【実施例】
【0023】
図2は、この発明によるGOA回路構造のマルチステージ構造の説明図である。
この発明の提供する新規なGOA回路構造
において、2ステージ毎のGOA回路
は、プルダウンホールディング回路のQポイントおよびプルアップ制御回路のQポイントを共有する。2ステージ毎のGOA回路が2ステージ分のゲート(Gate)波形を出力し、ここでは双生GOAユニット(Twined−GOA)と称す(
図2におけるT100の部分)。
【0024】
それぞれのTwined−GOAは、CK1/CK2/CK3/CK4/VSS/STV信号を受信して回路の駆動を実行し、主に2組のゲート波形を出力する。Twined−GOAにおける4セットのプルダウンホールディング回路は交互に作用する。このため、個々において作動時間は1/4タイムだけである。その他3/4タイムを利用してストレスを回復する。係る方式によって応力(Stress)の作用を大幅に低減させて、GOA回路の寿命を延長させることができる。
【0025】
図3は、この発明によるGOA回路の構造の第1の実施の形態を示した説明図である。双生GOAユニットは、主に次の幾つかの部分を含む。
即ち、プルアップ
制御回路100と100'、
プルアップ回路200、200'と、トランスファー回路300、300'と、プルダウン回路400、400'と、第1プルダウンホールディング回路500、第2プルダウンホールディング回路600、第3プルダウンホールディング回路500'、第4プルダウンホールディング回路600'、ブートストラップコンデンサ700と700'(C
boast)
と、を有する。
第1プルダウンホールディング回路500と、第2プルダウンホールディング回路600と、第3プルダウンホールディング回路500'と、第4プルダウンホールディング回路600'と、によって4セットのプルダウンホールディング回路を構成し
て交互に作動させる。このためストレスの回復を進行させるためのさらに多くの時間を有することができる。
【0026】
第1プルダウンホールディング回路500におけるT51ゲート端はCK2に接続する。ドレイン端はCK1に接続する。ソース端はP(2N−1)に接続する。第2プルダウンホールディング回路600におけるT61ゲート端はCK4に接続する。ドレイン端はCK3に接続する。ソース端はK(2N−1)に接続する。
【0027】
第3プルダウンホールディング回路500'におけるT51'ゲート端はCK3に接続する。ドレイン端はCK2に接続する。ソース端はP(2N)に接続する。第4プルダウンホールディング回路600におけるT61'ゲート端はCK1に接続する。ドレイン端はCK4に接続する。ソース端はK(2N)に接続する。このように、CK信号の間のタイムシーケンスにおいて重畳する部分は
、プルダウンホールディング回路
500、500'、600、600'の4つの独立した制御信号P(2N−1)、K(2N−1)、P(2N)、K(2N)を生成する。
【0028】
また、T52、T52'、T62、T62'のゲート端はQ(2N−1)に接続し、T54、T54'、T64、T64
'のゲート端はQ(2N)に接続する。これは主に、ゲート信号を出力する場合に双生GOAユニット(Twined−GOA)のプルダウンホールディング回路をオフにするためである。
【0029】
図4は、
図3に開示する回路構造の入力信号とキーポイントノードの波形を示した説明図である。図面に開示するように、Twined−GOA回路のP(2N−1)、K((2N−1)、P(2N)、K(2N)の作動時間は1/4である。応力の回復時間は3/4である。しかも、
図3に開示するTwined−GOA回路のQ(2N−1)とQ(2N)、G(2N−1)とG(2
N)は独立している。よって、実際にはP(2N−1)とK(2N−1)のみがQ(2N−1)とG(2N−1)とを維持(Holding)し、P(2N)とK(2N)のみがQ(2N)とG(2N)とを維持する。即ち、それぞれのステージのTwined−GOA回路のそれぞれのサブ回路は半分の時間のみ維持する。このためQポイントにとってはリスクが高くなる。よってある程度の変更を必要とする。
【0030】
図5は、この発明によるGOA回路構造の第2の実施の形態を示した説明図である。
図3と合わせ参照にすると明らかなように、
図5に開示する構造は
図3に開示する構造のQ(2N−1)とQ(2N)に対して変更を加えた。即ち、両ステージのQポイントの共有である(Q
Sharing、QSポイントと略称する)。よって、4セットのプルダウンホールディング回路のQポイントに対する継続した作用を実現する。したがって、プルダウンホールディング回路の応力の作用を低減させるとともに、
図3に開示する回路構造のQポイントのリスクの問題を解決することができる。
【0031】
基本的な構造は、共有する一つのプルアップ制御回路100'と、共有する一つのトランスファー回路300'と、2つのプルアップ回路200及び200'と、2つ
のプルダウン回路400及び400'と、二つのブートストラップコンデンサ(C
boast)と、4つの共有するプルダウンホールディング回路と、を含み、係る構造は簡易で実用的であり、応力の作用が弱く、Qポイントのリスクが低い。
【0032】
T52、T62、T52'、T62'のゲート端はQSポイントに接続し、ドレイン端は、それぞれP(2N−1)、K(2N−1)、P(2N)、K(2N)に接続する。ソース端は、いずれも直流定電圧VSSに接続し、主にQSが高電位時にプルダウンホールディング回路をオフにする。T41'は、主にQSポイントの電荷を放出する。T31はG(2N−1)をプルダウンする。QSがオンの場合T21はG(2N−1)の放出をサポートする。このためT3
1のサイズは小さ目になる。T31'はG(2N)をプルダウンし、T22'は双生GOAユニット回路のトランスファー信号とする。
【0033】
図6は
図5に開示する回路構造の制御信号と各ノード信号の説明図である。図面に開示するように、QS(N)ポイントの変化は比較的複雑であって、複数回のブーストを実現することができる。STV信号は回路の起動信号であって、走査を開始する場合にのみオンとなる。後方の直線状の箇所は低電位である。CK信号のデューティー比(Duty
Ratio)は50%である。
クローク信号の重畳する部分
を利用して、プルダウンホールディング回路の4つの独立した制御信号P(2N―1)、K(2N―1)、P(2N)、K(2N
)を生成する。
後方のステージの双生GOAユニットのトランスファー信号は偶数ステージのGOAサブ回路のみに接続する。よってタイムシーケンス上CK2とCK4とがちょうど同様になる。係る方式は主にQポイントを共有する場合に発生する充電ミスを避けることができる。
【0034】
QS(N)ポイントには、3回ブーストする機会が発生する。第1回目は転送信号がプルアップ制御回路に入力するT11'であって、2回目はCK1、又はCK3の信号がG2(2N−1)に入力することによって、3回目はCK2、又はCK4の信号がG(2N)に入力することによって発生する。係る機会は図面に開示するQS(N)ポイントの電位の変化を発生させる。
【0035】
図7は、
図5に開示する回路構造の他の信号受信方法を示した説明図である。4セットのプルダウンホールディング回路は、それぞれ4セットの低周波数、又は超低周波数信号(LC)が入力して、図面に開示するP(2N―1)、K(2N―1)、P(2N)、K(2N)信号を生成する。しか
もLCL(低周波数信号低電位)には直流定電圧VSS
よりも低く設定することができる。このため、3/4のレストタイムで一つの負圧回復作用を進行させることができる。係る方式は応力の作用の軽減に有利であり、パワー
消費を低減させることができる。但し、レイアウトの配線上の難度を高める
可能性がある。
【0036】
この発明はクローク信号の転移と、GOAプルダウン回路の共有と、Qポイントの共有によって、それぞれのプルダウンホールディング回路の作動時間の半減を実現し、さらに多くの時間で応力回復を進行させ、主要なプルダウンTFTの応力作用を低減させる。4セットの低周波数信号を採用することでパワーを低減させ、しかも低周波数信号のマイナス電位を制御することによってプルダウンホールディング回路の主要なプルダウンTFTの応力の作用を、さらに好ましく回復することができる。
【0037】
図8は、
図7に開示する4セットのプルダウンホールディング回路のLC信号のタイムシーケンス及び信号受信方法を示した説明図である。T51ゲートはLC2に接続し、ドレイン端はLC1に接続し、ソース端はP(2N−1)に接続する。T6ゲートはLC4に接続し、ドレイン端はLC3に接続し、ソース端はK(2N−1)に接続する。T51'ゲート端はLC3に接続し、ドレイン端はLC2に接続し、ソース端はP(2N)に接続する。T61'ゲート端はLC1に接続し、ソース端はK(2N)に接続する。係る方式によりLC信号のタイムシーケンスの重畳する部分を利用して4つの独立したプルダウンホールディング信号P(2N−1)、K(2N−1)、P(2N)、K(2N)を生成する。
【0038】
この発明で採用する高周波信号CK1、CK2、CK3、CK4は同一の波形を選択して、順に四分の一周期の差のクローク信号としてもよい。低周波信号も同様の選択をすることができる。
【0039】
以上をまとめると、この発明によるGOA回路の構造は次に掲げる長所を具える。即ち、2つのステージのGOA回路のプルダウンホールディング回路を共有することで4セットのプルダウンホールディング回路の作用を発生させて次のステージのGOA回路に該作用を与えることができる。このため、それぞれの回路は1/4の時間のみを必要とし、他の3/4の時間によって応力回復を進行させる。よって、応力の作用を軽減させることになり、プルダウンホールディング回路の使用寿命を延長することができる。
【0040】
また、隣り合うステージのQポイントを共有してTwined−GOAの構造を構成することで、回路の簡易化とQポイントの複数回のブーストを実現することができる。
【0041】
また、2つのステージのGOA回路のプルダウンホールディング回路を共有してから入力する制御信号は本来の高周波クローク信号を採用することができ、2つずつ1セットの形式でTFTのゲート端とドレイン端とを接続する。また別途4セットの低周波、もしくは超低周波信号を加えて回路のパワーを低減させるようにしてもよく、低周波信号の低電位によっても、さらにこの末子応力回復の作用が得られる。
【0042】
以上述べた内容に基づき、またこの発明の提供する技術とその思想に基づき、当業者は相応の変化、変更を行うことができるが、これら変化、変更は、いずれもこの発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。