(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6241508
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】ゴーグル
(51)【国際特許分類】
A61F 9/02 20060101AFI20171127BHJP
【FI】
A61F9/02 320
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-125207(P2016-125207)
(22)【出願日】2016年6月24日
(62)【分割の表示】特願2014-188634(P2014-188634)の分割
【原出願日】2014年9月17日
(65)【公開番号】特開2016-187582(P2016-187582A)
(43)【公開日】2016年11月4日
【審査請求日】2016年6月24日
(31)【優先権主張番号】特願2014-16888(P2014-16888)
(32)【優先日】2014年1月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000179926
【氏名又は名称】山本光学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100072213
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 一義
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】乾 倫太郎
(72)【発明者】
【氏名】浅田 真孝
【審査官】
川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2002/0157175(US,A1)
【文献】
特表2013−516251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム(1)の両側端寄りの上下壁に、それぞれリンク部材(2)の上下端を軸支し、レンズ(3)の周囲を前記フレーム(1)の周囲に当接するようにしたゴーグルであって、前記フレーム(1)は、前面の周囲にレンズ(3)の当て溝(5)が設けられており、この当て溝(5)にレンズ(3)の周囲が当接するようにし、前記リンク部材(2)は、上部体(2a)と下部体(2b)と中間体(2c)とから略コ字状に形成したものとし、前記リンク部材(2)をそれぞれ操作部材(4)によって回動操作することにより、前記レンズ(3)をフレーム(1)から突き出せるようにしたことを特徴とするゴーグル。
【請求項2】
フレーム(1)の両側端寄りの上下壁に、それぞれリンク部材(2)の上下端を軸支し、前記リンク部材(2)にレンズ(3)の側端(3a)をそれぞれ取り付け、このレンズ(3)の周囲を前記フレーム(1)の周囲に当接するようにしたゴーグルであって、前記フレーム(1)は、前面の周囲にレンズ(3)の当て溝(5)が設けられており、この当て溝(5)にレンズ(3)の周囲が当接するようにし、前記リンク部材(2)は、上部体(2a)と下部体(2b)と中間体(2c)とから略コ字状に形成したものとし、前記リンク部材(2)をそれぞれ操作部材(4)によって回動操作することにより、前記レンズ(3)をフレーム(1)から突き出せるようにしたことを特徴とするゴーグル。
【請求項3】
前記フレーム(1)は、前フレーム(1a)と後フレーム(1b)からなり、前フレーム(1a)を後フレーム(1b)に嵌め込んだものとし、この前フレーム(1a)の前面の周囲に前記当て溝(5)が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のゴーグル。
【請求項4】
前記前フレーム(1a)には、両側端寄りの上下壁に軸孔(7)がそれぞれ設けられ、両側端の上下壁には装着ベルト(B)の支持棒(R)を軸支し、前記後フレーム(1b)には、両側端寄りの上下壁に前記軸孔(7)に一致する位置に軸孔(8)がそれぞれ設けられ、両側端の上下には前記支持棒(R)の軸孔(9)を設けた支持片(10)が設けられていることを特徴とする請求項3記載のゴーグル。
【請求項5】
前記レンズ(3)は、前記リンク部材(2)の中間体(2c)にレンズ(3)の両側端(3a)をそれぞれ着脱自在に取り付けていることを特徴とする請求項1又は2記載のゴーグル。
【請求項6】
前記操作部材(4)は、上部体(4a)と下部体(4b)と中間体(4c)とから略コ字状に形成したものとしていることを特徴とする請求項1又は2記載のゴーグル。
【請求項7】
前記操作部材(4)は、指掛け部(42)を設けていることを特徴とする請求項1又は2記載のゴーグル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スキー、その他のスポーツをしたり、オートバイの運転をしたり、または工場、建築、土木等の現場で各種の作業をするときなどに着用するゴーグルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴーグルを着用して、スキーをしているときやオートバイの運転をしているときに、レンズが曇る場合がある。このレンズが曇る原因は、着用者が汗をかくと、顔面に近いゴーグル内の空気の湿度が上昇するためである。また、極寒条件下では、低温のレンズの内表面に凝縮が生じて曇ることがある。
【0003】
従来のゴーグルには、このようなレンズの曇りを防止するために、レンズ自体に通気孔を設けたものや、レンズを保持するフレームに通気孔を設けたものがある。
【0004】
レンズ自体に通気孔を設けたものとして、例えば、フレームに嵌め込んだレンズに比較的大きな通気孔を設けると共に、この通気孔を覆うように被覆部材をそのレンズの表面に着脱自在に取り付けたものとし、被覆部材には、取り付け状態において通気孔と対応する位置に孔を形成し、この孔を薄板状のフィルタで覆っているものがある(特許文献1)。
【0005】
また、レンズを保持するフレームに通気孔を設けたものとして、例えば、フレームと、このフレームの内周部に設けられた溝に着脱自在に嵌め込まれるレンズとを備え、フレームの上下壁にベンチレーション用の複数の通孔を設けると共に、前記フレームの溝を構成する前後壁に、対向する通気用の開口を設けたものがある(特許文献2)。
【0006】
さらに、従来のゴーグルには、このようなレンズの曇りを防止するために、レンズに防曇コーティングを施したものがある。しかし、この防曇コーティングだけでは、充分とは言えず、また傷がつき易いため、レンズを通して見た視界が妨げられる場合がある。特に、使用者がゴーグル内面に生じた曇りを拭うときに、薄い防曇コーティングに掻き傷がついたり、剥離が生じたりする。
【0007】
そのため、二枚のレンズを使用して防曇性を確保すると共に、防曇コーティングに傷がついたり、防曇コーティングが剥離したりしないようにしたゴーグルが提案されている。例えば、外レンズと内レンズとを平行にしてフレームに嵌め込み、外レンズ、内レンズ相互の周縁またはその近傍を全周シールして、外レンズ、内レンズ相互間に空室を設け、この空室を構成する外レンズの後面側と内レンズの前面側のうち少なくとも一方に無機膜を設けたものとしている(特許文献3、4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001ー231905号公報
【特許文献2】特開2001ー231809号公報
【特許文献3】特開2006ー154571号公報
【特許文献4】特開2010ー49281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたゴーグルでは、レンズ自体に通気孔を設け
るため、レンズの強度が低下してしまい、耐久性に劣るという課題を有したり、また通気孔を被覆部材で覆うようにしているので、この被覆部材によって視界が妨げられたりするという課題を有する。
【0010】
さらに、上記特許文献2に記載されたゴーグルでは、フレームを大きくすることなく広い視界を確保できると共に、ベンチレーション部からの空気の流入量を容易に変えることができるとしているが、通気用の開口の面積が狭く、フレーム内の換気が未だ不充分であり、充分な防曇性を確保できないという課題を有していた。
【0011】
また、上記特許文献3、4に記載されたゴーグルでも、防曇コーティングによるレンズの曇り防止だけでは、充分な防曇性を確保できないという課題を有していた。
【0012】
さらに、上記特許文献1〜4に記載されたゴーグルでは、充分な防曇性を確保できないので、スキー場での使用や、工場、建築、土木等の現場での各種の作業中の使用において、ゴーグルを一旦、顔から外すことが必要な場合も度々あるという課題を有していた。
【0013】
そこで、この発明は、レンズの強度が低下することなく耐久性に優れたものとなり、さらに視界が妨げられることなく視認性に優れたものとなり、フレーム内の換気が不充分となることなく充分な防曇性を確保することができるゴ−グルを提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明のゴーグルは、フレーム1の両側端寄りの上下壁に、それぞれリンク部材2の上下端を軸支し、
レンズ3の周囲を前記フレーム1の周囲に当接するようにするか、前記リンク部材2にレンズ3の側端3aをそれぞれ取り付け、このレンズ3の周囲を前記フレーム1の周囲に当接するようにしている。そして、前記フレーム1は、前面の周囲にレンズ3の当て溝5が設けられており、この当て溝5にレンズ3の周囲が当接するようにし、前記リンク部材2は、上部体2aと下部体2bと中間体2cとから略コ字状に形成したものとし、前記リンク部材2をそれぞれ操作部材4によって回動操作することにより、前記レンズ3をフレーム1から突き出せるようにしている。
【0015】
この発明のゴーグルにおいて、前記フレーム1は、前フレーム1aと後フレーム1bからなり、前フレーム1aを後フレーム1bに嵌め込んだものとし、この前フレーム1aの前面の周囲に前記当て溝5が設けられている。
【0016】
この発明のゴーグルにおいて、前記前フレーム1aには、両側端寄りの上下壁に軸孔7がそれぞれ設けられ、両側端の上下壁には装着ベルトBの支持棒Rを軸支し、前記後フレーム1bには、両側端寄りの上下壁に前記軸孔7に一致する位置に軸孔8がそれぞれ設けられ、両側端の上下には前記支持棒Rの軸孔9を設けた支持片10が設けられている。
【0017】
この発明のゴーグルにおいて、前記レンズ3は、前記リンク部材2の中間体2cにレンズ3の両側端3aをそれぞれ着脱自在に取り付けている。
【0018】
この発明のゴーグルにおいて、前記操作部材4は、上部体4aと下部体4bと中間体4cとから略コ字状に形成したものとしている。
【0019】
この発明のゴーグルにおいて、前記操作部材4は、指掛け部42を設けている。
【発明の効果】
【0020】
この発明のゴーグルは、以上に述べたように構成されており、レンズの強度が低下することなく耐久性に優れたものとなり、さらに視界が妨げられることなく視認性に優れたものとなり、フレーム内の換気が不充分となることなく充分な防曇性を確保することができるものとなる。
【0021】
そして、この発明のゴーグルは、フレーム内を換気するのに簡単な操作で行えるものとなり、スキー、その他のスポーツをしている最中やオートバイの運転をしている最中、さらに工場、建築、土木等の現場での各種の作業中に、防寒用や安全用の手袋を着用したままでも、その換気の操作を行えるものとなる。
【0022】
さらに、この発明のゴーグルは、スキー場での使用において、従来のゴーグルでは防曇性が充分ではなく、ゴーグルを一旦、顔から外すことが必要な場合も度々あったが、その必要もなくなり、眩しさや紫外線からの眼の保護に役立つものとなる。また、この発明のゴーグルは、工場、建築、土木等の現場での各種の作業中においても、ゴーグルを外す必要がないので、持続的な視界の確保、眼の保護ができるものとなり、作業安全面でも有益なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】この発明の実施形態を示すゴーグルの斜視図である。
【
図2】この発明の実施形態を示すゴーグルの平面図である。
【
図3】この発明の実施形態を示すゴーグルのレンズを前方に突き出した状態の斜視図である。
【
図4】
図3に示す状態のこの発明のゴーグルの平面図である。
【
図5】
図3に示す状態のこの発明のゴーグルの側面図である。
【
図6】この発明の実施形態を示すゴーグルにおけるレンズ部とフレーム部の分解斜視図である。
【
図7】この発明の実施形態を示すゴーグルにおけるレンズ部およびフレーム部のそれぞれの分解斜視図である。
【
図8】この発明の実施形態のゴーグルにおけるリンク部材、操作レバー、およびレンズの係着部材それぞれの一例を示す斜視図である。
【
図9】この発明の実施形態のゴーグルにおけるリンク部材、操作レバー、およびレンズの係着部材それぞれの他の例を示す斜視図である。
【
図10】この発明の実施形態を示すゴーグルの一側端の概略断面図である。
【
図11】この発明の実施形態のゴーグルにおけるレンズ部の前方への突き出し操作を斜め方向から見た状態を示す説明図である。
【
図12】この発明の実施形態のゴーグルにおけるレンズ部の前方への突き出し操作を真上から見た状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明のゴーグルを実施するための形態について、図面に基づき詳細に説明する。
【0025】
この発明のゴーグルは、フレーム1の両側端寄りの上下壁に、それぞれリンク部材2の上下端を軸支し、前記リンク部材2にレンズ3の側端3aをそれぞれ取り付け、このレンズ3の周囲を前記フレーム1の周囲に当接するようにし、前記リンク部材2をそれぞれ操作部材4によって回動操作することにより、前記レンズ3をフレーム1から突き出せるようにしている。
【0026】
前記フレーム1は、前フレーム1aと後フレーム1bからなり、前フレーム1aを後フレーム1bに嵌め込んだものとしている。
【0027】
前フレーム1aには、
図6、7に示したように、前面の周囲にレンズ3の当て溝5が設けられており、この当て溝5にレンズ3の周囲が当接するようにしている。さらに、前フレーム1aには、両側端寄りの上下壁に軸孔7がそれぞれ設けられ、また両側端の上下壁には装着ベルトBの支持棒Rを軸支している。なお、前記軸孔7は、略半円形の小孔7aと略半円形の大孔7bを繋ぎ合わせたような形状に形成している。
【0028】
後フレーム1bには、
図6、7に示したように、両側端寄りの上下壁に前記軸孔7に一致する位置に軸孔8がそれぞれ設けられ、さらに両側端の上下には前記支持棒Rの軸孔9を設けた支持片10が設けられている。なお、後フレーム1bの上下壁には、
図2、4に示したような通気性のカバーCaで覆ったベンチレーション用の複数の通孔Hが設けられており、後フレーム1bの後壁には、
図2、4に示したような着用者の顔面との密接を良好なものとするためのスポンジ等からなるクッションCuが取り付けられている。
【0029】
リンク部材2は、それぞれ
図8〜10に示したように、上部体2aと下部体2bと中間体2cとから略コ字状に形成したものとしている。上部体2aおよび下部体2bには、それぞれ嵌合溝19を設けた支持突起20を設けており、これら支持突起20を前フレーム1aおよび後フレーム1bの軸孔7、8に貫通させて、後に述べる操作部材4の嵌合部43を前記嵌合溝19に嵌め込んで固着することにより、リンク部材2の上下部体2a、2bをフレーム1に軸支している。なお、前記嵌合溝19は、円形溝19aに小さな矩形溝19bを連ねたような形状に形成している。さらに、前記リンク部材2の中間体2cには、
図8に示したように、空洞21を設けており、この空洞21の上下壁間に係合軸22を設けている。また、前記リンク部材2は、
図9に示したように、中間体2cに設けた空洞21の上下壁にそれぞれ係合突起23を設けたものとしてもよい。
【0030】
レンズ3は、
図6、7に示したように、両側端3aに係着部材31を設けており、この係着部材31によって、前記リンク部材2の中間体2cにレンズ3の両側端3aをそれぞれ着脱自在に取り付けている。係着部材31は、
図7に示したように、上下端にレンズ3の両側端3aに設けた係合孔36との係合部34を設け、中間部にリンク部材2の係合軸22との係合部37を設けている。そして、この係着部材31の係合部34をレンズ3の係合孔36に係合すると共に、係着部材31の係合部37をレンズ3の両側端3aに設けた係合溝35から突出するようにして、この係合溝35に係合させている。一方、係着部材31の係合部37を、リンク部材2の係合軸22に着脱自在に係合して取り付けている。なお、前記係着部材31は、
図9に示したように、一側端にレンズ3の挟み溝38を設け、上下端に係合孔39を設けたものとしてもよい。
【0031】
操作部材4は、それぞれ
図8〜10に示したように、上部体4aと下部体4bと中間体4cとから略コ字状に形成したレバーとしており、上下部体4a、4bに前記嵌合部43を突設しており、中間体4cに指掛け部42を設けている。なお、前記嵌合部43は、断面を、前フレーム1aに設けた軸孔7の小孔7aと同一径にした円形軸43aに小さな矩形軸43bを繋ぎ合わせたような前記嵌合溝19と同様の形状に形成している。このようにした操作部材4の指掛け部42に指を掛けて前方に回動することにより、この回動に伴って前記リンク部材2が回動するようにしている。そして、このリンク部材2が回動することにより、
図3〜5に示したように、このリンク部材2に取り付けられたレンズ3が平行な状態で、フレーム1から突き出せるようにしている。
【0032】
以上のように構成したこの発明のゴ−グルを着用して、スキーをしたり、オートバイの運転をしたりしているとき、または工場、建築、土木等の現場での各種の作業をしたりしているときにレンズが曇った場合には、以下に示すように操作部材を回動操作すればよい。
【0033】
この発明のゴーグルでは、それぞれの操作部材4を、
図11(a)および
図12(a)に示した状態から
図11(b)および
図12(b)に示した状態になるまで回動操作すればよい。これらの操作部材4の回動操作によって、略コ字状に形成したそれぞれのリンク部材2も回動するので、これらのリンク部材2に係着部材31によって取り付けられたレンズ3が平行な状態でフレーム1から突き出される。
【0034】
すると、この発明のゴーグルでは、前記レンズ3とフレーム1との間に隙間があき、この隙間から外気が入り循環して、フレーム1内が換気されるので、レンズ3の曇りは防止されることになる。なお、前記操作部材4の回動角αは、これらの操作部材4の矩形軸43bが前フレーム1aに設けた軸孔7の大孔7b内で回動するようにすることにより、
図42(b)に示したように約50度に制限されており、これらの操作部材4が回動し過ぎてレンズ3の前方まで回動しないようにしており、着用者の視界を妨げないようにしている。
【0035】
また、この発明のゴーグルでは、リンク部材2の係合軸22をレンズ3の両側端3aに設けられた係着部材31の係合部37から外すか、リンク部材2の係合突起23をレンズ3の両側端3aに設けられた係着部材31の係合孔39から引き抜くと、
図6〜9に示したように、レンズ3をそれぞれのリンク部材2から外すことができる。そして、前記レンズ3をそれぞれのリンク部材2に取り付けるには、それぞれのリンク部材2の係合軸22に係着部材31の係合部38を係合させるか、それぞれのリンク部材2の係合突起23を係着部材31の係合孔39に差し込めばよい。
【0036】
このような操作によって、この発明のゴーグルでは、使用中にレンズ3が損傷した場合や、レンズ3の色彩を変更したい場合などにも、そのレンズ3を他のレンズに簡単に交換することができるものとなる。
【0037】
なお、この発明のゴーグルにおいては、前記したようにレンズ3の両側端3aをそれぞれのリンク部材2に差し込むだけで取り付けることができるので、レンズ交換をより簡単にすることができるものとなる。
【0038】
この発明のゴーグルは、以上に述べたように構成されており、先に述べた通り、レンズ3の強度が低下することなく耐久性に優れたものとなり、さらに着用者の視界が妨げられることなく視認性に優れたものとなり、フレーム1内の換気が不充分となることなく、充分な防曇性を確保することができるものとなる。
【0039】
そして、この発明のゴーグルは、先に述べた通り、フレーム1内を換気するのに簡単な操作で行えるものとなり、スキー、その他のスポーツをしている最中やオートバイの運転をしている最中、さらに工場、建築、土木等の現場での各種の作業中に、防寒用や安全用の手袋を着用したままでも、その換気の操作を行えるものとなる。
【0040】
さらに、この発明のゴーグルは、先に述べた通り、スキー場での使用において、従来のゴーグルでは防曇性が充分ではなく、ゴーグルを一旦、顔から外すことが必要な場合も度々あったが、その必要もなくなり、眩しさや紫外線からの眼の保護に役立つものとなる。
【0041】
また、この発明のゴーグルは、工場、建築、土木等の現場での各種の作業中においても、ゴーグルを外す必要がないので、持続的な視界の確保、眼の保護ができるものとなり、作業安全面でも有益なものとなる。
【符号の説明】
【0042】
1 フレーム
1a 前フレーム
1b 後フレーム
2 リンク部材
2a 上部体
2b 下部体
2c 中間体
3 レンズ
3a 側端
4 操作部材
4a 上部体
4b 下部体
4c 中間体
5 当て溝
7 軸孔
8 軸孔
9 軸孔
10 支持片
42 指掛け部
B 装着ベルト
R 支持棒