(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガイドイメージ生成部は、前記ガイドイメージの幅及びガイドイメージの横解像度情報を用いて、或いは、前記ガイドイメージの高さ及びガイドイメージの縦解像度情報を用いて、実測の長さとピクセル数との間の割合を示すピクセル割合情報を算出することを特徴とする請求項6に記載のガイドイメージの生成装置。
【背景技術】
【0002】
従来は、劇場において映画、広告などの映像を再生するために、上映館の正面に配置された単一のスクリーンに2次元映像を投射していた。しかしながら、このようなシステム下において、観客は、平面的な(2次元)映像しか鑑賞することができなかった。
最近は、観客に立体感あふれる映像を提供する3次元映像に関する技術が開発されたが、3次元映像技術は、人間の左眼及び右眼に互いに異なる映像が入って脳において合成される場合、平面映像においても立体感が感じられるという原理を用いたものであり、映像の撮影に際して互いに異なる偏光フィルターが取り付けられた2台のカメラを用い、映像の視聴に際して偏光フィルターが取り付けられた眼鏡などをかけて左眼及び右眼に互いに異なる映像が入るようにする。
しかしながら、このような3次元技術は、ユーザーに立体感あふれる映像を提供することはできるとはいえ、依然として単一のスクリーンにおいて再生される映像を鑑賞するものに過ぎず、映像それ自体への没入度が低いという限界があった。また、観客が感じる立体感の方向が単一のスクリーンが存在する方向に限られてしまうという限界もあった。さらに、従来の3次元技術は、映像の視聴に際して偏光フィルターが取り付けられた眼鏡などを着用することを余儀なくされるが故に、映像を視聴する観客に不便さを与える虞があり、左眼及び右眼に人為的に互いに異なる映像を強制的に注入するが故に、敏感な観客は目眩やむかつきを感じる虞があった。
【0003】
この理由から、単一のスクリーンに基づく従来の上映システムの問題を解消するいわゆる「多面上映システム」が提案されたが、ここでいう「多面上映システム」とは、観客席の周りに複数の投射面(スクリーン、壁面)などを配置し、複数の投射面の上に1枚の一体感のある映像を再生して、観客に立体感及び没入感を提供するシステムのことをいう。なお、「多面上映館」とは、このような「多面上映システム」が構築された上映館のことをいう。
一方、このような「多面上映システム」を効率よく運営するためには、複数の投射面に投射される映像を効率よく補正する技術が必要である。上記「多面上映システム」においては、単一の投射面ではなく、複数の投射面に投射される多数の映像が統合的に補正されなければならず、且つ、上映館の構造が変化することに伴い多数の映像が補正される方式も変更されなければならないため、映像補正プロセスが非常に複雑であり、しかも、誤りが生じる可能性も非常に高いためである。
したがって、このような「多面上映システム」の映像補正プロセスに役立つ技術が求められている。
【0004】
本発明は、このような技術的背景に基づいてなされたものであって、上述した技術的ニーズを満たすとともに、この技術分野において通常の知識を有する者が発明し難いさらなる技術要素を提供するために案出されたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、「多面上映館」の映像補正プロセスに役立つガイドイメージを生成することを解決課題とする。
また、本発明は、多面上映館の構造を示すパラメータをデータベース化(DB)させ、データベース(DB)化されたパラメータを用いて多面上映館の映像補正プロセスに最適化したガイドイメージを生成することを解決課題とする。
さらに、本発明は、2以上の多面上映館に最適化した2以上のガイドイメージを統合的に生成することを解決課題とする。
本発明が解決しようとする技術的課題は、上述した技術的な課題に制限されず、後述する内容から通常の技術者に自明な範囲内において様々な技術的課題が含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解消するための本発明の一実施形態によるガイドイメージの生成装置は、多面上映館の構造を示す
複数のパラメータを用いて、前記多面上映館の映像補正過程において用いられるガイドイメージを生成するガイドイメージ生成部を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の一実施形態によるガイドイメージの生成装置は、ガイドイメージが、多面上映館の複数の面を展開した展開図に対応するイメージであることが好ましい。
また、本発明の一実施形態によるガイドイメージの生成装置は、ガイドイメージが、上映館の正面に対応する正面領域と、左側の壁面領域に対応する左側面領域と、右側の壁面領域に対応する右側面領域と、を備えることが好ましい。
【0009】
さらにまた、本発明の一実施形態によるガイドイメージの生成装置は、正面領域がスクリーン領域を備え、左側面領域又は右側面領域がマスキング領域を備えることが好ましい。
さらに、本発明の一実施形態によるガイドイメージの生成装置は、
複数のパラメータが、
少なくとも、上映館の正面の横長さを示すパラメータと、上映館の縦長さを示すパラメータと、上映館の高さを示すパラメータと、スクリーンの横長さを示すパラメータと、スクリーンの割合を示すパラメータと、スクリーンの上端から天井までの長さを示すパラメータと、スクリーンから観客席までの長さを示すパラメータと、観客席の後ろの座席から背面までの長さを示すパラメータ
と、観客席の後ろの座席の高さを示すパラメータ
と、を含むことを特徴とする。
【0010】
さらにまた、本発明の一実施形態によるガイドイメージの生成装置は、ガイドイメージ生成部が、上映館の正面の横長さを示すパラメータ及び上映館の縦長さを示すパラメータに基づいてガイドイメージの幅を決定し、上映館の高さを示すパラメータを用いてガイドイメージの高さを決定することができる。
さらにまた、本発明の一実施形態によるガイドイメージの生成装置は、ガイドイメージ生成部が、ガイドイメージの幅及びガイドイメージの横解像度情報を用いて、或いは、ガイドイメージの高さ及びガイドイメージの縦解像度情報を用いて、実測の長さとピクセル数との間の割合を示すピクセル割合情報を算出することが好ましい。
【0011】
さらにまた、本発明の一実施形態によるガイドイメージの生成装置は、ガイドイメージ生成部が、ピクセル割合情報を用いてガイドイメージの全体の解像度を決定することが好ましい。
さらにまた、本発明の一実施形態によるガイドイメージの生成装置は、ガイドイメージ生成部が、ピクセル割合情報を用いてガイドイメージの領域情報を生成し、ガイドイメージの領域情報が、ピクセルの座標情報を含むことを特徴とする。
【0012】
さらにまた、本発明の一実施形態によるガイドイメージの生成装置は、ガイドイメージが、格子模様及び円形模様が混合されたパターンと、スクリーン領域に基づいて形成される基準ラインと、を備えることが好ましい。
さらにまた、本発明の一実施形態によるガイドイメージの生成装置は、パラメータが、多面上映館の実測情報、多面上映館の図面情報又は入力情報に基づいて生成されることが好ましい。
【0013】
また、上述した課題を解消するための本発明の一実施形態による統合ガイドイメージの生成システムは、多面上映システムが構築された2以上の多面上映館と、2以上の多面上映館
各々に対する複数のパラメータを用いて、2以上の多面上映館に対する2以上のガイドイメージを生成するガイドイメージの生成装置と、を備え、パラメータは、各多面上映館の構造を示すパラメータであり、
前記ガイドイメージの生成装置は、本願発明のガイドイメージの生成装置であることを特徴とする。
本発明の一実施形態による統合ガイドイメージの生成システムは、各ガイドイメージが、各多面上映館の複数の面を展開した展開図に対応するイメージであることが好ましい。
【0014】
また、本発明の一実施形態による統合ガイドイメージの生成システムは、ガイドイメージの生成装置が、2以上の
多面上映館に対する2以上のガイドイメージを用いて特定のコンテンツに対する各上映館別のコンテンツを生成して配布することが好ましい。
【0015】
さらに、上述した課題を解消するための本発明の一実施形態によるガイドイメージの生成方法は、ガイドイメージの生成装置が多面上映館の構造を示すパラメータを用いて多面上映館の映像補正過程において用いられるガイドイメージを生成するステップを含むことを特徴とする。
【0016】
本発明の一実施形態によるガイドイメージの生成方法は、ガイドイメージが、多面上映館の複数の面を展開した展開図に対応するイメージであることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、多面上映館の構造を示すパラメータを用いてガイドイメージを生成することにより、多面上映館の構造に整合されるガイドイメージを生成することができる。したがって、多面上映館の構造に最適化したガイドイメージを用いて映像補正を行うことにより、映像補正の正確性を顕著に向上させることができる。
また、本発明は、多面上映館に設けられる複数の投射面をいずれもカバーするガイドイメージを生成することができる。したがって、本発明は、ガイドイメージを介して複数の投射面に対する補正プロセスを一括して行うことができる。
さらに、本発明は、多面上映館の構造を示すパラメータをデータベース化させた後に、データベース化されたパラメータ及び既に設定された演算に基づいてガイドイメージを生成することができる。したがって、本発明は、多面上映システムのためのガイドイメージを手軽に統合管理又は標準化することができる。
【0018】
さらにまた、本発明は、2以上の多面上映館のパラメータ情報を統合的に管理することができ、2以上の多面上映館の2以上のガイドイメージを生成した後に配布することもできる。したがって、本発明は、各多面上映館のガイドイメージ生成プロセスを外部から統合処理することができるので、各多面上映館のシステムの構造を相対的に単純化させることができる。
さらにまた、本発明は、生成されたガイドイメージを用いて各上映館の特性に合わせてコンテンツを自動的に再構成することができるので、上映館の構造に応じてコンテンツを多数回製作する必要がなく、単一のコンテンツを様々な上映館において同時に上映することができる。
本発明の効果は上述した効果に制限されず、後述する内容から通常の技術者に自明な範囲内において様々な効果が含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明による「ガイドイメージの生成装置及び方法」について詳細に説明する。説明する実施形態は本発明の技術思想を当業者が容易に理解できるように提供されるものであり、これらにより本発明が限定されることはない。なお、添付図面に表現された事項は、本発明の実施形態を容易に説明するために図式化された図面であり、実際に実現される形態とは異なる場合がある。
一方、以下において表現される各構成部は、本発明を実現するための例に過ぎない。したがって、本発明の他の実現においては、本発明の思想及び範囲を逸脱しない範囲において他の構成部が使用可能である。なお、各構成部は、単にハードウェア又はソフトウェアの構成だけにより実現されてもよいが、同じ機能を行う様々なハードウェア及びソフトウェアの構成の組み合わせにより実現されてもよい。
また、ある構成要素を「備える」という表現は、「開放型」の表現であり、当該構成要素が存在することを単に指し示すだけであり、さらなる構成要素を排除するものと理解されてはならない。
【0021】
さらに、ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるとか、「接続されて」いると言及されるときには、その他の構成要素に直接的に連結/接続されていてもよいが、中間に他の構成要素が存在してもよいものと理解されるべきである。
「多面上映館」とは、上述したように、「多面上映システム」が構築されている上映館のことをいう。
以下、本発明の基本となる「多面上映システム」について簡略に説明した後に、本発明について具体的に説明する。
【0022】
本発明の基本となる多面上映システムとは、単一の上映館に設けられた複数の投射面を介して互いに同期化した映像を提供し、このような環境を通して観客が映像に対して感じる現実感、立体感及び没入感を極大化させる技術のことをいう。すなわち、多面上映システムとは、単一の上映館に複数の投射面を設け、これらの複数の投射面を介して観客に同期化した映像を提供するシステムのことをいう。
複数の投射面は、多面上映のために単一の上映館に設けられる多数の投射面である。これらの複数の投射面には多数の映像が再生されるが、ここで、複数の投射面に再生される映像は、互いに同期化して全体的に一体感ある映像を形成することが好ましい。すなわち、各投射面には互いに異なる映像が再生されるが、複数の投射面の全体からみたときには、これらの各投射面の映像が互いに連携されて一つの一体感ある映像を形成することが好ましい。
【0023】
また、複数の投射面は、好ましくは、上映館内の観客席を囲繞するように配置される。このため、複数の投射面を介して実現される一体感ある映像を通して観客は映像により創造された空間内に取り囲まれているという感じを受け、これにより、観客が感じる立体感、没入感及び仮想現実感が極大化される。
さらに、複数の投射面は、観客席を基準として、正面、左側面、右側面、上面(天面)、下面(底面)など様々な位置に配置される。
さらにまた、複数の投射面は、スクリーン、壁面、設置物の表面など様々な種類の投射面により構成され、互いに異なる種類の投射面を同時に備える。
さらにまた、複数の投射面に投射される映像は、上映館に設けられる2以上の投射装置により投射されるが、これらの2以上の投射装置は、光学系及び発熱部を有するように様々な方式により実現される。例えば、投射装置は、陰極線管(CRT)を用いる方式、液晶ディスプレイ(LCD)を用いる方式、ジタルマイクロミラーデバイス(DMD:Digital Micromirror Device)チップを用いるデジタル光処理(Digital Light Processing;DLP)方式、シリコン基板上に載せた 反射型液晶(LcoS:Liquid Crystal on Silicon)方式、レーザー光源を用いる方式などにより実現され、このような方式に加えて、様々に実現される。なお、2以上の投射装置は、上映館管理装置(例えば、上映館管理サーバー)と電気的に接続された後に上映館管理装置により統合的に制御され、このような上映館管理装置の制御により複数の投射面に映像が投射される。
【0024】
一方、
図1を参照して、「多面上映システム」の基本構造について説明する(参考までに、「多面上映システム」は、上述したように、様々な構造に形成されるが、従来の通常の上映館の構造をそのまま用いながら「多面上映システム」を構築する場合には、
図1に示す基本構造に多面上映館が構築される)。
基本構造の「多面上映システム」は、
図1に示すように、(観客席を基準として)正面の投射面と、左側面の投射面及び右側面の投射面を備える。
ここで、正面の投射面は、伝統的なスクリーンにより形成され、左側面の投射面は、左側の壁面により形成され、右側面の投射面は、右側の壁面により形成される。
以下、
図2乃至
図7を参照して、本発明の一実施形態によるガイドイメージの生成装置100について説明する。
【0025】
図2を参照すると、本発明の一実施形態によるガイドイメージの生成装置100は、多面上映館の構造を示すパラメータを管理するパラメータ管理部110と、パラメータ管理部が管理するパラメータを用いて多面上映館に投射されるガイドイメージを生成するガイドイメージ生成部120と、パラメータ管理部が管理するパラメータ及びガイドイメージ生成部が生成するガイドイメージを格納するデータベース部130と、データを送受信するための通信部140と、パラメータ管理部と、ガイドイメージ生成部と、データベース部及び通信部の動作を制御する制御部150と、を備える。
また、ガイドイメージの生成装置100は、上述した構成要素に加えて、データの入力のための入力部と、情報を表示するためのディスプレイ部などのさらなる構成要素をさらに備え、ガイドイメージの生成に関する構成要素を備える。
さらに、ガイドイメージの生成装置100は、外部装置と連動された状態で動作する。例えば、ガイドイメージの生成装置100は、ユーザー端末、サーバー装置、多面上映館の構造を測定する測定装置(レーザー基盤装置、Xレイ基盤装置、白色光基盤測定装置、赤外線測定装置など)、多面上映館に設けられたカメラ装置などと連動された状態で動作する。
【0026】
ガイドイメージは、多面上映館に投射される映像(複数の投射面に投射される映像=2以上の投射装置が投射する映像)を補正する過程において活用される参照イメージである。
このようなガイドイメージは、実際に上映される映像が投射される前に投射されて各投射面の表面構造による歪み情報、複数の投射面の性質差(色相差、反射率差など)情報、2以上の投射装置の性能差(明るさ差など)情報、マスキングが必要な領域情報などの映像補正の基礎情報を収集するための媒介体として活用される。
また、ガイドイメージは、2以上の投射装置に映像を割り当てる過程、映像補正の結果を確認/検討する過程などにおいても活用され、これらの過程に加えて、映像補正に関する様々な過程において活用される。
【0027】
パラメータ管理部110は、多面上映館の構造を示すパラメータを管理する。例えば、パラメータ管理部110は、多面上映館の実測情報、多面上映館のイメージ情報、多面上映館の図面情報、入力情報などに基づいて多面上映館の構造を示すパラメータを生成するか、或いは、修正、更新などの動作を行う。
ここで、多面上映館の実測情報は、多面上映館の構造を測定する測定装置が生成した情報であり、通信部140などにより転送される。また、多面上映館のイメージ情報は、多面上映館の構造を撮影するカメラ装置により生成される情報であり、同様に、通信部140などにより転送される。さらに、多面上映館のイメージ情報は、投射装置に設けられたセンサー(例えば、ジャイロスコープ)により自動的に生成された投射装置の位置情報(又は、設置情報)を反映して転送される。さらにまた、多面上映館の図面情報は、多面上映館の構造を示す設計図情報、構造図情報などに相当する情報であり、通信部140を介して転送されるか、或いは、データベース部130から転送され、好ましくは、CADファイルの形で転送される。なお、入力情報は、ユーザーにより入力される情報であり、入力部を介して転送されるか、或いは、通信部140と接続されたユーザー端末などを介して転送される。
このようなパラメータ管理部110は、多面上映館の構造を示す複数のパラメータを生成する。例えば、多面上映館が上述した基本構造の多面上映館(基本構造の多面上映システムが構築された多面上映館)である場合には、基本構造を表現する少なくとも9種類のパラメータを生成する。具体的に、パラメータ管理部110は、1)上映館の正面の横長さを示すパラメータTheater Width、2)上映館の縦長さを示すパラメータTheater Depth、3)上映館の高さを示すパラメータTheater Height、4)スクリーンの横長さを示すパラメータScreen Width、5)スクリーンの割合を示すパラメータScreen Ratio、6)スクリーンの上端から天井までの長さを示すパラメータScreen Offset、7)スクリーンから観客席までの長さを示すパラメータFront Depth、8)観客席の後ろの座席から背面までの長さを示すパラメータRear Depth、9)観客席の後ろの座席の高さを示すパラメータRear Heightを生成する。これらの9個のパラメータは、
図3から確認可能である。
【0028】
一方、パラメータ管理部110が生成するパラメータは、好ましくは、データベース部130に格納され、データベース化されて統合的に管理される。
ガイドイメージ生成部120は、パラメータ管理部110が生成するパラメータを用いて多面上映館のガイドイメージを生成する。具体的に、ガイドイメージ生成部120は、パラメータ管理部110により生成された後に、データベース部130にデータベース化されているパラメータを用いて、多面上映館の映像補正過程において用いられるガイドイメージを生成する。
この場合、ガイドイメージ生成部120は、多面上映館の複数の面(正面、左側面、右側面、天井面、底面など)を展開した展開図に対応する形のガイドイメージを生成することが好ましい。これにより、多面上映館の構造といずれも整合されるようにガイドイメージを生成することができ、単純化した2次元情報の形でガイドイメージの細部領域情報を表現することができるためである。
また、ガイドイメージ生成部120は、格子模様及び円形模様が混合されたパターンを有するガイドイメージを生成することが好ましい。このような混合パターンを通して、補正の基礎情報を収集する過程又は補正の結果を確認する過程において、映像の歪み情報が収集され易いためである。
図6を参照すると、このような混合パターンを有するガイドイメージの一例を確認することができる。
【0029】
図4乃至
図7を参照して、多面上映館が基本構造である場合に生成されるガイドイメージの例について説明する。
多面上映館が基本構造に形成される場合、ガイドイメージ生成部120は、上述した9個のパラメータをはじめとする様々なパラメータを用いて、基本構造の多面上映館に対応するガイドイメージを生成する。例えば、ガイドイメージ生成部120は、上映館の正面の横長さを示すパラメータTheater Width及び上映館の縦長さを示すパラメータTheater Depthに基づいて、ガイドイメージの幅Entire Width(投射された状態での幅)を決定し、上映館の高さを示すパラメータTheater Heightに基づいてガイドイメージの高さEntire Height(投射された状態での高さ)を決定する。
【0030】
Entire Width(mm) = Theater Width(mm) + 2 * Theater Depth(mm)− Entire Height(mm) = Theater Height(mm)
【0031】
また、ガイドイメージ生成部120は、1)まず、ガイドイメージの横解像度を設定した後に、設定された横解像度に対応する縦解像度を算出してガイドイメージの全体の解像度を決定するか、或いは、2)まず、ガイドイメージの縦解像度を設定した後に、設定された縦解像度に対応する横解像度を算出してガイドイメージの全体の解像度を決定する。
前者の場合、ガイドイメージ生成部120は、まず、ガイドイメージの横解像度情報Guideimg Widthを所定の値に設定(例えば、9216ピクセル)し、設定されたガイドイメージの横解像度情報Guideimg Width及びガイドイメージの幅Entire Widthを用いて、実測長さmm(投射された状態での長さ)とピクセル数Pixelとの間の割合を示すピクセル割合Pixel Ratio情報を算出する。
【0032】
Pixel Ratio(Pixel / mm) = (Guideimg Width / Entire Width)
【0033】
ピクセル割合Pixel Ratio情報が算出された後には、ガイドイメージ生成部120がピクセル割合Pixel Ratio情報及びガイドイメージの高さEntire Heightを用いてガイドイメージの縦解像度Guideimg Heightを決定する。
【0034】
Guideimg Height = Pixel Ratio * Entire Heigh
【0035】
したがって、このような過程を通してガイドイメージの全体の解像度を決定することができる。
後者の場合、ガイドイメージ生成部120は、まず、ガイドイメージの縦解像度情報Guideimg Heightを所定の値に設定(例えば、3012ピクセル)し、設定されたガイドイメージの縦解像度情報Guideimg Height及びガイドイメージの高さEntire Heightを用いて、実測長さmm(投射された状態での長さ)及びピクセル数Pixelとの間の割合を示すピクセル割合Pixel Ratio情報を算出する。
【0036】
Pixel Ratio’(Pixel / mm) = (Guideimg Height’ / Entire Height)
【0037】
ピクセル割合Pixel Ratio’情報が算出された後には、ガイドイメージ生成部120がピクセル割合Pixel Ratio’情報及びガイドイメージの幅Entire Widthを用いてガイドイメージの横解像度Guideimg Widthを決定する。
【0038】
Guideimg Height = Pixel Ratio * Entire Heigh
【0039】
したがって、このような過程を通してガイドイメージの全体の解像度を決定することができる。
一方、ガイドイメージ生成部120は、このようにして生成されたピクセル割合Pixel Ratio又はPixel Ratio’情報を用いて、ガイドイメージの細部領域を区分し、区分された領域に関する情報を生成する。具体的に、ガイドイメージ生成部120は、このようにして生成されたピクセル割合Pixel Ratio又はPixel Ratio’情報と、データベース部130に格納されたパラメータTheater Width、Theater Depth、Theater Height、Screen Width、Screen Offset、Screen Ratio、Front Depth、Rear Depth、Rear Heightを用いてガイドイメージの細部領域を区分し、ピクセルの座標を用いて区分された領域に関する情報を生成する。
例えば、ガイドイメージ生成部120は、
図5に示すように、生成されたガイドイメージを左側面領域、正面領域、右側面領域に区分し、当該領域の情報を生成する(参考までに、
図5の例示においては、横解像度情報に基づいてピクセル割合Pixel Ratioを算出し、左側面領域が始まる個所をX=0に設定し、スクリーンの下端をY=0に設定している)。
【0040】
左側面領域:X = [0 〜 Theater Height * Pixel Ratio]
正面領域:X = [Theater Depth * Pixel Ratio 〜 (Theater Depth + Theater Width) * Pixel Ratio]
右側面領域: X = [(Theater Depth + Theater Width) * Pixel Ratio 〜 Guideimg Width]
【0041】
また、ガイドイメージ生成部120は、
図5に示すように、正面に形成されるスクリーン領域を区分し、当該領域の情報を生成する。
【0042】
スクリーン領域: X = [Guideimg Width / 2 − (Screen Width / 2) * Pixel Ratio 〜 Guideimg Width / 2 + (Screen Width / 2) * Pixel Ratio], Y = [0 〜 Screen Height * Pixel Ratio]
【0043】
さらに、ガイドイメージ生成部120は、スクリーン領域に関する基準ライン情報をさらに生成する。
【0044】
スクリーン中央垂直ライン:X=Guideimg Width/2
スクリーン中央水平ライン:Y=(Screen Height/2)*Pixel Ratio
スクリーン上端水平ライン:Y=(Screen Height)*Pixel Ratio
スクリーン下端水平ライン:Y=0
【0045】
このような基準ライン情報は、スクリーン領域と、左側面及び右側面領域の水平を合わせる過程(アラインメント過程)において活用される。
また、このような基準ラインは、格子模様及び円形模様が混合されたパターンとともにガイドイメージの上に視覚的に表現される。
さらに、ガイドイメージ生成部120は、
図7に示すように、左側面又は右側面に形成されるマスキング(観客の眩しさの防止などのために映像の投射を防ぐ領域)領域を区分し、当該領域の情報を生成する。
この場合、ガイドイメージ生成部120は、スクリーンから観客席までの長さを示すパラメータFront Depth、観客席の後ろの座席から背面までの長さを示すパラメータRear Depth、観客席の後ろの座席の高さを示すパラメータRear Heightなどのパラメータ及びピクセル割合Pixel Ratio情報を用いてマスキング領域を区分し、マスキング領域の頂点座標を用いて当該領域を表現する。
【0046】
図7は、四角形状に形成されるマスキング領域を示す。左側面領域に含まれるマスキング領域は、A、B、C、Dの座標により特定され、右側面領域に含まれるマスキング領域は、E、F、G、Hの座標により特定される。
このため、ガイドイメージ生成部120は、多面上映館の構造と整合されるガイドイメージとともに、多面上映館の細部領域に関する情報も生成するので、多面映像補正プロセスの正確性を顕著に向上させることができ、映像歪みの発生の確率も顕著に低減させることができる。
データベース部130は、様々な情報をデータベース化させて格納する構成要素である。このようなデータベース部130は、ガイドイメージの生成装置100が生成する様々な情報を格納し、特に、パラメータ管理部110が生成するパラメータと、ガイドイメージ生成部120が生成するガイドイメージ及びガイドイメージ生成部120が生成するガイドイメージの領域情報などを格納する。
【0047】
一方、このようなデータベース部130は、様々な種類のメモリ装置を備えるように構成され、様々な情報を一時的に又は永久的に保管する。
通信部140は、ガイドイメージの生成装置100が外部の装置とデータを送受信できるようにする構成要素である。例えば、通信部140は、測定装置、カメラ装置、ユーザー端末などと有線又は無線で接続され、このような接続に基づいて様々なデータを送受信する。
【0048】
一方、このような通信部140は、ISO、ITU、IEC、IEEE標準などを満たす様々な有線通信装置又は無線通信装置の形で実現され、このような標準に加えて、様々な通信装置により実現される。
制御部150は、パラメータ管理部110と、ガイドイメージ生成部120と、データベース部130及び通信部140の動作をはじめとするガイドイメージの生成装置100の様々な動作を制御する構成要素である。
このような制御部150は、少なくとも一つの演算手段を備えるが、ここで、演算手段は、汎用的な中央演算装置(CPU)であるが、特定の目的に合うように実現されたプログラマブルデバイス素子(CPLD、FPGA)や注文型半導体演算装置(ASIC)又はマイクロコントローラーチップである。
【0049】
一方、上述したガイドイメージの生成装置100は、様々な電子装置の形で実現され、一つの電子装置により実現されてもよく、複数の電子装置が互いに結ばれるように実現されてもよい。例えば、ガイドイメージの生成装置100は、一つのサーバー装置により実現されてもよく、2以上のサーバーが互いに結ばれるように実現されてもよい。なお、管理装置は、サーバーと他の電子装置が互いに結ばれるように実現されてもよく、サーバー以外の他の電子装置により実現されてもよい。
【0050】
以下、
図8及び
図9を参照して、本発明の一実施形態による統合ガイドイメージの生成システムについて説明する。
本発明の一実施形態によるガイドイメージの生成装置100は、
図8に示すように、2以上の多面上映館と連動された状態で動作され、2以上の多面上映館に対する2以上のガイドイメージを生成した後に、各多面上映館に配布する動作を行う。
したがって、このような動作に基づいて、2以上の多面上映館に対するガイドイメージを統合的に管理する「統合ガイドイメージの生成システム」を構築することができる。
この場合、ガイド生成装置のパラメータ管理部110は、2以上の多面上映館の構造を示すパラメータを総括的に管理することが好ましい。
【0051】
また、データベース部130は、パラメータ管理部110が管理する2以上の多面上映館のパラメータをデータベース化させることが好ましいが、ここで、データベース部130は、
図3に示すように、各多面上映館の識別情報及び各多面上映館のパラメータ情報を整合させるようにデータベースを構築することが好ましい。
さらに、通信部140は、2以上の多面上映館に構築された「多面上映システム(システムを運営するサーバー装置など)」と有線又は無線の通信網を介して接続され、多面上映館の実測情報、多面上映館図面情報、入力情報などを受け取る動作、又は、生成されたガイドイメージを送信する動作を行う。
さらにまた、ガイドイメージ生成部120は、2以上の多面上映館に対する2以上のガイドイメージを生成した後に各多面上映館に配布する。例えば、ガイドイメージ生成部120は、多面上映館Aのパラメータを用いて多面上映館Aに対するガイドイメージ(ガイドイメージa)を生成し、生成されたガイドイメージ(ガイドイメージa)を多面上映館Aに送る。なお、ガイドイメージ生成部120は、多面上映館Bのパラメータを用いて多面上映館Bに対するガイドイメージ(ガイドイメージb)を生成し、生成されたガイドイメージ(ガイドイメージb)を多面上映館Bに送る。
【0052】
一方、ガイドイメージ生成部120は、各多面上映館に対するガイドイメージを生成するときにガイドイメージの領域情報を一緒に生成し、生成された領域情報を一緒に送る。
また、ガイドイメージの生成装置100は、上述したように、2以上の多面上映館に対する2以上のガイドイメージを生成した後に各多面上映館に配布してもよいが、2以上のガイドイメージを生成した後に自体的に管理しながら各多面上映館において上映するコンテンツを総括的に生成してもよい。例えば、ガイドイメージの生成装置100は、「A上映館のガイドイメージ、B上映館のガイドイメージ、C上映館のガイドイメージ」を生成した後に、生成された各上映館のガイドイメージを用いて「A上映館において上映されるX会社の広告コンテンツ、B上映館において上映されるX会社の広告コンテンツ、C上映館において上映されるX会社の広告コンテンツ」を自動的に生成(X会社の広告コンテンツを各上映館の構造に合わせて再構成)し、生成された各上映館別の広告コンテンツを各上映館に配布する。
【0053】
以下、本発明の一実施形態によるガイドイメージの生成方法について説明する。
本発明の一実施形態によるガイドイメージの生成方法は、ガイドイメージの生成装置が多面上映館の構造を示すパラメータをデータベース(DB)から取り出すステップ(ステップa)を含む。
また、ガイドイメージの生成方法は、ステップa後に、ガイドイメージの生成装置がパラメータを用いて多面上映館の映像補正過程において用いられるガイドイメージを生成するステップ(ステップb)を含む。
【0054】
一方、ガイドイメージの生成方法は、プログラムの形で実現された後に電子装置にて読み取り可能な記録媒体に格納されるか、或いは、通信網を介して送受信される。なお、プログラムの形で実現された後に様々な電子装置の内部に一時的に又は永久的に格納される。
また、ガイドイメージの生成方法は、カテゴリは異なるが、本発明の一実施形態によるガイドイメージの生成装置と実質的に同じ特徴を含む。このため、ガイドイメージの生成装置に関する上述した特徴は、ガイドイメージの生成方法の発明にも容易に類推されて適用される。
【0055】
上述した本発明の実施形態は単に例示のために開示されたものであり、これらにより本発明が限定されることはない。また、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の思想及び範囲内において様々な修正及び変更を加えることができ、このような修正及び変更は本発明の範囲に属するものと認められるべきである。