(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の対象機器と、前記複数の対象機器とデータ通信を行うための通信機器と、クライアント装置間のメッセージの送受信を行うためのメッセージサーバー装置と、前記クライアント装置としての機能を搭載する通信端末と、を備える通信システムが行う、前記メッセージの制御方法であって、
(a)前記複数の対象機器のうちの少なくとも1つが、前記通信機器で利用される情報であるトリガ情報を生成する工程と、
(b)前記通信機器が、前記情報が、所定の条件群のうちの少なくとも一つの条件を満たすかどうかを判定する工程と、
(c)前記通信機器が、前記トリガ情報が前記条件を満たした場合に、前記条件に対応して予め関連付けられた前記対象機器が生成する情報である関連情報を、前記関連情報を生成する前記対象機器から取得する工程と、
(d)前記通信機器が、前記トリガ情報が前記条件を満たした場合に、前記トリガ情報が満たす前記条件および前記関連情報に対応するメッセージを生成し、前記メッセージサーバー装置に前記メッセージを送信する工程と、
(e)前記メッセージサーバー装置が、工程(d)によって受信した前記メッセージを前記通信端末に送信する工程と、
(f)前記メッセージサーバー装置に登録されている通信端末から前記メッセージサーバー装置へ送信され、前記メッセージサーバー装置に記憶された端末メッセージであって、前記複数の対象機器の少なくとも一つの動作を制御するための端末メッセージを取得する工程と、
(g)前記端末メッセージに基づいて、前記複数の対象機器のうちから動作を制御すべき特定対象機器と、前記特定対象機器の動作を制御するための制御コマンドと、を特定し、前記通信部を介して前記特定対象機器に対して前記制御コマンドを送信させる工程と、を備え、
前記工程(d)は、前記制御コマンドの送信結果を表すメッセージである結果メッセージを生成し、前記通信部を介して前記メッセージサーバー装置に前記結果メッセージを送信させる工程を含み、
前記工程(g)は、前記端末メッセージに予め関連付けられた前記対象機器が生成する情報である他の情報を、前記他の情報を生成する前記対象機器から取得する工程を含み、
前記工程(d)は、前記制御コマンドの送信結果に加え、前記他の情報を表す前記メッセージを生成する工程を含む、制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の技術では個々の電気機器の状態を把握することはできるが、複数の関連する電気機器の状態をまとめて把握することは困難である。また、利用者が電気機器の状態を把握するための専用の表示端末を設置する必要や、情報センターサーバーが送信する情報を表示するための専用ソフトを用意する必要が生じる。このため、電気機器の状態を利用者が把握するための利便性が低下する問題が生じる。
【0006】
また、特許文献2の技術のように、家庭電化製品を遠隔制御する場合、家庭電化製品の状態によっては、家庭電化製品が制御内容を実行できない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[形態1]
通信システムであって、
複数の対象機器と、
前記複数の対象機器とデータ通信を行う通信機器と、
クライアント装置間のメッセージの送受信を行うメッセージサーバー装置と、
前記クライアント装置としての機能を搭載する通信端末と、
を備え、
前記通信機器は、
前記複数の対象機器の少なくとも1つによって生成され、前記通信機器が受信した情報であるトリガ情報が、所定の条件群のうちの少なくとも一つの条件を満たすかどうかを判定するイベント判定部と、
前記通信機器を前記メッセージサーバー装置の前記クライアント装置として機能させるクライアント機能部と、
前記トリガ情報が前記条件を満たした場合に、前記条件に対応して予め関連付けられた前記対象機器が生成する情報である関連情報を、前記関連情報を生成する前記対象機器から取得する関連情報取得部と、を備え、
前記クライアント機能部は、前記トリガ情報が前記条件を満たした場合に、前記トリガ情報が満たす前記条件および前記関連情報に対応するメッセージを生成するメッセージ生成部を有し、
前記メッセージサーバー装置は、
前記通信機器から送信された前記メッセージを記憶する記憶部と、
前記通信端末からの要求に応じて前記記憶部の前記メッセージを前記通信端末に送信する通信部と、を備え、
前記通信端末は、
前記メッセージサーバー装置から送信された前記メッセージを表示するための表示部を備え、
前記通信機器は、さらに、
前記メッセージサーバー装置に登録されている通信端末から前記メッセージサーバー装置へ送信され、前記メッセージサーバー装置に記憶された端末メッセージであって、前記複数の対象機器の少なくとも一つの動作を制御するための端末メッセージを取得する取得部と、
前記端末メッセージに基づいて、前記複数の対象機器のうちから動作を制御すべき特定対象機器と、前記特定対象機器の動作を制御するための制御コマンドと、を特定し、前記通信部を介して前記特定対象機器に対して前記制御コマンドを送信させる動作特定部と、を有し、
前記メッセージ生成部は、前記制御コマンドの送信結果を表すメッセージである結果メッセージを生成し、前記通信部を介して前記メッセージサーバー装置に前記結果メッセージを送信させ、
前記動作特定部は、
前記端末メッセージに予め関連付けられた前記対象機器が生成する情報である他の情報を、前記他の情報を生成する前記対象機器から取得し、
前記メッセージ生成部は、前記制御コマンドの送信結果に加え、前記他の情報を表す前記メッセージを生成する、通信システム。
この形態の通信システムによれば、広く一般に普及しているSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などのメッセージをやり取りする機能を利用して対象機器のトリガ情報および関連情報を利用者が容易に把握できる。また、対象機器のトリガ情報だけでなく、トリガ情報と関連情報の両方に対応したメッセージが生成されることから、トリガ情報に加え関連情報も利用者は把握できる。またこの形態の通信システムによれば、端末メッセージに基づいて特定対象機器の動作を制御できると共に、特定対象機器に対して制御コマンドを送信したことをメッセージによって利用者は容易に把握できる。またこの形態の通信システムによれば、端末メッセージに予め関連付けられた他の情報についてもメッセージによって利用者は把握できる。
【0008】
(1)本発明の一形態によれば、通信システムが提供される。この通信システムは、複数の対象機器と、前記複数の対象機器とデータ通信を行う通信機器と、クライアント装置間のメッセージの送受信を行うメッセージサーバー装置と、前記クライアント装置としての機能を搭載する通信端末と、を備え、前記通信機器は、前記複数の対象機器の少なくとも1つによって生成され、前記通信機器が受信した情報であるトリガ情報が、所定の条件群のうちの少なくとも一つの条件を満たすかどうかを判定するイベント判定部と、前記通信機器を前記メッセージサーバー装置の前記クライアント装置として機能させるクライアント機能部と、前記トリガ情報が前記条件を満たした場合に、前記条件に対応して予め関連付けられた前記対象機器が生成する情報である関連情報を、前記関連情報を生成する前記対象機器から取得する関連情報取得部と、を備え、前記クライアント機能部は、前記トリガ情報が前記条件を満たした場合に、前記トリガ情報
が満たす前記条件および前記関連情報に対応するメッセージを生成するメッセージ生成部を有し、前記メッセージサーバー装置は、前記通信機器から送信された前記メッセージを記憶する記憶部と、前記通信端末からの要求に応じて前記記憶部の前記メッセージを前記通信端末に送信する通信部と、を備え、前記通信端末は、前記メッセージサーバー装置から送信された前記メッセージを表示するための表示部を備えることを特徴とする。
この形態の通信システムによれば、広く一般に普及しているSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などのメッセージをやり取りする機能を利用して対象機器のトリガ情報および関連情報を利用者が容易に把握できる。また、対象機器のトリガ情報だけでなく、トリガ情報と関連情報の両方に対応したメッセージが生成されることから、トリガ情報に加え関連情報も利用者は把握できる。
【0009】
(2)本発明の他の一形態によれば、複数の対象機器及びメッセージサーバー装置とデータ通信を行うための通信機器が提供される。この通信機器は、データを送受信するための通信部と、前記複数の対象機器の少なくとも1つによって生成され受信した情報であるトリガ情報が、所定の条件群のうちの少なくとも一つの条件を満たすかどうかを判定するイベント判定部と、前記通信機器を前記メッセージサーバー装置のクライアント装置として機能させるクライアント機能部と、前記トリガ情報が前記条件を満たした場合に、前記条件に対応して予め関連付けられた前記対象機器が生成する情報である関連情報を、前記関連情報を生成する前記対象機器から取得する関連情報取得部と、を備え、前記クライアント機能部は、前記トリガ情報が前記条件を満たした場合に、前記トリガ情報
が満たす前記条件および前記関連情報に対応するメッセージを生成し、前記通信部を介して前記メッセージサーバー装置に前記メッセージを送信させるメッセージ生成部を有する、ことを特徴とする。
この形態の通信機器によれば、広く一般に普及しているSNSなどのメッセージをやり取りする機能を利用して対象機器のトリガ情報および関連情報を利用者に容易に報知させることができる。また、対象機器のトリガ情報だけでなく、トリガ情報と関連情報の両方に対応したメッセージを生成できることから、トリガ情報に加え関連情報も利用者に把握させることができる。
【0010】
(3)上記形態の通信機器において、前記所定の条件群の各条件
と前記メッセージのフォームとを一意的に定めたテーブル
を記憶する記憶部を有しても良い。
この形態の通信機器によれば、通信機器がテーブルを参照することで、メッセージを容易に生成できる。
【0011】
(4)上記形態の通信機器において、前記複数の対象機器のうちの一つは、消耗品を備え、前記所定の条件群のうちの一つの条件は、前記消耗品が交換時期であることを表す情報を取得したことであっても良い。
この形態の通信機器によれば、対象機器の消耗品の交換時期になったことをトリガとしてメッセージを生成できる。
【0012】
(5)上記形態の通信機器において、前記複数の対象機器は、複数の前記消耗品を備える
、部品保有対象機器を含み、前記交換時期であることを表す情報は、前記複数の消耗品の一つが交換時期であることを表す情報であり、前記関連情報は、前記部品保有対象機器が生成する前記複数の消耗品のうちの他の前記消耗品の消耗の程度を表す情報であっても良い。
この形態の通信機器によれば、部品保有対象機器における複数の消耗品の一つが交換時期であることに加え、他の消耗品の消耗の程度もメッセージによって利用者に報知できる。これにより、利用者は、複数の消耗品の消耗の程度を一度に把握できる。
【0013】
(6)上記形態の通信機器において、前記複数の対象機器は、前記消耗品を備える第1の対象機器と、他の前記消耗品を備える第2の対象機器と、を含み、前記交換時期であることを表す情報は、前記第1の対象機器の前記消耗品の交換時期を表す情報であり、前記関連情報は、前記第2の対象機器の前記他の消耗品の消耗の程度を表す情報であっても良い。
この形態の通信機器によれば、第1の対象機器の消耗品の交換時期に加え、第2の対象機器の消耗品の消耗の程度もメッセージによって利用者に報知できる。これにより、利用者は、第1と第2の対象機器の消耗品の消耗の程度を一度に把握できる。
【0014】
(7)上記形態の通信機器において、前記所定の条件群のうちの一つの条件は、前記対象機器の動作状態の変化に関しても良い。
この形態の通信機器によれば、対象機器の動作状態の変化をトリガとしてメッセージを生成できる。
【0015】
(8)上記形態の通信機器において、前記関連情報は、前記動作状態が変化した前記対象機器が配置された施設内部または前記施設周辺の画像情報であっても良い。
この形態の通信機器によれば、対象機器の動作状態が変化したことを表す情報に加え、画像情報もメッセージによって利用者に報知できる。これにより、利用者は、対象機器の動作状態が変化したことをトリガとして施設内部または施設周辺の状況をメッセージによって把握できる。
【0016】
(9)上記形態の通信機器において、前記複数の対象機器のうちの一つは、防犯センサであり、前記動作状態の変化に関する条件は、前記防犯センサが反応したことであっても良い。
この形態の通信機器によれば、防犯センサが反応したことをトリガとして、画像情報もメッセージとして生成できる。利用者は、防犯センサが反応した原因を画像情報によって探ることができる。
【0017】
(10)上記形態の通信機器において、前記所定の条件群のうちの一つの条件は、前記メッセージサーバー装置に登録されている携帯通信端末の位置情報に関する位置条件と、前記対象機器に関する機器側条件と、を含んでも良い。
この形態の通信機器によれば、一つの条件が位置条件と機器側条件とを含むことで、携帯通信端末を保有する利用者の位置に応じて、適切なメッセージを生成できる。
【0018】
(11)上記形態の通信機器において、前記機器側条件は、前記対象機器の消耗品が交換時期であることを表す情報を前記対象機器から受信したことであり、前記位置条件は、前記位置情報によって表される位置が、前記消耗品を販売する販売店から所定の範囲内にあることであっても良い。
この形態の通信機器によれば、消耗品が交換時期である旨のメッセージを利用者が携帯通信端末によって閲覧した場合に、販売店で直ぐに消耗品を購入できる。
【0019】
(12)上記形態の通信機器において、さらに、前記メッセージサーバー装置に登録されている通信端末から前記メッセージサーバー装置へ送信され、前記メッセージサーバー装置に記憶された端末メッセージであって、前記複数の対象機器の少なくとも一つの動作を制御するための端末メッセージを取得する取得部と、前記端末メッセージに基づいて、前記複数の対象機器のうちから動作を制御すべき特定対象機器と、前記特定対象機器の動作を制御するための制御コマンドと、を特定し、前記通信部を介して前記特定対象機器に対して前記制御コマンドを送信させる動作特定部と、を有し、前記メッセージ生成部は、前記制御コマンドの送信結果を表すメッセージである結果メッセージを生成し、前記通信部を介して前記メッセージサーバー装置に前記結果メッセージを送信させても良い。
この形態の通信機器によれば、端末メッセージに基づいて特定対象機器の動作を制御できると共に、特定対象機器に対して制御コマンドを送信したことをメッセージによって利用者は容易に把握できる。
【0020】
(13)上記形態の通信機器において、前記動作特定部は、前記特定対象機器の動作を制御するための前記制御コマンドが2以上ある場合において、前記2以上の制御コマンドを前記特定対象機器が同時に実行できないと判定した場合は、前記2以上の制御コマンドのうちで前記特定対象機器に実行させる前記制御コマンドを選択すると共に、前記複数の対象機器のうちから前記2以上の制御コマンドのうちの残りの制御コマンドを実行できる他の前記対象機器を代替対象機器として特定し、前記通信部を介して前記選択した制御コマンドを前記特定対象機器に対して送信させると共に、前記残りの制御コマンドを前記代替対象機器に対して送信させても良い。
この形態の通信機器によれば、残りの制御コマンドを代替対象機器に対して送信することから、制御コマンドをより確実に実行できる。
【0021】
(14)上記形態の通信機器において、前記動作特定部は、前記制御コマンドを前記特定対象機器が実行できないと判定した場合は、前記複数の対象機器のうちから前記制御コマンドを実行できる他の対象機器を前記特定対象機器の代替となる代替機器として特定し、前記通信部を介して前記代替機器に対して前記制御コマンドを送信させても良い。
この形態の通信機器によれば、制御コマンドを特定対象機器が実行できない場合は、代替機器に対して制御コマンドを送信することから、制御コマンドをより確実に実行できる。
【0022】
(15)上記形態の通信機器において、前記動作特定部は、前記端末メッセージに予め関連付けられた前記対象機器が生成する情報である他の情報を、前記他の情報を生成する前記対象機器から取得し、前記メッセージ生成部は、前記制御コマンドの送信結果に加え、他の情報を表す前記メッセージを生成しても良い。
この形態の通信機器によれば、端末メッセージに予め関連付けられた他の情報についてもメッセージによって利用者は把握できる。
【0023】
(16)本発明の他の一形態によれば、複数の対象機器と、前記複数の対象機器とデータ通信を行うための通信機器と、クライアント装置間のメッセージの送受信を行うためのメッセージサーバー装置と、前記クライアント装置としての機能を搭載する通信端末と、を備える通信システムが行う、前記メッセージの制御方法が提供される。この制御方法は、(a)前記複数の対象機器のうちの少なくとも1つが、前記通信機器で利用される情報であるトリガ情報を生成する工程と、(b)前記通信機器が、前記情報が、所定の条件群のうちの少なくとも一つの条件を満たすかどうかを判定する工程と、(c)前記通信機器が、前記トリガ情報が前記条件を満たした場合に、前記条件に対応して予め関連付けられた前記対象機器が生成する情報である関連情報を、前記関連情報を生成する前記対象機器から取得する工程と、(d)前記通信機器が、前記トリガ情報が前記条件を満たした場合に、前記トリガ情報
が満たす前記条件および前記関連情報に対応するメッセージを生成し、前記メッセージサーバー装置に前記メッセージを送信する工程と、(e)前記メッセージサーバー装置が、工程(d)によって受信した前記メッセージを前記通信端末に送信する工程と、を備えることを特徴とする。
この形態の制御方法によれば、広く一般に普及しているSNSなどのメッセージをやり取りする機能を利用して対象機器のトリガ情報および関連情報を利用者が容易に把握できる。また、対象機器のトリガ情報だけでなく、トリガ情報と関連情報の両方に対応したメッセージが生成されることから、トリガ情報に加え関連情報も利用者は把握できる。
【0024】
(17)本発明の他の一形態によれば、複数の対象機器及びメッセージサーバー装置とデータ通信を行う通信機器が行う通信方法が提供される。この通信方法は、(a)前記複数の対象機器の少なくとも1つによって生成され受信した情報であるトリガ情報が、所定の条件群のうちの少なくとも一つの条件を満たすかどうかを判定する工程と、(b)前記トリガ情報が前記条件を満たすと判定した場合に、前記条件に対応して予め関連付けられた前記対象機器が生成する情報である関連情報を、前記関連情報を生成する前記対象機器から取得する工程と、(c)前記関連情報を取得した後に、前記トリガ情報
が満たす前記条件および前記関連情報に対応するメッセージを生成し、前記メッセージサーバー装置に前記メッセージを送信する工程と、を備えることを特徴とする。
この形態の通信方法によれば、広く一般に普及しているSNSなどのメッセージをやり取りする機能を利用して対象機器のトリガ情報および関連情報を利用者に容易に報知させることができる。また、対象機器のトリガ情報だけでなく、トリガ情報と関連情報の両方に対応したメッセージを生成できることから、トリガ情報に加え関連情報も利用者に把握させることができる。
【0025】
(18)本発明の他の一形態によれば、複数の対象機器及びメッセージサーバー装置とデータ通信を行う通信機器によって実現させるためのコンピュータプログラムが提供される。このコンピュータプログラムは、(a)前記複数の対象機器の少なくとも1つによって生成され受信した情報であるトリガ情報が、所定の条件群のうちの少なくとも一つの条件を満たすかどうかを判定する機能と、(b)前記トリガ情報が前記条件を満たすと判定した場合に、前記条件に対応して予め関連付けられた前記対象機器が生成する情報である関連情報を、前記関連情報を生成する前記対象機器から取得する機能と、(c)前記関連情報を取得した後に、前記トリガ情報
が満たす前記条件および前記関連情報に対応するメッセージを生成し、前記メッセージサーバー装置に前記メッセージを送信する機能と、を備えることを特徴とする。
この形態のコンピュータプログラムによれば、広く一般に普及しているSNSなどのメッセージをやり取りする機能を利用して対象機器のトリガ情報および関連情報を利用者に容易に報知させることができる。また、対象機器のトリガ情報だけでなく、トリガ情報と関連情報の両方に対応したメッセージを生成できることから、トリガ情報に加え関連情報も利用者に把握させることができる。
【0026】
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素は全てが必須のものではなく、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部または全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部または全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部または全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部または全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
【0027】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、本発明は、通信システム、通信機器、通信機器と外部記憶装置とを備えたシステム、それらの方法、それらの装置やシステムの機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0030】
A.第1実施形態:
A−1.通信システム500の概略構成:
図1は、本発明の第1実施形態としての通信システム500を説明するための図である。通信システム500は、メッセージサーバー装置としてのSNSサーバー装置30と、ゲートウェイ機能を持つ通信機器としてのルータ20と、防犯センサ42と、第1の照明器具43と、第2の照明器具44と、プリンター45と、WEBカメラ47と、通信端末70とを備える。ルータ20は、インターネットINTに接続されている。通信端末70としては、スマートフォン、ノート型パーソナルコンピュータ、又は、タブレット型端末を用いることができる。通信端末70は、利用者が携帯可能な端末であり、移動体通信基地局60を介して無線通信を行うことができる。また、通信端末70は、ルータ20との間で互いに電波を送受信できる範囲内に存在する場合、直接にルータ20と無線通信を行うことができる。
【0031】
各種対象機器42,43,44,45,47は、ルータ20と同一LAN内に配置されている。各種対象機器42,43,44,45,47は、ルータ20との間で無線通信によってデータを通信する。なお、各種対象機器42,43,44,45,47は、ルータ20との間で有線通信によってデータを通信する構成であっても良い。SNSサーバー装置30は、インターネットINTを介して通信端末70及びルータ20とデータ通信を行うことができる。本実施形態において、各種対象機器42,43,44,45,47は、例えばIEEE802.3、IEEE802.11、ECHONET Lite、ZigBee、Z−Wave等のそれぞれに適用される規格に準拠したデータ通信を行う。なお、上記データ通信は、LAN(Local Area Network)やPAN(Personal Area Network)を構成可能なデータ通信方式であればどのような方式が採用されても良い。例えば、PLC(Power Line Communication)、Bluetooth(登録商標)やNFC(Near Field Communication)のような近距離無線通信や、60GHz帯無線による通信であっても良い。なお、複数の対象機器42,43,44,45,47を区別することなく用いる場合は、符号「40」を用いる。
【0032】
図2は、ルータ20の内部ブロック図である。ルータ20は、CPU22と、通信部26と、記憶部24と、RAM28とを備える。ルータ20の各部22,24,26,28は、バスにより相互に接続されている。CPU22は、記憶部24に格納されているコンピュータプログラムをRAM28に展開することにより、ルータ20の動作全般を制御する。
【0033】
記憶部24は、フラッシュROMである。記憶部24は、CPU22が参照するデータを記憶するためにも用いられる。記憶部24は、メッセージテーブル241と、条件テーブル243と、関連コマンドテーブル245とを備える。後述するメッセージ生成部227が、メッセージテーブル241を参照することでSNSメッセージが生成される。なお、各テーブル241,243,245の詳細については後述する。
【0034】
CPU22は、記憶部24に格納されているコンピュータプログラムを実行することによって、イベント判定部221、クライアント機能部223、関連情報取得部225、および、通信制御部229として機能する。
【0035】
イベント判定部221は、複数の対象機器40から受信した情報であるトリガ情報が、所定の条件群のうちの少なくとも一つの条件を満たすかどうか判定する。所定の条件群は、記憶部24の条件テーブル243に記憶されている。イベント判定部221は、条件テーブル243を参照し、受信したトリガ情報が所定の条件群の一つであるか否かを判定する。
【0036】
クライアント機能部223は、ルータ20をSNSサーバー装置30のクライアント装置として機能させる。クライアント機能部223は、その機能の一つとしてメッセージ生成部227を有する。
【0037】
関連情報取得部225は、トリガ情報が所定の条件群の一つを満たした場合に、満たした条件に対応して予め関連付けられた対象機器40が生成する情報である関連情報を、関連情報を生成する対象機器40から取得する。関連情報は、対象機器40の動作状態に関する情報や、消耗品を備える場合は消耗品の消耗の程度を表す情報などである。
【0038】
メッセージ生成部227は、通信端末70を宛先に指定してSNSメッセージを生成し、通信部26を介してSNSサーバー装置30に生成したSNSメッセージを送信する。メッセージ生成部227は、記憶部24のメッセージテーブル241を参照して、取得したトリガ情報及び関連情報に対応したSNSメッセージを生成する。
【0039】
通信制御部229は、通信部26が行うデータの送受信を制御する。例えば、通信制御部229は、通信部26を介して、メッセージ生成部227が生成したSNSメッセージをSNSサーバー装置30に送信する。
通信部26は、有線通信インターフェース261と、無線通信インターフェース263とを備える。
【0040】
第1の照明器具43と、第2の照明器具44と、プリンター45と、WEBカメラ47とは同一家屋内に配置されている。また、防犯センサ42は、WEBカメラ47が配置された室内(例えば、窓)に配置されている。また、第1の照明器具43とWEBカメラ47とは同じ室内に配置されている。第1と第2の照明器具43,44は消耗品として蛍光灯をそれぞれ備える。また、第1と第2の照明器具43,44は、蛍光灯のON状態のトータル時間(トータルON時間)を記憶する機能部を有する。また、第1と第2の照明器具43,44はトータルON時間に基づいて、蛍光灯の寿命が到達したことを検出した場合に、蛍光灯が寿命であることを表す情報(蛍光灯切れ情報)をルータ20に送信する機能を有する。
【0041】
プリンター45は、消耗品として、インクカートリッジおよびプリンター用紙を備える。プリンター45は、インクカートリッジに収容されているインクの消耗の程度と、プリンター45に収容されているプリンター用紙の量の程度を記憶する。インクの消耗の程度は、例えば、「インク切れ」、「インク少」、「インク中」、「インク多」の4段階で記憶される。プリンター用紙の量は、例えば、「用紙残量○○%」というように、収容できるプリンター用紙枚数に対する残存する用紙枚数の割合によって記憶される。プリンター45は、インク切れを検出した場合や、用紙残量が0%になった場合には、その旨を表す情報をルータ20に送信する機能を有する。
【0042】
防犯センサ42は、防犯機能が有効な場合に、人や振動を検出したときにアラーム情報をルータ20に送信する機能を有する。WEBカメラ47は、撮像した画像を、インターネットINTを介して外部から閲覧させることができる機能を有する。
【0043】
図3は、条件テーブル243を説明するための図である。条件テーブル243は、所定の条件群を定めたテーブルであり、SNSメッセージを生成するためのトリガとなる情報を規定する。すなわち、イベント判定部221(
図2)は、対象機器40から取得した情報が、条件テーブル243の条件群の一つに該当するか否かを判定し、条件テーブル243の一つの条件に該当する場合は、
メッセージ生成部227にSNSメッセージを生成
させるための処理を実行する。条件No.1は、
トリガ情報が、防犯センサが反応したことを表す情報(
アラーム情報)
であることを条件として規定する。
【0044】
条件No.2〜No.4は、
トリガ情報が、消耗品が交換時期であることを表す情報
であることを条件として規定する。条件No.2は、
トリガ情報が、プリンター45
のインク切れを表す情報(インク切れ情報)
であることを条件として規定する。条件No.3は、
トリガ情報が、第1の照明器具43
の蛍光灯の寿命が到達したことを表す情報(蛍光灯切れ情報)
であることを条件として規定する。条件No.4は、トリガ情報が、第2の照明器具44
の蛍光灯の寿命が到達したことを表す情報(蛍光灯切れ情報)
であることを条件として規定する。
【0045】
図4は、関連コマンドテーブル245を説明するための図である。関連コマンドテーブル245は、関連情報取得部225(
図2)が対象機器40から関連情報を取得するためのコマンドを生成するために参照するテーブルである。関連コマンドテーブル245は、条件テーブル243の各条件に対応して定められている。すなわち、関連コマンドテーブル245の「条件」の欄は、条件テーブル243の「条件」の欄と一致している。関連コマンドテーブル245の「関連コマンド」は、「対象機器」の欄に規定する対象機器40に対して送信するコマンドを規定している。
【0046】
トリガ情報が条件No.1を満たした場合、関連情報取得部225が対象機器40に対して送信するコマンドは、第1の照明器具43の蛍光灯をON状態にするコマンドと、WEBカメラ47に対して画像を撮影させ、撮影した画像を
表す情報を、関連情報としてインターネットINT上のサーバー装置(図示せず)に送信させるためのコマンドである。詳細には、関連コマンドは、第1の照明器具43がON状態になった後に、WEBカメラの撮影が開始されるように構成される。トリガ情報が条件No.2を満たした場合、関連情報取得部225が対象機器に40に対して送信するコマンドは、プリンター45に対してプリンター45に装備されている用紙の量を表す情報(用紙情報)を
関連情報としてルータ20に送信させるためのコマンドである。トリガ情報が条件No.3を満たした場合、関連情報取得部225が対象機器40に対して送信するコマンドは、第2の照明器具44に対して蛍光灯のON状態の時間を表す情報(蛍光灯情報)を
関連情報としてルータ20に送信させるためのコマンドである。トリガ情報が条件No.4を満たした場合、関連情報取得部225が対象機器40に対して送信するコマンドは、第1の照明器具43に対して蛍光灯のON状態の時間を表す情報(蛍光灯情報)を
関連情報としてルータ20に送信させるためのコマンドである。
【0047】
図5は、メッセージテーブル241を説明するための図である。メッセージテーブル241は、条件テーブル243の各条件と、SNSメッセージのフォームとを一意的に定めたテーブルである。また、メッセージテーブル241には、SNSメッセージフォームを送信する宛先が規定されている。
図5の「条件」の欄は、条件テーブル243の「条件」の欄に対応している。
図5の「SNSメッセージの内容」の欄は、SNSメッセージのフォームを規定する。SNSメッセージフォームは、トリガ情報および関連情報に対応した内容を含む。メッセージ生成部227は、トリガ情報が満たした条件に対応したSNSメッセージフォームをメッセージテーブル241から選択し、選択したSNSメッセージに必要な情報を入力して通信端末70宛てのSNSメッセージを生成する。
【0048】
トリガ情報が条件No.1を満たした場合に、メッセージ生成部227によって選択されるSNSメッセージフォームは、
図5に示す通り以下である。
「防犯センサが反応しました。第1の照明器具をONにしました。室内画像はこちらです。URL:XXX.△△△/XXX」
このURLの欄には、防犯センサ42から取得した
関連情報である、撮影した画像を保存した場所(アドレス)がメッセージ生成部227によって入力される。
【0049】
トリガ情報が条件No.2〜No.4のそれぞれを満たした場合についても、上記条件No.1と同様の手順でSNSメッセージが生成される。すなわち、メッセージ生成部227によって選択されるSNSメッセージフォームは、
図5の「SNSメッセージフォーム」に記載の内容であり、「用紙残量」や「使用時間」についてはプリンター45や第1と第2の照明器具43,44から取得した
関連情報としての「用紙残量」や「使用時間」がSNSメッセージフォームに入力されることでSNSメッセージが生成される。
【0050】
図6は、通信端末70の内部ブロック図である。通信端末70は、CPU72と、通信部76と、タッチパネル73と、フラッシュROMである記憶部74と、RAM78とを備える。通信端末70の各部72,73,74,76,78は、バスにより相互に接続されている。CPU72は、記憶部74に格納されているコンピュータプログラムをRAM78に展開することにより、通信端末70の動作全般を制御する。
【0051】
通信部76は、移動体通信インターフェース761と、無線通信インターフェース763とを備える。移動体通信インターフェース761は、移動体通信網等の専用回線の通信規格に準拠しており、インターネットINTに接続された移動体通信基地局60と無線によって通信可能に構成されている。無線通信インターフェース763は、IEEE802.11に準拠しており、ルータ20までの距離が所定以内であれば、通信装置20と無線通信可能に構成されている。
【0052】
CPU72は、記憶部74に格納されているコンピュータプログラムを実行することによって、表示制御部721、クライアント機能部723、および、通信制御部729として機能する。
【0053】
表示制御部721は、タッチパネル73の制御を行う。SNSサーバー装置に保存されたSNSメッセージを取得した後に、表示制御部721によってSNSメッセージはタッチパネル73に表示される。また、表示制御部721は、SNSメッセージの入力等の利用者からの各種入力を受け付ける画面をタッチパネル
73に表示させる。
【0054】
クライアント機能部723は、通信端末70をSNSサーバー装置30のクライアント装置として機能させる。クライアント機能部723は、その機能の一つとしてメッセージ閲覧部728を有する。メッセージ閲覧部728は、SNSサーバー装置30に保存されている通信端末70宛てのSNSメッセージをSNSサーバー装置30から取得する。
【0055】
通信制御部729は、通信部76が行うデータの送受信を制御する。例えば、通信制御部729は、通信部
76を介して別の通信端末などにデータを送信する。
【0056】
図7は、SNSサーバー装置30の内部ブロック図である。SNSサーバー装置30は、CPU32と、通信部36と、記憶部34と、RAM38とを備える。SNSサーバー装置30の各部32,34,36,38は、バスにより相互に接続されている。CPU32は、記憶部38に格納されているコンピュータプログラムをRAM38に展開することにより、SNSサーバー装置30の動作全般を制御する。
【0057】
通信部36は、有線通信インターフェース361を備える。有線通信インターフェース361は、本実施例においてはIEEE802.3に準拠している。有線通信インターフェース361は、複数の接続ポートを備えている。SNSサーバー装置30のWANポートにはインターネットINTに接続するための回線が接続される。有線通信インターフェース
361は、PHYチップを備え、PHYチップにより論理信号と実際の電気的な信号との変換を行う。
【0058】
CPU32は、記憶部34に格納されているコンピュータプログラムを実行することによって、メッセージ管理部321および通信制御部329として機能する。メッセージ管理部321は、メッセージ記憶部341に記憶されるSNSメッセージを管理する。具体的には、ルータ20などのSNSクライアント装置から送信されたSNSメッセージをメッセージ記憶部341に保存したり、SNSクライアント装置からの要求に応じてメッセージ記憶部341に保存されたSNSメッセージをSNSクライアント装置に送信したりする。
【0059】
通信制御部329は、通信部36が行うデータの送受信を制御する。例えば、通信制御部329は、通信部36を介してSNSクライアント装置などにデータを送信する。
【0060】
記憶部34は、フラッシュROMである。記憶部34は、CPU32が参照するデータを記憶するためにも用いられる。記憶部34は、メッセージ記憶部341と、管理テーブル343とを備える。メッセージ記憶部341は、SNSクライアント装置から送信されたSNSメッセージを保存する。管理テーブル343は、SNSクライアント装置毎に割り当てられた識別子などの固有情報を格納する。固有情報には、識別子のほかにSNSクライアント装置のメールアドレスや、SNSを利用するためのパスワード情報、SNSクライアント装置を利用する利用者情報(氏名など)が含まれる。
【0061】
A−2.通信システム500の処理フロー:
図8は、トリガ情報が条件No.1を満たす場合の通信システム500が実行する処理手順である。まず、防犯センサ42が反応した場合に、防犯センサ42はトリガ情報であるアラーム情報をルータ20に送信する(ステップS102)。
トリガ情報をルータ20が取得した後に、イベント判定部221(
図2)は、
トリガ情報が所定の条件群の一つを満たすかどうかを判定する(ステップS104)。
図8の場合は、
トリガ情報はアラーム情報であるため、イベント判定部221は、
トリガ情報は条件No.1を満たしたと判定する。なお、ルータ20が受信した情報が条件テーブル243に規定する条件に該当しない場合は、通信システム500は以降の処理を行うことなく処理を中止する。
【0062】
次に、関連情報取得部225は、条件No.1に対応する関連コマンドを、関連コマンドテーブル245を参照することで特定する(ステップS106)。次に、関連情報取得部225は、通信部26を介して特定した関連コマンドを対象となる対象機器40に対して送信する(ステップS108,S110)。まず、関連情報取得部225は、第1の照明器具43に対して蛍光灯をON状態にするコマンド(照明ONコマンド)を送信する(ステップS108)。次に、照明ONコマンドを受信し実行した第1の照明器具43は、ルータ20に対してACKを返信する(ステップS109)。次に、関連情報取得部225は、WEBカメラ47に対して、画像を撮影するためのコマンド(撮影コマンド)を送信する(ステップS110)。撮影コマンドを実行したWEBカメラ47は、ルータ20に対してACKを返信する(ステップS112)。このACKには、WEBカメラ47で撮影した画像の閲覧先情報(例えばURL情報)が
関連情報として付加されている。
【0063】
ルータ20がトリガ情報および関連情報を取得した後に、メッセージ生成部227はメッセージテーブル241を参照してSNSメッセージを生成する(ステップS114)。
図8の場合、メッセージ生成部227は、トリガ情報である条件No.1に対応するSNSメッセージフォームを、メッセージテーブル241(
図5)から選択する。そしてメッセージ生成部227は、選択したSNSメッセージフォームに対し、WEBカメラ47が撮影した画像の閲覧先URL情報
(関連情報)を入力することでSNSメッセージを生成する。
【0064】
次に、SNSメッセージ生成部227は、生成したSNSメッセージを、通信部26を介してSNSサーバー装置30に送信する(ステップS116)。SNSサーバー装置30は、受信したSNSメッセージをメッセージ記憶部341(
図7)に保存する(ステップS118)。通信端末70からSNSサーバー装置30に対してSNSメッセージ取得要求があった場合(ステップS120)、SNSサーバー装置30は、保存された通信端末70宛てのSNSメッセージを通信端末70に送信する(ステップS122)。通信端末70の利用者は、タッチパネル73によって条件No.1に対応するSNSメッセージ(
図5)を閲覧することで、防犯センサ42が反応したことを知ることができると共に室内画像を見ることができる。すなわち、利用者は、防犯センサ42が反応した原因を判断するための判断材料を画像情報によって得ることができる。なお、SNSメッセージ取得要求(ステップS120)は、所定間隔毎に通信端末70からルータ20に対して繰返し送信される。以降に説明する他の処理手順におけるSNSメッセージ取得要求も同様である。
【0065】
図9は、トリガ情報が条件No.2を満たす場合の通信システム500が実行する処理手順である。プリンター45がインク切れを検出すると、トリガ情報であるインク切れ情報をルータ20に送信する(ステップS142)。
トリガ情報をルータ20が取得した後に、イベント判定部221(
図2)は、
トリガ情報が所定の条件群の一つを満たすかどうかを判定する(ステップS144)。
図9の場合は、
トリガ情報はインク切れ情報であるため、イベント判定部221は、
トリガ情報は条件No.2を満たしたと判定する。
【0066】
次に、関連情報取得部225は、条件No.2に対応する関連コマンドとして用紙情報取得コマンドを、関連コマンドテーブル245を参照することで特定する(ステップS146)。次に、関連情報取得部225は、用紙情報取得コマンドを対象となるプリンター45に対して送信する(ステップS148)。用紙情報取得コマンドを受信したプリンター45は、用紙の消耗
量の程度を表す情報
(関連情報)として用紙残量を表す情報(用紙残量情報)をルータ20に送信する(ステップS150)。
【0067】
ルータ20がトリガ情報(インク切れ情報)および関連情報(用紙残量情報)を取得した後に、メッセージ生成部227はメッセージテーブル241を参照してSNSメッセージを生成する(ステップS154)。
図9の場合、メッセージ生成部227は、トリガ情報
が満たす条件である条件No.
2に対応するSNSメッセージフォームを、メッセージテーブル241(
図5)から選択する。そしてメッセージ生成部227は、選択したSNSメッセージフォームに対し、
関連情報としての用紙残量情報によって得られた用紙残量の数値を入力することでSNSメッセージを生成する。ステップS156〜S162は、
図8のステップS116〜S122と同様のステップであるため説明を省略する。このように、対象機器40の一つが複数の消耗品を備える場合に、一つの消耗品の交換時期を表す情報をトリガとして、一つの消耗品の交換時期に加え、他の消耗品の消耗の程度を表すSNSメッセージがルータ20によって生成される。これにより、利用者は、SNSメッセージを閲覧することで、複数の消耗品の消耗の程度を一度に把握できる。
【0068】
図10は、トリガ情報が条件No.3を満たす場合の通信システム500が実行する処理手順である。第1の照明器具43は、蛍光灯の寿命到達を検出すると、トリガ情報である蛍光灯切れ情報をルータ20に送信する(ステップS172)。
トリガ情報をルータ20が取得した後に、イベント判定部221(
図2)は、
トリガ情報が所定の条件群の一つを満たすかどうかを判定する(ステップS174)。
図10の場合は、
トリガ情報は蛍光灯切れ情報であるため、イベント判定部221は、
トリガ情報は条件No.3を満たしたと判定する。
【0069】
次に、関連情報取得部225は、条件No.3に対応する関連コマンドとして、第2の照明器具44が備える蛍光灯の消耗の程度を表す情報
(関連情報)を取得するためのコマンド(蛍光灯情報取得コマンド)を、関連コマンドテーブル245を参照することで特定する(ステップS176)。次に、関連情報取得部225は、蛍光灯情報取得コマンドを第2の照明器具44に対して送信する(ステップS178)。蛍光灯情報取得コマンドを受信した第2の照明器具44は、蛍光灯の
消耗の程度を表す情報
(関連情報)として蛍光灯のトータルON時間をルータ20に送信する(ステップS180)。
【0070】
ルータ20がトリガ情報(蛍光灯切れ情報)および関連情報(トータルON時間情報)を取得した後に、メッセージ生成部227はメッセージテーブル241を参照してSNSメッセージを生成する(ステップS184)。
図10の場合、メッセージ生成部227は、トリガ情報である条件No.3に対応するSNSメッセージフォームを、メッセージテーブル241(
図5)から選択する。そしてメッセージ生成部227は、選択したSNSメッセージフォームに対し、トータルON時間情報によって得られたON時間の数値を入力することでSNSメッセージを生成する。ステップS186〜S192は、
図8のステップS116〜S122と同様のステップであるため説明を省略する。このように、第1の照明器具43の蛍光灯切れ情報をトリガとして、第1の照明器具43の蛍光灯切れ情報に加え、第2の照明器具43のトータルON時間情報を表すSNSメッセージがルータ20によって生成される。これにより、利用者は、SNSメッセージを閲覧することで異なる対象機器40が備える消耗品の程度を一度に把握できる。
【0071】
このように、上記第1実施形態によれば、広く一般に普及しているSNSを利用して対象機器のトリガ情報および関連情報を利用者に容易に報知できる。また、ルータ20は、対象機器のトリガ情報だけでなく、トリガ情報と関連情報の両方に対応したSNSメッセージ
を生成
することから、利用者はトリガ情報に加え関連情報も同時に把握できる。またルータ20は、所定の条件群の各条件(条件No.1〜No.4)と、SNSメッセージのフォームとを一意的に定めたメッセージテーブル241を備える(
図5)。これにより、ルータ20は、メッセージテーブル241を参照することでSNSメッセージを容易に生成できる。また、所定の条件群のうち条件No.2〜No.4は、
トリガ情報が、対象機器40
の消耗品の交換時期を表す情報
であることを条件として規定している(
図4)。これにより、対象機器40の消耗品の交換時期をトリガとしてSNSメッセージを生成できることから、利用者に消耗品の交換時期を確実に報知できる。
【0072】
B.第2実施形態:
図11は、本発明の第2実施形態としての通信システム500aを説明するための図である。第1実施形態の通信システム500と異なる点は、位置情報サーバー装置80を備える点、ルータ20aの内部構成、及び、通信端末70aの内部構成である。その他の構成については第1実施形態と同様の構成であるため、同様の構成については同一符号を付すと共に説明を省略する。
【0073】
通信システム500aは、さらに、位置情報サーバー装置80を備える。通信端末70aが備えるGPS(Global Positioning System)受信機
724は、所定間隔で通信端末70aの現在位置を表す位置情報を取得する。取得した位置情報は、位置情報サーバー装置80に送信される。送信された位置情報は、取得時刻と共に位置情報サーバー装置80に記憶される。位置情報サーバー装置80は、さらに、通信端末70aの利用者の自宅の位置情報および家電量販店の位置情報を含む地図情報を記憶する。
【0074】
図12は、第2実施形態のルータ20aの内部ブロック図である。第1実施形態のルータ20(
図2)と異なる点は、新たに位置情報取得部222
を備える点と、条件テーブル243aの内容である。位置情報取得部222は、所定間隔ごとに位置情報サーバー装置80から通信端末70aの位置情報を取得する。
【0075】
図13は、条件テーブル243aを説明するための図である。条件テーブル243aは、所定の条件群を定めたテーブルである。所定の条件群の各条件は、対象機器に関する機器側条件と、SNSサーバー装置30に登録されている通信端末70aの位置情報に関する位置条件とからなる。条件No.1a〜No.4aの機器側条件の内容は、条件テーブル243(
図3)の条件No.1〜No.4の条件内容と同一であるため、説明を省略する。条件No.1aの位置条件の内容は、通信端末70aの位置情報が表す位置が通信端末70aの利用者の自宅から所定距離以上離れていることである。条件No.2a〜No.4aの各位置条件の内容は、通信端末70aの位置情報が表す位置が家電量販店から所定距離内にあることである。
【0076】
図12に示すメッセージテーブル241aと関連コマンドテーブル245aはそれぞれ、
図3および
図5に示すメッセージテーブル241と関連コマンドテーブル245と、紐づけられている条件No.が異なる。すなわち、
図3および
図5に示すテーブル241,245のうちの条件No.1〜No.4が、第2実施形態の各条件に対応させて条件No.1a〜No.4aに置き換えられている。
【0077】
図14は、トリガ情報が条件No.1aを満たす場合の通信システム500aが実行する処理手順である。防犯センサ42がトリガ情報の一部であるアラーム情報をルータ20に送信する(ステップS102)。アラーム情報を受信したルータ20aは、位置情報サーバー装置80から通信端末70aの最新の位置情報を取得する(ステップS103)。この位置情報は、トリガ情報の一部を構成する。
【0078】
トリガ情報(アラーム情報および位置情報
)をルータ20が取得した後に、イベント判定部221(
図12)は、
トリガ情報が所定の条件群の一つを満たすかどうかを判定する(ステップS104a)。
図14の場合は、イベント判定部221は、条件No.1aを満たしたと判定する。ステップS106〜S122の処理は、
図8のステップS106〜S122と同様の処理であるため説明を省略する。また、
図14と同様に、対象機器40からインク切れ情報や蛍光灯切れ情報を取得した場合も、ステップS103の工程の後に
図9に示したステップS146以降の処理、又は、
図10に示したステップS176以降の処理を通信システム500aは実行する。
【0079】
このように、上記第2実施形態によれば、第1実施形態の通信システム500が奏する効果に加え、以下の効果を奏する。すなわち、通信端末70
aを保有する利用者の位置に応じて、適切なタイミングでSNSメッセージを生成し通信端末70
aに送信できる。これにより、利用者は、適切なタイミングでSNSメッセージを閲覧できるため、SNSメッセージを利用した利用者の利便性を向上できる。例えば、条件No.1aを満たした場合に生成されるSNSメッセージを利用者が閲覧した場合、利用者は外出中である可能性が高い。この場合、SNSメッセージに記載されたURLにアクセスして室内画像を見ることで、防犯センサ42が反応した原因を外出中に探ることができる。また、条件No.2a〜No.4aのいずれかを満たした場合に生成されるSNSメッセージを利用者が閲覧する場合、利用者は家電量販店内または家電量販店の近くにいる可能性が高い。これにより、利用者は家電量販店で直ぐに消耗品を購入できる。
【0080】
C.第3実施形態:
図15は、本発明の第3実施形態としての通信システム500bを説明するための図である。第1実施形態の通信システム500と異なる点は、通信端末70bの内部構成と、ルータ20bの内部構成と、対象機器40として新たにテレビ48と、レコーダー49とを備える点である。その他の構成については第1実施形態と同様の構成であるため、同様の構成については同一符号を付すと共に説明を省略する。
【0081】
通信端末70bは、記憶部74に記憶された端末メッセージテーブル744と、CPU72の機能部としてのメッセージ生成部727とを備える。端末メッセージテーブル744には、対象機器40の動作を制御するために用いられるSNSメッセージが記憶されている。表示制御部721(
図6)が端末メッセージテーブル744に記憶されているSNSメッセージをタッチパネル73に表示し、利用者が表示されたSNSメッセージテーブルのうちのいずれかを選択し送信指示を行う。送信指示を受け付けた後に、メッセージ生成部727はSNSメッセージとして選択された内容をSNSサーバー装置30に送信する。
【0082】
テレビ48と、レコーダー49とは、他の対象機器42,43,44,45,47と同じく、ルータ20
bと同一LAN内に配置されている。テレビ48とレコーダー49とはそれぞれ、ルータ20bとの間で無線通信によってデータ通信を行う。テレビ48は、HDD(ハードディスクドライブ)を備え、番組の録画を行うことができる。レコーダー49も、テレビ48と同様にHDDを備え、番組の録画を行うことができる。
【0083】
図16は、端末メッセージテーブル744を説明するための図である。端末メッセージテーブル744は、複数の対象機器40の少なくとも一つの動作を制御するために用いられる。端末メッセージテーブル744は、第1のテーブルTa1と、第2のテーブルTa2とからなる。第1のテーブルTa1は、動作を制御する対象機器40が記憶されている。本実施形態では、動作を制御する機器として防犯センサ42,第1の照明器具43,テレビ48,レコーダー49,WEBカメラ47が規定されている。第2のテーブルTa2は、対象機器ごとに送信できるSNSメッセージが記憶されている。例えば、対象機器がテレビ48である場合、SNSメッセージとして「電源ON」、「電源OFF」、「番組録画予約」などが規定されている。また、各SNSメッセージには、識別番号(No.)が付加されている。なお、各SNSメッセージはルータ20bを宛先としてSNSサーバー装置30に送信される。
【0084】
通信端末70bのタッチパネル73上では、まず、第1のテーブルTa1が表示される。利用者が、対象機器40のいずれかを選択すると、選択された対象機器の第2のテーブルTa2が表示される。なお、利用者が、第2のテーブルTa2における「番組録画予約」を選択すると、さらに、録画を希望する番組を特定するための画面(例えば、番組表)が表示される。
【0085】
図17は、第3実施形態のルータ20bの内部ブロック図である。第1実施形態のルータ20(
図2)と異なる点は、CPU22の機能部として新たにメッセージ取得部228と、動作特定部220とを備える点と、記憶部24に新たに第2のメッセージテーブル244と、第2の関連コマンドテーブル249と、コマンドテーブル242と、対象機器仕様テーブル246とが記憶されている点である。なお、第1のメッセージテーブル241は、第1実施形態のメッセージテーブル241と同一であり、第1の関連コマンドテーブル245は、第1実施形態の関連コマンドテーブル245と同一である。メッセージ取得部228は、所定間隔ごとに、SNSサーバー装置30に対してSNSメッセージ取得要求を送信する。そして、メッセージ取得部228は、SNSサーバー装置30に保存されているルータ20b宛てのSNSメッセージをSNSサーバー装置30から取得する。対象機器仕様テーブル246には、対象機器40の種類などを表す仕様データが記憶されている。
【0086】
動作特定部220は、コマンド特定部220aと、動作判定部220bと、代替機器特定部220cとを備える。コマンド特定部220aは、取得したSNSメッセージに基づいて、コマンドテーブル242を参照する。そして、コマンド特定部220aは、複数の対象機器40のうちから動作を制御すべき特定対象機器と、特定対象機器の動作を制御するための制御コマンドとを特定する。また、コマンド特定部220aは、通信制御部229に送信命令を出すことで通信部26を介して制御コマンドを特定対象機器に送信させる。動作判定部220bは、特定対象機器が制御コマンドを実行可能か否か判定する。詳細には、動作判定部220bは、特定対象機器から、制御コマンドを実行するための情報(例えば、記憶容量や実行できる内容情報)を取得し、制御コマンドを実行可能か否か判定する。代替機器特定部220cは、判定情報に基づき制御コマンドを特定対象機器が実行できないと判定した場合に、対象機器仕様テーブル246を参照して、複数の対象機器40のうちから制御コマンドを実行できる他の対象機器を代替機器として特定する。また、代替機器特定部220cは、通信制御部229に送信命令を出すことで、通信部26を介して制御コマンドを代替機器に送信する。
【0087】
図18は、コマンドテーブル242を説明するための図である。コマンドテーブル242は、端末メッセージと、制御コマンド及び特定対象機器を一意的に定めたテーブルである。「端末メッセージNo.」は、
図16の「端末メッセージNo.」に対応している。端末メッセージNo.1A〜3B,4A,4B,5A,5Bは、特定対象機器の電源のON,OFFを切り換えるための制御コマンドを生成する。例えば、ルータ20bが、端末メッセージNo.1Aを取得した場合、コマンド特定部220a(
図1)は、特定対象機器として防犯センサ42を特定し、制御コマンドとして電源をON状態にするための制御コマンド「AABBC」を特定する。端末メッセージNo.3C,4Cは、番組録画予約のための制御コマンドを生成する。例えば、ルータ20bが、端末メッセージNo.3Cを取得した場合、コマンド特定部220aは、特定対象機器としてテレビ48を特定し、制御コマンドとして、指定された番組を録画するための制御コマンド「BADAD」を特定する。
【0088】
図19は、第2の関連コマンドテーブル249を説明するための図である。第2の関連コマンドテーブル249は、端末メッセージおよびコマンドテーブル242に予め関連付けられている。端末メッセージNo.1A,1B,3A〜4C,5Bには、関連コマンドが規定されていない。すなわち、コマンド特定部220a(
図17)は、端末メッセージNo.1A,1B,3A〜4C,5Bを取得した場合は、コマンドテーブル242(
図18)を参照して、特定対象機器と制御コマンドとを特定すると共に、第2の関連コマンドテーブル249を参照して他の関連コマンドを確認する。なお、第2の関連コマンドテーブル249に規定されている制御コマンドは、コマンドテーブル242に規定されている制御コマンドの実行後に実行される。
【0089】
端末メッセージNo.2A,2B,5A,5Cは、関連コマンドが規定されている。例えば、端末メッセージNo.2Aの場合、関連コマンドとして「No.5C」が規定されている。この「No.5C」は、コマンドテーブル242の端末メッセージNo.に対応している。すなわち、関連コマンドとして「No.5C」が規定されている場合は、WEBカメラ47に対して撮影開始を行うための制御コマンド「DAABB」が関連コマンドとなる。コマンド特定部220aは、端末メッセージに基づいてコマンドテーブル242と第2の関連コマンドテーブル249とを参照し、関連コマンドが存在する場合は、制御コマンドに加え関連コマンドも生成する。
【0090】
図20は、第2のメッセージテーブル244を説明するための図である。第2のメッセージテーブル244は、コマンドテーブル242に規定された端末メッセージNo.と、SNSメッセージフォームとを一意的に定めたテーブルである。メッセージ生成部227は、端末メッセージがNo.1A〜5Cのいずれかである場合に、第2のメッセージテーブル244を参照することでSNSメッセージを生成する。第2のメッセージテーブル244は、動作判定部220bによって特定対象機器が制御コマンドを実行できると判定した場合と(ACKを受信した場合)、特定対象機器が制御コマンドの少なくとも一部を実行できないと判定した場合と(NACKを受信した場合)で、SNSメッセージフォームが異なる部分を有する。例えば、ルータ20bが、端末メッセージNo.3Cを取得し、利用者によって指定された番組録画がテレビ48によって実行可能であると判定した場合は、端末メッセージNo.3C(ACK)のSNSメッセージフォームを用いてSNSメッセージが生成される。一方で、指定された番組録画がテレビ48によって実行できないと判定した場合であり、かつ、他の代替機器によって指定された番組録画が実行させる場合は、端末メッセージNo.3C(NACK−1)のSNSメッセージフォームを用いてSNSメッセージが生成される。また、指定された番組録画が2つある場合において、ルータ20bが、一方の番組録画がテレビ48によって実行可能であり、他方の番組録画が他の代替機器によって実行させる場合は、端末メッセージNo.3C(NACK−2)のSNSメッセージフォームを用いてSNSメッセージが生成される。
【0091】
図21は、端末メッセージをルータ20bが取得した場合に、通信システム500bが実行する処理手順の一例である。
図21では、端末メッセージとしてメッセージNo.2A(
図16)をルータ20bが取得した場合の通信システム500bの処理手順を示す。まず、通信端末70bが端末メッセージNo.2AのSNSメッセージをSNSサーバー装置30に送信する(ステップS202)。SNSサーバー装置30は、受信したSNSメッセージをメッセージ記憶部341(
図7)に保存する(ステップS203)。ルータ20bからSNSサーバー装置30に対してSNSメッセージ取得要求があった場合(ステップS204)、SNSサーバー装置30は、保存されたルータ20b宛てのSNSメッセージをルータ20bに対して送信する(ステップS206)。ルータ20bがSNSメッセージである端末メッセージを取得した後、コマンド特定部220aは、コマンドテーブル242と第2の関連コマンドテーブル249とを参照して、動作を制御する対象機器(特定対象機器)40と制御コマンドとを特定する(ステップS208)。
図21に示す例の場合、コマンド特定部220aは、特定対象機器として第1の照明器具43を特定し、制御コマンドとして電源ONコマンドを特定する。次に、ルータ20bは、第1の照明器具43に対して制御コマンド(電源ONコマンド)を送信する(ステップS210)。電源ONコマンドを実行した第1の照明器具43は、ルータ20bに対してACK
(トリガ情報)を返信する
(ステップS212)。電源ONコマンドに対するACKを受信後に、ルータ20bはWEBカメラ47に対して制御コマンド(撮影コマンド)を送信する(ステップS216)。撮影コマンドを実行したWEBカメラ47は、ルータ20bに対してACKを返信する(ステップS218)。WEBカメラ47が返信したACKには、WEBカメラ47で撮影した画像の閲覧先情報(例えばURL情報)が
関連情報として付加されている。
【0092】
制御コマンドを送信した対象機器40からACKを取得した後に、メッセージ生成部227は第2のメッセージテーブル244を参照してSNSメッセージを生成する(ステップS220)。
図21の場合、メッセージ生成部227は、端末メッセージNo.2Aに対応するSNSメッセージフォームを、第2のメッセージテーブル244(
図20)から選択する。そしてメッセージ生成部227は、選択したSNSメッセージフォームに対し、WEBカメラ47が撮影した画像の閲覧先URL情報を入力することでSNSメッセージを生成する。
図21に示したステップS224〜S232の処理は、
図8のステップS116〜S122と同様の処理であるため説明を省略する。
図22の処理手順によれば、端末メッセージに予め関連付けられた他の情報についてもSNSメッセージによって利用者は把握できる。
【0093】
図22は、端末メッセージをルータ20bが取得した場合に、通信システム500bが実行する処理手順の他の一例である。
図22では、端末メッセージとしてメッセージNo.No.3C(
図16)をルータ20bが取得した場合の通信システム500bの処理手順を示す。まず、通信端末70bが端末メッセージNo.3CのSNSメッセージをSNSサーバー装置30に送信する(ステップS302)。端末メッセージNo.3Cには、利用者によって同時間帯の2つの異なる番組が指定されているものと仮定する。
【0094】
SNSサーバー装置30は、受信したSNSメッセージをメッセージ記憶部341(
図7)に保存する(ステップS303)。ルータ20bからSNSサーバー装置30に対してSNSメッセージ取得要求があった場合(ステップS304)、SNSサーバー装置30は、保存されたルータ20b宛てのSNSメッセージをルータ20bに対して送信する(ステップS
306)。ルータ20bがSNSメッセージである端末メッセージを取得した後、コマンド特定部220aは、コマンドテーブル242と第2の関連コマンドテーブル249とを参照して、動作を制御する対象機器(特定対象機器)40と制御コマンドとを特定する(ステップS
308)。
図22に示す例の場合、コマンド特定部220aは、特定対象機器としてテレビ48を特定し、制御コマンドとして指定された2番組を録画するための制御コマンド(録画予約コマンド)を特定する。次に、ルータ20bは、テレビ48に対して制御コマンド(録画予約コマンド)を送信する(ステップS310)。テレビ48が取得した制御コマンドに対して、制御コマンドを実行できない場合、NACKをルータ20bに対して送信する(ステップS312)。このNACKには、1番組の録画のみ可能である旨の情報
(トリガ情報)が付加されている。
【0095】
判定情報であるNACKを受信した後に、動作判定部220b(
図17)は、テレビ48によっては2番組を録画するための録画予約コマンドを実行できないと判定する(ステップS313)。なお、ステップS312において、ACKが送信された場合は、動作判定部220bは代替機器を特定するための処理は行わない。
【0096】
ステップS313において、特定対象機器が制御コマンドの少なくとも一部が実行できない
(トリガ情報が条件を満たす)と判定した場合、代替機器特定部220cは、複数の対象機器40のうちから残りの制御コマンド(他方の番組録画予約)を実行できる対象機器40を代替機器として特定する(ステップS314)。
図22に示す例では、代替機器特定部220cは対象機器仕様テーブル246(
図17)を参照して、他方の番組録画予約が可能なレコーダー49を代替機器として特定する。
【0097】
ステップS314の後に、コマンド特定部220aはステップS308によって特定した制御コマンドを、2つのコマンドに分けて生成し、一方の番組録画予約を実行するための制御コマンドをテレビ48に送信し、他方の番組録画予約を実行するための制御コマンドをレコーダー49に送信する(ステップS318,S322)。それぞれの制御コマンドに対する応答として、テレビ48とレコーダー49はルータ20bに対してACK
(関連情報)を送信する(ステップS320,S324)。
【0098】
テレビ48およびレコーダー49からACKを取得した後に、メッセージ生成部227はメッセージテーブル241を参照してSNSメッセージを生成する(ステップS322)。
図22に示す例では、メッセージ生成部227は、No.3C(NACK−2)に対応するSNSメッセージを生成する(
図20)。
【0099】
なお、ステップS312においてテレビ48からレコーダー49に送信されたNACKに、2番組を録画するための録画予約コマンドが全て実行できない旨の情報が含まれていた場合は、ステップS314においてレコーダー49を代替機器として特定する。そして、2番組を録画するための録画予約コマンドをレコーダー49に対して送信する。
【0100】
このように、上記第3実施形態によれば、第1実施形態の通信システム500bが奏する効果に加え、以下の効果を奏する。すなわち、端末メッセージに基づいて特定対象機器の動作を制御できると共に、特定対象機器に対して制御コマンドを送信したことをSNSメッセージによって利用者は容易に把握できる。また、端末メッセージに基づいて特定された制御コマンドを特定対象機器が実行できない場合でも、代替機器に全ての制御コマンドまたは一部の制御コマンドを実行させることができる。これにより、制御コマンドをより確実に実行できる。また、本実施形態のルータ20bはNAT(Network Address Translation)機能を保有しており、LAN側に接続されている複数の対象機器40のそれぞれに付与されているプライベートアドレスと、WAN側のIPアドレスとの間でアドレス変換を行っている。ここで、通信端末70bがルータ20bのWAN側から対象機器40の何れかに直接端末メッセージなどのコマンド送信を行う場合には、ルータ20bは、送信先となる対象機器のプライベートアドレスが明確でない為、ルータ20bを越えて対象機器40を操作する事ができない。いわゆるNAT越え問題が発生する。本実施形態では端末装置70bはルータ20bではなくSNSサーバー装置30へ端末メッセージを送信すると共に、ルータ20bがSNSサーバー装置30からのメッセージを取得するため、操作の対象となる対象機器40(操作対象機器40)の特定が可能となる。更にルータ20bより操作対象機器40へコマンドを送信する為、NAT越え問題を解消できる。
【0101】
D.変形例:
上記実施形態において、ハードウェアによって実現されるとした構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されるとした構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。その他、以下のような変形も可能である。
【0102】
D−1.第1変形例:
上記実施形態では、メッセージテーブル241,条件テーブル243,関連コマンドテーブル245(
図2)などの記憶部に記憶されていたデータは、ルータ20が記憶していなくても良い。例えば、外付けHDDや外部サーバー装置が記憶しても良い。
【0103】
D−2.第2変形例:
条件テーブル243(
図3)、関連コマンドテーブル245(
図4)、メッセージテーブル241(
図5)等の記憶部24に記憶されている各種データの内容は上記実施形態に限定されない。例えば、
図3に示す条件テーブル243の条件として、
トリガ情報が、対象機器40の電源のON/OFF状態についての情報を取得
であることを条件として規定しても良い。例えば、条件として、
トリガ情報が、所定時刻において第1の照明器具43
の電源がOFF状態であることを示す情報
であることを規定しても良い。この場合、関連コマンドとして
図4に示す条件No.1と同じ内容を規定し、メッセージテーブル241には、以下のSNSメッセージフォームを規定する。
SNSメッセージフォーム:「第1の照明器具43が電源ONになりません。第1の照明器具43の電源をONにしました。室内画像はこちらです。URL:XX1.***.X23」
これにより、例えば、第1の照明器具が配置された室内で寝ているはずの人物が、朝になっても電源をON状態にしない場合に、この人物の安否を室内画像によって確認できる。
【0104】
D−3.第3変形例:
上記実施形態ではWEBカメラは室内に配置されていたが、これに限定されるものではない。例えば、家屋の周辺を撮影できる位置にWEBカメラは配置されていても良い。
【0105】
D−4.第4変形例:
上記実施形態の各処理手順において、処理の順序を適宜変更しても良い。例えば、
図8において、ステップ108とステップS110は同時に行っても良いし、順番を入れ替えても良い。また、ステップS109の受信する前にステップS110を行っても良い。
【0106】
D−5.第5変形例:
上記実施形態において、ハードウェアによって実現されるとした構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されるとした構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。