特許第6240775号(P6240775)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6240775外部接続部を有する多層デバイス、および外部接続部を有する多層デバイスを製造するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6240775
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】外部接続部を有する多層デバイス、および外部接続部を有する多層デバイスを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 41/047 20060101AFI20171120BHJP
   H01L 41/083 20060101ALI20171120BHJP
   H01L 41/293 20130101ALI20171120BHJP
   H01L 41/09 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   H01L41/047
   H01L41/083
   H01L41/293
   H01L41/09
【請求項の数】15
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-533865(P2016-533865)
(86)(22)【出願日】2014年7月22日
(65)【公表番号】特表2016-529721(P2016-529721A)
(43)【公表日】2016年9月23日
(86)【国際出願番号】EP2014065746
(87)【国際公開番号】WO2015022154
(87)【国際公開日】20150219
【審査請求日】2016年4月11日
(31)【優先権主張番号】102013108753.1
(32)【優先日】2013年8月13日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】300002160
【氏名又は名称】エプコス アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】EPCOS AG
(74)【代理人】
【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
(72)【発明者】
【氏名】ガラー, マーティン
(72)【発明者】
【氏名】オットリンガー, マリオン
【審査官】 小山 満
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−534825(JP,A)
【文献】 特開2010−123647(JP,A)
【文献】 特開2010−065277(JP,A)
【文献】 特開2005−101207(JP,A)
【文献】 特開2006−013437(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0156251(US,A1)
【文献】 国際公開第2007/118883(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0176521(US,A1)
【文献】 国際公開第2005/029602(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第01675190(EP,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0278907(US,A1)
【文献】 国際公開第2005/086247(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第01732146(EP,A1)
【文献】 特開2006−157259(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/055071(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 41/00−41/47
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体(2)と外部接続部(9)とを備えた多層デバイス(1)であって、
前記外部接続部は、接続部材(4)とコンタクト層(3)とを備え、
前記コンタクト層(3)は、前記基体(2)を前記接続部材(4)と電気的に導通して結合しており、
前記基体(2)と前記接続部材(4)との間の結合は、前記コンタクト層(3)の焼結によって生成されており、
前記コンタクト層(3)は、金属粒子および炭酸銀を含む金属ペーストから、固い多孔性の純粋金属として形成されている、
ことを特徴とする多層デバイス。
【請求項2】
前記焼結の温度は、400℃より低いことを特徴とする、請求項1に記載の多層デバイス。
【請求項3】
コンタクト層(3)は、多孔質であることを特徴とする、請求項1または2に記載の多層デバイス。
【請求項4】
前記コンタクト層(3)の多孔率は1容量%〜50容量%であることを特徴とする、請求項3に記載の多層デバイス。
【請求項5】
前記コンタクト層(3)は、金属を含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の多層デバイス。
【請求項6】
前記コンタクト層(3)は銀または銅を含むことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の多層デバイス。
【請求項7】
前記コンタクト層(3)は、少なくとも95%の純度の材料から成っていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の多層デバイス。
【請求項8】
前記コンタクト層(3)の厚さは、2μm〜200μmであることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の多層デバイス。
【請求項9】
前記コンタクト層(3)は、400℃を越える融点を備えることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の多層デバイス。
【請求項10】
前記基体(2)と前記コンタクト層(3)との間に1つのベースメタライジング部(8)が取り付けられていることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の多層デバイス。
【請求項11】
前記接続部材(4)は、蛇行,櫛状,金属板,ワイヤメッシュ,ワイヤ編み,導電体,または波状金属板の形態を有することを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の多層デバイス。
【請求項12】
前記多層デバイス(1)は、圧電アクチュエータまたは多層コンデンサとして形成されていることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の多層デバイス。
【請求項13】
多層デバイス(1)を製造するための方法であって、
A)基体(2)および接続部材(4)を準備するステップと、
B)前記基体(2)の少なくとも1つの外面上に、金属粒子および炭酸銀を含む金属ペーストを用いてコンタクト層(3)を塗布するステップと、
C)前記接続部材(4)を前記金属ペースト上に設置するステップと、
D)前記金属ペーストを焼結するステップであって、これによって前記接続部材(4)を前記基体(2)と結合する焼結ステップと、
を備え
前記コンタクト層(3)は、前記焼結ステップによって固い多孔性の純粋金属とな
ことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記焼結は400℃より下側の温度で行われることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記焼結ステップの際に、前記金属ペーストは多孔質のコンタクト層(3)となることを特徴とする、請求項13または14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は外部接続部を有する多層デバイスに関する。本発明による多層デバイスは、たとえば圧電アクチュエータであり、これは自動車における燃料噴射バルブに用いることができる。代替として、この多層デバイスは、たとえば多層コンデンサまたは多層バリスタであってよい。
【背景技術】
【0002】
多層デバイスの接続のために、たとえば1つの接続部材が、1つの基体とはんだ付け,接着,または溶接される。しかしながらこの接続部は、このような固定の際に、アクチュエータの動きに影響を与え得る。さらにこの接続部は、このアクチュエータの頻繁な変位によって損傷され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、改善された多層デバイスを提供することである。具体的には、1つの課題は、とりわけ信頼性のある多層デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は基体および外部接続部を備える多層デバイスを提供する。この外部接続部は、接続部材およびコンタクト層を備える。このコンタクト層は、上記の基体をこの接続部材に電気的に導通して結合している。基体と接続部材との間の結合は、このコンタクト層の焼結によって生成される。
【0005】
焼結の際の温度は、好ましくは400℃未満である。たとえばこのコンタクト層は250℃で焼結される。
【0006】
この焼結されたコンタクト層は、多結晶組織を備える。具体的には、この焼結されたコンタクト層において、粒子および結晶粒界が形成される。好ましくは、この焼結されたコンタクト層において、細孔および/または焼結ネックが形成されている。これらの細孔および/または焼結ネックは、たとえば金属粒子間、あるいは粒子間に形成されている。
【0007】
焼結されたコンタクト層は、高い導電率を備えるという利点を有する。さらに焼結されたコンタクト層は、高い熱伝導率を有する。特に、焼結されたコンタクト層は、はんだ、とりわけ軟質はんだより高い導電率および熱伝導率を備える。さらにこの焼結されたコンタクト層は、高い温度で小さな材料疲労を示す。具体的には、このコンタクト層の僅かな塑性変形およびこのコンタクト層における僅かな亀裂成長のみが起こる。これは、はんだと比較して、このコンタクト層の融点が高いことに起因している。機械的または熱機械的な繰り返し負荷でも、このコンタクト層の僅かな材料疲労のみが起こる。
【0008】
このコンタクト層の比較的高い融点のおかげで、このようなコンタクト層を有する多層デバイスは、回路基板上でのリフロー処理ではんだ付けすることができる。
【0009】
このコンタクト層の焼結は、フラックス剤の使用無しに行うことができる。これよりたとえばはんだ付けでのフラックス剤の残渣の除去のための洗浄処理も全く必要でない。
【0010】
上記のコンタクト層の焼結の際の処理温度は、硬質はんだ付けの場合または金属ペーストの焼成の場合よりも顕著に低い。これにより処理中の熱応力が比較的小さく、またこの処理はより簡単かつ安価である。
【0011】
1つの実施形態によれば、上記のコンタクト層は多孔質である。好ましくは、このコンタクト層は、1容量パーセント〜50容量パーセントの多孔率を有する。
【0012】
このコンタクト層の多孔率のおかげで、このコンタクト層の弾性率は、密な金属層におけるよりも小さい。以上によりセラミック体におけるクランプ効果(Klemmeffekte)および機械的応力が低減され得る。
【0013】
上記のコンタクト層は、金属を含む。このコンタクト層は、好ましくは銀または銅から成っている。詳細には、このコンタクト層は、少なくとも95重量パーセント、好ましくは99重量パーセントの純度の銀または銅から成っている。特に、このコンタクト層は、少なくとも99重量パーセントまで、純粋な銀または銅から成っていてよい。
【0014】
このコンタクト層の金属の融点は、このコンタクト層の焼結温度より上にある。1つの実施形態によれば、このコンタクト層の融点は、400℃より上にある。特にこのコンタクト層は、200℃より上の動作温度で高い温度安定性を備える。
【0015】
もう1つの実施形態によれば、上記のコンタクト層は2μm〜200μmの厚さを有する。好ましくは、このコンタクト層は、10μm〜100μmの厚さを有する。
【0016】
上記の多層デバイスの基体は誘電体層(複数)と内部電極層(複数)とからなる積層体を有してよい。この外部接続部は、これらの内部電極層の電気的接続のために用いられる。上記の基体は、たとえば直方体形状に形成されている。
【0017】
好ましくは、上記の誘電体層(複数)および内部電極層(複数)は、積層方向に沿って積層される。この積層方向は、好ましくは基体の長手方向に対応する。好ましくは、上記の誘電体層と上記の内部電極層は、交互に積層されている。
【0018】
好ましくは、これらの内部電極層は、銅を含み、または銅から成っている。代替として、これらの内部電極層は、銀−パラジウムを含み、または銀−パラジウムから成っている。
【0019】
上記の誘電体層は、圧電材料を含んでよい。たとえばこれらの誘電体層は、セラミック材料を含んでよく、具体的には圧電セラミックを含んでよい。上記の基体の製造には、グリーンシート(複数)が用いられてよく、これらのグリーンシート上に内部電極層を形成するために、たとえば金属ペーストが塗布される。たとえばこの金属ペーストは、シルクスクリーン印刷処理で塗布される。この金属ペーストは銅を含んでよい。代替としてこの金属ペーストは、銀または銀−パラジウムを含んでよい。この金属ペーストを塗布した後、好ましくはこのグリーンシートは積層され、押圧されてまとめて焼結され、モノリシック焼結体が生成される。好ましくは、上記のデバイスの基体はモノリシック焼結体から形成され、たとえば上記のように製造された焼結体から形成される。
【0020】
たとえば、この多層デバイスは、圧電デバイスとして形成され、たとえば圧電アクチュエータとして形成される。圧電アクチュエータでは、内部電極層に電圧を印加すると、これらの内部電極層の間に配設された圧電層が伸張し、アクチュエータのストロークが生成される。この多層デバイスは、他のデバイスとして形成されてよく、たとえば多層コンデンサとして形成されてよい。この多層コンデンサは、好ましくはDC電圧が250ボルトより大きくかつ使用温度が120℃を越えるパワーエレクトロニクスのアプリケーションに適している。
【0021】
好ましくは上記の外部接続部は、積層方向で隣接した内部電極層の間に電圧を印加するために用いられる。具体的にはこの外部接続部は、これらの内部電極層への電流の供給に用いられる。たとえば、2つの外部電極は、基体の対向する外面(複数)に配設されている。1つの外部電極は、それぞれ1つのコンタクト層および1つの接続部材を備える。
【0022】
好ましくは、これらの内部電極層は積層方向で交互に、これらの外部電極の1つと電気的に結合され、また他の1つの外部電極から電気的に絶縁されている。ここでこの外部接続部は、この基体への負荷のために設けられていてよい。
【0023】
上記の電極ペーストは、たとえば、積層方向で見て交互に、上記の電極層がこの積層体の外面まで達し、かつこの積層体の対向する外面から離間しているように塗布される。このようにしてこれらの電極層は、上記の外部接続部の1つと交互に電気的に接続される。1つの実施形態によれば、上記の電極層の1つの端部と上記の基体の1つの外面との間には1つの空隙が存在している。たとえば各々の1つおきの内部電極層は、エッチングによってバックエッチングされていてよく、こうしてこれらのバックエッチングされた内部電極層と上記の基体の1つの外面との間には1つの溝が配設されている。絶縁破壊電圧の改善のために、上記の空隙(複数)すなわち溝(複数)が絶縁材料で充填されてよい。この絶縁材料は、たとえば弾性材料であってよい。
【0024】
焼結によって固定される1つのコンタクト層を有する多層デバイスでは、これらの溝は殆ど完全に充填材で充填されていてよい。これからフラックス剤は使用しなくてよいことになる。以上によりこれらの溝には、これらの溝の充填を妨害または阻害するフラックス剤の残渣が全く残らない。このようにして本発明による多層デバイスの絶縁破壊電圧は、はんだ付けされた外部接続部を有する多層デバイスに比べ約10%高くされ得る。
【0025】
代替として、この多層デバイスは、全体が活性な多層デバイスであってよい。全体が活性な多層デバイスでは、内部の電極層は基体の全断面に渡って延在している。これらの内部電極層の1つの外部接続部との交互の接続のため、これらの内部電極層は、1つの外面上で電気的絶縁材料によって交互に覆われる。
【0026】
好ましくは、これらの内部電極層は積層方向で交互に、これらの外部電極の1つと電気的に結合され、また他の1つの外部電極から電気的に絶縁されている。
【0027】
この外部接続部は、たとえば帯状体の形状に形成されている。この外部接続部は、好ましくは上記の基体の積層方向に沿って延在している。たとえばこの外部接続部は、この基体の外面を部分的にのみ覆っている。代替として、この外部接続部は、この基体の外面を完全に覆ってよい。
【0028】
上記の接続部材は、平坦な物体の形態または3次元的にパターニングされた物体の形態を有してよい。平坦な物体は、たとえば金属板、蛇行形状、櫛形状または1つの導電体の形態であってよい。3次元的にパターニングされた物体は、たとえばワイヤメッシュ、ワイヤ編み、または波状金属板の形態であってよい。
【0029】
上記の接続部材は、好ましくは上記の多層デバイスの全長に渡って延伸している。以上により動作中に上記のコンタクト層が破断した場合でもこのデバイスの全体の接続が常に保証されるので、信頼性のある接続が保証される。
【0030】
1つの実施形態によれば、上記の基体とコンタクト層との間には、さらに1つのベースメタライジング部が取り付けられている。このベースメタライジング部は、金属ペーストの焼成によって形成することができる。具体的には、このベースメタライジング部は、焼結によって上記のコンタクト層に結合されることができる。このベースメタライジング部には、ガラスペーストが付けられていてよい。代替としてこのベースメタライジング部は、上記の基体への金属層のスパッタリングによって付けられていてよく、また焼結によって上記のコンタクト層に結合されてよい。これに対応してこのベースメタライジング部は、スパッタリングされた層のみから成っていてよい。代替として、このベースメタライジング部は、金属ペーストの焼成によって、およびこの焼成された金属ペーストと上記のコンタクト層との間の追加的なスパッタリング層によって形成されていてよい。
【0031】
さらに本発明は、多層デバイスを製造するための方法に関する。本方法は、基体および接続部材を準備する第1のステップを備える。続いてこの基体の少なくとも1つの外面上に金属ペーストが塗布される。上記の接続部材は、この金属ペースト上に戴置される。具体的にはこの接続部材は、少なくとも部分的にこの金属ペーストの中に押し込まれてよい。続いてこの金属ペーストが焼結される。この焼結は、400℃より下側の温度で行われる。これによってこの接続部材は上記の基体と電気的に導通して結合される。
【0032】
この金属ペーストは、金属粒子,塩,および溶剤として有機材料,および固形物のコーティング材料を含んでよい。この金属粒子は、たとえば銀粒子または銅粒子である。塩としては、たとえば炭酸銀が適している。
【0033】
この金属ペーストの塗布は、たとえばマスクを用いて行われる。この金属ペーストが塗布された層は、好ましくは1mm幅で100μm厚である。
【0034】
このコンタクト層は乾燥されて焼結される。たとえばこの金属ペーストは160℃で75分間脱バインダされ、この後105分間250℃で焼結される。この焼結は、圧力下でまたは無圧力で行われてよい。
【0035】
焼結処理の後では、このコンタクト層は固く、多孔質の純粋な金属層となっている。上記の基体および外部接続部は、このコンタクト層にしっかりと結合されている。
【0036】
この焼結処理の間に上記の金属ペーストは多孔質のコンタクト層に転換される。
【0037】
以下では、概略的な、寸法が正確でない図を参照して、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】多層デバイスの断面図である。
図2図1の多層デバイスの側面図である。
【0039】
図1は、多層デバイス1を断面図で示している。この多層デバイス1は、基体2を備える。基体2は交互に配設された第1および第2の内部電極層(複数)5a,5bおよび圧電層(複数)6を備える。
【0040】
基体2の1つの外面上には、1つの外部接続部9が取り付けられている。この外部接続部9は、1つのコンタクト層3および1つの接続部材4を備える。このコンタクト層3は多孔質である。さらにこの外部接続部9は、1つのベースメタライジング部8を備える。このベースメタライジング部8は、たとえば1つの焼成された金属層および/または1つのスパッタリング層を備えてよい。この焼成された金属層は、ガラス添加物を含んでよい。
【0041】
各々の第1の内部電極層5aは、基体2の外面まで延伸しており、そこで外部接続部9によって接続されている。各々の第2の内部電極層5bは、基体2の外面から離間している。詳細には、全ての1つおきの内部電極層5bとこの基体の外面との間には1つの絶縁ゾーン7が配設されている。この絶縁ゾーン7は、空隙として形成されていてよい。代替としてこの絶縁ゾーン7は、絶縁材料で充填されていてよい。
【0042】
図1に示されているように、接続部材4は、少なくとも部分的にコンタクト層3中に埋設されている。これによりこの接続部材4とコンタクト層3との間の信頼性のある結合が生成されている。
【0043】
図2は、上記の多層デバイス1を側面図で示している。ここで全ての1つおきの内部電極層5bは点線で示されており、1つの絶縁ゾーン7によって基体2の外面から離間されている。この基体の反対側の外面上には、これらの第2の内部電極層5bがこの基体2の外面まで延伸しており、これに対し第1の電極層5aは、1つの絶縁ゾーン7によってこの外面から離間している。
【0044】
ベースメタライジング部8およびコンタクト層3は、帯状体の形状で形成されており、ここでこのベースメタライジング部8は、このコンタクト層3よりやや幅広となっている。
【0045】
図2に示す接続部材4は、蛇行形状に形成されている。しかしながらこの接続部材4は、他の形状を備えてもよく、たとえば1つの導電体,1つの金属板または波状金属板,1つのワイヤメッシュ,または1つの櫛形であってよい。
【符号の説明】
【0046】
1 : 多層デバイス
2 : 基体
3 : コンタクト層
4 : 接続部材
5a: 内部電極層
5b: 内部電極層
6 : 圧電層
7 : 絶縁ゾーン
8 : ベースメタライジング部
9 : 外部接続部
図1
図2