(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
第1実施形態による半導体装置及び半導体装置の製造方法について
図1乃至
図10を用いて説明する。
図1は第1実施形態による半導体装置を示す図であり、
図2乃至
図4は第1実施形態による半導体装置の製造方法の第1の具体例を示す工程断面図であり、
図5乃至
図7は第1実施形態による半導体装置の第2の具体例を示す工程断面図であり、
図8乃至
図10は第1実施形態による半導体装置の第3の具体例を示す工程断面図である。
【0020】
(半導体装置)
本実施形態による半導体装置について
図1を用いて説明する。
【0021】
本実施形態の半導体装置は、チャネルにグラフェン膜を用いた薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)である。
【0022】
酸化膜付きシリコン基板10上に、グラフェン膜12が形成されている。
【0023】
酸化膜付きシリコン基板10は、例えば、約380μm厚のシリコン基板10a上に約90nm厚のシリコン酸化膜10bが形成されたものである。
【0024】
グラフェン膜12は、単層グラフェン(MLG:monlayer graphene)、又は、数層グラフェン(FLG: few layer graphene)により形成されている。グラフェン膜12の膜厚は、例えば、0.3nm〜5.0nmである。
【0025】
グラフェン膜12には、中央のチャネル領域12cの両側にソース領域12sとドレイン領域12dとが形成されている。
【0026】
ソース領域12s、ドレイン領域12dは、n型TFTでは、n型ドーパントである窒素等がドーピングされ、p型TFTでは、p型ドーパントであるボロン等がドーピングされている。また、ドーパントとしてはガス分子や有機分子を用いることもできる。
【0027】
グラフェン膜12の両端には、ソース領域12sとドレイン領域12dにそれぞれコンタクトするソース電極14とドレイン電極16とが形成されている。
【0028】
ソース電極14とドレイン電極16とは、例えば、約5nm厚のチタン膜上に、約20nm厚の金膜が積膜されたAu/Ti膜により形成されている。
【0029】
グラフェン膜12のチャネル領域12c上には、ゲート絶縁膜18を介してゲート電極20が形成されている。
【0030】
ゲート絶縁膜18は、例えば、約5nm厚のアルミナ(Al
2O
3)膜により形成されている。
【0031】
ゲート電極20は、例えば、約5nm厚のチタン膜上に、約20nm厚の金膜が積膜されたAu/Ti膜により形成されている。
【0032】
図1に示す構成のp型TFTとn型TFTとを用いてCMOS構造の半導体装置(図示せず)を形成することができる。
【0033】
(半導体装置の製造方法(第1の具体例))
本実施形態による半導体装置の製造方法の第1の具体例について
図2乃至
図4を用いて説明する。
【0034】
本具体例により製造される半導体装置は、チャネルに数層のグラフェンを用いた薄膜トランジスタである。
【0035】
まず、酸化膜付きシリコン基板10を用意する(
図2(a))。酸化膜付きシリコン基板10は、例えば、約380μm厚のシリコン基板10a上に約90nm厚のシリコン酸化膜10bが形成されたものである。
【0036】
次に、酸化膜付きシリコン基板10に、グラフェンの触媒となる金属により形成された触媒金属膜22を堆積する(
図2(a))。触媒金属膜22として、例えば、約200nm厚のコバルト膜を、スパッタリング法や、電子ビーム蒸着法等により、酸化膜付きシリコン基板10上に堆積する。
【0037】
次に、触媒金属膜22上に数層のグラフェン膜12を合成する(
図2(b))。例えば、熱CVD法により、1000℃にて、数層のグラフェン膜12を合成する。熱CVD法では、例えば、原料としてメタンガスを用い、希釈ガスとして水素及びアルゴンを用いる。アルゴンガスの流量は、例えば、4000sccmであり、水素の流量は、例えば、500sccmであり、メタンガスの流量は、例えば、50sccmである。総圧力は、例えば、500mbarである。
【0038】
次に、数層のグラフェン膜12を合成した後、窒素雰囲気中に試料を載置し、例えば、10
−2パスカル以下の圧力で、例えば、12時間以上、十分に脱気する。
【0039】
その後、酸化剤、例えば、無水の塩化鉄(FeCl
3)を用いた塩化鉄を含む酸化雰囲気中に、例えば、310℃の温度で、例えば、12時間から24時間の間、載置する(
図2(c)。
【0040】
これにより、塩化鉄により触媒金属膜22が除去されて、グラフェン膜12がシリコン基板10上に転写されると共に、塩化鉄の分子が数層のグラフェン膜12の膜中に入り込んでインターカレーションされ、ドーピングされる(
図2(c)、
図3(a))。この際、インターカレーションされた塩化鉄が不要であれば、真空中にて500℃程度で保持することによりインターカレーションされた塩化鉄を除去する。
【0041】
これにより、塩化鉄により触媒金属膜22が除去されて、グラフェン膜12がシリコン基板10上に転写されると共に、塩化鉄の分子が数層のグラフェン膜12の膜中に入り込んでインターカレーションされ、ドーピングされる(
図2(c)、
図3(a))。
【0042】
次に、グラフェン膜12を、製造するTFTのチャネル形状にパターニングする(
図3(b))。グラフェン膜12のパターニングは、例えば、フォトリソグラフィ(Photolithography)技術や、電子線リソグラフィ(Electron-beam lithography)技術を用いて行う。グラフェン膜12のパターニング形状としては、チャネルとして用いる場合には、チャネル幅が、例えば、0.5〜1000nmの範囲内であればよく、1.0〜20nmの範囲内であることが望ましい。グラフェン膜12を現像後に除去して加工するためにはアッシングや酸素中での加熱処理を実施する。
【0043】
グラフェン膜12を酸素プラズマによりアッシング除去する場合には、例えば、大気圧程度の酸素雰囲気中において、例えば、数分〜数10分の間、例えば、300W程度のプラズマ中に試料を載置する。また、同様に酸素プラズマを含むガスプラズマを用いてRIE(Reactive Ion Etching)によりグラフェン膜12を除去するようにしてもよい。
【0044】
グラフェン膜12を酸素雰囲気中で加熱処理により除去する場合には、例えば、1000パスカルの酸素雰囲気中において、例えば、500℃〜600℃程度の温度で、例えば、1分〜60分の間、試料を載置する。
【0045】
なお、酸素プラズマ処理や、加熱処理の前に、グラフェン膜12に付着した余分の塩化鉄や酸化鉄を、例えば、純水洗浄や除錆剤により、除去しておく。
【0046】
次に、不純物をドーピングして、中央のチャネル領域12cの両側にソース領域12sとドレイン領域12dを形成する(
図3(b))。
【0047】
n型TFTの場合には、n型ドーパントである窒素等をドーピングして、n型のソース領域12sとドレイン領域12dを形成する。p型TFTの場合には、p型ドーパントであるボロン等をドーピングして、p型のソース領域12sとドレイン領域12dを形成する。
【0048】
原子置換によるドーピングに加え、分子吸着や分子や原子のグラフェン層間へのインターカレーションによるドーピングを行うようにしてもよい。例えば、p型ド―パント分子としては、例えば、9,10-dibromoanthracene (An-Br)、n型ド―パント分子としては、例えば、1,5-naphthalenediamine (Na-NH2)がある。
【0049】
次に、全面に、例えば、電子ビーム蒸着法により、Au/Ti膜(図示せず)を形成する。例えば、電子ビーム蒸着法により、例えば、約5nm厚のチタン膜を形成し、チタン膜上に、約20nm厚の金膜を積膜する。
【0050】
次に、Au/Ti膜を、例えば、フォトリソグラフィ技術により、パターニングして、ソース領域12sとドレイン領域12dにそれぞれコンタクトするソース電極14とドレイン電極16を形成する(
図3(c))。
【0051】
次に、全面に、例えば、原子層堆積(ALD:Atomic layer deposition)法により、絶縁膜18を堆積する(
図4(a))。絶縁膜18は、例えば、約5nm厚のアルミナ(Al
2O
3)を用いる。
【0052】
次に、全面に、例えば、電子ビーム蒸着法により、Au/Ti膜(図示せず)を形成する。例えば、電子ビーム蒸着法により、例えば、約5nm厚のチタン膜を形成し、チタン膜上に、約20nm厚の金膜を積膜する。
【0053】
次に、Au/Ti膜を、例えば、フォトリソグラフィ技術により、パターニングして、ゲート電極20を形成する(
図4(b))。
【0054】
以上のようにして、チャネルに数層のグラフェン膜を用いた薄膜トランジスタを製造する。
【0055】
(半導体装置の製造方法(第2の具体例))
本実施形態による半導体装置の製造方法の第2の具体例について
図5乃至
図7を用いて説明する。なお、
図2乃至
図4に示す第1の具体例と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略又は簡略にする。
【0056】
本具体例により製造される半導体装置は、チャネルに単層グラフェン(MLG:monlayer graphene)、又は、数層グラフェン(FLG: few layer graphene)を用いた薄膜トランジスタである。
【0057】
まず、酸化膜付きシリコン基板10を用意する(
図5(a))。
【0058】
次に、酸化膜付きシリコン基板10に、グラフェンの触媒となる金属により形成された触媒金属膜22を堆積する(
図5(a))。触媒金属膜22として、例えば、約500nm厚の鉄膜を、スパッタリング法や、電子ビーム蒸着法等により、酸化膜付きシリコン基板10上に堆積する。
【0059】
次に、触媒金属膜22上に単層又は数層のグラフェン膜12を合成する(
図5(b))。例えば、熱CVD法により、650℃にて、単層又は数層のグラフェン膜12を合成する。
【0060】
単層のグラフェン膜12を合成する場合には、熱CVD法で、例えば、原料ガスとしてアセチレンとアルゴンの混合ガス(アセチレン10%)を用い、更に希釈ガスとしてアルゴンを用いる。原料ガスと希釈ガスの流量比は、例えば、1000対0.02である。
【0061】
数層のグラフェン膜12を合成する場合には、熱CVD法で、例えば、原料ガスとしてアセチレンとアルゴンの混合ガス(アセチレン10%)を用い、更に希釈ガスとしてアルゴンを用いる。原料ガスと希釈ガスの流量比は、例えば、1000対0.5である。
【0062】
次に、単層又は数層のグラフェン膜12を合成した後、窒素雰囲気中に試料を載置し、例えば、10
−2パスカル以下の圧力で、例えば、12時間以上、十分に脱気する。
【0063】
その後、酸化剤、例えば、無水の塩化鉄(FeCl
3)を用いた塩化鉄を含む酸化雰囲気中に、例えば、310℃の温度で、例えば、6時間から24時間の間、載置する(
図5(c)。
【0064】
これにより、塩化鉄により触媒金属膜22が除去されて、グラフェン膜12がシリコン基板10上に転写されると共に、塩化鉄の分子が数層のグラフェン膜12の膜中に入り込んでインターカレーションされ、ドーピングされる(
図5(c)、
図6(a))。
【0065】
なお、塩化鉄分子によるインターカレーションが不要である場合は真空中で400℃以上の加熱処理によりドーピング材料を除去する。
【0066】
次に、グラフェン膜12を、製造するTFTのチャネル形状にパターニングする(
図6(b))。グラフェン膜12のパターニングは、例えば、フォトリソグラフィ技術や、電子線リソグラフィ技術を用いて行う。
【0067】
グラフェン膜12を、例えば、酸素プラズマ処理や、加熱処理により除去することによりパターニングする。
【0068】
なお、酸素プラズマ処理や、加熱処理の前に、グラフェン膜12に付着した余分の塩化鉄や酸化鉄を、例えば、純水洗浄や除錆剤により、除去しておく。
【0069】
次に、不純物をドーピングして、中央のチャネル領域12cの両側にソース領域12sとドレイン領域12dを形成する(
図6(b))。
【0070】
次に、全面に、例えば、電子ビーム蒸着法により、Au/Ti膜(図示せず)を形成する。
【0071】
次に、Au/Ti膜を、例えば、フォトリソグラフィ技術により、パターニングして、ソース領域12sとドレイン領域12dにそれぞれコンタクトするソース電極14とドレイン電極16を形成する(
図6(c))。
【0072】
次に、全面に、絶縁膜18を、例えば、原子層堆積(ALD:Atomic layer deposition)法により堆積する(
図7(a))。絶縁膜18は、例えば、約5nm厚のアルミナ(Al
2O
3)を用いる。
【0073】
次に、全面に、例えば、電子ビーム蒸着法により、Au/Ti膜(図示せず)を形成する。
【0074】
次に、Au/Ti膜を、例えば、フォトリソグラフィ技術により、パターニングして、ゲート電極20を形成する(
図7(b))。
【0075】
以上のようにして、チャネルに単層グラフェン膜又は数層グラフェン膜を用いた薄膜トランジスタを製造する。
【0076】
(半導体装置の製造方法(第3の具体例))
本実施形態による半導体装置の製造方法の第3の具体例について
図8乃至
図10を用いて説明する。なお、
図2乃至
図4に示す第1の具体例と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略又は簡略にする。
【0077】
第1の具体例及び第2の具体例では、グラフェン膜のインターカレーションと触媒金属膜の除去を同時に行ったが、本具体例では、グラフェン膜のインターカレーションと触媒金属膜の除去を別工程で行う。
【0078】
まず、酸化膜付きシリコン基板10を用意する(
図8(a))。
【0079】
次に、酸化膜付きシリコン基板10に、グラフェンの触媒となる金属により形成された触媒金属膜22を堆積する(
図8(a))。触媒金属膜22として、例えば、約500nm厚の鉄膜を、スパッタリング法や、電子ビーム蒸着法等により、酸化膜付きシリコン基板10上に堆積する。
【0080】
次に、触媒金属膜22上に数層のグラフェン膜12を合成する(
図8(b))。例えば、熱CVD法により、1000℃にて、数層のグラフェン膜12を合成する。
【0081】
次に、数層のグラフェン膜12を合成した後、窒素雰囲気中に試料を載置し、例えば、10
−2パスカル以下の圧力で、例えば、12時間以上、十分に脱気する。
【0082】
その後、例えば、無水のヨウ素(I)を用いたヨウ素を含む雰囲気中に、例えば、100℃の温度で、例えば、12時間から24時間の間、載置する(
図8(c)。
【0083】
これにより、ヨウ素の分子が数層のグラフェン膜12の膜中に入り込んでインターカレーションされ、ドーピングされる(
図8(c)、
図9(a))。
【0084】
次に、酸化剤、例えば、無水の塩化鉄(FeCl
3)を用いた塩化鉄を含む酸化雰囲気中に、例えば、310℃の温度で、例えば、6時間から24時間の間、載置する(
図9(b))。
【0085】
これにより、塩化鉄により触媒金属膜22が除去されて、グラフェン膜12がシリコン基板10上に転写される(
図9(c))。
【0086】
次に、グラフェン膜12を、製造するTFTのチャネル形状にパターニングする(
図10(a))。グラフェン膜12のパターニングは、例えば、フォトリソグラフィ技術や、電子線リソグラフィ技術を用いて行う。
【0087】
グラフェン膜12を、例えば、酸素プラズマ処理や、加熱処理により除去することによりパターニングする。
【0088】
なお、酸素プラズマ処理や、加熱処理の前に、グラフェン膜12に付着した余分の塩化鉄や酸化鉄を、例えば、純水洗浄や除錆剤により、除去しておく。
【0089】
次に、不純物をドーピングして、中央のチャネル領域12cの両側にソース領域12sとドレイン領域12dを形成する(
図10(a))。
【0090】
次に、全面に、例えば、電子ビーム蒸着法により、Au/Ti膜(図示せず)を形成する。
【0091】
次に、Au/Ti膜を、例えば、フォトリソグラフィ技術により、パターニングして、ソース領域12sとドレイン領域12dにそれぞれコンタクトするソース電極14とドレイン電極16を形成する(
図10(b))。
【0092】
次に、全面に、絶縁膜18を堆積する(
図10(c))。絶縁膜18は、例えば、約5nm厚のアルミナ(Al
2O
3)を用いる。
【0093】
次に、全面に、例えば、電子ビーム蒸着法により、Au/Ti膜(図示せず)を形成する。
【0094】
次に、Au/Ti膜を、例えば、フォトリソグラフィ技術により、パターニングして、ゲート電極20を形成する(
図10(c))。
【0095】
以上のようにして、グラフェン膜のインターカレーションと触媒金属膜の除去を別工程で行うことにより、チャネルに数層グラフェン膜を用いた薄膜トランジスタを製造する。
【0096】
このように、本具体例では、グラフェン膜のインターカレーションと触媒金属膜の除去を別工程で行うようにしたので、グラフェン膜12のインターカレーションと触媒金属膜22の除去をそれぞれ最適な条件により行うことができる。
【0097】
なお、本具体例では、グラフェン膜のインターカレーションを先に行い、その後に触媒金属膜の除去を行ったが、触媒金属膜の除去を先に行い、その後にグラフェン膜のインターカレーションを行ってもよい。
【0098】
なお、チャネルに単層グラフェン又は数層グラフェンを用いた薄膜トランジスタについても、同様にして、グラフェン膜のインターカレーションと触媒金属膜の除去を別工程で行うことにより製造するようにしてもよい。
【0099】
[第2実施形態]
第2実施形態による半導体装置及び半導体装置の製造方法について
図11乃至
図20を用いて説明する。
図11は第2実施形態による半導体装置を示す図であり、
図12乃至
図14は第2実施形態による半導体装置の製造方法の第1の具体例を示す工程断面図であり、
図15乃至
図17は第2実施形態による半導体装置の第2の具体例を示す工程断面図であり、
図18乃至
図20は第2実施形態による半導体装置の第3の具体例を示す工程断面図であり、
図21乃至
図23は第2実施形態による半導体装置の第4の具体例を示す工程断面図である。
【0100】
(半導体装置)
本実施形態による半導体装置について
図11を用いて説明する。
【0101】
本実施形態の半導体装置は、チャネルにグラフェン膜を用いた透明な薄膜トランジスタである。
【0102】
透明基板30上に、単層又は2層のグラフェン膜32が形成されている。
【0103】
透明基板30は、例えば、約300μm厚のサファイア基板や、約300μm厚のガラス基板である。
【0104】
グラフェン膜32は、単層グラフェン(MLG:monlayer graphene)、又は、2層グラフェン(BLG:bilayer graphene)により形成されている。グラフェン膜32の膜厚は、例えば、0.3nm〜5.0nmである。
【0105】
グラフェン膜32には、中央のチャネル領域32cの両側にソース領域32sとドレイン領域32dとが形成されている。
【0106】
ソース領域32s、ドレイン領域32dは、n型TFTでは、n型ドーパントである窒素等がドーピングされ、p型TFTでは、p型ドーパントであるボラン等がドーピングされている。
【0107】
グラフェン膜32の両端には、ソース領域32sとドレイン領域32dにそれぞれコンタクトする透明なソース電極34とドレイン電極36とが形成されている。
【0108】
グラフェン膜32のチャネル領域32c上には、透明なゲート絶縁膜38を介して透明なゲート電極40が形成されている。
【0109】
透明なソース電極34、ドレイン電極36、ゲート電極40は、例えば、約20nm厚のITO(酸化インジウムスズ:Indium Tin Oxide)により形成されている。
【0110】
透明なゲート絶縁膜38は、例えば、約5nm厚のシリカ(二酸化ケイ素)により形成されている。
【0111】
図11に示す構成のp型TFTとn型TFTとを用いて、CMOS構造の薄型の半導体装置(図示せず)を形成することができる。
【0112】
(半導体装置の製造方法(第1の具体例))
本実施形態による半導体装置の製造方法の第1の具体例について
図12乃至
図14を用いて説明する。
【0113】
本具体例により製造される半導体装置は、チャネルに単層のグラフェン膜を用いた透明な薄膜トランジスタである。
【0114】
まず、透明基板30を用意する(
図12(a))。透明基板30は、例えば、約300μm厚のサファイア基板である。
【0115】
次に、透明基板30に、グラフェンの触媒となる金属により形成された触媒金属膜42を堆積する(
図12(a))。触媒金属膜22として、例えば、約1000nm厚の銅膜を、スパッタリング法や、電子ビーム蒸着法等により、透明基板30上に堆積する。
【0116】
次に、触媒金属膜42上に単層のグラフェン膜32を合成する(
図12(b))。
【0117】
例えば、熱CVD法により、1000℃にて、単層のグラフェン膜32を合成する。熱CVD法では、例えば、原料としてメタンガスを用い、希釈ガスとして水素及びアルゴンを用いる。アルゴンガスの流量は、例えば、4000sccmであり、水素の流量は、例えば、100sccmであり、メタンガスの流量は、例えば、1sccmである。総圧力は、例えば、500mbarである。
【0118】
次に、単層のグラフェン膜32を合成した後、窒素雰囲気中に試料を載置し、例えば、10
−2パスカル以下の圧力で、例えば、12時間以上、十分に脱気する。
【0119】
その後、酸化剤、例えば、無水の塩化鉄(FeCl
3)を用いた塩化鉄を含む酸化雰囲気中に、例えば、310℃の温度で、例えば、6時間から24時間の間、載置する(
図12(c)。
【0120】
これにより、塩化鉄により触媒金属膜42が除去されて、グラフェン膜32が透明基板30上に転写される(
図13(a))。単層のグラフェン膜32であるのでインターカレーションされない。
【0121】
次に、グラフェン膜32を、製造するTFTのチャネル形状にパターニングする(
図13(b))。グラフェン膜32のパターニングは、例えば、フォトリソグラフィ技術や、電子線リソグラフィ技術を用いて行う。グラフェン膜32のパターニング形状としては、チャネルとして用いる場合には、チャネル幅が、例えば、0.5〜3000nmの範囲内であればよく、3.0〜20nmの範囲内であることが望ましい。
【0122】
次に、不純物をドーピングして、中央のチャネル領域32cの両側にソース領域32sとドレイン領域32dを形成する(
図13(b))。
【0123】
n型TFTの場合には、n型ドーパントである窒素等をドーピングして、n型のソース領域32sとドレイン領域32dを形成する。p型TFTの場合には、p型ドーパントであるボロン等をドーピングして、p型のソース領域32sとドレイン領域32dを形成する。
【0124】
次に、全面に、例えば、スパッタリング法により、ITO(酸化インジウムスズ:Indium Tin Oxide)膜(図示せず)を形成する。
【0125】
次に、ITO膜を、例えば、フォトリソグラフィ技術により、パターニングして、ソース領域32sとドレイン領域32dにそれぞれコンタクトする透明なソース電極34とドレイン電極36を形成する(
図13(c))。
【0126】
次に、全面に、例えば、スピンコート等による塗布により、透明な絶縁膜38を堆積する(
図14(a))。絶縁膜38は、例えば、約5nm厚のシリカ(二酸化ケイ素)を用いる。
【0127】
次に、全面に、例えば、スパッタリング法により、ITO(酸化インジウムスズ:Indium Tin Oxide)膜(図示せず)を形成する。
【0128】
次に、ITO膜を、例えば、フォトリソグラフィ技術により、パターニングして、ゲート電極40を形成する(
図14(b))。
【0129】
以上のようにして、チャネルに単層のグラフェン膜を用いた透明な薄膜トランジスタを製造する。
【0130】
(半導体装置の製造方法(第2の具体例))
本実施形態による半導体装置の製造方法の第2の具体例について
図15乃至
図17を用いて説明する。
【0131】
本具体例により製造される半導体装置は、チャネルに2層のグラフェン膜を用いた透明な薄膜トランジスタである。
【0132】
まず、金属ホイル(箔)44を用意する(
図15(a))。金属ホイル44は、例えば、約25μm厚の純度99.99%程度の銅ホイルである。
【0133】
次に、金属ホイル44の両面に単層のグラフェン膜32a、32bを合成する(
図15(b))。
【0134】
例えば、熱CVD法により、1000℃にて、単層のグラフェン膜32a、32bを合成する。熱CVD法では、例えば、原料としてメタンガスを用い、希釈ガスとして水素及びアルゴンを用いる。アルゴンガスの流量は、例えば、1000sccmであり、水素の流量は、例えば、100sccmであり、メタンガスの流量は、例えば、0.5sccmである。
【0135】
次に、単層のグラフェン膜32a、32bを合成した後、試料を透明基板30上に載置し、例えば、10
−2パスカル以下の圧力で、例えば、12時間以上、十分に脱気する(
図15(c))。
【0136】
その後、酸化剤、例えば、無水の塩化鉄(FeCl
3)を用いた塩化鉄を含む酸化雰囲気中に、例えば、310℃の温度で、例えば、6時間から24時間の間、載置する(
図15(c)。
【0137】
これにより、塩化鉄により金属ホイル44が除去されて、単層のグラフェン膜32a、32bからなる2層のグラフェン膜32が透明基板30上に転写される(
図16(a))。
【0138】
この際、塩化鉄がインターカレーションされる場合があるため、必要であれば真空中にて500℃程度で保持することによりインターカレーションされた塩化鉄を除去する。
【0139】
次に、グラフェン膜32を、製造するTFTのチャネル形状にパターニングする(
図16(b))。グラフェン膜32のパターニングは、例えば、フォトリソグラフィ技術や、電子線リソグラフィ技術を用いて行う。
【0140】
次に、不純物をドーピングして、中央のチャネル領域32cの両側にソース領域32sとドレイン領域32dを形成する(
図16(b))。
【0141】
n型TFTの場合には、n型ドーパントである窒素等をドーピングして、n型のソース領域32sとドレイン領域32dを形成する。p型TFTの場合には、p型ドーパントであるボロン等をドーピングして、p型のソース領域32sとドレイン領域32dを形成する。
【0142】
次に、全面に、例えば、スパッタリング法により、ITO(酸化インジウムスズ:Indium Tin Oxide)膜(図示せず)を形成する。
【0143】
次に、ITO膜を、例えば、フォトリソグラフィ技術により、パターニングして、ソース領域32sとドレイン領域32dにそれぞれコンタクトする透明なソース電極34とドレイン電極36を形成する(
図13(c))。
【0144】
次に、全面に、例えば、スピンコート等による塗布により、透明な絶縁膜38を堆積する(
図14(a))。絶縁膜38は、例えば、約5nm厚のシリカ(二酸化ケイ素)を用いる。
【0145】
次に、全面に、例えば、スピンコート等による塗布により、ITO(酸化インジウムスズ:Indium Tin Oxide)膜(図示せず)を形成する。
【0146】
次に、ITO膜を、例えば、フォトリソグラフィ技術により、パターニングして、ゲート電極40を形成する(
図14(b))。
【0147】
以上のようにして、チャネルに2層のグラフェン膜を用いた透明な薄膜トランジスタを製造する。
【0148】
(半導体装置の製造方法(第3の具体例))
本実施形態による半導体装置の製造方法の第3の具体例について
図18乃至
図20を用いて説明する。
【0149】
本具体例により製造される半導体装置は、チャネルに単層のグラフェン膜を用いた透明な薄膜トランジスタである。
【0150】
まず、金属ホイル(箔)44を用意する(
図18(a))。金属ホイル44は、例えば、約25μm厚の純度99.99%程度の銅ホイルである。
【0151】
次に、金属ホイル44の両面に単層のグラフェン膜(図示せず)を合成し、その後、一方の面に形成されたグラフェン膜(図示せず)を除去して、金属ホイル44の片面に単層のグラフェン膜32が形成された状態とする(
図18(b))。
【0152】
一方の面に形成されたグラフェン膜を除去するためには、他方の面に形成されたグラフェン膜をレジスト等の保護膜で覆った後、アッシング、酸素プラズマ等を用いたRIE、又は大気を含む酸素雰囲気中での加熱によりグラフェン膜を除去する。その後、レジスト等の保護膜を取り除く。
【0153】
次に、単層のグラフェン膜32を合成した後、試料を透明基板30上に載置し、例えば、10
−2パスカル以下の圧力で、例えば、12時間以上、十分に脱気する(
図18(c))。
【0154】
その後、酸化剤、例えば、無水の塩化鉄(FeCl
3)を用いた塩化鉄を含む酸化雰囲気中に、例えば、310℃の温度で、例えば、6時間から24時間の間、載置する(
図18(c)。
【0155】
これにより、塩化鉄により金属ホイル44が除去されて、単層のグラフェン膜32が透明基板30上に転写される(
図19(a))。
【0156】
次に、グラフェン膜32を、製造するTFTのチャネル形状にパターニングする(
図19(b))。グラフェン膜32のパターニングは、例えば、フォトリソグラフィ技術や、電子線リソグラフィ技術を用いて行う。
【0157】
次に、不純物をドーピングして、中央のチャネル領域32cの両側にソース領域32sとドレイン領域32dを形成する(
図19(b))。
【0158】
n型TFTの場合には、n型ドーパントである窒素等をドーピングして、n型のソース領域32sとドレイン領域32dを形成する。p型TFTの場合には、p型ドーパントであるボロン等をドーピングして、p型のソース領域32sとドレイン領域32dを形成する。
【0159】
次に、全面に、例えば、スパッタリング法により、ITO(酸化インジウムスズ:Indium Tin Oxide)膜(図示せず)を形成する。
【0160】
次に、ITO膜を、例えば、フォトリソグラフィ技術により、パターニングして、ソース領域32sとドレイン領域32dにそれぞれコンタクトする透明なソース電極34とドレイン電極36を形成する(
図19(c))。
【0161】
次に、全面に、例えば、スピンコート等による塗布により、透明な絶縁膜38を堆積する(
図20(a))。絶縁膜38は、例えば、約5nm厚のシリカ(二酸化ケイ素)を用いる。
【0162】
次に、全面に、例えば、スパッタリング法により、ITO(酸化インジウムスズ:Indium Tin Oxide)膜(図示せず)を形成する。
【0163】
次に、ITO膜を、例えば、フォトリソグラフィ技術により、パターニングして、ゲート電極40を形成する(
図20(b))。
【0164】
以上のようにして、チャネルに単層のグラフェン膜を用いた透明な薄膜トランジスタを製造する。
【0165】
(半導体装置の製造方法(第4の具体例))
本実施形態による半導体装置の製造方法の第4の具体例について
図21乃至
図23を用いて説明する。
【0166】
本具体例により製造される半導体装置は、一旦、酸化膜付きシリコン基板上にグラフェン膜を形成し、その後、そのグラフェン膜を透明基板に転写して形成した、チャネルにグラフェン膜を用いた透明な薄膜トランジスタである。
【0167】
まず、酸化膜付きシリコン基板46を用意する(
図21(a))。酸化膜付きシリコン基板46は、例えば、約300μm厚のシリコン基板46a上に約90nm厚のシリコン酸化膜46bが形成されたものである。
【0168】
次に、酸化膜付きシリコン基板46に、グラフェンの触媒となる金属により形成された触媒金属膜48を堆積する(
図21(a))。触媒金属膜48として、例えば、約500nm厚のコバルト膜を、スパッタリング法や、電子ビーム蒸着法等により、酸化膜付きシリコン基板46上に堆積する。
【0169】
次に、触媒金属膜48上に多層のグラフェン膜32を合成する(
図21(b))。例えば、熱CVD法により、1000℃にて、多層のグラフェン膜32を合成する。
【0170】
次に、多層のグラフェン膜32を合成した後、窒素雰囲気中に試料を載置し、例えば、10
−2パスカル以下の圧力で、例えば、12時間以上、十分に脱気する。
【0171】
その後、酸化剤、例えば、無水の塩化鉄(FeCl
3)を用いた塩化鉄を含む酸化雰囲気中に、例えば、310℃の温度で、例えば、12時間から24時間の間、載置する(
図5(c)。
【0172】
これにより、塩化鉄により触媒金属膜48が除去されて、グラフェン膜32がシリコン基板46上に転写されると共に、塩化鉄の分子が数層のグラフェン膜32の膜中に入り込んでインターカレーションされ、ドーピングされる(
図21(c)、
図22(a))。
【0173】
次に、透明基板30上に、グラフェン膜32が形成されたシリコン基板46を載置する(
図22(b))。
【0174】
その後、その後、酸化剤、例えば、無水の塩化銅(CuCl
3)を用いた塩化銅を含む酸化雰囲気中に、例えば、85℃の温度で、例えば、6時間から24時間の間、載置する(
図22(b))。
【0175】
これにより、塩化銅によりシリコン基板46が除去されて、グラフェン膜32が透明基板30上に転写される(
図22(b)、
図22(c))。この際、インターカレーションされた塩化鉄並びに塩化銅が不要であれば、真空中にて500℃程度で保持することによりインターカレーションされた塩化鉄を除去する。
【0176】
次に、グラフェン膜32を、製造するTFTのチャネル形状にパターニングする(
図23(a))。グラフェン膜32のパターニングは、例えば、フォトリソグラフィ技術や、電子線リソグラフィ技術を用いて行う。
【0177】
次に、不純物をドーピングして、中央のチャネル領域32cの両側にソース領域32sとドレイン領域32dを形成する(
図23(a))。
【0178】
n型TFTの場合には、n型ドーパントである窒素等をドーピングして、n型のソース領域32sとドレイン領域32dを形成する。p型TFTの場合には、p型ドーパントであるボロン等をドーピングして、p型のソース領域32sとドレイン領域32dを形成する。
【0179】
次に、全面に、例えば、スパッタリング法により、ITO(酸化インジウムスズ:Indium Tin Oxide)膜(図示せず)を形成する。
【0180】
次に、ITO膜を、例えば、フォトリソグラフィ技術により、パターニングして、ソース領域32sとドレイン領域32dにそれぞれコンタクトする透明なソース電極34とドレイン電極36を形成する(
図23(b))。
【0181】
次に、全面に、例えば、スピンコート等による塗布により、透明な絶縁膜38を堆積する(
図23(a))。絶縁膜38は、例えば、約___nm厚のシリカ(二酸化ケイ素)を用いる。
【0182】
次に、全面に、例えば、スパッタリング法により、ITO(酸化インジウムスズ:Indium Tin Oxide)膜(図示せず)を形成する。
【0183】
次に、ITO膜を、例えば、フォトリソグラフィ技術により、パターニングして、ゲート電極40を形成する(
図23(c))。
【0184】
以上のようにして、チャネルに多層のグラフェン膜を用いた透明な薄膜トランジスタを製造する。
【0185】
[第3実施形態]
第3実施形態による半導体装置及び半導体装置の製造方法について
図24乃至
図26を用いて説明する。
図24は第3実施形態による半導体装置を示す図であり、
図25及び
図26は第3実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0186】
(半導体装置)
本実施形態による半導体装置について
図24を用いて説明する。
【0187】
本実施形態の半導体装置は、電極及び配線にグラフェン膜を用いた透明な薄膜トランジスタである。
【0188】
透明基板50上に透明な半導体膜52が形成されている。透明基板50は、例えば、約300μm厚のガラス基板である。透明な半導体膜52は、例えば、約50nm厚の酸化亜鉛(ZnO)等の酸化物半導体である。
【0189】
半導体膜52には、中央のチャネル領域52cの両側にソース領域52sとドレイン領域52dとが形成されている。
【0190】
ソース領域52s、ドレイン領域52dは、n型TFTでは、n型ドーパントである窒素等がドーピングされ、p型TFTでは、p型ドーパントであるボラン等がドーピングされている。
【0191】
半導体膜52上に透明な絶縁膜58が形成されている。透明な絶縁膜58は、例えば、約5nm厚のシリカ(二酸化ケイ素)である。
【0192】
半導体膜52の両端には、ソース領域52sとドレイン領域52dにそれぞれコンタクトする透明なソース電極54とドレイン電極56とが形成されている。
【0193】
半導体膜52のチャネル領域52c上には、透明な絶縁膜58を介して透明なゲート電極60が形成されている。
【0194】
透明なソース電極54、ドレイン電極56、ゲート電極60は、多層のグラフェン膜により形成されている。これらソース電極54、ドレイン電極56、ゲート電極60は、それぞれ、電極(図示せず)に接続されている。
【0195】
図24に示す構成のp型TFTとn型TFTとを用いて、CMOS構造の薄型の半導体装置(図示せず)を形成することができる。
【0196】
(半導体装置の製造方法)
本実施形態による半導体装置の製造方法について
図25及び
図26を用いて説明する。
【0197】
まず、金属ホイル(箔)62を用意する(
図25(a))。金属ホイル62は、例えば、約1μm厚の純度99%程度のニッケルホイルである。
【0198】
次に、金属ホイル62の両面に多層のグラフェン膜64a、64bを合成する(
図25(b))。
【0199】
例えば、熱CVD法により、1000℃にて、金属ホイル62の両面に多層のグラフェン膜64a、64bを合成する。熱CVD法では、例えば、原料としてメタンガスを用い、希釈ガスとして水素及びアルゴンを用いる。アルゴンガスの流量は、例えば、4000sccmであり、水素の流量は、例えば、500sccmであり、メタンガスの流量は、例えば、50sccmである。
【0200】
次に、別途用意された、透明な半導体膜52と透明な絶縁膜58が形成された透明基板50上に、金属ホイル62の両面に形成された多層のグラフェン膜64a、64bを載置し、例えば、10
−2パスカル以下の圧力で、例えば、12時間以上、十分に脱気する(
図25(c))。
【0201】
その後、酸化剤、例えば、無水の塩化鉄(FeCl3)を用いた塩化鉄を含む酸化雰囲気中に、例えば、310℃の温度で、例えば、6時間から24時間の間、載置する(
図25(c)。
【0202】
これにより、塩化鉄により金属ホイル62が除去されて、多層のグラフェン膜64a、64bからなるグラフェン膜64が透明基板30上に転写されると共に、塩化鉄の分子が多層のグラフェン膜64a、64bの膜中に入り込んでインターカレーションされる(
図26(a))。
【0203】
次に、多層のグラフェン膜64a、64bをパターニングして、ソース電極54、ドレイン電極56、ゲート電極60を形成する。
【0204】
[第4実施形態]
第4実施形態による半導体装置及び半導体装置の製造方法について
図27乃至
図29を用いて説明する。
図27は第4実施形態による半導体装置を示す図であり、
図28及び
図29は第4実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0205】
(半導体装置)
本実施形態による半導体装置について
図27を用いて説明する。
【0206】
本実施形態の半導体装置は、チャネルに単層ないし数層のグラフェン膜を用いると共に、ソース電極やドレイン電極等の配線に多層のグラフェン膜を用いた薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)である。
【0207】
酸化膜付きシリコン基板10上に、グラフェン膜12が形成されている。
【0208】
酸化膜付きシリコン基板10は、例えば、約380μm厚のシリコン基板10a上に約90nm厚のシリコン酸化膜10bが形成されたものである。
【0209】
グラフェン膜12は、単層グラフェン又は数層グラフェンにより形成されている。グラフェン膜12の膜厚は、例えば、0.3nm〜5.0nmである。
【0210】
グラフェン膜12には、中央のチャネル領域12cの両側にソース領域12sとドレイン領域12dとが形成されている。
【0211】
ソース領域12s、ドレイン領域12dは、n型TFTでは、n型ドーパントである窒素等がドーピングされ、p型TFTでは、p型ドーパントであるボロン等がドーピングされている。
【0212】
グラフェン膜12の両端には、ソース領域12sとドレイン領域12dにそれぞれコンタクトするソース電極70とドレイン電極72とが形成されている。
【0213】
ソース電極70とドレイン電極72とは、多層のグラフェン膜により形成されている。多層のグラフェン膜により形成されたソース電極70とドレイン電極72の膜厚は、例えば、0.9nm〜50nmである。
【0214】
グラフェン膜12のチャネル領域12c上には、ゲート絶縁膜74を介してゲート電極76が形成されている。
【0215】
ゲート絶縁膜74は、例えば、原子層堆積(ALD:Atomic layer deposition)法により堆積した約5nm厚のアルミナ(Al
2O
3)膜により形成されている。
【0216】
ゲート電極76は、例えば、約5nm厚のチタン膜上に、約20nm厚の金膜が積膜されたAu/Ti膜により形成されている。
【0217】
なお、ゲート電極76は、ソース電極70、ドレイン電極72と同様に多層グラフェン膜により形成するようにしてもよい。
【0218】
図27に示す構成のp型TFTとn型TFTとを用いてCMOS構造の半導体装置(図示せず)を形成することができる。
【0219】
(半導体装置の製造方法)
本実施形態による半導体装置の製造方法について
図28及び
図29を用いて説明する。
【0220】
まず、例えば、第1実施形態による半導体装置の製造方法の第2の具体例における
図5(a)、(b)、(c)、
図6(a)、(b)と同様の工程により、酸化膜付きシリコン基板10上に、単層グラフェン又は数層グラフェンのグラフェン膜12を形成し、グラフェン膜12にチャネル領域12cとソース領域12sとドレイン領域12dを形成する(
図28(a))。
【0221】
一方、例えば、第3実施形態による半導体装置の製造方法における
図25(a)、(b)と同様の工程により、金属ホイル62の両面に多層のグラフェン膜64a、64bを合成する(
図28(b))。
【0222】
次に、
図28(a)に示す、グラフェン膜12が形成されたシリコン基板10上に、
図28(b)に示す、グラフェン膜64a、64bが形成された金属ホイル62を載置し、例えば、10
−2パスカル以下の圧力で、例えば、12時間以上、十分に脱気する(
図28(c))。
【0223】
次に、酸化剤、例えば、無水の塩化鉄(FeCl
3)を用いた塩化鉄を含む酸化雰囲気中に、例えば、310℃の温度で、例えば、6時間から24時間の間、載置する(
図28(c)。
【0224】
これにより、塩化鉄により金属ホイル62が除去されて、多層のグラフェン膜64a、64bからなるグラフェン膜64がシリコン基板10上に転写されると共に、塩化鉄の分子が多層のグラフェン膜64a、64bの膜中に入り込んでインターカレーションされる(
図29(a))。
【0225】
次に、多層のグラフェン膜64a、64bをパターニングして、ソース領域12sとドレイン領域12dにそれぞれコンタクトするソース電極70とドレイン電極72とを形成すると共に、チャネル領域12cを含む領域を開口する(
図29(b))。
【0226】
次に、全面にゲート絶縁膜74を形成する(
図29(c))。ゲート絶縁膜74は、例えば、約5nm厚のアルミナ(Al
2O
3)膜により形成されている。
【0227】
次に、チャネル領域12c上にゲート絶縁膜74を介してゲート電極76を形成する。ゲート電極74は、例えば、約5nm厚のチタン膜上に、約20nm厚の金膜が積膜されたAu/Ti膜により形成されている。
【0228】
[第5実施形態]
第5実施形態による半導体装置及び半導体装置の製造方法について
図30乃至
図31を用いて説明する。
図30は第5実施形態による半導体装置を示す図であり、
図31及び
図32は第5実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0229】
(半導体装置)
本実施形態による半導体装置について
図30を用いて説明する。
【0230】
本実施形態の半導体装置は、チャネルに単層ないし数層のグラフェン膜を用いると共に、ソース電極やドレイン電極としてカーボンナノチューブを用いた薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)である。
【0231】
酸化膜付きシリコン基板10上に、グラフェン膜12が形成されている。
【0232】
酸化膜付きシリコン基板10は、例えば、約380μm厚のシリコン基板10a上に約90nm厚のシリコン酸化膜10bが形成されたものである。
【0233】
グラフェン膜12は、単層グラフェン又は数層グラフェンにより形成されている。グラフェン膜12の膜厚は、例えば、0.3nm〜5.0nmである。
【0234】
グラフェン膜12には、中央のチャネル領域12cの両側にソース領域12sとドレイン領域12dとが形成されている。
【0235】
ソース領域12s、ドレイン領域12dは、n型TFTでは、n型ドーパントである窒素等がドーピングされ、p型TFTでは、p型ドーパントであるボロン等がドーピングされている。
【0236】
グラフェン膜12上にはゲート絶縁膜80が形成されている。ゲート絶縁膜80は、例えば、約5nm厚のアルミナ(Al
2O
3)膜により形成されている。
【0237】
カーボンナノチューブにより形成されたソース電極82とドレイン電極84が、ゲート絶縁膜80に形成された開口を介して、それぞれ、ソース領域12sとドレイン領域12dにコンタクトしている。
【0238】
グラフェン膜12のチャネル領域12c上には、ゲート絶縁膜80を介してゲート電極86が形成されている。
【0239】
ゲート電極86は、例えば、約5nm厚のチタン膜上に、約20nm厚の金膜が積膜されたAu/Ti膜により形成されている。
【0240】
図30に示す構成のp型TFTとn型TFTとを用いてCMOS構造の半導体装置(図示せず)を形成することができる。
【0241】
(半導体装置の製造方法)
本実施形態による半導体装置の製造方法について
図31及び
図32を用いて説明する。
【0242】
まず、例えば、第1実施形態による半導体装置の製造方法の第2の具体例における
図5(a)、(b)、(c)、
図6(a)、(b)と同様の工程により、酸化膜付きシリコン基板10上に、単層グラフェン又は数層グラフェンのグラフェン膜12を形成し、グラフェン膜12にチャネル領域12cとソース領域12sとドレイン領域12dを形成する(
図31(a))。
【0243】
次に、グラフェン膜12が形成されたシリコン基板10上の全面にゲート絶縁膜80を形成する(
図31(b))。ゲート絶縁膜80は、例えば、約300nm厚のシリカ(二酸化ケイ素)膜である。
【0244】
次に、グラフェン膜12のソース領域12sとドレイン領域12d上方のゲート絶縁膜80を開口する(
図31(c))。
【0245】
次に、全面に、カーボンナノチューブ合成に必要な触媒膜(図示せず)を形成し、リフトオフ等により不要な触媒膜(図示せず)を除去して、ゲート絶縁膜80の開口部のみに触媒膜(図示せず)を残存させる。その状態でカーボンナノチューブ合成を実施する。
【0246】
カーボンナノチューブの合成には、例えば、熱CVD法により、850℃にて、触媒膜としてコバルト/チタン(2nm/1nm)を用い、カーボンナノチューブのソース電極82とドレイン電極84を合成する。
【0247】
熱CVD法では、例えば、原料としてアセチレンガスを用い、希釈ガスとして水素及びアルゴンを用いる。アルゴンガスの流量は、例えば、4000sccmであり、水素の流量は、例えば、500sccmであり、メタンガスの流量は、例えば、50sccmである。
【0248】
次に、グラフェン膜12のソース領域12sとドレイン領域12dにコンタクトするカーボンナノチューブを形成してソース電極82とドレイン電極84とする。
【0249】
次に、グラフェン膜12のチャネル領域12c上に、ゲート絶縁膜80を介してゲート電極86を形成する。ゲート電極86は、例えば、約5nm厚のチタン膜上に、約20nm厚の金膜が積膜されたAu/Ti膜である。
【0250】
なお、ゲート電極86として、ソース電極82やドレイン電極84と同様にカーボンナノチューブにより形成してもよい。
【0251】
[第6実施形態]
第6実施形態による半導体装置及び半導体装置の製造方法について
図33乃至
図35を用いて説明する。
図33は第6実施形態による半導体装置を示す図であり、
図34及び
図35は第6実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0252】
(半導体装置)
本実施形態による半導体装置について
図33を用いて説明する。
【0253】
本実施形態の半導体装置は、チャネルにグラフェン膜を用い、電極及び配線にもグラフェン膜を用いた薄膜トランジスタである。
【0254】
酸化膜付きシリコン基板10上に、グラフェン膜12が形成されている。
【0255】
酸化膜付きシリコン基板10は、例えば、約380μm厚のシリコン基板10a上に約90nm厚のシリコン酸化膜10bが形成されたものである。
【0256】
グラフェン膜12は、数層グラフェン(FLG: few layer graphene)、又は、多層グラフェン(multi-layer graphene)により形成されている。グラフェン膜12の膜厚は、例えば、0.9nm〜50nmである。
【0257】
グラフェン膜12には、中央のチャネル領域12cの両側にソース領域12sとドレイン領域12dとが形成されている。
【0258】
ソース領域12s、ドレイン領域12dは、n型TFTでは、n型ドーパントである窒素等がドーピングされ、p型TFTでは、p型ドーパントであるボロン等がドーピングされている。また、ドーパントとしてはガス分子や有機分子を用いることもできる。
【0259】
グラフェン膜12のチャネル領域12c上には、ゲート絶縁膜18を介してゲート電極90が形成されている。ゲート絶縁膜18は、例えば、約5nm厚のアルミナ(Al
2O
3)膜により形成されている。
【0260】
グラフェン膜12のソース領域12s、ドレイン領域12dには、それぞれ、ソース電極92とドレイン電極94とが形成されている。
【0261】
ゲート電極90、ソース電極92、ドレイン電極94は、多層のグラフェン膜により形成されている。これらゲート電極90、ソース電極92、ドレイン電極94は、それぞれ、電極(図示せず)に接続されている。
【0262】
図33に示す構成のp型TFTとn型TFTとを用いて、CMOS構造の薄型の半導体装置(図示せず)を形成することができる。
【0263】
(半導体装置の製造方法)
本実施形態による半導体装置の製造方法について
図34及び
図35を用いて説明する。
【0264】
まず、金属ホイル(箔)96を用意する(
図34(a))。金属ホイル96は、例えば、約1μm厚の純度99%程度のニッケルホイルである。
【0265】
次に、金属ホイル96の両面に多層のグラフェン膜98a、98bを合成する(
図34(b))。
【0266】
例えば、熱CVD法により、1000℃にて、金属ホイル96の両面に多層のグラフェン膜98a、98bを合成する。熱CVD法では、例えば、原料としてメタンガスを用い、希釈ガスとして水素及びアルゴンを用いる。アルゴンガスの流量は、例えば、4000sccmであり、水素の流量は、例えば、500sccmであり、メタンガスの流量は、例えば、50sccmである。
【0267】
次に、例えば、前述した第1実施形態による半導体装置の製造方法により製造して、別途用意した、グラフェン膜12とゲート絶縁膜18が形成された酸化膜付きシリコン基板10上に、金属ホイル96の両面に形成された多層のグラフェン膜98a、98bを載置し、例えば、10
−2パスカル以下の圧力で、例えば、12時間以上、十分に脱気する(
図34(c))。
【0268】
その後、酸化剤、例えば、無水の塩化鉄(FeCl
3)を用いた塩化鉄を含む酸化雰囲気中に、例えば、310℃の温度で、例えば、6時間から24時間の間、載置する(
図34(c)。
【0269】
これにより、塩化鉄により金属ホイル96が除去されて、多層のグラフェン膜98a、98bからなるグラフェン膜98が、酸化膜付きシリコン基板10上に転写されると共に、塩化鉄の分子が多層のグラフェン膜98a、98bの膜中に入り込んでインターカレーションされる(
図35(a))。
【0270】
次に、多層のグラフェン膜98a、98bからなるグラフェン膜98をパターニングして、ゲート電極90、ソース電極92、ドレイン電極94を形成する。
【0271】
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0272】
例えば、触媒金属膜を除去及び/又はグラフェン膜をインターカレーションするための材料及び条件については、上記実施形態に記載された材料及び条件に限定されない。
【0273】
例えば、材料としては、塩化鉄(FeCl
3)、塩化ニオブ(NbCl
5)、塩化銅(CuCl
2)、塩化イッテルビウム(YbCl
3)、塩化コバルト(CoCl
2)等でもよい。
【0274】
これら材料を用いた場合の条件としては、10
−2Torr以下の真空中で、これら材料の沸点ないしは沸点よりも約10〜30%程度低い温度で保持すればよい。なお、塩化鉄(FeCl
3)、塩化ニオブ(NbCl
5)、塩化銅(CuCl
2)、塩化イッテルビウム(YbCl
3)、塩化コバルト(CoCl
2)の沸点は、それぞれ、350℃、250℃、1000℃、700℃、1000℃である。
【0275】
また、材料としては、塩化物だけでなく他の多様な材料でもよい。例えば、昇華性のある他の塩化物、酸化物、硫化物、窒化物でもよい。
【0276】
また、インターカレーションする材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類、ハロゲン等でもよい。
【0277】
アルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ポタシウム、ルビジウム、セシウム等を用い、10
−6Torr以下の超高真空下において、サイズゲッター等の蒸着方法を用いて、試料上に蒸着し、200℃〜500℃程度の加熱によりインターカレーションを実施する。
【0278】
アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等を用い、1Pa以下の真空下で、それぞれの沸点、700℃、860℃、800℃、900℃程度の温度で保持してインターカレーションを実施する。
【0279】
希土類としては、サマリウム、ユーロピウム、ツリウム、イッテルビウム等を用い、10
−4Torr以下の真空下で、それぞれの沸点、850℃、740℃、950℃、630℃よりも10〜30%程度下げた温度で保持してインターカレーションを実施する。
【0280】
ハロゲンとしては、ヨウ素、臭素等を用いてもよい。例えば、ヨウ素、臭素であれば常温でも気化するために、密閉した容器に液体状のヨウ素ないしは臭素を封入し、同じ容器内にグラフェン膜が形成された基板を保持すればよい。気化したハロゲンガス分子が数日の期間を経てインターカレーションされる。また、より早いインターカレーションを行う場合には、100℃程度に保持することにより加速することができる。
【0281】
なお、ハロゲン以外の材料では、触媒金属が除去されないため、その後に塩化鉄を用いた酸化雰囲気により触媒金属を除去する。
【0282】
また、インターカレーションする材料としては、有機分子でもよい。例えば、F4TCNQ(TFTCNQ)のようなフッ素化TCNQでもよい。条件としては、真空中において300℃程度で抵抗加熱ないしは電子ビーム蒸着でグラフェン膜状に蒸着してインターカレーションを実施する。
【0283】
また、他にインターカレーションとして用いられる材料としては、2酸化窒素、チタン、ポタシウム、アンモニア等でもよい。
【0284】
また、上記実施形態では、グラフェン膜を熱CVD法により合成したが、他のCVD法、例えば、リモートプラズマCVD法や、プラズマCVD法によりグラフェン膜を号税してもよい。
【0285】
また、上記実施形態では、グラフェン膜の原料ガスとしてメタンガスを用いたが、他のガス、例えば、エチレンガス等の炭化水素ガス、エタノール等のアルコール、ベンゼン、アモルファスカーボン等の固体材料を用いてもよい。
【0286】
また、上記実施形態では、グラフェン膜を合成するための触媒金属として、コバルト、鉄、銅、ニッケルを用いたが、白金、金等の他の金属や、これら金属を少なくともひとつを含む合金、炭化物、酸化物、窒化物等の化合物でもよい。
【0287】
また、上記実施形態では、触媒金属をスパッタリング法、電子ビーム蒸着法により堆積したが、分子線エピタキシー法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)等の他の方法を用いてもよい。
【0288】
また、上記実施形態では、透明半導体として酸化亜鉛を用いたが、透明酸化物半導体やボロンナイトライド(h−BN)や二硫化モリブデン(MoS
2)等の二次元半導体を用いてもよい。
【0289】
また、上記実施形態では、グラフェンや透明半導体以外のチャネル材料として、シリコンを用いたが、ゲルマニウム等の4族半導体、ガリウムヒ素やインジウムリン等のIII−V、II−VI化合物半導体、もしくはInGaAs等の化合物半導体を用いてもよい。
【0290】
また、上記実施形態では、透明基板やシリコン基板を用いたが、プラスチック等のフレキシブル基板を用いてもよい。
【0291】
また、上記実施形態では、ソース電極及びドレイン電極として、チタン/金やカーボン材料を用いたが、チタン/パラジウム、パラジウム、チタン/ニッケル、ニッケル、金、コバルト、チタン、ニッケルシリサイド、コバルトシリサイド、ゲルマニウムシリサイド、チタンシリサイド、シリコンカーバイドやこれらの材料を少なくともひとつ含む合金、炭化物、酸化物、窒化物等の化合物でもよい。
【0292】
また、上記実施形態に記載したグラフェン膜の合成方法における各膜の構成材料や製造条件等は、一例を示したものにすぎず、当業者の技術常識等に応じて適宜修正や変更が可能である。