特許第6241308号(P6241308)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6241308コンピュータゲームシステム、コンピュータゲームプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6241308
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】コンピュータゲームシステム、コンピュータゲームプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/46 20140101AFI20171127BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20171127BHJP
【FI】
   A63F13/46
   A63F13/58
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-25524(P2014-25524)
(22)【出願日】2014年2月13日
(65)【公開番号】特開2015-150139(P2015-150139A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年9月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】百渓 曜
(72)【発明者】
【氏名】福田 真祥
【審査官】 野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−044206(JP,A)
【文献】 特開2013−059569(JP,A)
【文献】 World of Warcraft,LOGiN ,日本,株式会社エンターブレイン,2007年 7月 1日,第26巻 第7号,Pages 120-121
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00−13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤが敵味方に分かれて仮想空間内のキャラクタを操作して対戦ゲームを行うコンピュータゲームシステムにおいて、
進行している対戦ゲームの戦況の優劣を表す値をしきい値と比較して該戦況が拮抗状態であることを判定する判定手段と、
拮抗状態の継続中において、前記優劣を表す値を変動させる所定の攻撃行動を行ったキャラクタを検出する検出手段と、
検出されたキャラクタを操作するプレイヤに所定の特典情報を付与する特典情報付与手段とを備えることを特徴とするコンピュータゲームシステム。
【請求項2】
請求項1において、さらに、
仮想空間内に配置され、自側の防御対象であり且つ相手側の攻撃対象である第1の物体の耐久度合いを示す値であって相手側からの攻撃により値が変動する第1の耐久値と、自側の攻撃対象であり且つ相手側の防御対象である第2の物体の耐久度合いを示す値であって自側の攻撃により値が変動する第2の耐久値とを取得する耐久値取得手段を備え、
前記判定手段は、対戦ゲームの進行に伴って変動する前記第1の耐久値と前記第2の耐久値の差が所定しきい値未満である場合に前記拮抗状態と判定することを特徴とするコンピュータゲームシステム。
【請求項3】
請求項2において、
前記検出手段は、拮抗状態の継続中において、前記第1の耐久値又は前記第2の耐久値を変動させたキャラクタを、前記所定の攻撃行動を行ったキャラクタとして検出することを特徴とするコンピュータゲームシステム。
【請求項4】
請求項3において、さらに、
前記第1の物体への攻撃により前記第1の耐久値を変動させたプレイヤにポイントを付与し、前記第2の物体への攻撃により前記第2の耐久値を変動させたプレイヤにポイントを付与するポイント付与手段を備え、
前記特典情報付与手段は、前記ポイントに加算される特別ポイントとして前記特典情報を付与することを特徴とするコンピュータゲームシステム。
【請求項5】
請求項4において、さらに、
前記ポイント付与手段は、プレイヤ毎に、前記第1の耐久値又は前記第2の耐久値を変動させた量を積算し、積算された量が所定値に達した時点でプレイヤにポイントを付与し、
前記特典情報付与手段は、前記拮抗状態が所定時間以上継続している状態において、ポイントが付与されたプレイヤに前記特別ポイントを加算することを特徴とするコンピュータゲームシステム
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
記優劣を表す値を変動させる所定の攻撃行動が検出されるまでの時間を計時する計時手段を備え、
前記特典情報付与手段は、計時された時間に応じて、特典情報の大きさを変化させることを特徴とするコンピュータゲームシステム。
【請求項7】
請求項6において、
前記計時手段は、特典情報が付与された時点、又は前記拮抗状態が解除された時点で計時をリセットすることを特徴とするコンピュータゲームシステム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記判定手段は、対戦ゲーム開始から所定時間経過後に、前記拮抗状態である否かの判定を開始することを特徴とするコンピュータゲームシステム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかにおいて、
前記特典情報付与手段は、前記特典情報を付与した場合に、前記特典情報が付与されたプレイヤの仮想空間内におけるキャラクタ位置から所定範囲内に位置するキャラクタを操作する味方プレイヤにも、別の特典情報を付与することを特徴とするコンピュータゲームシステム。
【請求項10】
複数のプレイヤが敵味方に分かれて仮想空間内のキャラクタを操作して対戦ゲームを行うコンピュータゲームシステムにおいて実行可能なプログラムであって、
進行している対戦ゲームの戦況の優劣を表す値をしきい値と比較して該戦況が拮抗状態であることを判定する判定手段、
拮抗状態の継続中において、前記優劣を表す値を変動させる所定の攻撃行動を行ったキャラクタを検出する検出手段、
検出されたキャラクタを操作するプレイヤに所定の特典情報を付与する特典情報付与手段、
として、コンピュータゲームシステムを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のプレイヤが一方と他方に分かれて対戦する対戦ゲームをコンピュータゲームシステムに実行させるコンピュータゲームプログラム、及びそれを実行するコンピュータゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばアミューズメント施設には、複数のプレイヤが対戦ゲームを行うためのゲーム装置が設けられている。アミューズメント施設内においては、複数のゲーム装置がLANなどで接続されているとともに、他のアミューズメント施設のゲーム装置とも、インターネットなどのネットワークを通して接続され、同一ゲームに多人数(例えば20人程度)が参加できるネットワーク対戦ゲームも普及している。
【0003】
対戦ゲームでは、例えば、複数のキャラクタやキャラクタ群が互いに戦闘を行うキャラクタ対戦ゲームが行われ(特許文献1)、また、複数のプレイヤが2つのチームに分かれ、ゲーム空間(仮想空間)で銃器などの武器を使って、両チームが、互いに相手側のプレイヤキャラクタ及び拠点を攻撃し、最終的に、チームを構成するプレイヤキャラクタ全てが戦闘不能になった場合、又は拠点が破壊された場合に、当該チームの負けとなる(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−044206号公報
【特許文献2】特開2010−35908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の対戦ゲームでは、次のような問題がある。例えば、互いに相手の防御に苦戦し、相手側の拠点を攻めきれずにいる拮抗状態に陥った状態において、一方のチームを構成するプレイヤキャラクタの一人が、相手の防御を破って拮抗状態を打破することで、一方のチームが有利に対戦を進めることができるようになる場合がある。このとき、拮抗状態に陥ってから最初に相手にダメージを与えたプレイヤキャラクタは、自チームを有利に導くのに大きく貢献したことになるが、従来の対戦ゲームでは、最初に相手の防御を破った攻撃と、それ以降に続く攻撃とを区別していないことから、積極的に攻撃を仕掛けず、リスクを冒して、最初に拮抗状態を打破するモチベーションが喚起されず、ゲーム展開の盛り上がりを欠くという事態を招くおそれがある。
【0006】
また、一旦自軍が有利な情勢に傾いてからの攻撃は、拮抗状態を打破する最初の攻撃と比較して容易であるが、そのような状況で多くの攻撃によりポイントを稼ぐプレイヤキャラクタがいる場合、そのようなプレイヤキャラクタと、拮抗状態に陥ってから最初に相手にダメージを与えたプレイヤキャラクタとの間で公平感を欠くことにもなる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、攻撃の貢献度を評価し、攻撃が積極的に行われる興趣性の高い対戦ゲームをコンピュータゲームシステムに実行させるコンピュータゲームプログラム、及びそれを実行するコンピュータゲームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明のコンピュータゲームシステムは、複数のプレイヤが敵味方に分かれて仮想空間内のキャラクタを操作して対戦ゲームを行うコンピュータゲームシステムにおいて、進行している対戦ゲームの戦況の優劣を表す値をしきい値と比較して該戦況が拮抗状態であることを判定する判定手段と、拮抗状態の継続中において、前記優劣を表す値を変動させる所定の攻撃行動を行ったキャラクタを検出する検出手段と、検出されたキャラクタを操作するプレイヤに所定の特典情報を付与する特典情報付与手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明のコンピュータゲームシステムは、複数のプレイヤが敵味方に分かれて仮想空間内のキャラクタを操作して対戦ゲームを行うコンピュータゲームシステムにおいて実行可能なプログラムであって、進行している対戦ゲームの戦況の優劣を表す値をしきい値と比較して該戦況が拮抗状態であることを判定する判定手段、拮抗状態の継続中において、前記優劣を表す値を変動させる所定の攻撃行動を行ったキャラクタを検出する検出手段、検出されたキャラクタを操作するプレイヤに所定の特典情報を付与する特典情報付与手段として、コンピュータゲームシステムを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、対戦ゲームの戦況の拮抗状態を判定し、その拮抗状態の中でそれを打破した攻撃を行ったプレイヤに特典情報を付与する処理を行うことで、攻撃の困難性、重要度合いを考慮した貢献に応じた特典付与が行われ、対戦ゲームにおける積極的且つ迅速な攻撃が促される興趣性の高い対戦ゲームを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施の形態におけるゲームシステムの構成例を示す図である。
図2】ゲーム装置の構成例を示す図である。
図3】サーバ装置の構成例を示す図である。
図4】本実施の形態における対戦ゲームのゲーム空間の平面模式図である。
図5】一例としてのゲーム空間例の平面図を示す図である。
図6】特別ポイントが付与されたことが表示されたコンピュータゲーム装置の画面例を示す図である。
図7】本実施の形態における対戦ゲームの拮抗状態判定処理及び特別ポイント付与処理について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に従い本発明の実施の形態例を説明する。なお、実施の形態例は、本発明の理解のためのものであり、本発明の技術的範囲がこれに限定されるものではない。
【0013】
図1は、本実施の形態におけるコンピュータゲームシステムの構成例を示す図である。図2は、ゲーム装置の構成例を示す図である。全国各地にあるアミューズメント施設10内には、ネットワーク対戦ゲームを実行可能な複数のゲーム装置12が設置されている。アミューズメント施設内10の各ゲーム装置12はLAN20で接続されており、アミューズメント施設内の他のゲーム装置12と相互に通信可能である。また、アミューズメント施設内10の各ゲーム装置12はルータ14と接続し、ルータ14を介して、インターネット22に接続されている。従って、あるアミューズメント施設内10の各ゲーム装置12は、他のアミューズメント施設10のゲーム装置12とインターネットを介して通信可能である。
【0014】
図2のゲーム装置12の構成例において、プログラム・データ記憶装置221には、ゲームプログラム、データ(映像・音声データも含む)が格納されている。これは、例えば、磁気記録装置、ゲームプログラムやデータを記憶する外付けDVD−ROMなどの記録媒体を駆動する光ディスクドライブであってもよい。
【0015】
制御手段としてのCPU222は、ゲームプログラムの実行、システム全体の制御及び画像表示のための座標計算などを行う。システムメモリ223は、CPU222が処理を行うのに必要なプログラムやデータなどを格納するバッファメモリである。さらに、BOOTROM224は、ゲーム装置12を起動するためのプログラムやデータを格納する。
【0016】
プログラム・データ記憶装置221、CPU222、システムメモリ223及びBOOTROM224は、バスアービタ225に接続される。バスアービタ225は、ゲーム装置の各ブロックや外部に接続される機器とのデータの流れを制御する。
【0017】
バスアービタ225には、さらに、レンダリングプロセッサ226及びサウンドプロセッサ228が接続されている。ゲームプログラム・データ記憶装置221から読み出した画像データや、プレイヤによる操作や、ゲーム進行に応じて生成すべき画像は、レンダリングプロセッサ226によって生成され、ディスプレイ230に表示される。レンダリングプロセッサ226が画像生成を行うのに必要なグラフィックデータなどはグラフィックメモリ227に格納されている。
【0018】
ゲームプログラム・データ記憶装置221から読み出した音楽データや、プレイヤの操作やゲーム進行に応じて生成すべき効果音や音声は、サウンドプロセッサ228によって生成され、スピーカ232から音声出力される。サウンドプロセッサ228が効果音や音声を生成するために必要なサウンドデータなどはサウンドメモリ229に格納されている。
【0019】
さらに、バスアービタ225には、ペリフェラレルIF(インターフェース)234、ICカードIF236、通信IF238が接続されている。ペリフェラレルIFには、プレイヤの操作を入力するための入力装置235が接続されている。プレイヤの入力装置235の操作に応じて、ペリフェラレルIF234はゲーム操作信号を生成する。ゲーム操作信号は、バスアービタ225を介して、CPU222、レンダリングプロセッサ226及びサウンドプロセッサ228に送られる。
【0020】
ICカードIF236は、プレイヤを識別する識別情報を記憶するICカードに対して読み書きを行うICカードリーダ/ライタと接続されている。通信IF238は、同じアミューズメント施設内の他のゲーム装置12と接続するためのLAN回線、インターネット回線と接続し、各ゲーム装置12は、インターネット回線を介して、他のアミューズメント施設のゲーム装置及びサーバシステム30と通信可能に接続する。通信手段は、電話回線、光ファイバによる通信、無線通信などがさまざまな通信手段を利用可能である。
【0021】
図1に戻り、サーバ30が、インターネット22に接続されており、サーバシステム30は、ゲームサーバ31、マッチングサーバ32、データベースサーバ33及びアクセスサーバ34を備える。ゲームサーバ31、マッチングサーバ32、データベースサーバ33及びアクセスサーバ34は、それぞれ別々のサーバ装置であってもよいし、一体化されたサーバ装置であってもよい。
【0022】
図3は、サーバ装置の構成例を示す図である。サーバ装置は、一般的なコンピュータ装置のハードウェア構成を有し、バス311には、CPU312、ROM313、RAM314、ネットワークインタフェース315、入力装置316、出力装置317及び外部記憶装置318が接続されている。
【0023】
CPU312は、データの処理又は演算を行うと共に、バス311を介して接続された各種構成要素を制御するものである。ROM313には、予めCPU312の制御手順(コンピュータプログラム)を記憶させておき、このコンピュータプログラムをCPU312が実行することにより、サーバ装置は起動する。外部記憶装置318は、例えばハードディスク記憶装置やCD−ROM等の光ディスク媒体であり、対戦ゲームを実行するためのコンピュータゲームプログラムを記憶し、そのコンピュータゲームプログラムがRAM314にコピーされて実行される。CPU312が、このコンピュータゲームプログラムを実行することにより、後述する本実施の形態におけるゲーム処理を実行する。RAM314は、データの入出力、送受信のためのワークメモリ、各構成要素の制御のための一時記憶として用いられる。
【0024】
ネットワークインタフェース315は、ネットワークであるインターネットに接続するためのインターフェースである。入力装置316は、例えばキーボード、マウス等であり、各種指定又は入力等を行うことができる。出力装置317は、ディスプレイ、スピーカ等である。
【0025】
ゲームサーバ31は、ゲーム処理機能として、複数の仮想ゲーム空間を用意し、参加要求したプレイヤは、仮想ゲーム空間(以下、ゲームルームと称する場合がある)のいずれかに割り当てられ、同一のゲームルームに割り当てられたプレイヤ同士で同一のネットワーク対戦ゲームが行われる。ゲームサーバ31は、同一ゲームルーム内のプレイヤが操作するゲーム装置からのゲーム操作信号を同一ゲームルーム内の他のゲーム装置に送信し、ゲーム装置は、サーバシステム30から受信する同一ゲームルーム内の他のゲーム装置からのゲーム操作信号と、自ゲーム装置のゲーム操作信号によりネットワーク対戦ゲームを実行する。
【0026】
そして、ゲームサーバ31は、後述するように、本実施の形態のネットワーク対戦ゲームにおいて特徴的な拮抗状態判定処理及び特典情報付与処理を実行する。
【0027】
マッチングサーバ32は、参加要求したプレイヤをゲームサーバ31のルームに割り当てる制御を行う。マッチングサーバ32は、参加要求した複数のプレイヤのうち、同一ルームに割り当てるプレイヤをグループ化するための仮想待機用空間(以下、ロビーと称する場合がある)を用意し、参加要求した各プレイヤの属するチームのチーム識別情報、及び参加要求した各プレイヤの属するチームが含まれるグループのグループ識別情報をデータベースサーバ33より取得し、同一のチーム識別情報を有するプレイヤと、異なるチーム識別情報を有するが同一のグループ情報を有するプレイヤとを、同一のロビーに割り当て、同一のロビーに割り当てられたプレイヤを同一のルームに割り当てる。また、マッチングサーバ32は、同一ルーム内に割り当てられるプレイヤを、後述するチームAとチームBのいずれかに振り分ける。
【0028】
データベースサーバ33は、プレイヤの情報を格納するデータベースサーバであり、プレイヤ、及びプレイヤが属するグループに関するさまざまな情報を蓄積、管理している。
【0029】
アクセスサーバ34は、コンピュータ装置(PC)や携帯電話機のような情報端末に対して、ネットワーク対戦ゲームに関連する所定のサイトを提供し、当該サイトを通して、新規会員登録、各種グループの作成、加入及び変更などの処理を含むさまざまな登録処理を行う。その具体的な登録処理例の詳細については、特開2012−055435号に記載されている。
【0030】
次に、上述のコンピュータゲームシステムにより実行される本実施の形態の対戦ゲームの概要について説明する。
【0031】
図4は、本実施の形態における対戦ゲームのゲーム空間の平面模式図である。本実施の形態における対戦ゲームでは、ゲーム空間で銃器などの武器を使って、複数のキャラクタが敵味方の2つのチーム(A、B)に分かれて対戦を行う。一方のチームのキャラクタ(図4中、白丸印はチームAのキャラクタを表し、黒丸印はチームBのキャラクタを表す)は、互いに相手チームの本拠地を攻撃し、自チームの本拠地を防衛する。チームAのキャラクタは、チームBの本拠地B1を攻撃可能とし、自チームの本拠地A1を防衛するために、チームBとキャラクタとの戦闘を行う。チームBは、チームAの本拠地A1を攻撃可能とし、自チームの本拠地B1を防衛するために、チームAのキャラクタとの戦闘を行う。一例としてのゲーム空間例の平面図を図5に示す。
【0032】
なお、図4において、ゲーム空間内における両チームの本拠地A1、B1の間の途中にある拠点P1、P2、P3は、後述するように、両チームの前線となる施設を表す。また、両チームの本拠地A1、B1には、相手チームからの攻撃対象となる物体(「コア」と称す場合がある)があり、コアには、あらかじめ与えられた耐久値が設定されている。該耐久値は、相手チームからの所定の攻撃を受けると、その攻撃の度合いに応じた値が減算されていく。
【0033】
本実施の形態における対戦ゲームでは、一方のチームが、与えられたプレイ時間内に相手チームの本拠地のコアの耐久値をゼロにした場合、すなわち、コアを破壊した場合、攻撃チームの勝利となる。また、両チームともプレイ時間内に相手チームの本拠地のコアの耐久値をゼロにできなかった場合、すなわち、コアを破壊できなかった場合、コアの耐久値をより小さくした(コアにより大きなダメージを与えた)チームの勝利となる。耐久値は、例えば、0(ゼロ)から800000までの数値で示され、最大耐久値800000は、全く破壊されていない状態の数値であり、最小耐久値0(ゼロ)は、完全に破壊され、攻撃チームに占拠された状態の数値である。耐久値の初期値、勝敗決定の値などは適宜選択可能な値である。また、耐久値は、受ける攻撃に応じて加算される数値であってもよく、所定値に達することで、コアの破壊と判定するようにしてもよい。
【0034】
そして、このような2つのチームが敵味方に分かれて互いに攻撃し合う対戦ゲームにおいて、本実施の形態では、以下のゲーム処理が実行される。
【0035】
(1)両チームの攻防が均衡し、お互いに相手チームのコアへなかなか攻めきれない拮抗状態を定義し、その拮抗状態において、突破口としてコアへの攻撃を行い、コアにダメージを与えたキャラクタ(プレイヤ)に対して、特別ポイントを付与する。
【0036】
キャラクタは、コアを攻撃してコアの耐久値を減らすと、その減じた量に応じて所定の通常ポイントが与えられる。一例として、キャラクタ毎に、複数回のコアへの攻撃により減じさせたコア耐久値の量が積算され、コアの最大耐久値が800000であるところ、あるプレイヤの積算量が15000に達した時点で、そのプレイヤに通常ポイントとして4ポイントが与えられる。
【0037】
本実施の形態の対戦ゲーム処理では、この通常ポイントに加えて、拮抗状態において、その状態を打破する攻撃が、味方チームが有利に対戦を進めるのに大きく貢献する攻撃であって、困難な攻撃をなし得たものであることから、特典として特別ポイントを付与する。
【0038】
(2)拮抗状態は、例えば、自チームのコアの耐久値と相手チームのコアの耐久値の差が所定値(例えば、最大耐久値の10%)未満の状態として定義され、その拮抗状態が所定時間(例えば40秒程度)継続する状態、すなわち両コアの差が小さい状態が長く継続する場合、両チームの戦いが膠着しており、お互いに攻めあぐねていると判断することができる。
【0039】
(3)拮抗状態の判定は、対戦ゲーム開始から所定の初期時間経過後から開始される。ゲーム開始当初は、キャラクタの移動、前哨戦など最終目標であるコアの攻撃に達しない時間帯、若しくは攻め急ぐ時間帯ではないため、拮抗状態の判定は行わない。拮抗状態の判定開始は、ゲーム開始から例えば120秒後である。
【0040】
(4)拮抗状態が継続した時間に応じて、付与する特別ポイントを変動させる。より具体的には、拮抗状態が継続している時間が長いほど、付与する特別ポイントが増大するように設定する。拮抗状態が長いほど、その状態を打破する攻撃の困難度、貢献度は高く、例えば、以下の通り、時間に応じて段階的に特別ポイントを増加させる。
【0041】
・拮抗状態になってから40〜79秒経過:+3ポイント
・拮抗状態になってから80〜119秒経過:+6ポイント
・拮抗状態になってから120〜159秒経過:+9ポイント
・拮抗状態になってから160〜199秒経過:+12ポイント
・拮抗状態になってから200秒以上経過:+15ポイント
両コア耐久値の差が所定値未満になってからの経過時間が40秒未満は、特別ポイントは付与されない。
【0042】
(5)拮抗状態打破に対する特別ポイントは、キャラクタがコアを攻撃することにより与えられる通常ポイントが付与されるタイミングで、その通常ポイントに加算されてプレイヤに付与される。
【0043】
上記(1)で述べたように、キャラクタは、コアを攻撃してコアの耐久値を減らすと、その減じた量に応じて所定の通常ポイントが与えられる。キャラクタ毎に、複数回のコアへの攻撃により減じさせたコア耐久値の量が積算され、あるプレイヤの積算量が所定値に達した時点で、そのプレイヤに通常ポイントが与えられる。従って、通常ポイントが与えられるタイミングにおいて、特別ポイント加算の条件を満たしている場合(拮抗状態になって所定時間以上経過している状態でコアの耐久値を減らす攻撃に成功した場合)に、通常ポイントに加算されて特別ポイントが付与される。
【0044】
図6は、特別ポイントが付与されたことが表示されたコンピュータゲーム装置の画面例を示す図である。図6の画面中央下寄りに表示される「敵コアにダメージ」の横に、通常ポイント4ptに加えて特別ポイント3ptが加算された合計ポイント「+7pt」と表示され、さらにその横に特別ポイントが加算されたことを示す「BREAK」の文字が表示される。
【0045】
(6)特別ポイントがあるキャラクタ(プレイヤ)に加算された時点、又は拮抗状態が解除された時点で時間のカウントをリセットする。
【0046】
拮抗状態を判定するための時間カウントは、ゲーム開始から120秒経過後から、両コアの耐久値の差が所定値未満になった時点から開始される。両コアの耐久値の差は、ゲームの進行に伴って変動するため、その差が所定値以上となった時点で時間カウントはリセットされ、再度、両コアの耐久値の差が所定値未満になった時点から時間カウントが再開する。また、敵味方を問わずゲームに参加しているプレイヤのうちの一人が特別ポイントを獲得した時点でも時間カウントはリセットされる。
【0047】
(7)特別ポイントを加算した場合に、特別ポイントが加算されたプレイヤの位置から仮想空間内における所定範囲内に位置する自側プレイヤに、補助ポイントが付与される。あるキャラクタが特別ポイントを獲得した場合、仮想空間内においてその周囲にいる同一チームのキャラクタにも補助ポイントが付与される。本対戦ゲームは集団(チーム)同士の対戦であり、あるキャラクタに特別ポイントが付与された場合、その周囲の自側(味方)キャラクタの貢献・協力に対しても補助ポイントを付与する。周囲の味方キャラクタに付与される補助ポイントは、付与される特別ポイントに応じて決定され、例えば以下の通りである。
【0048】
・特別ポイント+3ポイント:補助ポイント+1ポイント
・特別ポイント+6ポイント:補助ポイント+2ポイント
・特別ポイント+9ポイント:補助ポイント+3ポイント
・特別ポイント+12ポイント:補助ポイント+4ポイント
・特別ポイント+15ポイント:補助ポイント+5ポイント
補助ポイントは、特別ポイントより小さい値であって、特別ポイントに連動して、拮抗状態が継続する時間に応じて変動する。また、補助ポイントが付与される味方キャラクタは、仮想空間の座標系において、特別ポイントが付与されたキャラクタを中心として例えば直径100mと設定された座標 の範囲内に位置するものとする。
【0049】
図7は、本実施の形態における対戦ゲームの拮抗状態判定処理及び特別ポイント付与処理について説明するフローチャートである。ゲームサーバ31は、ゲーム開始から所定の初期時間(例えば120秒)経過したかどうか判定し(S102)、初期時間経過している場合、両コアの耐久値の差を算出し、算出した差が、所定値(例えば、最大耐久値の10%)未満であるか判定する(S104)。そして、所定値未満である場合、時間カウントが行われているかどうか判定し(S106)、行われていない場合は、時間カウントを開始する(S108)。所定値以上である場合は、時間カウントが行われているかどうか判定し(S110)、行われている場合は、時間カウントをリセットする(S112)。
【0050】
両コアの耐久値の差が所定値未満である状態が継続している間、時間カウントが行われ、通常ポイントが付与されたかどうかが判定される(S114)。時間カウント中に通常ポイントが付与されると、その付与タイミングがS108の時間カウント開始から所定時間(例えば40秒)以上経過しているどうか判定される(S116)。拮抗状態の継続時間が所定時間未満である場合は、S104の処理に戻る。拮抗状態となって所定時間以上経過した場合は、上記(4)の記載に従って、通常ポイントを獲得するキャラクタに対して、その経過時間に応じた特別ポイントが通常ポイントに加算されて付与され、さらに、上記(7)の記載に従って、特別ポイントを獲得したキャラクタの所定範囲内にいる味方キャラクタに対して補助ポイントが付与される(S118)。S118の特別ポイント及びS120の補助ポイントが付与されると、時間カウントがリセットされ(S112)、S104の処理に戻る。
【0051】
このように、本実施の形態における対戦ゲームは、対戦ゲームの戦況が拮抗状態にあるか判定し、拮抗状態が検出されると、特典として特別ポイントを付与する処理が実行される。これにより、攻撃を行うモチベーションを高めることができ、より積極的な戦闘を促し、興奮度の高いゲームとなる。
【0052】
本実施の形態では、対戦の拮抗状態を表す対戦ゲームの戦況の優劣を表す値として、自チームのコアの耐久値と相手チームのコアの耐久値の差を用いる例について説明したが、戦況の優劣を表す値は、これに限られず、例えば、両耐久値の変動の時間当たりの変化が所定値未満の状態など、別の条件により定義されてもよい。また、自チームと相手チームのコアの耐久値の差ではなく、自チームのプレーヤキャラクタと相手チームのプレーヤキャラクタの撃墜数や、予めキャラクタ毎にコスト値を設定しておき、撃墜されたキャラクタのコスト値の合計の差であってもよく、これらの差を1つのパラメータとしてしきい値を境に増減させ、その値としきい値との差で拮抗状態か否かを判定するようにしても良い。さらに、拮抗状態を打破する行動、すなわち、優劣を表す値を変動させる攻撃行動は、耐久値を所定値分減らすことに限られず、例えば、コアに対する攻撃の回数(1回を含む)などで検出するようにしてもよい。
【0053】
また、本実施の形態では、ネットワークを介してサーバとゲーム装置が接続する形態のコンピュータシステムにおけるゲーム処理について説明したが、コンピュータシステムの他の形態にも本発明は適用可能である。例えば、複数のゲーム装置がマスターとスレーブの関係でネットワークを介して接続する場合、そのマスターのゲーム装置が、本発明のゲーム処理を実施してもよい。また、1台のゲーム装置に複数のコントローラが接続され、各コントローラを操作するプレイヤが攻撃チームと防衛チームに分かれて対戦する場合にも、本発明は適用可能であり、その場合、コンピュータシステムは単独のゲーム装置の形態をとる。
【符号の説明】
【0054】
12:ゲーム装置、14:ルータ、22:インターネット、30:サーバ、31:データベースサーバ、32:マッチングサーバ、33:ゲームサーバ、34:アクセスサーバ
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図7