(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明において、回路構成をより簡略化するための好ましい形態は、I制御成分V
Iが前記検出器の検出値とともに前記差動増幅回路の一方の入力端子に入力されるようにI制御部とP制御回路が接続され、前記差動増幅回路の出力端子が前記駆動素子に接続されている構成である。
【0015】
好ましい一実施形態では、I制御部は、検出値と目標値との偏差に対するしきい値V
P_upperを保持するしきい値保持部と、前記偏差がしきい値保持部に保持されたしきい値V
P_upperを超えていれば出力のI制御成分V
Iをゼロにリセットし、前記偏差が前記しきい値保持部に保持されたしきい値V
P_upper以下のときに前記偏差の積分を継続する第1比較部と、をさらに備えている。
【0016】
好ましい他の実施形態では、I制御部は、I制御成分V
Iの絶対値|V
I|の上限値V
I_MAXを保持する上限値保持部と、I制御成分V
Iを上限値保持部に保持された上限値と比較してI制御成分V
I出力値の絶対値|V
I|が前記上限値を超えないように規制する第2比較部と、をさらに備えている。
【0017】
本発明のフィードバック制御装置が適用される対象は特に限定されるものではないが、一例として超臨界流体クロマトグラフ装置(SFC)又は超臨界流体抽出装置(SFE)を挙げることができる。そこでは、制御対象はSFC又はSFEの分析流路の検出器の下流に設けられた圧力制御装置の背圧調整弁である。検出器は分析流路において背圧調整弁の上流に設けられた圧力計であり、駆動素子は背圧調整弁を制御するアクチュエータである。そして、その場合のフィードバック制御装置は、圧力計の検出値と目標値に基づいて背圧調整弁をPI制御するものとなる。
【0018】
以下、実施例としてSFCを取りあげて説明するが、それに限定されるものではない。
【0019】
SFCでは、超臨界流体を移動相として使用し、その移動相の気化を防ぐために分析流路を一定の高圧力状態に維持する。その圧力制御を行う圧力制御装置として、分析流路の検出器の下流に背圧調整器(BPR; Back Pressure Regulator)が設けられる。背圧調整器では背圧調整弁をアクチュエータとしてのピエゾ素子又はソレノイドにより調節している。その背圧調整弁の上流側の直前に設けられた圧力計により検出した圧力が目標値としての設定値と等しくなるように、ピエゾ素子又はソレノイドへの印加電圧をフィードバック制御している。以下では、アクチュエータとしてピエゾ素子を用いた場合について説明する。
【0020】
図1を用いてBPRで行っている圧力制御の概念について説明する。BPR2では流路4に設置した弁6の開度(弁の開き具合で、具体的には開口面積)を制御し、通過する流体の圧力を制御する。制御装置12は、BPR2の上流の流路に設置している圧力計8からの圧力信号値をモニタ圧力P
monitorとし、モニタ圧力P
monitorが目標値である設定圧力P
setよりも低ければアクチュエータであるピエゾ素子10により弁6を押し、流路断面積を小さくして圧力を高める。反対にモニタ圧力P
monitorが設定圧力P
setよりも高ければ、制御装置12はピエゾ素子10を引いて流路断面積を大きくすることによって圧力を下げる。
【0021】
BPRにおけるフィードバック制御による圧力制御方式にはPI制御が採用されている。PI制御は、圧力のフィードバック制御に一般に用いられる方法である。PI制御の説明の前にP制御を説明し、続いてPI制御を説明する。
【0022】
(P制御)
ピエゾ素子10を実際に押し引きする動作量は設定圧力P
setとモニタリング圧力P
monitorの差の定数倍である。圧力計8から得られる電圧値をV
P_monとし、設定圧力P
setに対応する電圧値をV
P_set、ゲインをK
Pとすると、ピエゾ素子10に出力される電圧V
PZTは式(1)で表される。
V
PZT=K
P(V
P_set−V
P_mon) (1)
【0023】
ここで、便宜的に圧力値[MPa]と電圧値[V]は数値が等しいと仮定し、設定圧力P
set=20.00MPa(V
P_set=20.00V)のときにゲインK
P=100のフィードバック制御でモニタリング圧力P
monitor=19.96MPa(V
P_mon=19.96V)が得られた場合を考える。このとき式(1)よりピエゾへの出力電圧は100×(20.00−19.96)=4Vとなるが、もし4Vのピエゾ素子10への出力で位置制御された弁6の開度がちょうど流体を19.96MPaに保つ開度であった場合、式(1)によりBPR2は平衡状態となってしまい、圧力は目標の20MPaに収束しないこととなる。この残差0.04MPaを定常偏差(オフセット)と呼ぶが、定常偏差を解消するために用いられるのがPI制御である。
【0024】
(PI制御)
PI制御は式(1)に積分項を加えたもので、式(2)で表される制御を行う。
式(2)の第二項の積分要素によって、左辺V
PZTと右辺第一項がつりあったとしても、右辺第二項はV
P_setとV
P_monが等しい値となるまで増幅されるため、ピエゾ素子10の押し量を増加又は減少させ続けることによって、圧力が目標値と一致するまで昇圧又は減圧させ続けることが可能となる。
【0025】
図2Aと
図2BにそれぞれP制御(
図2A)とPI制御(
図2B)のステップ応答の概念図を示す。時間t=0において、ある目標圧力値P
setを与えた場合、平衡状態になった圧力値P
eはP制御ではP
setに対してある定常偏差(offset)を持ち、PI制御ではP
setとP
eは一致する。
【0026】
図3に、P制御を実行するための電気回路の一例を示す。演算増幅回路(オペアンプ)14を用いた差動増幅回路であり、V
P_monとV
P_setの電圧差を抵抗比R
P/Rのゲイン(式(1)中のK
Pに相当する。)で増幅し、ピエゾ素子10に電圧を出力する(PZT Driveと表示されている。)。
【0027】
P制御は定常偏差が発生するため、PI制御を行うが、PI制御回路は実際の圧力制御装置では複数の機能を必要とするため、回路が複雑になる。
図4に、PI制御に必要な制御機能の例を示す。設定値V
P_setとモニタ値V
P_monとの大小を比較する比較回路(s1)があり、P制御用にそれを増幅する比例増幅回路(s2)、I制御用の積分回路(s3)、そしてP制御成分とI制御成分を加算する回路(s4)がまず必要となる。さらにはSFC又はSFEにおける圧力制御中では、ポンプを停止した際や流路を切り替えた際にピエゾ素子10の稼動範囲の最大限に電圧を出力しても圧力が設定値にならず、積分値が溜まりすぎる問題が発生する。そのため、積分値を適当な範囲に制限する回路(s5)が必要となる。また圧力値が設定値と大きく乖離したことを判断(s6)し、その場合は積分値を0にリセットする機能(s7)も必要となる。
図4に示した制御を電気回路でそのまま実装すれば、制御回路が複雑で大規模なものとなり、また圧力を安定制御するP制御に悪影響を及ぼしかねない。
【0028】
そこで、この実施形態では、P制御を
図3に示したような電気回路で実行し、I制御はデジタル処理(ソフトウエア(S/W)、ファームウエア(F/W)又はFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ))で実行する、いわゆるアナログP、デジタルI混合のPI制御を行う。
【0029】
FPGAはデジタル回路の一種であるが、ロジックLSIの集合体を使用する。FPGAは、ソフトウエアを書くだけで全く同じ動作を示す電気回路(集積回路)を簡単に制作可能であり、実装容易性が非常に高い。FPGAをアナログ信号系で使用するときは、入力側にAD変換器が設けられ、出力側にDA変換器が設けられる。仮にI制御を実行するFPGAが複雑な回路構成となったとしても、DA変換器を介してP制御用のアナログ回路と接続されるために、P制御の安定度には影響を及ぼさない。
【0030】
図5に、制御の概念図を示す。圧力計8からの電圧値V
P_monをアナログ回路からなるP制御回路16とデジタル処理によるI制御部18に入力する。P制御回路16は例えば
図3に示した電気回路である。P制御回路16は、電圧値V
P_monと、設定圧力に相当する設定電圧値V
P_setとのP制御を実行してP制御成分V
Pを出力する。I制御部18は、デジタル処理により、電圧値V
P_monと設定電圧値V
P_setとのI制御を実行してI制御成分V
Iを出力する。P制御成分V
PとI制御成分V
Iが加算されて、アクチュエータのピエゾ素子10を駆動する。
【0031】
ここで、本発明が適用される例として、BPRを使用する超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)の装置構成について
図6を用いて説明する。SFCでは比較的低温度、低圧力で超臨界状態が得られるCO
2を移動相として用い、また測定試料の溶解性を高めるためにモディファイヤー(主にはメタノール)を混入させる。そのため、CO
2ボンベ101から得られる液体CO
2をCO
2ポンプ103にて送液し、同様にモディファイヤー102をモディファイヤーポンプ104で送液し、ミキサー105にて混合して移動相とする。オートサンプラー106によって試料を注入された移動相は、カラムオーブン107内に設置されたカラム108を通り、カラム108で試料成分が時間的に分離される。時間的に分離された試料成分はUV検出器109によって検出さる。
【0032】
UV検出器109の検出値は分析される物質の密度によって大きく変化し、超臨界流体は密度の圧力依存性が大きい。そのため、ポンプ103,104以降の流路の圧力が圧力制御弁110(背圧調整器、BPR)によって10MPa程度以上の一定圧に保たれるように構成されているが、圧力調整弁の圧力安定精度がUV検出器109の測定安定性に大きく寄与する。そのため設定圧力に対して±0.01MPa程度の圧力制御精度が必要となる。特にSFCではモディファイヤーの混入割合を時間的に変化させるグラジエント分析が一般に行われ、分析中に流体の組成が大きく変化するため圧力が変動する原因となる。
【0033】
次に、SFCシステムに用いるための、圧力調整弁について
図7を用いてその一例を説明する。SFCに一般に用いられる内径0.1mmのステンレス管22がボディ21の入口、出口にそれぞれを接続されている。ボディ21内には内径0.3mmの管流路31が形成されており、管流路31の両端がそれらのステンレス管22に接続されている。ステンレス管22はフェルール23により中心が決められ、ネジ24によってボディ21に固定されている。
【0034】
ボディ21には流路31を切断する凹部が形成されている。その凹部の中央部の穴が流路31を切断するように円錐形にくぼみ、その穴の壁面には管流路31の切断された部分につながる横穴が開口している。その穴を上から覗くと、円錐形のくぼみの壁面に入口側と出口側のそれぞれ流路につながる開口が見える構造になっている。その穴に弾性体からなる円錐形の蓋25が設けられている。蓋25は、その周辺部がシール部材26によりその穴の周辺部に押しつけており、その穴内に入った部分がその穴の壁面の開口を開閉する構造となっている。シールされた微小な流路31を切断している円錐形の穴の壁面が弁座部33となり、蓋25が弁体となっている。
【0035】
蓋25の背面(その穴からみて反対側の面)を押さえ棒27を介してピエゾ素子28で押し引きすることにより、弁座部33の流路面積の大きさが制御され、入口管路の圧力を制御することが可能となる。
【0036】
ピエゾ素子28は電圧を0Vから100Vまで印加すると10μm程度変位するピエゾアクチュエータである。弁体をさらに大きい範囲で変位させる粗動のために、弁体からみてピエゾ素子28の後段にステッピングモータ29が取り付けられている。
【0037】
ここでピエゾアクチュエータの制御について説明する。
図3に示した回路図によるP制御では、制御後の平衡圧力が設定圧力と±0.1MPa程度のずれ(定常偏差)が生じる。しかもこの定常偏差の値はピエゾ素子の平衡電位に依存し、グラジエント分析の際に刻々と変化する流体の組成に対応して変化させるピエゾ電位に応答する形で、平衡圧力が変化してしまう。これを避けるため、フィードバック制御をPI制御とすることが望ましい。
【0038】
しかしBPRを適応するSFCやSFEでは、PI制御とした場合に、I制御に複雑な処理が求められる。例えば、ポンプを停止した際等に圧力値が設定値と大きく乖離した場合には積分値を0にリセットしたり、流路を切り替えた際に圧力がわずかに設定値に到達しない時間が長時間になると積分値が溜まりすぎるので、それを防止したり、又は、試料を分析流路に注入する際の瞬時の過渡的な圧力上昇は無視したりするといったことである。このような処理を電気回路で実装しようとすると、回路が複雑で大規模になり、またそのためにノイズが増加してP制御の性能にも影響を及ぼすため理想的な圧力安定性能が得られないという問題が生じる。
【0039】
そこで、好ましい一実施形態では、
図8に示す電気回路により、PI制御を行う。圧力計からの電圧値V
P_monと設定圧力に対応する電圧値V
P_setが等しくなるようオペアンプを用いた差動増幅回路14によりフィードバック制御を行う。差動増幅回路14の入力端子のうち、圧力計からの電圧値V
P_monを入力する側の入力端子に、ソフトウエア又はファームウエアで計算したI制御信号V
Iを加算する。
【0040】
I制御信号V
Iを求めるためのソフトウエア又はファームウエアおける計算を式(3)に示す。
ここでK
Iは積分ゲインであり、制御系に合わせて適当に調整するが、I制御全体のゲインは
図8に示した電気回路の増幅率も合わせてK
IR
P/R
Iで表される。
【0041】
I成分V
IとP成分V
Pの加算は、
図8に示した回路に限定されず、一般的な加算回路を用いて
図9のような構成でも実行できる。しかし、
図9の回路では、P制御のための演算増幅器14のほかに、I成分V
IとP成分V
Pの加算のための演算増幅器14aが必要となり、増幅段が1段増すことになるために安定度の観点からは増幅段の少ない
図8の回路構成の方が好ましい。
図8の回路はP制御の結果とI制御の結果の正確な加算処理にはなっておらず、数学的には(2)で表わされる演算を行っているわけではない。しかし、V
P_setとV
P_monが等しくなるまでピエゾ電圧が増加又は減少を続けるという意味では同じ処理であり、結果的にPI制御がなされる。
【0042】
図10と
図11に、デジタル処理を機能として示す。デジタル処理部20はSFC又はSFEの専用コンピュータにより、又はSFC又はSFEにデータ処理などの目的のために接続された汎用のコンピュータ、例えばパーソナルコンピュータにより実現される。
【0043】
デジタル処理では、まず圧力計8から得られるアナログ電圧(V
P_Mon)をAD変換部22によってデジタル値に変換する。AD変換部22はデジタル処理部20の外部に設けられたAD変換器であってもよく、デジタル処理部20内での機能として実現されるものであってもよい。デジタル処理部20内での処理はデジタル値として処理される。
【0044】
得られた圧力値を平均化部24により平均化処理する。平均化処理は圧力計8で発生するノイズや、AD変換の際に発生するノイズを除去するためのものである。平均化後の圧力値V
P_Monを設定圧力値V
P_setと比較し、第1比較部28においてその差分を計算する。圧力値V
P_monも設定圧力値V
P_setも圧力値に相当する電圧値である。設定圧力値V
P_setは基準電圧発生回路など、一定電圧を発生する回路により発生することができ、デジタル処理部20に外部から与えられる。設定圧力値V
P_setは第1比較部28においてその差分を計算する際に、その都度与えられるようにしてもよく、又は
図10のように設定値保持部26を設けて、そこに保持するようにしてもよい。
【0045】
差分を計算した結果、その差分値が大きく離れすぎている場合はこれまで溜めてきたI制御値V
Iを0にリセットする。この理由は、I制御は元来P制御の定常偏差をなくすためのものであり、P制御もできておらず圧力値が目標から大きく外れているときは積分しても意味がなく、またP制御範囲内に入った場合にI制御値V
Iの値が大きく溜まっていては適切なI制御値V
Iに収束するまでの不要な時間を要し不都合になるためである。差分値が適切な範囲内の値である場合には、積分部34において積分を実行する。ここで言う積分とは、現在保有しているV
I値に差分値を加算することである。
【0046】
加算後のI制御値V
Iが妥当な範囲の数値であればそのままDA変換部40によりアナログ値に変換して電気回路に出力するが、I制御値V
Iが妥当な範囲外であれば、その範囲内に制限し、出力する。この制限を行うために、上限値保持部36に上限値(V
I_MAX)を保持しておき、第2比較部38において加算後のI制御値V
Iと上限値保持部36に保持されている上限値(V
I_MAX)を比較する。
【0047】
この制限の理由は次の通りである。例えば、流路を切り替えた際等に、P
_monがP
_setよりわずかに低い値(見かけ上P制御による定常偏差と区別が付かない値)であるが、切り替えた流路を流体が満たすことに時間を要し、なかなか圧力が上昇しない場合がある。その間に偏差を溜め続ける(I制御値V
Iを上昇し続ける)と、流路が満たされて圧力が上昇する際に溜まっているI制御値V
I分だけ余計に圧力が上昇し、(3)式の計算によってI制御値V
Iを小さくすることに時間がかかり、なかなか圧力が安定しないため、制限のための上限値を設けることが望ましい。
【0048】
図12に、
図10、
図11の処理を手順としてフローチャートで示す。制御開始前、I制御値V
Iの初期値は0であり(ステップs1)、制御開始と共にI制御値V
Iを出力する(ステップs2)。次に圧力計8から得られた電圧値V
P_monを平均化する(ステップs3)。平均化後のV
P_monと目標となる設定圧力値V
P_setの差の絶対値がある閾値V
P_upperを越えていれば(ステップs4)、I制御値V
I=0とし、積分値をリセットする。平均化後のV
P_monと設定圧力値V
P_setの差の絶対値が±V
P_upper以内に収まっていれば、保持しているI制御値V
Iに、(V
P_set−V
P_mon)にゲインK
Iおよび処理時間dtを掛けたものを加算する(ステップs5)。最後に積分結果(加算後)のI制御値V
Iの絶対値がある一定の値V
I_MAXを超える場合にはI制御値V
Iが正の値の場合にはV
I=V
I_MAX、I制御値V
Iが負の値の場合にはV
I=−V
I_MAXとし、I制御値V
Iの絶対値がV
I_MAXを超えない場合にはそのままI制御値V
Iの値を保持し(ステップs6)、ステップs2に戻ってI制御値V
Iの出力値を変更する。
【0049】
図13Bに、
図8、
図10〜
図12の実施例で圧力制御を行った実験結果を示す。比較のため
図13AにP制御のみの場合を示す。P制御とPI制御のどちらの場合も10.00MPaを設定値とし、フィードバック制御を行った結果の圧力値(各図の上側のグラフ)とピエゾ電圧(各図の下側のグラフ)を示している。
ポンプによる送液開始の直後は状態が安定せず、P制御とPI制御のいずれの場合も圧力を一定に保つためにピエゾ電圧が変化し、結果的に定常偏差の値が変化するため圧力がわずかに変化している。
【0050】
6分程度後の状態は、圧力が平衡になっている。
図13AのP制御のみの場合はその平衡となった圧力は10.00MPaと一致せず、0.02MPa程度のオフセットが生じている。その後、流量を変化させると圧力がステップ状に変化している様子が確認できる。
【0051】
一方、本実施例によるアナログP、デジタルI混合のPI制御では、
図13Bに示すように、送液開始後すぐに圧力が安定し、流量を変化させても10.00MPaの値を保持している。