特許第6240810号(P6240810)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6240810高速鉄道用パンタグラフのカーボンすり板の自動加工設備及びその加工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6240810
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】高速鉄道用パンタグラフのカーボンすり板の自動加工設備及びその加工方法
(51)【国際特許分類】
   B28D 1/08 20060101AFI20171120BHJP
   B23P 23/02 20060101ALI20171120BHJP
   B23D 53/00 20060101ALI20171120BHJP
   B23C 3/28 20060101ALI20171120BHJP
   B23C 3/12 20060101ALI20171120BHJP
   B23D 55/08 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   B28D1/08
   B23P23/02 A
   B23D53/00
   B23C3/28
   B23C3/12 C
   B23D55/08 Z
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-511954(P2017-511954)
(86)(22)【出願日】2015年10月24日
(65)【公表番号】特表2017-523057(P2017-523057A)
(43)【公表日】2017年8月17日
(86)【国際出願番号】CN2015092785
(87)【国際公開番号】WO2016173220
(87)【国際公開日】20161103
【審査請求日】2017年1月6日
(31)【優先権主張番号】201510203804.6
(32)【優先日】2015年4月27日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517007884
【氏名又は名称】浙江晨竜鋸床股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHE JIANG CHENLONG SAWING MACHINE COMPANY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丁 澤林
(72)【発明者】
【氏名】丁 侠勝
(72)【発明者】
【氏名】江 平
【審査官】 石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−271202(JP,A)
【文献】 仏国特許出願公開第02513560(FR,A1)
【文献】 実開昭49−075188(JP,U)
【文献】 実開昭60−071515(JP,U)
【文献】 中国特許出願公開第103659273(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28D 1/08
B23C 3/12
B23C 3/28
B23D 53/00
B23D 55/08
B23P 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速鉄道用パンタグラフのカーボンすり板の自動加工設備であって、
ミーリング加工位置、切断加工位置及び面取り加工位置が順に設けられ、ラック(1)、帯鋸盤(2)、ワークミーリング装置(3)、ワーク面取り装置(4)、CNC数値制御システム(5)及び空気圧システム(6)を備え、前記帯鋸盤(2)、前記ワークミーリング装置(3)及び前記ワーク面取り装置(4)は前記ラック(1)の同じ側に位置し、前記ワークミーリング装置(3)が前記帯鋸盤(2)の前部に設けられ、前記ワーク面取り装置(4)が前記帯鋸盤(2)の後部に設けられ、加工されるカーボンすり板ワークが前記ラック(1)に置かれ、順にミーリング、切断及び面取り加工をされ、前記CNC数値制御システム(5)及び前記空気圧システム(6)は切断帯鋸盤設備全体の正常な運行を制御し、前記帯鋸盤(2)は切断加工位置に位置し、ソーフレーム(21)、鋸身締付装置(22)、能動伝動システム(23)、能動輪(24)、受動輪(25)及びバンドソーブレード(26)を含み、前記ソーフレーム(21)が前記ラック(1)の左側に位置し、前記能動輪(24)及び前記受動輪(25)が前記ソーフレーム(21)の上に設けられ、前記能動伝動システム(23)は前記能動輪(24)を回転させるように駆動し、前記能動輪(24)は前記バンドソーブレード(26)によって前記受動輪(25)を回転させ、前記バンドソーブレード(26)の締付程度は、前記受動輪(25)側に設けられた前記鋸身締付装置(22)によって調節され、前記ソーフレーム(21)に、鋸帯案内装置が更に設けられ、前記鋸帯案内装置は、鋸帯上部案内サーボ回転装置(7)及び鋸帯下部案内サーボ回転装置(8)を含み、前記鋸帯上部案内サーボ回転装置(7)が前記受動輪(25)に近い側に位置し、前記鋸帯下部案内サーボ回転装置(8)が前記能動輪(24)に近い側に位置し、前記鋸帯上部案内サーボ回転装置(7)及び前記鋸帯下部案内サーボ回転装置(8)は、一定の範囲で自由に同期的に対応して前記バンドソーブレード(26)を駆動することができることを特徴とする高速鉄道用パンタグラフのカーボンすり板の自動加工設備。
【請求項2】
前記鋸帯上部案内サーボ回転装置(7)と前記鋸帯下部案内サーボ回転装置(8)とは構造が同じであることを特徴とする請求項1に記載の高速鉄道用パンタグラフのカーボンすり板の自動加工設備。
【請求項3】
前記鋸帯上部案内サーボ回転装置(7)は、サーボモータ(71)、精密遊星減速機(72)、取付けベース(73)、回転軸(76)、パッシブギア(79)及びドライブギア(710)を含み、前記サーボモータ(71)が前記精密遊星減速機(72)を駆動し、前記精密遊星減速機(72)がドライブギア(710)を介して前記パッシブギア(79)を駆動し、前記パッシブギア(79)が前記回転軸(76)を取付けベース(73)において指定した角度で回転するように連動させ、前記バンドソーブレード(26)が前記回転軸(76)の軸心を貫通し、前記回転軸(76)に鋸帯案内ブロック(77)及び鋸帯先行案内軸(78)が設けられ、前記鋸帯案内ブロック(77)及び前記鋸帯先行案内軸(78)によって前記バンドソーブレード(26)を指定した角度で回転するように駆動することを特徴とする請求項2に記載の高速鉄道用パンタグラフのカーボンすり板の自動加工設備。
【請求項4】
前記鋸帯上部案内サーボ回転装置(7)は、水平調節台板(74)及び支え座(711)を更に含み、前記取付けベース(73)は、前記水平調節台板(74)に設けられ、水平調節台板(74)において、前記取付けベース(73)の左右の水平位置を調整することができ、前記水平調節台板(74)が前記支え座(711)に設けられ、前記支え座(711)において、前記取付けベース(73)の前後の水平位置を調整することができ、前記支え座(711)が前記ソーフレーム(21)に設けられることを特徴とする請求項3に記載の高速鉄道用パンタグラフのカーボンすり板の自動加工設備。
【請求項5】
前記バンドソーブレード(26)がその対称中心をめぐって−90°から+90°の角度範囲で任意に自由回転することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の高速鉄道用パンタグラフのカーボンすり板の自動加工設備。
【請求項6】
前記ラック(1)に、ワーク水平推進サーボ装置(11)、ワーククランプ推進空気圧装置(12)、切断前ワーク空気圧クランプ装置(13)、縦方向サーボ移動作業台(14)、縦方向サーボ移動装置(15)、横方向サーボ移動作業台(16)及び横方向サーボ移動装置(17)が設けられ、前記縦方向サーボ移動装置(15)は前記縦方向サーボ移動作業台(14)を縦方向で移動させるように駆動し、前記横方向サーボ移動装置(17)は前記横方向サーボ移動作業台(16)を横方向で移動させるように駆動し、前記横方向サーボ移動装置(17)及び前記横方向サーボ移動作業台(16)は前記縦方向サーボ移動作業台(14)に設けられ、前記ワーク水平推進サーボ装置(11)、前記ワーククランプ推進空気圧装置(12)及び前記切断前ワーク空気圧クランプ装置(13)は前記横方向サーボ移動作業台(16)に設けられることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の高速鉄道用パンタグラフのカーボンすり板の自動加工設備。
【請求項7】
前記ワークミーリング装置(3)は、ミーリング加工位置に位置し、フライスヘッド(31)、フライスヘッド移動サーボモータ(32)、フライスヘッド移動基板(33)及びフライスブラケット(34)を含み、前記フライスヘッド移動サーボモータ(32)及び前記フライスヘッド移動基板(33)が前記フライスブラケット(34)に設けられ、前記フライスヘッド(31)が前記フライスヘッド移動基板(33)に設けられ、前記フライスヘッド移動サーボモータ(32)が前記フライスヘッド移動基板(33)を介して前記フライスヘッド(31)を左右に水平移動させるように駆動し、前記フライスヘッド(31)は、前記カーボンすり板ワークの左側面に対して溝削り加工を行うことができ、前記フライスブラケット(34)が前記ラック(1)の左側に位置することを特徴とする請求項6に記載の高速鉄道用パンタグラフのカーボンすり板の自動加工設備。
【請求項8】
前記ワーク面取り装置(4)は、面取り加工位置に位置し、上部面取りモータ(41)、下部面取りモータ(42)、面取り移動モータ(43)、面取り移動基板(44)及び面取りブラケット(45)を含み、前記面取り移動モータ(43)及び前記面取り移動基板(44)が前記面取りブラケット(45)に設けられ、前記面取り移動モータ(43)が前記面取り移動基板(44)を移動するように駆動し、前記上部面取りモータ(41)及び前記下部面取りモータ(42)が前記面取り移動基板(44)に上下方向に設けられ、前記面取り移動モータ(43)が前記面取り移動基板(44)を介して前記上部面取りモータ(41)及び前記下部面取りモータ(42)を同時に左右に水平移動させるように駆動し、前記上部面取りモータ(41)及び前記下部面取りモータ(42)が同時に前記カーボンすり板ワークの左側面のエッジに対して面取り加工を行い、前記面取りブラケット(45)が前記ラック(1)の左側に位置することを特徴とする請求項7に記載の高速鉄道用パンタグラフのカーボンすり板の自動加工設備。
【請求項9】
設備をオンにして起動させ、初期状態にし、設備の前記CNC数値制御システム(5)及び前記空気圧システム(6)を起動させ、設備の前記縦方向サーボ移動作業台(14)、前記横方向サーボ移動作業台(16)、前記ワーク水平推進サーボ装置(11)を原点に戻させ、前記ワーククランプ推進空気圧装置(12)、前記切断前ワーク空気圧クランプ装置(13)を解放させる第一ステップと、
カーボンすり板ワークをロードしてクランプし、人力で切断されるカーボンすり板ワークの半製品を前記横方向サーボ移動作業台(16)に引き上げ、前記ワーククランプ推進空気圧装置(12)によって半製品をクランプし、前記ワーク水平推進サーボ装置(11)を起動させて半製品を切断の起点位置まで押し出して、前記切断前ワーク空気圧クランプ装置(13)によって半製品をクランプする第二ステップと、
ミーリング加工位置の作業であり、切断されるカーボンすり板ワークのCAD図面を前記CNC数値制御システム(5)に入力してプログラミングを行い、開始ボタンを起動し、前記フライスヘッド移動サーボモータ(32)が前記フライスヘッド(31)を前記フライスヘッド移動基板(33)において移動するように連動させると共に、前記縦方向サーボ移動装置(15)、前記横方向サーボ移動装置(17)がCAD入力図面に基づいて補間運動を行って所定の位置まで移動し、前記フライスヘッド(31)がカーボンすり板ワーク半製品の曲線槽のミーリングを完成する第三ステップと、
切断加工位置の作業であり、ミーリングが完了すると、前記能動伝動システム(23)が作動し、前記鋸身締付装置(22)がバンドソーブレードを高速動作するように連動させて、前記縦方向サーボ移動装置(15)、前記横方向サーボ移動装置(17)が入力されたCAD図面により編集されたプログラムに基づいて同時に作動し、ワークの縦方向と横方向サーボの補間運動が達成され、同時に、前記バンドソーブレード(26)が前記鋸帯上部案内サーボ回転装置(7)、前記鋸帯下部案内サーボ回転装置(8)により精密に駆動されて、前記バンドソーブレードの中心をめぐって回転して、前記バンドソーブレードが常に切断円弧に接するようにすることで、切断曲線と順調に接触することが保証される第四ステップと、
面取り加工位置の作業であり、切断が完了すると、前記縦方向サーボ移動作業台(14)が続けて前へ移動し、前記ワーク面取り装置(4)の位置まで達する時、設備が前記CNC数値制御システムに発信し、前記上部面取りモータ(41)、前記下部面取りモータ(42)が前記面取り移動モータ(43)により駆動されて前記面取り移動基板(44)にそって前へ移動して回転すると共に、前記縦方向サーボ移動装置(15)、前記横方向サーボ移動装置(17)がCAD入力図面に基づいて補間運動を行って所定の位置まで移動し、前記カーボンすり板ワークの上下面のエッジの面取りプロセスを完成する第五ステップと、
切断が終了し、アンロードする作業であり、1つの前記カーボンすり板ワークの切断が終了した後で、前記縦方向サーボ移動作業台(14)、前記横方向サーボ移動作業台(16)を原点に戻させ、前記切断前ワーク空気圧クランプ装置(13)が前記カーボンすり板ワークを解放し、次の半製品の加工を準備し、最後のワークの加工が完了するまで、これを繰り
返す第六ステップと、
を備えることを特徴とする請求項8に記載の高速鉄道用パンタグラフのカーボンすり板の加工方法。
【請求項10】
前記第五ステップにおいて、前記カーボンすり板ワークの面取り加工の角度は、それぞれカーボンすり板ワークと前記上部面取りモータ(41)、前記下部面取りモータ(42)との角度を調整することによって設定されることを特徴とする請求項9に記載の高速鉄道用パンタグラフのカーボンすり板の加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は帯鋸盤設備の技術分野に属し、特に、高速鉄道用パンタグラフのカーボンすり板の自動加工設備及びその加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パンタグラフは、集電器とも呼ばれ、高速列車が架線から電気エネルギーを受け入れる電気設備であり、列車の屋上に取り付けられる。菱形パンタグラフの形状は、側面から見ると、引かれた弓状に見えることで名付けられる。一般的に、シングルアーム型とダブルアーム型の2種類に分けられるが、現在、よく使用されるのはシングルアーム型パンタグラフである。カーボンすり板は、パンタグラフの重要な部材の1つである。列車が運行する場合、カーボンすり板と列車の回路すり板が主に接触導線に直接接触する。現在、市販で使用されるカーボンすり板は、主に、単純金属すり板、粉末冶金すり板、純カーボンすり板及び含浸金属すり板の4種類がある。純カーボンすり板は、その耐摩耗性、高導電性、耐腐食性及び耐高温性等の特徴によって、高速鉄道等の時速200km以上の列車の専用すり板となっている。
【0003】
高速列車が運行する間に接触導線を保護するために、カーボンすり板を消耗する必要がある。カーボンすり板の使用寿命は、速度に関係する。武広高速鉄道では、約1回往復すると、カーボンすり板を1回交換する必要がある。そうしないと、パンタグラフが導線とうまく接触できず、導線から離れる時間が長すぎて、高速鉄道の運行に影響してしまう。そのため、パンタグラフのカーボンすり板の消耗数が膨大にある。同時に、中国国内の各都市において地下鉄の建設がめざましい勢いで繰り広げられ、またインターシティートレインの開通につれて、カーボンすり板の利用数が更に拡大している。
【0004】
カーボンすり板は、多段のアーチからなり、且つ長さが1.5mにもなり、厚さがわずか40mmであるため、スリット型ワークに属する。そのため、中国国内においても、海外においても、従来のカーボンすり板は、すべて1回鋳型法によって生産される。鋳造の過程において、不純物が生じ、廃品が発生しやすいと共に、鋳造後の表面は仕上げ精度が悪いため、4つの面すべて加工する必要があり、浪費になるだけではなく、生産効率も低い。なお、カーボンスライドが割れやすい材料であり、スリット型ワークのチャックが困難である。特に中間曲線凹溝の加工は、内部アーチと一致する必要があるが、加工時の二次チャックは寸法精度に悪影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、高速鉄道用パンタグラフのカーボンすり板の自動加工設備及びその加工方法を提供する。パンタグラフのカーボンすり板を切断するように加工し、切断、ミーリング及び面取りプロセスを1台の設備に整合し、一次チャック後に、設備がミーリング、切断及び面取りプロセスを自動的に完成する。これにより、材料を節約し、作業効率を向上できる。また、切断された材料は、仕上げ度がパンタグラフの組立要求を満たし、加工場所を転換して二次加工及びチャックが要らず、製品の寸法精度を向上させ、ロット生産が達成され、寸法の一致性が保証され、生産効率が向上する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は高速鉄道用パンタグラフのカーボンすり板の自動加工設備を提供し、前記高速鉄道用パンタグラフのカーボンすり板の自動加工設備は、ミーリング加工位置、切断加工位置及び面取り加工位置が順に設けられ、ラック、帯鋸盤、ワークミーリング装置、ワーク面取り装置、CNC数値制御システム及び空気圧システムを備え、帯鋸盤、ワークミーリング装置及びワーク面取り装置はラックの同じ側に位置し、ワークミーリング装置が帯鋸盤の前部に設けられ、ワーク面取り装置が帯鋸盤の後部に設けられ、加工されるカーボンすり板ワークがラックに置かれて、順にミーリング、切断及び面取り加工され、CNC数値制御システム及び空気圧システムが切断帯鋸盤設備全体の正常な運行を制御し、帯鋸盤は切断加工位置に位置し、ソーフレーム、鋸身締付装置、能動伝動システム、能動輪、受動輪及びバンドソーブレードを含み、ソーフレームはラックの左側に位置し、能動輪及び受動輪がソーフレームの上に設けられ、能動伝動システムが能動輪を回転させるように駆動し、能動輪はバンドソーブレードによって受動輪を回転させ、バンドソーブレードの締付程度は、受動輪側に設けられた鋸身締付装置によって調節され、ソーフレームに、鋸帯案内装置が設けられ、鋸帯案内装置は、鋸帯上部案内サーボ回転装置及び鋸帯下部案内サーボ回転装置を含み、鋸帯上部案内サーボ回転装置が受動輪に近い側に位置し、鋸帯下部案内サーボ回転装置が能動輪に近い側に位置し、鋸帯上部案内サーボ回転装置及び鋸帯下部案内サーボ回転装置は、一定の範囲で自由に同期的に対応してバンドソーブレードを駆動させることができる。
【0007】
更に、鋸帯上部案内サーボ回転装置と鋸帯下部案内サーボ回転装置とは構造が同じである。
【0008】
更に、鋸帯上部案内サーボ回転装置は、サーボモータ、精密遊星減速機、取付けベース、回転軸、パッシブギア及びドライブギアを含み、サーボモータが精密遊星減速機を駆動し、精密遊星減速機がドライブギアを介してパッシブギアを駆動し、パッシブギアが回転軸を取付けベースにおいて指定した角度で回転するように連動させ、バンドソーブレードが回転軸の軸心を貫通し、回転軸に鋸帯案内ブロック及び鋸帯先行案内軸が設けられ、鋸帯案内ブロック及び鋸帯先行案内軸によってバンドソーブレードを指定した角度で回転するように駆動する。
【0009】
更に、鋸帯上部案内サーボ回転装置は、水平調節台板及び支え座を更に含み、取付けベースは、水平調節台板に設けられ、水平調節台板において、取付けベースの左右の水平位置を調整することができ、水平調節台板が支え座に設けられ、支え座において、取付けベースの前後の水平位置を調整することができ、支え座がソーフレームに設けられる。
【0010】
更に、バンドソーブレードがその対称中心をめぐって−90°から+90°の角度範囲で任意に自由回転する。
【0011】
更に、ラックに、ワーク水平推進サーボ装置、ワーククランプ推進空気圧装置、切断前ワーク空気圧クランプ装置、縦方向サーボ移動作業台、縦方向サーボ移動装置、横方向サーボ移動作業台及び横方向サーボ移動装置が設けられ、縦方向サーボ移動装置は縦方向サーボ移動作業台を縦方向で移動させるように駆動し、横方向サーボ移動装置は横方向サーボ移動作業台を横方向で移動させるように駆動し、横方向サーボ移動装置及び横方向サーボ移動作業台は縦方向サーボ移動作業台に設けられ、ワーク水平推進サーボ装置、ワーククランプ推進空気圧装置及び切断前ワーク空気圧クランプ装置は横方向サーボ移動作業台に設けられる。
【0012】
更に、ワークミーリング装置は、ミーリング加工位置に位置し、フライスヘッド、フライスヘッド移動サーボモータ、フライスヘッド移動基板及びフライスブラケットを含み、フライスヘッド移動サーボモータ及びフライスヘッド移動基板がフライスブラケットに設けられ、フライスヘッドがフライスヘッド移動基板に設けられ、フライスヘッド移動サーボモータがフライスヘッド移動基板を介してフライスヘッドを左右に水平移動させるように駆動し、フライスヘッドは、カーボンすり板ワークの左側面に対して溝削り加工を行うことができ、フライスブラケットがラックの左側に位置する。
【0013】
更に、ワーク面取り装置は、面取り加工位置に位置し、上部面取りモータ、下部面取りモータ、面取り移動モータ、面取り移動基板及び面取りブラケットを含み、面取り移動モータ及び面取り移動基板が面取りブラケットに設けられ、面取り移動モータが面取り移動基板を移動させるように駆動し、上部面取りモータ及び下部面取りモータが面取り移動基板の上下に設けられ、面取り移動モータが面取り移動基板を介して上部面取りモータ及び下部面取りモータを同時に左右に水平移動させるように駆動し、上部面取りモータ及び下部面取りモータが同時にカーボンすり板ワークの左側面のエッジに対して面取り加工を行い、面取りブラケットがラックの左側に位置する。
【0014】
本発明は、更に、下記の工程を備え、前述した完全数値制御CNC曲線輪郭切断帯鋸盤による切断加工の使用方法を提供する。
【0015】
第一ステップは、設備をオンにして起動させ、初期状態にする。設備のCNC数値制御システム及び空気圧システムを起動し、設備の縦方向サーボ移動作業台、横方向サーボ移動作業台、ワーク水平推進サーボ装置を原点に戻し、ワーククランプ推進空気圧装置、切断前ワーク空気圧クランプ装置を解放する。
【0016】
第二ステップは、カーボンすり板ワークをロードしてクランプする。人力で切断されるカーボンすり板ワークの半製品を横方向サーボ移動作業台に引き上げ、ワーククランプ推進空気圧装置によって半製品をクランプし、ワーク水平推進サーボ装置を起動させて半製品を切断の起点位置まで押し出して、切断前ワーク空気圧クランプ装置によって半製品をクランプする。
【0017】
第三ステップは、ミーリング加工位置の作業である。切断されるカーボンすり板ワークのCAD図面をCNC数値制御システムに入力してプログラミングを行い、開始ボタンを起動し、フライスヘッド移動サーボモータがフライスヘッドをフライスヘッド移動基板において移動するように連動させると共に、縦方向サーボ移動装置、横方向サーボ移動装置がCAD入力図面に基づいて補間運動を行って所定の位置まで移動し、フライスヘッドがカーボンすり板ワーク半製品の曲線槽のミーリングを完成する。
【0018】
第四ステップは、切断加工位置の作業である。ミーリングが完了すると、能動伝動システムが動作し、鋸身締付装置がバンドソーブレードを高速作動するように連動させて、その後縦方向サーボ移動装置、横方向サーボ移動装置が、入力されたCAD図面により編集されたプログラムに基づいて同時に動作し、ワークの縦方向と横方向サーボの補間運動が達成される。同時に、バンドソーブレードが鋸帯上部案内サーボ回転装置、鋸帯下部案内サーボ回転装置により精密に駆動して、バンドソーブレードの中心をめぐって回転し、バンドソーブレードが常に切断円弧に接するようにすることで、切断曲線と順調に接触することが保証される。
【0019】
第五ステップは、面取り加工位置の作業である。切断が完了すると、縦方向サーボ移動作業台が続けて前へ移動し、ワーク面取り装置の位置まで移動する時、設備がCNC数値制御システムを発信し、上部面取りモータ、下部面取りモータが面取り移動モータにより駆動されて面取り移動基板に沿って前へ移動して回転すると共に、縦方向サーボ移動装置、横方向サーボ移動装置がCAD入力図面に基づいて補間運動を行って所定の位置まで移動し、カーボンすり板ワークの上下面のエッジの面取りプロセスを完成する。
【0020】
第六ステップは、切断を終了しアンロードする作業である。1つのカーボンすり板ワークの切断が終了した後で、縦方向サーボ移動作業台、横方向サーボ移動作業台を原点に戻し、切断前空気圧クランプ装置はカーボンすり板ワークを解放し、加工されたカーボンすり板ワークを取り出し、次の半製品の加工を準備し、最後のワークの加工が完了するまで、これを繰り返す。
【0021】
更に、第五ステップにおいて、カーボンすり板ワークの面取り加工の角度は、それぞれカーボンすり板ワークと上部面取りモータ、下部面取りモータとの角度を調整することによって設定される。
【発明の効果】
【0022】
従来技術に比べると、本発明の高速鉄道用パンタグラフのカーボンすり板の自動加工設備及びその加工方法は、下記の特徴を有する。
【0023】
一つ目は、従来の高速鉄道用パンタグラフのカーボンすり板の生産プロセスを変え、鋳造成形を帯鋸盤による多アーチ切断プロセスに変えると共に、1次チャックの曲線溝削り、面取りプロセスによって、カーボンすり板の加工精度が保証され、カーボンブロック全体のカーボンスライドへのロット加工を達成し、材料を節約し、作業効率を向上させる。
【0024】
二つ目は、カーボンブロック全体の縦方向サーボ移動と横方向サーボ移動の速度を一致させるように移動させることで、CNC知能制御プログラムによって、補間運動を採用して、カーボンスライドの曲線溝削り、バンドソーブレードのアーチ切断、曲線面取りの一連の作業を行い、且つロット生産するので、ワークのサイズの一致性が良く、生産効率が高い。
【0025】
三つ目は、カーボンスライドの曲線溝削り、バンドソーブレードのアーチ切断、曲線面取り専用のCNC知能制御プログラムを開発し、コンピュータシステムとのリンクを達成し、CAD図面を入力することで、直接カーボンスライドの曲線溝削り、バンドソーブレードのアーチ切断、曲線面取りの作業を行い、且つその作業軌跡を表示することができ、操作者が直接プログラミングする手間がなく、操作流れが簡略化され、対応範囲が拡大する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の好ましい実施例の正面図(ワークミーリング装置が省略される)である。
図2図1の平面図(ワーク面取り装置が省略される)である。
図3】切断加工位置の模式図である。
図4】ミーリング加工位置の模式図である。
図5】鋸帯上部案内サーボ回転装置の模式図である。
図6】面取り加工位置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の解決しようとする課題、技術的解決手段及び有益効果をより明らかにするために、以下、図面及び実施例に合わせて本発明をより詳細に説明する。ここで説明される具体的な実施例は本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定するためのものではないことを理解すべきである。
【0028】
図1図2及び図3を合わせて参照すると、本発明の高速鉄道用パンタグラフのカーボンすり板の自動加工設備及びその加工方法の好ましい実施例では、ミーリング加工位置A、切断加工位置B及び面取り加工位置Cが順に設けられ、ラック1、帯鋸盤2、ワークミーリング装置3、ワーク面取り装置4、CNC数値制御システム5及び空気圧システム6を備える。
【0029】
帯鋸盤2、ワークミーリング装置3及びワーク面取り装置4はラック1の同じ側に位置する。ワークミーリング装置3が帯鋸盤2の前部に設けられ、ワーク面取り装置4が帯鋸盤2の後部に設けられる。加工されるカーボンすり板ワークDはラック1に置かれて、順にミーリング、切断及び面取り加工される。CNC数値制御システム5及び空気圧システム6は切断帯鋸盤設備全体の正常な運行を制御する。
【0030】
帯鋸盤2は、切断加工位置Bに位置し、ソーフレーム21、鋸身締付装置22、能動伝動システム23、能動輪24、受動輪25及びバンドソーブレード26を含む。帯鋸盤2は縦型帯鋸盤であり、能動輪24及び受動輪25が上下方向に設けられ、能動輪24は受動輪25より低い。
【0031】
ソーフレーム21はラック1の左側に位置し、能動輪24及び受動輪25はソーフレーム21の上に設けられる。能動伝動システム23が能動輪24を回転させるように駆動し、能動輪24はバンドソーブレード26を能動輪24及び受動輪25の外円の側辺に沿って回転させるように駆動する。バンドソーブレード26の締付程度は、受動輪25側に設けられた鋸身締付装置22によって調節される。ソーフレーム21に、バンドソーブレード26の角度を偏向させて案内可能な鋸帯案内装置が更に設けられる。鋸帯案内装置は、鋸帯上部案内サーボ回転装置7及び鋸帯下部案内サーボ回転装置8を含み、鋸帯上部案内サーボ回転装置7と鋸帯下部案内サーボ回転装置8との構造は同一である。
【0032】
鋸帯上部案内サーボ回転装置7は受動輪25に近い側に位置し、鋸帯下部案内サーボ回転装置8は能動輪24に近い側に位置する。鋸帯上部案内サーボ回転装置7及び鋸帯下部案内サーボ回転装置8は、一定の範囲で自由に同期的に対応してバンドソーブレード26を回転させることができる。
【0033】
図1図2及び図5を合わせて参照すると、鋸帯上部案内サーボ回転装置7は、サーボモータ71、精密遊星減速機72、取付けベース73、回転軸76、パッシブギア79及びドライブギア710を含む。サーボモータ71が精密遊星減速機72を駆動し、精密遊星減速機72がドライブギア710を介してパッシブギア79を駆動し、パッシブギア79が回転軸76を取付けベース73において指定した角度で回転するように連動させる。回転軸76の軸心位置に貫通孔が設けられ、バンドソーブレード26がこの貫通孔(つまり、回転軸76の軸心位置)を貫通する。
【0034】
回転軸76に鋸帯案内ブロック77及び鋸帯先行案内軸78が設けられ、鋸帯案内ブロック77及び鋸帯先行案内軸78によってバンドソーブレード26を指定した角度で回転するように駆動する。バンドソーブレード26の両端に取り付けられた鋸帯上部案内サーボ回転装置7及び鋸帯下部案内サーボ回転装置8が同期的に対応して回転し、ワークの曲線加工の弧面要求に対応するために、一定の範囲で自由にバンドソーブレード26の角度を回転させる。バンドソーブレード26がその対称中心をめぐって−90°から+90°の角度範囲で任意に自由回転する。
【0035】
バンドソーブレード26の回転軸線と回転軸76の回転軸線が同軸であることを保証するために、鋸帯上部案内サーボ回転装置7は、水平調節台板74及び支え座711を更に含む。取付けベース73は、水平調節台板74に設けられ、水平調節台板74において、取付けベース73の左右の水平位置を調整することができる。水平調節台板74が支え座711に設けられ、支え座711において、取付けベース73の前後の水平位置を調整することができる。支え座711がソーフレーム21に設けられる。
【0036】
また、図1図2及び図3を合わせて参照すると、ラック1に、ワーク水平推進サーボ装置11、ワーククランプ推進空気圧装置12、切断前ワーク空気圧クランプ装置13、縦方向サーボ移動作業台14、縦方向サーボ移動装置15、横方向サーボ移動作業台16及び横方向サーボ移動装置17が設けられる。縦方向サーボ移動装置15が縦方向サーボ移動作業台14を縦方向で移動するように駆動し、横方向サーボ移動装置17が横方向サーボ移動作業台16を横方向で移動するように駆動する。横方向サーボ移動装置17及び横方向サーボ移動作業台16は縦方向サーボ移動作業台14に設けられ、ワーク水平推進サーボ装置11、ワーククランプ推進空気圧装置12及び切断前ワーク空気圧クランプ装置13が横方向サーボ移動作業台16に設けられる。
【0037】
図2図4を合わせて参照すると、ワークミーリング装置3は、ミーリング加工位置に位置し、フライスヘッド31、フライスヘッド移動サーボモータ32、フライスヘッド移動基板33及びフライスブラケット34を含む。フライスヘッド移動サーボモータ32及びフライスヘッド移動基板33がフライスブラケット34に設けられる。フライスヘッド31がフライスヘッド移動基板33に設けられ、フライスヘッド移動サーボモータ32がフライスヘッド移動基板33を介してフライスヘッド31を左右に水平移動するように駆動する。フライスヘッド31は、カーボンすり板ワークDの左側面に対して溝削り加工を行うことができる。フライスブラケット34がラック1の左側に位置する。
【0038】
図1図6を合わせて参照すると、ワーク面取り装置4は、面取り加工位置に位置し、上部面取りモータ41、下部面取りモータ42、面取り移動モータ43、面取り移動基板44及び面取りブラケット45を含む。上部面取りモータ41と下部面取りモータ42との構造が完全に同一である。面取り移動モータ43及び面取り移動基板44が面取りブラケット45に設けられ、面取り移動モータ43が面取り移動基板44を移動するように駆動する。上部面取りモータ41及び下部面取りモータ42が面取り移動基板44に上下方向に設けられる。面取り移動モータ43が面取り移動基板44を介して上部面取りモータ41及び下部面取りモータ42を同時に左右に水平移動するように駆動し、上部面取りモータ41及び下部面取りモータ42が同時にカーボンすり板ワークDの左側面のエッジに対して面取り加工を行う。面取りブラケット45がラック1の左側に位置する。
【0039】
本発明は、前述した完全数値制御CNC曲線輪郭切断帯鋸盤による切断加工の使用方法を更に備え、縦型鋸盤によってショア硬度70〜85、外形サイズ850×1300×600mmの大きさのカーボンブロックを、850×1300×40mmのサイズの薄片状の半製品に切断して、この小さいサイズの半製品を溝削り、弧線切断によって複数の多段アーチからなる高速鉄道用パンタグラフのカーボンスライドにして、面取りを行って完成品にする。半製品に対するアーチ溝削り、弧線切断及び弧線面取り等の加工プロセスを組み合わせて、順に加工し、1次チャックだけで半製品を完成品に加工することができる。その方法は、下記の工程を備える。
【0040】
第一ステップは、設備をオンにして起動させ、初期状態にする。設備のCNC数値制御システム5及び空気圧システム6を起動させ、設備の縦方向サーボ移動作業台14、横方向サーボ移動作業台16、ワーク水平推進サーボ装置11を原点に戻し、ワーククランプ推進空気圧装置12、切断前ワーク空気圧クランプ装置13を解放する。
【0041】
第二ステップは、カーボンすり板ワークDをロードしてクランプする。人力で切断されるカーボンすり板ワークDの半製品を横方向サーボ移動作業台16に引き上げ、ワーククランプ推進空気圧装置12によって半製品をクランプし、ワーク水平推進サーボ装置11を起動させて半製品を切断の起点位置まで押し出して、切断前ワーク空気圧クランプ装置13によって半製品をクランプする。
【0042】
第三ステップは、ミーリング加工位置の作業である。切断されるカーボンすり板ワークDのCAD図面をCNC数値制御システム5に入力してプログラミングを行い、開始ボタンを起動し、フライスヘッド移動サーボモータ32がフライスヘッド31をフライスヘッド移動基板33において移動するように連動させると共に、縦方向サーボ移動装置15、横方向サーボ移動装置17がCAD入力図面に基づいて補間運動を行い所定の位置まで移動し、フライスヘッド31がカーボンすり板ワークDの半製品の曲線槽のミーリングを完成する。
【0043】
第四ステップは、切断加工位置の作業である。ミーリングが完了すると、能動伝動システム23が作動し、鋸身締付装置22がバンドソーブレードを高速動作するように連動させて、縦方向サーボ移動装置15、横方向サーボ移動装置17が、入力されたCAD図面により編集されたプログラムに基づいて同時に作動し、ワークの縦方向、横方向サーボの補間運動が達成される。同時に、バンドソーブレード26が鋸帯上部案内サーボ回転装置7、鋸帯下部案内サーボ回転装置8により精密に駆動されて、バンドソーブレードの中心をめぐって回転し、バンドソーブレードが常に切断円弧に接するようにすることで、切断曲線と順調に接触することが保証される。
【0044】
第五ステップは、面取り加工位置の作業である。切断が完了すると、縦方向サーボ移動作業台14が続けて前へ移動し、ワーク面取り装置4の位置まで達すると、設備がCNC数値制御システム5に発信し、上部面取りモータ41、下部面取りモータ42が面取り移動モータ43により駆動されて面取り移動基板44に沿って前へ移動して回転すると共に、縦方向サーボ移動装置15、横方向サーボ移動装置17がCAD入力図面に基づいて補間運動を行って所定の位置まで移動し、カーボンすり板ワークDの上下面のエッジの面取りプロセスを完成する。
【0045】
第六ステップは、切断が終了し、アンロードを行う作業である。1つのカーボンすり板ワークDの切断が終了した後で、縦方向サーボ移動作業台14、横方向サーボ移動作業台16を原点に戻し、切断前ワーク空気圧クランプ装置13がカーボンすり板ワークDを解放し、加工されたカーボンすり板ワークDを取り出し、次の半製品の加工を準備し、最後のワークの加工が完了するまで、これを繰り返す。
【0046】
第五ステップにおいて、カーボンすり板ワークDの面取り加工の角度は、それぞれカーボンすり板ワークDと上部面取りモータ41、下部面取りモータ42との角度を調整することによって設定される。
【0047】
上記の説明は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を制限するためのものではなく、本発明の精神及び原則においてなされたあらゆる変更、等価取替及び改良等は、本発明の保護範囲に含まれるはずである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6