは、関連する前記突出長さ(44)の高さよりもわずかに大きく、
前記カラー(33)は、隣接するロータディスク(42)のカラー(33)に接していることを特徴とするロータディスク(42)。
【請求項2】
圧縮機ディスク(18)又はタービンディスク(18)として構成されている請求項1に記載のロータディスク(42)。
【請求項3】
互いに接触しているロータディスク(18)の対(25)を少なくとも1つ有する、ターボ機械のためのロータ(10)であって、
前記対(25)の両方のロータディスクのうち第1のロータディスク(34)は、前記ロータディスク(34)の回転軸(13)の全周にわたって延在するディスクウェブ(26)を有しており、前記ディスクウェブは、前記回転軸(13)に対して前記ディスクウェブ(26)の径方向内側の端部において、中央開口部(30)を備えたハブ領域(28)と、前記ディスクウェブ(26)の径方向外側の端部において、ロータブレード(31)を受容するための環状領域(32)とを有しており、
前記環状領域(32)から、円周に沿って分散するよう配置された開口部(36)が、内側に向かって前記ディスクウェブ(26)を貫通しており、前記開口部は、前記ロータディスク(34)の、径方向に対して斜めに配置された環状面(38)に開口しており、
前記ハブ領域(28)は、前記環状面(38)に対して径方向内側に隣接する様式で、前記開口部(36)を通って流れることができる空気の流れをさらに誘導するための多数のリブ(40)を有しており、
前記対(25)の2つのロータディスクのうち第2のロータディスク(42)は、請求項1または2に従って構成されており、
前記対(25)の前記第1及び前記第2のロータディスク(34、42)の配置は、リブ(40)及び補助ウェブ(46)が対向するように選択されている、ロータ(10)。
【請求項4】
前記リブ(40)の径方向に検出可能な延在部分と、前記補助ウェブ(46)及び前記突出長さ(44)の径方向に検出可能な延在部分とが、前記リブ(40)及び前記補助ウェブ(46)又は前記突出長さ(44)が外側でも内側でも同じ半径で終端するように、互いに調整されている、請求項3に記載のロータ(10)。
【請求項5】
各リブ(40)が、内側から外側へ、径方向に沿って延在している、請求項3又は4に記載のロータ(10)。
【請求項6】
前記リブ(40)のうち少なくとも1つが、その径方向外側を向いた端部において、自由端を有する延長部分(41)を有している、請求項3から5のいずれか一項に記載のロータ(10)。
【請求項7】
前記第1のロータディスク(34)が、前記第2のロータディスク(42)に対応する様式で、圧縮機ディスク(18)又はタービンディスク(18)として構成されている、請求項3から6のいずれか一項に記載のロータ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱ターボ機械のための、内部に媒体を誘導するために構成されているロータに関する。
【背景技術】
【0002】
軸流圧縮機及びガスタービン等の熱ターボ機械のためのロータは、大量に存在する先行技術から、様々な型のものが知られている。例えば、ガスタービンに関しては、溶接されたロータが知られており、当該ロータの場合、様々な幅のドラムが互いに溶接されて一体的なロータを形成している。他方、ロータディスクとしても知られている、複数のディスク状の要素を積層し、1つ又は複数のタイロッドを用いて引き締めて、固定的な構造を形成することが知られている。これらの型を組み合わせることも知られている。全てのロータには、外側にロータブレードが取り付けられており、当該ロータブレードは、ガスタービンの場合、例えば圧縮機か、又は、タービンユニットに配設されている。型とは無関係に、ロータカバー内の開口部を通じて、媒体がロータの内部に誘導され得る。それによって、当該媒体は、供給位置から第2の軸位置へ誘導され、当該軸位置において、媒体はロータから再び取り出される。この手法は、特にガスタービンにおいて、ロータ側で冷却空気をガスタービンの圧縮機の主要流路から取り出し、タービンユニットに誘導するために用いられ、当該タービンユニットでは、冷却空気は再びロータ内部から取り出され、空冷目的及び/又は気密目的で用いられ得る。
【0003】
ガスタービンの圧縮機から空気を空気力学的に効率的に取り出すこと、及び、当該空気をロータ内部に効率的に誘導すること、を可能にするために、様々な構造が知られている。
【0004】
例えば特許文献1からは、ロータの回転ゆえに旋回しながらロータの空洞に流入する空気を、径方向に延在するリブを通じて、ロータの中心に誘導することが知られている。誘導することによって、開口部から流出する空気の円周速度が、半径が小さくなるのと共に小さくなり、その結果、許容できない大きさの旋回が生じることが防止される。この理由から、リブは英語に由来して「旋回抑制装置(deswirler)」と呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第19617539号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、ロータ内部における圧力損失及び流れ損失をさらに削減するための、代替的な解決法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題は、請求項4の特徴部分に基づくロータと、請求項1の特徴部分に基づくロータディスクとによって解決される。本発明に係るロータは、請求項1に係るロータディスクを少なくとも1つ含んでいる。
【0008】
有利な構成は、従属請求項に記載されており、その特徴部分を相互参照によって互いに組み合わせることができる。
【0009】
発明者は、先行技術では、径方向リブの領域において流れ損失が生じ得ることを認識している。なぜなら、これらのリブは、周方向においてはむしろ、互いに比較的離れて立っており、従って、当該位置には、ターボ機械から取り出された媒体のための大きな流れ断面が存在しているからである。これは、既知のリブの間の流路も、比較的大きな軸方向の延在部分を有しているので、より一層当てはまる。この欠点を取り除くために、本発明によって初めて、リブ間の流路の流れ断面を軸方向にも区切ることが提案される。この軸方向の境界は、好ましくは少なくともリブの径方向の延在部分の大部分に亘って形成されるべきである。この理由から、リブに直接対向しているロータディスクは、そのディスクウェブの幅よりも大きな幅を有するハブ領域に、外側を向いた、自由に終端する環状の補助ウェブを有しており、当該補助ウェブは、リブの間に形成された、開口部を通って流れる媒体のための流路を、リブの径方向の延在部分全体に亘って軸方向に区切っている。これによって、ロータ内部に流入する媒体をリブの領域で供給する際の空気力学的な流れ損失が減少し、取り出された媒体のリブに沿った外側から内側への空気力学的な誘導が改善する。
【0010】
「軸方向」及び「径方向」、並びに、「外側」及び「内側」という概念は、つねに、ロータディスク又はロータの回転軸に関係していることを指摘しておく。加えて、ロータ内部とは、ロータの内側の、ロータディスクからは区切られている空洞であると理解される。言い換えれば、第1のロータディスクの開口部は、ロータ内部には含まれない。
【0011】
ディスクから組み立てられたロータの場合、当該ディスクが後で互いに溶接されるか、又は、1つ若しくは複数のタイロッドによって互いに引き締められるかどうかに関わらず、以下で第1のロータディスクと呼ばれる、両方のロータディスクのうちの1つは、媒体を外側からロータ内部に移送するための開口部と、当該開口部を通って流れることができる媒体の流れを転送するための複数のリブとを含んでいる。この開口部は、ロータの内側において、径方向に対して斜めに配置されたロータの環状面に開口している。リブは、径方向内側において直接隣接して終端している。
【0012】
以下で第2のロータディスクと呼ばれる、本発明に係るロータのための両方のロータディスクのうちのもう一方は、無限に(軸の全周にわたって)延在するディスクウェブを含んでおり、当該ディスクウェブは、その回転軸に対して径方向内側の端部に、回転軸と同心の中央開口部を備えたハブ領域を有しており、その径方向外側の端部に、隣接するディスクに対して支承するため、及び、ロータブレードを受容するための軸方向に拡大された環状領域を有しており、当該ハブ領域は、ディスクウェブの厚さに対して、軸方向において両側が拡大されているので、このように形成された突出長さのうち少なくとも1つには、外側を向いた、自由に終端する環状の補助ウェブが、環状の凹部を形成しながら、ディスクウェブと補助ウェブとの間に設けられている。
【0013】
リブの径方向に検出可能な延在部分と、突出長さを含む補助ウェブの径方向に検出可能な延在部分とは、これらが略同じ大きさになるように、すなわち好ましくはリブと補助ウェブ又は突出長さとが、外側でも内側でも同じ半径で終端するように、互いに調整されている。
【0014】
第1のロータディスクでは、リブが、径方向に沿って内側から外側へ延在している。それによって、外側から流入する媒体の旋回が特に効率的に抑制され、流れ損失が減少する。
【0015】
さらに、好ましくは、リブのうち少なくとも1つ、好ましくは全てのリブは、その径方向外側を向いている端部において、自由に終端する延長部分を有しており、それによって、ロータ内側の開口部の開口部分と各リブの径方向外側端部との間の間隔をさらに削減することができる。この間隔の削減によって、開口部から流出する媒体の誘導が改善され、流れ損失はさらに減少する。
【0016】
好ましくは、両方のロータディスクは、環状領域において、両方のディスク面に、横方向に突出したカラーを含んでおり、当該カラーは、回転軸の軸方向において検出可能な高さを有しており、この高さは、同様に検出可能な、関連する突出長さ又はリブの高さよりもわずかに大きい。わずかに大きなカラーによって、ロータディスクは、その径方向外側の領域に、径方向内側よりも大きな軸方向の幅を有しており、それによって、両方のロータディスクが互いに接している場合、補助ウェブがリブと接触することが防止される。後者は、機械的摩耗につながり得るが、回避することができる。好ましくは、環状領域におけるロータディスクの高さ及び軸方向の幅は、リブと補助ウェブの対向する側面との間における軸方向の間隔が、動作中に生じる熱膨張を考慮して、可能な限り小さく保持されているように選択されている。
【0017】
さらに好ましくは、ディスクウェブを通って延在する開口部は、環状領域において、開口部が、ターボ機械の主要流路における媒体の貫流方向に関して、第1のロータディスクの下流側に開口するように傾斜している。それによって、抽出されるべき媒体のための取り出し位置は、該当するロータディスクによって支持されているロータブレードの下流に位置している。言い換えると、開口部は、その内側端部に関して下流側で傾斜している。
【0018】
傾斜した開口部は、ロータディスクの一様な加熱を支援し、それによって、ロータディスク内の熱応力が減少する。同時に、ターボ機械の主流からの媒体の取り出しは、媒体の円周速度がターボ機械の主要流路においてロータの円周速度に略一致する、軸方向の位置において行われる。それによって、媒体の開口部への流入が容易になり、空気力学的損失が減少する。従って、主流から取り出されるべき媒体のためのポジティブな流入条件が創出される。
【0019】
両方のロータディスクは、好ましくは圧縮機ディスクとして、又は、タービンディスクとして構成され得る。圧縮機ディスクの場合、開口部は、好ましくは外側でカラーに開口しており、タービンディスクの場合、開口部は、外側でロータブレードの固定ノッチに開口している。
【0020】
総じて、本発明は、熱ターボ機械、特にガスタービンのためのロータに関するものであり、当該ロータは、その内部に媒体、例えば圧縮機空気を誘導するように構成されている。当該媒体を、流れ損失を少量に抑えて内部に誘導するために、互いに接触している一対のロータディスクが設けられており、当該対の両方のロータディスクのうち第1のロータディスクは、媒体を外側からロータ内部に供給するための開口部と、当該媒体をさらに回転軸の方向に誘導するためのリブ状のリブとを有しており、当該対の第2のロータディスクは、補助ウェブを用いて、周方向に見てリブの間に形成された流路が、少なくともリブの径方向の延在部分の大部分に亘って軸方向に区切られているように構成されている。
【0021】
本発明のさらなる利点及び特徴を、唯一の実施例を用いて説明する。示されているのは以下の図である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】ターボ機械のロータの縦断面を示す図である。
【
図2】実質的に2つのロータディスクを有する、本発明に係るターボ機械のロータの縦断面の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
両方の図において、同一の特徴には同じ参照符号が付されている。
【0024】
図1は、熱ターボ機械のロータ10の原則的な構造を概略的に示しており、当該熱ターボ機械は、組み立てられた状態で、その回転軸13の周りを回転できるように取り付けられている。これは、図示された実施例では、固定型ガスタービンのロータ10である。ロータ10は、航空機のガスタービンでも用いることが可能であろう。ロータ10は、ガスタービン内で用いられるので、圧縮機部分12とタービン部分14とを含んでいる。両方の部分12、14の間には、管16が設けられている。圧縮機部分12もタービン部分14も、ディスク状に構成されている。圧縮機部分12は、図示された実施例では、16のロータディスク18を含んでおり、タービン部分14は、4つのロータディスク18を含んでいる。全てのロータディスク18及び管16を通ってタイロッド20が延在しており、タイロッド20の両端部には、いわゆる前方中空シャフト22といわゆる後方中空シャフト24とがネジで取り付けられている。両方の中空シャフト22、24は、全てのロータディスク18及び管16を互いに引き締めるので、周方向における相対運動は大幅に回避される。詳細には、これは、接触面23に配置されたヒルト歯(Hirth-Verzahnung)によるものである。しかしながら、ヒルト歯は詳細には図示されていない。
【0025】
本発明に係る特徴は、
図1には示されていない。これに関しては、
図2が参照される。
図2は、
図1の圧縮機部分12の、2つの任意の、しかしながらディスク対25を形成しているロータディスク18の一部を拡大して示している。
【0026】
ロータ10の外側では、動作状態において、詳細には図示されていない主要流路内を、空気が媒体として矢印方向27に流れており、その間に、当該空気は圧縮機によって圧縮される。
【0027】
各ロータディスク18は、回転軸13の周囲を無限に延在するディスクウェブ26を有している。ディスクウェブ26は、その径方向内側の端部に、回転軸と同心の中央開口部30を備えたハブ領域28を、その径方向外側の端部に、環状領域32を有している。当該環状領域は、ロータブレード31(
図1)の固定に用いられると共に、両側に配置されたカラー33を含んでおり、カラー33では、隣接するロータディスク18が互いに接している。
図2の中央より右側に示されているロータディスク18は、以下において第1のロータディスク34と表記される。第1のロータディスク34は、さらに、ディスクウェブ26を通って環状領域から内側に延在する開口部を有しており、当該開口部は、ディスクウェブ26の円周に沿って均等に分配されている。複数の開口部のうち、1つのみが図示されており、参照符号36が付されている。開口部36は、当該開口部がディスクウェブ26を一方の側から他方の側に突き抜けるように、径方向に対して傾斜している。開口部36は、その径方向内側の端部で、環状面38に開口しており、環状面38は、ロータディスク34の径方向に対して斜めに配置されている。環状面38に直接隣接して、ハブ領域28には、多数のリブ40が設けられている。リブ40は、外側端部から内側端部へと延在している。さらに、リブ40は、円周に沿って均等に分配されている。リブ40は、第1のロータディスク34のハブ領域28に溶接されているか、又は、同時にロータディスク34と共に形成されていても良い。リブ40の固定された部分に関して、それぞれが、リブ40の外側端部に延長部分を有しており、それによって、環状面38の41と開口部36の開口位置との間の間隔を可能な限り小さく保持することができる。構造力学的には、リブ40が周方向の溝50内に固定されることを回避することが重要であるが、構造力学的には、環状面38とハブ領域28との間も同様に必要である。
【0028】
リブ40は、開口部36から流れる、ロータ10の内部に流入すべき空気の流れを誘導するために用いられる。第1のロータディスク34の、リブ40が設けられている側には、第2のロータディスク42が接している。従来の各ロータディスク18のように、第2のロータディスク42もハブ領域28を有しており、その軸方向の延在部分は、2つの突出長さ44ゆえに、付属するディスクウェブ26の延在部分よりも幅が大きい。対称性の理由で、リブ40に直接対向する補助ウェブ46のみが必要であろうにも関わらず、両方の突出長さ44に、外側を向いた自由に終端する環状の補助ウェブ46が、ディスクウェブ26と補助ウェブ46との間に環状の凹部48を形成するように設けられている。補助ウェブ46は、突出長さ44と共に、リブ40の径方向の延在部分全体に亘って、流路を区切っており、当該流路には、開口部36から流出する冷却空気が流入し、タイロッド20まで誘導される。これによって、各流路の流入部における空気の旋回が回避され、空気の誘導の効率が改善する。
【0029】
ロータディスク18の中央開口部30は、タイロッド20の直径よりも大きいので、それぞれのハブ領域28とタイロッド20との間には環状空間が形成され、当該環状空間を通って、タイロッド20に誘導される空気は、軸方向において、タイロッド20に沿って、圧縮機部分12からタービン部分14に誘導され得る。
【0030】
自明のことながら、上述したディスク対25を、タイロッド20に沿って誘導された空気を外側へ誘導するために用いることも可能であり、これは、タービン部分14におけるロータディスク18の場合に必要である。
【符号の説明】
【0031】
10 ロータ
12 圧縮機部分
13 回転軸
14 タービン部分
16 管
18 ロータディスク
20 タイロッド
22 前方中空シャフト
23 接触面
24 後方中空シャフト
25 ディスク対
26 ディスクウェブ
27 矢印方向
28 ハブ領域
30 中央開口部
31 ロータブレード
32 環状領域
33 カラー
34 第1のロータディスク
36 開口部
38 環状面
40 リブ
42 第2のロータディスク
44 突出長さ
46 補助ウェブ
48 凹部
50 溝