(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本開示の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した、充電装置に関し、以下の問題が生じることを見出した。
【0012】
特許文献1の技術では、互いに異なる複数種類の機器に接続して使用可能な蓄電池パックについて、使用者は、蓄電池パックを使用する対象の機器を適切に判断できない。例えば、複数種類の機器には、具体的には、電動アシスト自転車などのような高出力負荷の機器と、照明機器のような低出力負荷の機器とが含まれる。このように、蓄電池パックの使用の対象機器として、高出力負荷の機器と、低出力負荷の機器とが混在している場合に、高出力負荷の機器に対して低出力の蓄電池パックを使用者が選択するおそれがある。使用者がこのような選択を行ってしまった場合、高出力負荷の機器からの出力を得ることができない場合が起こりうる。また、低出力負荷の機器に対して高出力の蓄電池パックを使用者が選択した場合には、高出力負荷の機器に対して本来選択されるべき高出力の蓄電池パックを低出力負荷の機器に対して選択してしまうことになるため、高出力負荷の機器に対して適切な出力の蓄電池パックを選択しにくい状況が起こりうる。
【0013】
このような問題を解決するために、本開示の第1形態は、二次電池と、互いに異なる複数種類の機器および充電装置に着脱自在に電気的に接続可能な接続部と、前記接続部を介して前記二次電池から前記機器への放電と、前記接続部を介して前記充電装置から前記二次電池への充電と、を制御する制御部と、前記二次電池の状態を検知して、検知した結果を二次電池情報として出力する検知部と、前記検知部により出力された前記二次電池情報を記憶する第1の記憶部と、前記二次電池の状態に基づいて予め定められた条件と前記条件に適した複数の使用推奨機器とが予め対応づけられた推奨テーブルを記憶している第2の記憶部と、前記二次電池情報が示す前記二次電池の状態と前記推奨テーブルとを用いて、前記使用推奨機器を決定する決定部と、前記決定部が決定した前記使用推奨機器を示す情報を使用者に報知する報知部とを備える電池パックを提供する。
【0014】
これによれば、互いに異なる複数種類の機器に接続して使用可能な蓄電池パックを使用する場合でも、どの機器に蓄電池パックを接続して使用すれば、効果的に当該蓄電池パックを使用できるのかを使用者は一目で判断できる。このため、当該蓄電池パックは、効果的に使用できると推奨された機器で使用されやすくなり、推奨された機器で使用された場合には蓄電池パックの寿命、出力性能または容量の大きさなどに応じた適切な放電を行うことができる。
【0015】
また、本開示の第2形態は、上記第1形態において、前記第2の記憶部は、前記二次電池の状態に基づいて予め定められた条件を複数記憶しており、前記決定部は、前記推奨テーブルの前記複数の条件のうち、前記二次電池情報が示す前記二次電池の状態が満たしている条件に対応づけられている機器を、前記複数種類の機器から前記使用推奨機器として決定してもよい、蓄電池パックを提供する。
【0016】
また、本開示の第3形態は、上記第1形態または第2形態において、例えば、前記検知部は、前記二次電池の充電または放電が行われた日時を検知し、検知した日時を前記二次電池情報として出力し、最後に充電または放電した前記日時からの経過期間が所定値未満の場合、前記決定部は、前記第1の記憶部が記憶している前記二次電池情報と前記推奨テーブルとを用いて、前記使用推奨機器を決定してもよい、蓄電池パックを提供する。
【0017】
最後に充電または放電した日時からの経過期間が所定値未満である場合、二次電池の状態を示す二次電池情報は信頼できる情報である。決定部が当該二次電池情報を用いて使用推奨機器を決定することにより、当該蓄電池パックは正確に使用推奨機器を決定できる。
【0018】
また、本開示の第4形態は、上記第1形態−第3形態のいずれか一つにおいて、例えば、前記検知部は、前記二次電池の充電または放電が行われた日時を検知し、検知した日時を前記二次電池情報として出力し、最後に充電または放電した前記日時からの経過期間が所定値以上の場合、前記決定部は、前記制御部が前記充電装置から前記二次電池への充電を新たに実行しているときに前記検知部により検知された前記二次電池情報と、前記推奨テーブルとを用いて、前記使用推奨機器を決定してもよい、蓄電池パックを提供する。
【0019】
最後に充電または放電した日時からの経過期間が所定値以上である場合、二次電池の状態を示す二次電池情報は信頼できない情報である。この場合には、決定部は、充電装置から二次電池への充電が新たに実行されているときに検知部により検知された二次電池情報を用いて、使用推奨機器を決定する。つまり、決定部は、二次電池情報が信頼できない情報である場合には、信頼できる二次電池情報を取得しなおして、取得しなおした二次電池情報を用いて使用推奨機器を決定する。その結果、最後に充電または放電した日時からの経過期間が所定値以上である場合であっても、正確に使用推奨機器を決定できる。
【0020】
また、本開示の第5形態は、上記第4形態において、例えば、最後に充電または放電した前記日時からの経過期間が所定値以上の場合、前記報知部は、前記制御部が前記充電装置から前記二次電池に充電を実行するまでは、前記使用推奨機器を示す情報の報知を停止してもよい、蓄電池パックを提供する。
【0021】
このため、信頼性の低い二次電池情報を用いて使用推奨機器を決定することを防ぐことができる。
【0022】
また、本開示の第6形態は、上記第1形態−第6形態のいずれか一つにおいて、例えば、さらに、前記使用推奨機器を示す情報を表示する表示部を備え、前記報知部は、前記表示部に前記使用推奨機器を示す情報を表示させてもよい、蓄電池パックを提供する。
【0023】
これによれば、報知部は蓄電池パックの表示部に使用推奨機器を表示するため、使用者は、蓄電池パック以外の機器がなくても蓄電池パック単体で当該蓄電池パックの使用推奨機器を確認することができる。
【0024】
また、本開示の第7形態は、上記第1形態−第6形態のいずれか一つにおいて、例えば、前記充電装置は表示部を備えており、前記報知部は、前記接続部を介して前記使用推奨機器を示す情報を前記充電装置に送信し、前記使用推奨機器を示す情報を前記充電装置に表示させてもよい、蓄電池パックを提供する。
【0025】
また、本開示の第8形態は、上記第1形態−第7形態のいずれか一つにおいて、例えば、さらに、表示部を有する外部の通信端末と通信する通信部を備え、前記報知部は、前記通信部によって前記使用推奨機器を示す情報を前記外部の通信端末に送信し、前記使用推奨機器を示す情報を前記外部の通信端末に表示させてもよい、蓄電池パックを提供する。
【0026】
このため、蓄電池パックに表示部が無い構成であっても、使用者に報知することができる。
【0027】
また、本開示の第9形態は、上記第1形態−第8形態のいずれか一つにおいて、例えば、前記検知部は、前記二次電池の状態として前記二次電池の対公称容量比SOCを検知し、検知した対公称容量比SOCを前記二次電池情報として出力し、前記決定部は、前記対公称容量比SOCが所定値以上の場合、高出力負荷の機器を使用推奨機器として決定し、前記対公称容量比SOCが所定値未満の場合、低出力負荷の機器を使用推奨機器として決定してもよい、蓄電池パックを提供する。
【0028】
また、本開示の第10形態は、上記第1形態−第9形態のいずれか一つにおいて、例えば、前記検知部は、前記二次電池の状態として前記二次電池の充放電サイクル数を検知し、前記決定部は、前記充放電サイクル数が所定値未満の場合、高出力負荷の機器を使用推奨機器として決定し、前記充放電サイクル数が所定値以上の場合、低出力負荷の機器を使用推奨機器として決定してもよい、蓄電池パックを提供する。
【0029】
また、本開示の第11形態は、上記第1形態−第10形態のいずれか一つにおいて、例えば、前記検知部は、前記二次電池の状態として前記二次電池の内部抵抗値を検知し、前記決定部は、前記内部抵抗値が所定値未満の場合、高出力負荷の機器を使用推奨機器として決定し、前記内部抵抗値が所定値以上の場合、低出力負荷の機器を使用推奨機器として決定してもよい、蓄電池パックを提供する。
【0030】
また、本開示の第12形態は、上記第1形態−第11形態のいずれか一つにおいて、例えば、前記検知部は、前記二次電池の状態として前記二次電池の電池電圧差を検知し、前記決定部は、前記電池電圧差が所定値未満の場合、高出力負荷の機器を使用推奨機器として決定し、前記電池電圧差が所定値以上の場合、低出力負荷の機器を使用推奨機器として決定してもよい、蓄電池パックを提供する。
【0031】
また、本開示の第13形態は、上記第1形態−第12形態のいずれか一つにおいて、例えば、前記検知部は、前記二次電池の状態として前記二次電池の対公称容量比SOCを検知し、前記決定部は、前記対公称容量比SOCが所定値以上の場合、大容量を要求する機器を使用推奨機器として決定し、前記対公称容量比SOCが所定値未満の場合、小容量を要求する機器を使用推奨機器として決定してもよい、蓄電池パックを提供する。
【0032】
また、本開示の第14形態は、上記第1形態−第13形態のいずれか一つにおいて、例えば、さらに、前記検知部は、前記二次電池の異常状態を検知し、前記報知部は、前記検知部が前記二次電池の異常状態を検知した場合、当該異常状態を示す情報を使用者に報知してもよい、蓄電池パックを提供する。
【0033】
これによれば、使用者は、使用推奨機器を確認できるとともに、蓄電池パックに異常が発生している場合には、蓄電池パックに異常があることを確認できる。
【0034】
また、本開示の第15形態は、上記第1形態−第14形態のいずれか一つにおいて、例えば、さらに、機器を示す機器情報を受け付ける入力受付部を備え、前記第2の記憶部は、前記複数種類の機器と前記入力受付部において受け付けられた前記機器情報とを対応付けて記憶しており、前記決定部は、前記推奨テーブルに対応づけられている複数の使用推奨機器のうちで、前記入力受付部において受け付けられた前記機器情報により示される機器の中から前記使用推奨機器を決定してもよい、蓄電池パックを提供する。
【0035】
これによれば、入力受付部において受け付けられた機器情報が示す機器に対応する複数の機器の中から、使用推奨機器が決定されるため、報知部は、使用者が所有している機器に対応する使用推奨機器のみを報知することができる。その結果、使用者が所有していない機器が推奨されることがなくなり、使用者は、蓄電池パックを使用すべき機器を容易に判断することができる。
【0036】
また、本開示の第16形態は、二次電池を含み、かつ、互いに異なる複数種類の機器に使用可能な蓄電池パックを、充電する充電装置であって、前記蓄電池パックと着脱自在に接続される電池接続部と、前記電池接続部を介して前記蓄電池パックを充電する充電制御部と、前記電池接続部を介して前記二次電池の状態を検知して、検知した結果を二次電池情報として出力する電池検知部と、前記二次電池の状態に基づいて予め定められる条件と前記条件に適した複数の使用推奨機器とが予め対応づけられた推奨テーブルを記憶している記憶部と、前記二次電池情報が示す前記二次電池の状態と前記推奨テーブルとを用いて、前記使用推奨機器を決定する機器決定部と、表示部と、前記機器決定部が決定した前記使用推奨機器を示す情報を前記表示部に表示させる表示制御部と、を備える充電装置を提供する。
【0037】
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0038】
以下、本開示の一態様に係る蓄電池パックおよび充電装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0039】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0040】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る蓄電池パックの外観および表示部の詳細を示す図である。より具体的には、
図1の(a)は、蓄電池パック100の外観を示す斜視図である。
図1の(b)は、蓄電池パック100の表示部109の詳細を示す図である。
【0041】
図1の(a)に示すように、蓄電池パック100は、表示部109を備える。
図1の(b)に示すように、表示部109は、充電の状態を示す表示を行う第1の表示部10と、当該蓄電池パック100の適切な使用対象機器(つまり、推奨用途)を示す表示を行う第2の表示部20とにより構成される。
【0042】
第1の表示部10は、具体的にはLED(Light Emitting Diode)であり、例えば、充電中であることを示す表示(点滅)、蓄電池パックが異常であることを示す表示(速点滅)、満充電状態であることを示す表示(点灯)などを行う。
【0043】
第2の表示部20は、第1の推奨表示21、第2の推奨表示22、および第3の推奨表示23からなる。第1の推奨表示21は、高出力負荷の機器に対して使用することを推奨する表示である。第2の推奨表示22は、低出力負荷の機器に対して使用することを推奨する表示である。第3の推奨表示23は、大容量負荷の機器に対して使用することを推奨する表示である。第2の表示部20は、第1の推奨表示21、第2の推奨表示22、および第3の推奨表示23のいずれかが表示されることにより、当該蓄電池パック100の使用の対象となる機器を推奨する。なお、
図1の(b)は、第1の推奨表示21が表示されていることを示す。
【0044】
図2は、実施の形態2に係る蓄電池パックのブロック図である。
【0045】
図2に示すように、蓄電池パック100は、二次電池101、接続部102、制御部103、検知部104、第1の記憶部105、第2の記憶部106、決定部107、報知部108、および表示部109から構成される。
【0046】
二次電池101は、複数の単電池(例えば、リチウムイオン電池)が並列および直列に接続されることで構成されている。二次電池101の構成については、後述する。
【0047】
接続部102は、互いに異なる複数種類の機器に着脱自在に、電気的に接続可能である。また、接続部102は、互いに異なる複数種類の機器に着脱自在に、機械的に接続可能であってもよい。
【0048】
制御部103は、接続部102を介して二次電池101から、接続部102に接続されている機器への放電と、接続部102を介して複数種類の機器の一つである充電装置から二次電池への充電とを制御する。
【0049】
検知部104は、二次電池の状態を検知して、検知した結果を二次電池情報として出力する。具体的には、検知部104は、二次電池101の状態として二次電池101の対公称容量比SOC(State of Charge)を検知してもよい。検知部104は、二次電池101の状態として二次電池101の充放電サイクル数を検知してもよい。検知部104は、二次電池101の状態として二次電池101の内部抵抗値を検知してもよい。また、検知部104は、二次電池101の状態として二次電池101の電池電圧差を検知してもよい。つまり、検知部104は、二次電池101の状態として、二次電池101の対公称容量比SOC、充放電サイクル数、内部抵抗値、および電池電圧差の少なくともいずれか一つを検知し、検知した対公称容量比SOC、充放電サイクル数、内部抵抗値、および電池電圧差の少なくともいずれかを二次電池情報として出力すればよい。また、検知部104は、二次電池101の充電または放電が行われた日時を検知し、検知した日時を二次電池情報として出力してもよい。ここで、検知部104は、蓄電池パック100内に搭載されたCPUなどを用いた計時部(図示せず)から日時を示す日時情報を取得することにより日時を検知してもよいし、外部の機器から日時情報を通信により取得することにより日時を検知してもよい。
【0050】
なお、ここでいう「対公称容量比SOC」とは、二次電池の、現在の満充電後に放電可能な容量の、公称容量に対する割合〔%〕である。また、ここでいう「公称容量」とは、工場出荷時における二次電池の満充電後に放電可能な容量である。また、ここでいう「充放電サイクル数」とは、満充電の二次電池を空になるまで放電させたことを1回と数えたときの回数である。また、ここでいう「内部抵抗値」とは、二次電池の内部抵抗の値である。また、ここでいう「電池電圧差」とは、直列接続された複数の電池(直列接続された複数の単電池群(下記参照)も含む)のうちの最大電圧を有する電池(単電池群)と最小電圧を有する電池(単電池群)との間の電圧差である。
【0051】
図3は、二次電池101の構成の一例を示す図である。
【0052】
二次電池101は、
図3に示すように、4つの単電池42が並列に接続された1つの単電池群41(ブロックとも言う)が複数(例えば7つ)直列に接続されることにより構成されている。つまり、二次電池101は、
図3の例では、28個の単電池42が並列および直列に接続されることにより構成されている。つまり、このように構成される二次電池101における電池電圧差とは、直列接続された複数の単電池群41のうちの最大電圧を有する単電池群と最小電圧を有する単電池群との間の電圧差である。
【0053】
第1の記憶部105は、検知部104により出力された二次電池情報を記憶する。第1の記憶部105は、例えば、不揮発性のメモリにより実現される。
【0054】
図4は、第1の記憶部により記憶されるログ情報を示す図である。
【0055】
図4に示すように、ログ情報は、検知部104において検知された、二次電池101の充電または放電が行われた日時を示す情報である。なお、ログ情報には、充電または放電が行われた日時の他の二次電池情報である、対公称容量比SOC、充放電サイクル数、内部抵抗値、および電池電圧差の少なくともいずれか一つが、検知された日時と関連づけられていてもよい。
図4の例では、ログ情報は、日時と、充電または放電の状態と、SOCと、対公称容量比SOCとが対応づけられて第1の記憶部105に記憶されている。
【0056】
第2の記憶部106は、二次電池の状態に基づいて予め定められた条件と、当該条件に適した複数の使用推奨機器とが予め対応づけられた推奨テーブルを記憶している。第2の記憶部106は、二次電池101の状態に基づいて予め定められた条件を複数記憶していてもよい。
【0057】
図5は、推奨テーブルの一例を示す図である。
【0058】
図5に示すように、推奨テーブルは、二次電池の状態として、対公称容量比SOC、充放電サイクル数、内部抵抗値、および電池電圧差のそれぞれの程度に応じて予め定められた複数の条件と、当該複数の条件のそれぞれに適した用途の複数の機器とが、予め対応づけられている。
【0059】
具体的には、対公称容量比SOCについて、X〔%〕以上の二次電池は複数の機器のうちの高出力負荷の機器と対応づけられており、X〔%〕未満の二次電池は複数の機器のうちの低出力負荷の機器と対応づけられている。さらに、対公称容量比SOCでは、α〔%〕以上の二次電池を複数の機器のうちの大容量負荷の機器と対応づけられていてもよい。また、充放電サイクル数について、Y〔サイクル〕未満の二次電池は高出力負荷の使用推奨機器と対応づけられており、Y〔サイクル〕以上の二次電池は低出力負荷の使用推奨機器と対応づけられている。また、内部抵抗値について、Z〔Ω〕未満の二次電池は高出力負荷の使用推奨機器と対応づけられており、Z〔Ω〕以上の二次電池は低出力負荷の使用推奨機器と対応づけられている。また、電池電圧差について、W〔V〕未満の二次電池は高出力負荷の使用推奨機器と対応づけられており、W〔V〕以上の二次電池は低出力負荷の使用推奨機器と対応づけられている。なお、ここでいう「使用推奨機器」とは、互いに異なる複数種類の機器のうちで、二次電池101の状態に適した用途の機器である。
【0060】
決定部107は、二次電池情報が示す二次電池101の状態と推奨テーブルとを用いて、複数の機器から使用推奨機器を決定する。決定部107は、最後に充電または放電した日時からの経過期間が所定値未満の場合、第1の記憶部105が記憶している二次電池情報と推奨テーブルとを用いて、使用推奨機器を決定してもよい。また、決定部107は、最後に充電または放電した日時からの経過期間が所定値以上の場合、制御部103が接続部102に接続されている充電装置(図示せず)から二次電池101への充電を新たに実行するまで待機し、当該充電を実行しているときに検知部104により検知された二次電池情報と推奨テーブルとを用いて、使用推奨機器を決定してもよい。決定部107は、検知部104により検知された、二次電池101の充電または放電が行われた日時と、現在の時刻とを比較することにより、二次電池101が最後に充電または放電した日時からの経過時間が所定値以上であるか否かを判定してもよい。つまり、上述において、最後に充電または放電した日時からの経過期間が所定値未満の場合とは、決定部107により当該経過期間が所定値未満と判定された場合である。また、最後に充電または放電した日時からの経過期間が所定値以上の場合とは、決定部107により当該経過期間が所定値以上と判定された場合である。
【0061】
決定部107は、具体的には、二次電池情報と推奨テーブルとを用いて、次のように使用推奨機器を決定する。決定部107は、対公称容量比SOCが所定値(X〔%〕)以上の場合、高出力負荷の機器を使用推奨機器として決定し、対公称容量比SOCが所定値(X〔%〕)未満の場合、低出力負荷の機器を使用推奨機器として決定する。また、決定部107は、対公称容量比SOCが所定値(α〔%〕)以上の場合、大容量を要求する機器(大容量負荷の機器)を使用推奨機器として決定し、対公称容量比SOCが所定値(α〔%〕)未満の場合、小容量を要求する機器(小容量負荷の機器)を使用推奨機器として決定する。また、決定部107は、充放電サイクル数が所定値(Y〔サイクル〕)未満の場合、高出力負荷の機器を使用推奨機器として決定し、充放電サイクル数が所定値(Y〔サイクル〕)以上の場合、低出力負荷の機器を使用推奨機器として決定する。また、決定部107は、内部抵抗値が所定値(Z〔Ω〕)未満の場合、高出力負荷の機器を使用推奨機器として決定し、内部抵抗値が所定値(Z〔Ω〕)以上の場合、低出力負荷の機器を使用推奨機器として決定する。また、決定部107は、電池電圧差が所定値(W〔V〕)未満の場合、高出力負荷の機器を使用推奨機器として決定し、電池電圧差が所定値(W〔V〕)以上の場合、低出力負荷の機器を使用推奨機器として決定する。つまり、決定部107は、推奨テーブルの複数の条件のうち、二次電池情報が示す二次電池101の状態が満たしている条件に対応づけられている機器を、複数の機器から使用推奨機器として決定する。
【0062】
なお、決定部107は、検知部104により検知された二次電池の状態として対公称容量比SOC、充放電サイクル数、内部抵抗値、および電池電圧差を用いて、使用推奨機器を決定しているが、対公称容量比SOC、充放電サイクル数、内部抵抗値、および電池電圧差のいずれか1つを用いて使用推奨機器を決定していればよい。このため、決定部107は、対公称容量比SOC、充放電サイクル数、内部抵抗値、および電池電圧差のうちの1つに基づいて使用推奨機器を決定してもよいし、これらの組み合わせに基づいて使用推奨機器を決定してもよい。具体的には、決定部107は、対公称容量比SOCが所定値(X〔%〕)以上、且つ、充放電サイクル数が所定値(Y〔サイクル〕)未満、且つ、内部抵抗値が所定値(Z〔Ω〕)以上の場合、高出力負荷の機器を使用推奨機器とする指標が多いので、高出力負荷の機器を使用推奨機器として決定してもよい。
【0063】
報知部108は、決定部107が決定した使用推奨機器を示す情報を使用者に報知する。報知部108は、最後に充電または放電した日時からの経過期間が所定値以上の場合、制御部が充電装置から二次電池に充電を実行するまでは、使用推奨機器を示す情報の報知を停止してもよい。報知部108は、表示部109に使用推奨機器を示す情報を表示させる。これにより、報知部108は、使用推奨機器を示す情報を使用者に報知してもよい。
【0064】
表示部109は、使用推奨機器を示す情報を表示する。表示部109は、例えば、液晶ディスプレイ、または有機ELディスプレイであってもよいし、LED等の複数のランプを選択的に点灯させることで予め描かれている推奨表示を示す絵、または文字が選択されたように表示させる形態のものであってもよい。具体的には、
図1の(b)で説明したとおりであり、第1の推奨表示21、第2の推奨表示22、および第3の推奨表示23のいずれかを表示することにより、使用者に使用推奨機器を示す情報を表示する。
【0065】
次に、蓄電池パック100において行われる動作について説明する。蓄電池パック100において行われる動作には、ログ情報の取得処理と、推奨表示処理との2つの処理がある。
【0066】
図6は、ログ情報の取得処理の一例を示すフローチャートである。
【0067】
ログ情報の取得処理では、まず、制御部103が、二次電池101が充電中または放電中であるかを判定する(S11)。つまり、ログ情報の取得処理は、充電中または放電中に行われる。
【0068】
二次電池101が充電中または放電中であると制御部103により判定された場合(S11:Yes)、検知部104が二次電池101の二次電池情報を検知する(S12)。二次電池101が充電中または放電中でないと制御部103により判定された場合(S11:No)、ステップS11の処理に戻る。つまり、検知部104は、二次電池101が充電中または放電中となるまで、二次電池101の二次電池情報の検知を行うことを待機する。ここで、検知部104は、より具体的には、二次電池101の二次電池情報として、二次電池101の充電または放電が行われた日時、対公称容量比SOC、充放電サイクル数、内部抵抗値、および電池電圧差を検知し、第1の記憶部105にこれらの二次電池情報を出力する。
【0069】
次に、第1の記憶部105は、検知部104により出力された二次電池情報を記憶する(S13)。
【0070】
そして、制御部103は、二次電池101の充電または放電が終了したか否かを判定する(S14)。制御部103が二次電池101の充電または放電が終了したと判定した場合(S14:Yes)、ログ情報の取得処理を終了する。
【0071】
制御部103が二次電池101の充電または放電が終了していないと判定した場合(S14:No)、ステップS12およびステップS13の処理を繰り返す。なお、この場合、所定の期間を経過した後にステップS12およびステップS13を繰り返してもよい。
【0072】
なお、上記で説明したログ情報の取得処理では、充電中または放電中に行われる。これは、充電または放電の期間において、二次電池101の状態が変化しやすく、それ以外の期間の場合には二次電池101の状態は変化しにくく、ログ情報を取得する必要があまりないためである。しかしながら、それ以外の期間であっても、二次電池101は自己放電するため、二次電池101の状態は変化しうる。これに対応するために、それ以外の期間であっても、予め定められた期間ごとに、検知部104が二次電池101の状態を取得するようにしてもよい。
【0073】
図7は、推奨表示処理の一例を示すフローチャートである。
【0074】
推奨表示処理は、蓄電池パック100の予め定められたタイミングとなったときから行われる。つまり、推奨表示処理では、まず、制御部103が、予め定められたタイミングとなったか否かを判定する(S21)。なお、「予め定められたタイミング」とは、充電が完了したタイミングであってもよいし、使用者により予め定められた時刻であってもよい。また、後述するが、蓄電池パックに入力受付部が設けられている場合には、蓄電池パックの例えば物理ボタンがユーザにより押されたタイミングとしてもよい。
【0075】
制御部103が(S21:Yes)、決定部107は、最後に二次電池101を充電または放電した日時から経過期間が所定値以上であるか否かを判定する(S22)。制御部103が予め定められたタイミングでないと判定した場合(S21:No)、ステップS21の判定を繰り返す。つまり、決定部107は、二次電池101の充電が完了するまで、ステップS22の判定を行うことを待機する。
【0076】
決定部107は、最後に充電または放電した日時からの経過期間が所定値未満であると判定した場合(S22:No)、第1の記憶部105が記憶している二次電池情報で推奨テーブルを照合する(S23)。
【0077】
一方で、決定部107が最後に充電または放電した日時からの経過期間が所定値以上であると判定した場合(S22:Yes)、制御部103は、二次電池101が満充電されたか否かを判定する(S24)。そして、二次電池101が満充電されたことを制御部103が判定した場合に、決定部107は、満充電されたときの充電が実行されているときに検知部104により検知された二次電池情報で推奨テーブルを照合する(S25)。つまり、決定部107は、最後に充電または放電した日時からの経過期間が所定値以上であると判定した場合、満充電されるまで、二次電池情報を用いた推奨テーブルの照合を行うことを待機する。
【0078】
そして、決定部107は、ステップS23において照合された結果、または、ステップS25において照合された結果を、使用推奨機器として決定する(S26)。
【0079】
次に、報知部108は、決定部107が決定した使用推奨機器を示す情報を、表示部109に表示させることで、使用者に報知して(S27)、推奨表示処理を終了する。
【0080】
本実施の形態1に係る蓄電池パック100によれば、互いに異なる複数種類の機器に接続して使用可能な蓄電池パック100を使用する場合でも、どの機器に蓄電池パック100を接続して使用すれば、効果的に当該蓄電池パック100を使用できるのかを使用者は一目で判断できる。このため、当該蓄電池パック100は、効果的に使用できると推奨された機器で使用されやすくなり、推奨された機器で使用された場合には寿命、または能力に応じた適切な放電を行うことができる。
【0081】
また、本実施の形態1に係る蓄電池パック100によれば、最後に充電または放電した日時からの経過期間が所定値未満である場合、二次電池101の状態を示す二次電池情報は信頼できる情報であることを利用して、決定部107が当該二次電池情報を用いて使用推奨機器を決定している。このため、決定部107は正確に使用推奨機器を決定でき、報知部108は正確に決定された使用推奨機器を報知できる。
【0082】
また、最後に充電または放電した日時からの経過期間が所定値以上である場合、二次電池101の状態を示す二次電池情報は信頼できない情報である。このため、この場合には、決定部107は制御部103が充電装置から二次電池101への充電が新たに実行されているときに検知部104により検知された二次電池情報を用いて、使用推奨機器を決定している。つまり、決定部107は、二次電池情報が信頼できない情報である場合には、信頼できる二次電池情報を取得し直して、取得し直した二次電池情報を用いて使用推奨機器を決定している。このため、最後に充電または放電した日時からの経過期間が所定値以上である場合であっても、決定部107は正確に使用推奨機器を決定できる。
【0083】
また、この場合、報知部108は、制御部103が充電装置から二次電池101に充電を実行するまでは、使用推奨機器を示す情報の報知を停止する。このため、決定部107は、信頼性の低い二次電池情報を用いて使用推奨機器を決定することを防ぐことができる。
【0084】
また、本実施の形態1に係る蓄電池パック100では、使用推奨機器を示す情報を蓄電池パック100の表示部109に表示するため、使用者は、蓄電池パック以外の機器がなくても蓄電池パック単体で当該蓄電池パックの使用推奨機器を確認することができる。
【0085】
なお、上記実施の形態1に係る蓄電池パック100では、互いに異なる複数種類の機器として、機器の出力負荷の程度に応じて、高出力負荷の機器と、低出力負荷の機器との2つに分類しているが、機器の出力負荷の程度に応じて2つに分類するだけでなく、3つ以上に分類してもよい。また、機器の容量負荷の程度に応じて、大容量負荷の機器と、小容量負荷の機器との2つに分類しているが、機器の容量負荷の程度に応じて2つに分類するだけでなく、3つ以上に分類してもよい。このように分類することで、使用者は、蓄電池パック100が放電するのに適した機器をより精度よく容易に判断できる。
【0086】
なお、上記実施の形態1に係る蓄電池パック100では、さらに、検知部104が二次電池101の異常状態を検知してもよい。また、報知部108は、検知部104が二次電池101の異常状態を検知した場合、当該異常状態を示す情報を使用者に報知してもよい。この場合、検知部104による二次電池101の異常状態の検知は、
図7で説明した推奨処理のフローチャートにおいて、例えば、ステップS22の判定後に行われることが考えられる。例えば、ステップS22でNoと判定された後に行われる場合であって、検知部104が二次電池101の異常状態を検知した場合に、報知部108が二次電池101に異常がある旨を示す表示を表示部109に行わせて、推奨処理を終了するようにしてもよい。また、ステップS22でYesと判定された後に行われる場合には、ステップS24で判定される満充電が行われる前に検知部104が二次電池101の異常状態を検知するようにしてもよい。この場合も二次電池101の異常状態を検知した場合に、報知部108が二次電池101に異常がある旨を示す表示を表示部109に行わせて、推奨処理を終了するようにしてもよい。
【0087】
なお、検知部104により行われる二次電池101の異常状態の検知は、充放電サイクル数、内部抵抗値、および電池電圧差の少なくともいずれか一つを検知し、検知した充放電サイクル数、内部抵抗値、および電池電圧差の少なくともいずれか一つが所定の範囲から外れている場合に二次電池101が異常状態であると判定する。また、蓄電池パック100の第1の記憶部105が充放電総量、使用温度履歴、保存温度履歴の少なくともいずれか一つを記憶しており、検知部104は、蓄電池パック100の充放電総量、使用温度履歴、保存温度履歴の少なくともいずれか一つを参照し、当該値が所定の範囲から外れている場合に二次電池101が異常状態であると判定してもよい。
【0088】
(実施の形態2)
実施の形態1に係る蓄電池パック100では、報知部108は、決定部107により決定された使用推奨機器を蓄電池パック100が備える表示部109に表示させたが、蓄電池パック100以外の機器が備える表示部に表示させる形態であってもよい。
【0089】
図8は、実施の形態2に係る蓄電池パックを含む蓄電システムの外観を示す図である。
図9は、実施の形態2に係る蓄電システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0090】
図8および
図9に示すように、蓄電システム1は、複数の蓄電池パック100a、100bおよび充電装置200を備える。
【0091】
蓄電池パック100aは、実施の形態1に係る蓄電池パック100の構成に、さらに、通信部110を備える。そして、蓄電池パック100bは、実施の形態1に係る蓄電池パック100の構成に、さらに、通信部110を備え、表示部109が無い構成である。蓄電池パック100a、100bのその他の構成は、実施の形態1に係る蓄電池パック100と同様であるため説明を省略する。
【0092】
報知部108は、決定部107により決定された使用推奨機器を示す情報を通信部110に出力する。通信部110は、報知部108により出力された使用推奨機器を示す情報を、接続部102を介して充電装置200に送信する。つまり、報知部108は、接続部102を介して使用推奨機器を示す情報を充電装置200に送信し、使用推奨機器を示す情報を充電装置200に表示させる。これにより、報知部108は、使用推奨機器を示す情報を使用者に報知する。また、接続部102は、二次電池101と接続部102に接続される機器との間の電力の入出力だけでなく、通信部110からの通信データの入出力が可能な構成となっている。
【0093】
充電装置200は、充電制御部201、電源部202、通信部203、表示制御部204、表示部205、および電池接続部206から構成される。
【0094】
充電制御部201は、電源部202により供給された直流電力を、電池接続部206を介して蓄電池パック100a、100bに供給することで、蓄電池パック100a、100bを充電する。具体的には、充電制御部201は、蓄電池パック100a、100bが満充電になった場合に充電を終了する。
【0095】
電源部202は、商用電源であるAC電源300から取得した交流電力を直流電力に変換し、さらに、蓄電池パック100a、100bに適した電圧の直流電力に変換し、変換した電力を充電制御部201に供給している。
【0096】
通信部203は、蓄電池パック100a、100bの通信部110から送信された情報を受信する。具体的には、通信部203は、蓄電池パック100a、100bの通信部110から送信された使用推奨機器を示す情報を受信し、当該情報を充電装置200に送信する。
【0097】
表示制御部204は、通信部203が受信した使用推奨機器を示す情報を表示部205に表示させる。
【0098】
表示部205は、使用推奨機器を示す情報を表示する。なお、表示部205により、表示される表示内容の詳細は、
図1の(b)で説明した表示部109と同様であるので、説明は省略する。
【0099】
電池接続部206は、蓄電池パック100a、100bの接続部102に、着脱自在、かつ、電気的に接続可能である。電池接続部206は、蓄電池パック100a、100bと充電制御部201との間の電力の入出力だけでなく、通信部110からの通信データの入出力が可能な構成となっている。
【0100】
本実施の形態2に係る蓄電池パック100a、100bでは、報知部108が通信部110に決定部107により決定された使用推奨機器を示す情報を充電装置200に送信することで、充電装置200の表示部205に使用推奨機器を表示させる。このように、報知部108によって報知される対象は蓄電池パック自体でなくてもよく、充電装置200に備えられる表示部205であってもよい。このため、蓄電池パック100bのように単体で表示部109が無い構成のものであっても、使用者に蓄電池パックの使用推奨機器を報知することができる。
【0101】
また、上記実施の形態2に係る蓄電池パック100a、100bでは、報知部108は、通信部110を介して充電装置200に使用推奨機器を示す情報を送信し、充電装置200に使用推奨機器を示す情報を表示させているが、報知する対象の機器は充電装置200に限らない。例えば、報知部108は、通信部110を介してスマートフォンなどの表示部を有する外部の通信端末に使用推奨機器を示す情報を送信し、使用推奨機器を示す情報を外部の通信端末に表示させてもよい。これにより、報知部108は、使用者推奨機器を示す情報を使用者に報知してもよい。なお、この場合、通信部110は、外部の通信端末と通信することができる。具体的には、通信部110は、有線で外部の通信端末に接続される通信インターフェースであってもよいし、無線LAN、またはBluetooth(登録商標)などの無線通信が可能な通信モジュールであってもよい。
【0102】
(実施の形態3)
実施の形態1および実施の形態2に係る蓄電池パック100、100a、100bでは、二次電池101の状態を蓄電池パック100、100a、100b内部に備えられる検知部104により検知しているが、充電装置が蓄電池パックの二次電池の状態を検知する構成としてもよい。
【0103】
図10は、実施の形態3に係る蓄電システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0104】
図10に示すように、実施の形態3に係る蓄電システム1aは、蓄電池パック100cおよび充電装置200aを備える。
【0105】
蓄電池パック100cは、二次電池101および接続部102のみにより構成されることが、実施の形態1および実施の形態2に係る蓄電池パック100、100a、100bの構成とは異なる。二次電池101および接続部102の構成は、実施の形態1に係る蓄電池パック100と同様であるため、説明を省略する。
【0106】
充電装置200aは、充電制御部201、電源部202、表示制御部204、表示部205、電池接続部206、電池検知部207、記憶部208、および機器決定部209から構成される。
【0107】
電池接続部206は、電池検知部207と接続されていることが実施の形態2の電池接続部206と異なる。電池接続部206は、蓄電池パック100cの接続部102と接続される。電池接続部206は、具体的には、蓄電池パック100cを充電するための電力を蓄電池パック100cの接続部102に供給したり、蓄電池パック100cの二次電池101の状態を電池検知部207で検知させたりするために、電気的に蓄電池パック100cの接続部102と接続される。
【0108】
電池検知部207は、蓄電池パック100cの二次電池101の状態を検知して、検知した結果を二次電池情報として出力する。記憶部208は、二次電池101の状態に基づいて予め定められる条件と当該条件に適した複数の使用推奨機器とが予め対応づけられた推奨テーブルを記憶している。機器決定部209は、二次電池情報が示す二次電池の状態と推奨テーブルとを用いて、使用推奨機器を決定する。表示制御部204は、機器決定部209が決定した使用推奨機器を示す情報を表示部205に表示させる。表示部205は、使用推奨機器を示す情報を表示する。
【0109】
なお、電池検知部207、記憶部208、機器決定部209、および表示制御部204の機能は、それぞれ、実施の形態1および実施の形態2の蓄電池パック100、100a、100bの検知部104、第2の記憶部106、決定部107、報知部108の機能と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0110】
また、充電制御部201、電源部202、および表示部205の構成は、実施の形態2で説明した充電装置200の各構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0111】
図11は、実施の形態3に係る充電装置の充電処理を示すフローチャートである。
【0112】
まず、充電装置200aでは、蓄電池パック100cが電池接続部206に接続されているか否かを、電池検知部207が判定する(S31)。電池検知部207は、蓄電池パック100cが電池接続部206に接続されていることを判定した場合(S31:Yes)、蓄電池パック100cの二次電池101が異常状態であるか否かを判定する(S32)。電池検知部207は、蓄電池パック100cが電池接続部に接続されていないと判定した場合(S31:No)、ステップS31の処理に戻る。つまり、電池検知部207は、蓄電池パック100cが電池接続部206に接続されるまで、二次電池101の異常状態の検出処理を行うことを待機する。なお、電池検知部207により行われる蓄電池パック100cの二次電池101の異常状態の検知は、実施の形態1の検知部104により行われる異常状態の検知と同様である。
【0113】
蓄電池パック100cの二次電池101が異常状態であることを電池検知部207が判定した場合(S32:Yes)、表示制御部204は、蓄電池パック100cの二次電池101が異常状態であることを示す情報を表示部205に表示させて(S33)、充電処理を終了する。
【0114】
蓄電池パック100cの二次電池101が異常状態でないことを電池検知部207が判定した場合(S32:No)、表示制御部204は、蓄電池パック100cの二次電池101が充電中であることを示す情報を表示部205に表示させる(S34)。
【0115】
そして、充電制御部201は、蓄電池パック100cの二次電池101を充電する(S35)。
【0116】
次に、電池検知部207は、蓄電池パック100cの二次電池101が満充電状態であるか否かを判定する(S36)。電池検知部207が蓄電池パック100cの二次電池101が満充電状態であることを判定した場合(S36:Yes)、表示制御部204は、蓄電池パック100cの二次電池101が満充電状態であることを示す情報を表示部205に表示させる(S37)。電池検知部207は、蓄電池パック100cの二次電池101が満充電状態でないことを判定した場合(S36:No)、ステップS36の処理を繰り返す。つまり、表示制御部204は、蓄電池パック100cの二次電池101が満充電状態であると電池検知部207に判定されるまで、満充電状態を示す情報を表示部205に表示させることを待機する。
【0117】
次に、機器決定部209は、満充電されたときの充電が実行されているときに電池検知部207により検知された二次電池情報で推奨テーブルを照合し(S38)、ステップS38において照合された結果を、使用推奨機器として決定する(S39)。
【0118】
そして、表示制御部204は、機器決定部209が決定した使用推奨機器を示す情報を、表示部205に表示させる(S40)ことで、使用者に報知して、充電処理を終了する。
【0119】
本実施の形態3に係る蓄電システム1aでは、充電装置200aが、電池接続部206に接続されている蓄電池パック100cの二次電池101の状態を検知して、検知した結果を用いて使用推奨機器を決定し、決定した使用推奨機器を充電装置200aの表示部205に表示させることで使用者に、当該蓄電池パック100cの使用推奨機器を報知している。このため、蓄電池パック100cが、実施の形態1および実施の形態2で説明した検知部104、第1の記憶部105、第2の記憶部106、決定部107、および報知部108を有していない構成であっても、充電装置200aの構成により蓄電池パック100cの使用推奨機器を決定して、使用者に報知することができる。
【0120】
なお、上記実施の形態3では、蓄電池パック100cは、二次電池101および接続部102のみにより構成されるが、これは、実施の形態3を実現するための蓄電池パック100cの最小構成を示している。このため、二次電池101および接続部102を少なくとも備えていれば、他の構成の蓄電池パックであっても実施の形態3の蓄電システム1aと同様の効果を奏することができる。つまり、蓄電池パック100cの代わりに、実施の形態1および実施の形態2で説明した蓄電池パック100、100a、100bを用いてもよい。
【0121】
(他の実施の形態)
上記実施の形態1に係る蓄電池パック100は、使用者による入力を受け付ける入力受付部を備えていない構成であるが、
図12に示すように、さらに、入力受付部111を備えた蓄電池パック100dを採用してもよい。蓄電池パック100dは、
図2の蓄電池パック100にさらに、入力受付部111を設けた構成である。また、蓄電池パック100dは、第2の記憶部106および決定部107が入力受付部111により受け付けられた入力に基づいて行う処理が蓄電池パック100の構成と異なる。蓄電池パック100dのその他の構成は、蓄電池パック100と同様であるため説明を省略する。
【0122】
入力受付部111は、機器を示す機器情報を受け付ける。つまり、入力受付部111は、蓄電池パック100dの接続部102が接続され、二次電池101の放電の対象となる機器を示す情報である機器情報を受け付ける。第2の記憶部106は、複数種類の機器と入力受付部111において受け付けられた機器情報とを対応づけて記憶する。決定部107は、推奨テーブルに対応づけられている複数の使用推奨機器のうちで、入力受付部111において受け付けられた機器情報により示される機器の中から使用推奨機器を決定する。
【0123】
蓄電池パック100dによれば、入力受付部111において受け付けられた機器情報が示す機器に対応する複数の機器の中から、使用推奨機器が決定されるため、表示部109には、使用者が所有している機器に対応する使用推奨機器のみが表示されることになる。これにより、使用者が所有していない機器が推奨されることがなくなるため、使用者は、蓄電池パック100dを使用すべき機器を容易に判断することができる。
【0124】
また、
図12で示す蓄電池パック100dの入力受付部111は、機器情報を受け付ける以外の用途で使用されてもよい。例えば、入力受付部111により受け付けられた入力が、実施の形態1で説明した推奨表示処理の開始を示す場合に、推奨表示処理を開始させるようにしてもよい。上記の実施の形態1で説明した推奨表示処理では、制御部103が二次電池101の充電が完了したと判定した場合に、開始されるとしたが、即ち、推奨表示処理の開始の判定(
図7のステップS21)は、充電が完了したことを判定することの代わりに、使用者により入力受付部111に蓄電池パック100dの推奨表示処理を開始させる入力(上述参照)が行われたことを、推奨表示処理の開始の判定に用いてもよい。
【0125】
また、上記実施の形態2に係る蓄電池パック100aは、蓄電池パック100と同様に、入力受付部を備えていない構成であるが、
図13に示すように、さらに、入力受付部111を備えた蓄電池パック100eを採用してもよい。なお、この場合の入力受付部111は、
図12に示す蓄電池パック100dに設けられる入力受付部111と同様の構成でもよいし、異なる構成であってもよい。異なる構成の入力受付部111とは、具体的には、通信部110を介して入力に関する情報を外部の機器から受け付ける機能を有していてもよい。例えば、外部にキーボード、またはタッチパネルなどの入力装置が接続されることで、当該入力装置からの入力を受け付ける構成であってもよい。
【0126】
また、上記実施の形態1および実施の形態2では、特に言及していないが、決定部107および機器決定部209は、例えば、第1の記憶部105、208に記憶されている二次電池101の状態の対公称容量比SOCがX%以上かつα%以上を満たしていれば、高出力負荷および大容量負荷の両方の使用推奨機器を決定してもよい。
【0127】
また、上記実施の形態1および実施の形態2に係る蓄電池パック100、100a、100b、100d、100eでは第1の記憶部105および第2の記憶部106は別々の構成であるが、1つの記憶部であってもよい。
【0128】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0129】
以上、本開示の一つまたは複数の態様に係る蓄電池パックおよび充電装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、及び異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。