特許第6241578号(P6241578)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6241578モータ制御システム、制御方法及びモータ制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6241578
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】モータ制御システム、制御方法及びモータ制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02P 5/46 20060101AFI20171127BHJP
【FI】
   H02P5/46 J
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-536035(P2017-536035)
(86)(22)【出願日】2017年3月30日
(86)【国際出願番号】JP2017013359
【審査請求日】2017年7月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】松村 勇
(72)【発明者】
【氏名】田中 佑典
(72)【発明者】
【氏名】西山 智史
【審査官】 尾家 英樹
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/042636(WO,A1)
【文献】 特開2008−90825(JP,A)
【文献】 特開2007−181340(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 5/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のモータを制御するように構成されているモータ制御システムであって、
各々が前記複数のモータのうちの少なくとも1つを制御するように構成されている複数のモータ制御装置と、
各々が対応する前記複数のモータのうちの1つのモータの位置情報を検出するように構成されている複数の位置検出器とを具備しており、
前記複数のモータ制御装置に含まれる第1モータ制御装置の配下に、前記複数の位置検出器の全てが直列に接続されるように構成されており、
前記第1モータ制御装置は、前記複数のモータ制御装置に含まれる他のモータ制御装置に対して、前記複数の位置検出器から読み出した前記複数のモータの位置情報を転送するように構成されていることを特徴とするモータ制御システム。
【請求項2】
前記第1モータ制御装置は、自身が制御するモータに対応する位置検出器から、少なくとも前記モータのモータ定数及び前記位置検出器の識別情報のいずれか一方を読み出すように構成されており、
前記他のモータ制御装置は、前記第1モータ制御装置を介して、自身が制御するモータに対応する位置検出器から、少なくとも前記モータのモータ定数及び前記位置検出器の識別情報のいずれか一方を読み出すように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御システム。
【請求項3】
少なくとも前記モータ及び前記モータで駆動するように構成されている機械装置のいずれか一方に関連する情報を検出するように構成されている1又は複数のセンサを更に具備しており、
前記第1モータ制御装置の配下に、前記複数の位置検出器の全て及び前記1又は複数のセンサの全てが直列に接続されるように構成されており、
前記他のモータ制御装置の1つは、前記第1モータ制御装置を介して、前記1又は複数のセンサから、少なくとも前記モータ及び前記モータで駆動するように構成されている機械装置のいずれか一方に関連する情報を読み出すように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ制御システム。
【請求項4】
前記第1モータ制御装置は、自身が制御するモータに対応するセンサから、前記センサの識別情報を読み出すように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のモータ制御システム。
【請求項5】
前記他のモータ制御装置は、前記第1モータ制御装置を介して、自身が制御するモータに対応するセンサから、前記センサの識別情報を読み出すように構成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のモータ制御システム。
【請求項6】
複数のモータを制御するように構成されているモータ制御システムにおける制御方法であって、
複数のモータ制御装置の各々が、前記複数のモータのうちの少なくとも1つを制御する工程と、
複数の位置検出器の各々が、自身が対応する前記複数のモータのうちの1つのモータの位置情報を検出する工程と、
前記複数のモータ制御装置に含まれる第1モータ制御装置が、前記複数のモータ制御装置に含まれる他のモータ制御装置に対して、自身の配下に直列に接続されている前記複数の位置検出器の全てから読み出した前記複数のモータの位置情報を転送する工程とを有することを特徴とする制御方法。
【請求項7】
複数のモータを制御するように構成されているモータ制御システムで用いられるモータ制御装置であって、
前記複数のモータのうちの少なくとも1つを制御するように構成されており、
自身の配下に、各々が対応する前記複数のモータのうちの1つのモータの位置情報を検出するように構成されている複数の位置検出器が直列に接続されており、
他のモータ制御装置に対して、前記複数の位置検出器から読み出した前記複数のモータの位置情報を転送するように構成されていることを特徴とするモータ制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モータ制御システム、制御方法及びモータ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のセンサが、それぞれ別個の通信路でインターフェイス部と接続されており、各センサの検出信号が、上位コントローラとモータ制御装置とを接続するネットワークを介して、上位コントローラやモータ制御装置に送信されるシステムが記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、モータ制御装置内の通信部を介して、モータ制御装置のパラメータを設定したりモニタしたりするための周辺機器を接続するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-241111号公報
【特許文献2】特開平10-105206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のシステムでは、センサや周辺機器の各々がモータ制御装置に接続されているため、物理的又は処理的なコストが高くなる傾向にあるという課題があった。
【0006】
そこで、本開示は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、物理的又は処理的なコストを低減することができるモータ制御システム、制御方法及びモータ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の特徴は、複数のモータを制御するように構成されているモータ制御システムであって、各々が前記複数のモータのうちの少なくとも1つを制御するように構成されている複数のモータ制御装置と、各々が対応する前記複数のモータのうちの1つのモータの位置情報を検出するように構成されている複数の位置検出器とを具備しており、前記複数のモータ制御装置に含まれる第1モータ制御装置の配下に、前記複数の位置検出器の全てが直列に接続されるように構成されており、前記第1モータ制御装置は、前記複数のモータ制御装置に含まれる他のモータ制御装置に対して、前記複数の位置検出器から読み出した前記複数のモータの位置情報を転送するように構成されていることを要旨とする。
【0008】
本開示の第2の特徴は、複数のモータを制御するように構成されているモータ制御システムにおける制御方法であって、複数のモータ制御装置の各々が、前記複数のモータのうちの少なくとも1つを制御する工程と、複数の位置検出器の各々が、自身が対応する前記複数のモータのうちの1つのモータの位置情報を検出する工程と、前記複数のモータ制御装置に含まれる第1モータ制御装置が、前記複数のモータ制御装置に含まれる他のモータ制御装置に対して、自身の配下に直列に接続されている前記複数の位置検出器の全てから読み出した前記複数のモータの位置情報を転送する工程とを有することを要旨とする。
【0009】
本開示の第3の特徴は、複数のモータを制御するように構成されているモータ制御システムで用いられるモータ制御装置であって、前記複数のモータのうちの少なくとも1つを制御するように構成されており、自身の配下に、各々が対応する前記複数のモータのうちの1つのモータの位置情報を検出するように構成されている複数の位置検出器が直列に接続されており、他のモータ制御装置に対して、前記複数の位置検出器から読み出した前記複数のモータの位置情報を転送するように構成されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、物理的又は処理的なコストを低減することができるモータ制御システム、制御方法及びモータ制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に係るモータ制御システムの全体概略構成の一例を説明するための図である。
図2図2は、一実施形態に係るモータ制御システムを構成する各モータ制御装置の各モータ制御部の機能ブロックの一例を説明するための図である。
図3図3は、一実施形態に係るモータ制御システムを構成する各モータ制御装置のエンコーダ・センサ通信送受信管理部によって管理されている各マッピングテーブルの一例を説明するための図である。
図4図4は、一実施形態に係るモータ制御システムにおいて実行される処理の流れの一例を説明するための図である。
図5図5は、一実施形態に係るモータ制御システムにおいて実行される処理の流れの一例を説明するための図である。
図6図6は、一実施形態に係るモータ制御システムにおいて実行される処理の流れの一例を説明するための図である。
図7図7は、一実施形態に係るモータ制御システムにおいて実行される処理の流れの一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の発明者の見地によれば、モータ制御システムにおける稼働状況のセンシングは、近年ますます重要度を増しているが、センサ数を増やすと、配線数等の物理的なコストや通信量又は処理負荷等の処理的なコストが増加してしまう。特に、リアルタイムでセンシングが行われる場合は、これらのコストが増大する傾向がある。
【0013】
そこで、本発明の発明者は、モータ制御システムにおけるこれらのコストを軽減するために鋭意研究開発を行った結果、新規かつ独創的なモータ制御システムに想到した。以降、図1図7を参照して、本実施形態に係るモータ制御システム1の一例について説明する。
【0014】
本開示の一実施形態に係るモータ制御システム1は、複数のモータ#1〜#6を制御するように構成されており、図1に示すように、モータ制御装置#1/#2と、モータ#1〜#6と、機械装置(図示せず)と、エンコーダ#1〜#6と、センサ#7〜#9とを具備している。
【0015】
モータ制御装置#1/#2は、各々が複数のモータ#1〜#6のうちの少なくとも1つを制御するように構成されている。
【0016】
本実施形態では、モータ制御装置#1がモータ#1〜#3を制御するように構成されており、モータ制御装置#2がモータ#4〜#6を制御するように構成されているケースを例に挙げて説明するが、本開示は、かかるケースに限定されない。例えば、モータ制御装置#1がモータ#1〜#6を制御するケース等にも適用可能である。
【0017】
また、本実施形態では、2個のモータ制御装置#1/#2が設けられるケースを例に挙げて説明するが、本開示は、3個以上のモータ制御装置が設けられているケース等にも適用可能である。
【0018】
具体的には、モータ制御装置#1/#2は、それぞれモータ#1〜#3/#4〜#6へ電流や電圧等を出力するアンプ部を制御するコンピュータを含む装置である。すなわち、モータ#1〜#3/#4〜#6は、それぞれモータ制御装置#1/#2から印加された電圧又は電流に応じて回転するように構成されている。
【0019】
一般的に、サーボモータを制御するモータ制御装置#1/#2は、サーボコントローラ又はサーボアンプ等と呼ばれるものである。なお、モータ制御装置#1/#2は、モータを制御するように構成されている機器であればよく、例えば、インバータであってもよい。
【0020】
具体的には、図1に示すように、モータ制御装置#1は、アンプ部(図示せず)と、それぞれモータ#1〜#3を制御するモータ制御部#1〜#3と、エンコーダ・センサ通信送受信管理部10と、送受信部#1/#2と、リピータ20とを具備している。
【0021】
同様に、モータ制御装置#2は、アンプ部(図示せず)と、それぞれモータ#4〜#6を制御するモータ制御部#4〜#6と、エンコーダ・センサ通信送受信管理部10と、送受信部#1/#2と、リピータ20とを具備している。
【0022】
なお、アンプ部は、モータ制御部#1〜#6からのトルク指令に基づく電流/電圧をモータ#1〜#6に対して供給するように構成されている電力変換器である。
【0023】
ここで、図2に示すように、モータ制御装置#1/#2の各々は、モータ制御演算部101と、エンコーダ論理軸インターフェイス102と、センサ論理軸インターフェイス103とを具備している。
【0024】
モータ制御演算部101は、上位装置からの指令(位置指令等)を受けて、モータ#1〜#6の位置や速度やトルク等を制御するための演算を行うように構成されている。
【0025】
エンコーダ論理軸インターフェイス102は、定数読み出し手順において、エンコーダ・センサ通信送受信管理部10によって管理されているマッピングテーブル#1/#2に基づいて、自身が属するモータ制御部#1〜#6に対応するモータ#1〜#6の定数及びモータ#1〜#6に対応するエンコーダ#1〜#6の識別情報(エンコーダID情報)の少なくとも一方を読み出すように構成されている。
【0026】
また、エンコーダ論理軸インターフェイス102は、位置情報読み出し手順において、エンコーダ・センサ通信送受信管理部10によって管理されているマッピングテーブル#1/#2に基づいて、自身が属するモータ制御部#1〜#6に対応するモータ#1〜#6の位置情報を取得するように構成されている。
【0027】
具体的には、本実施形態では、モータ制御部#1のエンコーダ論理軸インターフェイス102は、エンコーダ・センサ通信送受信管理部10からモータ#1のモータ定数や位置情報やエンコーダ#1のエンコーダID情報を取得するように構成されている。
【0028】
同様に、モータ制御部#2のエンコーダ論理軸インターフェイス102は、エンコーダ・センサ通信送受信管理部10からモータ#2のモータ定数や位置情報やエンコーダ#2のエンコーダID情報を取得するように構成されている。
【0029】
同様に、モータ制御部#3のエンコーダ論理軸インターフェイス102は、エンコーダ・センサ通信送受信管理部10からモータ#3のモータ定数や位置情報やエンコーダ#3のエンコーダID情報を取得するように構成されている。
【0030】
同様に、モータ制御部#4のエンコーダ論理軸インターフェイス102は、エンコーダ・センサ通信送受信管理部10からモータ#4のモータ定数や位置情報やエンコーダ#4のエンコーダID情報を取得するように構成されている。
【0031】
同様に、モータ制御部#5のエンコーダ論理軸インターフェイス102は、エンコーダ・センサ通信送受信管理部10からモータ#5のモータ定数や位置情報やエンコーダ#5のエンコーダID情報を取得するように構成されている。
【0032】
同様に、モータ制御部#6のエンコーダ論理軸インターフェイス102は、エンコーダ・センサ通信送受信管理部10からモータ#6のモータ定数や位置情報やエンコーダ#6のエンコーダID情報を取得するように構成されている。
【0033】
センサ論理軸インターフェイス103は、定数読み出し手順において、エンコーダ・センサ通信送受信管理部10によって管理されているマッピングテーブル#1/#2に基づいて、自身が属するモータ制御部#1〜#6に対応するモータ#1〜#6に対応するセンサ#7〜#9の識別情報(センサID情報)を読み出すように構成されている。
【0034】
また、センサ論理軸インターフェイス103は、位置情報読み出し手順において、エンコーダ・センサ通信送受信管理部10によって管理されているマッピングテーブル#1/#2に基づいて、自身が属するモータ制御部#1〜#6に対応するモータ#1〜#6に対応するセンサ#7〜#9のセンサデータを読み出すように構成されている。ここで、センサデータには、例えば、センサ自体のON/OFF情報等が含まれている。
【0035】
エンコーダ・センサ通信送受信管理部10は、モータ#1〜#6やセンサ#7〜#9との間の通信について管理するように構成されている。ここで、エンコーダ・センサ通信送受信管理部10は、図3(a)及び図3(b)に示すマッピングテーブルを管理するように構成されている。
【0036】
図3(a)は、本実施形態において、モータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10によって管理されているマッピングテーブルの一例を示し、図3(b)は、本実施形態において、モータ制御装置#1のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10によって管理されているマッピングテーブルの一例を示す。
【0037】
図3(a)に示すマッピングテーブルは、エンコーダ論理軸インターフェイス102とモータ制御装置#4とエンコーダ#4(エンコーダ#4の通信アドレス)とをマッピングし、エンコーダ論理軸インターフェイス102とモータ制御装置#5とエンコーダ#5(エンコーダ#5の通信アドレス)とをマッピングし、エンコーダ論理軸インターフェイス102とモータ制御装置#6とエンコーダ#6(エンコーダ#6の通信アドレス)とをマッピングするように設定されている。
【0038】
また、図3(b)に示すマッピングテーブルは、エンコーダ論理軸インターフェイス102とモータ制御装置#1とエンコーダ#1(エンコーダ#1の通信アドレス)とをマッピングし、センサ論理軸インターフェイス103とモータ制御装置#1とセンサ#9(センサ#9の通信アドレス)をマッピングし、エンコーダ論理軸インターフェイス102とモータ制御装置#2とエンコーダ#2(エンコーダ#2の通信アドレス)とをマッピングし、センサ論理軸インターフェイス103とモータ制御装置#2とセンサ#8(センサ#8の通信アドレス)をマッピングし、エンコーダ論理軸インターフェイス102とモータ制御装置#3とエンコーダ#3(エンコーダ#3の通信アドレス)とをマッピングし、センサ論理軸インターフェイス103とモータ制御装置#3とセンサ#7(センサ#7の通信アドレス)をマッピングするように設定されている。
【0039】
なお、かかるマッピングテーブルは、予めユーザによって設定されており、かかる設定内容は、モータ制御装置#1/#2の不揮発性メモリ(図示せず)に保存されるように構成されていてもよい。
【0040】
例えば、エンコーダ・センサ通信送受信管理部10は、通信初期手順において、上述のマッピングテーブルに基づいて、エンコーダ#1〜#6及びセンサ#7〜#9に対してユニークな通信アドレスを割り当てるように構成されている。
【0041】
また、エンコーダ・センサ通信送受信管理部10は、定数読み出し手順において、上述のマッピングテーブルに基づいて、モータ#1〜#6の定数やエンコーダ#1〜#6の識別情報やセンサ#7〜#9の識別情報を、該当するエンコーダ論理軸インターフェイス102やセンサ論理軸インターフェイス103に転送するように構成されている。
【0042】
同様に、エンコーダ・センサ通信送受信管理部10は、位置情報読み出し手順において、上述のマッピングテーブルに基づいて、モータ#1〜#6の位置情報やセンサ#7〜#9のセンサデータを、該当するエンコーダ論理軸インターフェイス102やセンサ論理軸インターフェイス103に転送するように構成されている。
【0043】
送受信部#1/#2は、自身が属するモータ制御装置#1/#2以外の機器(モータ制御装置やエンコーダやセンサ等)との間でデータの送受信処理を行うように構成されている。
【0044】
リピータ20は、送受信部#1と送受信部#2との間でのデータの転送処理(リピート処理)を行うように構成されている。
【0045】
ここで、図1に示すモータ制御装置#1/#2の接続形態においては、モータ制御装置#2の送受信部#1が停止し、モータ制御装置#2のリピータ20がOFFとなる。エンコーダ#1〜#6は、各々が対応する複数のモータ#1〜#6のうちの1つのモータの位置情報を検出するように構成されている位置検出器である。
【0046】
ここで、エンコーダ#1〜#6は、例えば、光学式エンコーダであってもよいし、磁気式エンコーダであってもよい。エンコーダ#1〜#6は、モータ制御装置#1/#2に対して、それぞれモータ#1〜#6の位置情報を送信するように構成されている。
【0047】
なお、本実施形態では、かかる位置検出器として、エンコーダ#1〜#6を用いるケースを例に挙げて説明するが、本開示は、モータ#1〜#6の位置情報を検出可能なセンサ(例えば、レゾルバ等)を用いるケースにも適用可能である。ここで、エンコーダ#1〜#6は、モータ#1〜#6が直動形モータ(リニアモータ)の場合に用いられるリニアスケール(リニアエンコーダ)であってもよい。
【0048】
また、モータ#1〜#6は、回転形モータであってもよいし、直動形モータ(リニアモータ)であってもよい。ここで、モータ#1〜#6が、回転形モータである場合、上述の位置情報は、回転角となり、モータ#1〜#6が、直動形モータ(リニアモータ)である場合、上述の位置情報は、直動位置となる。
【0049】
なお、本実施形態では、6個のエンコーダ#1〜#6が設けられているケースを例に挙げて説明したが、本開示は、5個以下のエンコーダ或いは7個以上のエンコーダが設けられているケース等にも適用可能である。
【0050】
上述の機械装置は、モータ#1〜#6で駆動されるように構成されており、例えば、ロボット等が、かかる機械装置10Aに該当する。例えば、本実施形態では、モータ#1〜#6の各々は、機械装置としての6軸ロボットの軸1〜6のそれぞれを駆動するように構成されている。
【0051】
センサ#7〜#9は、少なくともモータ#1〜#3及びモータ#1〜#3で駆動するように構成されている機械装置のいずれか一方に関連する情報(センサデータ)を検出するように構成されている。例えば、かかる複数のセンサ#7〜#9としては、温度センサや圧力センサやトルクセンサや振動センサやリミットスイッチセンサやタッチセンサやI/O機器等が想定される。
【0052】
なお、本実施形態では、3個のセンサ#7〜#9が設けられているケースを例に挙げて説明したが、本開示は、センサが設けられていないケースや1個のセンサが設けられているケースや4個以上のセンサが設けられているケース等にも適用可能である。
【0053】
ここで、本実施形態に係るモータ制御システム1では、図1に示すように、2個のモータ制御装置#1/#2が接続されているケースを例に挙げて説明しているが、本開示は、3個以上のモータ制御装置が直列に接続されているケースにも適用可能である。
【0054】
また、本実施形態に係るモータ制御システム1では、図1に示すように、モータ制御装置#1(第1モータ制御装置)の配下に、複数のエンコーダ#1〜#6の全てが直列に接続されている。
【0055】
さらに、本実施形態に係るモータ制御システム1において、図1に示すように、センサ#7〜#9が設けられている場合、モータ制御装置#1の配下に、エンコーダ#1〜#6の全て及びセンサ#7〜#9の全てが直列に接続されるように構成されている。
【0056】
なお、本実施形態では、モータ制御装置#1の配下に直列に接続されているエンコーダ#1〜#6の配下にセンサ#7〜#9が直列に接続されているケースを例に挙げて説明しているが、本開示は、かかるケースに限定されることはなく、エンコーダ#1〜#6及びセンサ#7〜#9が接続される順番が異なるケースにも適用可能である。
【0057】
ここで、本実施形態では、位置情報読み出し手順において、モータ制御装置#1は、モータ制御装置#2(他のモータ制御装置)に対して、エンコーダ#1〜#6から読み出したモータ#1〜#6の位置情報を転送するように構成されている。
【0058】
また、本実施形態では、モータ制御装置#1は、自身が制御するモータ#1〜#3にそれぞれ対応するエンコーダ#1〜#3から、少なくともモータ#1〜#3のモータ定数及びエンコーダ#1〜#3のエンコーダID情報のいずれか一方を読み出すように構成されている。
【0059】
同様に、本実施形態では、モータ制御装置#1は、自身が制御するモータ#1〜#3に対応するセンサ#7〜#9から、センサ#7〜#9の識別情報を読み出すように構成されている。
【0060】
一方、本実施形態では、モータ制御装置#2は、モータ制御装置#1を介して、自身が制御するモータ#4〜#6に対応するエンコーダ#4〜#6から、少なくともモータ#4〜#6のモータ定数及びエンコーダ#4〜#6のエンコーダID情報のいずれか一方を読み出すように構成されている。
【0061】
また、本実施形態では、モータ制御装置#2(他のモータ制御装置の1つ)は、位置情報読み出し手順において、マスタとして動作し、モータ制御装置#1を介して、センサ#7〜#9から、センサ#7〜#9の識別情報(センサID情報)を読み出すように構成されている。
【0062】
また、本実施形態では、モータ制御装置#1は、自身が制御するモータ#1〜#3に対応するセンサ#7〜#9から、センサ#7〜#9のセンサデータを読み出すように構成されている。
【0063】
なお、モータ制御装置#2によって制御されるモータ#4〜#6に対応するセンサが存在する場合には、モータ制御装置#2は、モータ制御装置#1を介して、かかるセンサから、かかるセンサのセンサID情報を読み出すように構成されている。
【0064】
なお、本実施形態では、2個のモータ制御装置#1/#2によって6軸ロボットの3軸ずつを制御するケースを例に挙げて説明しているが、本開示は、1個のモータ制御装置によって1軸ロボットを制御するケースや、3個のモータ制御装置によって6軸ロボットの2軸ずつを制御するケースや、3個のモータ制御装置によって9軸ロボットの3軸ずつを制御するケース等にも適用可能である。
【0065】
以下、図4図7を参照して、本実施形態に係るモータ制御システム1において実行される処理の流れの一例について説明する。図4は、モータ制御システム1における通信初期化手順における処理の流れを示し、図5及び図6は、モータ制御システム1における定数読み出し手順における処理の流れを示し、図7は、モータ制御システム1における位置情報読み出し手順(通常モード)における処理の流れを示す。
【0066】
第1に、図4を参照して、モータ制御システム1における通信初期化手順について説明する。かかる通信初期化手順が開始される際に、モータ制御装置#2が、マスタとなり、モータ制御装置#1が、スレーブとなる。そして、モータ制御装置#1のリピータ20がONとなる。
【0067】
図4に示すように、ステップS1001において、モータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10が、モータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#2の送受信部#2とを介して、エンコーダ#1に対してアドレス設定データを送信することで、エンコーダ#1に対してユニークな通信アドレスを割り当てる。
【0068】
ステップS1002において、モータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10が、モータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#2の送受信部#2とエンコーダ#1とを介して、エンコーダ#2に対してアドレス設定データを送信することで、エンコーダ#2に対してユニークな通信アドレスを割り当てる。
【0069】
ステップS1003において、モータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10が、モータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#2の送受信部#2とエンコーダ#1とエンコーダ#2とを介して、エンコーダ#3に対してアドレス設定データを送信することで、エンコーダ#3に対してユニークな通信アドレスを割り当てる。
【0070】
ステップS1004において、モータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10が、モータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#2の送受信部#2とエンコーダ#1とエンコーダ#2とエンコーダ#3とを介して、エンコーダ#4に対してアドレス設定データを送信することで、エンコーダ#4に対してユニークな通信アドレスを割り当てる。
【0071】
ステップS1005において、モータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10が、モータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#2の送受信部#2とエンコーダ#1とエンコーダ#2とエンコーダ#3とエンコーダ#4とを介して、エンコーダ#5に対してアドレス設定データを送信することで、エンコーダ#5に対してユニークな通信アドレスを割り当てる。
【0072】
ステップS1006において、モータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10が、モータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#2の送受信部#2とエンコーダ#1とエンコーダ#2とエンコーダ#3とエンコーダ#4とエンコーダ#5とを介して、エンコーダ#6に対してアドレス設定データを送信することで、エンコーダ#6に対してユニークな通信アドレスを割り当てる。
【0073】
ステップS1007において、モータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10が、モータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#2の送受信部#2とエンコーダ#1とエンコーダ#2とエンコーダ#3とエンコーダ#4とエンコーダ#5とエンコーダ#6とを介して、センサ#7に対してアドレス設定データを送信することで、センサ#7に対してユニークな通信アドレスを割り当てる。
【0074】
ステップS1008において、モータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10が、モータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#2の送受信部#2とエンコーダ#1とエンコーダ#2とエンコーダ#3とエンコーダ#4とエンコーダ#5とエンコーダ#6とセンサ#7とを介して、センサ#8に対してアドレス設定データを送信することで、センサ#8に対してユニークな通信アドレスを割り当てる。
【0075】
ステップS1009において、モータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10が、モータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#2の送受信部#2とエンコーダ#1とエンコーダ#2とエンコーダ#3とエンコーダ#4とエンコーダ#5とエンコーダ#6とセンサ#7とセンサ#8とを介して、センサ#9に対してアドレス設定データを送信することで、センサ#9に対してユニークな通信アドレスを割り当てる。
【0076】
第2に、図5及び図6を参照して、モータ制御システム1における定数読み出し手順についてについて説明する。かかる定数読み出し手順のうち図5に示す処理が開始される際に、モータ制御装置#2が、マスタとなり、モータ制御装置#1が、スレーブとなり、モータ制御装置#1のリピータ20がONとなる。一方、かかる定数読み出し手順のうち図6に示す処理が開始される際に、モータ制御装置#1及びモータ制御装置#2の両者が、マスタとなり、モータ制御装置#1のリピータ20及びモータ制御装置#2のリピータ20の両者がOFFとなる。
【0077】
図5に示すように、ステップS2001において、モータ制御装置#2のモータ制御部#4が、モータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とモータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#2の送受信部#2とを介して、エンコーダ#4に対してID/定数読み出し要求を送信する。
【0078】
ステップS2002において、エンコーダ#4が、モータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とを介して、モータ制御装置#2のモータ制御部#4に対してID/定数読み出しデータ(モータ#4のモータ定数やエンコーダ#4のエンコーダID情報)を送信する。
【0079】
ステップS2003において、モータ制御装置#2のモータ制御部#5が、モータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とモータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#2の送受信部#2とエンコーダ#4とを介して、エンコーダ#5に対してID/定数読み出し要求を送信する。
【0080】
ステップS2004において、エンコーダ#5が、エンコーダ#4とモータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とを介して、モータ制御装置#2のモータ制御部#5に対してID/定数読み出しデータ(モータ#5のモータ定数やエンコーダ#5のエンコーダID情報)を送信する。
【0081】
ステップS2005において、モータ制御装置#2のモータ制御部#6が、モータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とモータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#2の送受信部#2とエンコーダ#4とエンコーダ#5とを介して、エンコーダ#6に対してID/定数読み出し要求を送信する。
【0082】
ステップS2006において、エンコーダ#6が、エンコーダ#5とエンコーダ#4とモータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とを介して、モータ制御装置#2のモータ制御部#6に対してID/定数読み出しデータ(モータ#6のモータ定数やエンコーダ#6のエンコーダID情報)を送信する。
【0083】
図6に示すように、ステップS3001において、モータ制御装置#1のモータ制御部#1が、モータ制御装置#1のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とモータ制御装置#1の送受信部#2とを介して、エンコーダ#1に対してID/定数読み出し要求を送信する。
【0084】
ステップS3002において、エンコーダ#1が、モータ制御装置#1の送受信部#2とモータ制御装置#1のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とを介して、モータ制御装置#1のモータ制御部#1に対してID/定数読み出しデータ(モータ#1のモータ定数やエンコーダ#1のエンコーダID情報)を送信する。
【0085】
ステップS3003において、モータ制御装置#1のモータ制御部#2が、モータ制御装置#1のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とモータ制御装置#1の送受信部#2とエンコーダ#1とを介して、エンコーダ#2に対してID/定数読み出し要求を送信する。
【0086】
ステップS3004において、エンコーダ#2が、エンコーダ#1とモータ制御装置#1の送受信部#2とモータ制御装置#1のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とを介して、モータ制御装置#1のモータ制御部#2に対してID/定数読み出しデータ(モータ#2のモータ定数やエンコーダ#2のエンコーダID情報)を送信する。
【0087】
ステップS3005において、モータ制御装置#1のモータ制御部#3が、モータ制御装置#1のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とモータ制御装置#1の送受信部#2とエンコーダ#1とエンコーダ#2とを介して、エンコーダ#3に対してID/定数読み出し要求を送信する。
【0088】
ステップS3006において、エンコーダ#3が、エンコーダ#2とエンコーダ#1とモータ制御装置#1の送受信部#2とモータ制御装置#1のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とを介して、モータ制御装置#1のモータ制御部#3に対してID/定数読み出しデータ(モータ#3のモータ定数やエンコーダ#3のエンコーダID情報)を送信する。
【0089】
ステップS3007において、モータ制御装置#1のモータ制御部#3が、モータ制御装置#1のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とモータ制御装置#1の送受信部#2とエンコーダ#1とエンコーダ#2とエンコーダ#3とエンコーダ#4とエンコーダ#5とエンコーダ#6とを介して、センサ#7に対してID/定数読み出し要求を送信する。
【0090】
ステップS3008において、センサ#7が、エンコーダ#6とエンコーダ#5とエンコーダ#4とエンコーダ#3とエンコーダ#2とエンコーダ#1とモータ制御装置#1の送受信部#2とモータ制御装置#1のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とを介して、モータ制御装置#1のモータ制御部#3に対してID/定数読み出しデータ(センサ#7のセンサID情報)を送信する。
【0091】
ステップS3009において、モータ制御装置#1のモータ制御部#2が、モータ制御装置#1のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とモータ制御装置#1の送受信部#2とエンコーダ#1とエンコーダ#2とエンコーダ#3とエンコーダ#4とエンコーダ#5とエンコーダ#6とセンサ#7とを介して、センサ#8に対してID/定数読み出し要求を送信する。
【0092】
ステップS3010において、センサ#8が、センサ#7とエンコーダ#6とエンコーダ#5とエンコーダ#4とエンコーダ#3とエンコーダ#2とエンコーダ#1とモータ制御装置#1の送受信部#2とモータ制御装置#1のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とを介して、モータ制御装置#1のモータ制御部#2に対してID/定数読み出しデータ(センサ#8のセンサID情報)を送信する。
【0093】
ステップS3011において、モータ制御装置#1のモータ制御部#1が、モータ制御装置#1のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とモータ制御装置#1の送受信部#2とエンコーダ#1とエンコーダ#2とエンコーダ#3とエンコーダ#4とエンコーダ#5とエンコーダ#6とセンサ#7とセンサ#8とを介して、センサ#9に対してID/定数読み出し要求を送信する。
【0094】
ステップS3012において、センサ#9が、センサ#8とセンサ#7とエンコーダ#6とエンコーダ#5とエンコーダ#4とエンコーダ#3とエンコーダ#2とエンコーダ#1とモータ制御装置#1の送受信部#2とモータ制御装置#1のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とを介して、モータ制御装置#1のモータ制御部#1に対してID/定数読み出しデータ(センサ#9のセンサID情報)を送信する。
【0095】
なお、上述の定数読み出し手順のうち図6に示す処理が行われている間は、モータ制御装置#1が、マスタとなり、かかる処理が開始される前に、モータ制御装置#1の送受信部#1が停止し、モータ制御装置#1のリピータ20がOFFとなる。モータ制御装置#2は、この間(モータ制御装置#1が全ての定数読み出し手順を完了するまで)、モータ#4〜#6の位置情報の受信待機状態となる。
【0096】
第3に、図7を参照して、モータ制御システム1における位置情報読み出し手順(通常モード)について説明する。上述の定数読み出し手順が完了し、かかる位置情報読み出し手順が開始される際に、モータ制御装置#2が、マスタとなり、モータ制御装置#1は、モータ制御装置#2やエンコーダ#1〜#6やセンサ#7〜#9から送信されるデータをモニタすることのみ可能なモニタモードになると共に、モータ制御装置#1のリピータ20がONとなる。
【0097】
図7に示すように、ステップS4001において、モータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10が、モータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#1の送受信部#2とを介して、エンコーダ#1〜#6及びセンサ#7〜#9に対して、位置情報取得要求をブロードキャストする。
【0098】
ステップS4002において、エンコーダ#1は、モータ制御装置#1の送受信部#2とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とを介して、モータ制御部#1に対してモータ#1の位置情報を送信する。
【0099】
ここで、モータ制御装置#1は、自身のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10によって管理されているマッピングテーブル#1(図3(b)参照)を参照して、モニタしていたデータが、自身が制御するモータ#1に対応するエンコーダ#1の位置情報であるため、かかるエンコーダ#1の位置情報を取り込む。
【0100】
ステップS4003において、エンコーダ#2は、エンコーダ#1とモータ制御装置#1の送受信部#2とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とを介して、モータ制御部#2に対してモータ#2の位置情報を送信する。
【0101】
ここで、モータ制御装置#1は、自身のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10によって管理されているマッピングテーブル#1(図3(b)参照)を参照して、モニタしていたデータが、自身が制御するモータ#2に対応するエンコーダ#2の位置情報であるため、かかるエンコーダ#2の位置情報を取り込む。
【0102】
ステップS4004において、エンコーダ#3は、エンコーダ#2とエンコーダ1とモータ制御装置#1の送受信部#2とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とを介して、モータ制御部#3に対してモータ#3の位置情報を送信する。
【0103】
ここで、モータ制御装置#1は、自身のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10によって管理されているマッピングテーブル#1(図3(b)参照)を参照して、モニタしていたデータが、自身が制御するモータ#3に対応するエンコーダ#3の位置情報であるため、かかるエンコーダ#3の位置情報を取り込む。
【0104】
ステップS4005において、エンコーダ#4は、エンコーダ#3とエンコーダ#2とエンコーダ1とモータ制御装置#1の送受信部#2とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とを介して、モータ制御部#4に対してモータ#4の位置情報を送信する。
【0105】
ステップS4006において、エンコーダ#5は、エンコーダ#4とエンコーダ#3とエンコーダ#2とエンコーダ1とモータ制御装置#1の送受信部#2とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とを介して、モータ制御部#5に対してモータ#5の位置情報を送信する。
【0106】
ステップS4007において、エンコーダ#6は、エンコーダ#5とエンコーダ#4とエンコーダ#3とエンコーダ#2とエンコーダ1とモータ制御装置#1の送受信部#2とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とを介して、モータ制御部#6に対してモータ#6の位置情報を送信する。
【0107】
ステップS4008において、センサ#7は、エンコーダ#6とエンコーダ#5とエンコーダ#4とエンコーダ#3とエンコーダ#2とエンコーダ1とモータ制御装置#1の送受信部#2とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とを介して、モータ制御部#3に対してセンサ#7のセンサデータを送信する。
【0108】
ステップS4009において、センサ#8は、センサ#7とエンコーダ#6とエンコーダ#5とエンコーダ#4とエンコーダ#3とエンコーダ#2とエンコーダ1とモータ制御装置#1の送受信部#2とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とを介して、モータ制御部#2に対してセンサ#8のセンサデータを送信する。
【0109】
ステップS4010において、センサ#9は、センサ#8とセンサ#7とエンコーダ#6とエンコーダ#5とエンコーダ#4とエンコーダ#3とエンコーダ#2とエンコーダ1とモータ制御装置#1の送受信部#2とモータ制御装置#1のリピータ20とモータ制御装置#1の送受信部#1とモータ制御装置#2の送受信部#2とモータ制御装置#2のエンコーダ・センサ通信送受信管理部10とを介して、モータ制御部#1に対してセンサ#9のセンサデータを送信する。
【0110】
本実施形態に係るモータ制御システム1によれば、モータ制御装置20の制御部#1配下に複数のエンコーダが直列に接続されており制御部#1と制御部#2とが接続されるように構成されている場合であっても、適切にモータ制御装置20の設定手順を実現することができ、その結果、物理的又は処理的なコストを低減することができる。
【0111】
また、本実施形態に係るモータ制御システム1によれば、エンコーダ#1〜#6(及び、モータ#1〜#6で駆動する機械装置)と制御盤に設置されるモータ制御装置#1/#2との間の少配線化を図りながら、モータ制御処理#1/#2の処理負荷分散を実現することができる。
【符号の説明】
【0112】
1…モータ制御システム
10…エンコーダ・センサ通信送受信管理部
20…リピータ
101…モータ制御演算部
102…エンコーダ論理軸インターフェイス
103…センサ論理軸インターフェイス
【要約】
本開示に係るモータ制御システム1は、各々が複数のモータ#1〜#6のうちの少なくとも1つを制御するように構成されている複数のモータ制御装置#1/#2と、各々が対応する複数のモータ#1〜#6のうちの1つのモータの位置情報を検出するように構成されている複数のエンコーダ#1〜#6とを具備しており、モータ制御装置#1の配下に、複数のエンコーダ#1〜#6の全てが直列に接続されるように構成されており、モータ制御装置#1は、モータ制御装置#2に対して、複数のエンコーダ#1〜#6から読み出した複数のモータ#1〜#6の位置情報を転送するように構成されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7