特許第6241031号(P6241031)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6241031
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】ゴミ回収容器
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/00 20060101AFI20171127BHJP
【FI】
   B65F1/00 B
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-276397(P2012-276397)
(22)【出願日】2012年12月19日
(65)【公開番号】特開2014-118291(P2014-118291A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2015年12月18日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512327835
【氏名又は名称】ジェーシー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108947
【弁理士】
【氏名又は名称】涌井 謙一
(74)【代理人】
【識別番号】100117086
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典弘
(74)【代理人】
【識別番号】100124383
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一永
(72)【発明者】
【氏名】吉村 功
【審査官】 石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−143642(JP,A)
【文献】 特開2002−002874(JP,A)
【文献】 特開2003−155101(JP,A)
【文献】 実開平05−055858(JP,U)
【文献】 特開2011−121631(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 6/18
B65D 88/00−90/66
B65F 1/00−1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外から収容物を略視認できる折畳み可能なシート材料からなり、底面が閉塞され上面に開口部が形成されている筒状本体と、該筒状本体の上面周縁と底面周縁とを繋ぐ所定数の支柱と、当該底面周縁に設けられている補強材とを備えてなるゴミ回収容器であって、
前記支柱の先端部は前記上面周縁から上方へ突出しており、
該支柱の先端部は樹脂製の保護具によって被覆されており、
前記補強材は、前記筒状本体を自立させる重量を有し、
前記補強材のうち、前記底面周縁の一辺及び対向する辺に配置される補強材は、複数個の小片から形成し、前記底面周縁に形成した袋状内に、前記小片を所定間隙を設けて封入し、
前記小片間に形成されている間隙によって、前記底面周縁の当該一辺及び対向する辺に折畳み部が形成され、かつ前記折畳み部は前記底面周縁の任意の位置から対応する上面周縁の位置に形成されて、かつ前記筒状本体は前記折畳み部に沿って折畳まれる
ことを特徴とするゴミ回収容器。
【請求項2】
筒状本体を網状材料から形成し、
前記筒状本体の開口部に、開閉紐によって開閉可能な開閉口が形成される巾着型の蓋部材が取り付け、前記開口部が筒状本体の上面周縁よりも下の位置と、前記上面周縁よりも上の位置とを取ることができるように形成し、
かつ、補強材の小片を永久磁石とした
ことを特徴とする請求項1記載のゴミ回収容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ペットボトルなどの資源ゴミを回収するゴミ回収容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ペットボトル、空き缶などの資源ゴミを分別、回収するのに様々な種類のゴミ回収容器が使用されている。例えば、特許文献1、2に記載のようなゴミ回収容器が使用されている。
【0003】
特許文献1に記載の空き缶回収用袋は折畳み可能なものであるが、上面の開口を越えるほどの空き缶等が収容されると、当該回収用袋の移動中等に、収容しきれない空き缶等が溢れてしまうおそれがあり、回収に手間がかかることがある。
【0004】
また、当該回収用袋の四隅に形成されている袋部に支柱が挿入されていることによって、長期間使用していくうちに当該袋部が支柱によって破損するおそれもある。
【0005】
特許文献2に記載のゴミ回収容器は、自立型で折畳み可能なものであるが、上記のような課題、つまり、空き缶等のゴミの溢れや支柱による容器の破損といった課題が潜在しているほか、前後左右の壁面の底辺に設けられたおもりと、前後左右の壁面の対向する二つの隅角部のいずれか一方に設けられた支柱だけでは、ゴミ回収容器の安定した自立を確保できるかは疑問が残るところである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第2531230号公報
【特許文献2】特開2006−124128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、折畳み可能で自立型のゴミ回収容器を使用していくうちに、支柱を設けることによる容器の破損を防ぎ、長期間の使用に供することができるゴミ回収容器を提供することを目的とする。
【0008】
また、ゴミ回収容器を折畳む際に、コンパクトに折畳めるゴミ回収容器を提供することを目的とする。
【0009】
また、ペットボトルなどの資源ゴミを容器外へ溢れさせることなく規定量まで収容することができるゴミ回収容器を提供することを目的とする。
【0010】
さらに、ペットボトルなどの資源ゴミが収容された状態のゴミ回収容器の持ち運びがしやすいゴミ回収容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、以下の発明を提案する。
【0012】
請求項1の発明は、
外から収容物を略視認できる折畳み可能なシート材料からなり、底面が閉塞され上面に開口部が形成されている筒状本体と、該筒状本体の上面周縁と底面周縁とを繋ぐ所定数の支柱と、当該底面周縁に設けられている補強材とを備えてなるゴミ回収容器であって、
前記支柱の先端部は前記上面周縁から上方へ突出しており、
該支柱の先端部は樹脂製の保護具によって被覆されており、
前記補強材は、前記筒状本体を自立させる重量を有し、
前記補強材のうち、前記底面周縁の一辺及び対向する辺に配置される補強材は、複数個の小片から形成し、前記底面周縁に形成した袋状内に、前記小片を所定間隙を設けて封入し、
前記小片間に形成されている間隙によって、前記底面周縁の当該一辺及び対向する辺に折畳み部が形成され、かつ前記折畳み部は前記底面周縁の任意の位置から対応する上面周縁の位置に形成されて、かつ前記筒状本体は前記折畳み部に沿って折畳まれる
ことを特徴とするゴミ回収容器である。
【0013】
請求項2の発明は、前記において、
筒状本体を網状材料から形成し、
前記筒状本体の開口部に、開閉紐によって開閉可能な開閉口が形成される巾着型の蓋部材が取り付け、前記開口部が筒状本体の上面周縁よりも下の位置と、前記上面周縁よりも上の位置とを取ることができるように形成し、
かつ、補強材の小片を永久磁石としたことを特徴とするゴミ回収容器である。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、折畳み可能で自立型のゴミ回収容器を使用していくうちに、支柱を設けることによる容器の破損を防ぎ、長期間の使用に供することができるゴミ回収容器を提供することができる。
【0015】
また、ゴミ回収容器を折畳む際に、コンパクトに折畳めるゴミ回収容器を提供することができる。
【0016】
また、ペットボトルなどの資源ゴミを容器外へ溢れさせることなく規定量まで収容することができるゴミ回収容器を提供することができる。
【0017】
さらに、ペットボトルなどの資源ゴミが収容された状態のゴミ回収容器の持ち運びがしやすいゴミ回収容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明のゴミ回収容器の一実施形態を表す図である。
図2図1図示の実施形態において、網状の繊維材を取り除いたゴミ回収容器の骨格を表す図である。
図3】本発明のゴミ回収容器の使用例を表す概念図であって、(a)ペットボトルなどの資源ゴミの回収初期の図、(b)規定量の資源ゴミを回収した状態の図、(c)蓋部材の開閉口を閉じた状態の図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のゴミ回収容器は、網状又は多数の小穴(内容物より小さい)が開いたシートもしくは透明なシートなど、外部から内容物を視認できる材料からなり、底面が閉塞され上面に開口部が形成されている筒状本体と、該筒状本体の上面周縁と底面周縁とを繋ぐ所定数の支柱と、当該底面周縁に設けられている補強材とを備えてなるゴミ回収容器である。
【0020】
前記筒状本体の上面周縁と底面周縁とを繋ぐ支柱の数によって、当該筒状本体を種々の形状とすることができる。例えば支柱を三本使用して三角筒状に形成することや、四本使用して四角筒状あるいは円筒形状にも形成することができる。前記支柱は、鋼製あるいは炭素鋼など長期間の使用に耐え得る素材を使用することが好ましい。
【0021】
この筒状本体は、ペットボトルなどの資源ゴミを収容するためのもので、上述したように、網状、又は穴が開いたシートもしくは透明なシートで成形することで、外から前記筒状本体に収容されている前記ペットボトルなどの資源ゴミの収容状態を確認することができる。
【0022】
また、前記ペットボトルなどの資源ゴミを前記筒状本体に収容した際に、前記ペットボトルなどの資源ゴミから漏れ出す液体が前記筒状本体内に溜まるのを防止するため、少なくとも前記筒状本体の底面には、前記網状又は穴が開いたシートもしくは透明なシートを採用することが好ましい。
【0023】
なお、前記網状のシートの一例として、ポリエチレンやポリ塩化ビニルなどの高分子材料からなる合成樹脂を用いて網状に成形することができる。この網状に成形した繊維材を用いて、上述したように底面を閉塞し上面が開口するように筒状本体を成形することができる。
【0024】
前記支柱の先端部は前記上面周縁から上方へ突出しており、該支柱の先端部は樹脂製の保護具によって被覆されている。こうすることによって、ゴミ回収容器を長期間使用しても、前記上面周縁が前記支柱の先端部によって破れるなど、破損することを防ぐことができる。
【0025】
前記底面周縁には、比較的重い金属や永久磁石など重量のある補強材が設けられている。そのため、前記底面周縁を、合成樹脂を袋状に縫着して成形し、当該袋状の底面周縁内に前記補強材を封入することが好ましい。この補強材の重量と前記所定数の支柱の自立性とによって、ゴミ回収容器を安定して自立させることができる。
【0026】
前記袋状の底面周縁内に前記補強材を封入する際には、当該補強材の小片を複数個前記底面周縁内に封入することが好ましい。このように封入すると各小片間に間隙が生じるので、ゴミ回収容器を使用後、前記底面周縁の任意の位置で当該底面周縁を折り曲げようとすると、その内部の前記補強材の小片間で折り曲げることになるので、コンパクトにゴミ回収容器を折畳むことができる。
【0027】
次に、前記筒状本体の開口部に、開閉紐によって開閉可能な開閉口が形成されている巾着型の蓋部材が取り付けられている。当該蓋部材は、前記筒状本体と同じ材料のものを用いて成型することができる。
【0028】
この蓋部材が取り付けられたゴミ回収容器を所定のゴミ回収場所に設置し、ペットボトルなどの資源ゴミを前記蓋部材の開閉口から筒状本体内へ投入する。前記資源ゴミを前記蓋部材の容量分まで収容した後、前記開閉紐で前記開閉口を閉じることで、前記資源ゴミをゴミ回収容器外へ溢れさせることなく規定量まで収容することができる。また、前記資源ゴミが収容された状態のゴミ回収容器を持ち運びやすくすることができる。
【実施例】
【0029】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態の一例を説明する。
【0030】
図1図2図示のゴミ回収容器1は、網状の繊維材3よりなり、底面2fが閉塞され上面2eに開口部4が形成されている角筒状のゴミ収容部2と、ゴミ収容部2の上面周縁と底面周縁とを繋ぐ四本の支柱6と、当該底面周縁に設けられている複数個の永久磁石の小片5と、ゴミ収容部2の開口部4に、開閉紐11によって開閉可能な開閉口12が形成されている巾着型の蓋部材10を備えてなる。
【0031】
四本の支柱6の先端部は前記上面周縁から上方へ突出しており、四本の支柱6の先端部は樹脂製あるいはアルミ製の保護具7によって被覆されている。こうすることによって、ゴミ回収容器1を長期間使用しても、前記上面周縁が四本の支柱6の先端部によって破れるなど、破損することを防ぐことができる。
【0032】
繊維材3は、ポリエチレンやポリ塩化ビニルなどの高分子材料からなる合成樹脂を用いて網状に成形する。この網状に成形した繊維材3を用いて、図1図示のように底面2fを閉塞し上面2eが開口するように角筒状のゴミ収容部2を成形する。
【0033】
ゴミ収容部2を網状の繊維材3で成形することにより、外からゴミ収容部2に収容されているペットボトルなどの資源ゴミの収容状態を確認することができる。
【0034】
また、前記ペットボトルなどの資源ゴミをゴミ収容部2に収容した際に、前記ペットボトルなどの資源ゴミから漏れ出す液体がゴミ収容部2内に溜まるのを防止することができる。
【0035】
ゴミ収容部2の上面周縁と底面周縁も合成樹脂で成形されており、当該上面周縁と底面周縁とを四本の支柱4で繋ぐことで、角筒状のゴミ収容部2が形成されている。四本の支柱4は、アルミニウムや硬質樹脂あるいは炭素鋼など長期間の使用に耐え得る素材を使用している。
【0036】
前記底面周縁は合成樹脂を袋状に縫着して成形し、当該袋状の底面周縁内に重量のある永久磁石の小片5が複数個封入されている。ゴミ回収容器1を所定の設置場所に設置する際には、前記袋状の底面周縁内の複数の永久磁石の小片5がお互いの磁力によって吸着し、一本の磁石の役割を果たす。そのため、四本の支柱4の自立性と永久磁石の重量によって、ゴミ回収容器1を安定して自立させることができる。
【0037】
また、ゴミ回収容器1を使用後、前記底面周縁の任意の位置で当該底面周縁を折り曲げる際に、当該位置に対応する内部の永久磁石の小片5間に生じる間隙8を利用して折り曲げることになるので、コンパクトにゴミ回収容器1を折畳むことができる
例えば、ゴミ収容部2の後面2c側の前記底面周縁の辺の任意の位置及び対向する前面2a側の前記底面周縁の辺の位置でゴミ回収容器1を折畳む際、図1図示のように、後面2c側の前記底面周縁の辺の前記任意の位置から対応する上面周縁の後面2c側の位置にかけて形成されている折畳み部9、及び、前面2a側の前記底面周縁の辺の前記任意の位置から対応する上面周縁の前面2a側の位置にかけて形成されている折畳み部9に沿って、後面2c及び前面2aをゴミ回収容器1の内側へ折畳むことができる。
【0038】
また、前面2a及び後面2cを内側に折畳むと、前面2a及び後面2c側の前記袋状の底面周縁の合成樹脂内に封入されている永久磁石の小片5がお互いの磁力によって吸着し、さらに、ゴミ収容部1の左面2b及び右面2d側の前記袋状の底面周縁の合成樹脂内に封入されている永久磁石の小片5、5と、前面2a及び後面2c側の永久磁石の小片5、5とが、お互いの磁力によって吸着する。このように永久磁石の小片5の磁力を利用することによって、ゴミ回収容器1を折畳む際に、コンパクトに折畳むことができる。
【0039】
次に、ゴミ回収容器1の開口部4には、開閉紐11によって開閉可能な開閉口12が形成されている巾着型の蓋部材10が取り付けられている。蓋部材10には、ゴミ収容部2と同様に、ポリエチレンやポリ塩化ビニルなどの高分子材料からなる合成樹脂を網状に成形した繊維材3が使用されている。
【0040】
図3は本実施例のゴミ回収容器1の使用例を表す概念図である。まず、蓋部材10の開閉口12の位置をゴミ収容部2の上面周縁よりも下にすることで、ゴミ回収容器1を所定のゴミ回収場所に設置し、ペットボトルなどの資源ゴミ14を開閉口12からゴミ収容部2内へ投入しやすくなる(図3(a))。
【0041】
また、従来のゴミ回収容器の場合、上述したように、上面の開口を越えるほどのペットボトルなどの資源ゴミが収容されると、当該ゴミ回収容器の移動中等に、収容しきれないペットボトルなどの資源ゴミが溢れてしまうおそれがあり、回収に手間がかかることがある。
【0042】
しかし、本実施例のようなゴミ回収容器1の場合、開口部4付近までペットボトルなどの資源ゴミ14が収容されると、開閉口12の位置がゴミ収容部2の上面周縁よりも上になり、ペットボトルなどの資源ゴミ14を蓋部材10の容量分まで収容することができる(図3(b)
【0043】
そして、図3(c)図示のように、開閉紐11で開閉口12を閉じることで、前記資源ゴミをゴミ回収容器外へ溢れさせることなく規定量まで収容することができる。
【0044】
また、前記上面周縁の前面2a及び後面2c側に持ち手13が設けることにより(図1)、持ち手13を利用することで、前記資源ゴミが規定量まで収容された状態のゴミ回収容器1の持ち運びがしやすくなる。
【0045】
以上、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の形態に変更可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 ゴミ回収容器
2 ゴミ収容部
2a ゴミ収容部の前面
2b ゴミ収容部の左面
2c ゴミ収容部の後面
2d ゴミ収容部の右面
2e ゴミ収容部の上面
2f ゴミ収容部の底面
3 繊維材
4 開口部
5 永久磁石の小片
6 支柱
7 保護具
8 間隙
9 折畳み部
10 蓋部材
11 開閉紐
12 開閉口
13 持ち手
図1
図2
図3