(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記流入口同士の前記軸方向における間隔は、前記ニップ部を通過する異なるサイズのシートのシート幅に対応して段階的に設定されていることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
前記軸方向の端部において前記切欠き面が前記対向面に対して屈曲される角度が、前記軸方向の中央部において前記切欠き面が前記対向面に対して屈曲される角度よりも大きいことを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
前記空気流発生部は、前記軸方向に沿って前記冷却風路に対向して配置され、前記軸方向と交差する方向から前記冷却風路に前記空気流を流入させるクロスフローファンであることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の定着装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された定着装置では、流入口が大きく開口された領域において、誘導加熱時に発生する磁場が流入口から漏れやすいという課題があった。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、電磁誘導加熱方式の定着装置およびこれを備えた画像形成装置において、磁場の漏れを抑制しつつ誘導加熱ユニットを効率的に冷却することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係る定着装置は、ハウジングと、前記ハウジングに収容される誘導加熱ユニットと、前記誘導加熱ユニットに対向して配置され、回転され、前記誘導加熱ユニットによって誘導加熱される第1回転体と、回転され、トナー像を担持するシートが通過するニップ部を前記第1回転体との間で形成する第2回転体と、前記第1回転体とは反対側で前記誘導加熱ユニットに対向し、前記第1回転体の回転における軸方向に延設されるシールド部材と、前記誘導加熱ユニットを冷却する空気流を発生する空気流発生部と、前記誘導加熱ユニットとは反対側において、前記シールド部材に沿って延設され、前記空気流が流通する冷却風路と、前記シールド部材に開口され、前記軸方向に沿って間隔をおいて複数配置され、前記冷却風路から前記空気流を前記誘導加熱ユニットに向けて流入させる流入口と、を有し、前記複数の流入口のうち前記軸方向の端部における前記流入口同士の間隔が、前記軸方向の中央部における前記流入口同士の間隔よりも狭く設定され
、前記誘導加熱ユニットと前記第1回転体とは水平方向において対向して配置され、前記シールド部材は、上下方向に沿って延設され、前記複数の流入口は、略同じサイズに形成され、前記シールド部材の下端側に前記軸方向に沿って1列に配置されていることを特徴とする。
【0009】
本構成によれば、
シールド部材の下端側において軸方向に沿って間隔をおいて
1列に配置された流入口を介して、冷却風路から誘導加熱ユニットに空気流が流入する。このため、誘導加熱ユニットを安定して冷却することができる。第1回転体と第2回転体との間には、さまざまなサイズのシートが通過する。特に、小サイズのシートが連続してニップ部を通過すると、シート面が通過しない非通紙領域では、第1回転体から熱が消費されないため第1回転体自身の温度が上昇する。この結果、第1回転体に対向する誘導加熱ユニットにおいても、軸方向の両端部の温度が上昇しやすくなる(端部過昇温)。このような場合であっても、上記の構成によれば、複数の流入口のうち軸方向の端部における流入口同士の間隔が、軸方向の中央部における流入口同士の間隔よりも狭く設定されている。このため、中央部よりも端部の方が、多くの空気流が誘導加熱ユニットに流入する。この結果、誘導加熱ユニットの軸方向における温度分布を均一化することができる。また、
略同じサイズからなる流入口の間隔によって空気流の流入量が調整されるため、流入口自体の開口面積が大きく変化される場合と比較して、誘導加熱ユニットからの磁場の漏れを抑制することができる。
また、複数の流入口が、シールド部材の下端側に軸方向に沿って1列に配置されているので、誘導加熱ユニットを冷却するための空気流を流入口から誘導加熱ユニットの下方部分に噴出させることができる。したがって、誘導加熱ユニットを冷却しながら空気流が上昇気流として上方に導かれやすく、誘導加熱ユニットの上方部分を効果的に冷却することができる。
【0010】
上記の構成において、前記流入口同士の前記軸方向における間隔が、前記軸方向の中央部から端部に向かって連続的に縮小されていることが望ましい。
【0011】
本構成によれば、誘導加熱ユニットに流入する空気流の流量を軸方向において連続的に変化させることができる。
【0012】
上記の構成において、前記流入口同士の前記軸方向における間隔が、前記軸方向の中央部から端部に向かって段階的に縮小されていることが望ましい。
【0013】
本構成によれば、誘導加熱ユニットに流入する空気流の流量を軸方向において段階的に変化させることができる。
【0014】
上記の構成において、前記流入口同士の前記軸方向における間隔は、前記ニップ部を通過する異なるサイズのシートのシート幅に対応して段階的に設定されていることが望ましい。
【0015】
本構成によれば、シートのシート幅に対応して、誘導加熱ユニットに流入する空気流の流量を軸方向において段階的に変化させることができる。したがって、誘導加熱ユニットの軸方向における温度分布をより均一化することができる。
【0016】
上記の構成において、前記シールド部材は前記誘導加熱ユニットに対向する対向面を備え、前記流入口は前記対向面の一部である切欠き面が一辺を残して切り欠かれるとともに、前記一辺を支点として屈曲されることで形成されることが望ましい。
【0017】
本構成によれば、パンチ加工などによって切欠き面が切り欠かれるとともに、屈曲加工されることによって、簡易に流入口を形成することができる。
【0020】
上記の構成において、前記誘導加熱ユニットと前記第1回転体とは水平方向において対向して配置され、前記シールド部材の前記対向面は、上下方向に沿って延設され、前記複数の流入口は、前記対向面の下端側に配置され、前記流入口は、前記切欠き面が下端縁を支点として前記誘導加熱ユニット側に屈曲されることで形成されることが望ましい。
【0021】
本構成によれば、誘導加熱ユニットを冷却するための空気流を誘導加熱ユニットの下方部分に噴出させることができる。したがって、誘導加熱ユニットを冷却しながら空気流が上昇気流として上方に導かれやすく、誘導加熱ユニットの上方部分を効果的に冷却することができる。更に、切欠き面が空気流を誘導加熱ユニット側にガイドするガイド部材として機能する。
【0022】
上記の構成において、前記軸方向の端部において前記切欠き面が前記対向面に対して屈曲される角度が、前記軸方向の中央部において前記切欠き面が前記対向面に対して屈曲される角度よりも大きいことが望ましい。
【0023】
本構成によれば、軸方向の両端部では、空気流が積極的に誘導加熱ユニットに向かって案内される。一方、軸方向の中央部では、空気流が誘導加熱ユニット側に入り込みにくい、または、両端部と比較して誘導加熱ユニットの周辺を通過しやすくなる。したがって、誘導加熱ユニットのうち温度が上昇しやすい軸方向の端部が積極的に冷却され、誘導加熱ユニットの軸方向における温度分布をより均一化することができる。
【0024】
上記の構成において、前記シールド部材の上端側に開口され、前記誘導加熱ユニットを通過した前記空気流を流出させる流出口を更に有することが望ましい。
【0025】
本構成によれば、上昇気流となった空気流を速やかに誘導加熱ユニットの周辺から排気させることができる。このため、流入口から再び新しい空気流が流入されやすく、誘導加熱ユニットを効果的に冷却することができる。
【0026】
上記の構成において、前記空気流発生部は、前記冷却風路の前記軸方向の一端側から前記冷却風路に前記空気流を流入させるシロッコファンであることが望ましい。
【0027】
本構成によれば、冷却風路の一端側から空気流を流入させることができる。したがって、軸方向と交差する方向における定着装置のサイズが縮小される。
【0028】
上記の構成において、前記空気流発生部は、前記軸方向に沿って前記冷却風路に対向して配置され、前記軸方向と交差する方向から前記冷却風路に前記空気流を流入させるクロスフローファンであることが望ましい。
【0029】
本構成によれば、軸方向と交差する方向から冷却風路に空気流を流入させることができる。したがって、軸方向における定着装置のサイズが縮小されるとともに、軸方向に沿って流入口に流入可能な冷却風の風量が確保される。
【0030】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、表面にトナー像が形成される像担持体と、前記トナー像をシート上に転写する転写部と、上記の何れか一項に記載の定着装置と、を有することを特徴とする。
【0031】
本構成によれば、誘導加熱ユニットを安定して冷却することができる。また、流入口の間隔によって空気流の流入量が調整されるため、流入口自体の開口面積が大きく変化される場合と比較して、誘導加熱式ユニットからの磁場の漏れを抑制することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、電磁誘導加熱方式の定着装置およびこれを備えた画像形成装置において、磁場の漏れを抑制しつつ誘導加熱ユニットを効率的に冷却することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の内部構造を示す断面図である。ここでは、画像形成装置1として複写機を例示するが、画像形成装置1は、IH定着方式を採用している限りにおいて、プリンタ、ファクシミリ装置、或いは、これらの機能を備える複合機であってもよい。
【0035】
画像形成装置1は、略直方体形状の筐体構造を有する装置本体10と、装置本体10上に配置される自動原稿給送装置20とを備える。装置本体10の内部には、複写する原稿画像を光学的に読み取る読取ユニット25と、シートにトナー像を形成する画像形成部30と、前記トナー像をシートに定着させる定着装置60と、画像形成部30へ搬送されるシートを貯留する給紙部40と、シートを給紙部40から画像形成部30及び定着装置60を経由してシート排出口10Eまで搬送する搬送経路50と、この搬送経路50の一部を構成するシート搬送路を内部に有する搬送ユニット55とが収容されている。
【0036】
自動原稿給送装置20は、装置本体10の上面に回動自在に取り付けられている。自動原稿給送装置20は、装置本体10における所定の原稿読取位置(第1コンタクトガラス241が組み付けられた位置)に向けて、複写される原稿シートを自動給送する。一方、ユーザーが手置きで原稿シートを所定の原稿読取位置(第2コンタクトガラス242の配置位置)に載置する場合は、自動原稿給送装置20は上方に開かれる。自動原稿給送装置20は、原稿シートが載置される原稿トレイ21と、自動原稿読取位置を経由して原稿シートを搬送する原稿搬送部22と、読取後の原稿シートが排出される原稿排出トレイ23とを含む。
【0037】
読取ユニット25は、装置本体10の上面の自動原稿給送装置20から自動給送される原稿シートの読取用の第1コンタクトガラス241、又は手置きされる原稿シートの読取用の第2コンタクトガラス242を通して、原稿シートの画像を光学的に読み取る。読取
ユニット25内には、光源、移動キャリッジ、反射ミラー等を含む走査機構と、撮像素子とが収容されている(図略)。走査機構は、原稿シートに光を照射し、その反射光を撮像素子に導く。撮像素子は、前記反射光をアナログ電気信号に光電変換する。前記アナログ電気信号は、A/D変換回路でデジタル電気信号に変換された後、画像形成部30に入力される。
【0038】
画像形成部30は、フルカラーのトナー画像を生成しこれをシート上に転写する処理を行うもので、タンデムに配置されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の各トナー像を形成する4つのユニット32Y、32M、32C、32Bkを含む画像形成ユニット32と、該画像形成ユニット32の上に隣接して配置された中間転写ユニット33(転写部)と、中間転写ユニット33上に配置されたトナー補給部34とを含む。
【0039】
各画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Bkは、感光体ドラム321(像担持体)と、この感光体ドラム321の周囲に配置された、帯電器322、露光器323、現像装置324、一次転写ローラー325及びクリーニング装置326とを含む。
【0040】
感光体ドラム321は、その軸回りに回転し、その周面に静電潜像及びトナー像が形成される。帯電器322は、感光体ドラム321の表面を均一に帯電する。露光器323は、レーザー光源とミラーやレンズ等の光学系機器とを有し、感光体ドラム321の周面に、原稿画像の画像データに基づく光を照射して、静電潜像を形成する。
【0041】
現像装置324は、感光体ドラム321上に形成された静電潜像を現像するために、感光体ドラム321の周面にトナーを供給する。一次転写ローラー325は、中間転写ユニット33に備えられている中間転写ベルト331を挟んで感光体ドラム321とニップ部を形成し、感光体ドラム321上のトナー像を中間転写ベルト331上に一次転写する。クリーニング装置326は、クリーニングローラー等を有し、トナー像転写後の感光体ドラム321の周面を清掃する。
【0042】
中間転写ユニット33は、中間転写ベルト331、駆動ローラー332、従動ローラー333、テンションローラー334及びバックアップローラー336を備える。中間転写ベルト331は、これらローラー332、333、334、336及び一次転写ローラー325に架け渡された無端ベルトであって、該中間転写ベルト331の外周面には、複数の感光体ドラム321からトナー像が、同一箇所に重ねて転写される(一次転写)。
【0043】
駆動ローラー332の周面に対向して、二次転写ローラー35が配置されている。二次転写ローラー35も導電性のローラーである。駆動ローラー332と二次転写ローラー35とのニップ部は、中間転写ベルト331に重ね塗りされたフルカラーのトナー像をシートに転写する二次転写部35Aとなる。二次転写ローラー35には、トナー像と逆極性の二次転写バイアス電位が印加され、駆動ローラー332は接地される。
【0044】
トナー補給部34は、イエロー用トナーコンテナ34Y、マゼンタ用トナーコンテナ34M、シアン用トナーコンテナ34C、及びブラック用トナーコンテナ34Bkを含む。これらトナーコンテナは、それぞれ各色のトナーを貯留するものであり、YMCBk各色に対応する画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Bkの現像装置324に、図略の供給経路を通して各色のトナーを供給する。
【0045】
給紙部40は、画像形成処理が施されるシートを収容する2段の給紙カセット40A、40B及び手差し給紙用の給紙トレイ46を備える。これら給紙カセット40A、40Bは、装置本体10の前方から手前方向に引出可能である。給紙カセット40A、40Bは、自動給紙用に設けられたカセットであるが、手差し給紙用の給紙トレイ46は、その下端部において装置本体10に対して開閉自在に取り付けられている。ユーザーは、手差し給紙を行う場合、図示の通り給紙トレイ46を開き、その上にシートを載置する。
【0046】
給紙カセット40A(40B)は、複数のシートが積層されてなるシート束を収納するシート収容部41と、前記シート束を給紙のためにリフトアップするリフト板42とを備える。給紙カセット40A(40B)の右端側の上部には、ピックアップローラー43と、給紙ローラー44とリタードローラー45とのローラー対とが配置されている。ピックアップローラー43及び給紙ローラー44の駆動により、給紙カセット40A内のシート束の最上層のシートが1枚ずつ繰り出され、搬送経路50の上流端へ搬入される。一方、給紙トレイ46に載置されたシートは、同様にピックアップローラー461及び給紙ローラー462の駆動によって、搬送経路50へ搬入される。
【0047】
搬送経路50は、給紙部40から画像形成部30を経由して定着装置60の出口までシートを搬送する主搬送路50Aと、シートに対して両面印刷を行う場合に片面印刷されたシートを画像形成部30に戻すための反転搬送路50Bと、主搬送路50Aの下流端から反転搬送路50Bの上流端へシートを向かわせるためのスイッチバック搬送路50Cと、主搬送路50Aの下流端から装置本体10の左側面10Lに設けられたシート排出口10Eまでシートを水平方向に搬送する水平搬送路50Dとを含む。この水平搬送路50Dの大半は、搬送ユニット55の内部に備えられているシート搬送路で構成されている。
【0048】
主搬送路50Aの、二次転写部35Aよりも上流側には、レジストローラー対51が配置されている。主搬送路50Aを搬送されてきたシートは、停止状態のレジストローラー対51に付き当たって一旦停止され、スキュー矯正が行われる。その後、画像転写のための所定のタイミングで、レジストローラー対51が駆動モーター(図略)で回転駆動されることで、シートは二次転写部35Aに送り出される。この他、主搬送路50Aには、シートを搬送するための搬送ローラー対52が複数配置されている。他の搬送路50B、50C、50Dも同様である。
【0049】
搬送経路50の最下流端には、排紙ローラー対53が搬送ユニット55の
図1において左側に隣接して配置されている。排紙ローラー対53は、装置本体10に接続されて配置される図略の後処理装置に、シート排出口10Eを通してシートを送り込む。なお、後処理装置が取り付けられない画像形成装置では、シート排出口10Eの下方にシート排出トレイが設けられる。
【0050】
搬送ユニット55は、定着装置60から搬出されるシートを、シート排出口10Eまで搬送するユニットである。本実施形態の画像形成装置1では、定着装置60が装置本体10の右側面10R側に配置され、シート排出口10Eは、右側面10Rと対向する装置本体10の左側面10L側に配置されている。従って、搬送ユニット55は、装置本体10の右側面10Rから左側面10Lに向けて、シートを水平方向に搬送する。
【0051】
定着装置60は、シートにトナー像を定着させる定着処理を施す誘導加熱方式の定着装置であって、加熱ローラー61、定着ローラー62、加圧ローラー63(第2回転体)、定着ベルト64(第1回転体)、誘導加熱ユニット65及び搬送ローラー対66を含む。
【0052】
図2は、定着装置60の内部構造を示す断面図、
図3は、定着装置60の断面斜視図、
図4は、定着装置60及びその周辺機器の分解斜視図である。以下、
図2〜
図4に基づいて、定着装置60の詳細構造を説明する。定着装置60は、定着ユニット60Uとして装置本体10に装着される。定着ユニット60Uは、ハウジング600を備える。ハウジング600は、断面形状が略矩形状であり、定着処理を行うための部材を収容する。
【0053】
加熱ローラー61は、誘導加熱ユニット65により誘導加熱されるローラーであって、例えば鉄やステンレス等の磁性金属からなり、その表面には例えばPFAからなる離型層が形成されている。加熱ローラー61は、回転軸61Sを有し、該回転軸61Sの軸回りに従動回転する。
【0054】
定着ローラー62及び加圧ローラー63は、定着ベルト64を挟んで周面同士が圧接され、定着ニップ部60Nを形成するローラーである。二次転写部35Aにおいてトナー像が二次転写されたシートは、定着ニップ部60Nを通過し、加熱及び加圧されることで、トナー像がシート表面に定着される。
【0055】
定着ローラー62は、弾性層を表層に有する弾性ローラーである。前記弾性層としては
、シリコンスポンジからなる弾性層を用いることができる。定着ローラー62は、回転軸62Sを有し、該回転軸62Sの軸回りに従動回転する。
【0056】
加圧ローラー63は、定着ローラー62を加圧し、定着ベルト64との間で所定幅の定着ニップ部60Nを形成するためのローラーである。表面にトナー像を担持するシートは、定着ニップ部60Nを通過しながら、定着処理が施される。加圧ローラー63の好ましい構成の一つは、鉄やアルミニウム等の金属芯材と、この芯材の上に形成されたシリコンゴム層と、シリコンゴム層の表面に形成されたフッ素樹脂層とを備える構成である。加圧ローラー63は、定着ローラー62の表層の硬度よりも高い表層の硬度を有しており、その内部にはハロゲンヒーター等の加熱エレメントが備えられている。加圧ローラー63は、回転軸63Sを有し、回転軸63Sの軸回りに駆動回転される。
【0057】
定着ベルト64は、加熱ローラー61と定着ローラー62とに架け渡され、回転され、加熱ローラー61と同様に誘導加熱ユニット65により誘導加熱されるベルトである。定着ベルト64は、誘導加熱ユニット65に対向して配置される。この定着ベルト64の内周面には、当該定着ベルト64に張力を与えるためのテンションローラー641が当接されている。定着ベルト64は、例えばニッケルのような強磁性材料からなる基材上に、シリコンゴム弾性層及びPFA離型層が順次形成されてなる。なお、定着ベルト64に被加熱機能を具備させず単に加熱ローラー61が発する熱のキャリアとする場合は、ポリイミド(PI)等の樹脂ベルトを用いることができる。
【0058】
図3に模式的に示すように、加圧ローラー63の回転軸63Sには、装置本体10側に備えられたモーターM(駆動機構)から、所定の減速機構を介して回転駆動力が入力される。加圧ローラー63の回転により、加熱ローラー61、定着ローラー62、テンションローラー641及び定着ベルト64は従動回転する。上述の通り、加圧ローラー63の方が定着ローラー62よりも高い硬度を有している。このため、回転駆動時においてローラー外周の周速度に変動が生じないという点で、モーターMからの駆動入力には加圧ローラー63の回転軸63Sが適している。
【0059】
誘導加熱ユニット65は、定着処理に必要な熱を発生させるためのユニットであり、誘導加熱コイル651と、センターコア652、複数対のアーチコア653及び一対のサイドコア654からなるコア部材と、これらを収容するユニットハウジング650とを備える。誘導加熱ユニット65は、ハウジング600の左端部に収容されている。また、誘導加熱ユニット65は、定着ベルト64に対して水平方向において対向して配置されている。
【0060】
誘導加熱コイル651は、加熱ローラー61及び定着ベルト64を誘導加熱するための磁束を発生するもので、加熱ローラー61及び定着ベルト64の断面視における円弧面に対向する仮想的な円弧面上に配置されている。誘導加熱コイル651は、左方から見た側面視で略楕円形状に周回された巻線である。誘導加熱コイル651の周回における長手方向は、定着ベルト64の回転における軸方向に沿うように延設されている。センターコア652、複数対のアーチコア653及び一対のサイドコア654は、フェライト製のコア部材であり、加熱ローラー61及び定着ベルト64の一部を経由する磁路を形成するために配置されている。センターコア652は、誘導加熱コイル651に周囲を囲まれるように前後方向に延びるように配置されている。アーチコア653は、誘導加熱コイル651を左方から覆うように、かつ、センターコア652を上下方向に挟むように一対配置されている。なお、アーチコア653は前後方向に連続的に伸びる形状ではなく、
図2、
図6に示すようなアーチ形状からなる部材が、前後方向に間隔をおいて複数配置されている。このため、誘導加熱コイル651は、隣接するアーチコア653同士の間において部分的に左側に(後記のシールド69側に)露出している。誘導加熱コイル651が発生した磁束が前記磁路を通過することで、加熱ローラー61及び定着ベルト64には渦電流が発生し、これに伴うジュール熱を発生することになる。
【0061】
ユニットハウジング650は、上記の誘導加熱コイル651及びコア部材を保持するハウジング部材であって、加熱ローラー61及び定着ベルト64の一部が入り込む円弧状の凹部65Hを備えている。誘導加熱ユニット65のユニットハウジング650と定着ユニットのハウジング600の側面(
図3では左側面)とは位置決めされた状態で嵌合され、凹部65Hの内周面と定着ベルト64の表面との間には所定間隔のギャップが形成されている。
【0062】
図2を参照して、搬送ローラー対66は、定着ニップ部60Nを通過したシートをハウジング600の下流側の水平搬送路50Dへ送り出すための搬送ローラー対である。搬送ローラー対66は、ハウジング600に回転自在に支持される第1搬送ローラー661と第2搬送ローラー662とからなる。第1搬送ローラー661は、回転駆動力が装置本体10側から入力される駆動ローラーであり、第2搬送ローラー662は、第1搬送ローラー661の回転に伴って従動回転する従動ローラーである。第2搬送ローラー662は、シート搬送力を具備させるために、所定のニップ圧で第1搬送ローラー661に圧接されている。
【0063】
定着ニップ部60Nのシート搬送方向上流側には、定着ニップ部60Nに向けて搬入されるシートを案内する一対のガイド部材671、672が配置されている。また、定着ニップ部60Nのシート搬送方向下流側には、定着ニップ部60Nから排出されるシートを搬送ローラー対66に向けてシートを案内する一対のガイド部材673、674が配置されている。さらに、定着ニップ部60Nのシート搬送方向下流側には、シートの通過を検知するためのアクチュエーター67Aが、揺動自在な状態で配置されている。
【0064】
図2において、定着ローラー62及び定着ベルト64は反時計方向に回転し、加圧ローラー63は時計方向に回転する。定着ニップ部60Nよりも回転方向下流側において、定着ベルト64の周面に対して分離プレート675が配置され、また加圧ローラー63の周面に対して分離爪676が配置されている。これら分離プレート675及び分離爪676は、定着ベルト64又は加圧ローラー63の周面に巻き付こうとするシートを引き剥がすために配置されている。分離プレート675は、定着ローラー62の軸方向に延びる板状の部材であり、その先端部と定着ベルト64の周面との間には、微小な空間が設けられる。一方、分離爪676は、加圧ローラー63の軸方向の幅が数ミリ程度の部材であり、その先端は加圧ローラー63の周面に当接される。なお、分離プレート675は通紙幅に相当する長さを備える一枚の板部材であるのに対し、分離爪676は加圧ローラー63の軸方向に所定間隔を置いて複数個配置されている。
【0065】
図2および
図3を参照して、ユニットハウジング650の背面には、シールド69(シールド部材)が一体的に取り付けられている。シールド69は、定着ベルト64とは反対側で誘導加熱ユニット65に対向し、定着ベルト64の回転における軸方向に延設されている。シールド69は、誘導加熱ユニット65で発生された磁場が定着ユニット60U外に漏れることを防止する。このシールド69の背面には、装置本体10の本体フレーム70が配置されている。本体フレーム70は、シールド69と平行に前後方向に延設された板金フレームである。
【0066】
本体フレーム70とシールド69との間には、冷却風(空気流)が流通可能な空間D(冷却風路)が備えられている。
図4に示すように、本体フレーム70の前側の端部に、装置本体10側に備えられている本体冷却ダクト71が連結されている。冷却風の流通経路の上流側の本体冷却ダクト71には冷却ファン73(空気流発生部)が組み付けられている。冷却ファン73は、誘導加熱ユニット65を冷却する空気流を発生するシロッコファンである。冷却ファン73が駆動されることで空間Dの前端側に、後方に向かって冷却風が流入される。換言すれば、空間Dは、誘導加熱ユニット65とは反対側において、シールド69に沿って延設され冷却風が流通する風路である。
【0067】
次に、
図5および
図6を参照して、本実施形態に係る定着装置60のシールド69について、更に詳述する。
図5は、本実施形態に係る定着装置60のシールド69の斜視図である。
図6は、定着装置60のシールド69の周辺の断面図である。
図6は、定着ベルト64の回転における軸方向と交差する断面視に相当する。
【0068】
図5を参照して、シールド69は、上下方向に所定の高さをもって前後方向に長く延設される板金部材からなる。シールド69の上端部は前後方向に沿って右方向に約90度屈曲されるとともに先端側は上方に屈曲されている。同様に、シールド69の下端部も前後方向に沿って右方向に約90度屈曲されるとともに先端側は下方に屈曲されている。このため、
図6に示すように、断面視においてシールド69は略コの字型形状を備える。また、シールド69の前後の端縁部も右方向に屈曲されている。したがって、シールド69は、誘導加熱ユニット65を囲むように誘導加熱ユニット65に対向して配置されている(
図6)。
【0069】
シールド69は、対向面690と、流入口69Aと、流出口69Bと、曲げ部69C(切欠き面)とを備える。対向面690は、シールド69のうち上下方向に沿って、かつ、前後方向に延設された面である。対向面690は、誘導加熱ユニット65に対向して配置される。流入口69Aは、シールド69の対向面690に開口され、定着ベルト64の回転における軸方向(前後方向)に沿って間隔をおいて複数配置されている。流入口69Aは、対向面690の下端部に配置されている。また、これら複数の流入口69Aは、略同じ大きさおよび形状を備える。したがって、前後方向に隣接する複数の流入口69Aよりも上方の対向面690には、他の開口が形成されていない。流入口69Aは、空間Dから冷却風を誘導加熱ユニット65に向けて流入させる機能を備える。複数の流入口69Aが前後方向に分布する最大範囲、すなわち最も前側の流入口69Aから最も後側の流入口69Aまでの幅は、定着ニップ部60Nを通過するシートの最大シート幅よりも大きく設定されている。
【0070】
本実施形態では、流入口69Aは、第1流入口69A1と、第2流入口69A2とを備える。第1流入口69A1は、流入口69Aのうち軸方向の中央部に分布される複数の流入口である。第2流入口69A2は、流入口69Aのうち軸方向の両端部に分布される複数の流入口である。
図5に示すように、第2流入口69A2同士の前後方向の間隔は、第1流入口69A1同士の前後方向の間隔よりも狭く設定されている。
【0071】
流出口69Bは、シールド69の上端側に開口された開口部である。本実施形態では、流出口69Bは、シールド69のうち上方に面する領域に形成されている。流出口69Bも、流入口69Aと同様に、軸方向に間隔をおいて複数配置されている。流出口69Bは、誘導加熱ユニット65を通過した冷却風を定着装置60の外側に流出させる機能を備える。
【0072】
曲げ部69Cは、前述の流入口69Aを形成するための対向面690の一部である。すなわち、それぞれの流入口69Aは、曲げ部69Cが一辺を残して略矩形状に切り欠かれるとともに、前記一辺を支点として屈曲されることで形成される。本実施形態では、曲げ部69Cは下端縁を支点として、対向面690よりも右側、すなわち、誘導加熱ユニット65側に向かって屈曲されている。この際、
図6に示すように、曲げ部69Cが対向面690に対して屈曲される角度θは45度に設定されている。
【0073】
画像形成装置1において画像形成動作が開始されると、不図示の制御部から出力される制御信号によって、誘導加熱ユニット65が加熱ローラー61及び定着ベルト64を加熱する。また、加熱ローラー61、定着ローラー62、加圧ローラー63および定着ベルト64がモーターM(
図3)によってそれぞれ回転される。この際、冷却ファン73が回転されることによって、シールド69と本体フレーム70との間の空間Dに冷却風が流通する。冷却風は空間Dに沿って後方に導かれる(
図3、
図4参照)。更に、冷却風は、シールド69に開口された流入口69Aを介して、定着ユニット60Uの内部に流入する(
図6の矢印D61)。そして、
図6に示すように、シールド69に対向して配置される誘導加熱ユニット65が冷却風によって冷却される。
【0074】
定着ベルト64と加圧ローラー63との間には、さまざまなサイズのシートが通過する。特に、小サイズのシートが連続して定着ニップ部60Nを通過すると、軸方向の両端側のシート面が通過しない非通紙領域では、定着ベルト64から熱が消費されないため定着ベルト64自身の温度が上昇する。この結果、定着ベルト64に対向する誘導加熱ユニット65においても、軸方向の両端部の温度が上昇しやすくなる(端部過昇温)。このような場合であっても、本実施形態によれば、複数の流入口69Aのうち軸方向の端部における第2流入口69A2同士の間隔が、軸方向の中央部における第1流入口69A1同士の間隔よりも狭く設定されている。このため、軸方向の中央部よりも端部の方が、多くの冷却風が誘導加熱ユニット65に流入する。この結果、誘導加熱ユニット65の軸方向における温度分布を均一化することができる。また、略同じサイズからなる流入口69Aの間隔によって冷却風の流入量が調整されるため、流入口69A自体の開口面積が大きく変化される場合と比較して、誘導加熱ユニット65からの磁場の漏れを抑制することができる。
【0075】
また、本実施形態では、
図6に示すように、誘導加熱ユニット65とシールド69の対向面690とは水平方向において対向して配置されている。このため、誘導加熱ユニット65を冷却するための冷却風を流入口69Aから誘導加熱ユニット65の下方部分に噴出させることができる。したがって、誘導加熱ユニット65を冷却しながら冷却風が上昇気流として上方に導かれやすく、誘導加熱ユニット65の上方部分を効果的に冷却することができる。そして、上昇気流となった冷却風は、流出口69Bから速やかに誘導加熱ユニット65から排気される(
図6の矢印D62)。このため、流入口69Aから再び新しい冷却風が流入されやすく、誘導加熱ユニット65を効果的に冷却することができる。
【0076】
また、本実施形態では、流入口69Aは、曲げ部69Cが下端縁を支点として誘導加熱ユニット65側に屈曲されることで形成されている。このため、曲げ部69Cが冷却風を誘導加熱ユニット65側にガイドするガイド部材として機能する(
図6)。また、対向面690の下端部に開口された流入口69Aの下方部分を曲げ部69Cが画定するため、曲げ部69Cが誘導加熱ユニット65に向かう冷却風の流れを妨げることが防止される。更に、パンチ加工などによって曲げ部69Cが切り欠かれるとともに屈曲加工されることによって、簡易に流入口69Aを形成することができる。
【0077】
以上、本発明の実施形態に係る定着装置14およびこれを備えた画像形成装置1について説明した。本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を取ることができる。
【0078】
(1)上記実施形態では、加熱ローラー61及び定着ベルト64を備える定着ユニット60Uを例示したが、これらが存在しないタイプの定着ユニットを用いても良い。具体的には、定着ローラー62の外周に、定着ベルト64と同様な磁性体で形成された円筒状ベルトが巻かれた構成である。この変形実施形態では、誘導加熱ユニット65は、前記円筒状ベルトを誘導加熱することになる。
【0079】
(2)上記の実施形態では、シールド69が流入口69Aとして第1流入口69A1および第2流入口69A2を備える態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
図7は、本発明の変形実施形態に係る定着装置のシールド部材の流入口の分布を示す模式図である。
図7(a)では、先の実施形態に係る流入口69Aの代わりに、流入口69Dが前後方向に分布して形成されている。流入口69Dでは、流入口69D同士の軸方向(前後方向)における間隔が、軸方向の中央部から端部に向かって段階的に縮小されている。すなわち、シートの前後方向における位置決めが中央部を基準に規制され、サイズの異なるシートS1、S2およびS3が定着ニップ部60N(
図2)を通過する。シートS1が定着ニップ部60Nを通過する際、
図7の領域A1が通紙領域とされ、領域A2およびA3が非通紙領域とされる。同様に、シートS2が定着ニップ部60Nを通過する際、
図7の領域A1およびA2が通紙領域とされ、領域A3が非通紙領域とされる。更に、シートS3が定着ニップ部60Nを通過する際、
図7の領域A1、A2、A3のすべてが通紙領域とされる。そして、
図7(a)の流入口69Dでは、領域A1、A2、A3の順に、流入口69D同士の間隔が狭く設定されている。このため、誘導加熱ユニット65に流入する冷却風の流量を軸方向において段階的に変化させることができる。そして、このような構成においても、非通紙領域となりやすい領域A2、A3に対向した誘導加熱ユニット65の両端部側を積極的に冷却することができる。また、流入口69D同士の軸方向における間隔は、定着ニップ部60Nを通過する異なるサイズのシートのシート幅に対応して段階的に設定されている。したがって、誘導加熱ユニット65の軸方向における温度分布をより均一化することができる。
【0080】
同様に、
図7(b)の流入口69Eでは、
図7(a)の流入口69Dと比較して、領域A1には流入口69Eが形成されていない。領域A1は、常に通紙領域となるため、シートによって定着ベルト64の熱が消費される。このような構成においても、領域A2、A3に対向した誘導加熱ユニット65の両端部側を積極的に冷却することができる。また、
図7(c)の流入口69Fでは、流入口69F同士の軸方向における間隔が、軸方向の中央部から端部に向かって連続的に縮小されている。このような場合、誘導加熱ユニットに流入する冷却風の流量を軸方向において連続的に変化させることができる。そして、領域A2、A3に対向した誘導加熱ユニット65の両端部側を積極的に冷却することができる。
【0081】
(3)また、上記の実施形態では、
図6に示すように、曲げ部69Cが対向面690に対して屈曲される角度θは45度に設定される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。軸方向の端部において曲げ部69Cが対向面690に対して屈曲される角度が、軸方向の中央部において曲げ部69Cが対向面690に対して屈曲される角度よりも大きく設定されてもよい。この場合、軸方向の両端部では、流入口69Aから流入した冷却風は、誘導加熱ユニット65に向かって積極的に流入される。一方、軸方向の中央部では、流入口69Aから流入した冷却風は、センターコア652と対向面690との間の空間を通過しながら流出口69Bから排気される。このような構成においても、誘導加熱ユニット65の軸方向の温度分布が均一に維持される。
【0082】
(4)また、上記の実施形態では、空気流発生部としての冷却ファン73がシロッコファンである態様にて説明した。この場合、空間D(冷却風路)の一端側から冷却風を流入させることができる。したがって、軸方向と交差する方向における定着装置60のサイズが縮小される。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
図8は、本発明の変形実施形態に係る定着装置のシールド69R(シールド部材)および冷却ファン73R(空気流発生部)を示す斜視図である。本変形実施形態では、冷却ファン73Rは、軸方向(前後方向)に沿って空間DR(冷却風路)に対向して配置され、軸方向と交差する方向から空間DRに冷却風(空気流)を流入させるクロスフローファンである。このような場合、軸方向における定着装置のサイズが縮小されるとともに、軸方向に沿って流入口69RAに流入可能な冷却風の風量が安定して確保される。