(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記撮像制御装置から送信される前記同報通信の無線信号が前記同報通信受信手段により受信されると、この同報通信の無線信号の送信タイミングに同期した第1の割込信号を出力する無線制御部と、
前記無線制御部から出力される前記第1の割込信号が入力されると、この第1の割込信号に基づいて静止画像の撮影処理を割り込み処理として実行させる中央制御部と、を備えることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
前記無線制御部は、更に、前記撮像制御装置から送信される前記基準クロックを受信して、この基準クロックに同期した通信用クロックを生成するとともに、当該通信用クロックに同期した第2の割込信号を出力し、
前記中央制御部は、前記無線制御部から出力される前記第2の割込信号が入力されると、この第2の割込信号に基づいて動画像の撮影処理を割り込み処理として実行させることを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
前記同報通信送信手段は、前記通信同期状態にある全ての機器に対して、互いに同期させた通信用クロックに同期して前記同報通信の無線信号を送信することを特徴とする請求項16に記載の撮像制御装置。
通信相手の通信用クロックと自己の通信用クロックとを同期させた通信同期状態においてデータを送受信する同期通信方式の無線通信を行う撮像装置を用いた撮像方法であって、
同期した撮影を行うべき他の撮像装置との間で前記同期通信方式の無線通信を行うために前記通信同期状態に移行させる処理と、
前記通信同期状態となっている複数の撮像装置を対象として送信される同報通信の無線信号を受信する処理と、
前記同報通信の無線信号が受信された際に、この同報通信のデータ内容に拘わらず、撮影が指示されたものとして直ちに撮影を実行する処理と、
を含むことを特徴とする撮像方法。
通信相手の通信用クロックと自己の通信用クロックとを同期させた通信同期状態においてデータを送受信する同期通信方式の無線通信を行う撮像制御装置を用いた撮像制御方法であって、
同報通信の無線信号が受信された際に、この同報通信のデータ内容に拘わらず、撮影が指示されたものとして直ちに撮影を実行する複数の撮像装置との間で前記同期通信方式の無線通信を行うために前記通信同期状態に移行させる処理と、
前記複数の撮像装置が同期した撮影タイミングを指示する処理と、
指示された撮影タイミングで、前記通信同期状態となっている前記複数の撮像装置を対象として前記同報通信の無線信号を送信する処理と、
を含むことを特徴とする撮像制御方法。
通信相手の通信用クロックと自己の通信用クロックとを同期させた通信同期状態においてデータを送受信する同期通信方式の無線通信を行う撮像制御装置のコンピュータを、
同報通信の無線信号が受信された際に、この同報通信のデータ内容に拘わらず、撮影が指示されたものとして直ちに撮影を実行する複数の撮像装置との間で前記同期通信方式の無線通信を行うために前記通信同期状態に移行させる通信制御手段、
前記複数の撮像装置が同期した撮影タイミングを指示する指示手段、
前記指示手段により指示された撮影タイミングで、前記通信同期状態となっている前記複数の撮像装置を対象として前記同報通信の無線信号を送信する同報通信送信手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0015】
図1は、本発明を適用した一実施形態の無線同期システム100の概略構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の無線同期システム100は、同期通信方式の無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標)等)を行う複数の撮像装置1、…(
図1には、3つの撮像装置1A〜1Cを図示)と、撮像制御装置2とを備えている。
【0016】
先ず、撮像装置1について、
図2を参照して説明する。
図2は、撮像装置1の概略構成を示すブロック図である。
ここで、複数の撮像装置1、…は、同期通信方式の無線通信におけるスレーブとなるものであるが、構成及び動作は略同様であるため、代表して撮像装置1Aを例示して説明する。なお、全ての撮像装置1は、必ずしも同一の機種である必要はない。
【0017】
図2に示すように、撮像装置1Aは、中央制御部101と、メモリ102と、撮像部103と、撮像制御部104と、画像処理部105と、記録媒体制御部106と、操作入力部107と、無線制御部108とを備えている。
また、中央制御部101、メモリ102、撮像部103、撮像制御部104、画像処理部105、記録媒体制御部106及び無線制御部108は、バスライン109を介して接続されている。
【0018】
中央制御部101は、撮像装置1Aの各部を制御するものである。具体的には、中央制御部101は、図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備え、撮像装置1A用の各種処理プログラム(図示略)に従って各種の制御動作を行う。
【0019】
メモリ102は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により構成され、中央制御部101の他、当該撮像装置1Aの各部によって処理されるデータ等を一時的に記録する。
【0020】
撮像部103は、被写体を撮像する撮像手段を構成している。具体的には、撮像部103は、レンズ部103aと、電子撮像部103bとを備えている。
【0021】
レンズ部103aは、例えば、ズームレンズやフォーカスレンズ等の複数のレンズから構成されている。
電子撮像部103bは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等のイメージセンサから構成され、レンズ部103aの各種レンズを通過した光学像を二次元の画像信号に変換する。
なお、図示は省略するが、撮像部103は、レンズ部103aを通過する光の量を調整する絞りを備えていても良い。
【0022】
撮像制御部104は、撮像部103による被写体の撮像を制御する。すなわち、撮像制御部104は、図示は省略するが、タイミング発生器、ドライバなどを備えている。そして、撮像制御部104は、タイミング発生器、ドライバにより電子撮像部103bを走査駆動して、所定周期毎にレンズ部103aにより結像された光学像を電子撮像部103bにより二次元の画像信号に変換させ、当該電子撮像部103bの撮像領域から1画面分ずつフレーム画像を読み出して画像処理部105に出力させる。
【0023】
また、撮像制御部104は、第1制御部104aと、撮影用クロック同期部104bと、第2制御部104cとを具備している。
【0024】
第1制御部(第1の撮影制御手段)104aは、撮像部103による静止画像の撮影を制御する。
すなわち、第1制御部104aは、撮像制御装置2から送信された同報通信の無線信号が無線制御部108により受信されたタイミングで撮影させる。具体的には、無線制御部108により同報通信の無線信号が受信されると、無線制御部108は、同報通信の無線信号の受信を契機として、この同報通信の無線信号の送信タイミングに同期した静止画用割込信号(第1の割込信号)を中央制御部101に出力する(
図6参照)。中央制御部101は、無線制御部108から出力される静止画用割込信号が入力されると、この静止画用割込信号に基づいて、静止画像の撮影処理を割り込み処理として実行させるための制御信号を撮像制御部104に出力する。そして、撮像制御部104の第1制御部104aは、撮像部103により静止画像を撮影させる。
上記した静止画像の撮影の制御は、全ての撮像装置1、…で行わるため、撮像部103による静止画像の撮影は全ての撮像装置1で同期した状態で行われる。
【0025】
また、第1制御部104aは、第1の静止画撮影方法及び第2の静止画撮影方法のうち、選択された何れか一の方法による静止画像の撮影を行う。この撮影方法の選択は、例えば、事前にユーザが撮像制御装置2を所定操作することで行われ、この場合、決定された撮影方法を指示する信号が全ての撮像装置1に無線送信される。
なお、複数の撮像装置1、…のうち、何れか一の撮像装置1(例えば、撮像装置1A等)の所定操作に基づいて、撮影方法の選択が行われても良く、この場合、決定された撮影方法を指示する信号が他の撮像装置1(例えば、撮像装置1B、1C等)及び撮像制御装置2に無線送信される。
【0026】
第1の静止画撮影方法は、無線制御部108により同報通信の無線信号が受信された際に、この同報通信のデータ内容に拘わらず、撮像部103による静止画像の撮影が指示されたものとして直ちに静止画像の撮影を実行する方法である。
ここで、第1制御部104aは、無線制御部108により同報通信の無線信号が受信された際に、例えば、事前に同期撮影モードが設定されている等の所定の条件を満たしていることを条件として、第1の静止画撮影方法による静止画像の撮影を行っても良い。
また、第2の静止画撮影方法は、無線制御部108により同報通信の無線信号が受信された際に、この同報通信のデータ内容が撮像部103による静止画像の撮影を指示するものかであるか否かが中央制御部101により判断され、静止画像の撮影を指示するものであった場合に静止画像の撮影を実行する方法である。
【0027】
また、第1制御部104aは、第2制御部104cの制御による動画像の撮影中に、撮像制御装置2から送信された同報通信の無線信号を受信すると、静止画像の撮影を行う。
【0028】
撮影用クロック同期部(撮影用クロック同期手段)104bは、自己の通信用クロックに対して自己の撮影用クロックを同期させる。
すなわち、通信相手の通信用クロックと自己の通信用クロックとを同期させた通信同期状態にて、無線制御部108は、基準クロックから所定の時間間隔(例えば、250ms等)毎に他の撮像装置1(例えば、撮像装置1B、1C等)との間で同期している自己の通信用クロックを生成する。そして、撮影用クロック同期部104bは、無線制御部108により生成された自己の通信用クロックを利用して自己の撮影用クロックを生成することで、自己の通信用クロックに対して自己の撮影用クロックを同期させる。
【0029】
第2制御部(第2の撮影制御手段)104cは、撮像部103による動画像の撮影を制御する。
すなわち、第2制御部104cは、他の撮像装置1(例えば、撮像装置1B、1C等)との間で同期している自己の通信用クロックに対して撮影用クロック同期部104bにより同期させた自己の撮影用クロックに同期させて撮像部103により撮影させる。
例えば、撮像制御装置2から送信された動画像の撮影開始指示が無線制御部108により受信されると、無線制御部108は、動画像の撮影開始指示の受信を契機として、この動画像の撮影開始指示の送信タイミングに同期した動画用割込信号(第2の割込信号)を中央制御部101に出力する(
図6参照)。中央制御部101は、無線制御部108から出力される動画用割込信号が入力されると、この動画用割込信号に基づいて、動画像の撮影処理を割り込み処理として実行させるための制御信号を撮像制御部104に出力する。
撮像制御部104の第2制御部104cは、撮像部103により動画像の撮影を開始させる。具体的には、第2制御部104cは、撮影用クロック同期部104bにより自己の通信用クロックに対して同期させた撮影用クロックのカウントアップにより動画像を構成するフレーム画像のフレーム番号を識別し、他の撮像装置1との間で動画像のフレーム番号を一致させるタイミングを指示する信号(例えば、0番目のフレーム画像を指示する信号)を生成する。そして、第2制御部104cは、生成された信号を無線制御部108に出力し、無線制御部108は、入力された信号を他の撮像装置1に対して同期通信方式の無線通信により送信する。
上記した動画像の撮影の制御は、全ての撮像装置1、…で行わるため、撮像部103による動画像の撮影は全ての撮像装置1で同期した状態で行われる。
【0030】
画像処理部105は、被写体を撮像した画像の画像データを生成する。
具体的には、画像処理部105は、電子撮像部103bから転送されたフレーム画像のアナログ値の信号に対してRGBの各色成分毎に適宜ゲイン調整した後に、サンプルホールド回路(図示略)でサンプルホールドしてA/D変換器(図示略)でデジタルデータに変換し、カラープロセス回路(図示略)で画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理を行った後、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb,Cr(YUVデータ)を生成する。
【0031】
また、撮像制御装置2にてライブビュー画像を表示する場合には、画像処理部105は、ライブビュー画像を構成する各フレーム画像の表示用の画像データを生成して、無線制御部108に出力する。無線制御部108は、入力された画像データを通信アンテナ108aを介して撮像制御装置2に送信する。
また、画像を記録する際には、画像処理部105は、被写体のYUVデータを所定の符号化方式(例えば、JPEG形式、モーションJPEG形式、MPEG形式等)に従って圧縮して、記録媒体制御部106に出力する。
【0032】
記録媒体制御部106は、記録媒体106aが着脱自在に構成され、装着された記録媒体106aからのデータの読み出しや記録媒体106aに対するデータの書き込みを制御する。
すなわち、記録媒体制御部106は、画像処理部105により所定の圧縮形式(例えば、JPEG形式、モーションJPEG形式、MPEG形式等)で符号化された記録用の画像データを記録媒体106aの所定の記録領域に記録させる。
なお、記録媒体106aは、例えば、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)等により構成されている。
【0033】
操作入力部107は、当該撮像装置1Aの所定操作を行うためのものである。
具体的には、操作入力部107は、例えば、装置本体の電源のON/OFFに係る電源ボタン、被写体の撮像指示に係るシャッタボタン、撮像モードや機能等の選択指示に係る選択決定ボタン(何れも図示略)等を備えている。
そして、ユーザにより各種ボタンが操作されると、操作入力部107は、操作されたボタンに応じた操作指示を中央制御部101に出力する。中央制御部101は、操作入力部107から出力され入力された操作指示に従って所定の動作を各部に実行させる。
【0034】
無線制御部108は、所定の無線通信回線を介して接続された外部機器(例えば、他の撮像装置1や撮像制御装置2等)との間で通信制御を行う。
すなわち、無線制御部108は、同期通信方式の無線通信(例えば、Bluetooth等)によりデータを送受信するものである。例えば、無線制御部108は、通信アンテナ108aを介して外部機器との間でBluetoothの通信規格に基づく同期通信方式の無線通信を行うための制御モジュールMを具備している。
なお、無線制御部108の制御モジュールMの構成については、後述する(
図4参照)。
【0035】
次に、撮像制御装置2について、
図3を参照して説明する。
図3は、撮像制御装置2の概略構成を示すブロック図である。
【0036】
撮像制御装置2は、同期通信方式の無線通信におけるマスタとなるものである。具体的には、
図3に示すように、撮像制御装置2は、中央制御部201と、メモリ202と、表示部203と、表示制御部204と、記録媒体制御部205と、操作入力部206と、無線制御部207等を備えている。
また、中央制御部201、メモリ202、表示制御部204、記録媒体制御部205及び無線制御部207は、バスライン208を介して接続されている。
【0037】
なお、撮像制御装置2は、例えば、撮像装置1に対応する専用の装置であっても良いし、携帯電話やスマートフォンやPDA(Personal Data Assistants)等から構成されていても良い。
【0038】
中央制御部201は、撮像制御装置2の各部を制御するものである。具体的には、中央制御部201は、図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備え、撮像制御装置2用の各種処理プログラム(図示略)に従って各種の制御動作を行う。
【0039】
メモリ202は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により構成され、中央制御部201の他、当該撮像制御装置2の各部によって処理されるデータ等を一時的に記録する。
【0040】
表示部203は、例えば、LCD等を具備し、中央制御部201のCPUの制御下にて各種情報を表示領域内に表示する。具体的には、表示部203は、例えば、表示制御部204から出力された画像信号に応じてアプリケーション画面(例えば、ライブビュー画像表示画面や遠隔操作画面等)を表示領域内に表示する。
【0041】
表示制御部204は、中央制御部201のCPUによる各種のアプリケーションプログラム(例えば、ライブビュー画像表示プログラム、遠隔操作プログラム等;図示略)の実行に基づいて、アプリケーション画面を生成し、生成されたアプリケーション画面に従った画像信号を表示部203に出力する。
【0042】
記録媒体制御部205は、記録媒体205aが着脱自在に構成され、装着された記録媒体205aからのデータの読み出しや記録媒体205aに対するデータの書き込みを制御する。
すなわち、記録媒体制御部205は、例えば、撮像装置1により撮像され、この撮像装置1から無線通信により送信されて取得された静止画像や動画像の画像データを記録媒体205aの所定の記録領域に記録させる。
なお、記録媒体205aは、例えば、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)等により構成されている。
【0043】
操作入力部206は、撮像制御装置2本体に対して各種指示を入力するためのものである。
具体的には、操作入力部206は、例えば、撮像制御装置2本体の電源のON/OFFに係る電源ボタン、モードや機能等の選択指示に係る上下左右のカーソルボタンや決定ボタン(何れも図示略)を備えている。
そして、ユーザにより各種ボタンが操作されると、操作入力部206は、操作されたボタンに応じた操作指示を中央制御部201に出力する。中央制御部201は、操作入力部206から出力され入力された操作指示に従って所定の動作(例えば、同期通信動作等)を各部に実行させる。
【0044】
なお、操作入力部206は、表示部203と一体となって設けられたタッチパネルを有していても良く、ユーザによるタッチパネルの所定操作に基づいて、当該所定操作に応じた操作指示を中央制御部201に出力しても良い。
【0045】
無線制御部207は、所定の無線通信回線を介して接続された外部機器(例えば、撮像装置1等)との間で通信制御を行う。
すなわち、無線制御部207は、上記撮像装置1の無線制御部108と略同様の構成をなし、同期通信方式の無線通信(例えば、Bluetooth等)によりデータを送受信するものである。例えば、無線制御部207は、通信アンテナ207aを介して外部機器との間でBluetoothの通信規格に基づく同期通信方式の無線通信を行うための制御モジュールMを具備している。
なお、無線制御部207の制御モジュールMの構成については、後述する(
図4参照)。
【0046】
次に、無線制御部108、207の制御モジュールMについて、
図4を参照して説明する。
図4は、制御モジュールMの概略構成を示すブロック図である。
【0047】
制御モジュールMの構成自体は、撮像装置1の無線制御部108に備わるものと撮像制御装置2の無線制御部207に備わるものとで略同様となっているが、同期通信方式の無線通信におけるマスタとなる撮像制御装置2に備わるものか、スレーブとなる撮像装置1に備わるものかで動作内容が異なる。
【0048】
図4に示すように、制御モジュールMは、同期通信部M1と、同期通信制御部M2と、同報通信送信部M3と、同報通信受信部M4とを具備している。
【0049】
同期通信部(同期通信手段)M1は、外部機器との間で同期通信方式の無線通信を行う。
すなわち、同期通信部M1は、通信相手の通信用クロックと自己の通信用クロックとを同期させた通信同期状態においてデータを送受信する同期通信方式の無線通信を行う。この同期通信方式の無線通信は、3以上の複数の機器を同時に通信同期状態とするものであり、例えば、Bluetoothの通信規格に基づく同期通信方式の無線通信の場合、最大で8台の機器が参加可能なピコネットを形成する。
【0050】
同期通信方式の無線通信におけるマスタとなるべき撮像制御装置2に備わる制御モジュールMの同期通信部M1は、同期通信制御部M2の制御下にて、例えば、温度補償水晶発振器(図示略)により生成される高精度の基準クロックを無線電波により一定の周期で送信する。また、マスタとなる撮像制御装置2の同期通信部M1は、自己の基準クロックから所定の時間間隔(例えば、250ms等)毎に基準クロックに同期した自己の通信用クロックを生成する。
【0051】
また、同期通信方式の無線通信におけるスレーブとなるべき複数の撮像装置1、…に備わる制御モジュールMの同期通信部M1は、これら複数の撮像装置1、…による同期した撮影を制御する撮像制御装置2と同期通信方式の無線通信を行う。具体的には、複数の撮像装置1、…の同期通信部M1は、撮像制御装置2の同期通信部M1から送信される基準クロックを通信アンテナ108aを介して受信し、この基準クロックから所定の時間間隔(例えば、250ms等)毎に基準クロックに同期した自己の通信用クロックを生成する。さらに、ユーザによるマスタとなる撮像制御装置2の所定操作に基づいて、この撮像制御装置2の無線制御部207から動画像の撮影開始指示が送信されて、この動画像の撮影開始指示が複数の撮像装置1、…の無線制御部108により受信されると、無線制御部108の同期通信部M1は、動画像の撮影開始指示の受信を契機として、通信用クロックに同期した動画用割込信号(第2の割込信号)を中央制御部101に出力する。
また、複数の撮像装置1、…に備わる制御モジュールMの同期通信部M1は、撮像制御装置2の同報通信送信部M3から送信される同報通信の無線信号が当該複数の撮像装置1、…の同報通信受信部M4により受信されると、同報通信の無線信号の受信を契機として、この同報通信の無線信号の送信タイミングに同期した静止画用割込信号(第1の割込信号)を中央制御部101に出力する。
【0052】
同期通信制御部(通信制御手段)M2は、外部機器との間で同期通信部M1により無線通信を行うために通信同期状態に移行させる。
すなわち、同期通信方式の無線通信におけるマスタとなる撮像制御装置2に備わる制御モジュールMの同期通信制御部M2は、複数の撮像装置1、…との間で同期通信部M1により無線通信を行うために通信同期状態に移行させる。
また、同期通信方式の無線通信におけるスレーブとなる複数の撮像装置1、…に備わる制御モジュールMの同期通信制御部M2は、同期した撮影を行うべき他の撮像装置1(例えば、撮像装置1B、1C等)との間で同期通信部M1により無線通信を行うために通信同期状態に移行させる。
具体的には、マスタとなる撮像制御装置2の同期通信制御部M2は、例えば、「同期確立フェーズ」にて、複数の撮像装置1、…を同期通信方式の無線通信におけるスレーブとするピコネットを形成し、同期通信部M1から無線電波により一定の周期で基準クロックを送信させる。スレーブとなる複数の撮像装置1、…の同期通信制御部M2は、撮像制御装置2の同期通信部M1から送信される基準クロックから所定の時間間隔(例えば、250ms等)毎に基準クロックに同期した自己の通信用クロックを同期通信部M1に生成させる。自己の通信用クロックの生成は、全ての撮像装置1、…で行われ、当該自己の通信用クロックが通信相手の通信用クロックと位相同期した状態となり、これにより、撮像制御装置2と複数の撮像装置1、…との通信用クロックの位相同期が確立する。
【0053】
同報通信送信部M3は、同報通信の無線信号を送信する。
すなわち、同期通信方式の無線通信におけるマスタとなる撮像制御装置2の中央制御部(指示手段)201のCPUは、例えば、ユーザによる操作入力部206の所定操作に基づいて、複数の撮像装置1、…が同期した静止画像の撮影タイミングを指示する信号を無線制御部207に出力する。無線制御部207に備わる制御モジュールMの同報通信送信部(同報通信送信手段)M3は、撮影タイミングを指示する信号が入力されると、この信号により指示された撮影タイミングで、通信同期状態となっている複数(例えば、3以上)の撮像装置1、…を対象として同報通信(一斉同報通信またはブロードキャストと言う場合もある)の無線信号を送信する。このとき、同報通信送信部M3は、通信同期状態にある全ての撮像装置1に対して、互いに同期させた通信用クロックに同期して同報通信の無線信号を送信する。
【0054】
同報通信受信部M4は、同報通信の無線信号を受信する。
すなわち、同期通信方式の無線通信におけるスレーブとなる複数の撮像装置1、…に備わる制御モジュールMの同報通信受信部(同報通信受信手段)M4は、マスタとなる撮像制御装置2の同報通信送信部M3から通信同期状態となっている複数の撮像装置1、…を対象として送信される同報通信の無線信号を受信する。
複数の撮像装置1、…の無線制御部108は、同報通信の無線信号の受信を契機として、静止画用割込信号を中央制御部101に出力し、中央制御部101は、静止画用割込信号が入力されると、静止画像の撮影処理を割り込み処理として実行させるための制御信号を撮像制御部104に出力する。
【0055】
<通信処理>
次に、本実施形態の無線同期システム100による通信処理について、
図5及び
図6を参照して説明する。
図5は、無線同期システム100による通信処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。また、
図6は、通信処理を説明するための模式図である。
【0056】
なお、以下に説明する通信処理では、撮像装置1の無線制御部108により同報通信の無線信号が受信された際に、第1の静止画撮影方法による静止画像の撮影を行うように、事前に同期撮影モードが設定されている等の所定の条件を満たしているものとする。
【0057】
また、通信処理では、事前に、同期撮影を制御する撮像制御装置2を選択し、ピコネット(Bluetoothの通信規格において複数の機器を同時に通信接続するための通信方式の1つ)におけるマスタとして設定する。続けて、同期撮影に参加する複数の撮像装置1、…を選択し、上記のピコネット(選択された撮像制御装置2がマスタとなるピコネット)におけるスレーブとして設定する。
なお、上記の撮像制御装置2及び撮像装置1の選択並びにマスタ及びスレーブの設定は、ユーザが同期撮影を制御させる撮像制御装置2や同期撮影に参加させる撮像装置1を操作してマスタやスレーブとして機能させるための設定操作を行うことにより行われる。
この場合、マスタとなりうる機器(撮像制御装置2)が複数存在する場合には、そのうちの1つを選択する。また、同期撮影に参加する機能を有する撮像装置1の全てをピコネットのスレーブに設定するのではなく、実際に同期撮影に参加させる複数の撮像装置1だけをピコネットのスレーブに設定する。
【0058】
また、上記の撮像制御装置2及び撮像装置1の選択並びにマスタ及びスレーブの設定は、ユーザが手動で行う方法の他、自動で行うようにしてもよい。例えば、ユーザが最初に同期撮影モードに設定した機器を撮像制御装置2として選択して自動的にマスタとしての設定を行ったり、特定の被写体の撮影に適した状態にある撮像装置1を検出して自動的にスレーブとしての設定を行ったりしてもよい。
選択された撮像制御装置2および複数の撮像装置1、…との間でピコネットが形成されると、これらの機器の間で通信同期状態に移行する。
【0059】
図5に示すように、先ず、撮像制御装置2に備わる無線制御部207の同期通信制御部M2は、高精度の基準クロックを同期通信部M1から通信アンテナ207aを介して一定の周期で送信させる(ステップS1)。
複数の撮像装置1、…の無線制御部108の同期通信部M1は、撮像制御装置2の同期通信部M1から送信される基準クロックを通信アンテナ108aを介して受信し、この基準クロックから所定の時間間隔(例えば、250ms等)毎に基準クロックに同期した自己の通信用クロックを生成する(ステップS2)。すなわち、各撮像装置1の無線制御部108は、自己の同期通信部M1の通信用クロック生成部が周期的に発生する通信用クロックの周期及びタイミングを、撮像制御装置2の基準クロックに同期させる。
これにより、撮像制御装置2と複数の撮像装置1、…との通信用クロックの位相同期が確立する(ステップS3)。この通信同期状態では、任意のタイミングで通信用クロックに同期した通信データの送受信を行うことができる。例えば、複数の撮像装置1、…により撮像されたライブビュー画像の画像データ等が撮像制御装置2に無線送信され、撮像制御装置2の表示制御部204は、ライブビュー画像を表示部203に表示させる処理等が行われる。
また、この通信同期状態は、撮像制御装置2から基準クロックが周期的に送信されている間は維持される。
【0060】
その後、撮像制御装置2の中央制御部201のCPUは、ユーザによる操作入力部206の所定操作に基づいて、動画像の撮影開始を指示する信号が入力されたか否かを判定する(ステップS4)。
ここで、動画像の撮影開始を指示する信号が入力されていないと判定されると(ステップS4;NO)、中央制御部201のCPUは、動画像の撮影開始を指示する信号が入力されたか否かを判定する処理を所定の時間間隔で繰り返し実行する。
【0061】
ステップS4にて、動画像の撮影開始を指示する信号が入力されたと判定されると(ステップS4;YES)、中央制御部201のCPUは、動画像の撮影開始を指示する信号を無線制御部207に出力し、無線制御部207の同期通信部M1は、動画像の撮影開始指示を通信アンテナ207aを介して複数の撮像装置1、…に送信する(ステップS5)。
【0062】
複数の撮像装置1、…では、動画像の撮影開始指示が無線制御部108により受信されると、無線制御部108は、動画像の撮影開始指示の受信を契機として、この動画像の撮影開始指示の送信タイミングに同期した動画用割込信号を中央制御部101に出力する(ステップS6;
図6参照)。
動画用割込信号が中央制御部101に入力されると、中央制御部101は、動画像の撮影処理を割り込み処理として実行させるための制御信号を撮像制御部104に出力し、撮像制御部104の撮影用クロック同期部104bは、自己の通信用クロックを利用して自己の撮影用クロックを生成することで、自己の通信用クロックに対して自己の撮影用クロックを同期させる(ステップS7)。すなわち、各撮像装置1の撮像制御部104は、自己の撮影用クロック生成部104bが周期的に発生する撮影用クロックの周期及びタイミングを通信用クロックに同期させる。
ここでは、動画像の撮影開始指示の受信を契機として動画用割込信号の出力や、撮影用クロックの同期を行う例で説明したが、ステップS3で同期が確立した時点で動画用割込信号の出力や、撮影用クロックの同期を行うようにしてもよい。
【0063】
続けて、第2制御部104cは、動画像の撮影開始を指示する信号の受信を契機に、撮像部103により動画像の撮影を開始させる(ステップS8)。具体的には、第2制御部104cは、先ず、動画像の撮影を開始すべく、撮影する動画フレームのフレーム番号を初期化して、他の撮像装置1(例えば、撮像装置1B、1C等)との間でフレーム番号の初期値を一致させる。その後、第2制御部104cは、撮影用クロック同期部104bにより自己の通信用クロックに対して同期させた撮影用クロックを用いて、フレーム番号をカウントしながら各動画フレームの撮影を実行することで、他の撮像装置1(例えば、撮像装置1B、1C等)との間で、各動画フレームの撮影タイミングを一致させるとともに、カウント中のフレーム番号を他の撮像装置1と一致させる。これにより、全ての撮像装置1で撮影タイミングと動画のフレーム番号が同期した状態で、撮像部103による動画像の撮影が行われる。
【0064】
なお、他の撮像装置1(例えば、撮像装置1B、1C等)との間でフレーム番号を一致させる処理は、撮像部103による動画像の撮影開始後に行われても良い。つまり、フレーム番号を初期化する時点で、他の撮像装置1とフレーム番号を一致させなくとも、各動画フレームの撮影タイミングさえ一致(同期)していれば、撮影開始後のあるタイミングでフレーム番号を一致させるための信号を送信し、この送信時点で、例えば、撮像装置1Aのフレーム番号が「100」、撮像装置1Bのフレーム番号が「120」と、「20」フレームの差があったとしても、このフレーム数の差の情報を用いて、その時点で(または撮影後に)でフレーム番号を振り直すようにしてもよい。
【0065】
その後、撮像制御装置2の中央制御部201のCPUは、ユーザによる操作入力部206の所定操作に基づいて、複数の撮像装置1、…が同期した静止画像の撮影タイミングを指示する信号が入力されたか否かを判定する(ステップS9)。
ここで、静止画像の撮影タイミングを指示する信号が入力されていないと判定されると(ステップS9;NO)、中央制御部201のCPUは、静止画像の撮影タイミングを指示する信号が入力されたか否かを判定する処理を所定の時間間隔で繰り返し実行する。
【0066】
ステップS9にて、静止画像の撮影タイミングを指示する信号が入力されたと判定されると(ステップS9;YES)、中央制御部201のCPUは、静止画像の撮影タイミングを指示する信号を無線制御部207に出力し、無線制御部207の同報通信送信部M3は、この信号により指示された撮影タイミングで、通信同期状態となっている複数の撮像装置1、…を対象として互いに同期させた通信用クロックに同期して同報通信の無線信号を送信する(ステップS10)。この同報通信の無線信号は、特定の送信相手を指定することなく送信され、同じピコネットに属する全ての機器が同じ同報通信の無線信号を同時に受信する。これにより、複数の機器に個別に無線信号を送信する場合と比べて(例え、複数の無線信号を同時に近いタイミングで送信したとしても)、通知タイミングの同時性が向上する。
【0067】
複数の撮像装置1、…では、同報通信の無線信号が無線制御部108により受信されると、無線制御部108は、同報通信の無線信号の受信を契機として、この同報通信の無線信号の送信タイミングに同期した静止画用割込信号を中央制御部101に出力する(ステップS11;
図6参照)。
静止画用割込信号が中央制御部101に入力されると、中央制御部101は、静止画像の撮影処理を割り込み処理として実行させるための制御信号を撮像制御部104に出力し、撮像制御部104の第1制御部104aは、撮像部103により静止画像を撮影させる(ステップS12)。これにより、全ての撮像装置1で同期した状態で、撮像部103による静止画像の撮影が行われる。
【0068】
その後、撮像制御装置2の中央制御部201のCPUは、ユーザによる操作入力部206の所定操作に基づいて、動画像の撮影終了を指示する信号が入力されたか否かを判定する(ステップS13)。
ここで、動画像の撮影終了を指示する信号が入力されていないと判定されると(ステップS13;NO)、中央制御部201のCPUは、処理をステップS9に戻し、静止画像の撮影タイミングを指示する信号が入力されたか否かを判定する。
【0069】
ステップS13にて、動画像の撮影終了を指示する信号が入力されたと判定されると(ステップS13;YES)、中央制御部201のCPUは、動画像の撮影終了を指示する信号を無線制御部207に出力し、無線制御部207の同期通信部M1は、動画像の撮影終了指示を通信アンテナ207aを介して複数の撮像装置1、…に送信する(ステップS14)。
【0070】
複数の撮像装置1、…では、動画像の撮影終了指示が無線制御部108により受信されると、無線制御部108は、動画像の撮影終了指示の受信を契機として、この動画像の撮影終了指示の送信タイミングに同期した動画用割込信号を中央制御部101に出力する(ステップS15)。
動画用割込信号が中央制御部101に入力されると、中央制御部101は、動画像の撮影処理を割り込み処理として実行させるための制御信号を撮像制御部104に出力し、撮像制御部104の第2制御部104cは、撮像部103による動画像の撮影を終了させる(ステップS16)。
【0071】
以上のように、本実施形態の無線同期システム100によれば、複数の撮像装置1、…並びに撮像制御装置2が、通信相手の通信用クロックと自己の通信用クロックとを同期させた通信同期状態においてデータを送受信する同期通信方式の無線通信(例えば、Bluetoothの通信規格に基づく同期通信方式の無線通信)を行い、複数の撮像装置1、…が同期した撮影タイミングが指示されると、撮像制御装置2が、指示された撮影タイミングで、通信同期状態となっている複数の撮像装置1、…を対象として同報通信の無線信号を送信し、複数の撮像装置1、…が、同報通信の無線信号が受信されたタイミングで同期して撮影させるので、従来のように、例えば、リングバッファやRTCの時刻情報等を用いることなく、複数の撮像装置1、…の撮影タイミングを同期させることができ、これにより、同期通信方式の無線通信をより効果的に利用して同期撮影を行うことができる。
【0072】
また、複数の撮像装置1、…が、例えば、所定の条件を満たしていることを条件として、同報通信の無線信号が受信された際に、この同報通信のデータ内容に拘わらず、静止画像の撮影が指示されたものとして直ちに静止画像の撮影を実行する第1の静止画撮影方法による静止画像の撮影を行うことで、複数の撮像装置1、…の撮影タイミングの同期をより高精度に行うことができることとなり、静止画像の同期撮影をより高精度に行うことができる。
一方、複数の撮像装置1、…が、同報通信の無線信号が受信された際に、この同報通信のデータ内容が静止画像の撮影を指示するものかであるか否かを判断し、静止画像の撮影を指示するものであった場合に静止画像の撮影を実行する第2の静止画撮影方法による静止画像の撮影を行うことで、例えば、事前に所定の条件を満たすような煩雑な設定が不要となるだけでなく、制御モジュールMの配線等を簡略化することでコストダウンを図ることができる。
また、上記した第1の静止画撮影方法と第2の静止画撮影方法のうち、ユーザが何れか一の方法による静止画像の撮影を選択して行うことができる。すなわち、例えば、同期撮影をより高精度に行いたいか否かや、煩雑な設定を不要としたいか否か等に応じて、ユーザが所望の方法による静止画像の撮影を選択して行うことができ、利便性を向上させることができる。
【0073】
また、複数の撮像装置1、…が、他の撮像装置1との間で同期している自己の通信用クロックに対して自己の撮影用クロックを同期させ、この自己の撮影用クロックに同期させて撮像部103により撮影させるので、同報通信の無線信号に基づいて行われる撮影とは異なるタイミングで同期させた撮影を行うことができる。例えば、撮影用クロックのカウントアップにより動画像を構成するフレーム画像のフレーム番号を識別することで、他の撮像装置1との間で動画像のフレーム番号を一致させて動画像の撮影を行うことができ、この動画像の撮影中に、同報通信の無線信号の受信に基づいて静止画像の撮影を行なうことができる。このように、撮影タイミングの異なる動画像及び静止画像の二つの撮影をそれぞれ複数の撮像装置1、…で同期させて行うことができる。
【0074】
また、同期通信方式の無線通信におけるマスタとなる撮像制御装置2から無線電波により一定の周期で基準クロックが送信され、同期通信方式の無線通信におけるスレーブとなる複数の撮像装置1、…が、送信される基準クロックを受信して自己の通信用クロックを同期させるので、マスタとなる撮像制御装置2とスレーブとなる複数の撮像装置1、…とが互いの通信用クロックを同期させることができる。
また、撮像制御装置2から送信される同報通信の無線信号が無線制御部108により受信されると、無線制御部108は、この同報通信の無線信号の送信タイミングに同期した静止画用割込信号を出力し、中央制御部101のCPUは、この静止画用割込信号に基づいて静止画像の撮影処理を割り込み処理として実行させるので、静止画用割込信号を用いて複数の撮像装置1、…の静止画像の撮影タイミングを高精度に同期させることができる。
さらに、撮像制御装置2から送信される基準クロックが無線制御部108により受信されると、無線制御部108は、この基準クロックに同期した通信用クロックを生成するとともに、当該通信用クロックに同期した動画用割込信号を出力し、中央制御部101のCPUは、この動画用割込信号に基づいて動画像の撮影処理を割り込み処理として実行させるので、動画用割込信号を用いて複数の撮像装置1、…の動画像の撮影タイミングを高精度に同期させることができる。
【0075】
また、例えば、Bluetoothの通信規格に基づく同期通信方式の無線通信の場合、3以上の複数の機器(例えば、複数の撮像装置1、…並びに撮像制御装置2等)を同時に通信同期状態とすることができる。そして、撮像制御装置2は、通信同期状態となっている3以上の全ての撮像装置1を対象として、互いに同期させた通信用クロックに同期して同報通信の無線信号を送信することで、同報通信の無線信号に基づいて複数の撮像装置1、…の撮影タイミングを同期させることができ、同期通信方式の無線通信をより効果的に利用して同期撮影を行うことができる。
【0076】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、複数の撮像装置1、…を制御する撮像制御装置2を設けるようにしたが、一例であってこれに限られるものではなく、例えば、複数の撮像装置1、…のみから無線同期システム100を構成し、これら複数の撮像装置1、…のうち、何れか一の撮像装置1(例えば、撮像装置1A等)が撮像制御装置を兼用しても良い。すなわち、無線制御部108の制御モジュールMの構成自体は、撮像制御装置に備わるものと略同様となっているため、必ずしも専用の撮像制御装置2を設ける必要はない。
【0077】
また、上記実施形態にあって、第1の割込信号として、静止画用割込信号を例示するとともに、第2の割込信号として、動画用割込信号を例示したが、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。例えば、第1の割込信号と第2の割込信号の内容が逆であっても良いし、動画像の撮影の替わりに所定の時間間隔毎に複数の静止画像を撮像するインターバル撮影を行なっても良い。
【0078】
さらに、上記した撮像装置1、…並びに撮像制御装置2の構成は、一例であってこれらに限られるものではなく、通信相手の通信用クロックと自己の通信用クロックとを同期させた同期通信方式の無線通信を行うことができる装置であれば如何なる構成であっても良い。
【0079】
加えて、上記実施形態にあっては、通信制御手段、同報通信受信手段、撮影制御手段としての機能を、撮像装置1の中央制御部101のCPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
すなわち、プログラムを記録するプログラムメモリ(図示略)に、通信制御処理ルーチン、同報通信受信処理ルーチン、撮影制御処理ルーチンを含むプログラムを記録しておく。そして、通信制御処理ルーチンにより中央制御部101のCPUを、同期した撮影を行うべき他の撮像装置との間で同期通信方式の無線通信を行うために通信同期状態に移行させる手段として機能させるようにしても良い。また、同報通信受信処理ルーチンにより中央制御部101のCPUを、通信同期状態となっている複数の撮像装置1、…を対象として送信される同報通信の無線信号を受信する手段として機能させるようにしても良い。また、撮影制御処理ルーチンにより中央制御部101のCPUを、同報通信の無線信号が受信されたタイミングで撮影させる手段として機能させるようにしても良い。
【0080】
同様に、通信制御手段、指示手段、同報通信送信手段としての機能を、撮像制御装置2の中央制御部201のCPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
すなわち、プログラムを記録するプログラムメモリ(図示略)に、通信制御処理ルーチン、指示処理ルーチン、同報通信送信処理ルーチンを含むプログラムを記録しておく。そして、通信制御処理ルーチンにより中央制御部201のCPUを、複数の撮像装置との間で同期通信方式の無線通信を行うために通信同期状態に移行させる手段として機能させるようにしても良い。また、指示処理ルーチンにより中央制御部201のCPUを、複数の撮像装置1、…が同期した撮影タイミングを指示する手段として機能させるようにしても良い。また、同報通信送信処理ルーチンにより中央制御部201のCPUを、指示された撮影タイミングで、通信同期状態となっている複数の撮像装置1、…を対象として同報通信の無線信号を送信する手段として機能させるようにしても良い。
【0081】
さらに、上記の各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体として、ROMやハードディスク等の他、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを所定の通信回線を介して提供する媒体としては、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
通信相手の通信用クロックと自己の通信用クロックとを同期させた通信同期状態においてデータを送受信する同期通信方式の無線通信を行う同期通信手段と、
同期した撮影を行うべき他の撮像装置との間で前記同期通信手段により無線通信を行うために前記通信同期状態に移行させる通信制御手段と、
前記通信同期状態となっている複数の撮像装置を対象として送信される同報通信の無線信号を受信する同報通信受信手段と、
前記同報通信受信手段により同報通信の無線信号が受信されたタイミングで撮影させる第1の撮影制御手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
<請求項2>
前記第1の撮影制御手段は、前記同報通信受信手段により前記同報通信の無線信号が受信された際に、この同報通信のデータ内容に拘わらず、静止画像の撮影が指示されたものとして直ちに静止画像の撮影を実行する第1の静止画撮影方法による静止画像の撮影を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
<請求項3>
前記第1の撮影制御手段は、前記同報通信受信手段により前記同報通信の無線信号が受信された際に、所定の条件を満たしていることを条件として、前記第1の静止画撮影方法による静止画像の撮影を行うことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
<請求項4>
前記第1の撮影制御手段は、前記同報通信受信手段により前記同報通信の無線信号が受信された際に、この同報通信のデータ内容が静止画像の撮影を指示するものかであるか否かを判断し、静止画像の撮影を指示するものであった場合に静止画像の撮影を実行する第2の静止画撮影方法による静止画像の撮影を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
<請求項5>
前記第1の撮影制御手段は、前記同報通信受信手段により前記同報通信の無線信号が受信された際に、この同報通信のデータ内容に拘わらず、静止画像の撮影が指示されたものとして直ちに静止画像の撮影を実行する第1の静止画撮影方法と、この同報通信のデータ内容が静止画像の撮影を指示するものかであるか否かを判断し、静止画像の撮影を指示するものであった場合に静止画像の撮影を実行する第2の静止画撮影方法のうち、選択された何れか一の方法による静止画像の撮影を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
<請求項6>
撮像手段と、
前記同期通信手段による同期通信方式の無線通信を行うことにより他の撮像装置との間で同期している自己の通信用クロックを利用して、この自己の通信用クロックに対して自己の撮影用クロックを同期させる撮影用クロック同期手段と、
前記撮影用クロック同期手段により同期させた自己の撮影用クロックに同期させて前記撮像手段により撮影させる第2の撮影制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の撮像装置。
<請求項7>
前記第1の撮影制御手段は、静止画像の撮影を制御し、
前記第2の撮影制御手段は、動画像の撮影を制御することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
<請求項8>
前記第1の撮影制御手段は、前記第2の撮影制御手段の制御による動画像の撮影中に、静止画像を撮影させることを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
<請求項9>
前記第2の撮影制御手段は、前記撮影用クロックのカウントアップにより動画像を構成するフレーム画像のフレーム番号を識別し、
前記同期通信手段は、他の撮像装置との間で動画像のフレーム番号を一致させるタイミングを指示する信号を送信することを特徴とする請求項7又は8に記載の撮像装置。
<請求項10>
前記同期通信手段は、前記複数の撮像装置による同期した撮影を制御する撮像制御装置と前記同期通信方式の無線通信を行い、
前記撮像制御装置は、前記同期通信方式の無線通信におけるマスタとなって、無線電波により一定の周期で基準クロックを送信し、
前記複数の撮像装置は、前記同期通信方式の無線通信におけるスレーブとなって、前記撮像制御装置から送信される前記基準クロックを受信して自己の通信用クロックを同期させることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の撮像装置。
<請求項11>
前記撮像制御装置から送信される前記同報通信の無線信号が前記同報通信受信手段により受信されると、この同報通信の無線信号の送信タイミングに同期した第1の割込信号を出力する無線制御部と、
前記無線制御部から出力される前記第1の割込信号が入力されると、この第1の割込信号に基づいて静止画像の撮影処理を割り込み処理として実行させる中央制御部と、を備えることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
<請求項12>
前記無線制御部は、更に、前記撮像制御装置から送信される前記基準クロックを受信して、この基準クロックに同期した通信用クロックを生成するとともに、当該通信用クロックに同期した第2の割込信号を出力し、
前記中央制御部は、前記無線制御部から出力される前記第2の割込信号が入力されると、この第2の割込信号に基づいて動画像の撮影処理を割り込み処理として実行させることを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
<請求項13>
前記複数の撮像装置のうち、何れか一の撮像装置が前記撮像制御装置を兼用することを特徴とする請求項10〜12の何れか一項に記載の撮像装置。
<請求項14>
前記同期通信手段は、Bluetoothの通信規格に基づく同期通信方式の無線通信を行うことを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の撮像装置。
<請求項15>
通信相手の通信用クロックと自己の通信用クロックとを同期させた通信同期状態においてデータを送受信する同期通信方式の無線通信を行う同期通信手段と、
複数の撮像装置との間で前記同期通信手段により無線通信を行うために前記通信同期状態に移行させる通信制御手段と、
前記複数の撮像装置が同期した撮影タイミングを指示する指示手段と、
前記指示手段により指示された撮影タイミングで、前記通信同期状態となっている前記複数の撮像装置を対象として同報通信の無線信号を送信する同報通信送信手段と、
を備えることを特徴とする撮像制御装置。
<請求項16>
前記同期通信方式の無線通信は、3以上の複数の機器を同時に前記通信同期状態とし、
前記同報通信送信手段は、前記通信同期状態にある全ての機器に対して前記同報通信の無線信号を送信することを特徴とする請求項15に記載の撮像制御装置。
<請求項17>
前記通信制御手段は、同期した撮影を行う3以上の撮像装置との間で前記同期通信手段により無線通信を行うために前記通信同期状態に移行させ、
前記同報通信送信手段は、前記通信同期状態となっている前記3以上の撮像装置を対象として前記同報通信の無線信号を送信することを特徴とする請求項16に記載の撮像制御装置。
<請求項18>
前記同報通信送信手段は、前記通信同期状態にある全ての機器に対して、互いに同期させた通信用クロックに同期して前記同報通信の無線信号を送信することを特徴とする請求項16に記載の撮像制御装置。
<請求項19>
前記同期通信手段は、Bluetoothの通信規格に基づく同期通信方式の無線通信を行うことを特徴とする請求項15〜18の何れか一項に記載の撮像制御装置。
<請求項20>
通信相手の通信用クロックと自己の通信用クロックとを同期させた通信同期状態においてデータを送受信する同期通信方式の無線通信を行う撮像装置を用いた撮像方法であって、
同期した撮影を行うべき他の撮像装置との間で前記同期通信方式の無線通信を行うために前記通信同期状態に移行させる処理と、
前記通信同期状態となっている複数の撮像装置を対象として送信される同報通信の無線信号を受信する処理と、
前記同報通信の無線信号が受信されたタイミングで撮影させる処理と、
を含むことを特徴とする撮像方法。
<請求項21>
通信相手の通信用クロックと自己の通信用クロックとを同期させた通信同期状態においてデータを送受信する同期通信方式の無線通信を行う撮像制御装置を用いた撮像制御方法であって、
複数の撮像装置との間で前記同期通信方式の無線通信を行うために前記通信同期状態に移行させる処理と、
前記複数の撮像装置が同期した撮影タイミングを指示する処理と、
指示された撮影タイミングで、前記通信同期状態となっている前記複数の撮像装置を対象として同報通信の無線信号を送信する処理と、
を含むことを特徴とする撮像制御方法。
<請求項22>
通信相手の通信用クロックと自己の通信用クロックとを同期させた通信同期状態においてデータを送受信する同期通信方式の無線通信を行う撮像装置のコンピュータを、
同期した撮影を行うべき他の撮像装置との間で前記同期通信方式の無線通信を行うために前記通信同期状態に移行させる通信制御手段、
前記通信同期状態となっている複数の撮像装置を対象として送信される同報通信の無線信号を受信する同報通信受信手段、
前記同報通信受信手段により同報通信の無線信号が受信されたタイミングで撮影させる撮影制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
<請求項23>
通信相手の通信用クロックと自己の通信用クロックとを同期させた通信同期状態においてデータを送受信する同期通信方式の無線通信を行う撮像制御装置のコンピュータを、
複数の撮像装置との間で前記同期通信方式の無線通信を行うために前記通信同期状態に移行させる通信制御手段、
前記複数の撮像装置が同期した撮影タイミングを指示する指示手段、
前記指示手段により指示された撮影タイミングで、前記通信同期状態となっている前記複数の撮像装置を対象として同報通信の無線信号を送信する同報通信送信手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。