(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態を図面に従って説明する。
【0014】
<第1の実施形態>
図3は、第1の実施形態に係る電池保護装置の構成の一例を示す図である。
図3に示される電池保護装置101は、二次電池200を保護する電池保護装置の一例である。
【0015】
二次電池200は、充電可能な電池の一例である。二次電池200の具体例として、リチウムイオン電池、リチウムポリマ電池などが挙げられる。
【0016】
電池保護装置101は、二次電池200を電源として動作し、二次電池200の充放電を制御することによって二次電池200を過放電等から保護する。電池保護装置101は、基板110と、スイッチ回路13と、保護IC120と、抵抗9とを備える。
【0017】
基板110には、スイッチ回路13、保護IC120及び抵抗9が実装されている。基板110の具体例として、プリント基板が挙げられる。基板110には、端子B+、端子B−、端子P+、端子P−、端子BS+及び端子BS−が設けられている。これらの各端子は、例えば、基板110に形成された電極である。
【0018】
端子B+は、電池プラス側端子の一例であり、二次電池200の正極201に接続される。端子B−は、電池マイナス側端子の一例であり、二次電池200の負極202に接続される。端子P+は、負荷プラス側端子の一例であり、負荷の一部である充電IC130のプラス端子に接続される。端子P−は、負荷マイナス側端子の一例であり、充電IC130のマイナス端子に接続される。端子BS+は、二次電池200の正極201の電位をモニタ可能にするプラス側モニタ可能端子の一例であり、充電IC130のプラス側モニタ端子に接続される。端子BS−は、二次電池200の負極202の電位をモニタ可能にするマイナス側モニタ可能端子の一例であり、充電IC130のマイナス側モニタ端子に接続される。充電IC130は、二次電池200の電池電圧を検出する外部回路の一例である。
【0019】
端子B+と端子P+とは、プラス側電源経路8によって接続され、端子B−と端子P−とは、マイナス側電源経路7によって接続される。プラス側電源経路8は、端子B+と端子P+との間の充放電電流経路の一例であり、マイナス側電源経路7は、端子B−と端子P−との間の充放電電流経路の一例である。
【0020】
スイッチ回路13は、端子B−と端子P−との間のマイナス側電源経路7に直列に挿入される。スイッチ回路13は、例えば、充電制御トランジスタ11と放電制御トランジスタ12とが直列に接続された直列回路である。充電制御トランジスタ11のオフにより、二次電池200の充電電流が流れるマイナス側電源経路7が遮断され、二次電池200の充電電流の流れが禁止される。放電制御トランジスタ12のオフにより、二次電池200の放電電流が流れるマイナス側電源経路7が遮断され、二次電池200の放電電流の流れが禁止される。
【0021】
充電制御トランジスタ11と放電制御トランジスタ12は、それぞれ、例えば、Nチャネル型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。充電制御トランジスタ11は、充電制御トランジスタ11の寄生ダイオードの順方向が二次電池200の放電電流の流れる方向に一致するようにマイナス側電源経路7に挿入される。放電制御トランジスタ12は、放電制御トランジスタ12の寄生ダイオードの順方向が二次電池200の充電電流の流れる方向に一致するようにマイナス側電源経路7に挿入される。
【0022】
保護IC120は、電池保護集積回路の一例である。保護IC120は、二次電池200を電源として動作する。保護IC120は、スイッチ回路13を制御することによって、二次電池200を過放電等から保護する。例えば、保護IC120は、充電制御トランジスタ11をオフにすることによって、二次電池200を充電異常(例えば、過充電、充電方向の過電流(充電過電流)など)から保護する。一方、保護IC120は、放電制御トランジスタ12をオフすることによって、二次電池200を放電異常(例えば、過放電、放電方向の過電流(放電過電流)など)から保護する。
【0023】
保護IC120は、電源端子91と、グランド端子92と、充電制御端子93と、放電制御端子94と、監視端子95とを備える。これらの端子は、保護IC120の内部回路を保護IC120外部と接続するための外部接続端子である。
【0024】
電源端子91は、プラス側電源経路8に接続されるプラス側電源端子の一例であり、端子B+を介して二次電池200の正極201に接続される。電源端子91は、電源端子VDDと呼ばれることがある。
【0025】
グランド端子92は、負極202とスイッチ回路13との間でマイナス側電源経路7に接続されるマイナス側電源端子の一例であり、端子B−を介して二次電池200の負極202に接続される。グランド端子92は、グランド端子VSSと呼ばれることがある。
【0026】
充電制御端子93は、二次電池200の充電を禁止する信号を出力する充電制御端子の一例であり、充電制御トランジスタ11の制御電極(例えばMOSFETの場合、ゲート)に接続される。充電制御端子93は、COUT端子と呼ばれることがある。
【0027】
放電制御端子94は、二次電池200の放電を禁止する信号を出力する放電制御端子の一例であり、放電制御トランジスタ12の制御電極(例えば、MOSFETの場合、ゲート)に接続される。放電制御端子94は、DOUT端子と呼ばれることがある。
【0028】
監視端子95は、端子P−の電位を監視する監視端子の一例であり、端子P−とスイッチ回路13との間でマイナス側電源経路7に接続される。監視端子95は、抵抗9を介して端子P−に接続される。監視端子95は、監視端子VMと呼ばれることがある。
【0029】
電池保護装置101は、端子BS+と端子BS−とを備える。端子BS+は、二次電池200の正極201に接続されている。端子BS−は、二次電池200の負極202に接続されている。したがって、充電IC130は、端子BS+と端子BS−との間の端子電圧Vbatをモニタすることによって、二次電池200の電池電圧Vcellを検出できる。
【0030】
端子BS+には、二次電池200の充放電電流が流れる端子P+に比べて、正極201の電位をモニタするための微小な電流しか流れない。また、端子BS−には、二次電池200の充放電電流が流れる端子P−及びスイッチ回路13に比べて、負極202の電位をモニタするための微小な電流しか流れない。そのため、スイッチ回路13等の抵抗分による電圧降下がないので、端子電圧Vbatは、電池電圧Vcellと略等しい。したがって、充電IC130は、端子BS+と端子BS−との間の端子電圧Vbatをモニタすることによって、電池電圧Vcellを正確に検出できる。
【0031】
図4は、二次電池の充電方法の一例を示す図である。
図4に示される充電方法を
図3を参照して説明する。充電IC130は、端子電圧Vbatが所定の充電電圧に到達するまでは、比較的大きな定電流で二次電池200をCC充電し、端子電圧Vbatが所定の充電電圧に到達すると、比較的小さな電流で二次電池200をCV充電する。
【0032】
上述の通り、端子電圧Vbatは、電池電圧Vcellと略等しい。そのため、比較的大きな電流でCC充電する期間が長くなり、端子電圧Vbatが所定の充電電圧に到達してから電池電圧Vcellがその所定の充電電圧に到達するまでに比較的小さな電流でCV充電する期間が短くなる。したがって、電池電圧Vcellが所定の充電電圧に到達するまでの充電時間を全体として短くすることができる。
【0033】
次に、端子間にリーク抵抗が発生した場合について説明する。
【0034】
図5は、端子P−と端子BS−との間にリーク抵抗14が発生した場合を示す図である。充電器が接続されている間、充電IC130から充電電流が供給される。したがって、リーク抵抗14が発生した場合、充電制御トランジスタ11が保護IC120によりオフになっても、リーク抵抗14を経由するリーク電流15が流れるため、二次電池200が過充電になるおそれがある。
【0035】
図6は、端子P+と端子BS−との間にリーク抵抗16が発生した場合を示す図である。リーク抵抗16が発生した場合、放電制御トランジスタ12が保護IC120によりオフになっても、リーク抵抗16を経由するリーク電流17が流れるため、二次電池200が過放電になるおそれがある。
【0036】
図5及び
図6の状況を防ぐために、端子BS−が保護IC120を経由して端子B−(二次電池200の負極202)に接続され、過充電や過放電を防ぐことが可能な第2の実施形態について説明する。
【0037】
<第2の実施形態>
図7は、第2の実施形態に係る電池保護装置の構成の一例を示す図である。第2の実施形態の構成及び効果のうち上述の実施形態と同様のものについては、上述の説明を援用することで、省略又は簡略する。
図7に示される電池保護装置102は、二次電池200を保護する電池保護装置の一例である。
【0038】
電池保護装置102は、端子B+、端子B−、端子P+、端子P−、端子BS+及び端子BS−を備える。端子B+、端子B−、端子P+及び端子P−は、上述と同様である。
【0039】
端子BS−は、二次電池の一方の電極の電位をモニタ可能にする第1のモニタ可能端子の一例である。端子BS−は、二次電池200の負極202の電位を充電IC130がモニタ可能にするために基板110に設けられている。
【0040】
端子BS+は、二次電池の他方の電極の電位をモニタ可能にする第2のモニタ可能端子の一例である。端子BS+は、二次電池200の正極201の電位を充電IC130がモニタ可能にするために基板110に設けられている。
【0041】
保護IC120は、グランド端子92と、電源端子91と、充電制御端子93と、放電制御端子94と、監視端子95と、センス端子96とを備える。これらの端子は、保護IC120の内部回路を保護IC120外部と接続するための外部接続端子である。充電制御端子93、放電制御端子94及び監視端子95は、上述と同様である。
【0042】
グランド端子92は、第1の電源端子の一例である。グランド端子92は、負極202とスイッチ回路13との間でマイナス側電源経路7(第1の経路の一例)に接続される。
【0043】
電源端子91は、第2の電源端子の一例である。電源端子91は、図示のように、正極201と端子BS+との間の経路(第2の経路の一例)に接続されている。
【0044】
センス端子96は、充電IC130のマイナス側モニタ端子に接続される端子BS−に接続される。
【0045】
保護IC120は、内部配線85と、内部スイッチ80とを備える。内部配線85は、グランド端子92とセンス端子96との間を接続する。内部配線85は、グランド端子92に接続される一端と、センス端子96に接続される他端とを有する。内部スイッチ80は、内部配線85に直列に挿入されている。内部スイッチ80は、MOSトランジスタ等のスイッチ素子である。
【0046】
したがって、保護IC120が内部スイッチ80をオンにすることにより、端子BS−は、グランド端子92を介して二次電池200の負極202に接続される。したがって、充電IC130は、端子BS+と端子BS−との間の端子電圧Vbatをモニタすることによって、二次電池200の電池電圧Vcellを検出できる。
【0047】
端子BS+には、二次電池200の充放電電流が流れる端子P+に比べて、正極201の電位をモニタするための微小な電流しか流れない。また、端子BS−には、二次電池200の充放電電流が流れる端子P−及びスイッチ回路13に比べて、負極202の電位をモニタするための微小な電流しか流れない。そのため、スイッチ回路13等の抵抗分による電圧降下がないので、端子電圧Vbatは、電池電圧Vcellと略等しい。したがって、充電IC130は、端子BS+と端子BS−との間の端子電圧Vbatをモニタすることによって、電池電圧Vcellを正確に検出できる。また、電池電圧Vcellを正確に検出できるため、第1の実施形態と同様に、電池電圧Vcellが所定の充電電圧に到達するまでの充電時間を全体として短くすることができる(
図4参照)。
【0048】
図8は、第2の実施形態に係る電池保護回路の構成の一例を示す図である。保護IC120は、放電制御回路81、充電制御回路82、スイッチ制御回路83、内部配線85、内部スイッチ80、内部抵抗84、スイッチ170,172,174,176,178及び抵抗171,173,175,177,179を備える。
【0049】
放電制御回路81は、二次電池200の放電異常を検出する異常検出回路を有する。放電制御回路81は、二次電池200の放電異常が当該異常検出回路により検出された場合、当該異常検出回路の検出結果に基づき、スイッチ回路13を制御する制御回路の一例である。充電制御回路82は、二次電池200の充電異常を検出する異常検出回路を有する。充電制御回路82は、二次電池200の充電異常が当該異常検出回路により検出された場合、当該異常検出回路の検出結果に基づき、スイッチ回路13を制御する制御回路の一例である。
【0050】
内部抵抗84は、内部配線85に直列に挿入されている。スイッチ170,172,174,176,178は、いずれも、MOSトランジスタ等のスイッチ素子である。
【0051】
充電制御回路82は、二次電池200の過充電(所定の異常の一例)を検出する過充電検出回路(異常検出回路の一例)を備える。過充電検出回路は、電源端子VDDとグランド端子VSSとの間の電源電圧VDを監視する。電源電圧VDが所定の過充電検出閾値Vdet1以上になることが過充電検出回路により検出された場合、充電制御回路82は、充電制御トランジスタ11をオフさせる充電制御信号を充電制御端子93から出力する(過充電保護動作)。充電制御トランジスタ11がオフされることにより、二次電池200の充電方向の電流が遮断されるため、二次電池200が過充電されることを防止することができる。
【0052】
放電制御回路81は、二次電池200を過放電(所定の異常の一例)を検出する過放電検出回路(異常検出回路の一例)を備える。過放電検出回路は、電源端子VDDとグランド端子VSSとの間の電源電圧VDを監視する。電源電圧VDが所定の過放電検出閾値Vdet2以下になることが過放電検出回路により検出された場合、放電制御回路81は、放電制御トランジスタ12をオフさせる放電制御信号を放電制御端子94から出力する(過放電保護動作)。放電制御トランジスタ12がオフされることにより、二次電池200の放電方向の電流が遮断されるため、二次電池200が過放電されることを防止することができる。
【0053】
放電制御回路81は、二次電池200を放電過電流(所定の異常の一例)を検出する放電過電流検出回路(異常検出回路の一例)を備える。放電過電流検出回路は、監視端子VMとグランド端子VSSとの間の電流検出電圧VIを監視する。電流検出電圧VIが所定の放電過電流検出閾値Vdet3以上になることが放電過電流検出回路により検出された場合、放電制御回路81は、放電制御トランジスタ12をオフさせる放電制御信号を放電制御端子94から出力する(放電過電流保護動作)。放電制御トランジスタ12がオフされることにより、二次電池200の放電方向の電流が遮断されるため、二次電池200を放電する方向に過電流が流れることを防止することができる。
【0054】
充電制御回路82は、二次電池200を充電過電流(所定の異常の一例)を検出する充電過電流検出回路(異常検出回路の一例)を備える。充電過電流検出回路は、監視端子VMとグランド端子VSSとの間の電流検出電圧VIを監視する。電流検出電圧VIが所定の充電過電流検出閾値Vdet4以下になることが充電過電流検出回路により検出された場合、充電制御回路82は、充電制御トランジスタ11をオフさせる充電制御信号を充電制御端子93から出力する(充電過電流保護動作)。充電制御トランジスタ11がオフされることにより、二次電池200の充電方向の電流が遮断されるため、二次電池200を充電する方向に過電流が流れることを防止することができる。
【0055】
図9は、各状態でのスイッチ制御と端子処理の第1の例を示す図である。
【0056】
充電制御回路82は、二次電池200の過充電と充電過電流とが検出されていない場合、充電制御トランジスタ11をオンにする。一方、充電制御回路82は、二次電池200の過充電と充電過電流の少なくとも一方が検出された場合、充電制御トランジスタ11をオフにする。
【0057】
放電制御回路81は、二次電池200の過放電と放電過電流とが検出されていない場合、放電制御トランジスタ12をオンにする。一方、放電制御回路81は、二次電池200の過放電と放電過電流の少なくとも一方が検出された場合、放電制御トランジスタ12をオフにする。
【0058】
スイッチ制御回路83は、二次電池200の過充電と過放電と放電過電流と充電過電流とが検出されていない場合、内部スイッチ80をオンにする。これにより、端子BS−は、二次電池200の負極202が接続された端子B−と同電位になる。
【0059】
スイッチ制御回路83は、二次電池200の過充電と充電過電流の少なくとも一方が検出された場合、内部スイッチ80をオフにし、且つ、スイッチ174をオンにする。例えば、スイッチ制御回路83は、充電制御トランジスタ11をオフさせる充電制御信号が検知された場合、内部スイッチ80をオフにし、且つ、スイッチ174をオンにする。これにより、監視端子VMと端子BS−とはショートされ、端子P−はハイインピーダンス(Hi−Z)となる。
【0060】
スイッチ制御回路83は、二次電池200の過放電が検出された場合、内部スイッチ80をオフにし、且つ、スイッチ174,170,176をオンにする。例えば、スイッチ制御回路83は、放電制御トランジスタ12をオフさせる放電制御信号が検知された場合、内部スイッチ80をオフにし、且つ、スイッチ174,170,176をオンにする。これにより、監視端子VMと端子BS−とはショートされ、端子P−は電源端子VDDにプルアップされる。これにより、二次電池200の放電が進行することを抑制することができる。また、充電IC130が二次電池200から電気的に分離されることによって安全性が確保される。
【0061】
スイッチ制御回路83は、二次電池200の放電過電流が検出された場合、内部スイッチ80をオフにし、且つ、スイッチ174,172,178をオンにする。例えば、スイッチ制御回路83は、放電制御トランジスタ12をオフさせる放電制御信号が検知された場合、内部スイッチ80をオフにし、且つ、スイッチ174,172,178をオンにする。これにより、監視端子VMと端子BS−とはショートされ、端子P−はグランド端子VSSにプルダウンされる。これにより、二次電池200の放電過電流の流れを抑制することができる。また、充電IC130が二次電池200から電気的に分離されることによって安全性が確保される。
【0062】
図10は、各状態でのスイッチ制御と端子処理の第2の例を示す図である。
図9と同じ箇所についての説明は省略する。
【0063】
スイッチ制御回路83は、二次電池200の過充電と充電過電流の少なくとも一方が検出された場合、内部スイッチ80をオフにする。例えば、スイッチ制御回路83は、充電制御トランジスタ11をオフさせる充電制御信号が検知された場合、内部スイッチ80をオフにする。これにより、端子P−及び端子BS−はハイインピーダンス(Hi−Z)となる。
【0064】
スイッチ制御回路83は、二次電池200の過放電が検出された場合、内部スイッチ80をオフにし、且つ、スイッチ170,176をオンにする。例えば、スイッチ制御回路83は、放電制御トランジスタ12をオフさせる放電制御信号が検知された場合、内部スイッチ80をオフにし、且つ、スイッチ170,176をオンにする。これにより、端子P−及び端子BS−は電源端子VDDにプルアップされる。これにより、二次電池200の放電が進行することを抑制することができる。また、充電IC130が二次電池200から電気的に分離されることによって安全性が確保される。
【0065】
スイッチ制御回路83は、二次電池200の放電過電流が検出された場合、内部スイッチ80をオフにし、且つ、スイッチ172,178をオンにする。例えば、スイッチ制御回路83は、放電制御トランジスタ12をオフさせる放電制御信号が検知された場合、内部スイッチ80をオフにし、且つ、スイッチ172,178をオンにする。これにより、端子P−及び端子BS−はグランド端子VSSにプルダウンされる。これにより、二次電池200の放電過電流の流れを抑制することができる。また、充電IC130が二次電池200から電気的に分離されることによって安全性が確保される。
【0066】
図11は、各状態でのスイッチ制御と端子処理の第3の例を示す図である。
図9,10と同じ箇所についての説明は省略する。
図11は、
図9の変形例を表す。
図11は、充電器の接続有無に応じて、内部スイッチ80のオンオフを切り替える例を示す。
図12〜
図14を参照して、
図11について説明する。
【0067】
図12は、充電ICが充電方法を予備充電と急速充電とで切り替えるための判定値の一例を示す図である。充電IC130は、端子電圧Vbatが所定の充電電圧に到達するまでの比較的低い電圧状態では、予備充電又は急速充電でCC充電を行う。充電IC130は、端子電圧Vbatが予備/急速充電判定値よりも低いとき、電流値が比較的低い定電流での予備充電を行い、端子電圧Vbatが予備/急速充電判定値を超えているとき、電流値が予備充電よりも高い定電流での急速充電を行う。
【0068】
図13は、過放電且つ充電器接続時に内部スイッチがオフの仕様(
図9の仕様)の場合を示す図である。過放電が検出されている状態では、放電制御トランジスタ12はオフし且つスイッチ174はオンしているため、端子電圧Vbatには、放電制御トランジスタ12の寄生ダイオードの順方向電圧VFが含まれている。したがって、過放電検出閾値Vdet2、予備/急速充電判定値又は順方向電圧VFの値によっては、
図13に示されるように、予備充電と急速充電とが無駄に繰り返されるおそれがある。
【0069】
そこで、
図11に示されるように、スイッチ制御回路83は、二次電池200の過放電が検出され且つ充電器の接続が検出された場合、内部スイッチ80をオンにする。これにより、端子BS−は、二次電池200の負極202が接続された端子B−と同電位になる。したがって、過放電且つ充電器接続時に内部スイッチ80がオンすることにより、
図14に示されるように、端子電圧Vbatと電池電圧Vcellに略等しくなるので、予備充電と急速充電とが無駄に繰り返されることを防ぐことができる。
図14は、過放電且つ充電器接続時に内部スイッチがオンの仕様(
図11の仕様)の場合を示す図である。
【0070】
保護IC120は、充電器接続検出回路87を備える。充電器接続検出回路87は、電源端子VDDと監視端子VMとの間の監視電圧VDMを監視する。スイッチ制御回路83は、例えば、過放電が検出されており、且つ、監視電圧VDMが所定の充電器接続閾値Vdetc以上であることが検出された場合、内部スイッチ80をオンにする。なぜなら、二次電池200を充電する充電器が接続されているとき、充電IC130は、端子P+と端子P−との間に、充電器接続閾値Vdetcよりも大きな充電電圧を印加するからである。
【0071】
<第3の実施形態>
図15は、第3の実施形態に係る電池保護装置の一構成例及び第1の動作例を示す図である。第3の実施形態の構成及び効果のうち上述の実施形態と同様のものについては、上述の説明を援用することで、省略又は簡略する。
図15に示される電池保護装置103は、二次電池200を保護する電池保護装置の一例である。
【0072】
電池保護装置103は、保護IC120と保護IC121とを備え、2つの保護ICによるダブルプロテクション機能を有する。保護IC120と保護IC121は、互いに同じ保護機能を有する。ダブルプロテクション機能により、保護IC120と保護IC121とのいずれか一方が故障しても、二次電池200を過放電等から保護することが可能となる。電池保護装置101は、基板110と、スイッチ回路13,53と、保護IC120,121と、抵抗9,6とが実装された基板110を備える。
【0073】
スイッチ回路53は、端子B−と端子P−との間のマイナス側電源経路7に直列に挿入される。スイッチ回路13は、例えば、充電制御トランジスタ51と放電制御トランジスタ52とが直列に接続された直列回路である。
【0074】
保護IC121は、充電制御トランジスタ51をオフにすることによって、二次電池200を充電異常(例えば、過充電、充電方向の過電流(充電過電流)など)から保護する。一方、保護IC121は、放電制御トランジスタ52をオフすることによって、二次電池200を放電異常(例えば、過放電、放電方向の過電流(放電過電流)など)から保護する。
【0075】
保護IC121は、電源端子61と、グランド端子62と、充電制御端子63と、放電制御端子64と、監視端子65とを備える。これらの端子は、保護IC121の内部回路を保護IC121外部と接続するための外部接続端子である。また、これらの端子には、保護IC120と同様の内部回路が接続されている。
【0076】
一方、保護IC120は、
図8に示される充電器接続検出回路87、スイッチ170,172,174,176,178及び抵抗171,173,175,177,179を備える(
図15での図示は省略)。
【0077】
また、保護IC120は、第1の電圧異常検出回路70と、第2の電圧異常検出回路73とを備える。
【0078】
第1の電圧異常検出回路70は、センス端子の電圧異常検出回路の一例であり、正の異常電圧が端子BS−に発生したことを検出する。第1の電圧異常検出回路70は、例えば、正の異常検出電圧72(例えば、0.1V)と端子BS−の電圧とを比較するコンパレータ71を備え、その比較結果をスイッチ制御回路83に出力する。
【0079】
第2の電圧異常検出回路73は、センス端子の電圧異常検出回路の一例であり、負の異常電圧が端子BS−に発生したことを検出する。第2の電圧異常検出回路73は、例えば、負の異常検出電圧75(例えば、−0.1V)と端子BS−の電圧とを比較するコンパレータ74を備え、その比較結果をスイッチ制御回路83に出力する。
【0080】
スイッチ制御回路83は、端子BS−の電圧が正の異常検出電圧72に対して上昇することが第1の電圧異常検出回路70により検出された場合、内部スイッチ80をオフにする。スイッチ制御回路83は、端子BS−の電圧が負の異常検出電圧75に対して低下することが第2の電圧異常検出回路73により検出された場合、内部スイッチ80をオフにする。これにより、端子BS−に異常電圧が発生した場合、内部スイッチ80を通る電流パスを遮断することができる。
【0081】
充電IC130は、マイナス側モニタ端子BS−と、電源端子VDDと、グランド端子VSSと、ダイオード132,133と、モニタ回路131とを備える。充電IC130のマイナス側モニタ端子BS−は、基板110の端子BS−に接続される。充電IC130の電源端子VDDは、基板110の端子P+に接続される。充電IC130のグランド端子VSSは、基板110の端子P−に接続される。ダイオード132は、グランド端子VSSとマイナス側モニタ端子BS−との間のダイオード(例えば、寄生ダイオード)である。ダイオード133は、電源端子VDDとマイナス側モニタ端子BS−との間のダイオード(例えば、寄生ダイオード)である。モニタ回路131は、端子BS+と端子BS−との間の端子電圧Vbatをモニタすることによって、二次電池200の電池電圧Vcellを検出する。
【0082】
図15では、保護IC121が放電異常の検出により放電制御トランジスタ52をオフにした場合、保護IC120は、端子BS−の電圧異常を第1の電圧異常検出回路70により検出することで、異常な電流が内部配線85を流れることを防止する動作を行う。この防止動作のシーケンスは、次の通りである。
(1)二次電池200の放電が負荷140により進行し、二次電池200が過放電状態に陥る。
(2)保護IC121は、保護IC120よりも先に放電異常を検出する設定になっているため、放電制御トランジスタ52をオフにする。例えば、保護IC121の過放電検出閾値Vdet2は、保護IC120の過放電検出閾値Vdet2よりも高く設定されている。
(3)保護IC121は、監視端子65を電源端子61にプルアップする(
図9〜11参照)。これにより、端子P−は、プラス側電源経路8の電位にプルアップされる。
(4)端子P−がプラス側電源経路8の電位にプルアップされると、保護IC120のセンス端子96の電圧は、充電IC130内のダイオード132の存在により、(VDD−VF)に上昇する。ここで、VDDは、電源端子61とグランド端子62との間の電源電圧を表し、VFは、充電IC130のマイナス側モニタ端子BS−と充電IC130のグランド端子VSSとの間のダイオード132の順方向電圧を表す。
(5)第1の電圧異常検出回路70は、センス端子96の電圧が正の異常検出電圧72を超えたことを検出する。
(6)センス端子96の電圧が正の異常検出電圧72を超えたことが第1の電圧異常検出回路70により検出された場合、スイッチ制御回路83は、内部スイッチ80をオフにする。内部スイッチ80がオフすることにより、保護IC120が過放電を検出するまで内部配線85経由で二次電池200が放電され続けることを防止することができる。
【0083】
図16は、第3の実施形態に係る電池保護装置の一構成例及び第2の動作例を示す図である。第2の動作例は、基板110の端子BS−と端子P−との間にリーク抵抗が発生し、且つ、異常充電器が接続された場合の動きを示す。この場合、保護IC120は、端子BS−の電圧異常を第2の電圧異常検出回路73により検出することによって、異常な電流が内部配線85を流れることを防止する動作を行う。この防止動作のシーケンスは、次の通りである。
(1)基板110の端子BS−と端子P−との間にリーク抵抗が発生する。
(2)異常充電器が接続される。
(3)保護IC121は、保護IC120よりも先に充電異常を検出する設定になっているため、充電制御トランジスタ51をオフにする。例えば、保護IC121の過充電検出閾値Vdet1は、保護IC120の過充電検出閾値Vdet1よりも低く設定されていて、保護IC121の充電過電流検出閾値Vdet4は、保護IC120の充電過電流検出閾値Vdet4よりも高く設定されている。
(4)充電制御トランジスタ51のオフにより、端子P−の電位が低下する。
(5)基板110の端子BS−の電位は、リーク抵抗の存在により、端子P−の電位につられて低下する。
(6)第2の電圧異常検出回路73は、センス端子96の電圧が負の異常検出電圧75よりも低下したことを検出する。
(7)センス端子96の電圧が負の異常検出電圧75よりも低下したことが第2の電圧異常検出回路73により検出された場合、スイッチ制御回路83は、内部スイッチ80をオフにする。内部スイッチ80がオフすることにより、保護IC120が過充電を検出するまで内部配線85経由で二次電池200が充電され続けることを防止することができる。
【0084】
<第4の実施形態>
図17は、第4の実施形態に係る電池保護装置の構成の一例を示す図である。第4の実施形態の構成及び効果のうち上述の実施形態と同様のものについては、上述の説明を援用することで、省略又は簡略する。
図17に示される電池保護装置104は、二次電池200を保護する電池保護装置の一例である。
【0085】
上述の実施形態のスイッチ回路13,53は、ローサイドのマイナス側電源経路7に直列に挿入されているが、
図17に示されるスイッチ回路43は、ハイサイドのプラス側電源経路8に直列に挿入されている。
【0086】
スイッチ回路43は、端子B+と端子P+との間のプラス側電源経路8に直列に挿入される。スイッチ回路43は、例えば、充電制御トランジスタ41と放電制御トランジスタ42とが直列に接続された直列回路である。充電制御トランジスタ41のオフにより、二次電池200の充電電流が流れるプラス側電源経路8が遮断され、二次電池200の充電電流の流れが禁止される。放電制御トランジスタ42のオフにより、二次電池200の放電電流が流れるプラス側電源経路8が遮断され、二次電池200の放電電流の流れが禁止される。
【0087】
充電制御トランジスタ41と放電制御トランジスタ42は、それぞれ、例えば、Pチャネル型のMOSFETである。
【0088】
図17の場合、基板110の端子BS+は、二次電池の一方の電極の電位をモニタ可能にする第1のモニタ可能端子の一例である。端子BS+は、二次電池200の正極201の電位を充電IC130がモニタ可能にするために基板110に設けられている。
【0089】
図17の場合、基板110の端子BS−は、二次電池の他方の電極の電位をモニタ可能にする第2のモニタ可能端子の一例である。端子BS−は、二次電池200の負極202の電位を充電IC130がモニタ可能にするために基板110に設けられている。
【0090】
保護IC122は、電源端子91と、グランド端子92と、充電制御端子93と、放電制御端子94と、監視端子97と、センス端子98とを備える。これらの端子は、保護IC122の内部回路を保護IC122外部と接続するための外部接続端子である。
【0091】
図17の場合、電源端子91は、第1の電源端子の一例である。電源端子91は、正極201とスイッチ回路43との間でプラス側電源経路8(第1の経路の一例)に接続される。
【0092】
図17の場合、グランド端子92は、第2の電源端子の一例である。グランド端子92は、図示のように、負極202と端子BS−との間の経路(第2の経路の一例)に接続されている。
【0093】
監視端子97は、端子P+の電位を監視する監視端子の一例であり、端子P+とスイッチ回路43との間でプラス側電源経路8に接続される。監視端子97は、抵抗10を介して端子P+に接続される。監視端子97は、監視端子VPと呼ばれることがある。
【0094】
センス端子98は、充電IC130のプラス側モニタ端子に接続される端子BS+に接続される。
【0095】
保護IC122は、内部配線86と、内部スイッチ80とを備える。内部配線86は、電源端子91とセンス端子98との間に接続される。内部配線86は、電源端子91に接続される一端と、センス端子98に接続される他端とを有する。内部スイッチ80は、内部配線86に直列に挿入されている。内部スイッチ80は、MOSトランジスタ等のスイッチ素子である。
【0096】
したがって、保護IC122が内部スイッチ80をオンにすることにより、端子BS+は、電源端子91を介して二次電池200の正極201に接続される。したがって、上述の実施形態と同様に、充電IC130は、端子BS+と端子BS−との間の端子電圧Vbatをモニタすることによって、二次電池200の電池電圧Vcellを正確に検出できる。
【0097】
また、保護IC120は、上述の実施形態と同様に、第1の電圧異常検出回路70と、第2の電圧異常検出回路73とを備える。第1の電圧異常検出回路70は、センス端子の電圧異常検出回路の一例であり、電源電圧VDDよりも高い異常電圧が端子BS+に発生したことを検出する。第2の電圧異常検出回路73は、センス端子の電圧異常検出回路の一例であり、電源電圧VDDよりも低い異常電圧が端子BS+に発生したことを検出する。スイッチ制御回路83は、上述の実施形態と同様に、第1の電圧異常検出回路70又は第2の電圧異常検出回路73の検出結果に基づいて、内部スイッチ80を制御する。
【0098】
<第5の実施形態>
図18は、第5の実施形態に係る電池保護装置の構成の一例を示す図である。第5の実施形態の構成及び効果のうち上述の実施形態と同様のものについては、上述の説明を援用することで、省略又は簡略する。
図18に示される電池保護装置105は、二次電池200を保護する電池保護装置の一例である。
【0099】
図17のスイッチ回路43のトランジスタは、Pチャネル型であるが、
図18に示されるスイッチ回路33内のトランジスタは、Nチャネル型である。
【0100】
スイッチ回路33は、例えば、充電制御トランジスタ31と放電制御トランジスタ32とが直列に接続された直列回路である。保護IC123は、Nチャネル型の充電制御トランジスタ31のゲートを制御するため、充電制御回路82からの充電制御信号を昇圧する昇圧回路182を備える。保護IC123は、Nチャネル型の放電制御トランジスタ32のゲートを制御するため、放電制御回路81からの放電制御信号を昇圧する昇圧回路181を備える。昇圧回路182は、例えば、キャパシタとスイッチとを組み合わせることによって電圧を上昇させるチャージポンプ回路である。
【0101】
<第6の実施形態>
図19は、第6の実施形態に係る充電制御回路の構成の一例を示す図である。第6の実施形態の構成及び効果のうち上述の実施形態と同様のものについては、上述の説明を援用することで、省略又は簡略する。
【0102】
上述の実施形態では、所定の異常を検出する異常検出回路と、所定の異常が検出された場合にオフに制御されるスイッチとが、二次電池保護集積回路の内部に配置されている。しかしながら、そのような異常検出回路及びスイッチは、二次電池保護集積回路の外部に配置されていてもよい。
図19に示される第6の実施形態では、そのような異常検出回路及びスイッチが、二次電池保護集積回路を内蔵する電池パックの外部に配置されている。
【0103】
図19に示される充電制御回路171は、保護状態検出回路161と、トランジスタ180とを備える。保護状態検出回路161は、所定の異常を検出する異常検出回路の一例である。トランジスタ180は、所定の異常が検出された場合にオフに制御されるスイッチの一例である。
【0104】
充電制御回路171は、電池パック151に内蔵された二次電池200の充電を二次電池200の電極の電位(例えば、電池電圧)に基づいて電池パック151の外部から制御する充電制御回路の一例である。充電制御回路171は、上述の実施形態と同様に、二次電池200の充電方法を端子電圧Vbatに基づいて切り替える充電IC130を備える。充電IC130は、二次電池200の充電を制御する充電制御ブロックの一例である。
【0105】
電池パック151は、二次電池200と、スイッチ回路13、保護IC124及び複数の端子BS+,P+,P−,BS−とを備える。
【0106】
電池パック151の内部回路は、端子BS+,P+,P−,BS−を介して、電池パック151の外部回路に接続される。端子BS+,P+,P−,BS−は、それぞれ、電池パック151の表面に露出する。端子BS−は、第1の電位出力端子の一例である。端子BS+は、第2の電位出力端子の一例である。端子P−は、第1のパワー端子の一例である。端子P+は、第2のパワー端子の一例である。
【0107】
端子BS+は、二次電池200の正極201の電位を電池パック151の外部からモニタできるように正極201に接続されている。端子BS+は、正極201の電位を電池パック151の外部に出力する電位出力端子の一例である。端子BS−は、二次電池200の負極202の電位を電池パック151の外部からモニタできるように負極202に接続されている。端子BS−は、スイッチ回路13を経由せずに、負極202の電位を電池パック151の外部に出力する電位出力端子の一例である。端子P+は、プラス側電源経路8を介して、正極201に接続されている。端子P−は、マイナス側電源経路7に直列に挿入されたスイッチ回路13を介して、負極202に接続されている。
【0108】
充電IC130は、プラス側モニタ端子BS+aと、マイナス側モニタ端子BS−aと、電源端子VDDaと、グランド端子VSSaと、ダイオード132,133と、モニタ回路131とを備える。充電IC130は、電圧検出回路の一例であり、端子電圧Vbatをモニタすることによって、二次電池200の電池電圧Vcellを検出する。
【0109】
プラス側モニタ端子BS+aは、電池パック151の端子BS+に接続される。マイナス側モニタ端子BS−aは、トランジスタ180を介して、電池パック151の端子BS−に接続される。電源端子VDDaは、負荷140の一端及び電池パック151の端子P+に接続される。グランド端子VSSaは、負荷140の他端及び電池パック151の端子P−に接続される。グランド端子VSSaは、スイッチ回路13を介して、負極202に接続される。
【0110】
ダイオード132は、マイナス側モニタ端子BS−aとモニタ回路131との間と、グランド端子VSSaとの間に介在する。ダイオード132は、例えば、寄生ダイオードである。ダイオード132は、マイナス側モニタ端子BS−aとモニタ回路131との間のモニタ入力部に接続されるカソードと、グランド端子VSSaに接続されるアノードとを有する。
【0111】
ダイオード133は、マイナス側モニタ端子BS−aとモニタ回路131との間と、電源端子VDDaとの間に介在する。ダイオード133は、例えば、寄生ダイオードである。ダイオード133は、マイナス側モニタ端子BS−aとモニタ回路131との間のモニタ入力部に接続されるアノードと、電源端子VDDaに接続されるカソードとを有する。
【0112】
モニタ回路131は、二次電池200の電極の電位をモニタするモニタ部の一例である。モニタ回路131は、プラス側モニタ端子BS+aの電位とマイナス側モニタ端子BS−aの電位とをモニタすることによって、端子BS+と端子BS−との間の端子電圧Vbatをモニタする。モニタ回路131は、端子電圧Vbatをモニタすることによって、二次電池200の電池電圧Vcellを検出する。
【0113】
トランジスタ180は、負極202とモニタ回路131との間に介在し、負極202とモニタ回路131とを結ぶ経路に直列に挿入されるスイッチの一例である。トランジスタ180は、例えば、端子P+を介して正極201に接続されるゲートと、端子BS−を介して負極202に接続されるドレインと、端子BS−aを介してモニタ回路131に接続されるソースとを有するPチャネル型のMOSFETである。トランジスタ180は、端子BS−とモニタ回路131との間に介在する。トランジスタ180のゲートは、端子P+と電源端子VDDaとに接続される。
【0114】
保護状態検出回路161は、保護状態検出部の一例であり、所定の異常を検出した保護IC124が二次電池200を保護している状態(二次電池200の保護状態)が検出された場合、トランジスタ180をオフにする。
【0115】
保護状態検出回路161は、例えば、端子P+に接続される端子VDDbと、端子BS−に接続される端子VSSbと、端子BS−aに接続される端子BS−bとを有する回路基板163を備える。回路基板163は、トランジスタ180のゲートを端子VDDbに接続する配線164と、トランジスタ180のドレインを端子VSSbに接続する配線165と、トランジスタ180のソースを端子BS−bに接続する配線166とを有する。
【0116】
保護IC124は、二次電池保護集積回路の一例であり、スイッチ回路13を制御することによって二次電池200を保護する。保護IC124は、上述の実施形態と同様に、充電制御トランジスタ11をオフにすることによって、二次電池200を充電異常(例えば、過充電、充電方向の過電流(充電過電流)など)から保護する。一方、保護IC124は、放電制御トランジスタ12をオフすることによって、二次電池200を放電異常(例えば、過放電、放電方向の過電流(放電過電流)など)から保護する。
【0117】
保護IC124は、上述の実施形態と同様に、二次電池200の過放電(所定の異常の一例)を検出する。保護IC124は、二次電池200の過放電が検出された場合、放電制御トランジスタ12をオフにするとともに、保護IC124内の少なくとも一つのスイッチをオンにすることで監視端子VMと電源端子VDDとを保護IC124内で接続する。監視端子VMと電源端子VDDとが保護IC124内で接続されることで、端子P−は、電源端子VDDにプルアップされる。これにより、電池パック151は、保護IC124が二次電池200を過放電から保護している状態となる。
【0118】
端子P−が電源端子VDDにプルアップされることで、端子P+と端子P−との電位差が小さくなるので、VDDb端子とBS−b端子との電位差(トランジスタ180のゲート−ソース間の電圧)も小さくなる。したがって、トランジスタ180のゲート−ソース間の電圧がトランジスタ180の閾値電圧Vthよりも低下した場合、保護状態検出回路161は、保護IC124が二次電池200を過放電から保護している状態と検出できる。
【0119】
トランジスタ180のゲート−ソース間の電圧がトランジスタ180の閾値電圧Vthよりも低下した場合、トランジスタ180はオフとなるので、図示の矢印で示す電流経路を遮断することができる。図示の矢印で示す電流経路は、端子P+、負荷140、端子VSSa、ダイオード132、端子BS−a、トランジスタ180、端子BS−の順に放電電流が流れる経路を表す。したがって、トランジスタ180がオフになることによって、二次電池200が過放電から保護されている状態で二次電池200から放電電流が更に流れることを防止することができる。
【0120】
<第7の実施形態>
図20は、第7の実施形態に係る電池パックの構成の一例を示す図である。第7の実施形態の構成及び効果のうち上述の実施形態と同様のものについては、上述の説明を援用することで、省略又は簡略する。
【0121】
図19に示される第6の実施形態では、保護状態検出回路161は、電池パックの外部に配置されている。これに対し、
図20に示される第7の実施形態では、保護状態検出回路161は、電池パック152の内部に配置されている。第7の実施形態でも、第6の実施形態と同様に、トランジスタ180がオフになることによって、二次電池200が過放電から保護されている状態で二次電池200から放電電流が更に流れることを防止することができる。
【0122】
<第8の実施形態>
図21は、第8の実施形態に係る充電制御回路の構成の一例を示す図である。第8の実施形態の構成及び効果のうち上述の実施形態と同様のものについては、上述の説明を援用することで、省略又は簡略する。
【0123】
図21は、充電異常と放電異常とのいずれか一方が検出された場合、スイッチ180がオフとなる実施形態を示す。
【0124】
スイッチ180は、電池パック151と充電IC130との間に設置される。具体的には、スイッチ180は、電池パック151の端子BS−と充電IC130の端子BS−aとの間に設置される。保護状態検出回路162は、電池パック151内の保護IC124が充電異常を検出して充電制御トランジスタ11をオフにした場合、又は、放電異常を検出して放電制御トランジスタ12をオフにした場合、スイッチ180をオフにする。保護状態検出回路162は、保護状態検出部の一例である。
【0125】
保護IC124が充電異常を検出して充電制御トランジスタ11をオフにした場合、電池パック151は、保護IC124が二次電池200を充電異常から保護している状態となる。一方、保護IC124が放電異常を検出して放電制御トランジスタ12をオフにした場合、電池パック151は、保護IC124が二次電池200を放電異常から保護している状態となる。
【0126】
保護状態検出回路162は、端子BS−と端子P−との電位差を検出することで、保護IC124が充電制御トランジスタ11又は放電制御トランジスタ12をオフにしたことを検出する。
【0127】
・保護IC124が放電制御トランジスタ12も充電制御トランジスタ11もオンにした場合、端子P−と端子BS−とは、互いに略同一の電位である。
【0128】
・保護IC124が放電制御トランジスタ12をオフにした場合、保護IC124は保護IC124内の少なくとも一つのスイッチをオンにすることで端子P−を電源端子VDDにプルアップするので、端子P−の電位は、端子BS−の電位よりも上昇する。
【0129】
・保護IC124が充電制御トランジスタ11をオフにした場合、端子P+と端子P−との間が無負荷のとき又は負荷が接続されているときには、端子P−の電位は、充電制御トランジスタ11のダイオードの順方向電圧によって、端子BS−の電位よりも上昇する。
【0130】
・保護IC124が充電制御トランジスタ11をオフにした場合、端子P+と端子P−との間に充電電圧が印加されているときには、端子P−の電位は、充電制御トランジスタ11のオフにより、端子BS−の電位よりも低下する。
【0131】
これらの点を利用して、保護状態検出回路162は、端子BS−と端子P−との電位差を検出する電位差検出回路270,273と、その電位差の検出結果に基づいてスイッチ180をオフにするスイッチ制御回路183とを有する。これにより、保護IC124による二次電池200の保護動作と連動して、保護状態検出回路162内のスイッチ180をオフにすることができる。
【0132】
第1の電位差検出回路270は、端子BS−と端子P−との電位差を検出する電位差検出回路の一例であり、正の電位差の発生を検出する。第1の電位差検出回路270は、例えば、正の閾値電圧272(例えば、0.1V)と端子BS−と端子P−との電位差とを比較するコンパレータ271を備え、その比較結果をスイッチ制御回路183に出力する。
【0133】
第2の電位差検出回路273は、端子BS−と端子P−との電位差を検出する電位差検出回路の一例であり、負の電位差の発生を検出する。第2の電位差検出回路273は、例えば、負の閾値電圧275(例えば、−0.1V)と端子BS−と端子P−との電位差とを比較するコンパレータ274を備え、その比較結果をスイッチ制御回路183に出力する。
【0134】
スイッチ制御回路183は、端子BS−と端子P−との電位差が正の閾値電圧272に対して上昇することが第1の電位差検出回路270により検出された場合、スイッチ180をオフにする。スイッチ制御回路183は、端子BS−と端子P−との電位差が負の閾値電圧275に対して低下することが第2の電位差検出回路273により検出された場合、スイッチ180をオフにする。これにより、端子BS−と端子P−との電位差に異常電圧が発生した場合(つまり、放電異常又は充電異常が検出された場合)、スイッチ180を通る電流パスを遮断することができる。
【0135】
<第9の実施形態>
図22は、第9の実施形態に係る電池パックの構成の一例を示す図である。第9の実施形態の構成及び効果のうち上述の実施形態と同様のものについては、上述の説明を援用することで、省略又は簡略する。
【0136】
図21に示される第8の実施形態では、保護状態検出回路162は、電池パックの外部に配置されている。これに対し、
図22に示される第9の実施形態では、保護状態検出回路162は、電池パック153の内部に配置されている。第9の実施形態でも、第8の実施形態と同様に、トランジスタ180がオフになることによって、二次電池200が充電異常又は放電異常から保護されている状態で充電電流又は放電電流が更に流れることを防止することができる。
【0137】
<第10の実施形態>
図23は、第10の実施形態に係る充電制御回路の構成の一例を示す図である。第10の実施形態の構成及び効果のうち上述の実施形態と同様のものについては、上述の説明を援用することで、省略又は簡略する。
【0138】
図23は、二次電池の電極の電位をモニタ可能にするモニタ可能端子を備えた二次電池保護集積回路(例えば、
図7,8に示された保護IC120)を、充電制御トランジスタと放電制御トランジスタとを接続せずに使用する実施形態を示す。
図23に示される充電制御回路173は、電池パック151と充電IC130との間に配置された保護IC120を備える。
図23に示されるような構成でも、上述の実施形態と同様に、内部スイッチ80がオフになることによって、内部スイッチ80を経由する電流パスを遮断することができる。
【0139】
<第11の実施形態>
図24は、第11の実施形態に係る電池パックの構成の一例を示す図である。第11の実施形態の構成及び効果のうち上述の実施形態と同様のものについては、上述の説明を援用することで、省略又は簡略する。
【0140】
図23に示される第10の実施形態では、保護IC120は、電池パックの外部に配置されている。これに対し、
図24に示される第11の実施形態では、保護IC120は、電池パック154の内部に配置されている。第11の実施形態でも、第10の実施形態と同様に、内部スイッチ80がオフになることによって、内部スイッチ80を経由する電流パスを遮断することができる。
【0141】
以上、充電制御回路及び電池パックを実施形態により説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
【0142】
例えば
図7,15,16,19〜24において、充電IC130は、端子BS+と端子BS−との間の端子電圧Vbatをモニタするのではなく、端子P+と端子BS−との間の端子電圧Vbatをモニタすることにより、電池電圧Vcellを検出するものでもよい。この場合、端子BS−は、第1のモニタ可能端子の一例であり、端子P+は、第2のモニタ可能端子の一例である。この場合でも、端子P+及び端子P+に接続される電流経路を充放電電流が流れることによる電圧降下が若干発生するものの、電池電圧Vcellを正確に検出することができる。
【0143】
同様に、例えば
図17,18において、充電IC130は、端子BS+と端子BS−との間の端子電圧Vbatをモニタするのではなく、端子P−と端子BS+との間の端子電圧Vbatをモニタすることにより、電池電圧Vcellを検出するものでもよい。この場合、端子BS+は、第1のモニタ可能端子の一例であり、端子P−は、第2のモニタ可能端子の一例である。この場合でも、端子P−及び端子P−に接続される電流経路を充放電電流が流れることによる電圧降下が若干発生するものの、電池電圧Vcellを正確に検出することができる。
【0144】
また、例えば、充電制御トランジスタと放電制御トランジスタの配置位置は、図示の位置に対して互いに置換されてもよい。また、スイッチ回路は、保護ICに内蔵されてもよい。また、充電IC130は、基板110に実装されていてもよい。
【解決手段】電池パックに内蔵された二次電池の充電を前記二次電池の電極の電位に基づいて電池パックの外部から制御する充電制御回路。電池パックは、二次電池の一方の電極に接続される経路に直列に挿入されたスイッチ回路を制御することによって二次電池を保護する二次電池保護集積回路を内蔵し、充電制御回路は、一方の電極の電位と二次電池の他方の電極の電位とをモニタするモニタ部と、一方の電極に前記スイッチ回路を介して接続される一方の電源端子と、他方の電極に接続される他方の電源端子とを有する電圧検出回路と、一方の電極と前記モニタ部との間に介在するスイッチと、前記スイッチと前記モニタ部との間と、一方の電源端子とに間に介在するダイオードと、二次電池保護集積回路が二次電池を保護している状態が検出された場合、前記スイッチをオフにする保護状態検出部とを備える。