特許第6241405号(P6241405)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6241405
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】画像処理システム及び画像処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20171127BHJP
【FI】
   H04N1/00 B
   H04N1/00 107Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-222692(P2014-222692)
(22)【出願日】2014年10月31日
(65)【公開番号】特開2016-92520(P2016-92520A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2016年10月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083172
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 豊明
(74)【代理人】
【識別番号】100170025
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 一
(72)【発明者】
【氏名】藤田 信人
【審査官】 花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−021642(JP,A)
【文献】 特開2008−182472(JP,A)
【文献】 特開2009−017174(JP,A)
【文献】 特開2006−108999(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の画像処理装置と第二の画像処理装置とを含む画像処理システムであって、
前記第一の画像処理装置は、
ユーザーから、画像データの受信予定者が画像データを扱う装置の場所を示す位置情報の入力を受け付ける位置情報受付部と、
前記位置情報が入力されると、送信対象の画像データに、当該位置情報を添付する位置情報添付部と、
ユーザーから送信先を受け付けて、当該送信先に、前記位置情報が添付された画像データを送信する画像位置送信部と、
を備え、
前記第二の画像処理装置は、
ユーザーから、前記位置情報が添付された画像データの処理の指示を受け付けると、当該位置情報が、当該第二の画像処理装置の登録位置情報と一致するか否かを判定する位置情報判定部と、
前記位置情報が前記登録位置情報と一致する場合、当該位置情報が添付された画像データを、前記指示に対応して処理する画像処理部と、
を備え
前記位置情報添付部は、前記位置情報を添付する際に、前記画像データの形式が、位置情報を添付不可の形式であれば、当該画像データの形式を、汎用的なJPEGベースのExif規格に準拠させた上で、当該形式が変更された画像データに前記位置情報を添付する
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記画像処理部は、前記位置情報が前記登録位置情報と一致しない場合、前記指示に対応する、当該位置情報が添付された画像データの処理を禁止する
請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記第二の画像処理装置は、GPS機能又はWi−Fi機能を含む位置情報取得部を更に備え、
前記位置情報判定部が、前記位置情報取得部から第二の画像処理装置の登録位置情報を取得し、前記画像データの位置情報が、前記登録位置情報を中心として所定の幅の半径の円の範囲内に含まれるか否かを判定することで、前記登録位置情報と一致するか否かを判定する
請求項1または2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
第一の画像処理装置と第二の画像処理装置とを含む画像処理システムの画像処理方法であって、
前記第一の画像処理装置で、ユーザーから、画像データの受信予定者が画像データを扱う装置の場所を示す位置情報の入力を受け付ける位置情報受付ステップと、
前記第一の画像処理装置で、前記位置情報が入力されると、送信対象の画像データに、当該位置情報を添付する位置情報添付ステップと、
前記第一の画像処理装置で、ユーザーから送信先を受け付けて、当該送信先に、前記位置情報が添付された画像データを送信する画像位置送信ステップと、
前記第二の画像処理装置で、ユーザーから、前記位置情報が添付された画像データの処理の指示を受け付けると、当該位置情報が、当該第二の画像処理装置の登録位置情報と一致するか否かを判定する位置情報判定ステップと、
前記第二の画像処理装置で、前記位置情報が前記登録位置情報と一致する場合、当該位置情報が添付された画像データを、前記指示に対応して処理する画像処理ステップと、
を備え、
前記位置情報添付ステップは、前記位置情報を添付する際に、前記画像データの形式が、位置情報を添付不可の形式であれば、当該画像データの形式を、汎用的なJPEGベースのExif規格に準拠させた上で、当該形式が変更された画像データに前記位置情報を添付する
ことを特徴とする画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システム及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナー、複写機、複合機等の画像処理装置において画像データのセキュリティーに関する技術は多種存在する。例えば、特開2008−11477号公報(特許文献1)には、文書部品を含む電子文書の画像の使用を文書部品単位で制御可能とする画像読取装置が開示されている。又、特開2008−9556号公報(特許文献2)には、現在位置が含まれる場所の属性に基づいて記憶装置に記憶されているデータの漏洩を防止する情報漏洩防止装置が開示されている。又、特開2008−204070号公報(特許文献3)には、データの利用に際して専用の高価な端末等を用いることなく、所定の場所から持ち出されたデータの利用を制限することが出来る文書ファイル生成装置が開示されている。
【0003】
又、特開2009−237625号公報(特許文献4)には、ユーザーに提供されたユーザーデータを予め決めた範囲内にのみ利用でき、ユーザーデータへのアクセスを追跡し、監視するための電子データ管理方法が開示されている。又、特開2011−66714号公報(特許文献5)には、自動又は少ない作業工数で画像形成装置の機能やセキュリティーを当該画像形成装置の設置場所に対応して変更することが可能な画像形成システムが開示されている。又、特開2013−54464号公報(特許文献6)には、コスト及びネットワーク通信の負荷をかけずに、画像形成装置の設置位置が変更されているか否かをユーザーに提示する情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−11477号公報
【特許文献2】特開2008−9556号公報
【特許文献3】特開2008−204070号公報
【特許文献4】特開2009−237625号公報
【特許文献5】特開2011−66714号公報
【特許文献6】特開2013−54464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、所定のフォーマット(例えば、PDF等)の画像データに地理情報システム(GIS)の位置情報を付加する技術が登場してきているものの、この技術を画像データのセキュリティー面で十分に活用出来ていないという課題がある。上述した特許文献1−5に記載の技術では、画像データの位置情報を活用出来ていないという課題がある。又、上述した特許文献6に記載の技術では、位置情報に応じてセキュリティーレベルを変更するため、画像データの完全なセキュリティーを担保出来ないという課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、画像データの位置情報に基づいて当該画像データのセキュリティーを向上させることが可能な画像処理システム及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面に係る画像処理システムは、第一の画像処理装置と第二の画像処理装置とを含む画像処理システムであって、前記第一の画像処理装置は、位置情報受付部と、位置情報添付部と、画像位置送信部と、を備え、前記第二の画像処理装置は、位置情報判定部と、画像処理部と、を備える。位置情報受付部は、ユーザーから、画像データの受信予定者が画像データを扱う装置の場所を示す位置情報の入力を受け付ける。位置情報添付部は、前記位置情報が入力されると、送信対象の画像データに、当該位置情報を添付する。画像位置送信部は、ユーザーから送信先を受け付けて、当該送信先に、前記位置情報が添付された画像データを送信する。位置情報判定部は、ユーザーから、前記位置情報が添付された画像データの処理の指示を受け付けると、当該位置情報が、当該第二の画像処理装置の登録位置情報と一致するか否かを判定する。画像処理部は、前記位置情報が前記登録位置情報と一致する場合、当該位置情報が添付された画像データを、前記指示に対応して処理する。更に、前記位置情報添付部は、前記位置情報を添付する際に、前記画像データの形式が、位置情報を添付不可の形式であれば、当該画像データの形式を、汎用的なJPEGベースのExif規格に準拠させた上で、当該形式が変更された画像データに前記位置情報を添付する。
【0008】
本発明の一の局面に係る画像処理方法は、第一の画像処理装置と第二の画像処理装置とを含む画像処理システムの画像処理方法であって、前記第一の画像処理装置で、位置情報受付ステップと、位置情報添付ステップと、画像位置送信ステップと、を備え、前記第二の画像処理装置は、位置情報判定ステップと、画像処理ステップと、を備える。位置情報受付ステップは、ユーザーから、画像データの受信予定者が画像データを扱う装置の場所を示す位置情報の入力を受け付ける。位置情報添付ステップは、前記位置情報が入力されると、送信対象の画像データに、当該位置情報を添付する。画像位置送信ステップは、ユーザーから送信先を受け付けて、当該送信先に、前記位置情報が添付された画像データを送信する。位置情報判定ステップは、ユーザーから、前記位置情報が添付された画像データの処理の指示を受け付けると、当該位置情報が、当該第二の画像処理装置の登録位置情報と一致するか否かを判定する。画像処理ステップは、前記位置情報が前記登録位置情報と一致する場合、当該位置情報が添付された画像データを、前記指示に対応して処理する。更に、前記位置情報添付ステップは、前記位置情報を添付する際に、前記画像データの形式が、位置情報を添付不可の形式であれば、当該画像データの形式を、汎用的なJPEGベースのExif規格に準拠させた上で、当該形式が変更された画像データに前記位置情報を添付する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像処理システム及び画像処理方法によれば、安価に画像データのセキュリティーを向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る画像処理システムの全体構成を示す概念図である。
図2】本発明の実施形態における画像処理システムの機能ブロック図である。
図3】本発明の実施形態の実行手順を示すためのフローチャートである。
図4】本発明の実施形態における画像処理システムの概要の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、添付図面を参照して、本発明の画像処理システム及び画像処理方法の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベットSはステップを意味する。
【0012】
以下に、本発明の実施形態の一例として、複数の画像処理装置を含む画像処理システムについて説明する。尚、本発明の画像処理装置は、例えば、ファクシミリ、コピー、スキャナー、プリンター等の機能を備えた複合機(MFP:Multi Function Peripheral)が該当する。
【0013】
画像処理システム1の第一の複合機100は、図1に示すように、タッチパネルを含む操作部101を介してユーザーから所定のジョブの設定条件を受け付けると、画像読取制御部102、画像送信制御部103、画像形成制御部104等の各部を駆動し、当該ジョブを提供する。画像読取制御部102は、画像読取ジョブを受けると、画像読取部を駆動し、読取台(原稿台)上に載置された原稿等の画像データを読み取る。画像送信制御部103は、画像送信ジョブを受けると、通信部を駆動し、ネットワーク105を介して所定の送信先に画像データを送信する。画像形成制御部104は、画像形成ジョブを受けると、画像処理部、定着部、用紙搬送部等を駆動し、所定の画像データに基づいて画像形成を実行する。
【0014】
第一の複合機100は、ネットワーク105を介して第二の画像処理装置106(第二の複合機)と通信可能に接続されている。第二の複合機106の機能は、第一の複合機100の機能と同様であり、操作部107、画像読取制御部108、画像送信制御部109、画像形成制御部110を備える。第一の複合機100と第二の複合機106とは画像処理システム1を構成する。
【0015】
尚、第一の複合機100、第二の複合機106の制御回路は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、各駆動部に対応するドライバーを内部バスによって接続している。第一の複合機100、第二の複合機106のCPUは、例えば、RAMを作業領域として利用し、ROM、HDD等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいてドライバーからのデータ、指示、信号、命令等を授受し、各種処理の実行に関する各駆動部の動作を制御する。又、駆動部以外の後述する各部(図2に示す)についても、CPUが、各プログラムを実行することで当該各部を実現する。ROM、RAM、HDD等には、以下に説明する各部を実現するプログラムやデータが記憶されている。
【0016】
次に、図2図3を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。先ず、送信元のユーザーAが、第一の複合機100を起動すると、当該第一の複合機100の表示受付部201が、操作部101のタッチパネル上に所定の操作画面を表示する(図3:S101)。
【0017】
ユーザーAは、前記操作画面の中から、受信予定者の位置情報を含む画像データの送信モードを入力すると、表示受付部201が当該送信モードを受け付けて(図3:S102)、その旨を位置情報受付部202に通知する。当該通知を受けた位置情報受付部202は、ユーザーAから、画像データの受信予定者が画像データを扱う装置の場所を示す位置情報の入力を受け付ける(図3:S103)。尚、前記位置情報は、所定の場所を特定出来る情報であれば、特に限定は無く、例えば、住所、緯度及び経度等を挙げることが出来る。
【0018】
ここで、位置情報受付部202が受け付ける方法に特に限定は無い。例えば、位置情報受付部202は、所定の画面に、受信予定者の位置情報に対応する住所の入力欄を表示して、ユーザーAからキーボードキーの操作により当該住所の入力を受け付ける。又、位置情報受付部202は、ネットワークを介して広く一般に使用されているネットマップ(電子地図、GoogleMap等)を表示して、ユーザーAから受信予定者の位置情報に対応する特定の住所の選択により当該住所の入力を受け付ける。これにより、送信者のユーザーAの負担を軽減出来る。
【0019】
さて、位置情報受付部202が受信予定者の位置情報の入力を受け付けると、その旨を位置情報添付部203に通知する。当該通知を受けた位置情報添付部203は、送信対象の画像データに、前記受け付けた受信予定者の位置情報を添付する。
【0020】
ここで、位置情報添付部203が添付する方法に特に限定は無い。例えば、第一の複合機100から所定の送信先へ画像データを送信する場合、位置情報添付部203は、タッチパネル上に送信対象の画像データの読み取りを促す旨の画像読取画面を表示させる。ユーザーAは、前記画像読取画面を見ながら、原稿を読取台上に載置して、画像読取キーを選択すると、位置情報添付部203は、画像読取制御部102に、前記原稿の画像データを読み取らせる(図3:S104)。
【0021】
次に、位置情報添付部203は、前記読み取らせた画像データに前記位置情報を添付する(図3:S105)。ここで、位置情報添付部203が位置情報を添付する際に、前記画像データの形式が、位置情報を添付不可の形式であれば、当該画像データの形式を、位置情報が添付可能な形式(例えば、JPEG)に変更した上で、前記位置情報を添付する。ここで、前記画像データの形式を、汎用的なJPEGベースのExif規格に準拠させた上で、当該形式が変更された画像データに前記位置情報を添付する。これにより、位置情報として、経度(北緯南緯)、経度(東経西経)、高度の詳細情報を画像データ(JPEGファイル)に添付することが可能となる。
【0022】
尚、上述では、位置情報添付部203が、画像データを読み取らせるよう構成したが、他の構成でも良く、例えば、所定のメモリーに予め送信対象の画像データが記憶されている場合には、位置情報添付部203が、ユーザーAから前記メモリーの画像データの選択を受け付けて、当該選択された画像データに位置情報を添付するよう構成しても良い。この構成は、例えば、第一の複合機100に代えて、端末装置、一般的な画像処理装置に位置情報添付部203が設けられる場合に好適である。
【0023】
さて、位置情報添付部203が添付を完了すると、その旨を画像位置送信部204に通知し、当該通知を受けた画像位置送信部204は、ユーザーAから送信先を受け付けて、当該送信先に、前記位置情報が添付された画像データを送信する(図3:S106)。
【0024】
ここで、画像位置送信部204が送信する方法に特に限定は無い。例えば、画像位置送信部204は、タッチパネル上に送信先の情報(FAX番号、メールアドレス等)の入力を促す旨の送信先入力画面を表示させる。ユーザーAは、前記送信先入力画面を見ながら、所定のキーボードキーを操作して、送信先の情報(例えば、第二の複合機106)を入力し、送信キーを選択すると、画像位置送信部204は、画像送信制御部103を介して、図4に示すように、前記入力された送信先の第二の複合機106に、前記位置情報400が添付された画像データ401を送信する。
【0025】
一方、送信先の第二の複合機106が、前記位置情報400を含む画像データ401を受信すると(図3:S107)、当該第二の複合機106の制御部205が、当該画像データ401を所定のメモリーに一時的に記憶させる。これにより、前記画像データ401を第二の複合機106で扱えるようになる。
【0026】
ここで、送信先のユーザーBが、第二の複合機106に訪れて、第二の複合機106を起動させ、操作部107のタッチパネルを介して、前記画像データ401の処理(例えば、表示又は印刷)の指示を入力する。すると、第二の複合機106の制御部205が当該指示を受け付けて(図3:S108)、その旨を位置情報判定部206に通知する。当該通知を受けた位置情報判定部206は、前記画像データ401に添付された位置情報400が、第二の複合機106の登録位置情報と一致するか否かを判定する(図3:S109)。
【0027】
ここで、位置情報判定部206が判定する方法に特に限定は無い。例えば、第二の複合機106の登録位置情報が所定のメモリーに予め登録されている場合には、位置情報判定部206が、前記メモリーから第二の複合機106の登録位置情報を取得し、前記画像データ401の位置情報400が前記登録位置情報と一致するか否かを判定する。又、第二の複合機に、GPS機能やWi−Fi機能により位置情報取得部403が予め設けられている場合には、位置情報判定部206が、前記位置情報取得部403から第二の複合機106の登録位置情報を取得し、前記画像データ401の位置情報400が前記登録位置情報と一致するか否かを判定する。ここで、前記位置情報400が前記登録位置情報と厳密に一致する必要は無く、前記位置情報400が、前記登録位置情報を中心として所定の幅の半径(例えば、数十m等)の円の範囲内に含まれるか否かを判定することで、前記登録位置情報と一致するか否かを判定する。前記位置情報400が前記円の範囲内に含まれる場合は、前記位置情報400が前記登録位置情報と一致する。前記位置情報400が前記円の範囲内に含まれない場合は、前記位置情報400が前記登録位置情報と一致しない。これにより、GPS機能やWi−Fi機能により取得される登録位置情報がノイズ等を含み、第二の複合機106の位置情報を正確に反映出来ない場合であっても、位置情報判定部206は、前記位置情報400が前記登録位置情報と一致すると判定することが出来る。
【0028】
前記判定の結果、前記位置情報400が前記登録位置情報と一致する場合、位置情報判定部206は、その旨を画像処理部207に通知する。当該通知を受けた画像処理部207は、前記位置情報400が添付された画像データ401を、前記指示に対応して処理する(図3:S110)。
【0029】
画像処理部207が処理する方法に特に限定は無い。例えば、送信先のユーザーBが前記画像データ401の表示の指示を入力した場合には、画像処理部207は、当該画像データ401をタッチパネル上に表示させる。又、送信先のユーザーBが前記画像データ401の印刷の指示を入力した場合には、画像処理部207は、画像形成制御部110を介して、前記画像データ401に基づいて印刷を実行する。このように、画像データ401の送信先(扱い先)の位置情報と当該画像データ401の位置情報400とを照合することで、位置情報を管理するセキュリティー管理サーバーを設けること無く(低コストで)、機密情報又は個人情報を含む画像データを安全に取り扱うことが可能となる。
【0030】
又、送信元が送信先の位置情報を添付(指定)することで、送信元が意図した送信先のみ画像データ401を扱うことが出来るようになるため、送信元は安心して画像データを送信することが可能となる。
【0031】
ここで、画像処理部207が画像データ401を処理する内容として、表示、印刷の他に、複製や加工、他の送信者へのファクシミリ送信やメール送信も挙げることが出来る。
【0032】
一方、S109において、前記判定の結果、前記位置情報400が前記登録位置情報と一致しない場合、位置情報判定部206は、その旨を画像処理部207に通知する。当該通知を受けた画像処理部207は、前記指示に対応する画像データ401の処理を禁止する(図3:S111)。
【0033】
ここで、画像処理部207が禁止する方法に特に限定は無い。例えば、画像処理部207が、タッチパネルを介して、前記画像データ401の処理を禁止する旨の禁止画面を表示したり、単に、操作画面に自動的に移行させたりする。これにより、送信元が意図しない送信先では、画像データ401自体を処理出来なくなるため、セキュリティーを高めることが可能となる。例えば、送信先のユーザーBがコンビニ等で画像データ401を処理することが出来ず、自分の事務所や会社でのみ画像データ401を処理することになるから、画像データ401のセキュリティーを向上させることが可能となる。
【0034】
尚、上述では、前記画像データ401の処理を第二の複合機106が実施するよう構成したが、画像データ401の処理が可能な端末装置、一般的な画像処理装置であっても構わない。
【0035】
又、本発明の実施形態では、画像処理システムの第一の複合機100、第二の複合機106が各部を備えるよう構成したが、当該各部を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを、第一の画像処理装置、第二の画像処理装置に読み出させ、第一の画像処理装置、第二の画像処理装置が前記各部を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上のように、本発明に係る画像処理システム及び画像処理方法は、複合機、複写機、プリンター、スキャナー等の画像処理装置を含む画像処理システムに有用であり、安価に画像データのセキュリティーを向上させることが可能な画像処理システム及び画像処理方法として有効である。
【符号の説明】
【0037】
100 第一の複合機
106 第二の複合機
201 第一の複合機の表示受付部
202 第一の複合機の位置情報受付部
203 第一の複合機の位置情報添付部
204 第一の複合機の画像位置送信部
205 第二の複合機の制御部
206 第二の複合機の位置情報判定部
207 第二の複合機の画像処理部
図1
図2
図3
図4