(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための第1の実施形態(以下、「実施形態1」という)を、図面を参照して説明する。実施形態1では、ユーザーが携帯端末の操作により画像形成装置の原稿台にセットした原稿から印刷可能なイメージの画像データ(以下、「プリント画像データ」という)とプレビュー画像データを作成して画像形成装置に記憶する。また、画像形成装置は、プレビュー画像データを携帯端末に送信すると、携帯端末はプレビュー画像データを記憶してから操作パネルに表示する。ユーザーが表示されたプレビュー画像の確認を行うと、携帯端末と画像形成装置に記憶しているプレビュー画像データを削除する。
【0010】
まず、本実施形態1の画像形成システム10のシステム構成について、
図1を用いて説明する。
図1に示すように、画像形成システム10は、複数の画像形成装置100、複数の携帯端末200、アクセスポイント300、ネットワーク400、ルーター500、インターネット600、及びアクセスポイント700により構成されている。画像形成装置100とアクセスポイント300はネットワーク400に接続され、ネットワーク400はルーター500を経由してインターネット600に接続されている。
【0011】
画像形成装置100は、プリンター、多機能プリンター、多機能周辺装置、または複合機であり、近距離無線通信、アクセスポイント300、またはインターネット600により携帯端末200とデータの送受信を行うことができる。
【0012】
携帯端末200は、携帯電話、スマートフォン、またはタブレット端末等であり、近距離無線通信、ネットワーク400のアクセスポイント300、またはインターネット600のアクセスポイント700により画像形成装置100とデータの送受信を行うことができる。
【0013】
アクセスポイント300は、ネットワーク400に接続され、無線通信によりアクセスポイント300に対して接続要求を行っている携帯端末200をネットワーク400に接続する。
【0014】
ネットワーク400は、LAN(Local Area Network)などのネットワーク(イントラネット等)であり、複数の画像形成装置100と、アクセスポイント300が接続されている。
【0015】
ルーター500は、ネットワーク400に接続され、ネットワーク400をインターネット600に接続する。
【0016】
インターネット600は、インターネットやイントラネット等のIPネットワークであり、複数の携帯端末200がアクセスポイント700を経由して接続する。
【0017】
次に、画像形成システム10の画像形成装置100と携帯端末200の機能構成について、
図2を用いて説明する。
図2に示す画像形成装置100と携帯端末200は、
図1に示す画像形成システム10において、ネットワーク400に接続する1台の画像形成装置100と、アクセスポイント300によりネットワーク400に接続する1台の携帯端末200の機能構成を示す。また、
図1に示す他の画像形成装置100及び携帯端末200についても同様の機能構成である。
【0018】
まず、画像形成装置100の機能構成について、説明する。
図2に示す画像形成装置100は、制御部110、メモリー部120、記憶部130、操作パネル140、操作パネル処理部150、原稿読取部160、画像処理部170、近距離無線通信部180、及びネットワーク通信部190を備え、これら各部はバスなどにより接続される構成となっている。制御部110には、プリント画像作成処理部110a、プレビュー画像作成処理部110b、プレビュー画像送信処理部110c、及びプレビュー画像データ削除処理部110dが設けられている。メモリー部120には、画像データ記憶エリア120aが設けられている。記憶部130には、プリント画像データ記憶エリア130aとプレビュー画像データ記憶エリア130bが設けられている。
【0019】
制御部110は、RAMやROM等の主記憶手段、及びCPU(Central Processing Unit)等の制御手段を備えている。また、制御部110は、各種I/Oや、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)等のインターフェイス、バスコントローラー等を含む総合的な画像形成装置100の制御を行う。
プリント画像作成処理部110aは、画像データ記憶エリア120aから画像データを取り出し、この画像データからプリント画像データを作成し、プリント画像データ記憶エリア130aに記憶する。
プレビュー画像作成処理部110bは、画像データ記憶エリア120aから画像データを取り出し、この画像データからプレビュー画像データを作成し、プレビュー画像データ記憶エリア130bに記憶する。
プレビュー画像送信処理部110cは、プレビュー画像データ記憶エリア130bからプレビュー画像データを取り出し、携帯端末200に送信する。
プレビュー画像データ削除処理部110dは、携帯端末200からプレビュー画像データ削除通知を受信すると、プレビュー画像データ記憶エリア130bからプレビュー画像データを削除する。
【0020】
メモリー部120は、フラッシュメモリー等の補助記憶装置で、制御部110が実行する処理のプログラムやデータを記憶する。
画像データ記憶エリア120aは、原稿読取部160から読み取った画像データや、ネットワーク通信部190を経由して他の画像形成装置100や携帯端末200から受信した画像データを記憶する。なお、画像データ記憶エリア120aに記憶される画像データは、画像データに対応するプリント画像データを印刷したときに削除される。
【0021】
記憶部130は、データやプログラムを記憶するハードディスクドライブである。
プリント画像データ記憶エリア130aは、プリント画像作成処理部110aが画像データから作成したプリント画像データを記憶する。
プレビュー画像データ記憶エリア130bは、プレビュー画像作成処理部110bが画像データから作成したプレビュー画像データを記憶する。
【0022】
操作パネル140は、操作画面、プリント画像データやプレビュー画像データの画像の表示と、ユーザーによる操作受け付けを行う液晶パネルである。
【0023】
操作パネル処理部150は、画像形成装置100が備えている機能に対する操作項目を操作パネル140に表示する処理、プリント画像データやプレビュー画像データの画像を操作パネル140に表示する処理、または操作パネル140からユーザーの操作を入力する処理を行う。
【0024】
原稿読取部160は、ユーザーによる操作パネル140から読み取り操作、または携帯端末200からのプレビュー画像データ要求通知により、画像形成装置100の原稿台にセットされた原稿の読み取りを行い、読み取った原稿データを画像処理部170に出力する。
【0025】
画像処理部170は、原稿読取部160が読み取った原稿データを入力すると、画像形成装置100で処理可能な画像データに変換する。
【0026】
近距離無線通信部180は、近距離無線通信規格であるBluetooth(登録商標)や赤外線通信により携帯端末200と近距離での直接通信を行う。
【0027】
ネットワーク通信部190は、着脱可能なLANインターフェイスを備え、ネットワーク400に接続する。
【0028】
次に、携帯端末200の機能構成について、説明する。
図2に示す携帯端末200は、制御部210、メモリー部220、操作パネル230、操作パネル処理部240、近距離無線通信部250、及びネットワーク通信部260を備え、これら各部はバスなどにより接続される構成となっている。制御部210には、プレビュー画像表示要求処理部210aとプレビュー画像確認処理部210bが設けられている。メモリー部220には、プレビュー画像データ記憶エリア220aが設けられている。
【0029】
制御部210は、RAMやROM等の主記憶手段、及びCPU(Central Processing Unit)等の制御手段を備えている。また、制御部210は、各種I/Oや、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)等のインターフェイス、バスコントローラー等を含む総合的な携帯端末200の制御を行う。
プレビュー画像表示要求処理部210aは、画像形成装置100に対してプレビュー画像データ要求通知を送信し、画像形成装置100からプレビュー画像データを受信すると、プレビュー画像データをプレビュー画像データ記憶エリア220aに記憶する。
プレビュー画像確認処理部210bは、プレビュー画像データ記憶エリア220aからプレビュー画像データを取り出し、プレビュー画像データの画像を操作パネル230に表示する。プレビュー画像確認処理部210bが実行するプレビュー画像確認処理の詳細については、後述する。
【0030】
メモリー部220は、フラッシュメモリー等の補助記憶装置で、制御部210が実行する処理のプログラムやデータを記憶する。
プレビュー画像データ記憶エリア220aは、画像形成装置100から受信するプレビュー画像データを記憶する。
【0031】
操作パネル230は、操作画面、プレビュー画像データの画像の表示と、ユーザーによる操作受け付けを行う液晶パネルである。
【0032】
操作パネル処理部240は、携帯端末200が備えている機能に対する操作項目を操作パネル230に表示する処理、プレビュー画像データの画像を操作パネル230に表示する処理、または操作パネル230からユーザーの操作を入力する処理を行う。
【0033】
近距離無線通信部250は、近距離無線通信規格であるBluetooth(登録商標)や赤外線通信により画像形成装置100と近距離での直接通信を行う。
【0034】
ネットワーク通信部260は、アクセスポイント300を経由してネットワーク400に接続する。また、ネットワーク通信部260は、アクセスポイント700を経由してインターネット600に接続する。
【0035】
次に、実施形態1における原稿のプレビュー画像を確認する操作手順について、
図3を用いて説明する。
まず、
図3(1)に示すようにユーザーが画像形成装置100の原稿台に原稿をセットし、ユーザーが携帯端末200の操作パネル230から原稿印刷画面800を表示する操作を行うと、
図3(2)に示すように操作パネル230に原稿印刷画面800が表示される。次いで、ユーザーが原稿印刷画面800の「プレビュー画像表示」ボタン810をポイントすると、携帯端末200は、プレビュー画像データ要求通知を画像形成装置100に送信する。次いで、画像形成装置100がプレビュー画像データ要求通知を受信すると、画像形成装置100が原稿台にセットされている原稿を読み取り、
図3(3)に示すように画像形成装置100がプレビュー画像データを携帯端末200に送信する。携帯端末200がプレビュー画像データを受信すると、操作パネル230に原稿のプレビュー画像と「確認」ボタン830を表示する。次いで、ユーザーが操作パネル230に表示された原稿のプレビュー画像を確認し、「確認」ボタン830をポイントすると、
図3(4)に示すように操作パネル230に表示された原稿のプレビュー画像と「確認」ボタン830が消去されて原稿印刷画面800が再表示され、携帯端末200はプレビュー画像データ削除通知を画像形成装置100に送信する。画像形成装置200は、プレビュー画像データ削除通知を受信すると、プレビュー画像データ記憶エリア130bに記憶されているプレビュー画像データを削除する。また、携帯端末200は、プレビュー画像データ記憶エリア220aに記憶されているプレビュー画像データを削除する。このような操作手順により、ユーザーは、原稿のプレビュー画像を確認した後に原稿のプレビュー画像データを削除することができる。
【0036】
また、ユーザーが原稿のプレビュー画像を確認した後に、操作パネル230に表示されている
図3(4)に示す原稿印刷画面800の「プリント画像出力」ボタン820をポイントすると、携帯端末200からプリント画像出力通知が画像形成装置100に送信される。画像形成装置100は、プリント画像出力通知を受信すると、プリント画像作成処理部110aが画像データ記憶エリア120aから画像データを取り出し、この画像データからプリント画像データを作成し、プリント画像データ記憶エリア130aに記憶する。次いで、画像形成装置100は、プリント画像データ記憶エリア130aからプリント画像データを取り出して印刷する。このように、プリント画像データが印刷されることでプリント画像データ記憶エリア130aからプリント画像データを削除する。
【0037】
次に、携帯端末200から原稿のプレビュー画像を表示し、プレビュー画像を確認した後にプレビュー画像データを削除する手順について、
図4のフローチャートを用いて更に詳しく説明する。
【0038】
まず、ユーザーが画像形成装置100の原稿台に原稿をセットし、携帯端末200の操作パネル230から原稿印刷画面800を表示する操作を行うと、操作パネル処理部240が原稿印刷画面800を操作パネル230に表示する。次に、ユーザーが原稿印刷画面800から「プレビュー画像表示」810をポイントすると、操作パネル処理部240からプレビュー画像表示要求通知が制御部210に出力される。制御部210は、プレビュー画像表示要求通知を入力すると、プレビュー画像表示要求処理部210aを起動する。次に、プレビュー画像表示要求処理部210aは、画像形成装置100に対してプレビュー画像データ要求通知を送信する。画像形成装置100がプレビュー画像データ要求通知を受信すると、原稿読取部160が読み取った原稿のプレビュー画像データを携帯端末200に送信する。プレビュー画像表示要求処理部210aがプレビュー画像データを受信すると、プレビュー画像データ記憶エリア220aに記憶する。次に、制御部210は、プレビュー画像表示要求処理部210aがプレビュー画像表示要求処理を終了したことを検出すると、プレビュー画像確認処理部210bを起動する。次に、プレビュー画像確認処理部210bがプレビュー画像確認処理を開始する。以下、
図4に示すプレビュー画像確認処理のフローチャートのステップ順に説明する。
【0039】
(ステップS101)
まず、プレビュー画像確認処理部210bは、プレビュー画像データ記憶エリア220aからプレビュー画像データを取り出す。
【0040】
(ステップS102)
次いで、プレビュー画像確認処理部210bは、プレビュー画像データのプレビュー画像と「確認」ボタン830を合成した画像を作成し、操作パネル処理部240により操作パネル230に表示する。
【0041】
(ステップS103)
次いで、プレビュー画像確認処理部210bは、「確認」ボタン830がポイントされたことを操作パネル処理部240から通知されるまで待ち状態とし、「確認」ボタン830がポイントされたことを通知されるとステップS104に進む。
【0042】
(ステップS104)
次いで、プレビュー画像確認処理部210bは、操作パネル230に表示されているプレビュー画像と「確認」ボタン830を合成した画像を消去し、原稿印刷画面800を再び表示する。
【0043】
(ステップS105)
次いで、プレビュー画像確認処理部210bは、プレビュー画像データ削除通知をネットワーク通信部260により画像形成装置100に送信する。
【0044】
(ステップS106)
次いで、プレビュー画像確認処理部210bは、プレビュー画像データ記憶エリア220aに記憶されているプレビュー画像データを削除し、プレビュー画像確認処理を終了する。
【0045】
以上の実施形態1により、ユーザーがプレビュー画像を確認した後に、画像形成装置100は、プレビュー画像データ削除通知を受信すると、プレビュー画像データ削除処理部110dによりプレビュー画像データ記憶エリア130bに記憶されているプレビュー画像データを削除するので、印刷実行指示の有無に関係なくプレビュー画像データを削除することができる。また、携帯端末200は画像形成装置100からプレビュー画像データを受信すると、すぐに操作パネル230にプレビュー画像を表示する。これにより、ユーザーはプレビュー画像の確認を忘れずにすぐに行うことができるので、原稿のプレビュー画像データが画像形成装置100に記憶されたままとなることによるメモリーやディスクの空き容量の減少、機密扱いとなっている原稿のプレビュー画像データの漏洩を防止できる。
【0046】
なお、実施形態1においては、1台の携帯端末200から画像形成装置100に対してプレビュー画像データ要求通知やプリント画像出力通知が送信される場合について説明したが、これに限定されない。複数の携帯端末200から画像形成装置100に対してプレビュー画像データ要求通知やプリント画像出力通知が送信された場合でも、同様に実施することができる。
【0047】
例えば、まず、ユーザーAが原稿台に原稿をセットし、携帯端末200からユーザーIDを入力して、プレビュー画像表示要求を行うと、ユーザーAのユーザーIDが格納されたプレビュー画像データ要求通知が画像形成装置100に送信される。画像形成装置100は、プレビュー画像データ要求通知を受信すると、原稿台にセットされた全ページの原稿を読み取り、画像データ記憶エリア120aのユーザーAのエリアに読み取った原稿の画像データを記憶する。画像形成装置100は、原稿のプレビュー画像データを作成すると、ユーザーAの携帯端末200に送信する。次に、ユーザーBが原稿台に原稿をセットし、携帯端末200からユーザーIDを入力して、プレビュー画像表示要求を行うと、ユーザーBのユーザーIDが格納されたプレビュー画像データ要求通知が画像形成装置100に送信される。画像形成装置100は、プレビュー画像データ要求通知を受信すると、原稿台にセットされた全ページの原稿を読み取り、画像データ記憶エリア120aのユーザーBのエリアに読み取った原稿の画像データを記憶する。画像形成装置100は、原稿のプレビュー画像データを作成すると、ユーザーBの携帯端末200に送信する。次に、ユーザーAが携帯端末200からユーザーIDを入力して、プリント画像出力要求を行うと、ユーザーAのユーザーIDが格納されたプリント画像出力通知が画像形成装置100に送信される。画像形成装置100は、プリント画像出力通知を受信すると、画像データ記憶エリア120aのユーザーAのエリアから画像データを取り出し、画像データからプリント画像データを作成すると、プリント画像データを印刷する。次に、ユーザーBが携帯端末200からユーザーIDを入力して、プリント画像出力要求を行うと、ユーザーBのユーザーIDが格納されたプリント画像出力通知が画像形成装置100に送信される。画像形成装置100は、プリント画像出力通知を受信すると、画像データ記憶エリア120aのユーザーBのエリアから画像データを取り出し、画像データからプリント画像データを作成すると、プリント画像データを印刷する。このプリント画像出力要求は、ユーザーBが先でユーザーAが後であってもよい。
【0048】
このように、画像形成装置100の画像データ記憶エリア120aにユーザーAとユーザーBのユーザーエリアを設け、またプレビュー画像データ要求通知やプリント画像出力通知がどのユーザーから要求されたかをユーザーIDなどで識別できるようにすることで、複数の携帯端末200からの画像形成装置100に対してプレビュー画像データ要求通知やプリント画像出力通知が送信された場合でも、プレビュー画像の確認後にプレビュー画像データを削除し、プリント画像データを印刷した後にプリント画像データを削除することができる。
【0049】
次に、本発明を実施するための第2の実施形態(以下、「実施形態2」という)を、図面を参照して説明する。実施形態2では、ユーザーが携帯端末の操作により画像形成装置の原稿台にセットした原稿の最初に読み取るページ(以下、「第1ページ」という)のプレビュー画像データだけを作成して画像形成装置に記憶する。また、画像形成装置は、原稿の第1ページのプレビュー画像データを携帯端末に送信すると、携帯端末はプレビュー画像データを記憶してから操作パネルに表示する。ユーザーが表示されたプレビュー画像の確認を行うと、携帯端末と画像形成装置に記憶しているプレビュー画像データを削除する。
【0050】
実施形態2の画像形成システムの機能構成は、
図1に示す実施形態1の画像形成システム10の機能構成に同じである。また、実施形態2の画像形成装置と携帯端末の機能構成は、
図2に示す実施形態1の画像形成装置100と携帯端末200の機能構成に同じである。以降、
図1と
図2を用いて説明する。
【0051】
次に、実施形態2における原稿のプレビュー画像を確認する操作手順について、
図5を用いて説明する。
まず、
図5(1)に示すようにユーザーが画像形成装置100の原稿台に原稿をセットし、ユーザーが携帯端末200の操作パネル230から原稿印刷画面800を表示する操作を行うと、
図5(2)に示すように操作パネル230に原稿印刷画面800が表示される。次いで、ユーザーが原稿印刷画面800の「プレビュー画像表示」ボタン810をポイントすると、携帯端末200は、プレビュー画像データ要求通知を画像形成装置100に送信する。次いで、画像形成装置100がプレビュー画像データ要求通知を受信すると、画像形成装置100が原稿台にセットされている原稿の第1ページだけを読み取り、
図5(3)に示すように画像形成装置100が原稿の第1ページから作成したプレビュー画像データを携帯端末200に送信する。携帯端末200がプレビュー画像データを受信すると、操作パネル230に原稿の第1ページのプレビュー画像と「確認」ボタン830を表示する。次いで、ユーザーが操作パネル230に表示された原稿の第1ページのプレビュー画像を確認し、「確認」ボタン830をポイントすると、
図5(4)に示すように操作パネル230に表示された原稿の第1ページのプレビュー画像と「確認」ボタン830が消去されて原稿印刷画面800が再表示され、携帯端末200はプレビュー画像データ削除通知を画像形成装置100に送信する。画像形成装置200は、プレビュー画像データ削除通知を受信すると、プレビュー画像データ記憶エリア130bに記憶されているプレビュー画像データを削除する。また、携帯端末200は、プレビュー画像データ記憶エリア220aに記憶されているプレビュー画像データを削除する。次いで、ユーザーが原稿印刷画面800の「プリント画像出力」ボタン820をポイントすると、
図5(5)に示すように携帯端末200は、プリント画像出力通知を画像形成装置100に送信する。画像形成装置100は、プリント画像出力通知を受信すると、原稿読取部160により原稿台にセットされている残りの原稿のページを読み取り、画像処理部170により読み取った原稿データから画像データを作成し、画像データ記憶エリア120aの記憶されている第1ページの画像データに追加して記憶する。次いで、画像形成装置100は、プリント画像作成処理部110aにより画像データ記憶エリア120aから全ページの画像データを取り出し、この画像データから全ページのプリント画像データを作成し、プリント画像データ記憶エリア130aに記憶する。次いで、画像形成装置100は、プリント画像データ記憶エリア130aから全ページのプリント画像データを取り出して印刷する。このように、プリント画像データが印刷されることでプリント画像データ記憶エリア130aから全ページのプリント画像データを削除する。また、ページ数が多い原稿において、原稿の第1ページのプレビュー画像だけを作成することができる。
【0052】
以上の実施形態2により、画像形成装置100の原稿台にセットされた原稿の第1ページだけを読み取り、読み取った画像データからプレビュー画像データを作成するので、画像形成装置100のメモリーやディスクの空き容量の減少を防止できる。これにより、メモリーやディスクの消費が制限されることで、プレビュー機能を搭載できなかった画像形成装置100においても、メモリーやディスクの消費を抑制してプレビュー機能を実現できる。また、画像形成装置100は、原稿の第1ページのプレビュー画像データだけを携帯端末200に送信し、携帯端末200は、原稿の第1ページのプレビュー画像データだけを記憶するので、携帯端末200のメモリーの空き容量の減少も防止できる。
【0053】
なお、実施形態2においては、1台の携帯端末200から画像形成装置100に対してプレビュー画像データ要求通知やプリント画像出力通知が送信される場合について説明したが、これに限定されない。複数の携帯端末200から画像形成装置100に対してプレビュー画像データ要求通知やプリント画像出力通知が送信された場合でも、同様に実施することができる。
【0054】
例えば、まず、ユーザーAが原稿台に原稿をセットし、携帯端末200からユーザーIDを入力して、プレビュー画像表示要求を行うと、ユーザーAのユーザーIDが格納されたプレビュー画像データ要求通知が画像形成装置100に送信される。画像形成装置100は、プレビュー画像データ要求通知を受信すると、原稿台にセットされた第1ページの原稿を読み取り、画像データ記憶エリア120aのユーザーAのエリアに読み取った原稿の画像データを記憶する。画像形成装置100は、原稿のプレビュー画像データを作成すると、ユーザーAの携帯端末200に送信する。次に、ユーザーBが原稿台からユーザーAの原稿を取り出して、原稿台に自分の原稿をセットし、携帯端末200からユーザーIDを入力して、プレビュー画像表示要求を行うと、ユーザーBのユーザーIDが格納されたプレビュー画像データ要求通知が画像形成装置100に送信される。画像形成装置100は、プレビュー画像データ要求通知を受信すると、原稿台にセットされた第1ページの原稿を読み取り、画像データ記憶エリア120aのユーザーBのエリアに読み取った原稿の画像データを記憶する。画像形成装置100は、原稿のプレビュー画像データを作成すると、ユーザーBの携帯端末200に送信する。次に、ユーザーAが原稿台からユーザーBの原稿を取り出して、原稿台に自分の残りの原稿(第1ページ以外の原稿)をセットし、ユーザーAが携帯端末200からユーザーIDを入力して、プリント画像出力要求を行うと、ユーザーAのユーザーIDが格納されたプリント画像出力通知が画像形成装置100に送信される。画像形成装置100は、プリント画像出力通知を受信すると、ユーザーAの残りの原稿を読み取り、画像データ記憶エリア120aのユーザーAのエリアに読み取った残りの原稿の画像データを記憶する。画像形成装置100は、画像データ記憶エリア120aのユーザーAのエリアから画像データを取り出し、画像データからプリント画像データを作成すると、プリント画像データを印刷する。次に、ユーザーBが原稿台に自分の残りの原稿(第1ページ以外の原稿)をセットし、ユーザーBが携帯端末200からユーザーIDを入力して、プリント画像出力要求を行うと、ユーザーBのユーザーIDが格納されたプリント画像出力通知が画像形成装置100に送信される。画像形成装置100は、プリント画像出力通知を受信すると、ユーザーBの残りの原稿を読み取り、画像データ記憶エリア120aのユーザーBのエリアに読み取った残りの原稿の画像データを記憶する。画像形成装置100は、画像データ記憶エリア120aのユーザーBのエリアから画像データを取り出し、画像データからプリント画像データを作成すると、プリント画像データを印刷する。このプリント画像出力要求は、ユーザーBが先でユーザーAが後であってもよい。このときには、ユーザーBがプレビュー画像表示要求とプリント画像出力要求を続けて行い、その後ユーザーAがプリント画像出力要求を行うことになる。
【0055】
または、例えば、まず、ユーザーAが原稿台に原稿をセットし、携帯端末200からユーザーIDを入力して、プレビュー画像表示要求を行うと、ユーザーAのユーザーIDが格納されたプレビュー画像データ要求通知が画像形成装置100に送信される。画像形成装置100は、プレビュー画像データ要求通知を受信すると、原稿台にセットされた全ページの原稿を読み取り、画像データ記憶エリア120aのユーザーAのエリアに読み取った原稿の画像データを記憶する。画像形成装置100は、原稿の第1ページのプレビュー画像データを作成すると、ユーザーAの携帯端末200に送信する。次に、ユーザーBが原稿台に原稿をセットし、携帯端末200からユーザーIDを入力して、プレビュー画像表示要求を行うと、ユーザーBのユーザーIDが格納されたプレビュー画像データ要求通知が画像形成装置100に送信される。画像形成装置100は、プレビュー画像データ要求通知を受信すると、原稿台にセットされた全ページの原稿を読み取り、画像データ記憶エリア120aのユーザーAのエリアに読み取った原稿の画像データを記憶する。画像形成装置100は、原稿の第1ページのプレビュー画像データを作成すると、ユーザーBの携帯端末200に送信する。次に、ユーザーAが携帯端末200からユーザーIDを入力して、プリント画像出力要求を行うと、ユーザーAのユーザーIDが格納されたプリント画像出力通知が画像形成装置100に送信される。画像形成装置100は、プリント画像出力通知を受信すると、画像データ記憶エリア120aのユーザーAのエリアから画像データを取り出し、画像データからプリント画像データを作成すると、プリント画像データを印刷する。次に、ユーザーBが携帯端末200からユーザーIDを入力して、プリント画像出力要求を行うと、ユーザーBのユーザーIDが格納されたプリント画像出力通知が画像形成装置100に送信される。画像形成装置100は、プリント画像出力通知を受信すると、画像データ記憶エリア120aのユーザーBのエリアから画像データを取り出し、画像データからプリント画像データを作成すると、プリント画像データを印刷する。このプリント画像出力要求は、ユーザーBが先でユーザーAが後であってもよい。
【0056】
このように、画像形成装置100の画像データ記憶エリア120aにユーザーAとユーザーBのユーザーエリアを設け、またプレビュー画像データ要求通知やプリント画像出力通知がどのユーザーから要求されたかをユーザーIDなどで識別できるようにすることで、複数の携帯端末200からの画像形成装置100に対してプレビュー画像データ要求通知やプリント画像出力通知が送信された場合でも、プレビュー画像の確認後にプレビュー画像データを削除し、プリント画像データを印刷した後にプリント画像データを削除することができる。
【0057】
なお、実施形態2においては、画像形成装置100の原稿台にセットされた原稿の第1ページだけを最初に読み取るようにしたが、これに限定されない。原稿台にセットされた原稿の第1ページと次のページの2ページ、または第1ページ、次のページ、及びその次のページの3ページのように、プレビュー機能が使用できるメモリーの容量により最初に読み取る原稿のページ数を設定することも可能である。
【0058】
なお、実施形態1及び実施形態2においては、ユーザーがプレビュー画像を確認した後に画像形成装置100及び携帯端末200に記憶されているプレビュー画像データを削除するようにしたが、これに限定されない。例えば、携帯端末200のメモリーに余裕があり、携帯端末200のプレビュー画像データを記憶しておきたいときには、画像形成装置100に記憶されているプレビュー画像データだけを削除することも可能である。
【0059】
また、実施形態1及び実施形態2においては、画像形成装置100は、携帯端末200からプレビュー画像データ要求通知を受信すると、原稿台にセットされた原稿を読み取り、この原稿のプレビュー画像データを携帯端末200に送信するようにしたが、これに限定されない。例えば、他の画像形成装置100や携帯端末200から受信した画像データ記憶エリア120aに記憶されている画像データのプレビュー画像データを、送信することも可能である。
【0060】
また、実施形態1及び実施形態2においては、画像形成装置100と携帯端末200とをネットワーク400で接続し、ネットワーク400により携帯端末200と画像形成装置100はデータの送受信を行うようにしたが、これに限定されない。例えば、画像形成装置100の近距離無線通信部180と携帯端末200の近距離無線通信部250により、画像形成装置100と携帯端末200とを近距離無線通信で接続し、この近距離無線通信により携帯端末200と画像形成装置100がデータの送受信することも可能である。また、画像形成装置100と携帯端末200をインターネット600により接続し、インターネット600の通信プロトコルを用いて、携帯端末200と画像形成装置100がデータの送受信することも可能である。
【0061】
また、実施形態1及び実施形態2においては、画像形成装置100が画像データからプレビュー画像データを作成するようにしたが、これに限定されない。例えば、携帯端末200が画像形成装置100から画像データを受信して、この画像データからプレビュー画像データを作成してプレビュー画像を表示することも可能である。
【0062】
また、実施形態1及び実施形態2においては、プレビュー画像と「確認」ボタン830を合成した画像を作成して操作パネル230に表示するようにしたが、これに限定されない。例えば、操作パネル230にはプレビュー画像だけを表示し、携帯端末200が備えている「決定」ボタンなどを「確認」ボタン830の代わりに用いることも可能である。
【0063】
また、実施形態1及び実施形態2においては、携帯端末200は無線通信により画像形成装置100からプレビュー画像データを受信するようにしたが、これに限定されない。例えば、携帯端末200を携帯可能なPC(パソコン)とし、このPCをネットワーク400に直接接続して画像形成装置100からプレビュー画像データを受信することも可能である。
【0064】
このような本発明の画像形成システム及び携帯端末は、プレビュー画像を確認した後にプレビュー画像データを削除することができ、また、メモリーの消費を抑制できるプレビュー機能を提供する。
【0065】
以上、具体的な実施の形態により本発明を説明したが、上記実施の形態は本発明の例示であり、この実施の形態に限定されないことは言うまでもない。