(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量が、前記主鎖骨格を構成する繰り返し単位の35モル%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明について以下詳細に説明する。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートはアクリレートまたはメタクリレートを表し、(メタ)アクリロイルはアクリロイルまたはメタクリロイルを表し、(メタ)アクリルはアクリルまたはメタクリルを表す。
また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、特に断りのない限り、各成分はその成分に該当する物質をそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。成分が2種以上の物質を含む場合、成分の含有量は、2種以上の物質の合計の含有量を意味する。
【0009】
[光硬化性樹脂]
本発明の光硬化性樹脂(本発明の樹脂)は、
主鎖骨格が下記式(Ia)及び式(Ib)で表される繰り返し単位を有し、末端に(メタ)アクリロイル基及び非光反応性基を有し、
上記非光反応性基が、ヘテロ原子を有してもよい、飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記非光反応性基の端部に、ヒドロキシ基、アミノ基、−CH=NH、カルボキシ基又はメルカプト基は結合せず、
上記式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量が、上記主鎖骨格を構成する繰り返し単位の15モル%を超える量であり、
上記(メタ)アクリロイル基の含有量が、上記末端の5モル%以上であり、
上記非光反応性基の含有量が、上記末端の5モル%以上である、光硬化性樹脂である。
【化4】
式(Ia)又は式(Ib)中、破線と実線との二重線は単結合または二重結合を表す。
【0010】
本発明の樹脂はこのような構成をとるため、所望の効果が得られるものと考えられる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
本発明の樹脂は上記式(Ia)で表される繰り返し単位を多く含み、結晶性が高いため、例えば高温又は多湿などの外部の影響を受けにくいと考えられる。このため、上記式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量が所定の範囲によって耐久試験後でも高い接着性を維持することができると推察される。
また、本発明の樹脂は、末端に非光反応性基を有し、上記末端では光反応しないことによって、硬化後に得られる硬化物に柔軟性を付与することができると考えられる。また、本発明の樹脂は、非光反応性基の端部に、ヒドロキシ基、アミノ基、−CH=NH、カルボキシ基又はメルカプト基を結合せず、上記端部では反応しないことによって、硬化後に得られる硬化物に柔軟性を付与することができると考えられる。このような柔軟性によって、本発明の樹脂は接着性に優れると推察する。
以下、本発明の樹脂について詳述する。
【0011】
<主鎖骨格>
本発明の樹脂の主鎖骨格は、下記式(Ia)及び式(Ib)で表される繰り返し単位を有する。
【化5】
式(Ia)又は式(Ib)中、破線と実線との二重線は単結合または二重結合を表す。
【0012】
本発明において、式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量は、本発明の樹脂の主鎖骨格を構成する繰り返し単位の15モル%を超える量である。式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量は、接着性により優れ、耐候性に優れるという観点から、樹脂の主鎖骨格を構成する繰り返し単位の40モル%以下が好ましく、25〜35モル%がより好ましい。
本発明において、上記主鎖骨格のミクロ構造は、主鎖骨格の原料ポリマー(例えば、末端に官能基を有する(水添)ポリブタジエン)のミクロ構造が反映される。
主鎖骨格の原料ポリマー(未水添)(例えば、末端に官能基を有するポリブタジエン)のミクロ構造は、赤外吸収スペクトル分析によって算出できる。具体的には、ミクロ構造に由来するピーク位置(cis:740cm
-1、vinyl:910cm
-1、trans:967cm
-1)の吸収強度比から、主鎖骨格のミクロ構造を算出できる。
主鎖骨格の原料ポリマー(水素添加物)(例えば、末端に官能基を有する水添ポリブタジエン)のミクロ構造は、水素添加の原料として使用されたポリマー(例えば、末端に官能基を有するポリブタジエン)のミクロ構造と同じとできる。
【0013】
<末端>
本発明の樹脂は末端に(メタ)アクリロイル基及び非光反応性基を有し、
上記非光反応性基が、ヘテロ原子を有してもよい、飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
ただし、上記非光反応性基の端部に、ヒドロキシ基、アミノ基、−CH=NH、カルボキシ基又はメルカプト基は結合しない。
本発明において、非光反応性基は、光で反応しない基を意味する。
また、本発明において、光反応性基は、光で反応する基を意味する。光反応性基としては、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基のようなエチレン性不飽和結合を有する基が挙げられる。
なお、本発明において、上記末端は上記主鎖骨格又は本発明の樹脂の末端を意味する。また、上記末端には、上記式(Ib)におけるエチル基又はビニル基は含まれない。
本発明の樹脂は末端を複数有することができる。本発明の樹脂は末端を2つ有することが好ましい態様の1つとして挙げられる。
1つの末端に(メタ)アクリロイル基又は非光反応性基を有することが好ましい態様の1つとして挙げられる。
本発明において、非光反応性基の端部は、本発明の樹脂の末端と同義である。
【0014】
(メタ)アクリロイル基又は非光反応性基は、上記主鎖骨格の末端と直接又は有機基を介して結合することができる。
有機基は特に制限されない。有機基としては、例えば、ウレタン結合、エステル結合、炭化水素基が挙げられる。有機基は、ウレタン結合及びエステル結合からなる群から選ばれる少なくとも1種に結合する炭化水素基を有することが好ましい態様の1つとして挙げられる。
【0015】
炭化水素基は特に制限されない。炭化水素基は不飽和結合を有してもよい。炭化水素基は2価以上であってもよい。炭化水素基としては、例えば、飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基、これらの組合せが挙げられる。飽和炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
【0016】
<(メタ)アクリロイル基>
本発明の樹脂は(メタ)アクリロイル基を有することによって光硬化性(光反応性)を有する。
本発明において、(メタ)アクリロイル基は(メタ)アクリロイルオキシ基を含む。
【0017】
<非光反応性基>
本発明において、非光反応性基は、ヘテロ原子を有してもよい、飽和炭化水素基(直鎖状、分岐状又は環状を含む。)及び芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
ただし、非光反応性基の端部に、ヒドロキシ基、アミノ基、−CH=NH、カルボキシ基又はメルカプト基は結合しない。
非光反応性基の全体に、ヒドロキシ基、アミノ基、−CH=NH、カルボキシ基又はメルカプト基が結合しないとできる。
非光反応性基は、ヘテロ原子を有さない、飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1種であってもよい。この場合、上記非光反応性基は、無置換の、飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1種となる。
非光反応性基が、ヘテロ原子を有する、飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1種である場合、硬化後に得られる硬化物に更に柔軟性を付与することができる。
【0018】
ヘテロ原子は特に制限されない。例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子が挙げられる。
【0019】
非光反応性基が、ヘテロ原子を有する、飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1種である場合、上記飽和炭化水素基及び上記芳香族炭化水素基が有する任意の炭素原子(ただし、非光反応性基としての飽和炭化水素基の末端の炭素原子を除く。)を1個又は複数、上記ヘテロ原子に、置換できる。
非光反応性基が、ヘテロ原子を有する飽和炭化水素基を有し、上記飽和炭化水素基が有する任意の炭素原子(ただし、飽和炭化水素基の末端の炭素原子を除く。)を上記ヘテロ原子に置換した場合、上記非光反応性基において、上記ヘテロ原子よりも樹脂の末端側の端部(本発明の樹脂における、非光反応性基側の、末端)は、無置換の、アルキル基(直鎖状、分岐状、環状、又は、これらの組合せ)であることが好ましい。
【0020】
上記ヘテロ原子は、上記飽和炭化水素基又は上記芳香族炭化水素基を構成する少なくとも2個の炭素原子に結合することが好ましい態様の1つとして挙げられる。
上記ヘテロ原子は、上記飽和炭化水素基又は上記芳香族炭化水素基において、例えば、エーテル結合、第3級アミン結合(1個の窒素原子に3個の炭素原子が結合する)、チオエーテル結合、カルボニル結合、エステル結合、ウレタン結合を形成することができる。
【0021】
非光反応性基は、例えば、エーテル結合、第3級アミン結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、エステル結合及びウレタン結合からなる群から選ばれる少なくとも1種を有してもよい。
非光反応性基がヘテロ原子を有する場合、上記非光反応性基は、柔軟性が向上し接着性により優れ、耐候性に優れるという観点から、エーテル結合、第3級アミン結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、エステル結合及びウレタン結合からなる群から選ばれる少なくとも1種を有してもよい飽和炭化水素基が好ましく、エーテル結合を有してもよい飽和炭化水素基がより好ましい。
【0022】
飽和炭化水素基(飽和炭化水素基がヘテロ原子を有する場合、以下の「炭素数」はヘテロ原子と炭素数との合計数を意味する。)は、柔軟性が向上し接着性により優れ、耐候性に優れるという観点から、炭素数4以上が好ましい。飽和炭化水素基は、柔軟性が向上し接着性により優れ、耐候性に優れるという観点から、炭素数30以下が好ましく、炭素数4〜20がより好ましい。
飽和炭化水素基としては、例えば、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基が挙げられる。上記飽和炭化水素基は直鎖状、分岐状又は環状の何れであってもよい。上記の飽和炭化水素基において任意の炭素原子がヘテロ原子に置換されてもよい。
分岐状の飽和炭化水素基としては、例えば、エチルヘキシル基、イソステアリル基が挙げられる。上記の分岐状の飽和炭化水素基において任意の炭素原子がヘテロ原子に置換されてもよい。
ヘテロ原子を有する飽和炭化水素基としては、例えば、ブトキシエチル基、ブトキシプロピル基のような、アルコキシアルキル基;エトキシエトキシエチル基のような、末端がアルキル基で封鎖された、ポリオキシアルキレン基が挙げられる。
【0023】
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
【0024】
飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基の組合せとしては、例えば、トリル基が挙げられる。上記の組合せにおいて任意の炭素原子がヘテロ原子に置換されてもよい。
ヘテロ原子を有する、飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基の組合せとしては、例えば、メトキシフェニル基のようなアルコキシフェニル基;2−フェノキシエチル基のような、芳香族炭化水素基で封鎖されたオキシアルキレン基;2−(2−フェノキシエトキシ)エチル基のような、芳香族炭化水素基で封鎖されたポリオキシアルキレン基が挙げられる。
非光反応性基が炭素数4以上の飽和炭化水素によって構成される場合、柔軟性が向上し、接着性により優れると考えられる。
【0025】
上記非光反応性基は、単官能アルコール(1つのヒドロキシ基を有する脂肪族炭化水素化合物(飽和炭化水素化合物))、
1つのヒドロキシ基を有し、且つ、ヘテロ原子(上記1つのヒドロキシ基を構成する酸素原子以外。以下同様)を有する、飽和炭化水素化合物、及び、
1つのヒドロキシ基を有し、且つ、ヘテロ原子(上記1つのヒドロキシ基を構成する酸素原子以外。以下同様)を有してもよい、芳香族炭化水素化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のヒドロキシ化合物によって形成することができる。
ただし、上記飽和炭化水素化合物又は上記芳香族炭化水素化合物の端部(上記端部は、上記単官能アルコール、上記飽和炭化水素化合物又は上記芳香族炭化水素化合物における、1つのヒドロキシ基とは、別の端部である。)において、上記ヘテロ原子は、ヒドロキシ基、アミノ基、−CH=NH、カルボキシ基又はメルカプト基を形成しない。
また、上記単官能アルコール、上記飽和炭化水素化合物又は上記芳香族炭化水素化合物が有する1つのヒドロキシ基は、上記主鎖骨格と非光反応性基とを結合させるために消費されるので、上記1つのヒドロキシ基に由来するヒドロキシ基を、本発明の樹脂は有さない。また、上記1つのヒドロキシ基に由来するヒドロキシ基は、非光反応性基の端部に結合するヒドロキシ基とはならない。
上記ヒドロキシ化合物の沸点は、100℃以上であることが好ましく、100〜350℃がより好ましく、100〜250℃が更に好ましい。
【0026】
非光反応性基が沸点100℃以上のヒドロキシ化合物によって形成される場合、本発明の樹脂を製造する際、上記ヒドロキシ化合物が揮発しにくく、ヒドロキシ化合物がイソシアネート基と十分反応でき、残存イソシアネートを少なくすることができるため、変色しにくく、耐候性に優れると考えられる。
【0027】
また、非光反応性基は、沸点100℃以上の単官能アルコールによって形成されることが好ましい態様の1つとして挙げられる。
非光反応性基が沸点100℃以上の単官能アルコールによって形成される場合、本発明の樹脂を製造する際、単官能アルコールが揮発しにくく、単官能アルコールがイソシアネート基と十分反応でき、残存イソシアネートを少なくすることができるため、変色しにくく、耐候性に優れると考えられる。
【0028】
単官能アルコールはヒドロキシ基を1個有する脂肪族炭化水素化合物(飽和炭化水素化合物)である。上記単官能アルコールが有する脂肪族炭化水素基は、非光反応性基が有してもよい飽和炭化水素基と同義である。
上記単官能アルコールの沸点は、100〜350℃が好ましく、100〜250℃がより好ましい。
沸点100℃以上の単官能アルコールとしては、例えば、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、エチルヘキサノール、デカノールが挙げられる。
【0029】
1つのヒドロキシ基を有し、且つ、ヘテロ原子を有する、飽和炭化水素化合物において、上記飽和炭化水素化合物が有するヘテロ原子は、上記非光反応性基が有してもよいヘテロ原子と同義である。上記飽和炭化水素化合物が有する飽和炭化水素基は、上記非光反応性基が有してもよい飽和炭化水素基と同義である。
沸点が100℃以上であり、1つのヒドロキシ基を有し、且つ、ヘテロ原子を有する、飽和炭化水素化合物としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ブトキシプロパノールのような、アルコキレングリコールモノアルキルエーテル;ジエチレングリコールモノエチルエーテルのような、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルが挙げられる。
【0030】
1つのヒドロキシ基を有し、且つ、ヘテロ原子を有してもよい、芳香族炭化水素化合物において、上記芳香族炭化水素化合物が有してもよいヘテロ原子は、上記非光反応性基が有してもよいヘテロ原子と同義である。上記芳香族炭化水素化合物が有する芳香族炭化水素基は、上記非光反応性基が有してもよい芳香族炭化水素基と同義である。
【0031】
本発明において、(メタ)アクリロイル基の含有量は、末端の5モル%以上である。
なお、本発明において、上記末端は、本発明の樹脂1分子が有する末端の全量、又は、本発明の樹脂全体における末端の全量を意味する(以下同様)。
(メタ)アクリロイル基の含有量は、接着性により優れ、耐候性に優れるという観点から、末端の10〜95モル%が好ましく、40〜90モル%がより好ましい。
本発明において、主鎖骨格の末端(又は本発明の樹脂の末端)に対する上記(メタ)アクリロイル基の含有量は、主鎖骨格の末端に対する(メタ)アクリロイル基を導入するために使用された化合物のモル比、又は、(メタ)アクリロイル基を導入するために使用された化合物及び非光反応性基を導入するために使用された化合物の合計量に対する(メタ)アクリロイル基を導入するための化合物のモル比とできる。
【0032】
本発明において、非光反応性基の含有量は、末端の5モル%以上である。
非光反応性基の含有量は、接着性により優れ、耐候性に優れるという観点から、末端の5〜90モル%が好ましく、10〜60モル%がより好ましい。
本発明において、主鎖骨格の末端(又は本発明の樹脂の末端)に対する上記非光反応性基の含有量は、主鎖骨格の末端に対する非光反応性基を導入するために使用された化合物のモル比、又は、(メタ)アクリロイル基を導入するために使用された化合物及び非光反応性基を導入するために使用された化合物の合計量に対する非光反応性基を導入するために使用された化合物のモル比とできる。
【0033】
本発明の樹脂としては、例えば、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
【化6】
式(1)において、R
1はそれぞれ独立に主鎖骨格を表し、
R
2はそれぞれ独立に有機基を表し、
R
3は(メタ)アクリロイル基を有する有機基を表し、
R
4は、
無置換の、飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基、並びに、ヘテロ原子を有する、飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、
上記ヘテロ原子が、エーテル結合、第3級アミン結合、チオエーテル結合、カルボニル結合及びエステル結合からなる群から選ばれる少なくとも1種を形成し、
R4の端部に、ヒドロキシ基、アミノ基、−CH=NH、カルボキシ基又はメルカプト基は結合せず、
mは1〜9であり、nは1〜9であり、kは0又は1〜10である。
【0034】
主鎖骨格、有機基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイル基に結合する有機基、
飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基は、それぞれ上記と同様である。
【0035】
本発明の樹脂はその製造方法について特に制限されない。例えば、主鎖骨格が上記式(Ia)及び式(Ib)で表される繰り返し単位を有し、末端に官能基(例えばヒドロキシ基)を有し、式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量が主鎖骨格を構成する繰り返し単位の15モル%を超える量の、官能基末端ポリブタジエン又は官能基末端水添ポリブタジエン(例えば水酸基末端ポリブタジエン又は水酸基末端水添ポリブタジエン)に対し、ポリイソシアネートを混合し反応させて、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得、上記ウレタンプレポリマーにヒドロキシ基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物並びに上記ヒドロキシ化合物(例えば単官能アルコール)を添加して、これらを反応させることによって光硬化性樹脂を製造することができる。
【0036】
さらに、上記と別の製造方法として、例えば主鎖骨格が上記式(Ia)及び式(Ib)で表される繰り返し単位を有し、末端に官能基(例えばヒドロキシ基)を有し、式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量が主鎖骨格を構成する繰り返し単位の15モル%を超える量の、官能基末端ポリブタジエン又は官能基末端水添ポリブタジエン(例えば水酸基末端ポリブタジエン又は水酸基末端水添ポリブタジエン)に対し、ポリイソシアネートを混合し反応させて、末端に水酸基を有するウレタンポリマーを得、事前にポリイソシアネートとヒドロキシ基及び(メタ)アクリレートを有する化合物並びに上記ヒドロキシ化合物(例えば単官能アルコール)とを反応させた化合物(反応の際のNCO/OH(モル比)は2/1が好ましい。)を上記ウレタンポリマーに添加し、これらを反応させることによって光硬化性樹脂を製造することができる。
上記ウレタンプレポリマーに、例えば、ポリイソシアネートとヒドロキシ基及び(メタ)アクリレートを有する化合物とを反応させた化合物(反応の際のNCO/OH(モル比)は2/1が好ましい。)、並びに、ポリイソシアネートと上記ヒドロキシ化合物(例えば単官能アルコール)とを反応させた化合物(反応の際のNCO/OH(モル比)は2/1が好ましい。)を添加できる。
【0037】
本発明の樹脂を製造する際に使用される各原料は上記の規定以外は特に制限されない。本発明の樹脂の構造に応じて適宜選択することができる。上記原料の使用量は、目的の化合物が得られるように適宜選択できる。
なお、本発明の樹脂は、(メタ)アクリロイル基又は非光反応性基の含有量が異なる樹脂を含んでもよい。
【0038】
上記2つの製造方法において使用される、官能基末端ポリブタジエン又は官能基末端水添ポリブタジエンが有する官能基としては、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、メルカプト基等が挙げられる。
また、上記官能基末端ポリブタジエン又は官能基末端水添ポリブタジエンは、少なくとも2つの末端にそれぞれ官能基を有することが好ましい態様の1つとして挙げられる。上記官能基は同じ種類であってもよく、異なる種類であってもよい。
【0039】
また、本発明の樹脂の製造方法において使用される、ポリイソシアネートは、イソシアネート基を複数有する化合物であれば特に制限されない。例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートのような芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H
6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H
12MDI)のような、脂肪族ポリイソシアネート(脂環式ポリイソシアネートを含む);これらのカルボジイミド変性ポリイソシアネート;これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネートが挙げられる。
【0040】
本発明の樹脂を製造する際に使用されるヒドロキシ化合物は、上記非光反応性基を形成できるヒドロキシ化合物と同様である。
本発明の樹脂の製造方法において使用される、ヒドロキシ基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、1つのヒドロキシ基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物が挙げられる。上記ヒドロキシ基及び(メタ)アクリロイル基は有機基に結合することができる。有機基は特に制限されない。上記化合物としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートのような、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0041】
[混合物]
本発明の混合物は、
本発明の光硬化性樹脂と、
主鎖骨格が下記式(IIa)及び式(IIb)で表される繰り返し単位を有し、末端に(メタ)アクリロイル基及び非光反応性基を有し、
上記非光反応性基が、ヘテロ原子を有してもよい、飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
上記非光反応性基の端部に、ヒドロキシ基、アミノ基、−CH=NH、カルボキシ基又はメルカプト基は結合せず、
上記式(IIa)で表される繰り返し単位の含有量が、上記主鎖骨格を構成する繰り返し単位の15モル%以下であり、
上記(メタ)アクリロイル基の含有量が、上記末端の5モル%以上であり、
上記非光反応性基の含有量が、上記末端の5モル%以上である光硬化性樹脂Bとを含有する、混合物である。
【化7】
式(IIa)又は式(IIb)中、破線と実線との二重線は単結合または二重結合を表す。
【0042】
<光硬化性樹脂A>
本発明の混合物に含有される光硬化性樹脂は本発明の光硬化性樹脂であれば特に制限されない。
なお、本明細書において、本発明の光硬化性樹脂を光硬化性樹脂Aとも称する。
【0043】
<光硬化性樹脂B>
本発明の混合物に含有される光硬化性樹脂Bは、式(IIa)で表される繰り返し単位の含有量が主鎖骨格を構成する繰り返し単位の15モル%以下であること以外、光硬化性樹脂Aと同様することができる。なお、式(IIa)の構造は上記式(Ia)と同じであり、式(IIb)の構造は上記式(Ib)と同じである。
【0044】
式(IIa)で表される繰り返し単位の含有量は、接着性により優れ、耐候性に優れるという観点から、主鎖骨格を構成する繰り返し単位の15モル%以下が好ましく、1〜15モル%がより好ましい。
式(IIb)で表される繰り返し単位の含有量は、接着性により優れ、耐候性に優れるという観点から、主鎖骨格を構成する繰り返し単位の85モル%以上が好ましく、85〜99モル%がより好ましい。
【0045】
光硬化性樹脂Bの含有量は、接着性により優れ、耐候性に優れるという観点から、光硬化性樹脂Aの含有量に対して、30質量%以下が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
【0046】
本発明の混合物はその製造方法について特に制限されない。例えば、本発明の樹脂の製造方法において、上記官能基末端ポリブタジエン又は官能基末端水添ポリブタジエン(例えば、水酸基末端ポリブタジエン又は水酸基末端水添ポリブタジエン)に加えて、更に、主鎖骨格が上記式(Ia)(=式(IIa))及び式(Ib)(=式(IIb))で表される繰り返し単位を有し、末端に例えばヒドロキシ基のような官能基を有し、式(Ia)(=式(IIa))で表される繰り返し単位の含有量が主鎖骨格を構成する繰り返し単位の15モル%以下の、官能基末端ポリブタジエン又は官能基末端水添ポリブタジエン(例えば、水酸基末端ポリブタジエン又は水酸基末端水添ポリブタジエン)を使用する以外は、本発明の樹脂の製造方法と同様にして、本発明の混合物を製造することができる。
【0047】
[光硬化性樹脂組成物]
本発明の光硬化性樹脂組成物(本発明の組成物)は、本発明の光硬化性樹脂と、単官能(メタ)アクリレートと、光重合開始剤と、可塑剤とを含む、光硬化性樹脂組成物である。
【0048】
<光硬化性樹脂>
本発明の組成物に含有される光硬化性樹脂は本発明の光硬化性樹脂(光硬化性樹脂A)であれば特に制限されない。
【0049】
<単官能(メタ)アクリレート>
本発明の組成物に含有される単官能(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイルオキシ基を1個有する化合物であれば特に制限されない。(メタ)アクリロイルオキシ基は有機基に結合することができる。有機基は特に制限されない。
【0050】
単官能(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0051】
単官能(メタ)アクリレートは、接着性により優れ、耐候性に優れる理由から、不飽和結合を有してもよい、脂環式炭化水素基及び鎖状炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する化合物が好ましく、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート及びイソデシル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
【0052】
単官能(メタ)アクリレートの含有量は、光硬化性樹脂A100質量部又は本発明の組成物が更に光硬化性樹脂Bを含有する場合光硬化性樹脂A及び光硬化性樹脂Bの合計100質量部(以下これらをまとめて光硬化性樹脂A等100質量部とも称する。)に対して、5〜50質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。
【0053】
<光重合開始剤>
上記光重合開始剤としては、例えば、アルキルフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物のようなカルボニル化合物、硫黄化合物、アゾ化合物、パーオキサイド化合物、ホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。
より具体的には、例えば、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4′−ビス(ジメチルアミノベンゾフェノン)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどの硫黄化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロなどのアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物:等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0054】
これらのうち、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンが好ましい。
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの市販品としては、例えば、イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)が挙げられる。
【0055】
光重合開始剤の含有量は、上記光硬化性樹脂A等100質量部に対して1〜10質量部が好ましく、2〜8質量部がより好ましい。
【0056】
<可塑剤>
本発明の組成物に含有される可塑剤は特に制限されない。例えば、室温で液状であるものが好ましい態様の1つとして挙げられる。
具体的な化合物として例えば、ポリエチレングリコール ジ2−エチルヘキサエートのようなポリオキシアルキレンポリオールのエステル;ポリエチレンワックスのようなポリオレフィンが挙げられる。
可塑剤の含有量は、上記光硬化性樹脂A等100質量部に対して、5〜100質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。
【0057】
(光硬化性樹脂B)
本発明の組成物は更に、光硬化性樹脂Bを含むことができる。
本発明の組成物が更に含むことができる光硬化性樹脂Bは、本発明の混合物に含有される光硬化性樹脂Bと同様である。
【0058】
(添加剤)
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で添加剤を更に含有することができる。添加剤としては、例えば、光硬化性樹脂A及びB以外のポリマー、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、艶消し剤、光安定剤(例えば、ヒンダードアミン系化合物等)、染料、顔料等が挙げられる。
【0059】
(製造方法)
本発明の組成物はその製造方法について特に限定されない。例えば、上記の各必須成分と任意成分とを、減圧下で混合ミキサー等のかくはん機を用いて混合する方法等によって本発明の組成物を製造することができる。
【0060】
本発明の組成物は、例えば、光によって硬化することができる。本発明の組成物に照射する光は特に制限されない。例えば、紫外線が挙げられる。
本発明の組成物に光を照射する際、光の波長は200〜400nmとすることができる。また光量は100〜300mW/cm
2、積算光量は1000〜3000mJ/cm
2とすることができる。
光を照射するために使用する装置は特に制限されない。
本発明の組成物を硬化させる際の温度条件は特に制限されない。例えば、0〜150℃とすることができる。
【0061】
本発明の組成物は例えば、接着剤、コーティング材として使用することができる。
本発明の組成物を適用することができる基材(被着体)は特に制限されない。例えば、ガラス、プラスチック、ゴム、金属が挙げられる。
本発明の組成物を具体的には例えば光学用透明樹脂(OCR:Optical Clear Resin)とすることができる。OCRは例えば、タッチパネルのカバーガラス、透明導電部材、液晶モジュールなどを貼り合せることができる。
【実施例】
【0062】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし本発明はこれらに限定されない。
<本発明の樹脂の製造>
(光硬化性樹脂A−1)
水酸基末端水添ポリブタジエン1(主鎖骨格が上記式(Ia)及び式(Ib)で表される繰り返し単位を有する直鎖状のポリマーであり、式(Ia)及び式(Ib)において破線と実線との二重線は単結合であり、式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量が主鎖骨格を構成する繰り返し単位の35モル%であり、両末端にヒドロキシ基を有する。商品名HLBH−P2000、クレイバレー社製。以下同様)100質量部に対し、イソホロンジイソシアネート(Evonik社製。以下同様)12.9質量部を混合し、窒素雰囲気下70℃で5時間反応させて、両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。NCO残量が0.99%となった時点で、上記ウレタンプレポリマーに4−ヒドロキシブチルアクリレート(4−HBA。大阪有機化学社製。以下同様)3.08質量部及びブタノール(東京化成工業社製、沸点117℃)0.39質量部を添加し、70℃の条件下で5時間反応させ、残存イソシアネートが0.1%以下となった時点で反応を終了し、光硬化性樹脂A−1を得た。
【0063】
光硬化性樹脂A−1は主鎖骨格が上記式(Ia)及び式(Ib)で表される繰り返し単位を有し、式(Ia)及び式(Ib)において破線と実線との二重線は単結合であり、1つの末端に(メタ)アクリロイル基を、別の末端にブチル基を有し、式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量が主鎖骨格を構成する繰り返し単位の35モル%であり、(メタ)アクリロイル基の含有量が末端の80モル%であり、ブチル基の含有量が末端の20モル%である。
【0064】
(光硬化性樹脂A−2)
イソホロンジイソシアネート10質量部に対し、4−HBA5.19質量部及びブタノール0.67質量部を添加し70℃3時間反応させ、片末端にNCO基を有するアダクト体を得た。
水酸基末端水添ポリブタジエン1:100質量部に対しイソホロンジイソシアネート6.59質量部を混合し、窒素雰囲気下70℃で5時間反応させて、両末端に水酸基を有するウレタンポリマーを得た。NCO残量が0.1%以下となった時点で、ここに上記アダクト体10.45質量部を添加し、これらを70℃の条件下で5時間反応させ、残存イソシアネートが0.1%以下となった時点で反応を終了し、光硬化性樹脂A−2を得た。
【0065】
光硬化性樹脂A−2は主鎖骨格が上記式(Ia)及び式(Ib)で表される繰り返し単位を有し、式(Ia)及び式(Ib)において破線と実線との二重線は単結合であり、1つの末端に(メタ)アクリロイル基を、別の末端にブチル基を有し、式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量が主鎖骨格を構成する繰り返し単位の35モル%であり、(メタ)アクリロイル基の含有量が末端の80モル%であり、ブチル基の含有量が末端の20モル%である。
【0066】
(光硬化性樹脂A−3)
水酸基末端水添ポリブタジエン1:100質量部に対しイソホロンジイソシアネート12.9質量部を混合し、窒素雰囲気下70℃で5時間反応させて、両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。NCO残量が0.99%となった時点で、上記ウレタンプレポリマーに4−HBA3.08質量部及び2−エチルヘキサノール(東京化成工業社製、沸点187℃)0.8質量部を添加し、70℃の条件下で5時間反応させ、残存イソシアネートが0.1%以下となった時点で反応を終了し、光硬化性樹脂A−3を得た。
【0067】
光硬化性樹脂A−3は、主鎖骨格が上記式(Ia)及び式(Ib)で表される繰り返し単位を有し、式(Ia)及び式(Ib)において破線と実線との二重線は単結合であり、1つの末端に(メタ)アクリロイル基を、別の末端に2−エチルヘキシル基を有し、式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量が主鎖骨格を構成する繰り返し単位の35モル%であり、(メタ)アクリロイル基の含有量が末端の80モル%であり、2−エチルヘキシル基の含有量が末端の20モル%である。
【0068】
(光硬化性樹脂A−4)
イソホロンジイソシアネート10質量部に対し、4−HBA3.24質量部及びデカノール(KHネオケム、沸点211℃。以下同様)3.56質量部を添加し70℃3時間反応させ、片末端にNCO基を有するアダクト体を得た。
水酸基末端水添ポリブタジエン1:100質量部に対しイソホロンジイソシアネート6.59質量部を混合し、窒素雰囲気下70℃で5時間反応させて、両末端に水酸基を有するウレタンポリマーを得た。NCO残量が0.1%以下となった時点で、ここに上記アダクト体11.08質量部を添加し、これらを70℃で5時間反応させ、残存イソシアネートが0.1%以下となった時点で反応を終了し、光硬化性樹脂A−4を得た。
【0069】
光硬化性樹脂A−4は主鎖骨格が上記式(Ia)及び式(Ib)で表される繰り返し単位を有し、式(Ia)及び式(Ib)において破線と実線との二重線は単結合であり、1つの末端に(メタ)アクリロイル基を、別の末端にデシル基を有し、式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量が主鎖骨格を構成する繰り返し単位の35モル%であり、(メタ)アクリロイル基の含有量が末端の50モル%であり、デシル基の含有量が末端の50モル%である。
【0070】
(光硬化性樹脂A−5)
水酸基末端水添ポリブタジエン2(主鎖骨格が上記式(Ia)及び式(Ib)で表される繰り返し単位を有する直鎖状のポリマーであり、式(Ia)及び式(Ib)において破線と実線との二重線は単結合であり、式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量が主鎖骨格を構成する繰り返し単位の35モル%であり、両末端にヒドロキシ基を有する。商品名HLBH−P3000、クレイバレー社製)100質量部に対しイソホロンジイソシアネート8.8質量部を混合し、窒素雰囲気下70℃で5時間反応させて、両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。NCO残量が0.71%となった時点で、上記ウレタンプレポリマーに4−HBA1.33質量部、デカノール1.33質量部を添加し、70℃で5時間反応させ、残存イソシアネートが0.1%以下となった時点で反応を終了し、光硬化性樹脂A−5を得た。
【0071】
光硬化性樹脂A−5は主鎖骨格が上記式(Ia)及び式(Ib)で表される繰り返し単位を有し、式(Ia)及び式(Ib)において破線と実線との二重線は単結合であり、1つの末端に(メタ)アクリロイル基を、別の末端にデシル基を有し、式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量が主鎖骨格を構成する繰り返し単位の35モル%であり、(メタ)アクリロイル基の含有量が末端の50モル%であり、デシル基の含有量が末端の50モル%である。
【0072】
(光硬化性樹脂A−6)
水酸基末端水添ポリブタジエン2:100質量部に対しヘキサメチレンジイソシアネート(50M−HDI、旭化成ケミカルズ社製)6.7質量部を混合し、窒素雰囲気下70℃で5時間反応させて、両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。NCO残量が0.72%となった時点で、時点で、2−ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学社製。以下同様)1.06質量部及びデカノール1.45質量部を添加し、70℃で5時間反応させ、残存イソシアネートが0.1%以下となった時点で反応を終了し、光硬化性樹脂A−6を得た。
【0073】
光硬化性樹脂A−6は主鎖骨格が上記式(Ia)及び式(Ib)で表される繰り返し単位を有し、式(Ia)及び式(Ib)において破線と実線との二重線は単結合であり、1つの末端に(メタ)アクリロイル基を、別の末端にデシル基を有し、式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量が主鎖骨格を構成する繰り返し単位の35モル%であり、(メタ)アクリロイル基の含有量が末端の50モル%であり、デシル基の含有量が末端の50モル%である。
【0074】
(混合物1)
水酸基末端水添ポリブタジエン2:100質量部及び水酸基末端水添ポリブタジエン3(商品名GI−2000、日本曹達社製。上記式(IIa)及び式(IIb)で表される繰り返し単位を有し、式(IIa)及び式(IIb)において破線と実線との二重線は単結合であり、式(IIa)で表される繰り返し単位の含有量が主鎖骨格を構成する繰り返し単位の15モル%であり、両末端にヒドロキシ基を有する。以下同様)20質量部に対し、イソホロンジイソシアネート11.2質量部を配合し、窒素雰囲気下70℃で5時間反応させて、両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。NCO残量が0.74%となった時点で、上記ウレタンプレポリマーに2−ヒドロキシエチルアクリレート2.15質量部及びブタノール0.53質量部を添加し、70℃で5時間反応させ、残存イソシアネートが0.1%以下となった時点で反応を終了し、光硬化性樹脂A−7と光硬化性樹脂B−1とを含有する混合物1を得た。
【0075】
光硬化性樹脂A−7は主鎖骨格が上記式(Ia)及び式(Ib)で表される繰り返し単位を有し、式(Ia)及び式(Ib)において破線と実線との二重線は単結合であり、1つの末端に(メタ)アクリロイル基を、別の末端にブチル基を有し、式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量が主鎖骨格を構成する繰り返し単位の35モル%であり、(メタ)アクリロイル基の含有量が末端の80モル%であり、ブチル基の含有量が末端の20モル%である。
【0076】
光硬化性樹脂B−1は主鎖骨格が上記式(IIa)及び式(IIb)で表される繰り返し単位を有し、式(IIa)及び式(IIb)において破線と実線との二重線は単結合であり、1つの末端に(メタ)アクリロイル基を、別の末端にブチル基を有し、式(IIa)で表される繰り返し単位の含有量が主鎖骨格を構成する繰り返し単位の15モル%であり、(メタ)アクリロイル基の含有量が末端の80モル%であり、ブチル基の含有量が末端の20モル%である。
【0077】
(光硬化性樹脂A−8)
水酸基末端水添ポリブタジエン1(主鎖骨格が上記式(Ia)及び式(Ib)で表される繰り返し単位を有する直鎖状のポリマーであり、式(Ia)及び式(Ib)において破線と実線との二重線は単結合であり、式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量が主鎖骨格を構成する繰り返し単位の35モル%であり、両末端にヒドロキシ基を有する。商品名HLBH−P2000、クレイバレー社製。以下同様)100質量部に対し、イソホロンジイソシアネート(Evonik社製。以下同様)12.9質量部を混合し、窒素雰囲気下70℃で5時間反応させて、両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。NCO残量が0.99%となった時点で、上記ウレタンプレポリマーに4−ヒドロキシブチルアクリレート(4−HBA。大阪有機化学社製。以下同様)3.08質量部及びエチレングリコールモノブチルエーテル(東京化成株式会社製、沸点171℃。以下同様)0.63量部を添加し、70℃の条件下で5時間反応させ、残存イソシアネートが0.1%以下となった時点で反応を終了し、光硬化性樹脂A−8を得た。
【0078】
光硬化性樹脂A−8は主鎖骨格が上記式(Ia)及び式(Ib)で表される繰り返し単位を有し、式(Ia)及び式(Ib)において破線と実線との二重線は単結合であり、1つの末端に(メタ)アクリロイル基を、別の末端にブトキシエチル基を有し、式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量が主鎖骨格を構成する繰り返し単位の35モル%であり、(メタ)アクリロイル基の含有量が末端の80モル%であり、ブトキシエチル基の含有量が末端の20モル%である。
【0079】
(光硬化性樹脂A−9)
イソホロンジイソシアネート10質量部に対し、4−HBA5.19質量部及びエチレングリコールモノブチルエーテル1.06量部を添加し70℃3時間反応させ、片末端にNCO基を有するアダクト体を得た。
水酸基末端水添ポリブタジエン1:100質量部に対しイソホロンジイソシアネート6.59質量部を混合し、窒素雰囲気下70℃で5時間反応させて、両末端に水酸基を有するウレタンポリマーを得た。NCO残量が0.1%以下となった時点で、ここに上記アダクト体10.72質量部を添加し、これらを70℃の条件下で5時間反応させ、残存イソシアネートが0.1%以下となった時点で反応を終了し、光硬化性樹脂A−9を得た。
【0080】
光硬化性樹脂A−9は主鎖骨格が上記式(Ia)及び式(Ib)で表される繰り返し単位を有し、式(Ia)及び式(Ib)において破線と実線との二重線は単結合であり、1つの末端に(メタ)アクリロイル基を、別の末端に2−ブトキシエチル基を有し、式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量が主鎖骨格を構成する繰り返し単位の35モル%であり、(メタ)アクリロイル基の含有量が末端の80モル%であり、2−ブトキシエチル基の含有量が末端の20モル%である。
【0081】
(光硬化性樹脂A−10)
水酸基末端水添ポリブタジエン1:100質量部に対しイソホロンジイソシアネート12.9質量部を混合し、窒素雰囲気下70℃で5時間反応させて、両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。NCO残量が0.99%となった時点で、上記ウレタンプレポリマーに4−HBA3.08質量部及びジエチレングリコールモノエチルエーテル(シーホゾール(登録商標)DG、日本触媒社製、沸点202℃)0.72質量部を添加し、70℃の条件下で5時間反応させ、残存イソシアネートが0.1%以下となった時点で反応を終了し、光硬化性樹脂A−10を得た。
【0082】
光硬化性樹脂A−10は、主鎖骨格が上記式(Ia)及び式(Ib)で表される繰り返し単位を有し、式(Ia)及び式(Ib)において破線と実線との二重線は単結合であり、1つの末端に(メタ)アクリロイル基を、別の末端に2−(2−エトキシエトキシ)エチル基を有し、式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量が主鎖骨格を構成する繰り返し単位の35モル%であり、(メタ)アクリロイル基の含有量が末端の80モル%であり、2−(2−エトキシエトキシ)エチル基の含有量が末端の20モル%である。
【0083】
(光硬化性樹脂A−11)
イソホロンジイソシアネート10質量部に対し、4−HBA3.24質量部及び1−ブトキシ−2−プロパノール(東京化成株式会社製、沸点170℃。以下同様)2.97質量部を添加し70℃3時間反応させ、片末端にNCO基を有するアダクト体を得た。
水酸基末端水添ポリブタジエン1:100質量部に対しイソホロンジイソシアネート6.59質量部を混合し、窒素雰囲気下70℃で5時間反応させて、両末端に水酸基を有するウレタンポリマーを得た。NCO残量が0.1%以下となった時点で、ここに上記アダクト体10.69質量部を添加し、これらを70℃で5時間反応させ、残存イソシアネートが0.1%以下となった時点で反応を終了し、光硬化性樹脂A−11を得た。
【0084】
光硬化性樹脂A−11は主鎖骨格が上記式(Ia)及び式(Ib)で表される繰り返し単位を有し、式(Ia)及び式(Ib)において破線と実線との二重線は単結合であり、1つの末端に(メタ)アクリロイル基を、別の末端に1−ブトキシ−2−プロピル基を有し、式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量が主鎖骨格を構成する繰り返し単位の35モル%であり、(メタ)アクリロイル基の含有量が末端の50モル%であり、1−ブトキシ−2−プロピル基の含有量が末端の50モル%である。
【0085】
(比較光硬化性樹脂E−1)
水酸基末端水添ポリブタジエン3:100質量部及び水酸基末端水添ポリブタジエン4(GI−1000、日本曹達社製。上記式(IIa)及び式(IIb)で表される繰り返し単位を有し、式(IIa)及び式(IIb)において破線と実線との二重線は単結合であり、式(IIa)で表される繰り返し単位の含有量が主鎖骨格を構成する繰り返し単位の15モル%であり、両末端にヒドロキシ基を有する。)70質量部に対しイソホロンジイソシアネート26.9質量部を混合し、窒素雰囲気下70℃で5時間反応させた。NCO残量が1.7%となった時点で、ここに4−ヒドロキシブチルアクリレート5.8質量部を添加し、NCO残量が0.8%となった時点でメタノール(東京化成工業、沸点64.7℃)1.29質量部を添加し、70℃で5時間反応させ、残存イソシアネートが0.3%となった時点で反応を終了し、比較光硬化性樹脂E−1を得た。
比較光硬化性樹脂E−1において、式(IIa)で表される繰り返し単位の含有量は主鎖骨格を構成する繰り返し単位の15モル%以下であるので、比較光硬化性樹脂E−1は本発明の樹脂に該当しない。
【0086】
(比較光硬化性樹脂E−2)
水酸基末端水添ポリブタジエン4:100質量部に対しイソホロンジイソシアネート19.2質量部を混合し、窒素雰囲気下70℃で5時間反応させた。NCO残量が2.0%となった時点で、ここに2−ヒドロキシエチルアクリレート3.35質量部を添加し、NCO残量が1.0%となった時点でイソプロパノール(東京化成工業、沸点82.4℃)1.76質量部を添加し、70℃で5時間反応させ、比較光硬化性樹脂E−2を得た。
比較光硬化性樹脂E−2において、式(IIa)で表される繰り返し単位の含有量は主鎖骨格を構成する繰り返し単位の15モル%以下であるので、比較光硬化性樹脂E−2は本発明の樹脂に該当しない。
【0087】
(比較光硬化性樹脂E−3)
水酸基末端水添ポリブタジエン3:100質量部及びイソホロンジイソシアネート11.7質量部を混合し、窒素雰囲気下70℃で5時間反応させた。NCO残量が0.91%となった時点で、ここに4−ヒドロキシブチルアクリレート5.8質量部を添加して反応させ、NCO残量が0.1%以下となった時点で反応を終了し、比較光硬化性樹脂E−3を得た。
比較光硬化性樹脂E−3において、式(IIa)で表される繰り返し単位の含有量は主鎖骨格を構成する繰り返し単位の15モル%以下であり、両末端にアクリロイル基を有し、末端に非光反応性基を有さないので、比較光硬化性樹脂E−3は本発明の樹脂に該当しない。
【0088】
(比較光硬化性樹脂E−4)
水酸基末端水添ポリブタジエン1:100質量部に対しイソホロンジイソシアネート12.9質量部を混合し、窒素雰囲気下70℃で5時間反応させて、両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。NCO残量が0.99%となった時点で、ここに4−ヒドロキシブチルアクリレート:3.89質量部を添加して反応させ、NCO残量が0.1%以下となった時点で反応を終了し、比較光硬化性樹脂E−4を得た。
比較光硬化性樹脂E−4は、両末端にアクリロイル基を有し、末端に非光反応性基を有さないので、本発明の樹脂に該当しない。
【0089】
<組成物の製造>
下記第1表の各成分を同表に示す組成(質量部)で用いて、これらを撹拌機で混合し、組成物を製造した。
上記のとおり製造された各組成物を用いて以下の評価を行った。結果を第1表に示す。
【0090】
<接着性の評価>
(初期接着サンプル)
2枚のガラス基板(長さ25mm、幅25mm)を準備し、上記のとおり製造された各組成物を直径5mm、接着厚み0.3mmとなるように1枚のガラス基板に塗布し、上記ガラス基板と別のガラス基板とが十文字になるようにこれらを貼り合わせた後、以下の硬化条件で各組成物を硬化させ、初期接着サンプルを作製した。
【0091】
・硬化条件
光照射装置(GS UVSYSTEM TYPE S250―01、ジーエス・ユアサ ライティング社製)を用い、光源としてメタルハライドランプを使用し、波長250〜380nmの紫外線を光量150mW/cmで積算光量2000mJ/cm
2となるよう照射した。
【0092】
(耐久性試験後接着サンプル)
上記のとおり作製した初期接着サンプルを65℃、95%RHの高温高湿環境下に100時間置く耐久性試験を行って、耐久性試験後接着サンプルを得た。
【0093】
(接着強度の測定)
初期接着強度は、上記のとおり得られた初期接着サンプルの一方のガラス基板を固定して、他のガラス基板を引張り試験速度5mm/minにて引張り試験を行って測定された。ガラス基板同士が剥がれたときの最大値を接着強度とした。
耐久性試験後接着サンプルについても上記と同様にして接着強度を測定し、65℃95%後接着強度を得た。
【0094】
(接着強度保持率)
接着強度保持率は下記式によって求められた。
接着強度保持率(%)=(65℃95%後接着強度/初期接着強度)×100
接着強度保持率が高いほど接着性に優れる。
【0095】
<耐候性の評価>
耐候性はイエローインデックス(YI)で評価された。
(耐候性試験)
JIS K7350−2に準拠して、上記のとおり得られた初期接着サンプルに、キセノンウェザーメーターで、波長300〜400nm、放射照度180W/m
2、ブラックパネル温度83℃、湿度50%RHの条件で、100時間、光を照射する耐候性試験を行った。
【0096】
(YIの評価)
JIS K7373:2006に準じて、上記サンプルについて、耐候性試験前後でYIを測定した。
耐候性試験前後でYIの上昇が小さいほど、耐候性に優れる。
【0097】
【表1】
【0098】
第1表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
・光硬化性樹脂A−1〜6、8〜10:上記のとおり製造された光硬化性樹脂
・混合物1:上記のとおり製造された混合物
【0099】
・単官能(メタ)アクリレート1:ジシクロペンテニルアクリレート
・単官能(メタ)アクリレート2:イソボルニルアクリレート
・単官能(メタ)アクリレート3:イソデシルアクリレート
【0100】
・比較光硬化性樹脂E−1〜4:上記のとおり製造された比較光硬化性樹脂
【0101】
・光重合開始剤1:イルガキュア184(BASF社製)
・可塑剤1:ポリエチレングリコール ジ2−エチルヘキサエート。室温で液状(商品名TegMeR 804、Hallstar社製)
・可塑剤2:ポリエチレンワックス。室温で液状である。Versaflow EV(Shamrock Technologies, Inc製)
【0102】
第1表に示す結果から明らかなように、所定の光硬化性樹脂を含有せず代わりに、式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量が特定の範囲を外れる光硬化性樹脂を含有する比較例1〜3は、接着強度保持率が低く、接着性が悪かった。また、比較例1、2は、耐久性試験後においてYIの上昇を抑制することができず、耐候性が悪かった。
所定の光硬化性樹脂を含有せず、代わりに非光反応性基を有さない光硬化性樹脂を含有する比較例3、4は、接着強度保持率が低く、接着性が悪かった。
【0103】
これに対して本発明の組成物は、接着強度保持率が高く、接着性に優れた。
また本発明の組成物は耐久性試験後においてYIの上昇を抑制することができ、耐候性に優れた。
本発明は、接着性に優れる光硬化性樹脂、混合物、および、光硬化性樹脂組成物の提供を目的とする。本発明の光硬化性樹脂は、主鎖骨格が式(Ia)及び式(Ib)で表される繰り返し単位を有し、末端に(メタ)アクリロイル基及び非光反応性基を有し、非光反応性基が、ヘテロ原子を有してもよい、飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、非光反応性基の端部に、ヒドロキシ基、アミノ基、−CH=NH、カルボキシ基又はメルカプト基は結合せず、式(Ia)の含有量が主鎖骨格の15モル%を超え、(メタ)アクリロイル基及び非光反応性基の含有量が、それぞれ、末端の5モル%以上である。