(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において、電子機器としてのラベル作成装置1について「上」、「下」、「前」、「後」、「幅」というときは、ユーザの手によって把持された通常の使用状態におけるユーザ目線における
図1中に示す矢印方向に各々対応し、ラベル作成装置1について「厚さ」というときは、前後方向の厚さを指すものとする。
【0018】
<ラベル作成装置の全体構造>
図1に示すように、ラベル作成装置1は、ユーザの手によって把持されるハンディ型の印刷装置である。ラベル作成装置1は、装置本体2と、この装置本体2の後部面に着脱自在に取り付けられるカバー3とを備えている。
【0019】
装置本体2は、薄厚で上下方向に長い扁平な略直方体形状を有しており、装置本体2の前面には、上部に印刷データや設定画面(データベースを含む)等を表示するための表示手段としての液晶表示部4が設けられ、液晶表示部4の下側に、ラベル作成装置1を操作するためのキーボード部5が設けられている。このキーボード部5には、文字や記号、数字等の文字キー、上下左右方向にカーソルを移動させるカーソルキー、及び種々の機能キー(印字キー、テキストキー、確定キー、Escキー等)を含むキー群が配置されている。また装置本体2の幅方向一方側(
図1中左側)の側壁部2aの上部には、図示しない印刷済みラベル用テープを切断するためのカット操作レバー6が設けられている。
【0020】
<制御系>
次に、
図2を用いて、印字ラベル作成装置1の制御系について説明する。なお、
図2中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0021】
図2において、印字ラベル作成装置1は、所定の演算を行う演算部を構成するCPU10を有している。
【0022】
CPU10は、RAM11の一時記憶機能を利用しつつROM12に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、それによって印字ラベル作成装置1全体の制御を行う。また、CPU10は、RAM11とは別に、フラッシュメモリ14に外字等を記憶しておき、必要に応じて呼び出すことができるようになっている。
【0023】
また、CPU10は、図示しない被印字媒体を搬送する搬送手段としてのプラテンローラ等を駆動する駆動モータ14の駆動制御を行うモータ駆動回路15と、被印字媒体に対し所望の印字を行う印字手段としてのサーマルヘッド16の複数の発熱素子の通電制御を行うサーマルヘッド制御回路17とに接続され、これらを制御している。さらに、CPU10は、液晶表示部4の表示状態を制御する表示制御回路18に表示制御信号を出力する。
【0024】
これらCPU10、モータ駆動回路15、サーマルヘッド制御回路17に、電源としての乾電池7の正極側が接続され、負極側は接地(グランド)されている。
【0025】
さらに、CPU10には、キーボード部5と、RAM11と、ROM12と、フラッシュメモリ13と、が接続されている。ROM12には、各種の処理を実行するための制御プログラムが記憶されている。また、ROM12には、複数のフィールドに対し文字列データをそれぞれ割り当てた複数のレコードを含むとともに全文字列データの内容を複数行×複数列のセルによりマトリクス形式に展開して液晶表示部4に表示するためのデータベースを記憶している。そして、液晶表示部4は、装置本体2に対して所定面積の表示領域を有し、ROM12に記憶されたデータベースの内容のうち表示領域に対応した一部分をマトリクス形式で表示するように表示制御回路18に表示制御される。
【0026】
また、液晶表示部4は、印字するテキストや外字の入力を行うための編集画面4Aを一部に備えている。さらに、CPU10は、例えば、外部装置としてパーソナルコンピュータ等とUSB接続して外字(例えば、文字、絵記号、数字などのキャラクタ)をパーソナルコンピュータから取り込むためのUSB接続部19と接続されている。このUSB接続部19は、装置本体2の適宜箇所に設けており、CPU10は、取り込んだ外字をフラッシュメモリ14に記憶するようになっている。なお、パーソナルコンピュータからの外字の転送は、USB接続に限定されず、その他の通信方式(無線方式を含む)によって可能とすることができる。
【0027】
また、CPU10は、周知のラベル作成機能に加え、例えば、ROM12に記憶したデータベースの各レコードに含まれる文字列データを適宜に使用して印字ラベル(図示せず)を作成することができる。
【0028】
例えば、ROM12には、
図3に示すように、印字ラベルの作成に必要なテンプレートと、そのテンプレートとリンクしているデータベースとが関連付けして格納されている。
【0029】
また、このデータベースは、
図4〜
図6に示すように、テンプレートに対応して必要な情報を有しており、これらをマトリックス形式で液晶表示部4に表示することができるようになっている。
【0030】
一方、上述した外字データは、例えば、
図7のデータフォーマットに示すように、外字番号、状態番号、現在の文字データ、1つ前の文字データ等を含んでいる。この際、状態番号は、例えば、4桁の数字により管理され、例えば、1,2桁目で文字の番号を表し、3桁目で外字の状態を表し(0:通常状態/1:登録が削除されたもの/2:上書きされたもの)、4桁目で文字の種類を表す(0:通常文字/1:外字)。
【0031】
具体的には、0030であれば、通常文字‘0’、0041であれば通常文字‘A’、1021であれば外字の21番通常状態、1121であれば外字の21番登録が削除されたもの、1221であれば外字の21番上書きされたもの、となる。
【0032】
そして、上述した
図3に示したテンプレートを用いて印字ラベルを作成した場合には、例えば、
図8〜
図11に示すように、キャラクタ、文字、バーコード等の各種ラベルを印字することができる。この際、液晶表示部4においても、同様の画像が表示されるが、実際の印字結果に比べて画像解像度の関係から荒い表示となっている。また、このラベル印字の際の表示では、イメージオブジェクト(キャラクタ)の編集は不可となっており、テキストオブジェクトとバーコードオブジェクトのみ編集が可能となっている。
【0033】
本実施の形態において、
図13に示すように、液晶表示部4の下方には、編集画面4Aが設けられている。この編集画面4Aには、アンダーライン状のカーソル4Bが表示されたテキスト編集表示となっており、利用者によってキーボード部5の文字入力操作をするとラベル印刷のための文字を入力することができる。また、このテキスト編集表示で『SymBol』キーを入力すると、編集画面4Aがカテゴリー選択表示となる。なお、このカテゴリ編集表示で『Esc』キーを入力すると、テキスト編集表示に復帰する。
【0034】
利用者は、このカテゴリー編集表示でカーソル移動の『↑』キー又は『下』キーの入力によってカテゴリメニューを選択(文字反転)し、『Enter』キー又は『OK』キーを入力すると、編集画面4Aが転送カテゴリ表示となる。
【0035】
ここで、装置本体2を図示しないパーソナルコンピュータ等とUSB接続し、例えば、無線通信マークを外字(キャラクタ)として転送する。この転送された外字は、1つの編集画面4Aに1つの外字が表示され、フラッシュメモリ13に記憶されて「転送カテゴリ」に入る。なお、転送されているカテゴリがない場合は、「転送カテゴリ」は表示されない。また、編集画面4Aの右下には、01〜99までの数字表示がされる。この01〜99は、フラッシュメモリ13に記憶可能な外字の数の一例を示す。
【0036】
ここで、利用者が『Enter』キー又は『OK』キーを入力すると、編集画面4Aがテキスト編集表示に復帰すると同時に、テキスト入力部分に上段に示した無線通信マークドットパターンに代えて、代替キャラクタ4Cのドットパターンを表示する。この代替キャラクタ4Cは、フラッシュメモリ13に記憶した01〜99の複数の特定キャラクタに対し共通して1つ定められられている。また、この代替キャラクタ4Cは、半角文字分の領域を使用するものであるのが好ましい。
【0037】
この際、代替キャラクタ4Cは、「@」記号のように1つの共通シンボルであるが、外字の状態によりシンボル表記を変え、例えば、通常の外字シンボル、入力後(登録後)に登録を削除した外字シンボル、入力後に上書き変更された外字シンボル、で表記を異ならせるができる。
【0038】
これにより、上述したデータフォーマットのように、フラッシュメモリ13には、現在の外字と1つ前の外字とを記憶しておけば、追加・削除・上書した外字の編集履歴を確認することが可能となる。
【0039】
ここで利用者は、どの外字に対する代替キャラクタ4Cであるのかを視覚的に確認するためには、例えば、他のテキストを入力している状態(図面上では次の文字入力のために代替キャラクタ4Cの隣にカーソル4Bが表示)で『右』キー又は『左』キーを入力して代替キャラクタ4Cの下にカーソル4Bを位置させ、『Symbol』キーを入力すると、編集画面4Aが記号表示モードに移行し、対応する外字が拡大表示される。
【0040】
これにより、利用者は、どの外字が入力されているかを容易に確認することができる。また、この状態から『Enter』キー、『OK』キー、『Esc』キーの何れかを入力すると、編集画面4Aがテキスト入力表示に復帰する。
【0041】
一方、このようなフラッシュメモリ13に記憶した外字を削除する場合には、
図14に示すように、テキスト編集表示のときに『SymBol』キーを入力すると、編集画面4Aがカテゴリー選択表示となる。
【0042】
利用者は、このカテゴリー編集表示でカーソル移動の『↑』キー又は『下』キーの入力によってカテゴリメニューを選択(文字反転)し、『Enter』キー又は『OK』キーを入力すると、編集画面4Aが転送カテゴリ表示となる。
【0043】
ここで、CPU10は、最新の外字(又は01〜99までの登録管理番号の若い管理番号又は古い管理番号)を編集画面4Aに表示する。利用者は、『↑』キー又は『↓』キー(若しくは数字キーの直接入力選択)すると、編集画面4Aに、フラッシュメモリ13に記憶した外字が順次表示される。また、編集画面4Aの右下には、フラッシュメモリ13に記憶されている外字の数が表示される。
【0044】
利用者は、所望の外字が編集画面4Aに表示されている状態で『Cancel』キーを入力すると、編集画面に削除確認表示がなされ、『Enter』キー又は『OK』キーを入力すると、対応する外字がフラッシュメモリ13から削除される。
【0045】
なお、この外字の削除は、1つずつの削除とし、カテゴリ毎一度にまとめて削除することは不可能とする。これにより、外字、テンプレート、DBと操作を統一化することができる。
【0046】
そして、1つの外字を削除すると、編集画面4Aには、フラッシュメモリ13に記憶して4、当該削除した外字の次の(又は前の)登録管理番号の外字が選択された表示状態となる。利用者は、以降、必要に応じて削除操作を行い、例えば、フラッシュメモリ13に記憶した転送カテゴリ内の最後の外字を削除した時は、編集画面4Aには、記号カテゴリ選択表示に移行する。この時、転送カテゴリは表示されず、デフォルトを選択した状態となる。
【0047】
本実施形態の要部は、テキストデータの最小単位であるキャラクタを入力操作または編集操作するためのキーボード部5と、キーボード部5を用いて入力操作または編集操作されたキャラクタを、列または行で構成された表示ラインを備えた所定の編集画面4Aにおいてドットパターンで表示可能な液晶表示部4と、被印刷媒体を搬送する搬送手段(プラテン及び駆動モータ14)と、この搬送手段により搬送される被印刷媒体に対し、編集画面4Aに表示されたキャラクタを印刷するサーマルヘッド15と、を有する印字ラベル作成装置1であって、予め定められた複数の特定キャラクタを印字ラベル作成装置1の外部から取得する特定キャラクタ取得手段(CPU10)と、CPU10で取得した複数の特定キャラクタを記憶するフラッシュメモリ13と、キーボード部5を用いて入力操作または編集操作されたキャラクタがフラッシュメモリ13に記憶された複数の特定キャラクタ(各種外字)のうちいずれか1つである場合、液晶表示部4を制御し、当該1つの特定キャラクタのドットパターンに代えて、複数の特定キャラクタに対し共通に1つ定められた代替キャラクタのドットパターンを編集画面4Aにおいて表示させる表示制御回路18と、液晶表示部4で表示されたキャラクタのいずれかを指定するためのキャラクタ指定手段(カーソルキー)と、編集画面4Aで代替キャラクタが表示された状態においてキャラクタ指定手段により当該代替キャラクタが指定されたことを契機に液晶表示部4を制御し、編集画面4Aとは別の画面(記号表示モードの画面)、若しくは、編集画面4Aに割り込み表示される割り込みウィンドウにおいて、当該代替キャラクタに対応した1つの特定キャラクタのドットパターンを表示させる表示制御回路18と、を有する。以下、その詳細を順を追って説明する。
【0048】
(メインルーチン)
次に、本実施の形態におけるCPU10の処理ルーチンのうちのメインルーチンを
図15に基づいて説明する。
【0049】
CPU10は、ステップS1において、液晶表示部4の表示初期化が実行され、ステップS2へと移行する。なお、このステップS1は、特許請求の範囲の第1表示制御手段のルーチンに該当する。
【0050】
CPU10は、表示初期化を行った後、ステップS2において、液晶表示部4に編集画面4Aが未入力であるテキスト初期画面を表示させ、ステップS3へと移行する。
【0051】
CPU10は、ステップS3において、例えば、USB接続(又は他の通信方式での接続)した外部端末であるパーソナルコンピュータから外字転送信号があるか否かが判定され、信号ありの場合にはステップS4へと移行し、信号なしの場合にはステップS5へと移行する。なお、そのステップS3では、外字転送の有無を外部端末から受動的に受診しても良いし、キーボード部5の操作によって能動的に受信しても良い。
【0052】
CPU10は、ステップS4において、上記
図13の追加又は
図14に示した削除操作を利用者に実行可能とさせる。なお、このステップS3におけるルーチンは特許請求の範囲の特定キャラクタ取得手段に該当する。
【0053】
CPU10は、ステップS5において、利用者によってキーボード部5から何らかのキー入力があったか否かが判定され、例えば、所定時間経過してもキー入力が無い場合にはステップS2にループしてテキスト編集を待機する。また、CPU10は、何らかのキー入力があった場合には、ステップS6へと移行する。
【0054】
CPU10は、ステップS6において、入力されたキーが外字入力キーであるか否かが判定され、外字入力キーでない場合にはステップS7に移行して入力されたキー内容に応じた処理を実行する。また、外字入力キーが操作された場合には、ステップS8へと移行する。
【0055】
CPU10は、ステップS8において、入力された外字キーが外字シンボルか否かが判定され、外字シンボルでない場合には、ステップS9へと移行し、外字選択入力操作を実行する。また、外字シンボルであった場合にはステップS10へと移行する。
【0056】
CPU10は、ステップS10において、外字拡大処理ルーチンを実行した後、ステップS11へと移行し、キー入力があったか否かが判定され、キー入力があった場合にはステップS2へとループし、キー入力がなかった場合にはこのステップを継続して待機する。なお、このステップS10における外字拡大表示は、特許請求の範囲における第2表示制御手段に該当する。
【0057】
(外字の転送/追加)
次に、上記ステップS4における外字の転送/追加ルーチンにおけるCPU10の処理について、
図16に基づいて説明する。
【0058】
CPU10は、ステップS4−1において、外字の追加であるか否かを判定し、追加である場合にはステップS4−2へと移行し、追加でない場合にはステップS4−5へと移行する。
【0059】
CPU10は、ステップS4−2において、登録しようとしている番号はテキストバッファに入力されているか否かが判定され、入力ありの場合にはステップS4−7へと移行し、入力なしの場合にはステップS4−3へと移行する。なお、このステップS4−1及びS4−2に至るルーチンは、特許請求の範囲の差し替え操作受付手段に該当する。
【0060】
CPU10は、ステップS4−3において、状態を「あり」に変更したうえで、ステップS4−4において、外字をフラッシュメモリ13に記憶する。
【0061】
CPU10は、ステップS4−5において、テキストバッファ内に入力されている、該当の番号の外字(テキストコード)を「登録が削除されたもの」に変更してステップS4−6へと移行し、状態を「なし」に変更する。なお、このステップS4−5におけるルーチンは、特許請求の範囲の削除処理手段に該当する。
【0062】
CPU10は、ステップS4−7において、テキストバッファ内に入力されている、該当の番号の外字(テキストコード)を「上書きされたもの」に変更し、ステップS4−8において「現在の外字データ」を「1つ前の外字データ」エリアへコピーしてこのルーチンを終了する。なお、このステップS4−5におけるルーチンは、特許請求の範囲の差し替え処理手段に該当する。
【0063】
(外字選択入力ルーチン)
次に、上記ステップS9の外字選択ルーチンにおけるCPU10の処理について、
図17に基づいて説明する。
【0064】
CPU10は、ステップS9−1において、フラッシュメモリ13に外字データが記憶しているか否かが判定され、記憶ありの場合にはステップS9−2へと移行し、記憶なしの場合にはこのルーチンを終了する。
【0065】
CPU10は、ステップ92において、最初の外字を選択候補として抽出し、ステップS9−3において編集画面4Aに外字をテキストバッファに表示してステップS9−4へと移行する。
【0066】
CPU10は、ステップS9−4において、『↑』キー又は『下』キー(若しくは数字キー)の入力があったか否かが判定され、入力ありの場合には、ステップS9−5において、次の候補の外字を編集画面4Aに表示し、以降、ステップS9−3にループしてこのルーチンを繰り返す。
【0067】
また、入力なしの場合には、ステップS9−6において、確定のための、『Enter』キー又は『OK』キーが入力されたか否かが判定され、確定キー入力の場合にはステップS9−3にループし、確定キー入力なしの場合にはその他のキー入力であるとしてステップS9−7にて対応する処理を実行する。
【0068】
(外字拡大表示処理ルーチン)
次に、上記ステップS10における外字拡大表示処理ルーチンにおけるCPU10の処理について、
図18に基づいて説明する。
【0069】
CPU10は、ステップ10−1において、編集画面4Aのテキスト編集表示において、カーソル4B上に「現在の外字データ」を表示してステップS10−2へと移行する。
【0070】
CPU10は、ステップS10−2において、その外字が、入力後に登録が削除された外字であるか否かを判定し、入力後に登録が削除された外字である場合にはこのルーチンを終了する。また、入力後に登録が削除された外字でない場合には、ステップS10−3へと移行する。
【0071】
CPU10は、ステップS10−3において、その外字が、入力後に上書きされた外字か否かが判定され、入力後に上書きされた外字でない場合にはこのルーチンを終了し、入力後に上書きされた外字である場合には、ステップS10−4において「1つ前の外字データ」を編集画面4Aに拡大表示する。
【0072】
このように、本実施の形態では、テキストデータの最小単位であるキャラクタを入力操作または編集操作するためのキーボード部5と、キーボード部5を用いて入力操作または編集操作されたキャラクタを、列または行で構成された表示ラインを備えた所定の編集画面4Aにおいてドットパターンで表示可能な液晶表示部4と、被印刷媒体を搬送する搬送手段と、搬送手段により搬送される被印刷媒体に対し、編集画面4Aに表示されたキャラクタを印刷するサーマルヘッド15と、を有する印字ラベル作成装置1であって、予め定められた複数の特定キャラクタを印字ラベル作成装置1の外部から取得する特定キャラクタ取得手段手順と、特定キャラクタ取得手段で取得された複数の特定キャラクタを記憶するフラッシュメモリ13と、キーボード部5を用いて入力操作または編集操作されたキャラクタがフラッシュメモリ13に記憶された複数の特定キャラクタ(各種外字)のうちいずれか1つである場合、液晶表示部4を制御し、当該1つの特定キャラクタのドットパターンに代えて、複数の特定キャラクタに対し共通に1つ定められた代替キャラクタ(「@」のイメージ画像)のドットパターンを編集画面4Aにおいて表示させる、表示制御回路18と、液晶表示部4で表示されたキャラクタのいずれかを指定するためのカーソルキー(『↑』キー、『↓』キー))と、編集画面4Aで代替キャラクタ(「@」のイメージ画像)が表示された状態においてキャラクタ指定手段により当該代替キャラクタが指定されたことを契機に(カーソル合わせ+『symbol』キー押下で)、液晶表示部4を制御し、編集画面4Aとは別の画面(記号表示モードの画面)、若しくは、編集画面4Aに割り込み表示される割り込みウィンドウにおいて、当該代替キャラクタに対応した1つの特定キャラクタのドットパターンを表示させる、表示制御回路18(フロー「カーソル上の外字を拡大表示」手順全体)と、を有する。
【0073】
本実施の形態の印字ラベル作成装置1は、液晶表示部4と、キーボード部5と、を備えている。例えば操作者がキーボード部5を用いて入力操作又は編集操作を行うと、その操作に対応するキャラクタが、液晶表示部4に備えられた編集画面4Aにおいてドットパターンで表示される。そして、搬送手段によって搬送される被印刷媒体に対し、サーマルヘッド15が、編集画面4Aに表示されたキャラクタを印刷する。
【0074】
また、本実施の形態の印字ラベル作成装置1は、通常のキャラクタ(例えば、液晶表示部4における単位表示領域がマトリクス状に配置された複数のドットで構成されるとき、当該ドット数で表現可能なキャラクタ)のほかに、特定キャラクタ(単位表示領域を構成するドット数よりも多いドット数により表現可能となる特別なキャラクタ(特殊文字、外国語文字、複雑な描線からなるシンボル等)を用いて印刷することもできる。特定キャラクタは、特定キャラクタ取得手段によって印字ラベル作成装置1の外部から取得され、フラッシュメモリ13に記憶されている。
【0075】
ここで、前述したように、特定キャラクタは、例えば通常のキャラクタに比べ構成が複雑又は特殊である等により液晶表示部4での表示を可能とするために必要なドット数が多い場合がある。このような場合に、当該特定キャラクタのドットパターンを、アルファベットや数字やかな文字や漢字等からなる通常のキャラクタのドットパターンと同様に編集画面4Aにおいて操作者に対しわかりやすく表示するのは困難である。
【0076】
そこで本実施の形態においては、表示制御回路18の制御に基づき、キーボード部5を用いて特定キャラクタの入力操作又は編集操作が行われた場合には、編集画面4Aに当該特定のキャラクタのドットパターンを表示することはせず、予め用意された代替キャラクタのドットパターン(例えば簡素なシンボル画像)が表示される。また、本実施の形態においては、キャラクタ指定手段が設けられ、編集画面4Aで代替キャラクタが表示された状態でキャラクタ指定手段によって当該代替キャラクタが指定されると、これを契機にして、編集画面4Aとは別の画面(又は割り込みウィンドウ)が表示される。この別画面(又は割り込みウィンドウ)では、代替キャラクタに対応した1つの特定キャラクタのドットパターンが表示される。これにより、操作者は、編集画面4Aで表示された代替キャラクタの表す特定キャラクタの詳細を見たいときには、当該代替キャラクタをキャラクタ指定手段で指定することにより、別画面(又は割り込みウィンドウ)で当該特定キャラクタをドットパターンで表示させることができる。
【0077】
以上のようにして、常には編集画面4Aにおいて特定キャラクタは代替キャラクタのドットパターンで表示され、操作者が詳細を知りたいときにだけ別画面等で当該特定キャラクタのドットパターンが表示される。これにより、特定キャラクタの個別の視認性を確保しつつ、編集画面4A全体の視認性の悪化を防止することができる。
【0078】
そして、本実施の形態では特に、複数の特定キャラクタすべてに対し、共通の1つの代替キャラクタを対応付けており、編集画面4Aにおいてはすべての特定キャラクタが同一の代替キャラクタによって表現される。これにより、各特定キャラクタが別々の代替キャラクタに対応づけられて表示される従来構造に比べて、操作者は、編集画面4Aにおいて特定キャラクタの存在をひと目でわかりやすく認識することができる。この結果、利便性を向上することができる。
【0079】
また、本実施の形態では、フラッシュメモリ13に記憶された複数の特定キャラクタのうち少なくとも1つに対する外部からの削除操作を受け付ける、削除操作受付手段(外字の転送追加・削除ルーチン「追加?」NOの流れ相当)と、削除操作受付手段により受け付けた削除操作に応じて、対応する少なくとも1つの特定キャラクタの削除処理を行う、削除処理手段と、を有し、キーボード部5を用いて入力操作または編集操作されたキャラクタが、フラッシュメモリ13に記憶された後に削除処理手段により削除処理された特定キャラクタであった場合には、表示制御回路18は、液晶表示部4を制御し、当該1つの特定キャラクタのドットパターンに代えて、代替キャラクタ(「@」のイメージ画像)のドットパターンに削除処理に対応した第1識別子を付加して編集画面4Aにおいて表示させる。
【0080】
本実施の形態の印字ラベル作成装置1においては、上述のように装置外部から取得されフラッシュメモリ13に記憶された特定キャラクタを、さらに装置外部からの操作で削除処理することができる。すなわち、少なくとも1つの特定キャラクタに対し操作者が例えば装置外部から操作端末等により削除操作すると、その操作が削除操作受付手段によって受け付けられる。そして、削除処理手段により、当該受け付けられた削除操作に対応した当該少なくとも1つの特定キャラクタへの削除処理が実行される。
【0081】
そして、本実施の形態では、このような削除処理の実行に対応し、前述のようにしてキーボード部5により入力操作又は編集されたキャラクタが削除処理された特定キャラクタであった場合には、編集画面4Aにおいて、代替キャラクタのドットパターンに、削除処理に対応した識別子(例えば「×」印等の第1識別子)を付加して表示する。これにより、操作者に対し、当該特定キャラクタが既に削除処理されたものである(印刷できない状態となっている)ことを明確に認識させることができる。この結果、操作者が意図しない態様の失敗印刷となるのを防止することができる。
【0082】
さらに、本実施の形態の印字ラベル作成装置1では、編集画面4Aで第1識別子が付加された代替キャラクタ(「@」のイメージ画像)が表示された状態においてキャラクタ指定手段により当該代替キャラクタが指定されたことを契機に、表示制御回路18は、液晶表示部4を制御し、編集画面4Aとは別の画面、若しくは、編集画面4Aに割り込み表示される割り込みウィンドウにおいて、削除処理が行われる前の代替キャラクタに対応した1つの特定キャラクタのドットパターンを表示させる。
【0083】
これにより、操作者に対し、当該特定キャラクタが既に削除処理されたものであることを認識させるとともに、当該特定キャラクタがもともとはどのような姿であったかを併せて操作者に認識させることができる。この結果、さらに利便性を向上することができる。
【0084】
しかも、本実施の形態の印字ラベル作成装置1では、フラッシュメモリ13に記憶された複数の特定キャラクタのうち少なくとも1つに対する外部からの差し替え操作を受け付ける、差し替え操作受付手段と、差し替え操作受付手段により受け付けた差し替え操作に応じて、対応する少なくとも1つの特定キャラクタの差し替え処理(=上書き更新)を行う、差し替え処理手段と、を有し、キーボード部5を用いて入力操作または編集操作されたキャラクタが、フラッシュメモリ13に記憶された後に差し替え処理手段により差し替え処理された特定キャラクタであった場合には、表示制御回路18は、液晶表示部4を制御し、当該1つの特定キャラクタのドットパターンに代えて、代替キャラクタ(「@」のイメージ画像)のドットパターンに差し替え処理に対応した第2識別子を付加して編集画面4Aにおいて表示させる。
【0085】
本実施の形態の印字ラベル作成装置1においては、上述のように装置外部から取得されフラッシュメモリ13に記憶された特定キャラクタを、さらに装置外部からの操作で差し替え処理することができる。すなわち、少なくとも1つの特定キャラクタに対し操作者が例えば装置外部から操作端末等により差し替え操作すると、その操作が差し替え操作受付手段によって受け付けられる。そして、差し替え処理手段により、当該受け付けられた差し替え操作に対応して当該少なくとも1つの特定キャラクタの差し替え処理(例えば特定キャラクタのIDに対応づけられるキャラクタ内容の変更による更新)が実行される。
【0086】
そして、本実施の形態では、このような差し替え処理の実行に対応し、前述のようにしてキーボード部5により入力操作又は編集されたキャラクタが差し替え処理された特定キャラクタであった場合には、編集画面4Aにおいて、代替キャラクタのドットパターンに、差し替え処理に対応した識別子(例えば丸矢印画像等の第2識別子)を付加して表示する。これにより、操作者に対し、当該特定キャラクタが差し替え処理されたものである(以前の内容から変更された状態となっている)ことを明確に認識させることができる。この結果、操作者が意図しない態様の失敗印刷となるのを防止することができる。
【0087】
また、本実施の形態における印字ラベル作成装置1において、編集画面4Aで第2識別子が付加された代替キャラクタが表示された状態においてキャラクタ指定手段により当該代替キャラクタが指定されたことを契機に、表示制御回路18は、液晶表示部4を制御し、編集画面4Aとは別の画面(記号表示モードの画面)、若しくは、編集画面4Aに割り込み表示される割り込みウィンドウにおいて、差し替え処理が行われる前の代替キャラクタと差し替え処理が行われた後の代替キャラクタとの両方にそれぞれ対応した2つの特定キャラクタのドットパターンを表示させる。
【0088】
これにより、操作者に対し、当該特定キャラクタが差し替え処理されて以前とは内容が変更されたものであることを認識させるとともに、当該特定キャラクタの差し替え前後の両方の姿を併せて操作者に認識させることができる。この結果、さらに利便性を向上することができる。
【0089】
また、
図13〜
図18に示す遷移図及びフロー図等は本発明を上記遷移又はフローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0090】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0091】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。