【文献】
「CR交響詩篇エウレカセブン〜真の約束の地〜」,パチンコ必勝本CLIMAX4月号,株式会社綜合図書,2014年 4月 1日,P.51−54
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明にかかる遊技機1の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、
図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
【0018】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0019】
遊技領域902には、表示装置91、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口などが設けられている。かかる表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、
図2、3、7、8は、表示領域911を大まかに記載するが、その形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
【0020】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0021】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0022】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0023】
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口は複数設けられていてもよい)。具体的には、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。公知の遊技機と同様に、大当たりとなる場合には、識別図柄80が所定の組み合わせ(例えば同じ図柄の三つ揃い)となることによって報知され、それ以外の組み合わせが表示された場合には外れとなる。
【0024】
本実施形態にかかる遊技機1は、当否判定結果を報知する演出の一部である先読み予告が実行可能である。先読み予告それ自体は公知であるため詳細な説明を省略するが、先読み予告は、ある当否判定結果を報知するための演出を、それより前に実行される当否判定結果を報知するための演出を利用したものとする演出である。つまり、先読み予告は、複数の当否判定結果を報知する演出(保留)に跨って、所定の継続性を担保(ある特定の要素により、予告(演出)が継続していることを遊技者が認識可能な態様に)しつつ継続する予告である。
【0025】
本実施形態にかかる遊技機1は、当該先読み予告として、少なくとも第一先読み予告および第二先読み予告の二種類が実行可能である。本実施形態における第一先読み予告は、「保留」を用いた先読み予告である。本実施形態では、上記当否判定のための数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(いわゆる変動が開始される)こととなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否判定結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否判定結果の報知が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否判定結果の報知が開始されていない数値(当該数値のそれぞれに対応するものが「保留」である)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大保留数は、一種の始動入賞口につき四つである。なお、本実施形態では、当否判定結果の報知が開始される時点で、取得された数値が大当たりとなる数値か否かが判断されることとなるが、数値が取得されたときに当否判定を行い、当否判定結果自体を記憶させておく構成としてもよい。また、取得された数値は、当否判定結果を報知する演出の具体的な内容を決定するための数値としても利用される。
【0026】
本実施形態にかかる遊技機1では、記憶手段に記憶されている当否判定結果の報知が開始されていない取得された数値(当否判定情報)のそれぞれに対応するマークである保留図柄10が、表示装置の表示領域に表示される。具体的には、当否判定を実行するための数値が取得された順に並ぶよう、保留図柄10が表示装置91に表示される。本実施形態では、当該保留図柄10として、通常図柄11と特殊図柄12が設定されている(
図2(a)(b)参照)。第一先読み予告は、保留図柄10として特殊図柄12を表示することで、当該特殊図柄12に対応する当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(信頼度)が、一定程度(通常図柄11に対応する当否判定結果が大当たりとなる蓋然性よりも)高まったことを示唆するものである。
【0027】
一方、第二先読み予告は、当否判定結果が報知されている識別図柄80の変動中の背景を特殊背景21に設定するものである。かかる特殊背景21の態様は、通常背景20(
図2参照)と異なる態様であるということが遊技者に認識可能であればあればどのようなものであってもよい。本実施形態では、識別図柄80の変動中に稲妻が発生しているかのような背景画像を特殊背景21とし、当該特殊背景21を複数の当否判定を報知する演出に跨って表示し続けることで、第二先読み予告を実行する(
図3(a)(b)参照)。本実施形態では、第二先読み予告が発生していることを分かりやすくするため、「・・・ゾーン」といった文字を併せて表示する。
【0028】
このような第一先読み予告と第二先読み予告には次のような違いがある。第一先読み予告は、当該先読み予告を経て報知されるある当否判定結果が当たりとなる蓋然性が、第一水準以上となる演出の発生が確定するものであり(
図2(c)(d)(e)参照)、第二先読み予告は、当該先読み予告を経て報知されるある当否判定結果が当たりとなる蓋然性が、第一水準より高い第二水準以上となる演出、または第一水準より低い演出の発生が確定するものである(
図3(c)(d)(e)参照)。なお、第一先読み予告や第二先読み予告は、発生したにも拘わらず、途中で終了してしまうものが含まれていてもよい。この場合には、対象となる当否判定結果の報知が開始されるまで先読み予告が続いた場合に、上記のような演出の発生が確定することとなる。第一先読み予告や第二先読み予告が、一旦発生すると最後まで継続するものである場合には、第一先読み予告や第二先読み予告が発生した瞬間、上記のような演出の発生が確定することとなる。
【0029】
上記演出の「水準」は、次のように設定されている。
図4に示すように、本実施形態における当否判定結果を報知する際の演出は、大まかに、どはずれ演出、ノーマルリーチ演出、第一スーパーリーチ演出、第二スーパーリーチ演出、確定演出の5段階に分類される。どはずれ演出は、リーチ状態(一部の識別図柄80が停止した状態において、大当たりとなる可能性が残っている状態(変動中の識別図柄80がある特定の識別図柄80で停止すれば大当たりとなる状態)のことをいう)とならずにはずれであることが確定するものである。ノーマルリーチ演出は、スーパーリーチ演出(リーチ状態となってから所定時間以上演出が継続するものをいう。当該所定時間以下の場合がノーマルリーチ演出ということになる)に移行せずに、はずれまたは大当たりであることが報知されるものである。第一スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出より大当たり信頼度が高く、第二スーパーリーチ演出より大当たり信頼度が低いものである。確定演出は、発生した瞬間大当たりとなることが確定するものである。したがって、各演出の大当たり信頼度を低いものから順に並べると、どはずれ演出、ノーマルリーチ演出、第一スーパーリーチ演出、第二スーパーリーチ演出、確定演出の順になる。
【0030】
そして、本実施形態では、第一水準はノーマルリーチ演出に設定され、第二水準は第一スーパーリーチ演出に設定されている。つまり、上述した「第一水準以上となる演出」とは、ノーマルリーチ演出、第一スーパーリーチ演出、第二スーパーリーチ演出、確定演出のいずれかということとなる(「以上」という表現であるため、ノーマルリーチ演出自体を含む)。「第二水準以上となる演出」とは、「第一スーパーリーチ演出、第二スーパーリーチ演出、確定演出」のいずれかということとなる。「第一水準より低い演出」とは、どはずれ演出ということとなる(「以下」ではないため、ノーマルリーチ演出は含まない)。
【0031】
なお、どはずれ演出、ノーマルリーチ演出、第一スーパーリーチ演出、第二スーパーリーチ演出、確定演出の各演出は、複数種の演出態様を含んでいてもよい。どはずれ演出、ノーマルリーチ演出、第一スーパーリーチ演出、第二スーパーリーチ演出、確定演出の各演出は、大当たり信頼度を基準として分類された、一または複数種の演出態様を含む演出群(グループ)とみることもできる。複数種の演出態様を含む場合には、そのうち最も大当たり信頼度が低いものを基準として、当該各演出の水準が設定されることとなる。例えば、第一スーパーリーチ演出が、第一演出態様〜第三演出態様という三つの演出態様を含むものであり、そのうち第一演出態様が実行されたときの大当たり信頼度が最も低い場合、当該第一演出態様の大当たり信頼度が上記「第二水準」の基準値となる。すなわち、どはずれ演出、ノーマルリーチ演出、第一スーパーリーチ演出、第二スーパーリーチ演出、確定演出のそれぞれに含まれる複数の演出態様のうち、最も信頼度の低い演出態様の信頼度は、それより一段階低い水準の演出に含まれる複数の演出態様のうちの最も信頼度が高いものよりも高い。
【0032】
先読み予告(第一先読み予告と第二先読み予告)を制御する処理(先読み予告制御処理)の一例を
図5、
図6に示す。まず、先読み予告を実行してもよい条件が整っているか否かを判断する(S1)。当該条件としては適宜設定することができる。例えば、先読み予告を経て報知する対象の当否判定結果が、三つ目または四つ目の保留図柄10として表示されるもの(対象の当否判定を含めて保留が三つ以上)である場合、対象の当否判定より先に、先読み予告を実行できないような演出を実行する予定が存在しない場合、既に設定された別の先読み予告が存在しない場合、といった条件を設定することができる。
【0033】
先読み予告を実行可能であると判断された場合(S1「Yes」)、対象となる当否判定を、先読み予告を経て報知するか否かを判断する(S2)。つまり、先読み予告を行うか否かの抽選を行う。当該抽選の当選確率は適宜設定すればよい。先読み予告を実行することが決定された場合(S2「Yes」)には、先読み予告対象となる当否判定結果が大当たりとなるものかどうかを判断する(S3)。大当たりとなるものであると判断された(S3「Yes」)後、本制御処理を行う手段(演出制御手段)が、他の手段(図示しない主制御基板等)から所定のコマンドを受信しているかどうか判断する(S4)。当該所定のコマンドは、第一先読み予告を実行するか第二先読み予告を実行するかを決定するためのコマンドである。そのコマンドが生成される条件はどのようなものであってもよい。以下で説明するように、所定のコマンドを受信しているとき(本発明における「所定の条件が成立したとき」に相当する)には第一先読み予告が実行され、受信していないときには第二先読み予告が実行されることとなる。つまり、第一先読み予告が実行される条件と、第二先読み予告が実行される条件は相反するものである(両方とも実行される条件は存在しない)ため、第一先読み予告と第二先読み予告が同時に発生することはない。なお、第一先読み予告が実行される条件(コマンド受信や抽選等)と、第二先読み予告が実行される条件(コマンド受信や抽選等)を全く別のものとし、両先読み予告が同時に実行されることを排除しない構成としてもよい。
【0034】
所定のコマンドを受信しているとき(S4「Yes」)には、第二先読み予告の設定を禁止した(S5)上で、第一先読み予告を設定する(S6)。すなわち、対象となる当否判定に対応する保留図柄10を特殊図柄12とする。その特殊図柄12とするタイミング(第一先読み予告が発生するタイミング)等は適宜設定することができる。そして、対象となる当否判定結果を報知する演出を第一水準以上の演出から抽選によって決定する(S7)。当該決定された第一水準以上の演出を経て、大当たりとなることが報知されることとなる(
図2(c)(d)に示す流れで大当たりであることが報知される)。
【0035】
一方、S4において所定のコマンドを受信していないと判断されたとき(S4「No」)には、第一先読み予告の設定を禁止した(S8)上で、第二先読み予告を設定する(S9)。すなわち、背景画像を特殊背景21とする。その特殊背景21とするタイミング(第二先読み予告が発生するタイミング)等は適宜設定することができる。そして、対象となる当否判定結果を報知する演出を第二水準以上の演出から抽選によって決定する(S10)。当該決定された第二水準以上の演出を経て、大当たりとなることが報知されることとなる。上述したように、第二先読み予告は、第二水準以上となる演出、または第一水準より低い演出の発生が確定するものであるが、本実施形態では、「第一水準より低い演出」はどはずれ演出しか存在しないため、当否判定が大当たりである場合(S3「Yes」の場合)には、第二水準以上となる演出から実行する演出が選択されることとなる(
図3(c)(d)に示す流れで大当たりであることが報知される)。
【0036】
S3において先読み予告対象となる当否判定結果が大当たりとなるものでない、すなわちはずれとなるものとであると判断されたとき(S3「No」)には、S4と同様に、所定のコマンドを受信しているか否かによって、第一先読み予告を実行するか、第二先読み予告を実行するかを判断する(S11)。
【0037】
所定のコマンドを受信しているとき(S11「Yes」)には、第二先読み予告の設定を禁止した(S12)上で、第一先読み予告を設定する(S13)。すなわち、対象となる当否判定に対応する保留図柄10を特殊図柄12とする。そして、対象となる当否判定結果を報知する演出を第一水準以上の演出から抽選によって決定する(S14)。当該決定された第一水準以上の演出を経て、はずれであることが報知されることとなる(
図2(c)(e)に示す流れではずれであることが報知される)。
【0038】
一方、S11において所定のコマンドを受信していないと判断されたとき(S11「No」)には、第一先読み予告の設定を禁止した(S15)上で、第二先読み予告を設定する(S16)。すなわち、背景画像を特殊背景21とする。そして、スーパーリーチ演出を実行するか否かの抽選を行い(S17)、それに当選した場合(S17「Yes」)には、対象となる当否判定結果を報知する演出を第二水準以上の演出から抽選によって決定する(S18)。当該決定された第二水準以上の演出を経て、はずれとなることが報知されることとなる。一方、S17における抽選にはずれた場合(S17「No」)には、どはずれ演出が実行されることとなる(どはずれ演出によってはずれであることが報知される)(S19)(
図3(c)(e)に示す流れではずれであることが報知される)。
【0039】
このように、第二先読み予告は、対象となる当否判定結果が大当たりである場合には必ず第二水準以上となる演出が実行され、対象となる当否判定結果がはずれである場合には第二水準以上となる演出、または第一水準より低い演出が実行される。当否判定結果が最後までわからない遊技者にとってみれば、第二先読み予告は、第二水準以上となる演出、または第一水準より低い演出のいずれかが実行される予告ということになる。
【0040】
以上説明したように、本実施形態にかかる遊技機1は、先読み予告として、当たりとなる蓋然性が第一水準以上となる演出の発生が確定する第一先読み予告と、当たりとなる蓋然性が第一水準より高い第二水準以上となる演出、または第一水準より低い演出の発生が確定する第二先読み予告とを実行可能である。つまり、第一先読み予告が発生した場合には当たりとなる期待が一定程度もてる一方、第二先読み予告が発生した場合には第一先読み予告が発生したとき以上の期待またはそれより低い期待しかもてないという、趣向性の高い先読み予告とすることが可能である。
【0041】
また、本実施形態では、S4やS11の処理(所定の条件が成立したか否か)によって、第一先読み予告と前記第二先読み予告が同時に発生することがないように設定されている。したがって、第一先読み予告と第二先読み予告が同時に発生することによって、予告が分かりにくくなる(予告が判別しにくくなる)のを抑制することが可能である。
【0042】
上記先読み予告は、例えば次のように変形(改良)してもよい。第一先読み予告が実行されていることを示す保留図柄10は、通常図柄11とは異なる特殊図柄12として、いわゆる大当たり信頼度が異なる複数種の特殊図柄12を含むものとしてもよい。例えば、第一特殊図柄121〜第三特殊図柄123という三種の特殊図柄12を含むものとし、対応する当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(信頼度)は、第一特殊図柄121が最も低く、第三特殊図柄123が最も高くなるように設定する。つまり、第一先読み予告が、第一特殊図柄121が表示される第一弱予告(
図7(a)参照)、第二特殊図柄122が表示される第一中予告(
図7(b)参照)、第三特殊図柄123が表示される第一強予告(
図7(c)参照)という、大当たりとなる信頼度が異なる複数種の予告を含むものとする。
【0043】
そして、本例では、複数種の第一先読み予告のうちから選択されたある第一先読み予告が、当該予告よりもいわゆる大当たり信頼度の高い別の第一先読み予告に変化する場合がある。つまり、いわゆる格上げ演出が発生する場合がある。第一弱予告が第一中予告や第一強予告に変化する場合もあれば、第一中予告が第一強予告に変化する場合がある。その変化するタイミングは適宜設定可能である。変化するタイミングを抽選等によって決定してもよい。
【0044】
また、第一先読み予告の種類によって、当否判定結果を報知する際の演出が所定の水準以上となることが確定する構成としてもよい。上述したように、本実施形態における第一先読み予告は、第一水準以上となる演出の発生を確定させるものであるから、第一弱予告が、第一水準以上となる演出の発生を確定させるものとなる。したがって、例えば、第一中予告や第一強予告を、第二水準以上となる演出の発生を確定させるものとして設定すれば、遊技の趣向性をさらに向上させることが可能である。
【0045】
また、第二先読み予告であることを示す特殊背景21として、いわゆる大当たり信頼度が異なる複数種の特殊背景21を含むものであってもよい。例えば、第二先読み予告であることを示す特殊背景21として、第一特殊背景211および第二特殊背景212の二種類が設定されているものとし、先読み予告を経て最終的に報知される当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(信頼度)は、第一特殊背景211が表示される場合よりも第二特殊背景212が表示される場合の方が高くなるように設定する。つまり、第二先読み予告が、第一特殊背景211が表示される第二弱予告(
図8(a)参照)、第二特殊背景212が表示される第二強予告(
図8(b)参照)という、大当たりとなる信頼度が異なる複数種の予告を含むものとする。
【0046】
そして、本例では、複数種の第二先読み予告のうちから選択されたある第二先読み予告が、当該予告よりもいわゆる大当たり信頼度の高い別の第二先読み予告に変化する場合がある。つまり、いわゆる格上げ演出が発生する場合がある。すなわち、第二弱予告が第二強予告に変化する場合がある。その変化するタイミングは適宜設定可能である。変化するタイミングを抽選等によって決定してもよい。
【0047】
また、第二先読み予告の種類によって、当否判定結果を報知する際の演出が所定の水準以上となることが確定する構成としてもよい。上述したように、本実施形態における第二先読み予告は、第二水準以上、または第一水準より低い演出の発生を確定させるものであるから、第二弱予告は、第一水準より低い演出を除けば、第二水準以上となる演出の発生を確定させるものとなる。したがって、例えば、第二強予告を、第二水準より高い水準以上の演出(本実施形態でいえば第二スーパーリーチ以上の演出)の発生を確定させるものとして設定すれば、遊技の趣向性をさらに向上させることが可能である。
【0048】
さらに、別の変形(改良)例として、開始されたある先読み予告が別の先読み予告に変化する構成とすることが考えられる。具体的には、第一先読み予告が第二先読み予告に変化すること、および第二先読み予告が第一先読み予告に変化することの少なくともいずれか一方が発生しうる構成とすることが考えられる。この場合、先読み予告の対象となる保留の当否判定結果が報知される演出が開始される(対象の保留が当該変動となる)ときに、いずれの先読み予告が設定されているかによって、当該当否判定結果を報知する演出がどのようなものとなるか(第一水準以上か、第二水準以上または第一水準より低いか)が確定することとなる。
【0049】
このような構成とすれば、ある先読み予告が開始された場合であっても、途中でその先読み予告の種類が変化することとなるから、先読み予告の対象となった当否判定結果を報知する演出が開始されるまで目が離せなくなり、遊技の趣向性を向上させることが可能となる。
【0050】
また、本実施形態では、第一先読み予告は保留図柄10を用いた予告であり、第二先読み予告は背景画像を用いた予告であるため、一方の先読み予告が他方の先読み予告に変化したとき、当該変化が分かりやすい。これに対し、第一先読み予告と第二先読み予告の両方が、同じ図柄や画像を用いた予告とすれば(例えば、第一先読み予告と第二先読み予告の両方が保留図柄10を用いた予告である場合には)、当該変化が分かりにくくなり、場合によっては遊技の趣向性を高めることが可能である。
【0051】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0052】
上記実施形態では、第一先読み予告が保留図柄10(特殊図柄12)を用いた予告であり、第二先読み予告が背景画像(特殊背景21)を用いた予告であることを説明したが、先読み予告の態様は適宜変更可能である。複数の当否判定結果の報知(複数の変動)に跨って、継続性を保ちつつ、ある当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まったことを示唆するものであれば先読み予告の態様はどのようなものであってもよい。つまり、「継続性を保つ」ための要素は、保留図柄10や背景画像に限られず、遊技者に認識可能な要素であればどのようなものであってもよい。
【0053】
上記実施形態では、第一先読み予告時に発生する演出や第二先読み予告時に発生する演出を、いわゆる大当たり信頼度で各演出を分類し、その分類によって決められる「水準」に基づき制御することを説明したが、演出の分類の仕方(段階の数)や、第一水準や第二水準の設定の仕方は適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、各演出を大当たり信頼度によって五段階に分類したことを説明したが、その数はそれ未満であってもよいし、それを超えるものであってもよい。また、上記実施形態では、第一水準をノーマルリーチ演出のレベルに設定し、第二水準を第一スーパーリーチ演出のレベルに設定したが、第一水準に設定される演出(演出群)より第二水準に設定される演出(演出群)の方が大当たりに期待がもてるものであればよい。例えば、第一水準を第一スーパーリーチ演出のレベルに設定し、第二水準を第二スーパーリーチ演出や確定演出の水準に設定してもよい。より具体的には、上記実施形態において、第二水準を確定演出(大当たりが確定する演出)のレベルに設定し、第二先読み予告が発生した場合であって、どはずれ演出が発生しなかった場合には、確定演出を経て大当たりとなることが確定するように構成してもよい。
【0054】
上記実施形態にかかる遊技機1は、先読み予告として第一先読み予告および第二先読み予告が実行可能であることを説明したが、これ以外の先読み予告が実行可能であってもよい。当該先読み予告は、ある水準以上の演出の発生を確定させるものであってもよいし、そのようなものでなくても(発生する演出との関連がない構成)であってもよい
。
以下、上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を列挙する。
手段1にかかる遊技機は、報知するための演出を利用したものとする先読み予告を実行可能な遊技機であって、前記先読み予告として、前記ある当否判定結果が当たりとなる蓋然性が第一水準以上となる演出の発生が確定する第一先読み予告と、前記ある当否判定結果が当たりとなる蓋然性が前記第一水準より高い第二水準以上となる演出、または前記第一水準より低い演出の発生が確定する第二先読み予告と、が設定されていることを特徴とする。
手段1にかかる遊技機は、当たりとなる蓋然性が第一水準以上となる演出の発生が確定する第一先読み予告と、当たりとなる蓋然性が第一水準より高い第二水準以上となる演出、または第一水準より低い演出の発生が確定する第二先読み予告とが設定されている。つまり、第一先読み予告が発生した場合には当たりとなる期待が一定程度もてる一方、第二先読み予告が発生した場合には第一先読み予告が発生したとき以上の期待またはそれより低い期待しかもてないという、趣向性の高い先読み予告とすることが可能である。
手段2にかかる遊技機は、手段1に記載の遊技機において、前記第一先読み予告と前記第二先読み予告が同時に発生することがないように設定されていることを特徴とする。
手段2にかかる遊技機のような構成とすれば、第一先読み予告と第二先読み予告が同時に発生することによって、予告が分かりにくくなる(予告が判別しにくくなる)のを抑制することが可能である。
手段3にかかる遊技機は、手段1または手段2に記載の遊技機において、遊技球が所定の入賞口に入賞したことを契機とした抽選により、前記先読み予告を実行することが決定されたとき、所定の条件が成立した場合には前記第一先読み予告を実行することを決定し、前記所定の条件が成立しなかった場合には前記第二先読み予告を実行することを決定することを特徴とする。
手段3にかかる遊技機のような構成とすることで、第一先読み予告と第二先読み予告が同時に発生しない態様を容易に構築することが可能である。
手段4にかかる遊技機は、手段1から手段3のいずれか一項に記載の遊技機において、前記第一先読み予告は、前記ある当否判定結果が当たりとなる蓋然性が異なる複数種の予告を含むことを特徴とする。
手段5にかかる遊技機は、手段4に記載の遊技機において、複数種の前記第一先読み予告のうちから選択されたある第一先読み予告が、当該予告よりも前記ある当否判定結果が当たりとなる蓋然性が高い別の第一先読み予告に変化する場合があることを特徴とする。
手段6にかかる遊技機は、手段1から手段5のいずれか一項に記載の遊技機において、前記第二先読み予告は、前記ある当否判定結果が当たりとなる蓋然性が異なる複数種の予告を含むとよい。
手段7にかかる遊技機は、手段6に記載の遊技機において、複数種の前記第二先読み予告のうちから選択されたある第二先読み予告が、当該予告よりも前記ある当否判定結果が当たりとなる蓋然性が高い別の第二先読み予告に変化する場合があることを特徴とする。
手段4〜7にかかる遊技機のように、第一先読み予告や第二先読み予告が、より大当たりとなる蓋然性が高まったことを示唆するものに変化する可能性があれば、先読み予告の趣向性をさらに高めることが可能である。