特許第6240908号(P6240908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6240908
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】ゲーム機
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/90 20140101AFI20171127BHJP
   A63F 11/00 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   A63F13/90
   A63F11/00 A
【請求項の数】9
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-72584(P2013-72584)
(22)【出願日】2013年3月29日
(65)【公開番号】特開2014-195554(P2014-195554A)
(43)【公開日】2014年10月16日
【審査請求日】2015年11月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
【住所又は居所】東京都港区赤坂九丁目7番2号
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(72)【発明者】
【氏名】加田 栄太
【住所又は居所】東京都港区赤坂九丁目7番2号 株式会社コナミデジタルエンタテインメント内
(72)【発明者】
【氏名】南 小治郎
【住所又は居所】東京都港区赤坂九丁目7番2号 株式会社コナミデジタルエンタテインメント内
【審査官】 前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−239234(JP,A)
【文献】 特開2009−128722(JP,A)
【文献】 特開2006−220772(JP,A)
【文献】 特開2003−121942(JP,A)
【文献】 特表昭56−501386(JP,A)
【文献】 特開2005−017398(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F13/00−13/98
A63F 9/00−11/00
E04H 1/00− 1/14
G09B 9/00− 9/56
H04N 5/66− 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤが入り込むことが可能な中空構造体を有し、該中空構造体の隔壁の内面には前記プレイヤを取り囲むようにスクリーンが設けられた筐体と、前記スクリーンに対してゲームの画像を投影する投影装置とを備えたゲーム機であって、
記中空構造体は、
複数のフレーム部品を組み合わせて構成されるフレーム構造体と、
前記フレーム構造体の内面側を覆うようにして前記フレーム構造体の各フレーム部品に取り付けられることにより、前記本体の内面側に前記スクリーンを形成する複数のインナパネルと、
前記フレーム構造体の外面側を覆うようにして前記フレーム構造体の各フレーム部品に取り付けられる複数のアウタパネルと、
を備え
前記複数のインナパネルは、前記筐体の所定方向を一軸方向としたときの当該軸方向に対する周方向に並べて配置され、
各インナパネルには、前記周方向における両端部から前記周方向に離れた位置にて各インナパネルの外面側に突出するようにリブが設けられ、該リブが前記フレーム部品に固定されることにより、前記複数のインナパネルのそれぞれが前記フレーム部品に取り付けられているゲーム機。
【請求項2】
前記中空構造体の前記隔壁の一部には前記プレイヤの出入口が設けられ、
前記中空構造体の底部には、該中空構造体の内部にて前記プレイヤが乗るべき床面を有する底部構造体が配置され、
前記底部構造体は、前記出入口を介して前記中空構造体の内部に装着されている請求項1に記載のゲーム機。
【請求項3】
前記底部構造体には、前記プレイヤを、前記出入口が背面側となるようにして着席させるシートが設けられている請求項に記載のゲーム機。
【請求項4】
前記底部構造体にはキャスタが取り付けられている請求項2又は3に記載のゲーム機。
【請求項5】
前記筐体は前記中空構造体を支持するベースをさらに有し、前記フレーム構造体が前記ベース上に組み付けられる請求項1〜のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項6】
前記ベースには、前記中空構造体の底部よりも外側に広がる拡張部が設けられている請求項に記載のゲーム機。
【請求項7】
プレイヤが入り込むことが可能な中空構造体を有し、該中空構造体の隔壁の内面には前記プレイヤを取り囲むようにスクリーンが設けられた筐体と、前記スクリーンに対してゲームの画像を投影する投影装置とを備えたゲーム機であって、
前記中空構造体は、
複数のフレーム部品を組み合わせて構成されるフレーム構造体と、
前記フレーム構造体の内面側を覆うようにして前記フレーム構造体の各フレーム部品に取り付けられることにより、前記本体の内面側に前記スクリーンを形成する複数のインナパネルと、
前記フレーム構造体の外面側を覆うようにして前記フレーム構造体の各フレーム部品に取り付けられる複数のアウタパネルと、
を備え、
前記中空構造体の前記隔壁の一部には前記プレイヤの出入口が設けられ、
前記中空構造体の底部には、該中空構造体の内部にて前記プレイヤが乗るべき床面を有する底部構造体が配置され、
前記底部構造体は、前記出入口を介して前記中空構造体の内部に装着され、
前記筐体は前記中空構造体を支持するベースをさらに有し、
前記フレーム構造体が前記ベースのフレーム取付部に組み付けられ、
前記ベースには、前記出入口を挟むようにして一対の脚部が前記隔壁よりも外側でかつ前記出入口側から前記筐体を見たときの前後方向に張り出すように設けられ、
前記脚部のそれぞれの上面は前記隔壁の外形に沿って丸められつつ前記フレーム取付部よりも上方に達するように設けられているゲーム機。
【請求項8】
前記底部構造体には、前記プレイヤを、前記出入口が背面側となるようにして着席させるシートが設けられている請求項7に記載のゲーム機。
【請求項9】
前記底部構造体にはキャスタが取り付けられている請求項7又は8に記載のゲーム機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤが筐体の内部に入ってプレイするゲーム機に係り、特にその筐体の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
業務用に開発されたゲーム機の分野では、家庭用の据置型ビデオゲーム機や携帯型ゲーム機との差別化を目的として、ゲーム機の物理的な構成に種々の工夫を施すことが一般に行われている。例えば、プレイヤが筐体の内部に入り込んでプレイする構成を採用したゲーム機が知られている(特許文献1参照)。プレイヤの周囲にスクリーンを配置し、複数のプロジェクタで画像を投影するゲーム機も知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−62256号公報
【特許文献2】特開平11−313983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プレイヤが入り込むタイプのゲーム機では、筐体が大型化し易い。とりわけ、筐体がプレイヤを完全に収容するような中空構造体を含む場合、その構造体を一体成形等によって形成したしたのでは、筐体の搬入や搬出が困難となるおそれがある。一方、筐体の隔壁等を単純に分割するだけでは、筐体に必要な剛性を十分に確保できないおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、プレイヤが入り込むことが可能であり、搬入や搬出が容易でかつ剛性も確保し易い筐体を備えたゲーム機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲーム機(1)は、プレイヤが入り込むことが可能な中空構造体(5)を有し、該中空構造体の隔壁(5a)の内面には前記プレイヤを取り囲むようにスクリーン(7)が設けられた筐体(2)と、前記スクリーンに対してゲームの画像を投影する投影装置(71A〜71F)とを備えたゲーム機であって、前記記中空構造体は、複数のフレーム部品(16)を組み合わせて構成されるフレーム構造体(12)と、前記フレーム構造体の内面側を覆うようにして前記フレーム構造体の各フレーム部品に取り付けられることにより、前記本体の内面側に前記スクリーンを形成する複数のインナパネル(14)と、前記フレーム構造体の外面側を覆うようにして前記フレーム構造体の各フレーム部品に取り付けられる複数のアウタパネル(15)とを備えたものである。
【0007】
本発明のゲーム機によれば、筐体の中空構造体を形成するためのフレーム構造体を複数のフレーム部品の組み合わせによる分割構造とし、かつフレーム構造体のフレーム部品に複数のインナパネル及びアウタパネルをそれぞれ取り付けて隔壁の内外を覆うようにしたので、中空構造体を分割して搬入及び搬出を容易に行うことができ、かつフレーム構造体を組み立てることにより、中空構造体に十分な剛性を与えることができる。また、インナパネルを繋ぎ合わせることにより、中空構造体の内面にプレイヤを取り囲むスクリーンを容易に形成することができる。
【0008】
本発明のゲーム機において、前記インナパネルの外面側にはリブ(14b)が設けられ、該リブが前記フレーム部品に固定されることにより、前記インナパネルが前記フレーム部品に取り付けられてもよい。これによれば、インナパネルを分割構造としても、リブにより剛性を確保することができる。しかも、フレーム構造体のフレーム部品に対してインナパネルの外側のリブを固定する構成としたために、インナパネルとフレーム部品との結合箇所を隔壁の内面側から完全に隠すことができる。それにより、スクリーンに結合箇所が露出せず、スクリーンの一体感、連続感を高めることができる。
【0009】
本発明のゲーム機においては、前記中空構造体の前記隔壁の一部には前記プレイヤの出入口(6)が設けられ、前記中空構造体の底部には、該中空構造体の内部にて前記プレイヤが乗るべき床面(40a)を有する底部構造体(40)が配置され、前記底部構造体は、前記出入口を介して前記中空構造体の内部に装着されてもよい。これによれば、中空構造体の内部にてプレイヤが乗るべき部分が中空構造体とは別の構造体として構成されるので、中空構造体の構成を分割に適するように単純化することができる。底部構造体を中空構造体の構成部品とは分けて運べるため、筐体の搬入及び搬出をより容易に行える。
【0010】
さらに、前記底部構造体には、前記プレイヤを、前記出入口が背面側となるようにして着席させるシート(50)が設けられてもよい。この場合、シートを底部構造体上に設けて出入口から中空構造体の内部に装着することができ、中空構造体には予めシートを設けておく必要もない。したがって、中空構造体の構成を分割に適した構成とする上でさらに有利である。
【0011】
また、前記底部構造体にはキャスタ(45)が取り付けられてもよい。これによれば、底部構造体を中空構造体の出入口から容易に装着し、あるいは出入口から容易に取り出すことができる。
【0012】
前記筐体は前記中空構造体を支持するベース(4)をさらに有し、前記フレーム構造体が前記ベース上に組み付けられてもよい。これによれば、ベースにより筐体の安定性を高めることができる。また、フレーム部品をベース上に順次組み上げることにより、組立作業中の安定性を確保して作業効率を高めることができる。
【0013】
前記ベースには、前記中空構造体の底部よりも外側に広がる拡張部(10a)が設けられてもよい。これによれば、拡張部が中空構造体の隔壁底部よりも外側に広がることによって筐体の安定性が確保される。拡張部上のスペースを利用して、ゲーム機を動作させるために必要な各種の電装部品、例えば制御装置や電源装置等を搭載するスペースを中空構造体の外部に確保することができる。
【0014】
本発明のゲーム機において、前記筐体は前記中空構造体を支持するベース(4)をさらに有し、前記フレーム構造体が前記ベース上に組み付けられ、前記ベースには、前記出入口を挟むようにして一対の脚部(11)が前記隔壁よりも外側に張り出すように設けられ、前記脚部のそれぞれの上面は前記隔壁の外形に沿って丸められていてもよい。これによれば、脚部の張り出しによって筐体の安定性がさらに高まる。また、脚部の上面が丸められることにより、脚部の高さを増加させて脚部自身の剛性を高め、それにより筐体の安定性の向上に対する脚部の効果を高めつつ、中空構造体を比較的低い位置に配置して筐体の全高を抑えることができる。
【0015】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0016】
以上に説明したように、本発明のゲーム機によれば、筐体の中空構造体を分割可能な構造とし、かつフレーム構造体のフレーム部品に複数のインナパネル及びアウタパネルをそれぞれ取り付けているので、中空構造体を分割して搬入及び搬出を容易に行うことができ、かつフレーム構造体により十分な剛性を確保するとともに、インナパネルを繋ぎ合わせることによりプレイヤを取り囲むスクリーンを容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一形態に係るゲーム機の外観構成を示す斜視図。
図2図1とは異なる方向からゲーム機を示した斜視図。
図3】ゲーム機の正面図。
図4】ゲーム機の右側面図。
図5図1及び図2とはさらに異なる方向からゲーム機を示した斜視図。
図6図3のVI−VI線に沿ったゲーム機の垂直断面図。
図7図4のVII−VII線に沿ったゲーム機の垂直断面図。
図8】シートユニットを取り外した状態におけるゲーム機を図6と同一方向から示した垂直断面図。
図9】ゲーム機の筐体とシートユニットとの関係を示す斜視図。
図10】筐体の本体における隔壁を概ね組み立てた状態を示す斜視図。
図11】本体のベース上にフレーム構造体を組み付けた状態を示す斜視図。
図12】本体のベースの斜視図。
図13】フレーム構造体の構成を示す斜視図。
図14】フレーム構造体を組み立てる途中の状態を示す斜視図。
図15】フレーム構造体の内面側に取り付けられるべきインナパネルを組み合わせた状態を示す斜視図。
図16】フレーム構造体の内面側にインナパネルを組み付ける途中の状態を示す斜視図。
図17】フレーム構造体の内面側に全てのインナパネルを組み付けた状態を示す斜視図。
図18】フレーム構造体の外面側にアウタパネルを組み付ける様子を示す斜視図。
図19】扉パネルに対する案内機構及びカウンタウエイト機構の断面図。
図20】シートユニットの斜視図。
図21】シートユニットの側面図。
図22】シートユニットの断面図。
図23】筐体上部の一台のプロジェクタからスクリーンの下側の領域に画像を投影する状態を示す図。
図24】筐体上部の他の一台のプロジェクタからスクリーンの下側の他の領域に画像を投影する状態を示す図。
図25】ゲームの画像を投影するための制御系の主要部の構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の一形態に係るゲーム機を説明する。図1図5に示すように、ゲーム機1は、筐体2と、その筐体2の内部に配置されるシートユニット3とを備えている。筐体2は、ベース4と、そのベース4に支持された本体5とを備えている。以下の説明においては、図1の矢印X方向をゲーム機1の前後方向、矢印Y方向をゲーム機1の左右方向、矢印Z方向をゲーム機1の上下方向とし、図3に示された側をゲーム機1の正面側、その反対側をゲーム機1の背面側と定める。
【0019】
図6図8から明らかなように、筐体2の本体5は、概ね球体状の隔壁5aを備えた中空構造体である。本体5の正面側にはプレイヤが筐体2の内部に出入りするための出入口6が形成されている(図4及び図5参照)。出入口6は、隔壁5aを本体5の頂部から底部まで概略一定幅でくり抜くようにして設けられている。シートユニット3は、出入口6から本体5の内部に挿入されてベース4に固定される(図9も参照)。本体5の内面はほぼ球面形のスクリーン7として形成されている。ゲームのプレイヤは、出入口6を介して筐体2の内部に入り、シートユニット3のシート50に着席して、スクリーン7のほぼ全域に表示されるゲームの画像を見ながらゲームをプレイする。
【0020】
図10図12に示すように、筐体2のベース4は、台座部10と、その台座部10の左右に配置されてゲーム機1の前後方向に延ばされた一対の脚部11とを備えている。台座部10は、板材を曲げ成形した箱状の構造物であり、その左右端及び後端側には、本体5の底部における隔壁5aよりも外側に広がる拡張部10aが設けられている。拡張部10aが外側に広がることにより、筐体2の安定性が確保されるとともに、球体状の本体5の外部において、ゲーム機1を動作させるために必要な各種の電装部品、例えば制御装置や電源装置等を搭載するスペースを確保することができる。台座部10の上面には、水平面に沿って円弧を描くように延びるフレーム取付部10bが形成されている。脚部11は、出入口6を挟むように位置している。脚部11は、ゲーム機1の安定性をさらに高めるべく台座部10の前後に張り出すように設けられている。脚部11の上部は本体5の外形に沿って円弧を描くように丸められている。これにより、脚部11の高さを増加させて脚部11の剛性を高め、それにより筐体2の安定性の向上に対する脚部11の効果を高めつつ、本体5を比較的低い位置に配置して筐体2の全高を抑えることができる。
【0021】
図10及び図11に示すように、本体5は、概ね球形に組まれたフレーム構造体12と、そのフレーム構造体12の内面側を覆うようにしてフレーム構造体12に取り付けられた複数のインナパネル14と、フレーム構造体12の外面側を覆うようにしてフレーム構造体12に取り付けられた複数のアウタパネル15とを備えている。図13及び図14に示すように、フレーム構造体12は、複数のフレーム部品16を組み合わせて構成されている。各フレーム部品16は、上端に配置される上フレーム16aと、下端に配置される下フレーム16bと、上下のフレーム16a、16bに間に渡される複数本の縦フレーム16cとを備えている。フレーム構造体12の分割位置、言い換えればフレーム部品16同士の結合位置は、フレーム構造体12を上下方向の中央にて分割する位置(上下分割位置)、及びその上下分割位置に沿ってフレーム構造体12を周方向に4つに分割する位置(周方向分割位置)にそれぞれ設定されている。
【0022】
フレーム構造体12は以下の手順にて組み立てられる。まず、下側に配置されるべきフレーム部品16の下フレーム16bが結合部材(例えばボルト及びナット)を利用して台座部10のフレーム取付部10bに順次固定される。次に、上側に配置されるべきフレーム部品16の下フレーム16bと下側のフレーム部品16の上フレーム16aとが結合部材を用いて相互に結合される。これにより、フレーム構造体12が完成する。このようにベース4の台座部10上にてフレーム部品16を順次組み上げていくことにより組立作業中の安定性を確保して作業効率を高めることができる。なお、フレーム構造体12の正面側には、筐体2の出入口6(図1参照)に対応して、フレーム構造体12の頂部から底部に亘って開口部12aが設けられている。開口部12aはその上端から下端まで一定の幅に形成されている。開口部12aの左右に位置するフレーム部品16の縦フレーム16cは、筐体2の湾曲形状に沿って上下方向に延ばされることにより、出入口6を規定する枠のうち、左右方向の側縁部分の骨格として機能する。
【0023】
図15に示すように、インナパネル14は、フレーム構造体12の内面に沿うように球面状に湾曲した曲面板14aと、その曲面板14aの外周面上に一体に設けられかつ上下方向に延ばされたリブ14bとを備えている。曲面板14aは、本体5の内面を上下方向の中央位置で分割し、かつ周方向に6つに分割して得られる12個の領域のいずれかに対応する形状に形成されている。つまり、12枚のインナパネル14を組み合わせることにより、フレーム構造体12の内面がその開口部12aを除いて全面的にインナパネル14で覆われる。それにより、筐体2の本体5の内面に概略球面状のスクリーン7が形成される。図16及び図17に示すように、各インナパネル14は、そのリブ14bをフレーム部品16の縦フレーム16cの側面と突き合わせるようにしてフレーム構造体12の内側に配置されている。リブ14bは、ボルト等の結合部材を用いてフレーム構造体12の縦フレーム16cに固定される。図18に示すように、インナパネル14の取り付け後、フレーム構造体12の外側にアウタパネル15が適宜に取り付けられる。それにより、フレーム構造体12が隠されて本体5の隔壁5aが完成する。その後、図1図5に示すように、リング状のデコレーションカバー18等の装飾部品が適宜に取り付けられて筐体2の本体5が完成する。
【0024】
以上のように筐体2をベース4と本体5とに分けて構成し、かつ、本体5の隔壁5aを形成するためのフレーム構造体12を複数のフレーム部品16の組立構造とし、かつフレーム構造体12の内外に取り付けられるべきインナパネル14及びアウタパネル15も分割構造としたため、ゲーム機1の設置箇所に対する搬入及び搬出を容易に行えるようになる。また、フレーム構造体12により、隔壁5aに十分な剛性を与えることができる。インナパネル14からリブ14bを突出させることにより、インナパネル14には十分な剛性が確保される。リブ14bはインナパネル14の外面側に位置しているので、インナパネル14とフレーム部品16との結合箇所を本体5の内部から完全に隠すことができる。それにより、スクリーン7に結合箇所が露出せず、スクリーン7の一体感、連続感を高めることができる。
【0025】
図1図3及び図5に示すように、筐体2の出入口6には扉装置8が設けられている。扉装置8は、出入口6を拡大するよう上げられた状態(図5)と、出入口6を狭めるように降ろされた状態(図1及び図3)との間で上下方向に開閉可能な扉部材としての扉パネル21と、扉パネル21を上下方向に案内する案内機構22とを備えている。扉パネル21を上げることにより、出入口6が大きく開口する。それにより、プレイヤは本体5の内部に対して容易に出入りすることができる。一方、扉パネル21を降ろしたときは出入口6が狭められる。
【0026】
扉パネル21は、出入口6の左右の縁に沿って湾曲したパネル本体23と、そのパネル本体23に取り付けられたグリップ24とを備えている。グリップ24は、筐体2の外部及び内部のいずれからも握って操作できるように、扉パネル21の下端中央部に設けられている。図19に詳しく示したように、案内機構22は、出入口6の左右の縁取り部材としての縦フレーム16cに沿って配置された一対のレール25を備えている。パネル本体23の上下端部にはローラ26が取り付けられている。各ローラ26は、レール25に沿って転動するようにしてパネル本体23に取り付けられている。それにより、扉パネル21はレール25に案内されつつ上下にスライドすることができる。レール25にはストッパ27aが取り付けられ、パネル本体23にはストッパ27aと当接可能なブロック27bが取り付けられている。扉パネル21を降ろしたとき、ブロック27bがストッパ27aに突き当たることにより、扉パネル21の下降動作が制限される。それにより、扉パネル21の可動範囲の下端位置(最も降ろされた位置)が規定される。扉パネル21を最も降ろしたとき、出入口6は完全に閉め切られることなく、扉パネル21の下方には開口が残される。そのため、筐体2の内部のプレイヤに適度な安心感を与え、プレイヤが感じ取るおそれのある閉塞感を和らげることができる。一方、扉パネル21の下方に残される開口は、シートユニット3に着席してスクリーン7の中央部を見ているプレイヤの背面側でかつ下方に位置する。したがって、扉パネル21の下方に開口が残っていても、その開口はプレイヤの視野に入り難い。そのため、スクリーン7に投影されるゲームの画像に対してプレイヤの意識を強く惹き付け、ゲームの世界に対してプレイヤをより深く没入させることができる。
【0027】
パネル本体23の少なくとも一部は、筐体2の本体5内を適度に覗き込めるように、透過性のある素材を利用して構成されている。例えば、ダークグレーに着色された半透明のアクリルパネル等がパネル本体23の少なくとも一部の素材として利用される。これにより、筐体2の外部からスクリーン7や内部のプレイヤの所作等を視認することが適度に可能となる。それにより、ゲーム機1に対する他のプレイヤの興味を惹き付け、あるいはプレイヤの状態を確認して安全性の向上を図ることができる。
【0028】
レール25のさらに内側には錘28が配置されている。パネル本体23には連結部材としてのベルト29が取り付けられている。ただし、ベルト29のような帯状の連結部材に代えて、紐状の連結部材が用いられてもよい。ベルト29は、パネル本体23から上方に引き出され、レール25の上端近傍に配置された回転体としてのプーリ30に巻き掛けられ、さらに下向きに折り返されて錘28と連結されている。これにより、扉パネル21に対するカウンタウエイト機構31が構成される。そのカウンタウエイト機構31によれば、扉パネル21の自重と錘28の自重とが相殺され、扉パネル21の開閉に要する力が軽減される。ただし、扉パネル21に下向きの力を作用させて扉パネル21を下端位置に保持するため、錘28の重量は扉パネル21の重量よりも幾らか軽く設定される。さらに、プーリ30の回転軸は、扉パネル21が下降するときのプーリ30の回転を適度に制動し、プーリ30が反対方向に回転するとき(つまり、扉パネル21が上がるとき)のプーリ30の回転は制動しないブレーキ装置32と連結されている。したがって、扉パネル21に下向きの力が作用していても、ブレーキ装置32の制動作用により、扉パネル21がその自重で急激に落下するおそれはない。
【0029】
図20図22はシートユニット3の詳細を示している。シートユニット3は、ステージ40と、ステージ40に支持されたシート部41と、ステージ40の前端部(図21及び図22における左端部)に設けられた操作部42と、管理部43とを備えている。なお、シートユニット3の前後方向に関しては、シート部41に着席したプレイヤを基準としてゲーム機1の背面側を前側、ゲーム機1の正面側を後側と呼ぶことがある。ステージ40は、筐体2の内部にてプレイヤが乗るべき床面40aを提供する底部構造体である。そのステージ40の床面40aにおけるシート部41(あるいはシート50)に着席した位置がゲーム機1におけるプレイヤのプレイ位置である。また、床面40aの上方の領域がゲーム機1におけるプレイヤのプレイ領域である。プレイ領域は、筐体2の内部にてプレイヤが存在する可能性がある領域として捉えることができる。ステージ40は、箱状に形成されたベース本体44と、そのベース本体44を支持する複数のキャスタ45とを備えている。キャスタ45によりシートユニット3の全体を容易に移動させることができる。図9に示すように、ベース本体44は、筐体2のベース4の脚部11間に筐体2の正面側から挿入され、台座部10に固定される。底部構造体としてのシートユニット3を本体5とは別の構造体として構成して本体5に出入口6から装着する構成としたため、中空構造体としての本体5の構成を分割に適するように単純化することができる。シートユニット3を本体5の構成部品とは分けて運べる利点もある。なお、台座部10に固定されたベース本体44の後端には、プレイヤがステージ40の上面に乗り込むための踏み台46が配置される。踏み台46は、ベース本体44に対して分離可能である。
【0030】
シート部41は、シート50と、シート50とベース本体44との間に介在するスライド機構51とを備えている。シート50は、脚部50aと、その脚部50a上に設けられた座部50bと、座部50bの背面側に位置するバック部50cと、バック部50cの上端に位置するヘッドレスト部50dとを有している。図6から明らかなように、上述した扉パネル21を最も降ろしたとき、その扉パネル21の下端はヘッドレスト部50dよりも下方に位置している。これにより、シート50に着席するプレイヤの眼の高さよりも扉パネル21を下まで降ろすことができるので、扉パネル21の下方に残される開口がより一層目立たなくなり、プレイヤの意識をゲームの画像により強く惹き付けることができる。
【0031】
スライド機構51は、シート50を前後方向(図21及び図22の左右方向)にスライド可能な状態でベース本体44と連結する。スライド機構51には、シート50を前後方向の複数の停止位置のいずれかに選択的に拘束するロック機構が内蔵されている。シート50の脚部50aの前面側及び後面側には、シート50のスライド機構51による拘束を解除するためのロック解除レバー52、53が突出する。前側のロック解除レバー52を引き上げ、あるいは後側のロック解除レバー53を踏み込むと、ロック機構による拘束が解除され、シート50を前後方向にスライドさせることができる。なお、スライド機構51は、自動車の座席等に用いられるスライド機構と同様の構成でよい。
【0032】
上記のようにシート50をスライド可能に設けたため、プレイヤが筐体2の内部に入る際には、扉パネル21を上げた状態でロック解除レバー53を踏み込んでシート50の拘束を解除し、シート50を前側(ゲーム機1の背面側)に押し込むことにより、シート50の左側と出入口6の左側の縁との隙間(図3にて想像線Cで示した部分)を拡大することができる。プレイヤが筐体2の内部に容易に入ることができる。筐体2内に入ったプレイヤはシート50に座り、ロック解除レバー52を持ち上げてシート50を前後にスライドさせることにより、操作部42の操作に適した位置にシート50を位置決めすることができる。プレイヤが筐体2から出る際には、上記と逆に前側のロック解除レバー52を持ち上げてシート50を前にスライドさせることにより、シート50の左側と出入口6の左側の縁との隙間を拡大することができる。このように、ゲーム機1では、筐体2の出入口6よりもシート50を奧側(つまり、ゲーム機1の背面側)に移動させることにより、シート50と出入口6の縁との隙間を拡大させることが可能である。そのため、出入口6の幅寸法を比較的小さい値(例えば1m程度)に設定しても、プレイヤが筐体2に対して容易に出入りすることができる。
【0033】
図20に示したように、シートユニット3の操作部42は、シート50の前方でかつ左右に配置される一対のコンソールタワー55、56と、コンソールタワー55、56の間に配置されるモニタ装置57とを備えている。コンソールタワー55、56の上端には、ゲームスティック等の操作部材59、60が設けられている。それらの操作部材59、60の先にはフロントスピーカ61L、61Rが設けられている。シート50のバック部50cの背面には加振器62が、ヘッドレスト部50dの左右にはリアスピーカ63L、63Rが設けられている。コンソールタワー56にはモニタ装置66も設けられている。操作部42の構成、及びシート50の周囲のスピーカ等の配置は、ゲーム機1にて提供されるゲームの内容等に応じて適宜に変更されてよい。
【0034】
管理部43にはキャビネット64が設けられている。キャビネット64はステージ40に固定されている。キャビネット64には、プレイヤからプレイ料金に相当する硬貨、メダル等を徴収するプレイ料金徴収装置、あるいは、カード等の記憶媒体を利用してプレイヤを認証する認証装置といったゲームの管理に必要な各種の装置が内蔵されている。キャビネット64がシート50の右側を塞ぐため、プレイヤが出入りする際の通路は、シート50の左側の範囲に限られる。
【0035】
さらに、図1及び図6から明らかなように、筐体2の背面側には、シート50に着席したプレイヤの動作を検出する動作検出装置65が設けられている。動作検出装置65は、プレイ領域を撮影するカメラ、プレイ領域の対象物までの距離を検出する深度センサ等を組み合わせてプレイ領域のプレイヤを識別し、プレイヤの位置、向いている方向等を検出する検出装置である。動作検出装置65は、筐体2の背面側において、アウタパネル15に埋め込むように取り付けられている。その取り付け位置は、スクリーン7の中央部と略一致する。筐体2のインナパネル14には、その動作検出装置65の各種の検出部を本体5の内部に露出させるための開口部14c(図7参照)が適宜に設けられている。
【0036】
ステージ40上に設けられるべき各種の電装部品、例えば、操作部42の操作部材59、60、スピーカ61L、61R、63L、63R、加振器62、モニタ66、及びキャビネット64内の各種の装置と、ベース4の拡張部10aに搭載される電装部品とを結ぶ配線類は、プレイ位置のプレイヤから極力見えないように、ステージ40及び台座部10の内部を経由するように引き回される。また、動作検出装置65に対する配線は、アウタパネル15の外側に沿って引き回される。換気ユニット74に対する配線も同様である。したがって、スクリーン7に映し出されるゲームの世界がそれらの内装部品に対する配線類の露出により毀損されるおそれを排除し、あるいはそのおそれを大きく低減することができる。よって、プレイヤの意識をゲームの画像により強く惹き付けてプレイヤをゲームの世界により深く没入させることができる。
【0037】
次に、スクリーン7にゲームの画像を表示させるための投影システムの構成を説明する。上記で説明したように、ゲーム機1は概略球面形状に湾曲したスクリーン7を有している。図6から明らかなように、スクリーン7は、その周方向の端部が、ゲーム機1の左右方向から見て、シート50を最も出入口6側に近付けたときにそのシート50のバック部50cよりも幾らか背面側(つまり、ゲーム機1の正面側)まで回り込むように設けられている。つまり、シート50に着席するプレイヤがスクリーン7の中央部と向かい合ったとき、スクリーン7の周方向の端部はプレイヤの真横よりも背面側まで回り込むようにスクリーン7が設けられている。したがって、プレイヤがシート50に着席してスクリーン7の中央部を見た場合、そのプレイヤに対して周囲がゲームの画像で囲まれているような感覚を与えることができる。
【0038】
図6及び図7に示したように、スクリーン7は、筐体2の上下方向をスクリーン7の一軸方向としたときに、スクリーン7をその一軸方向に二分割し、かつ、一軸方向に対する周方向に三分割して得られる第1〜第6の領域Sa〜Sf(参照符号Sで代表することがある。)に仮想的に区分される。ここでは、シート50に着席するプレイヤから見て前方上側を第1の領域Sa、その左側を第2の領域Sb、右側を第3の領域Scと呼び、同プレイヤから見て前方下側を第4の領域Sd、その左側を第5の領域Se、右側を第6の領域Sfと呼ぶ。一つの領域Sは、周方向に隣接する二枚のインナパネル14の内面によって形成される。
【0039】
以上の各領域Sに画像を投影するため、ゲーム機1の投影システム70は、領域Sに1対1で対応付けられた6台のプロジェクタ71A〜71F(参照符号71で代表することがある。)を投影装置として備えている。各プロジェクタ71は、対応する一つの領域Sに画像を投影する。6台のプロジェクタ71にて投影される画像が繋ぎ合わされることにより、スクリーン7の全体に一つのゲーム画面が表示される。ただし、各プロジェクタ71から投影される画像の周縁が部分的に重ね合わされてもよい。図11及び図12に示すように、筐体2の下部(底部)、つまりベース4の台座部10には、筐体2の中心部を挟んでゲーム機1の左側、右側及び背面側にプロジェクタ収容部72A〜72Cが設けられている。また、図1及び図2に示すように、筐体2の上面側にも、筐体2の中心部を挟んでゲーム機1の左側、右側及び背面側にプロジェクタ収容部72D〜72Fが設けられている。下部のプロジェクタ収容部72A〜72Cには第1〜第3のプロジェクタ71A〜71Cが収容され、上部のプロジェクタ収容部72D〜72Fには第4〜第6のプロジェクタ71D〜71Fが収容されている。なお、プロジェクタ収容部72A〜72Fも参照符号72で代表することがある。
【0040】
図6図8に示すように、各プロジェクタ収容部72は、筐体2の本体5における隔壁5aよりも外側に位置している。それにより、筐体2の内部からみて、プロジェクタ71は隔壁5aの外側に隠されている。したがって。プレイヤがシート50に着席してスクリーン7の中央を見た場合、そのプレイヤからプロジェクタ71A〜71Fは見えない。また、各プロジェクタ71は、その正面側の投影部(レンズ部)71aを筐体2の中心部に向けるようにしてプロジェクタ収容部72に取り付けられている。すなわち、筐体2の下部の背面側に位置する第1のプロジェクタ71A、及び筐体2の上部(頂部)の背面側に位置する第4のプロジェクタ71Dは、それらの投影部71aをゲーム機1の正面側に向けて配置され、左側の第2のプロジェクタ71B及び第5のプロジェクタ71Eは投影部71aをゲーム機1の右側に向けて配置され、右側の第3のプロジェクタ71C及び第6のプロジェクタ71Fは投影部71aをゲーム機1の左側に向けて配置されている。プロジェクタ71から射出された光は、筐体2における本体5の隔壁5aに設けられた開口部5bから本体5の内部に導入される。
【0041】
各プロジェクタ71の背面側(投影部71aの反対側)には排気口が設けられている。したがって、各プロジェクタ71の排気方向は、本体5の開口部5bから遠ざかる方向に向けられている。プロジェクタ収容部72の外側の端部には、プロジェクタ収容部72の内部と筐体2の外部とを換気するための換気口72vが設けられている。したがって、プロジェクタ71の排気口から排出される熱は、筐体2の内部にこもることなく、換気口72vから筐体2の外部へと逐次排出される。
【0042】
さらに、筐体2の上部中央には換気ユニット74が設けられている。換気ユニット74は、筐体2の本体5内に通じる吸気口から本体5の内部の空気を吸い込んで筐体2の上方へ排気する。それにより、筐体2の内部の換気が促進され、筐体2内の上部空間における熱のこもりが確実に防がれる。換気ユニット74は、筐体2の本体5における上部中央に配置されているため、その吸気口が本体5内に露出していても、シート50に着席するプレイヤからは換気ユニット74が死角に入って見えない。また、換気ユニット74に対する配線類は隔壁5aの外面側に取り回されて台座部10の電装部品と接続される。したがって、換気ユニット74の存在により、スクリーン7に映し出されるゲームの世界が毀損されるおそれはない。
【0043】
プロジェクタ71が投影する画像を隔壁5aに沿ってスクリーン7に導くため、筐体2の本体5の内部には、プロジェクタ71の投影部71aと向い合うようにしてミラー75A〜75F(参照符号75で代表することがある。)が設けられている。ミラー75の反射面は平面状である。ミラー75は、各プロジェクタ71から射出される光が、対応するスクリーン7の領域Sに入射するように位置決めされている。下部のミラー75A〜75Cは、シートユニット3のステージ40の前端部、つまり操作部42のコンソールタワー55、56が取り付けられた部分の左右及び前方の端面に沿って斜めに傾けて配置され、ステージ40の床面40aよりは低い位置にある。したがって、シート50に着席したプレイヤから、ミラー75A〜75Cは死角に入って見えない。また、プレイヤはステージ40の床面40aに乗っているので、ミラー75A〜75Cをプレイヤが踏み付けるおれもない。また、筐体2の上部のミラー75D〜75Fは、換気ユニット74の左右及び背面側に沿って斜めに傾けて配置されている。したがって、これらのミラー75D〜75Fもまたプレイヤの死角に入り、プレイヤからは見えない。なお、上側のミラー75D〜75Fの配置は、下部のミラー75A〜75Cと上下方向に関して対称的である。投影部71aをミラー75A〜75Fから適度に離して設けることができるので、プロジェクタ71A〜71Fの排熱が開口部5bから本体5の内部へと回り込むおそれを排除し、又はそのおそれを低減することができる。
【0044】
各プロジェクタ71から射出される光はミラー75により以下の通り導かれる。筐体2の下部に配置された第1のプロジェクタ71Aの光は第1の領域Saに、第2のプロジェクタ71Bの光は第2の領域Sbに、第3のプロジェクタ71Cの光は第3の領域Scにそれぞれ導かれ、筐体2の上部に配置された第4のプロジェクタ71Dの光は第4の領域Sdに、第5のプロジェクタ71Eの光は第5の領域Seに、第6のプロジェクタ71Fの光は第6の領域Sfにそれぞれ導かれる。つまり、プロジェクタ71とスクリーン7の領域Sとは、筐体2の周方向に関しては同一位置に対応付けられる一方で、上下方向に関しては下部のプロジェクタ71A〜71Cが下部の領域Sa〜Scに対応付けられ、かつ上部のプロジェクタ71D〜71Fが下部の領域Sd〜Sfに対応付けられている。
【0045】
図23は、第4のプロジェクタ71Dからの画像をミラー75で斜め下方に折り返して領域Sdに投影させたときの光LFをハッチングにて示し、図24は第5のプロジェクタ71Eからの画像をミラー75で斜め下方に折り返して領域Seに投影させたときの光LFをハッチングにて示している。図23から明らかなように、第4のプロジェクタ71Dから射出されてミラー75Dの上端に入射した光は、ミラー75Dの上端とスクリーン7の上下方向の継ぎ目(つまり、スクリーン7の上下の領域Sa、Sd間の境界)とを結ぶ外側光路Loutに沿って進み、ミラー75Dの下端に入射した光は、ミラー75Dの下端から鉛直方向に降ろした内側光路Linに沿って進む。内側光路Linは、ステージ40の前端(図23において右端)と概略一致し、かつステージ40上に設けられた操作部42のコンソールタワー55、56と重ならないように設定されている。また、図24から明らかなように、第5のプロジェクタ71Eから射出されてミラー75Eの上端に入射した光は、ミラー75Eの上端とスクリーン7の上下方向の継ぎ目(つまり、スクリーン7の上下の領域Sa、Sd間の境界)とを結ぶ外側光路Loutに沿って進み、ミラー75Eの下端に入射した光は、ミラー75Eの下端から鉛直方向に降ろした内側光路Linに沿って進む。この場合の内側光路Linは、ステージ40の左端面(図24において左端面)よりも幾らか外側に位置し、ステージ40とは重ならない。第6のプロジェクタ71Fからの光の光路は図24と左右方向に関して対称的に設定されている。また、筐体2の下部のプロジェクタ71A〜71Cからの光の光路は、上部のプロジェクタ71D〜71Fの光の光路と上下方向に関して対称的である。したがって、ステージ40の床面40aより上方のプレイ領域からプレイヤが身を乗り出したりしない限り、各プロジェクタ71からスクリーン7に向かう光LFがプレイヤにより遮られるおそれはない。
【0046】
ゲーム機1の投影システム70において、プロジェクタ71とスクリーン7の領域Sとの対応関係を上記の通りに設定した理由は、筐体2の本体5内における限られたスペースで各プロジェクタ71と領域Sとの間の光路長を可能な限り増加させることにある。例えば、下部のプロジェクタ71A〜71Cの画像をミラー75D〜75Fにより領域Sd〜Sfに向けて反射させた場合には、光路長が短くて画像の投影範囲が小さく制限され、プレイヤを取り囲むような比較的大きなスクリーン7の全体に画像を投影することは困難である。これに対して、プロジェクタ71と領域Sとの対応関係を上記のように設定すれば、光路長を増加させて画像の投影範囲を拡大することが可能である。しかも、ミラー75を利用して光LFを隔壁5aの内面に沿うように反射させているので、ステージ40の床面40a上におけるプレイ領域を光LFが横切り、プレイヤの影等がゲームの画像に生じるおそれもない。
【0047】
また、上記の構成によれば、一台のプロジェクタ71と対応する領域S内の各部(中央部や周辺部等)との間の光路長の変化を抑え、それにより、プロジェクタ71から投影されるべき画像におけるジオメトリ補正をより容易に行えるようになる利点もある。すなわち、プロジェクタ71は平面スクリーンに対して矩形状の二次元画像を投影するように構成されている。そのような画像を球面形状のスクリーン7にそのまま投影すれば、画像には幾何学的な歪みが生じる。そのため、球面状のスクリーン7を利用する場合には、本来的な投影面である平面と、実際の投影面である球面との間の光路長の変化に応じて、ジオメトリ補正と呼ばれる歪み等の補正処理を原画像に対して施す必要がある。仮に、下部のプロジェクタ71A〜71Cの画像を下部のスクリーン領域Sd〜Sfにそれぞれ投影し、上部のプロジェクタ71D〜71Fの画像を上部のスクリーン領域Sa〜Scにそれぞれ投影した場合には、上述した外側光路Loutと内側光路Linとの比率が拡大し、画像に生じる歪みが増大してジオメトリ補正の困難性が高まる。これに対して、上記のように、下部のプロジェクタ71A〜71Cの画像を上部のスクリーン領域Sa〜Scにそれぞれ投影し、上部のプロジェクタ71D〜71Fの画像を下部のスクリーン領域Sd〜Sfにそれぞれ投影した場合には、外側光路Loutと内側光路Linとの比率が減少し、画像に生じる歪みも相対的に小さくなる。これにより、ジオメトリ補正が容易に行える。
【0048】
次に、図25を参照して、投影システム70のプロジェクタ71の画像を繋ぎ合わせてゲーム画面を表示させるための制御系の構成を説明する。図25に示すように、ゲーム機1には制御ユニット100が設けられている。制御ユニット100は、CPU及びその動作に必要な主記憶装置等を含んだコンピュータユニットである。制御ユニット100には、ゲーム画面の表示に関連した論理的装置として、ゲーム演算部101、画像生成部102、画像分割部103及び画像補正部104が設けられている。これらの論理的装置は、制御ユニット100のハードウエア資源と、制御ユニット100に対する外部記憶装置(例えばハードディスク記憶装置)に記録されたコンピュータソフトウエア(コンピュータプログラム)との組み合わせによって実現される装置である。
【0049】
ゲーム演算部101は、操作部42から入力されるユーザの操作情報と、動作検出装置65から入力されるユーザの動作情報とを参照しつつゲームの進行制御に必要な各種の演算処理を実行する。画像生成部102はゲーム演算部101の演算結果に従って仮想的な3次元空間にゲームのオブジェクト等を配置し、その仮想3次元空間を所定の視点から所定の視野角で撮影したゲーム画面の画像データを生成する。ここで生成される画像データは、スクリーン7の全体に表示されるべき原画像のデータである。画像分割部103は、画像生成部102が生成した原画像のデータをスクリーン7の6つの領域Sa〜Sfに対応した6つの画像データに分割する。画像補正部104は、画像分割部103が分割した各画像データにジオメトリ補正等を施して各プロジェクタ71が投影すべき分割後の画像データを生成する。
【0050】
制御ユニット100には、さらに映像信号生成部105A〜105F(参照符号105で代表することがある。)が設けられている。映像信号生成部105は、6台のプロジェクタ71A〜71Fのそれぞれと1対1に対応付けて設けられている。画像補正部104が補正した画像データは、対応する映像信号生成部105に出力される。映像信号生成部105は、画像補正部104から入力される画像データに従ってプロジェクタ71に出力すべき映像信号を生成し、その映像信号を所定のタイミングでプロジェクタ71に出力する。映像信号生成部105A〜105Fからの映像信号の出力は相互に同期され、それらの信号に従ってプロジェクタ71A〜71Fが画像を投影することにより、スクリーン7に一つのゲーム画面が表示される。なお、映像信号生成部105は論理的装置であってもよいし、ハードウエア制御回路によって構成された物理的装置であってもよい。
【0051】
本発明は、上述した形態に限らず、適宜の変更や変形が可能である。例えば、筐体の中空構造体は球体状の隔壁を有する構成に限定されない。プレイヤを取り囲むようにスクリーンを設けることができる限り、中空構造体の形状は円筒形状、多面体形状、卵形形状といった各種の形状に形成されてよい。したがって、スクリーンも球面状に湾曲した例に限らず、円筒面状に湾曲したスクリーン、多角形状のスクリーン等が設けられてもよい。ゲーム機は、筐体内のシートにプレイヤが着席してプレイする構成に限らず、プレイヤが立ってプレイするように構成されてもよい。複数のプレイヤが同時に中空構造体の内部に入ってゲームをプレイするようにゲーム機が構成されてもよい。フレーム構造体のフレーム部品の個数及び形状も上記の例に限らず適宜に変更されてよい。ベースの形状も上記の例に限らない。また、底部構造体は必要に応じて設ければ足り、ベースの一部にプレイヤが乗るようにしてもよい。
【0052】
本発明において、筐体の頂部及び底部のそれぞれに複数の投影装置を設ける構成は必ずしも必須としない。スクリーンの大きさ及び形状によっては、中空構造体の隔壁外部に一台又は複数台の投影装置が設けられてもよいし、中空構造体の内部に投影装置が配置されてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 ゲーム機
2 筐体
3 シートユニット
4 筐体のベース
5 筐体の本体(中空構造体)
5a 隔壁
5b 開口部
6 出入口
7 スクリーン
8 扉装置
10 台座部
10a 拡張部
11 脚部
12 フレーム構造体
14 インナパネル
14b リブ
15 アウタパネル
16 フレーム部品
21 扉パネル(扉部材)
22 案内機構
26 ローラ
28 錘
29 ベルト
30 プーリ(回転体)
31 カウンタウエイト機構
32 ブレーキ装置
40 ステージ(底部構造体)
40a 床面
41 シート部
42 操作部
43 管理部
44 ベース本体
45 キャスタ
46 踏み台
50 シート
50c シートのバック部
50d ヘッドレスト部
51 スライド機構
52、53 ロック解除レバー
55、56 コンソールタワー
57 モニタ装置
59、60 操作部材
61L、61R フロントスピーカ
62 加振器
63L、63R リアスピーカ
65 動作検出装置
70 投影システム
71A〜71F プロジェクタ(投影装置)
71a 投影部
72A〜72F プロジェクタ収容部
72v 換気口
74 換気ユニット
75A〜75F ミラー
100 制御ユニット
Sa〜Sf スクリーンの領域
図1
図2
図3
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図6
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