(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
加工素材が、樹脂、マトリックス、短繊維、補強繊維プライの複合スタック、及び補強繊維又は繊維スタックのラミネートの1以上から形成されている、請求項4に記載のロータブレードアセンブリ(32)。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンにおいて、空気は、圧縮機で加圧され、高温燃焼ガスを生成するために燃焼器で燃料と混合され、高温燃焼ガスは、タービン段を通って下流に流れる。これらのタービン段は、燃焼ガスからエネルギーを取り出す。高圧タービンは、第1の段のノズル及びロータアセンブリを含み、ロータアセンブリは、ディスク及び複数のタービンブレードを有する。高圧タービンは、最初に燃焼器から高温燃焼ガスを受け入れ、また、第1のロータディスクから半径方向外側に延在する高圧タービンロータブレードの列を通る燃焼ガスを下流に導く第1の段のステータノズルを含む。多段タービンでは、第2の段のステータノズルが、第1の段のブレードの下流に配置され、次いで、第2の段のステータノズルの後には、第2のロータディスクから半径方向外側に延在する第2の段のロータブレードの列が続く。ステータノズルは、隣の下流のロータブレードでの抽出を最大にする仕方で高温燃焼ガスを導く。
【0003】
高圧ロータディスクは、運転中に圧縮機に動力供給するために対応する高圧シャフトによって圧縮機ロータに結合されている。多段低圧タービンが、多段高圧タービンの後に続いており、一般に、典型的なターボファン航空機エンジン構成では、低圧シャフトによって低圧圧縮機及び低圧圧縮機の上流に配置されたファンに結合されている。
【0004】
燃焼ガスが、タービン段を通って下流に流れるとき、エネルギーが、そこから取り出され、燃焼ガスの圧力は低下する。燃焼ガスは、圧縮機及び動力用のタービン出力シャフトに動力供給するために使用される。このようにして、燃料エネルギーは、圧縮機に動力供給して、工程を続けるために必要な圧縮空気を供給するためにシャフトを回転させる機械的エネルギーに変換される。
【0005】
タービンロータアセンブリは、一般に、周方向に互いに離間されたロータブレードの1以上の列を含む。各ロータブレードは、前縁及び後縁で互いに接続された正圧面及び負圧面を有する翼形部を含む。各翼形部は、ロータブレードプラットフォームから半径方向外側に延在する。また、各ロータブレードは、プラットフォームとダブテールとの間に延在するシャンクから半径方向内側に延在するダブテールを含み得る。ダブテールは、ロータアセンブリ内のロータブレードをロータディスク又はスプールに取り付けるために使用される。知られているブレードは、内部冷却キャビティーが少なくとも部分的に翼形部、プラットフォーム、シャンク、及びダブテールによって形成されるように中空になっている。
【0006】
これらの従来技術のロータブレードは、金属材料から形成されてきた。しかしながら、高い性能目標が、より高いタービン入口温度を可能にする代替的な材料を使用するという目標をもたらしてきた。温度性能の改善は、ガスタービンエンジン構成要素へのセラミックマトリックス複合材の使用によって達成されてきた。しかしながら、セラミックマトリックス複合材の構成要素と金属の又は他の材料の構成要素との一体化が問題となってきた。例えば、ロータブレードに関して、あらゆる運転状態の間にわたり決定的でロバストな方法でシート金属ダンパを保持すること及びCMCロータブレードと一体のダンパ保持特徴を作製することが望ましい。
【0007】
前述の内容によって理解され得るように、一体のプラットフォーム及びダンパ保持特徴を有する、CMCのブレードアセンブリ可能にするためにこれら及び他の欠陥を克服することが望ましい。
【発明の概要】
【0009】
例示的な実施形態によれば、一体のプラットフォーム及びダンパ保持特徴を有するタービンブレードを形成するための様々なレイアップされたプライ構造が提供される。セラミックマトリックス複合材(CMC)の構成要素の構造性能を最大にするために連続繊維を用いることが望ましい。これを踏まえて、実施形態は、プリプレグプライが、最適な構造を提供するために長く、連続的であり、ダブテールのような支持特徴に根差すように提供される。実施形態は、ダンパ保持ポケットを形成するように半径方向に分裂してもよい、根元及び/又はシャンクから延在する連続繊維のレイアップされたプライを用いてもよい。一部の実施形態は、ダンパ保持特徴(例えば、ポケット)が形成され得る領域を形成するために表面をシールするように前方向及び後方向に連続的に延在するプライを含んでもよい。これらのプライは、エンジェルウィング又はシールオーバーラップ(seal overlap)に一体化されてもよい。一部の他の実施形態によれば、付加的な構造的支持は、構造的支持の改善のためにさらにシャンクに延在する、エンジェルウィングの内平面にレイアップされたプライを含んでもよい。一部の実施形態によれば、ブレードは、連続繊維CMCプライを含み、連続繊維CMCプライは、ダンパポケットの上方及び下方に延在し、ブレードの正圧面及び負圧面の両方の前縁及び後縁に形成されたダンパ保持タブを有してもよい。
【0010】
一部の例示的な実施形態によれば、ガスタービンエンジン用のロータブレードアセンブリは、レイアップされたセラミックマトリックス複合(CMC)材料から形成されたブレード部であって、前縁及び後縁、前縁と後縁との間に延在する正圧面、並びに前縁と後縁との間に延在する、正圧面の反対側の負圧面を有するブレード部と、レイアップされたCMC材料から形成された根元であって、半径方向内端にダブテールを有する根元と、レイアップされたCMC材料から根元と一体的に形成されたシャンクであって、該シャンクが、根元から延在し、プラットフォームが、シャンクから周囲に延在するシャンクとを備える。CMC材料の複数の連続繊維ダンパ保持プライは、根元からプラットフォームまで延在する。複数の連続繊維ダンパ保持プライは、前縁及び後縁の近傍で上方の1以上のプライ及び下方の1以上のプライを形成するように分裂する。上方の1以上のプライは、前縁から後縁まで延在する。下方の1以上のプライは、上方の1以上のプライに対向して前縁及び後縁に配置され、下方の1以上のプライは、シャンクから延在するダンパ保持タブを形成し、前縁及び後縁の近傍にダンパポケットを形成する。シート金属ダンパは、ダンパポケットに配置される。
【0011】
随意に、下方の1以上のプライは、前縁から後縁まで連続的に延在する。下方の1以上のプライは、前縁と後縁との間で非連続的であってもよい。ダンパポケットは、加工素材(machining stock)を受け入れてもよい。ロータブレードアセンブリにおいて、加工素材は、樹脂、マトリックス、短繊維、補強繊維プライの複合スタック、及び補強繊維又は繊維スタックのラミネートの1以上から形成される。
【0012】
他の例示的な実施形態によれば、ガスタービンエンジン用のロータブレードアセンブリは、レイアップされたセラミックマトリックス複合(CMC)材料から形成されたブレード部であって、前縁及び後縁、前縁と後縁との間に延在する正圧面、並びに前縁と後縁との間に延在する、正圧面の反対側の負圧面を有するブレード部と、レイアップされたCMC材料から形成された根元であって、半径方向内端にダブテールを有する根元とを備える。シャンクは、レイアップされたCMC材料から根元と一体的に形成され、シャンクは、根元から延在し、プラットフォームは、シャンクから周囲に延在する。プラットフォームは、前縁の前方から後縁の後方まで延在する複数の連続繊維CMC流路プライによって形成される。エンジェルウィングは、連続繊維CMCエンジェルウィングプライから形成される。エンジェルウィングプライは、前縁及び後縁で複数のダンパ保持プライの下方に配置され、エンジェルウィングは、周方向及び軸方向に延在する。1以上の支持プライは、前縁及び後縁で流路プライとエンジェルウィングプライとの間に配置され、これらの間に軸方向に延在し、これにより、流路プライと1以上の支持プライとの間にダンパポケットを形成する。シート金属ダンパは、ダンパポケットに配置される。
【0013】
随意に、ロータブレードアセンブリの1以上の支持プライは、エンジン軸線に対してある角度をなして延在する。ロータブレードアセンブリの1以上の支持プライは、流路プライとエンジェルウィングプライとの位置合わせを可能にするように曲線をなす端部を有する。
【0014】
さらなる例示的な実施形態によれば、ガスタービンエンジン用のロータブレードアセンブリは、レイアップされたセラミックマトリックス複合(CMC)材料から形成されたブレード部であって、前縁及び後縁、前縁と後縁との間に延在する正圧面、並びに前縁と後縁との間に延在する、正圧面の反対側の負圧面を有するブレード部と、レイアップされたセラミックマトリックス複合(CMC)材料から形成された根元であって、半径方向内端にダブテールを有する根元とを備える。シャンクは、レイアップされたCMC材料から根元と一体的に形成され、シャンクは、根元から延在し、プラットフォームは、シャンクから周囲に延在する。CMC材料の複数の連続繊維ダンパ保持プライは、根元からプラットフォームまで延在し、複数の連続繊維ダンパ保持プライは、上方に延在し、周方向に向かって外側に曲がる。エンジェルウィングは、レイアップされた連続繊維CMCエンジェルウィングプライから形成され、エンジェルウィングプライは、前縁及び後縁で複数のダンパ保持プライの下方に、及びダンパ保持プライ内に配置され、エンジェルウィングは、周方向及び軸方向に延在する。保持タブは、正圧面及び負圧面の前縁及び後縁の近傍に形成された複数のレイアップされたCMC保持タブプライから形成され、保持タブは、エンジェルウィングの軸方向内側に配置される。保持タブは、前縁の方向及び後縁の方向に延在する複数のレイアップされたCMC保持タブプライをさらに備える。ダンパ保持プライ及び保持タブの上端は、前縁及び後縁の近傍にダンパポケットを形成する。シート金属ダンパは、ダンパポケットに配置される。
【0015】
さらなる実施形態によれば、ロータブレードアセンブリは、レイアップされたセラミックマトリックス複合(CMC)材料から形成されたブレード部であって、前縁及び後縁、前縁と後縁との間に延在する正圧面、並びに前縁と後縁との間に延在する、正圧面の反対側の負圧面を有するブレード部を備える。根元は、レイアップされたCMC材料から形成され、半径方向内端にダブテールを有する。シャンクは、レイアップされたCMC材料から根元と一体的に形成され、シャンクは、根元から延在し、プラットフォームは、シャンクから周囲に延在する。CMC材料の複数の連続繊維ダンパ保持プライであって、複数のダンパ保持プライが、根元からプラットフォームまで延在し、複数の連続繊維ダンパ保持プライが、前縁及び後縁の近傍で上方の1以上のプライ及び下方の1以上のプライを形成するように分裂する複数の連続繊維ダンパ保持プライ。上方の1以上のプライは、前縁から後縁まで延在する。下方の1以上のプライは、上方の1以上のプライに対向して前縁と後縁との間に延在し、前縁及び後縁の近傍にダンパポケットを形成する。C字形状の1以上のプライは、上方の1以上のプライと下方の1以上のプライとの間のダンパポケット内に配置される。シート金属ダンパは、ダンパポケット内の、C字形状の1以上のプライの端部の間に配置される。
【0016】
以上のように概説された特徴のすべては、例示に過ぎないことが理解されるべきであり、プライ構造の多くのさらなる特徴及び目的は、本明細書の開示から明らかになり得る。したがって、本概要の限定的な解釈は、明細書、特許請求の範囲、及びこれらと共に含まれる図面の全体をさらに読むことなく理解されるべきではない。
【0017】
添付図面と併せて実施形態に関する以下の説明を参照することによって、これらの実施形態の上述した及び他の特徴及び利点並びにこれらを達成する方法が、より明らかになり、一体のプラットフォーム及びダンパ保持特徴のためのCMCプライ構造が、より良く理解されるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、用意した実施形態(このうちの1以上の例が、図面に示されている)を詳細に参照する。各例は、説明のために提示されており、開示されている実施形態の限定のために提示されているのではない。実際、本開示の範囲又は精神から逸脱することなく本実施形態に様々な修正及び変更が行われ得ることは、当業者には明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として示されているか、又は説明されている特徴は、さらなる実施形態をさらに得るために別の実施形態と共に使用されてもよい。したがって、本実施形態は、このような修正及び変形を、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内に入るものとして包含することが意図されている。
【0020】
次に
図1〜
図10を参照すると、一体のプラットフォーム及びダンパ保持特徴を形成するためにCMCプライをレイアップするための方法及び装置の様々な実施形態が提供される。プライ構造は、ダブテールから半径方向に延在し、ロータブレードにわたって軸方向に連続的又は非連続的に延在してもよい。また、連続繊維CMCレイアップから一体的に形成された保持タブであって、ロータブレードのシールオーバーラップ又はエンジェルウィングの一方又は両方に一体化された保持タブが提供され得る。これらの保持タブは、ロータブレードのシャンク領域から出ているプライを含んでもよい。さらに、保持特徴は、ダンパポケット内に配置された折り返しプライを含んでもよい。
【0021】
前方及び後方という用語は、エンジン軸線に関して使用され、一般に、エンジン軸線の方向に関してタービンエンジンの前方又はタービンエンジンの後方を意味する。
【0022】
本明細書で使用される場合、用語「軸方向の」又は「軸方向に」は、エンジンの長手方向軸線に沿った次元を意味する。「軸方向の」又は「軸方向に」と共に使用される用語「前方の」は、エンジン入口の方向への移動又は別の構成要素よりも比較的エンジン入口の近くにある構成要素を意味する。「軸方向の」又は「軸方向に」と共に使用される用語「後方の」は、エンジン出口の方向への移動又は別の構成要素よりも比較的エンジン出口の近くにある構成要素を意味する。
【0023】
本明細書で使用される場合、用語「半径方向の」又は「半径方向に」は、エンジンの中心長手方向軸線とエンジンの外周との間に伸びる次元を意味する。用語「近くの」又は「近くに」を、単独で又は用語「半径方向の」又は「半径方向に」と共に使用することは、中心長手方向軸線の方向への移動又は別の構成要素に比べて中心長手方向軸線の比較的近くにある構成要素を意味する。用語「遠くの」又は「遠くに」を、単独で又は用語「半径方向の」又は「半径方向に」と共に使用することは、エンジン外周の方向への移動又は別の構成要素に比べてエンジン外周の比較的近くにある構成要素を意味する。本明細書で使用される場合、用語「横方向の」又は「横方向に」は、軸方向次元及び半径方向次元の両方に対して垂直な次元を意味する。
【0024】
最初に
図1を参照すると、エンジン入口端部12を有するガスタービンエンジン10の概略側断面図が示されており、そこでは、空気は、一般に多段高圧圧縮機14、燃焼器16、及び多段高圧タービン18によって形成されている推進器又はコア13に流入する。全体として、推進器13は、エンジン10の運転のために動力を供給する。
【0025】
ガスタービンエンジン10は、ファンアセンブリ28と、低圧タービン20と、低圧圧縮機又はブースタ22とをさらに備える。ファンアセンブリ28は、全体に26で示されているロータディスクから半径方向外側に延在するファンブレード24の列を含む。吸気側12の反対には、排気側30がある。一実施形態では、エンジン10は、非限定的な例としては、General Electric Aircraft Engines(オハイオ州シンシナティ)から市販されているCT7エンジンである。航空の実施形態におけるガスタービン10が示されているが、このような例は、限定として考えられるべきではない。なぜなら、ガスタービン10は、航空、発電、工業、又は海事などにも使用され得るからである。
【0026】
運転中、空気は、エンジン10の空気入口端部12を通って流入し、空気圧が高められる圧縮機22、14の1以上の圧縮段を通って移動し、燃焼器16に導かれる。圧縮空気は、燃料と混合されて燃焼され、これにより、燃焼器16から流出して高圧タービン18に向かう高温燃焼ガスが供給される。高圧タービン18では、タービンブレード32の回転をもたらすエネルギーが、高温燃焼ガスから取り出され、結果的に、タービンブレード32の回転は、高圧シャフト25の回転をもたらす。高圧シャフト25は、圧縮機14の1以上の段を回転させ続けて、動力サイクルを継続するためにエンジンの前部に向かって通されている。また、低圧タービン20は、さらなるエネルギーを取り出し、付加的な圧縮機段に動力供給するために用いられてもよい。ターボファン28は、低圧シャフト27によって低圧圧縮機22及び低圧タービン20に連結されている。ターボファン28は、タービンエンジン10のために推力を発生させる。低圧及び/又はバイパス空気は、エンジンの構成要素の冷却を助けるためにも使用され得る。
【0027】
ガスタービン10は、エンジン軸線29に関して軸対称であり、様々なエンジン構成要素が、エンジン軸線29を中心に回転するようになっている。軸対称の高圧シャフト25は、タービンエンジンの前端を通って後端に伸びており、シャフト構造の長さに沿って軸受により軸支されている。シャフト25は、エンジン10の軸線又は中心線29を中心に回転する。高圧シャフト25は、高圧シャフト25の回転とは無関係の、その中での低圧タービンシャフト27の回転を可能にするために中空であってもよい。低圧シャフト27もまた、エンジンの中心軸線29を中心に回転し得る。運転中、シャフトは、電力及び工業又は航空の使用領域に使用される様々な種類のタービンのための動力又は推力を生成するために、シャフトに連結された他の構造(タービンのロータアセンブリなど)と共に回転する。
【0028】
図2は、ガスタービンエンジン10(
図1に示されている)に使用され得るロータブレードアセンブリ32の斜視図である。ロータブレードアセンブリ32のそれぞれは、一般に中空翼形部34及び翼形部34をロータディスク(図示せず)に知られている方法で取り付けるために使用される一体のダブテール33を含む。特定のダブテール及び翼形が示されているが、当業者ならば、これらは例示であり、限定ではないことを理解するであろう。一実施形態では、複数のロータブレードアセンブリ32は、ガスタービンエンジン10の高圧タービンロータブレード段(図示せず)を形成する。タービンロータブレードが示され、説明されているが、本実施形態は、圧縮機ロータブレードもしくは他のブレード又は翼形構造に適用され得る。
【0029】
翼形部34は、第1の側壁36及び第2の側壁38を含む。第1の側壁36は、凸状であり、翼形部34の負圧面を形成しており、第2の側壁38は、凹状であり、翼形部34の正圧面を形成している。側壁36及び38は、前縁40及び前縁40の下流にある、翼形部34の軸方向に離間された後縁42の近傍で互いに接続されている。翼形部34は、翼先端47とブレードの根元44との間で側壁36及び38に沿って半径方向に互いに離間された複数のフィルム孔46であって、翼形部34の外面の冷却を促進するために翼形部34から冷却流体を放出するための複数のフィルム孔46を含む。また、翼形部34は、翼先端47とブレードの根元44との間で後縁42に沿って半径方向に互い離間された複数の後縁スロット48であって、翼形部の後縁42の冷却を促進するために翼形部34から冷却流体を放出するための複数の後縁スロット48を含む。フィルム孔46及び後縁スロット48によって促進された熱伝達は、翼形部外面36、38に沿った冷却を促進する。
【0030】
第1の側壁36及び第2の側壁38はそれぞれ、翼形部34の根元端部44にあるプラットフォーム50から半径方向に延在する。プラットフォーム50の下面は、ダブテール33を受けている。ダブテール33は、様々な形態をとってもよく、描かれている単一の形状に限定されるべきではない。ダブテール33は、ロータディスク(図示せず)によって保持され、かつこれに荷重を伝達する圧力面35を有する。冷却回路は、アパーチャ46、48との冷却流体連通を形成するようにダブテール33から翼形部34を通って半径方向上方に伸びていてもよい。
【0031】
プラットフォーム50は、翼形部34のそれぞれの外周の範囲を越えて延在しており、前方シールオーバーラップ51及び後方シールオーバーラップ52並びに前方エンジェルウィング53及び後方エンジェルウィング54を含む。オーバーラップ及びエンジェルウィングの構造51〜54は、ロータハードウェアをシールして、ブレードアセンブリ32及びその周囲の漏れを制限するために用いられる。エンジェルウィングは、プラットフォーム50から半径方向下方に延在し、また、ダブテール33のシャンク部37まで内側に延在してもよい。さらに、エンジェルウィング53、54は、プラットフォーム50の前端及び後端の全体の下方のシーリング特性を提供するようにプラットフォームの下方で周方向又は接線方向に延在してもよい。
【0032】
次に
図3及び
図4を参照すると、例示的なブレードアセンブリ32の互いに逆向きの側面の等角図が描かれている。プラットフォーム50より上の翼形部34の部分は省略されている。図は、プラットフォーム50及びダブテール33を含むブレードアセンブリ32の下部を描いている。ダブテール33は、下端及びシャンク37に接続されている上端を有する。シャンク37は、ダブテール33とプラットフォーム50との間に延在する。
【0033】
CMC材料は、繊維の長さと平行な方向(「繊維方向」)の、材料の引張強さが垂直方向の引張強さよりも強い特性を有する。この垂直方向は、マトリックス、層間、二次、又は三次の繊維の方向を含んでもよい。また、様々な物理的特性が、繊維方向とマトリックス方向とで異なってもよい。
【0034】
ガスタービンのためのより高い運転温度が、その効率を向上させるために絶えず追求されている。CMC材料は、注目すべき例である。なぜなら、その高温性能が、冷却空気要求を大幅に低減し得るからである。CMC材料は、一般に、セラミックマトリックス材料に埋め込まれるセラミック繊維強化材料を含む。強化材料は、マトリックス亀裂の場合にCMCの耐荷重要素としの役割を果たす連続繊維であってもよい。そしてまた、セラミックマトリックスは、強化材料を保護し、その繊維の向きを維持し、荷重を強化材料に分散する役割を果たす。ケイ素系複合材(マトリックス及び/又は強化材料としての炭化ケイ素(SiC)など)は、高温用途(例えば、ガスタービン(航空機用ガスタービンエンジン及び発電産業で使用される地上用ガスタービンエンジンを含む)の高温構成要素)に特定の利点を有する。本実施形態は、ブレードアセンブリ32を形成するためにセラミックマトリックス複合材料を用いている。CMCは、ニッケル基超合金に比べて高温性能及び低延性を有する非金属材料である。一般に、CMC材料は、セラミック繊維(例えば炭化ケイ素(SiC))を含み、その一形態は、窒化ホウ素(BN)などのコンプライアント材料(compliant material)で被覆されたものである。繊維は、セラミック系マトリックス中で被覆されており、その一形態は炭化ケイ素(SiC)である。一般に、ブレードアセンブリ32は、低延性で高温性能の材料から構成される。CMC材料は、一般に、本明細書において低引張延性材料を規定するために使用される約1%以下の室温引張延性を有する。より具体的には、一部のCMC材料は、約0.4%〜約0.7%の範囲の室温引張延性を有する。このようなCMC構成要素に用いられる例示的な複合材料は、炭化ケイ素、ケイ素、シリカ、又はアルミナのマトリックス材料及びこれらの組合せを含む。一般に、セラミック繊維(サファイア及び炭化ケイ素のようなモノフィラメントを含む酸化安定強化繊維(例えば、TextronのSCS−6)並びに炭化ケイ素を含むロービング及びヤーン(例えば、日本カーボンのNICALON(登録商標)、宇部興産のTYRANNO(登録商標)、及びDow CorningのSYLRAMIC(登録商標))、ケイ酸アルミナ(例えば、Nextelの440及び480)、及び短いウィスカ及び短繊維(例えば、Nextelの440及びSAFFIL(登録商標))、及び随意にセラミック粒子(例えば、Si、Al、Zr、Y、及びこれらの組合せの酸化物)及び無機充填材(例えば、パイロフィライト、ウォラストナイト、マイカ、タルク、カイヤナイト、及びモンモリロナイト)など)は、マトリックス内に埋め込まれる。CMC材料は、一般に、約1000〜1200°Fの温度において約1.3×10
-6in/in/°F〜約3.5x10
-6in/in/°Fの範囲の熱膨張係数を有する。しかしながら、これらは、例示的な特性であり、限定と考えられるべきではない。
【0035】
形成工程は、一般に、多数のプリプレグ層(それぞれが、「テープ」の形態であり、所望のセラミック繊維強化材料、CMCマトリックス材料の1以上の前駆体、及び有機樹脂結合剤を含む)を用いてCMCを作製することを含む。従来の実践によれば、プリプレグテープは、セラミック前駆体及び結合剤を含むスラリーを強化材料に含浸させることによって形成されてもよい。前駆体にとって好ましい材料は、CMC構成要素のセラミックマトリックスに求められる特定の組成に依存する(例えば、所望のマトリックス材料がSiCの場合はSiC粉末及び/又は1以上の炭素含有材料)。注目すべき炭素含有材料は、カーボンブラック、フェノール樹脂、及びフラン樹脂(フルフリルアルコール(C
4H
3OCH
2OH)を含む)を含む。他の一般的なスラリー原材料は、プリプレグテープの柔軟性を促進する有機結合剤(例えば、ポリビニルブチラール(PVB))及び繊維強化材料への含浸を可能にするためにスラリーの流動性を促進する、結合剤のための溶媒(例えば、トルエン及び/又はメチルイソブチルケトン(MIBK))を含む。スラリーは、CMC構成要素のセラミックマトリックス中に存在することを意図された1種類以上の粒状充填剤(例えば、Si−SiCマトリックスの場合はケイ素及び/又はSiCの粉末)をさらに含んでもよい。
【0036】
スラリーが、部分的に乾燥し、必要に応じて結合剤を部分的に硬化させること(Bステージ化)を可能にした後、結果として得られたプリプレグテープは、他のテープにレイアップされ、次に、減量され、必要に応じて、プリフォームを作るために高圧及び高温にさらされながら硬化される。次に、プリフォームは、結合剤を分解し、溶媒を除去し、前駆体を所望のセラミックマトリックス材料に変化させるために真空中又は不活性雰囲気中で加熱される(焼かれる)。結合剤の分解に起因して、得られるものは、多孔質のCMC本体であり、多孔質のCMC本体は、空孔を埋め、CMC構成要素を得るために溶融含浸(MI:melt infiltration)を受けてもよい。上記の工程に関する特定の処理技術及びパラメータは、材料の特定の組成に依存する。
【0037】
再び
図3及び
図4を参照すると、セラミックマトリックス複合材料の構造プライは、さらなる構造強度を実現するためにこれらの実施形態のいずれにおいてもダンパポケット60の上方に配置されてもよい。さらに、CMCプライは、タービン流路内面を形成するためにプラットフォーム50の上面に用いられてもよい。プラットフォームを形成するプライは、シールオーバーラップ51、52の間に軸方向に延在する。シールオーバーラップ51、52は、エンジェルウィング53、54を形成するプライによってさらに形成されている。エンジェルウィングプライは、ダンパ保持プライを下から支持し、ダブテール33まで下に延在する。
【0038】
次に
図5、
図6、及び
図7をさらに参照すると、ダンパ保持プライ62の断面図が描かれている。ダンパ保持プライ62は、正圧面38及び負圧面36の両方に沿って上方に延在し、プラットフォーム50の近傍で分裂している。具体的に
図3〜
図5を参照すると、ダンパ保持プライ62は、前縁を描いている
図5に示されているように上方に延在する。プライ62は、正圧面及び負圧面のそれぞれにおいて、
図5を参照すると分かるように、分裂して、上方プライ63及び下方プライ64並びに上方プライ63と下方プライ64との間のダンパ保持ポケット60を形成している。用語「プライ」が、本説明では用いられているが、ダンパ保持プライ62及びこれから形成される分裂プライ63、64は、セラミックマトリックス複合材料の1以上の層であってもよいことが理解されるべきである。同様に、用語「プライ」は、1以上のプライをも意味し得る。これらのプライは、単方向、多方向のものであってもよく、また、厚さが等しいもの又は厚さが一様でないものであってもよい。
【0039】
図7を参照すると、ダンパ保持プライ62は、ダブテール33からシャンク37に沿って上方に延在する。同様に、プラットフォーム50の近傍において、
図7は、ブレードアセンブリ32の後縁の断面図を描いている。前縁と同様に、ダンパ保持プライ62は、上方に延在し、分裂してダンパ保持ポケット60を形成している。したがって、
図3〜
図5及び
図7の比較から理解され得るように、これらの保持ポケット60は、ブレードアセンブリ32の前縁及び後縁の近くに形成されており、これらの位置に保持タブ65、67によって形成されている。
【0040】
しかしながら、
図3、
図4、及び
図6を参照すれば、当業者は、ダンパ保持プライ62が、上方に延在するものの、ブレードアセンブリ32の中央平面領域では分裂していなくてもよいことを理解するであろう。この中央平面領域では、ダンパ59は、
図5及び
図7に描かれているように保持タブによって囲まれなくてもよい。
【0041】
ダンパ保持ポケット60内には、犠牲加工挿入材(sacrificial machining insert)61が配置されてもよい。これらの加工挿入材61は、様々な材料から形成されてもよく、ダンパ保持プライ62の上方プライ63と下方プライ64との間に配置されてもよい。加工挿入材61は、樹脂、マトリックス、短繊維、補強繊維プライの複合スタック(compound stack)、及び補強繊維もしくは繊維スタック又は同様の構造のラミネートの1以上であってもよい。材料は、プライ63、64の間の厚さに応じて、様々な方向に配置されてもよく、また様々な寸法を有してもよい。先ほど説明したように、上方プライ63及び下方プライ64は、正圧面及び負圧面の両方において前縁及び後縁でダンパ59を保持するためのさらなる構造強度を実現するために1以上の構造プライから形成されてもよい。
【0042】
次に
図8を参照すると、代替的な実施形態の側面図が描かれている。前の実施形態を簡単に参照すると、ダンパ保持プライは、前縁40から後縁42までブレードアセンブリ32にわたって連続的に延在していなかった。その代わりに、保持タブ65、67は、ブレードアセンブリ32の軸方向前端及び軸方向後端に形成されていた。この実施形態と対照的に、
図8の実施形態は、上面のプラットフォーム50の下方で少なくとも前縁40から後縁42まで連続的に(前の実施形態の場合のように非連続的にではなく)延在するダンパ保持又は支持プライ162を用いている。本実施形態では、ダンパ保持プライ162は、ブレードアセンブリ32の前縁及び後縁においてシールオーバーラップ51、52の間に挟まれている。プライ162は、1以上のプライから形成されてもよく、負荷要求に応じて変化する厚さを有するように形成されてもよい。この実施形態によれば、連続的な構造繊維CMCの付加的な層が、タービン流路内面を形成するためにプラットフォーム50の上面に沿ってさらに配置されてもよい。ダンパポケット60は、ダンパ保持プライ162の上方かつプラットフォーム50の上面に沿ったタービン流路内面の下方に形成されてもよい。このようにして、プラットフォーム50は、ブレードアセンブリ32と一体的に形成され、ダンパ保持特徴もまた一体的に形成される。一部の実施形態によれば、ダンパ保持プライ162は、シールオーバーラップ51、52内に挟まれる。しかしながら、他の実施形態では、ダンパ保持プライ162は、エンジェルウィング53、54によって予め形成されてもよい。さらに、一部の実施形態によれば、ダンパ保持プライ162は、エンジェルウィング53、54に折り込まれてもよい。
【0043】
次に
図9を参照すると、さらなる実施形態が描かれており、そこでは、ロータブレードアセンブリ32の側面図が示されている。実施形態は、プラットフォーム50から延在する翼形部34を含み、プラットフォーム50に接続されているシャンク37まで上方に延在するダブテール33を含む。この実施形態では、ダンパ保持又は支持プライ262は、前方シールオーバーラップ51から延在し、ダンパ保持又は支持プライ264は、後方シールオーバーラップ52から軸方向内側に延在する。プライ262、264は、一部の実施形態に従って別個に形成されているものとして示されている。しかしながら、これらのプライは、例えば
図8に示されているようにブレード32の前端から後端まで完全に延在するように、
図8に示されているように1つのものとして形成されてもよい。プライ262、264は、ダンパを適切な位置に保持する役割を果たすタブ265、267の上部を形成している。さらに、プライ262、264は、省略されてもよいし、さらに本明細書に述べられるダンパ保持タブ265、267と組合せて使用されてもよい。
【0044】
さらに、タブ265、267は、1以上の下方プライ268によって形成されている。描かれている実施形態では、プライ268は、ブレード32にわたって延在するが、プライ268は、連続的ではなく非連続的な、2つの軸方向に延在するプライによって形成されてもよい。さらに、プライ266、269は、エンジェルウィング53、54に結合されるようにプライ268から下方に下がっており、さらなる構造強度を提供している。したがって、本実施形態によれば、プライ266、268、269は、L字形状であり、上方に延在し、エンジェルウィング53、54から差し込まれている。これらのL字形状の構造は、ブレードアセンブリ32にわたって連続していてもよいし、どのようにプライ168が形成されるかに応じて非連続であってもよい。ダンパ保持プライ262、264、266、268、269はすべて、ダンパ保持タブ265、267を形成するために互いに接続されてもよい。代替的な実施形態によれば、プライ266、268はまた、図示のようにエンジェルウィング53、54の軸方向内側の平面に沿ってではなくエンジェルウィング53、54によって形成されてもよい。プライ262、264、266、268は、構造的支持の改善のためにシャンク37に沿って、エンジェルウィング53、54の内平面に沿って下方に形成されてもよい。
【0045】
次に
図10を参照すると、さらなるロータブレードアセンブリ32の断面図が描かれている。この実施形態は、分裂プライ363、364を示す
図3〜
図7の実施形態と同様である。さらに、分裂プライ363、364の間に形成された空間内では、折り返しプライ365が、ポケット60を形成する領域に挿入されている。挿入材61は用いられても用いられなくてもよい。折り返しプライ365は、ダンパ59を挟んでおり、また、ポケット60内に配置されている。折り返しプライは、C字形状又はU字形状であり、ロータブレードアセンブリ32のシャンク37に沿って軸方向に延在する。
【0046】
上で説明したロータブレードは、CMCブレード構成要素の一体のプラットフォーム及びダンパ保持特徴を提供する。CMCプライは、構成要素の構造強度を改善するように配置される。CMCプライは、その中へのシート金属ダンパの配置を可能にするプラットフォーム及びダンパ保持特徴を形成する。ポケットは、上部プラットフォーム構造及び保持タブ又は連続的な下部構造によって形成されてもよい。CMCプライは、ブレードアセンブリのシャンク、エンジェルウィング、又は近傍、又は両方に結合されてもよい。さらに、シールオーバーラップは、プライを挟んでもよいし、或いは、プライは、オーバーラップ領域に対して配置されてもよい。連続繊維は、セラミックマトリックス複合材(CMC)の構成要素の構造性能を最大にするために用いられる。これを踏まえて、実施形態は、プリプレグプライが、最適な構造を提供するために長く、連続的であり、ダブテールのような支持特徴に根差すように提供される。
【0047】
多数の本発明の実施形態について、本明細書で説明し、示してきたが、当業者であれば、本明細書で説明されているような、機能の実行並びに/又は結果及び/もしくは利点の1以上の達成のための様々な他の手段並びに/又は構造を容易に考え付くであろう。なお、このような変形例及び/又は修正例のそれぞれは、本明細書で説明されている実施形態の発明の範囲内にあると考えられる。より一般には、当業者であれば、本明細書で説明されているすべてのパラメータ、寸法、材料、及び構成が、例示のためのものであり、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成が、本発明の教示が使用される特定の用途に依存することを容易に理解するであろう。当業者であれば、日常の実験のみを用いて、本明細書で説明されている特定の本発明の実施形態の多くの均等物を認識するか、又は把握することができる。したがって、前述の実施形態は、例として提示されているに過ぎないこと、及び、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内で、本発明の実施形態が、具体的に説明され、特許請求されているのとは異なる方法で実施されてもよいことを理解されたい。本開示の本発明の実施形態は、本明細書で説明されている個々の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法のそれぞれに関する。さらに、2以上のこのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法の任意の組合せは、このような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しない限り、本開示の発明の範囲内に含まれる。
【0048】
最良の態様を含めて実施形態を開示するために、さらには、任意の当業者が任意の装置又はシステムの作製及び使用並びに任意の組み込み方法の実行を含めて装置及び/又は方法を実施することを可能にするために、例が使用されている。これらの例は、網羅的であること又は開示されているまさにそのステップ及び/もしくは形態に本開示を限定することを意図されておらず、上記の教示を踏まえて、多くの修正例及び変形例が可能である。本明細書で説明されている特徴は、任意の組合せにおいて組み合わされてもよい。本明細書で説明されている方法のステップは、物理的に可能な任意の順序で実行されてもよい。
【0049】
本明細書で定義され、使用されているすべての定義が、辞書的な定義、参照により組み込まれる文献における定義、及び/又は定義された用語の通常の意味よりも優先されることが理解されるべきである。本明細書及び特許請求の範囲で使用される不定冠詞「ある(a)」及び「ある(an)」は、特に指示がない限り、「1以上の」を意味すると理解されるべきである。本明細書及び特許請求の範囲において使用される語句「及び/又は」は、等位接続された要素の「どちらか一方又は両方」を意味する、すなわち、要素が連言的に存在する場合もあれば、選言的に存在する場合もあることを意味すると理解されるべきである。
【0050】
また、特に指示がない限り、1つより多くのステップ又は行為を含む、特許請求されている任意の方法において、方法のステップ又は行為の順序は、必ずしも、方法のステップ又は行為が記載されている順序に限定されないことを理解されたい。
【0051】
特許請求の範囲及び上記の本明細書において、「備える」、「含む」、「持つ」、「有する」、「含む」、「伴う」、「保持する」、及び「から構成される」などのすべての移行句は、非限定的であると、すなわち、何かを含むが、これに限定されないことを意味すると理解されるべきである。「〜からなる」及び「本質的に〜からなる」という移行句のみが、米国特許庁の特許審査便覧のセクション2111.03に記載されているように、それぞれ限定的又は半限定的な移行句であるものとする。