特許第6241391号(P6241391)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6241391
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/06 20060101AFI20171127BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20171127BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   G03G15/06 101
   G03G15/00 303
   G03G15/08 222
   G03G15/08 235
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-156093(P2014-156093)
(22)【出願日】2014年7月31日
(65)【公開番号】特開2016-33583(P2016-33583A)
(43)【公開日】2016年3月10日
【審査請求日】2016年8月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】藤原 研介
【審査官】 平田 佳規
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−054742(JP,A)
【文献】 特開2007−102126(JP,A)
【文献】 特開2014−089221(JP,A)
【文献】 特開2010−224071(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0054820(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/06− 15/095
G03G 15/00− 15/01
G03G 21/00
G03G 21/14
G01B 7/00− 7/34
G01B 21/00− 21/32
G01R 29/00
G01R 31/00
G01R 31/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される第1のローラーと、
所定間隔の第1のギャップを介して前記第1のローラーに対向して配置され、前記静電潜像を現像するための現像剤を担持する第2のローラーと、
前記第2のローラーに電圧を印加する第1の電圧印加部と、
前記静電潜像を現像する際に前記第2のローラーに印加する電圧の電圧値である第1の電圧値を決定する制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記第1のギャップの間隔のムラの大きさを示す第1の間隔ムラ値を決定し、
前記第2のローラーに印加する電圧を段階的に大きくし、各段階において前記第1のギャップに放電が発生するか否かを測定することにより、前記第1の電圧値の指標値である第1の指標値を決定し、
前記第1の間隔ムラ値及び前記第1の指標値に基づいて、前記第1の電圧値を決定し、
前記制御部は、前記第1の間隔ムラ値に応じた補正値を前記第1の指標値から減算して得た値を、前記第1の電圧値として決定し、
前記補正値は、前記第1の間隔ムラ値が大きいほど大きい、画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1のローラー及び前記第2のローラーが回転している状態で前記第2のローラーに電圧を印加した際に流れる電流の変動量に基づいて、前記第1の間隔ムラ値を決定する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記各段階のうちの放電の発生が最初に検出された段階において前記第2のローラーに印加した電圧の電圧値を、前記第1の指標値として決定する、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1の間隔ムラ値と前記補正値との対応付けを管理する管理情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、決定した前記第1の間隔ムラ値に前記管理情報において対応付けられている前記補正値を前記第1の指標値から減算して得た値を、前記第1の電圧値として決定する、請求項1〜3のうちのいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1のギャップに放電が発生するか否かを測定する場合において、当該測定の時間を、当該測定の精度を示す値が飽和するまでに要する時間よりも短い時間とする、請求項1〜のうちのいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
所定間隔の第2のギャップを介して前記第2のローラーに対向して配置され、前記現像剤を前記第2のローラーに供給する第3のローラーと、
前記第3のローラーに電圧を印加する第2の電圧印加部と
をさらに備え、
前記制御部は、
前記現像剤を前記第2のローラーに供給する際に前記第3のローラーに印加する電圧の電圧値である第2の電圧値を決定し、
前記第2のギャップの間隔のムラの大きさを示す第2の間隔ムラ値を決定し、
前記第3のローラーに印加する電圧を段階的に大きくし、各段階において前記第2のギャップに放電が発生するか否かを測定することにより、前記第2の電圧値の指標値である第2の指標値を決定し、
前記第2の間隔ムラ値及び前記第2の指標値に基づいて、前記第2の電圧値を決定する、請求項1〜のうちのいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記第1のローラー及び前記第2のローラーが回転し且つ前記第3のローラーが停止している状態で前記第2のローラーに電圧を印加した場合に流れる電流の変動量に基づいて、前記第1の間隔ムラ値を決定し、
前記第1のローラーが停止し且つ前記第2のローラー及び前記第3のローラーが回転している状態で前記第2のローラー又は前記第3のローラーに電圧を印加した場合に流れる電流の変動量に基づいて、前記第2の間隔ムラ値を決定する、請求項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、感光体ドラムと現像ローラーとが所定間隔のギャップを介して対向して配置される画像形成装置が知られている。感光体ドラムは、円筒形の回転体であり、その周面に静電潜像が形成される。現像ローラーは、円筒形の回転体であり、感光体ドラムに形成された静電潜像を現像するための現像剤、例えばトナーをその周面に担持する。当該画像形成装置において、直流電圧と交流電圧とが重畳された電圧が現像ローラーに印加され、帯電したトナーが現像ローラーから感光体ドラムへ飛翔し、静電潜像が現像される。
【0003】
当該画像形成装置において、現像効率を高めるためには、現像ローラーに印加する電圧(以下「現像バイアス」という)を大きくし、十分な量のトナーを感光体ドラムに供給する必要がある。しかし、現像バイアスを大きくしすぎると、次のような問題が生じる。すなわち、感光体ドラムと現像ローラーとの間に放電が発生し、感光体ドラムの周面の電位が変化して静電潜像が乱れ、用紙に形成された画像の品質が低下する。また、感光体ドラムに過大な電流が流れ、感光体ドラムの損傷を引き起こす場合がある。従って、静電潜像を現像する際には、感光体ドラムと現像ローラーとの間に放電が発生しない限度で、出来るだけ大きい現像バイアスを現像ローラーに印加することが求められる。
【0004】
例えば、特許文献1には、リーク発生手段とリーク検知手段とを設けた現像装置が開示されている。特許文献1に開示の現像装置において、リーク発生手段は、像担持体とトナー担持体との間に印加させる電圧を変化させて像担持体とトナー担持体との間にリークを発生させる。また、リーク検知手段は、像担持体とトナー担持体との間に流れる電流に基づいてリークを検知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−287942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
静電潜像を現像する際の適切な現像バイアスの電圧値を決定する方法として、例えば、次のような方法がある。すなわち、画像形成装置の制御部が、現像バイアスの電圧値を段階的に大きくし、各段階において感光体ドラムと現像ローラーとの間のギャップに放電が発生するか否かを測定することにより、放電の発生が開始する電圧値(以下「放電開始電圧値」という)を決定する。そして、制御部が、放電開始電圧値以上とならないように、静電潜像を現像する際の現像バイアスの電圧値を決定する。
【0007】
ところで、感光体ドラム及び現像ローラーのそれぞれは、製造時の誤差等により、その周面は完全な平坦面とはなっておらず、また、その回転軸には若干の反りが発生する場合がある。そのため、感光体ドラム及び現像ローラーを回転させた場合において、感光体ドラムと現像ローラーとの間のギャップには、その間隔が感光体ドラム及び現像ローラーの回転に伴って変化するいわゆる間隔のムラがある。そのため、印加する現像バイアスの電圧値が同じでも、ギャップの間隔が広くなっている場合には放電が発生せず、ギャップの間隔が狭くなった場合に放電が発生するということが起こり得る。
【0008】
従って、各段階における放電の発生有無をより正確に測定するためには、制御部は、感光体ドラム及び現像ローラーを回転させた状態で、各段階の電圧値の現像バイアスを或る程度の時間、例えば1.5〜2秒間印加し続ける必要がある。現像バイアスを或る程度の時間印加し続けることにより、制御部は、ギャップの間隔が狭くなった状態での放電の発生有無をより確実に測定できるようになるからである。
【0009】
しかし、一つの段階の測定に1.5秒〜2秒を要すると、放電開始電圧値が決定されるまでに、現像バイアスの電圧値の変更と当該電圧値における放電の発生有無の測定とが数回〜数十回繰り返されるので、測定に要する時間が、全体で1.5秒〜2秒の数倍〜数十倍となる。そして、各段階の測定のための前処理及び後処理にも或る程度の時間を要するので、結果として放電開始電圧値が決定されるまでに長い時間がかかってしまう。
【0010】
上記の問題は、現像バイアスの電圧値を決定する場合だけでなく、現像ローラーにトナーを供給するトナー供給ローラーに印加する電圧(以下「トナー供給バイアス」という)の電圧値を決定する場合にも起こり得る。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、静電潜像を現像する際に印加する電圧の電圧値を効率的に決定し得る画像形成装置、例えば当該電圧値をより短い時間で決定し得る画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一観点に係る画像形成装置は、第1のローラーと、第2のローラーと、第1の電圧印加部と、制御部とを備える。前記第1のローラーには、静電潜像が形成される。前記第2のローラーは、所定間隔の第1のギャップを介して前記第1のローラーに対向して配置され、前記静電潜像を現像するための現像剤を担持する。前記第1の電圧印加部は、前記第2のローラーに電圧を印加する。前記制御部は、前記静電潜像を現像する際に前記第2のローラーに印加する電圧の電圧値である第1の電圧値を決定する。前記制御部は、前記第1のギャップの間隔のムラの大きさを示す第1の間隔ムラ値を決定する。前記制御部は、前記第2のローラーに印加する電圧を段階的に大きくし、各段階において前記第1のギャップに放電が発生するか否かを測定することにより、前記第1の電圧値の指標値である第1の指標値を決定する。前記制御部は、前記第1の間隔ムラ値及び前記第1の指標値に基づいて、前記第1の電圧値を決定する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、静電潜像を現像する際に印加する電圧の電圧値を効率的に決定し得る画像形成装置、例えば当該電圧値をより短い時間で決定し得る画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施形態に係る画像形成装置の一例の構成図である。
図2図2は、実施形態に係る現像装置の一例の構成図である。
図3図3は、実施形態に係る画像形成装置の一例のブロック図である。
図4図4は、実施形態に係る第1の対応管理情報の一例の構成図である。
図5図5は、実施形態に係る第2の対応管理情報の一例の構成図である。
図6図6は、放電の発生有無を測定する際の電圧の印加時間と測定精度との関係を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る制御部が行う処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明する構成要素の全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。複数の図を通じて同一の符号は、同一の構成要素を示している。
【0016】
図1は、実施形態に係る画像形成装置の一例の構成図である。
【0017】
画像形成装置100は、例えば複合機(MFP:Multi Function Peripheral)である。画像形成装置100は、スキャナー、複写機、プリンター、及びファクシミリ(FAX)の各機能を有する。画像形成装置100は、用紙に画像を形成する画像形成部1と、原稿の画像を読み取る画像読取部2と、読み取り対象の原稿を搬送する原稿搬送部3と、ユーザーに画像形成装置100を操作させるための操作部4とを備える。
【0018】
画像形成部1は、給紙カセット11と、給紙ローラー12と、搬送ローラー13と、レジストローラー14と、画像形成ユニット15と、定着ユニット16と、排出ローラー17と、排出トレイ18とを備える。給紙ローラー12は、給紙カセット11から用紙を1枚ずつ繰り出す。給紙ローラー12によって繰り出された用紙は、搬送ローラー13及びレジストローラー14によって画像形成ユニット15まで搬送される。
【0019】
画像形成ユニット15は、給紙カセット11から搬送されてきた用紙に画像を形成する。画像形成ユニット15は、感光体ドラム151と、帯電装置152と、露光装置153と、現像装置5と、転写ローラー155と、クリーニング装置156とを備える。感光体ドラム151(第1のローラー)は、円筒形の回転体である。感光体ドラム151の周面には、静電潜像が形成される。帯電装置152は、感光体ドラム151を所定の電位に帯電させる。露光装置153は、画像データに基づきレーザー光を出力して感光体ドラム151を露光することで、画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム151上に形成する。画像データとしては、例えば、画像読取部2が原稿を読み取って生成した画像データや、通信ネットワークを介して外部のコンピューターから受信した画像データが用いられる。
【0020】
現像装置5は、感光体ドラム151上の静電潜像に現像剤(本実施形態ではトナー)を供給して現像し、感光体ドラム151上にトナー像を形成する。現像装置5の詳細については、図2を参照して後述する。転写ローラー155は、感光体ドラム151上のトナー像を用紙に転写する。クリーニング装置156は、転写後に感光体ドラム151に残留する残留トナーを除去する。定着ユニット16は、転写されたトナー像を用紙に定着させる。トナー像が定着された用紙は、排出ローラー17によって排出トレイ18へ排出される。
【0021】
図2は、実施形態に係る現像装置の一例の構成図である。
【0022】
図2に示すように、現像装置5は、現像ローラー51と、トナー供給ローラー52とを備える。現像ローラー51(第2のローラー)は、円筒形の回転体である。現像ローラー51は、所定間隔、例えば100〜300μmの第1のギャップG1を介して感光体ドラム151に対向して配置される。現像ローラー51は、感光体ドラム151に形成された静電潜像を現像するためのトナーをその周面に担持する。
【0023】
トナー供給ローラー52(第3のローラー)は、円筒形の回転体である。トナー供給ローラー52は、所定間隔、例えば300μmの第2のギャップG2を介して現像ローラー51に対向して配置される。トナー供給ローラー52は、トナーを現像ローラー51に供給する。
【0024】
現像ローラー51には、第1の電圧印加部81が電気的に接続される。第1の電圧印加部81は、後述する制御部6(図3参照)の制御の下、直流電圧と交流電圧とが重畳された現像バイアスを現像ローラー51に印加する。現像バイアスが現像ローラー51に印加されることで、帯電したトナーが現像ローラー51から感光体ドラム151へ飛翔し、感光体ドラム151上の静電潜像が現像される。
【0025】
第1の電圧印加部81は、第1の交流電圧印加部811と、第1の直流電圧印加部812とを備える。第1の直流電圧印加部812は、現像バイアスの直流成分を発生させる回路である。第1の直流電圧印加部812の出力は、第1の交流電圧印加部811に入力される。第1の交流電圧印加部811は、第1の直流電圧印加部812の出力に基づいて、現像バイアスを発生させる回路である。現像バイアスは、例えば、第1の直流電圧印加部812の出力値を平均値とする矩形波状(パルス状)の電圧である。現像バイアスの電圧値(例えば、ピーク間の電位差及び平均値)は、制御部6により決定される。
【0026】
トナー供給ローラー52には、第2の電圧印加部82が電気的に接続される。第2の電圧印加部82は、制御部6の制御の下、直流電圧と交流電圧とが重畳されたトナー供給バイアスをトナー供給ローラー52に印加する。トナー供給バイアスがトナー供給ローラー52に印加されることで、帯電したトナーがトナー供給ローラー52から現像ローラー51へ飛翔し、現像ローラー51にトナーが供給される。
【0027】
第2の電圧印加部82は、第2の交流電圧印加部821と、第2の直流電圧印加部822とを備える。第2の直流電圧印加部822は、トナー供給バイアスの直流成分を発生させる回路である。第2の直流電圧印加部822の出力は、第2の交流電圧印加部821に入力される。第2の交流電圧印加部821は、第2の直流電圧印加部822の出力に基づいて、トナー供給バイアスを発生させる回路である。トナー供給バイアスは、例えば、第2の直流電圧印加部822の出力値を平均値とする矩形波状(パルス状)の電圧である。トナー供給バイアスの電圧値(例えば、ピーク間の電位差及び平均値)は、制御部6により決定される。
【0028】
図3は、実施形態に係る画像形成装置の一例のブロック図である。
【0029】
図3に示すように、画像形成装置100は、画像形成部1、画像読取部2、原稿搬送部3、操作部4、第1の電圧印加部81、及び第2の電圧印加部82に加えて、制御部6と、記憶部7とをさらに備える。画像形成部1、画像読取部2、原稿搬送部3、操作部4、記憶部7、第1の電圧印加部81、及び第2の電圧印加部82は、制御部6と通信可能に接続される。
【0030】
制御部6は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、画像形成装置100の動作を制御する。例えば、制御部6は、画像形成部1を制御して、画像形成部1に画像の形成を行わせる。また、制御部6は、静電潜像を現像する際に現像ローラー51に印加する現像バイアスの電圧値(以下「第1の電圧値」という)を決定する。また、制御部6は、トナーを現像ローラー51に供給する際にトナー供給ローラー52に印加するトナー供給バイアスの電圧値(以下「第2の電圧値」という)を決定する。制御部6は、画像形成部1に画像の形成を行わせる際や、第1の電圧値又は第2の電圧値を決定するための測定、具体的には電流の変動量の測定及び放電の発生有無の測定を行う際に、感光体ドラム151、現像ローラー51、及びトナー供給ローラー52を所望のタイミングで回転させ又は停止させる。制御部6は、ムラ値決定部61と、指標値決定部62と、電圧値決定部63とを備える。
【0031】
ムラ値決定部61は、感光体ドラム151及び現像ローラー51が回転している状態で現像ローラー51に現像バイアスを印加した際に流れる電流の変動量(以下「第1の電流変動量」という)に基づいて、間隔のムラの大きさを示す値(以下「間隔ムラ値」という)であって第1のギャップG1に関する第1の間隔ムラ値を決定する。ムラ値決定部61は、第1の電流変動量を測定する際、例えばトナー供給ローラー52の回転を停止させる。また、ムラ値決定部61は、現像ローラー51及びトナー供給ローラー52が回転している状態で現像ローラー51又はトナー供給ローラー52に現像バイアス又はトナー供給バイアスを印加した場合に流れる電流の変動量(以下「第2の電流変動量」という)に基づいて、第2のギャップG2に関する間隔ムラ値である第2の間隔ムラ値を決定する。ムラ値決定部61は、第2の電流変動量を測定する際、例えば感光体ドラム151の回転を停止させる。
【0032】
指標値決定部62は、現像ローラー51に印加する現像バイアスを段階的に大きくし、各段階において第1のギャップG1に放電が発生するか否かを測定することにより、第1の電圧値の指標値(以下「第1の指標値」という)を決定する。指標値決定部62は、例えば、放電の発生が最初に検出された段階において現像ローラー51に印加した現像バイアスの電圧値を、第1の指標値として決定する。また、指標値決定部62は、トナー供給ローラー52に印加するトナー供給バイアスを段階的に大きくし、各段階において第2のギャップG2に放電が発生するか否かを測定することにより、第2の電圧値の指標値(以下「第2の指標値」という)を決定する。指標値決定部62は、例えば、放電の発生が最初に検出された段階においてトナー供給ローラー52に印加したトナー供給バイアスの電圧値を、第2の指標値として決定する。
【0033】
電圧値決定部63は、第1の間隔ムラ値及び第1の指標値に基づいて、第1の電圧値を決定する。具体的には、電圧値決定部63は、第1の間隔ムラ値に応じた補正値を第1の指標値から減算して得た値を、第1の電圧値として決定する。また、電圧値決定部63は、第2の間隔ムラ値及び第2の指標値に基づいて、第2の電圧値を決定する。具体的には、電圧値決定部63は、第2の間隔ムラ値に応じた補正値を第2の指標値から減算して得た値を、第2の電圧値として決定する。
【0034】
記憶部7は、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、二次記憶装置とを含む。二次記憶装置は、例えば、ハードディスクやフラッシュメモリー等の不揮発性の記憶装置である。記憶部7のROMには、制御部6によって実行される種々のコンピュータープログラムが記憶される。また、記憶部7には、第1の対応管理情報71と、第2の対応管理情報72とが記憶される。第1の対応管理情報71は、電流の変動量と間隔ムラ値との対応関係を管理する情報である。第2の対応管理情報72は、間隔ムラ値と補正値との対応関係を管理する情報である。第1の対応管理情報71及び第2の対応管理情報72の詳細については、図4及び図5を参照して後述する。
【0035】
制御部6の機能、並びにムラ値決定部61、指標値決定部62、及び電圧値決定部63の各機能は、制御部6が、ROMからRAMにロードされた各種のコンピュータープログラムを実行することにより実現される。なお、ムラ値決定部61、指標値決定部62、及び電圧値決定部63の各機能をソフトウェアで実現することに代えて、これらの機能を実現するハードウェアが、画像形成装置100に搭載されてもよい。
【0036】
図4は、実施形態に係る第1の対応管理情報の一例の構成図である。
【0037】
第1の対応管理情報71は、電流の変動量と間隔ムラ値との対応関係を管理する情報であり、例えば図4に示すように、テーブル形式で表現される。第1の対応管理情報71は、電流変動値711のデータフィールドと、間隔ムラ値712のデータフィールドとを含む。電流変動値711には、電流の変動量を示す複数の値(単位は例えばA(アンペア))が格納される。間隔ムラ値712には、各電流の変動量に対応する複数の間隔ムラ値(単位は例えばμm)が格納される。
【0038】
ムラ値決定部61は、第1の電流変動量を測定し、測定した第1の電流変動量と第1の対応管理テーブル71とに基づいて、第1の間隔ムラ値を決定する。例えば、測定した第1の電流変動量を示す値がx(A)である場合、ムラ値決定部61は、第1の対応管理情報71においてx(A)に対応付けられている間隔ムラ値、すなわち10(μm)を第1の間隔ムラ値として決定する。また、ムラ値決定部61は、第2の電流変動量を測定し、測定した第2の電流変動量と第1の対応管理テーブル71とに基づいて、第2の間隔ムラ値を決定する。例えば、測定した第2の電流変動量を示す値がy(A)である場合、ムラ値決定部61は、第1の対応管理情報71においてy(A)に対応付けられている間隔ムラ値、すなわち20(μm)を第2の間隔ムラ値として決定する。
【0039】
なお、第1の対応管理情報71は、必ずしもテーブル形式で表現される必要はない。例えば、第1の対応管理情報71は、電流の変動量と間隔ムラ値との対応関係を示す関数を特定するための情報であってもよい。
【0040】
図5は、実施形態に係る第2の対応管理情報の一例の構成図である。
【0041】
第2の対応管理情報72は、間隔ムラ値と補正値との対応関係を管理する情報である。本実施形態において、第2の対応管理情報72は、複数の間隔ムラ値の範囲と各範囲に対応する補正値との対応関係を管理し、例えば図5に示すように、テーブル形式で表現される。第2の対応管理情報72は、間隔ムラ範囲721のデータフィールドと、補正値722のデータフィールドとを含む。間隔ムラ範囲721には、間隔ムラ値の範囲を示すデータが格納される。補正値722には、間隔ムラ値の範囲に対応する補正値(単位は例えばV(ボルト))が格納される。
【0042】
電圧値決定部63は、第2の対応管理情報72に基づいて、第1の間隔ムラ値及び第2の間隔ムラ値のそれぞれに応じた補正値を決定する。例えば、第1の間隔ムラ値が10(μm)である場合、当該第1の間隔ムラ値は、0以上20未満の範囲に属するため、電圧値決定部63は、当該範囲に対応付けられている補正値、すなわち100(V)を第1の間隔ムラ値に応じた補正値として決定する。また、例えば、第2の間隔ムラ値が20(μm)である場合、当該第2の間隔ムラ値は、20以上40未満の範囲に属するため、電圧値決定部63は、当該範囲に対応付けられている補正値、すなわち150(V)を第2の間隔ムラ値に応じた補正値として決定する。
【0043】
なお、第2の対応管理情報72は、必ずしもテーブル形式で表現される必要はない。例えば、第2の対応管理情報71は、間隔ムラ値と補正値との対応関係を示す関数を特定するための情報であってもよい。
【0044】
図6は、放電の発生有無を測定する際の電圧の印加時間と測定精度との関係を示す図である。
【0045】
図6は、指標値決定部62が、第1のギャップG1又は第2のギャップG2に放電が発生するか否かを測定(以下、この測定を「放電測定」という)する場合における現像バイアス又はトナー供給バイアスを印加する時間と測定の精度との関係を示している。図6に示すように、放電測定の精度を示す値は、現像バイアス又はトナー供給バイアスが印加される時間が長くなるほど高くなり、或る時間T1(図6の例では1.5秒間)を経過した時点で飽和する。以下、放電測定の精度を示す値が飽和する時間T1を「測定精度飽和時間」という。
【0046】
図6からわかるように、指標値決定部62は、放電測定において、測定精度飽和時間T1の間、現像バイアス又はトナー供給バイアスを印加し続けることで、より精度の高い測定結果を得ることができる。しかし、一つの段階の放電測定に測定精度飽和時間T1(1.5秒)を要すると、放電開始電圧値(本実施形態では、第1の指標値又は第2の指標値)が決定されるまでに長い時間がかかってしまう。
【0047】
そこで、本実施形態において、指標値決定部62は、測定精度飽和時間T1よりも短い所定の印加時間T2の間だけ現像バイアスを現像ローラー51に印加して、第1のギャップG1についての放電測定を行う。同様に、指標値決定部62は、測定精度飽和時間T1よりも短い所定の印加時間(本実施形態では、第1のギャップG1についての放電測定と同じ印加時間T2)の間だけトナー供給バイアスをトナー供給ローラー52に印加して、第2のギャップG2についての放電測定を行う。本実施形態において、印加時間T2は、例えば10(ms)である。これにより、指標値決定部62は、第1の指標値又は第2の指標値を決定するまでに要する時間を短縮する。
【0048】
一方で、現像バイアス又はトナー供給バイアスが印加される時間が短縮されることで、放電測定の精度が低下する。これは、次のことを意味する。すなわち、指標値決定部62は、放電の発生が最初に検出された段階(検出段階)において現像ローラー51に印加した現像バイアスの電圧値を第1の指標値として決定するが、実際には、第1の指標値よりも低い電圧値であっても放電が発生する可能性が高くなることを意味する。何故ならば、現像バイアスが印加される時間が短縮されることで、検出段階よりも前の段階の放電測定において、第1のギャップG1の間隔が狭くなった状態で放電測定がなされていない可能性が高いからである。同様に、指標値決定部62は、放電の発生が最初に検出された検出段階においてトナー供給ローラー52に印加したトナー供給バイアスの電圧値を第2の指標値として決定するが、実際には、第2の指標値よりも低い電圧値であっても放電が発生する可能性が高くなることを意味する。
【0049】
そこで、本実施形態において、電圧値決定部63は、第1の指標値又は第2の指標値に対して間隔ムラ値を考慮した補正を行って、第1の電圧値又は第2の電圧値を決定する。具体的には、電圧値決定部63は、第1の間隔ムラ値に応じた補正値分だけ第1の指標値よりも低い値となるように、第1の電圧値を決定する。同様に、電圧値決定部63は、第2の間隔ムラ値に応じた補正値分だけ第2の指標値よりも低い値となるように、第2の電圧値を決定する。このような補正が行われることで、最終的に決定された第1の電圧値又は第2の電圧値が、適切な電圧値、すなわち放電が発生しない出来るだけ大きい電圧値となる。
【0050】
以下、画像形成装置100が行う処理を説明する。
【0051】
図7は、実施形態に係る制御部が行う処理のフローチャートである。
【0052】
まず、ムラ値決定部61は、第1の電流変動量に基づいて、第1の間隔ムラ値を決定する(ステップS101)。
【0053】
具体的には、ムラ値決定部61は、感光体ドラム151及び現像ローラー51を回転させ、トナー供給ローラー52の回転を停止させる。そして、ムラ値決定部61は、所定の電圧値の現像バイアスを現像ローラー51に印加して第1の電流変動量を測定する。その後、ムラ値決定部61は、測定した第1の電流変動量と第1の対応管理テーブル71とに基づいて、第1の間隔ムラ値を決定する。
【0054】
次に、ムラ値決定部61は、第2の電流変動量に基づいて、第2の間隔ムラ値を決定する(ステップS102)。
【0055】
具体的には、ムラ値決定部61は、感光体ドラム151の回転を停止させ、現像ローラー51及びトナー供給ローラー52を回転させる。そして、ムラ値決定部61は、所定の電圧値の現像バイアスを現像ローラー51に印加して、又は所定の電圧値のトナー供給バイアスをトナー供給ローラー52に印加して、第2の電流変動量を測定する。その後、ムラ値決定部61は、測定した第2の電流変動量と第1の対応管理テーブル71とに基づいて、第2の間隔ムラ値を決定する。
【0056】
次に、指標値決定部62は、現像ローラー51に印加する現像バイアスを段階的に大きくし、各段階において第1のギャップG1に放電が発生するか否かを測定することにより、第1の指標値を決定する(ステップS103)。
【0057】
具体的には、指標値決定部62は、まず、感光体ドラム151及び現像ローラー51を回転させる。そして、指標値決定部62は、印加時間T2の間、所定の初期電圧値の現像バイアスを現像ローラー51に印加して、その間に第1のギャップG1に放電が発生するか否かを測定する。放電が発生しなかった場合、指標値決定部62は、所定の刻み幅ΔVを初期電圧値に加算して得られた電圧値を、次段階の電圧値とする。そして、指標値決定部62は、印加時間T2の間、次段階の電圧値の現像バイアスを現像ローラー51に印加して、その間に第1のギャップG1に放電が発生するか否かを測定する。刻み幅ΔVは、例えば30〜100(V)である。指標値決定部62は、放電の発生を検出するまで、現像ローラー51に印加する現像バイアスの電圧値を刻み幅ΔVだけ増加させて放電測定を行う操作を繰り返して行う。そして、指標値決定部62は、放電の発生を検出したときに現像ローラー51に印加していた現像バイアスの電圧値を、第1の指標値として決定する。
【0058】
本実施形態において、印加時間T2は、測定精度飽和時間T1よりも短い時間であり、例えば10(ms)である。従って、各段階の放電測定に要する時間が短縮されるので、第1の指標値が決定されるまでに要する時間が短縮される。
【0059】
その後、電圧値決定部63は、ステップS101で決定された第1の間隔ムラ値とステップS103で決定された第1の指標値とに基づいて、第1の電圧値を決定する(ステップS104)。
【0060】
具体的には、電圧値決定部63は、まず、第2の対応管理情報72に基づいて、第1の間隔ムラ値に応じた補正値を決定する。そして、電圧値決定部63は、第1の間隔ムラ値に応じた補正値を第1の指標値から減算して得た値を、第1の電圧値として決定する。
【0061】
次に、指標値決定部62は、トナー供給ローラー52に印加するトナー供給バイアスを段階的に大きくし、各段階において第2のギャップG2に放電が発生するか否かを測定することにより、第2の指標値を決定する(ステップS105)。このステップS105の処理を行っている間、例えば、指標値決定部62は、ステップS104で決定された第1の電圧値の現像バイアスを現像ローラー51に印加してもよい。
【0062】
具体的には、指標値決定部62は、まず、現像ローラー51及びトナー供給ローラー52を回転させる。そして、指標値決定部62は、印加時間T2の間、所定の初期電圧値のトナー供給バイアスをトナー供給ローラー52に印加して、その間に第2のギャップG2に放電が発生するか否かを測定する。放電が発生しなかった場合、指標値決定部62は、所定の刻み幅ΔVを初期電圧値に加算して得た電圧値を、次段階の電圧値とする。そして、指標値決定部62は、印加時間T2の間、次段階の電圧値のトナー供給バイアスをトナー供給ローラー52に印加して、その間に第2のギャップG2に放電が発生するか否かを測定する。刻み幅ΔVは、第1の指標値を決定する場合と同様に、例えば30〜100(V)である。指標値決定部62は、放電の発生を検出するまで、トナー供給ローラー52に印加するトナー供給バイアスの電圧値を刻み幅ΔVだけ増加させて放電測定を行う操作を繰り返して行う。そして、指標値決定部62は、放電の発生を検出したときにトナー供給ローラー52に印加していたトナー供給バイアスの電圧値を、第2の指標値として決定する。
【0063】
第1の指標値を決定する場合と同様に、印加時間T2は、測定精度飽和時間T1よりも短い時間であり、例えば10(ms)である。従って、各段階の放電測定に要する時間が短縮されるので、第2の指標値が決定されるまでに要する時間が短縮される。
【0064】
その後、電圧値決定部63は、ステップS102で決定された第2の間隔ムラ値とステップS105で決定された第2の指標値とに基づいて、第2の電圧値を決定する(ステップS106)。
【0065】
具体的には、電圧値決定部63は、まず、第2の対応管理情報72に基づいて、第2の間隔ムラ値に応じた補正値を決定する。そして、電圧値決定部63は、第2の間隔ムラ値に応じた補正値を第2の指標値から減算して得た値を、第2の電圧値として決定する。その後、制御部6は、処理を終了する。
【0066】
なお、図7に示すフローチャートの処理は、例えば、画像形成装置100の設置時や、感光体ドラム151又は現像装置5の交換時に行われる。画像形成装置100の設置時に行われるのは、設置環境の気圧の違いにより、放電開始電圧値が変化するためである。感光体ドラム151又は現像装置5の交換時に行われるのは、第1のギャップG1又は第2のギャップG2が交換前と交換後とで変化するためである。なお、画像形成装置100の設置時及び感光体ドラム151又は現像装置5の交換時以外の場合に、図7に示すフローチャートの処理が行われてもよい。
【0067】
本実施形態によれば、画像形成装置100は、第1の指標値又は第2の指標値を決定する際の各段階の放電測定において、現像バイアス又はトナー供給バイアスを印加する時間を測定精度飽和時間T1よりも短い印加時間T2とする。これにより、第1の指標値又は第2の指標値が決定されるまでに要する時間が短縮される。よって、画像形成装置100は、静電潜像を現像する際の適切な現像バイアスの電圧値(第1の電圧値)をより短い時間で決定し得るようになる。また、画像形成装置100は、トナーを現像ローラー52に供給する際の適切なトナー供給バイアスの電圧値(第2の電圧値)をより短い時間で決定し得るようになる。
【0068】
なお、現像バイアス又はトナー供給バイアスが印加される時間が短縮されることで、第1の指標値又は第2の指標値を決定する際の各段階の放電測定の精度が低下する。しかし、本実施形態に係る画像形成装置100は、第1の指標値に対して第1のギャップG1の間隔のムラの大きさを考慮した補正を行って、第1の電圧値を決定する。また、画像形成装置100は、第2の指標値に対して第2のギャップG2の間隔のムラの大きさを考慮した補正を行って、第2の電圧値を決定する。このような補正が行われることで、最終的に決定された第1の電圧値又は第2の電圧値が、適切な電圧値、すなわち放電が発生しない出来るだけ大きい電圧値となる。
【0069】
以上、本発明の一つの実施形態を説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0070】
例えば、図7に示すフローチャートの処理における各ステップの順序は、図7に示す順序に限られない。例えば、制御部6は、第2の間隔ムラ値を決定するステップS102の処理を、第1の電圧値を決定するステップS104の処理の後に行ってもよい。また、例えば、第1の指標値を決定するステップS103の処理を、第1の間隔ムラ値を決定するステップS101の処理の前に行ってもよい。同様に、第2の指標値を決定するステップS105の処理を、第2の間隔ムラ値を決定するステップS102の処理の前に行ってもよい。
【0071】
また、本実施形態では、ムラ値決定部61は、第1の電流変動量に基づいて第1の間隔ムラ値を決定したが、次のようにして第1の間隔ムラ値を決定してもよい。すなわち、ムラ値決定部61は、感光体ドラム151の回転のムラの大きさを示す第1の回転ムラ値と、現像ローラー51の回転のムラの大きさを示す第2の回転ムラ値とを測定し、第1の回転ムラ値及び第2の回転ムラ値に基づいて、第1の間隔ムラ値を決定してもよい。第1の回転ムラ値は、例えば、感光体ドラム151が回転している状態で現像ローラー51に現像バイアスを印加した際に流れる電流の変動量に基づいて測定される。第2の回転ムラ値は、例えば、現像ローラー51が回転している状態で現像ローラー51に現像バイアスを印加した際に流れる電流の変動量に基づいて測定される。
【0072】
同様に、ムラ値決定部61は、第2の電流変動量に基づいて第2の間隔ムラ値を決定したが、次のようにして第2の間隔ムラ値を決定してもよい。すなわち、ムラ値決定部61は、第2の回転ムラ値と、トナー供給ローラー52の回転のムラの大きさを示す第3の回転ムラ値とを測定し、第2の回転ムラ値及び第3の回転ムラ値に基づいて、第2の間隔ムラ値を決定してもよい。第3の回転ムラ値は、例えば、トナー供給ローラー52が回転している状態でトナー供給ローラー52にトナー供給バイアスを印加した際に流れる電流の変動量に基づいて測定される。
【0073】
また、本実施形態では、画像形成装置100として複合機を例示して説明したが、画像形成装置100は、複合機に限られず、画像形成機能を有するその他の装置であってもよい。
【符号の説明】
【0074】
100 画像形成装置
155 感光体ドラム
51 現像ローラー
52 トナー供給ローラー
6 制御部
81 第1の電圧印加部
82 第2の電圧印加部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7