(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記選択手段は、前記発呼手段による発呼に対する応答が着呼側の通信装置が該通信装置の状態を通知するものであることを示す場合、前記第一の再発呼手段により再発呼を行うよう選択する
請求項1記載の通信装置。
前記選択手段は、前記発呼手段による発呼に対する応答として、通信の接続が可能な状態となる予定時間を示す情報を受付けた場合、前記第一の再発呼手段により再発呼を行うよう選択する
請求項1記載の通信装置。
前記中止制御手段は、前記発呼手段による発呼に対する応答として、通信の接続が可能な状態となる予定時間を示す情報を受付けた場合に、該予定時間から予め定められた時間内に着呼側の通信装置から通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知を受付けないとき、前記第一の再発呼手段による再発呼を中止するよう制御する
請求項1乃至3いずれか記載の通信装置。
前記第一の再発呼手段は、着呼側の通信装置への接続待ちの数について通知を受けた場合、該通信装置が通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知を受付けた後、予め定められた時間が経過してから再発呼を行う
請求項1乃至4いずれか記載の通信装置。
前記応答手段は、通信の接続が可能な状態となる予定時間を示す情報を付加して応答し、予め定められた数以上の発呼側の通信装置に対して予定時間を示す情報を応答する場合には、少なくともいずれかの発呼側の通信装置に応答する予定時間を、他の発呼側の通信装置に応答する予定時間とは異なる時間とする
請求項8又は9記載の通信装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、再発呼の際の通信の接続の成功率を向上させることができる通信装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る本発明は、着呼側の通信装置に対して通信の接続を要求する発呼を行う発呼手段と、着呼側の通信装置が通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知を受付けた後に、該通信装置に対して、通信の接続を要求する再発呼を行う第一の再発呼手段と、予め定められた時間間隔で、着呼側の通信装置に対して、通信の接続を要求する再発呼を行う第二の再発呼手段と、前記発呼手段による発呼での通信の接続に失敗した場合に、前記発呼手段による発呼に対する応答に基づいて、前記第一の再発呼手段又は前記第二の再発呼手段のいずれにより再発呼を行うか選択する選択手段とを有する通信装置である。
【0007】
請求項2に係る本発明は、前記選択手段は、前記発呼手段による発呼に対する応答が着呼側の通信装置が該通信装置の状態を通知するものであることを示す場合、前記第一の再発呼手段により再発呼を行うよう選択する請求項1記載の通信装置である。
【0008】
請求項3に係る本発明は、前記選択手段は、前記発呼手段による発呼に対する応答として、通信の接続が可能な状態となる予定時間を示す情報を受付けた場合、前記第一の再発呼手段により再発呼を行うよう選択する請求項1記載の通信装置である。
【0009】
請求項4に係る本発明は、予め定められた時間内に着呼側の通信装置から通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知を受付けないときに前記第一の再発呼手段による再発呼を中止するよう制御する中止制御手段をさらに有する請求項1乃至3いずれか記載の通信装置である。
【0010】
請求項5に係る本発明は、前記中止制御手段は、前記発呼手段による発呼に対する応答として、通信の接続が可能な状態となる予定時間を示す情報を受付けた場合に、該予定時間から予め定められた時間内に着呼側の通信装置から通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知を受付けないとき、前記第一の再発呼手段による再発呼を中止するよう制御する請求項4記載の通信装置である。
【0011】
請求項6に係る本発明は、前記第一の再発呼手段は、着呼側の通信装置への接続待ちの数について通知を受けた場合、該通信装置が通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知を受付けた後、予め定められた時間が経過してから再発呼を行う請求項1乃至5いずれか記載の通信装置である。
【0012】
請求項7に係る本発明は、前記発呼手段は、通信の重要度を示す情報をともなって発呼し、前記第一の再発呼手段は、前記発呼手段により発呼した複数の着呼側の通信装置から通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知を予め定めた時間間隔内に受付けた場合、通信の重要度の順に従って再発呼を行う請求項1乃至6いずれか記載の通信装置である。
【0013】
請求項8に係る本発明は、前記第一の再発呼手段又は前記第二の再発呼手段は、再発呼である旨を判定するための情報をともなって発呼する請求項1乃至7いずれか記載の通信装置である。
【0014】
請求項9に係る本発明は、自装置の状態を他の通信装置に通知する状態通知手段と、発呼側の通信装置からの発呼に対し通信の接続が可能な状態でない場合、前記状態通知手段による状態の通知を行う通信装置である旨を応答する応答手段とを有し、前記状態通知手段は、自装置の状態が通信の接続が可能な状態になった場合、前記応答手段による応答先の通信装置に通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知を行う通信装置である。
【0015】
請求項10に係る本発明は、自装置への通信の接続待ちが発生している場合、接続待ちが解消するまで又は予め定められた時間まで、自装置への通信の接続待ちとなっている通信装置以外の通信装置からの発呼に対する通信の接続を制限する接続制限手段をさらに有する請求項9記載の通信装置である。
【0016】
請求項11に係る本発明は、自装置への通信の接続待ちが発生している場合、かつ、接続待ちの数と通信中の接続数との和が同時に通信可能な接続数に達している場合、接続待ちが解消するまで又は予め定められた時間まで、自装置への通信の接続待ちとなっている通信装置以外の通信装置からの発呼に対する通信の接続を制限する接続制限手段をさらに有する請求項9記載の通信装置である。
【0017】
請求項12に係る本発明は、前記応答手段は、通信の接続が可能な状態となる予定時間を示す情報を付加して応答し、予め定められた数以上の発呼側の通信装置に対して予定時間を示す情報を応答する場合には、少なくともいずれかの発呼側の通信装置に応答する予定時間を、他の発呼側の通信装置に応答する予定時間とは異なる時間とする請求項9乃至11いずれか記載の通信装置である。
【0018】
請求項13に係る本発明は、前記状態通知手段は、通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知を行う場合、自装置への通信の接続待ち数をあわせて通知する請求項9乃至12いずれか記載の通信装置である。
【0019】
請求項14に係る本発明は、着呼側の通信装置に対して通信の接続を要求する発呼を行う発呼ステップと、着呼側の通信装置が通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知を受付けた後に、該通信装置に対して、通信の接続を要求する再発呼を行う第一の再発呼ステップと、予め定められた時間間隔で、着呼側の通信装置に対して、通信の接続を要求する再発呼を行う第二の再発呼ステップと、前記発呼ステップの発呼での通信の接続に失敗した場合に、前記発呼ステップでの発呼に対する応答に基づいて、前記第一の再発呼ステップでの再発呼又は前記第二の再発呼ステップでの再発呼のいずれにより再発呼を行うか選択する選択ステップとをコンピュータに実行させるプログラムである。
【0020】
請求項15に係る本発明は、自装置の状態を他の通信装置に通知する状態通知ステップと、発呼側の通信装置からの発呼に対し通信の接続が可能な状態でない場合、状態の通知を行う通信装置である旨を応答する応答ステップとをコンピュータに実行させ、前記状態通知ステップは、自装置の状態が通信の接続が可能な状態になった場合、前記応答ステップでの応答の応答先の通信装置に通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知を行うプログラムである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に係る本発明によれば、再発呼手段を選択しない場合に比較して、再発呼の際の通信の接続の成功率を向上させることができる。
【0022】
請求項2に係る本発明によれば、着呼側の通信装置が状態を通知できる通信装置である場合に、不要な再発呼を行うことを防ぐことができる。
【0023】
請求項3に係る本発明によれば、不要な再発呼を防ぐことができる。
【0024】
請求項4に係る本発明によれば、再発呼の実施期限を設けることができる。
【0025】
請求項5に係る本発明によれば、着呼側の通信装置において通信の接続が可能な状態となる前に、再発呼が制限されてしまうことを防ぐことができる。
【0026】
請求項6に係る本発明によれば、予め定められた時間が経過する前に再発呼する場合に比較して、再び接続に失敗する可能性を低減することができる。
【0027】
請求項7に係る本発明によれば、重要度の高い通信を優先して再発呼することができる。
【0028】
請求項8に係る本発明によれば、着呼側の通信装置において、受けた発呼が再発呼であるか否かを判定することができる。
【0029】
請求項9に係る本発明によれば、発呼側の通信装置において、着呼側が通信可能になったことを把握することができる。
【0030】
請求項10に係る本発明によれば、再発呼により接続を要求する通信装置を優先して通信の接続を行うことができる。
【0031】
請求項11に係る本発明によれば、再発呼により接続を要求する通信装置を優先して通信の接続を行うことができる。
【0032】
請求項12に係る本発明によれば、予定時間を異なる時間としない場合に比較して、通信の接続が可能な状態へと遷移した際に、複数の着呼が集中することを防ぐことができる。
【0033】
請求項13に係る本発明によれば、発呼側の通信装置に対し、通信の混雑度合いを通知することができる。
【0034】
請求項14に係る本発明によれば、再発呼手段を選択しない場合に比較して、再発呼の際の通信の接続の成功率を向上させることができる。
【0035】
請求項15に係る本発明によれば、発呼側の通信装置において、着呼側が通信可能になったことを把握することができる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
<用語の定義>
以下の説明では、SIP(Session Initiation Protocol:セッション確立プロトコル)手順などに従い、着呼側の通信装置が通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知を受付けたことを契機に、この着呼側の通信装置に対して、通信の接続を要求するリダイヤル(再発呼)方式を自動リダイヤル方式と呼ぶこととする。また、予め定められた時間間隔で、着呼側の通信装置に対して、通信の接続を要求するリダイヤル(再発呼)方式を固定リダイヤル方式と呼ぶこととする。なお、固定リダイヤル方式として、予め定められた回数だけリダイヤルを行ってもよい。
【0038】
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0039】
図1は、本発明の実施形態に係る通信装置10の概略構成を示すブロック図である。この通信装置10は、システム制御部12、画像蓄積部14、画像読取部16、印刷部18、UI(ユーザインタフェース)部20、記憶部22、画像処理部24、呼接続制御部26、画像通信制御部28をバス30に接続し、呼接続制御部26と画像通信制御部28をTCP/UDP/IP制御部32を介してネットワークインタフェース部34に接続するとともに、画像通信制御部28をTCP/UDP/IP制御部32に接続して構成される。通信装置10は、これら構成により例えばファクシミリ通信を実現する。
【0040】
ここで、システム制御部12は、画像通信、音声通信などといった、通信装置10の全体の制御処理を行うものである。
【0041】
画像蓄積部14は、画像読取部16から読み込まれた画像または受信した画像を蓄積する。
【0042】
画像読取部16は、所定の解像度で原稿画像を読み込み、印刷部18は、所定の解像度で画像を印刷する。
【0043】
UI部20は、通信装置10を操作する各種の操作キーおよび各種情報を表示する表示部を有する。
【0044】
記憶部22は、RAM(Random Access Memory)から構成され、通信装置10の動作を制御するシステムデータおよび通信情報等を記憶する。
【0045】
画像処理部24は、画像データに対する符号化、復号化、拡大、縮小等の処理を行う。
【0046】
呼接続制御部26は、通信規約の一種であるSIPによる呼接続を制御する。SIPにより提供される制御機能の具体例としては、位置情報の登録、セッションの確立・切断、能力のネゴシエーション、プレゼンス情報交換などがある。
【0047】
画像通信制御部28は、画像通信を実現するもので、ITU(国際電気通信連合)−T.38に準拠したプロトコル、ダイレクトSMTP等のリアルタイム型の通信プロトコル制御を行う。
【0048】
TCP/UDP/IP呼制御部32は、インターネットのトランスポート/ネットワーク層のプロトコル制御を行う。ネットワークインタフェース部34は、IP網に接続され、データリンク層以下の通信制御を行う。
【0049】
図2は、本実施形態に係る発呼側の通信装置10のシステム制御部12の機能構成を示すブロック図である。
図2に示す各構成は、例えばプログラムの実行により実現される。
【0050】
図2に示されるように、発呼側の通信装置10のシステム制御部12は、発呼部40と、第一の再発呼部42と、第二の再発呼部44と、応答受付部46と、選択部48と、指定受付部50と、中止制御部52と、報知部54と、結果通知部56とを有している。
【0051】
発呼部40は、着呼側の通信装置に対して通信の接続を要求する発呼を行う。
【0052】
第一の再発呼部42は、上述の自動リダイヤル方式によるリダイヤルを行う機能であり、着呼側の通信装置が通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知を受付けたことを契機に、この着呼側の通信装置に対して、通信の接続を要求する再発呼を行う。
【0053】
第二の再発呼部44は、上述の固定リダイヤル方式によるリダイヤルを行う機能であり、予め定められた時間間隔で、着呼側の通信装置に対して、通信の接続を要求する再発呼を行う。
【0054】
応答受付部46は、発呼又は再発呼に対する応答を受付ける。
【0055】
選択部48は、発呼部40による発呼での通信の接続に失敗した場合に、応答受付部46が受付けた、発呼部40による発呼に対する応答に基づいて、第一の再発呼部42の自動リダイヤル方式の再発呼又は第二の再発呼部44の固定リダイヤル方式の再発呼のいずれにより再発呼を行うか選択する。
【0056】
選択部48は、発呼部40による発呼に対する応答として、着呼側の通信装置が自装置の状態を通知する構成であることを示す応答を得られた場合、第一の再発呼部42により自動リダイヤル方式の再発呼を行うよう選択する。
【0057】
また、選択部48は、発呼部40による発呼に対する応答が着呼側の通信装置が自装置の状態を通知する構成であることを示し、かつ、発呼部40による発呼に対する応答により示される発呼部40による発呼での通信の接続の失敗理由が予め定められた一時的な理由である場合、第一の再発呼部42により自動リダイヤル方式の再発呼を行うよう選択してもよい。
【0058】
また、選択部48は、発呼部40による発呼に対する応答が、着呼側の通信装置が自装置の状態を通知する構成であることを示し、かつ、発呼部40による発呼に対する応答として、通信の接続が可能な状態となる予定時間を示す情報を受付けた場合、第一の再発呼部42により自動リダイヤル方式の再発呼を行うよう選択してもよい。
【0059】
また、選択部48は、発呼部40による発呼に対する応答が、着呼側の通信装置が自装置の状態を通知する構成であることを示さない場合、第二の再発呼部44により固定リダイヤル方式の再発呼を行うよう選択してもよい。
【0060】
また、選択部48は、発呼部40による発呼に対する応答が、着呼側の通信装置が自装置の状態を通知する構成であることを示さず、かつ、発呼部40による発呼に対する応答により示される発呼部40による発呼での通信の接続の失敗理由が予め定められた再発呼対象の理由である場合、第二の再発呼部44により固定リダイヤル方式の再発呼を行うよう選択してもよい。
【0061】
なお、以上説明した選択部48による選択基準は適宜組み合わされてよいし、一部の選択基準のみを用いてもよい。
【0062】
指定受付部50は、中止制御部52が再発呼を中止するか否かを判定するための時間である試行期間の指定を受付ける。本実施形態では、指定受付部50は、UI部20を介して入力された試行期間の指定を受付ける。
【0063】
中止制御部52は、試行期間内に着呼側の通信装置10から通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知を受付けない場合、又は第一の再発呼部42による自動リダイヤル方式の再発呼での通信の接続の失敗が予め定められた回数発生した場合、第一の再発呼部42による自動リダイヤル方式の再発呼を中止するよう制御する。なお、中止制御部52は、上記試行期間内に、第一の再発呼部42による自動リダイヤル方式の再発呼での通信の接続の失敗が予め定められた上限回数に達した場合に中止するよう制御してもよい。
【0064】
なお、試行期間としては、指定受付部50により受付けられたユーザにより指定された試行期間であってもよいし、予め定められた試行期間であってもよいし、後述するように、着呼側の応答に基づいて設定されてもよい。
【0065】
また、中止制御部52は、発呼部40による発呼に対する応答として、着呼側の通信装置において通信の接続が可能な状態となる予定時間を示す情報を受付けた場合、少なくとも、この予定時間から試行期間内に着呼側の通信装置から通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知を受付けないときには、第一の再発呼部42による自動リダイヤル方式の再発呼を中止するよう制御する。
【0066】
また、中止制御部52は、発呼部40による発呼に対する応答として、着呼側の通信装置において通信の接続が可能な状態となる予定時間を示す情報とともに通信の接続が可能な状態の継続期間を示す情報を受付けた場合、少なくとも、この予定時間からこの継続期間内に着呼側の通信装置から通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知を受付けないときには、第一の再発呼部42による自動リダイヤル方式の再発呼を中止するよう制御する。
【0067】
なお、以上説明した中止制御部52による中止基準は適宜組み合わされてよいし、一部の中止基準のみを用いてもよい。
【0068】
報知部54は、第一の再発呼部42による再発呼を行う場合に、自動リダイヤル方式による再発呼を行うことを示す情報、及び着呼側の通信装置10から通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知がいつまでにないとリダイヤルを中止するよう制御するかを示す情報を報知する。本実施形態では、報知部54は、UI部20に表示出力することにより報知するが、音声その他の報知手段により報知してもよい。
【0069】
結果通知部56は、第一の再発呼部42による再発呼又は第二の再発呼部44による再発呼の結果を予め定められた使用者宛に通知する。
【0070】
図3は、本実施形態に係る着呼側の通信装置10のシステム制御部12の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3に示す各構成は、例えばプログラムの実行により実現される。ここで、
図3に示される機能構成は、上述の発呼側の通信装置10からの発呼について着呼する通信装置のうち、自装置の状態を他の通信装置に通知する構成を備えた通信装置の一例を示すに過ぎず、上述の発呼側の通信装置10から
図3に示す機能を備えない通信装置に対して発呼が行われてもよい。
【0071】
なお、通信装置10は、
図2に示す発呼側のシステム制御部12の機能と
図3に示す着呼側のシステム制御部12の機能とを併せ持っていてもよい。
【0072】
図3に示されるように、着呼側の通信装置10のシステム制御部12は、応答部60と、状態通知部62とを有している。
【0073】
応答部60は、発呼側の通信装置からの発呼に対し通信の接続が可能か否かについて応答する。なお、通信の接続が可能な状態でない場合、その理由も含め応答する。また、応答部60は、発呼側の通信装置からの発呼に対し、通信の接続が可能な状態でない場合、自装置の状態を他の通信装置に通知する機能を備えた構成である旨を応答する。
【0074】
なお、応答部60は、通信の接続が可能な状態となる予定時間を示す情報を付加して応答してもよい。また、応答部60は、通信の接続が可能な状態の継続時間を示す情報を付加して応答してもよい。また、予め定められた数以上の発呼側の通信装置に対してこの予定時間を示す情報を応答する場合には、少なくともいずれかの発呼側の通信装置に応答する予定時間を、他の発呼側の通信装置に応答する予定時間とは異なる時間としてもよい。
【0075】
状態通知部62は、自装置の状態を他の通信装置に通知する。ここで、特に、状態通知部62は、自装置の状態が通信の接続が可能な状態になった場合、応答部60が通信の接続が不可である旨の応答を行った応答先の通信装置10に通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知を行う。
【0076】
図4は、再発呼の方式を選択する場合の動作の一例を示すシーケンスチャートである。なお、
図4では、再発呼の動作の一例として、
図2に示した機能を備えた通信装置10が、
図3に示した機能を備えた通信装置10に対して再発呼する様子を示している。また、以下の図において、SIPサーバは、SIPを用いた呼制御サーバであり、発呼側と着呼側との間でなされるSIPリクエスト(要求)及びSIPレスポンス(応答)の中継を行う。なお、SIPサーバを経由せずに、発呼側と着呼側とで、
図4に示すやり取りが行われてもよい。
【0077】
図4に示した例では、着呼側の通信装置は、通信中の状態であるものとする。
【0078】
ステップ100において、発呼部40が、発呼を行う。具体的には、発呼側から「INVITE」リクエストを着呼側へ送信し、呼接続要求を行う。この際、「Allow」ヘッダにおいて、「SUBSCRIBE」、「NOTIFY」を記述し、通信装置の状態を監視することが可能である旨を通知する。また、「Priority」ヘッダを利用して、初回発呼であることを通知する。なお、本実施形態では、初回発呼であることを「Priority」ヘッダにおいて「normal」と記述することにより表し、再発呼であることを「urgent」と記述することにより表している。このように、発呼について再発呼であるのか否かを明示することにより、着呼側では、初回発呼による着呼であるのか、再発呼による着呼であるのかを判別できる。第一の再発呼部42による再発呼に限らず、第二の再発呼部44による再発呼においても再発呼である旨を着呼側で判定するための情報をともなって発呼してもよい。
【0079】
ステップ102において、着呼側では、応答部60が、ステップ100の発呼に対して、応答する。具体的には、この例では、通信中の状態であるため、着呼側は、応答コードが「486」である「Busy Here」のレスポンス(応答)を発呼側に対して行う。また、この際、「Allow−Events」ヘッダにおいて、「dialog」と記述し、自装置の状態を通知することが可能である旨を応答する。発呼側では、応答受付部46が応答を受付ける。
【0080】
ステップ104において、ステップ102における応答を受け取ったことを知らせるメッセージである「ACK」を着呼側へ送る。
【0081】
ステップ106において、発呼側では、選択部48が、自動リダイヤル方式の再発呼又は固定リダイヤル方式の再発呼のいずれにより再発呼を行うか選択する。なお、ステップ106の詳細については後述する。
【0082】
次に、再発呼の方式を選択する場合の動作の他の例を示す。
図5は、再発呼の際に再発呼の方式を選択する場合の動作の他の例を示すシーケンスチャートである。
【0083】
図4で示した例では、着呼側の通信装置が通信中の状態である場合を例にしたが、
図5では、着呼側の通信装置が、メンテナンス中などにより一時的に接続することができない場合を例に示す。なお、
図5では、再発呼の動作の一例として、
図2に示した機能を備えた通信装置10が、
図3に示した機能を備えた通信装置10に対して再発呼する様子を示している。
【0084】
ここでは、
図5に示されるように、着呼側では、
図4に示したステップ102に代えて、ステップ102で、一時的に利用不可の状態であることを示す応答として、応答コード「480」である「Temporarily Unavailable」のレスポンス(応答)を発呼側に対して行う。また、この際、
図4のステップ102と同様、「Allow−Events」ヘッダにおいて、「dialog」と記述し、自装置の状態を通知することが可能である旨を応答する。また、
図5に示した例では、さらに、通信の接続が可能な状態となる予定時間を示す情報及び通信の接続が可能な状態の継続時間を示す情報を付加して応答する。具体的には、「Retry―After」ヘッダを用いて、「Retry―After: 18000; duration=3600;“メンテナンス中"」と記述し、18000秒(5時間後)に3600秒(1時間)だけ通信の接続が可能になる旨を示す。
【0085】
ここで、
図5に示した例では、1台の通信装置10から着呼があった場合を例に示したが、
図6及び
図7に示すように、複数台の通信装置10から着呼があった場合には、通信の接続が可能な状態となる予定時間を各発呼側の通信装置10に対してずらして通知してもよい。
【0086】
図6は、通信の接続が可能な状態となる予定時間をずらして通知する場合の動作の一例を示すシーケンスチャートである。なお、
図6に示したシーケンスチャートでは、SIPサーバを省略している。
【0087】
ステップ100において、発呼側から呼接続要求があると、着呼側では、ステップ101として、発呼側に通知する時間の設定が行われる。なお、時間の設定の詳細については、
図7により説明する。
【0088】
ステップ102では、ステップ101で設定された時間に基づいて、各発呼側の通信装置10に対し、応答が行われる。この際、通信の接続が可能な状態となる予定時間を各発呼側の通信装置10に対してずらして通知する。
図6に示した例では、2つの発呼側の通信装置10のうち、一方の通信装置10に対しては、「Retry―After」ヘッダを用いて、「Retry―After: 18000; duration=3600;“メンテナンス中"」と記述し、18000秒(5時間後)に3600秒(1時間)だけ通信の接続が可能になる旨を通知し、他方の通信装置10に対しては、「Retry―After」ヘッダを用いて、「Retry―After: 18060; duration=3540;“メンテナンス中"」と記述し、18060秒(5時間1分後)に3540秒(59分)だけ通信の接続が可能になる旨を通知する。
【0089】
図7は、通信の接続が可能な状態となる予定時間をずらして通知する場合の時間の設定についての動作の一例を示すフローチャートである。
【0090】
ステップ1000(S1000)において、通信の接続が可能な状態となる予定時間として通知しようとしている時刻について、予め定められた回数以上通知したか(又は通知予定であるか)否かを判定する。Noの場合には、ステップ1002へ移行し、Yesの場合には、ステップ1004へ移行する。
【0091】
例えば、通知しようとしている予定時間が、18000秒であり、予め定められた回数が1回である場合、既に、18000秒の通知をいずれかの発呼側の通信装置10に対して通知し又は通知予定である場合には、ステップ1000においてYesと判定され、1004へ移行する。なお、予め定められた回数は、着呼側の通信装置10の同時受信可能チャネル数に応じて設定されてもよい。例えば、着呼側の通信装置10の同時受信可能チャネル数が2の場合には、予め定められた回数を2としてもよい。
【0092】
ステップ1002(S1002)では、ステップ1000で予め定められた回数との比較対象であるカウンタを1だけ増加させる。
【0093】
ステップ1004(S1004)では、通知しようとしている予定時間に対し、予め定められた時間だけ付加した時間を通知する予定時間として設定する。また、それに伴い、接続が可能な状態の継続時間についても調整する。例えば、通知しようとしている予定時間が、18000秒である場合、予め定められた時間として60秒付加した1860秒を、通信の接続が可能な状態となる予定時間とし、さらに、通信の接続が可能な状態となる継続時間については、当初の継続時間が3600秒である場合、3540秒を、継続時間として設定する。
【0094】
ここで、
図4及び
図5で示したステップ106におけるリダイヤル方式の選択についての詳細を、
図8を用いて説明する。
【0095】
図8は、選択部48による選択についての動作の一例を示すフローチャートである。
【0096】
ステップ2000(S2000)において、選択部48は、応答受付部46が受付けた応答に基づいて、着呼側の通信装置が自装置の状態について通知することが可能か否かを判定する。着呼側の通信装置が自装置の状態について通知することが可能である場合、ステップ2002へ移行し、そうでない場合、ステップ2010へ移行する。具体的には、例えば、応答において、「Allow−Events」ヘッダを用いて「dialog」と記されていれば、着呼側の通信装置が自装置の状態について通知することが可能であると判定する。
【0097】
ステップ2002(S2002)において、選択部48は、応答受付部46が受付けた応答に、通信の接続が可能な状態となる予定時間を示す情報が含まれているか否かを判定する。具体的には、例えば、「Retry―After」の通知があるか否かを判定する。通信の接続が可能な状態となる予定時間を示す情報が含まれている場合には、ステップ2008へ移行し、含まれていない場合には、ステップ2004へ移行する。
【0098】
ステップ2004(S2004)において、選択部48は、応答受付部46が受付けた応答に含まれる通信の接続の失敗理由が予め定められた一時的な理由であるか否かを判定し、予め定められた一時的な理由である場合にはステップ2006へ移行し、それ以外の場合には、ステップ2010へ移行する。
【0099】
選択部48は、例えば、着呼側の応答として、応答コードが「486」である「Busy Here」のレスポンス又は応答コードが「480」である「Temporarily Unavailable」のレスポンスである場合には、予め定められた一時的な理由であると判定する。これにより、待機後にリダイヤルを実施すれば接続の可能性がある場合のみリダイヤルを行うこととなる。
【0100】
ステップ2006(S2006)において、選択部48は、自動リダイヤル方式による再発呼を行うことを選択し、報知部54が、自動リダイヤル方式による再発呼を行うことを示す情報、及び着呼側の通信装置10から通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知がいつまでにないと再発呼を中止するよう制御するかを示す情報を報知する。
【0101】
一方、ステップ2008(S2008)では、選択部48は、自動リダイヤル方式による再発呼を行うことを選択し、報知部54が、「Retry―After」の通知で示された情報に基づいて、自動リダイヤル方式による再発呼を行うことを示す情報、及び着呼側の通信装置10から通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知がいつまでにないと再発呼を中止するよう制御するかを示す情報を報知する。
【0102】
また、ステップ2010(S2010)では、選択部48は、着呼側からの応答により示される通信の接続の失敗理由が予め定められた再発呼対象の理由であるか否かを判定する。予め定められた再発呼対象の理由である場合、選択部48は、固定リダイヤル方式により再発呼を行うことを選択し、予め定められた再発呼対象の理由でない場合には、再発呼を断念する。
【0103】
選択部48は、例えば、着呼側の応答として、応答コードが「404」である「NotFound」(相手先が見つからない)や、応答コードが「408」である「REQUEST timeout」(時間内に相手が見つからない)などの場合、予め定められた再発呼対象の理由であるとして、固定リダイヤル方式により再発呼を行うことを選択する。また、選択部48は、例えば、着呼側の応答として、応答コードが「403」である「Forbidden」(接続の拒否)や、応答コードが「488」である「Not Acceptable Here」(受け入れ不可)などの場合、予め定められた再発呼対象の理由ではないとして、再発呼を実施することなく終了する。
【0104】
図9は、ステップ2006における報知部54の報知の一例を示す表示画面の模式図である。
【0105】
図9に示す例では、着呼側からの応答として、応答コードが「486」である「Busy Here」のレスポンスがあった場合の例を示している。報知部54は、
図9に示すように、自動リダイヤル方式による再発呼を行う旨を表示するとともに、再発呼を中止するまでの期間として予め定められた試行期間を表示する。なお、この試行期間については、使用者が設定してもよい。
【0106】
図10は、ステップ2008における報知部54の報知の一例を示す表示画面の模式図である。
【0107】
図10に示す例では、着呼側からの応答として、「Retry―After: 18000; duration=3600;“メンテナンス中"」と記述された応答があった場合の例を示している。報知部54は、
図10に示すように、自動リダイヤル方式による再発呼を行う旨を表示するとともに、通知された予定時間である18000秒を現在の時刻に付加した時刻を通信開始予定時刻として表示し、再発呼を中止するまでの試行期間として、着呼側の応答に記述された継続時間である3600秒(60分)を表示する。なお、
図10に示されるように、試行期間は、ユーザが変更してもよい。
【0108】
次に、本実施形態における自動リダイヤルによる接続動作について説明する。
図11は、本実施形態における自動リダイヤルによる接続動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【0109】
なお、
図11に示した例では、着呼側の通信装置は、当初、通信中の状態であるものとする。
【0110】
ステップ200(S200)において、発呼側の通信装置10は、着呼側に対し、状態の通知を行うよう依頼する。具体的には、例えば、「SUBSCRIBE(購読要求) EVENT: dialog」のメッセージをリクエストとして送信することで、Dialogイベントのサブスクリプション(購読要求)を行い、状態を通知するよう要求する。また、これに対し、要求を承知する応答(「200 OK」)が着呼側から発呼側へ通知される。
【0111】
ステップ202(S202)において、着呼側は、自装置の状態を発呼側へ通知する。ここでは、通信中の状態であるため、着呼側は、通話中の状態である旨(「NOTIFY(通話中状態)」)を通知する。これに対し、着呼側からの状態の通知を承知する応答(「200 OK」)が、発呼側から着呼側へと通知される。
【0112】
ここで、着呼側において、通話が終了し、通信の接続が可能な状態へ遷移すると、ステップ204(S204)において、着呼側は、通信の接続が可能な状態である旨(「NOTIFY(Ready)」)を発呼側へ通知する。
【0113】
ステップ206(S206)において、発呼側の通信装置10において、第一の再発呼部42が、着呼側の通信装置に対して、通信の接続を要求する再発呼を行う。具体的には、発呼側から「INVITE」リクエストを着呼側へ送信し、呼接続要求を行う。この際、「Priority」ヘッダを利用して、再発呼であることを通知する。本実施形態では、再発呼であることを「urgent」と記述することにより表している。
【0114】
ステップ208(S208)において、着呼側の通信装置は、発呼側の通信装置10に対し、暫定応答の通知(180 Ringing)を送信する。
【0115】
ステップ210(S210)において、接続の成功を通知する応答(「200 OK」)が着呼側から発呼側へ通知されると、発呼側は、応答を受け取ったことを知らせるメッセージである「ACK」を着呼側へ送る。
【0116】
以上のような処理を経て、ステップ212(S212)において、発呼側と着呼側の通信装置間において、通信が行われる。例えば、ファクシミリ通信が行われ画像の送受信が行われる。
【0117】
画像等のデータ送受信が終了するなどして、発呼側と着呼側の通信装置間の通信が終了すると、ステップ214(S214)において、発呼側は、着呼側の状態の購読要求をキャンセルする。
【0118】
ステップ216(S216)において、発呼側は、通信の接続の終了要求(BYE)を着呼側に送信し、通信の接続を終了する。
【0119】
ステップ218(S218)において、通信の接続の終了要求に対する着呼側からの応答(200 OK)を受け取ったことを知らせるメッセージである「ACK」を着呼側へ送る。
【0120】
ステップ220(S220)において、発呼側の通信装置10において、結果通知部56が、再発呼の結果を予め定められた使用者宛に通知する。例えば、結果通知部56は、通信の成功又は失敗について予め定められた使用者宛に通知する。本実施形態では、セッション記述情報(SDP)より取得済みの管理者の宛先へ、SIPメッセージによって、通信結果を通知する。
【0121】
次に、第一の再発呼部42による自動リダイヤル方式の再発呼を中止する際の動作について説明する。
図12は、第一の再発呼部42による自動リダイヤル方式の再発呼を中止する際の動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図12では、試行期間内に、着呼側から、通信接続可能な状態への遷移の通知がなかった場合に、自動リダイヤル方式の再発呼を中止する例について説明する。
【0122】
図12では、
図4と同様、着呼側の通信装置は、通信中の状態であるものとする。
まず、
図4に示したステップ100〜106の通り、発呼側からの発呼に対し、着呼側の応答が行われ、リダイヤル方式が選択される。ここでは、自動リダイヤル方式が選択されるものとして説明する。
【0123】
自動リダイヤル方式が選択されると、
図11に示したステップ200〜202の通り、発呼側から着呼側に対して、状態の通知を行うよう依頼が行われ、着呼側は、自装置の状態を発呼側へ通知する。
【0124】
この際、中止制御部52は、例えば、ステップ200の処理を期間の始めとし、試行期間内に着呼側から通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知を受付けたか否かを監視する。
【0125】
そして、試行期間内に着呼側から通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知がない場合には、中止制御部52は、第一の再発呼部42による自動リダイヤル方式の再発呼を中止するよう制御する。具体的には、ステップ300(S300)として、発呼側は、着呼側の状態の購読要求をキャンセルし、ステップ302(S302)において、自動リダイヤル方式の起動を終了する。
【0126】
図13は、第一の再発呼部42による自動リダイヤル方式の再発呼を中止する際の動作の他の一例を示すシーケンスチャートである。
図13では、第一の再発呼部42による自動リダイヤル方式の再発呼での通信の接続の失敗が予め定められた回数発生した場合、第一の再発呼部42による自動リダイヤル方式の再発呼を中止するよう制御する例にいて説明する。
【0127】
図13では、
図4と同様、着呼側の通信装置は、通信中の状態であるものとする。
まず、
図4に示したステップ100〜106の通り、発呼側からの発呼に対し、着呼側の応答が行われ、リダイヤル方式が選択される。ここでは、自動リダイヤル方式が選択されるものとして説明する。
【0128】
自動リダイヤル方式が選択されると、
図11に示したステップ200〜202の通り、発呼側から着呼側に対して、状態の通知を行うよう依頼が行われ、着呼側は、自装置の状態を発呼側へ通知する。
【0129】
ここで、着呼側において、通話が終了し、通信の接続が可能な状態へ遷移すると、ステップ400(S400)において、着呼側は、通信の接続が可能な状態である旨(「NOTIFY(Ready)」)を発呼側へ通知する。
【0130】
ステップ402(S402)において、発呼側の通信装置10において、自動リダイヤル方式による再発呼が行われる。
【0131】
ここで、着呼側では、別の通信の接続がなされるなどの何らかの理由により、新たな通信の接続ができない場合を想定する。
図13に示した例では、別の着呼により、通信中の状態に遷移してしまった場合を例示しており、ステップ404(S404)において、着呼側の通信装置は、ステップ402における再発呼に対する応答として、通信中の状態である旨の応答(486 Busy Here)がなされる。
【0132】
その後、ステップ400〜ステップ404が繰り返されると、中止制御部52は、繰り返し回数が、予め定められた上限回数に達したか否かを判定する。繰り返し回数が予め定められた上限回数に達した場合には、中止制御部52は、第一の再発呼部42による自動リダイヤル方式の再発呼を中止するよう制御する。具体的には、ステップ406(S406)として、発呼側は、着呼側の状態の購読要求をキャンセルし、ステップ408(S408)において、自動リダイヤル方式の起動を終了する。
【0133】
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、着呼側の通信装置10への接続待ちの数について通知を受けた場合、第一の再発呼部42が、着呼側の通信装置10が通信の接続が可能な状態へ遷移した旨の通知を受付けた後、予め定められた時間が経過するまで再発呼を待機し、予め定められた時間が経過してから再発呼を行う点で上記の実施形態と異なる。なお、以下に説明する第2の実施形態では、接続待ちの数に応じた時間が経過するまで再発呼を行わない。
【0134】
図14は、第2の実施形態における再発呼の動作の一例を示すシーケンスチャートである。なお、
図14に示したシーケンスチャートでは、SIPサーバを省略している。
図14に示した例では、通話中状態である着呼側の通信装置10に対して、複数の接続要求がなされた場合を示している。
【0135】
まず、
図4に示したステップ100〜106と同様、複数の通信装置10から発呼が行われ、これに対し着呼側の応答が行われ、各発呼側の通信装置10においてリダイヤル方式が選択される。ここでは、自動リダイヤル方式が選択される。
【0136】
ステップ500において、各発呼側の通信装置10は、着呼側に対し、状態の通知を行うよう依頼する。この際、着呼側の通信装置10は、各発呼元の接続待ち順を管理する。
【0137】
その後、着呼側の通信装置10において、通信の接続が可能な状態へと移行すると、ステップ502において、接続待ち中の各発呼側の通信装置10に対して、状態通知部62は、通信の接続が可能な状態である旨を通知する。このとき、着呼側の通信装置10の状態通知部62は、各発呼側の通信装置10に対して、接続待ち順の待ち数を通知する。
【0138】
通知された待ち数が1ではない発呼側の通信装置10では、予め定められた時間が経過するまで再発呼を待機し、予め定められた時間が経過してから再発呼を行うこととなる。本実施形態では、具体的には、予め定められたインターバル時間をT、通知された待ち数をNとした場合、「(N−1)×T」時間待機後に再発呼を行う。
【0139】
このため、待ち数が1と通知された発呼側の通信装置10では、ステップ502の通知後、再発呼を待機することなく、再発呼が行われる(ステップ504)。
【0140】
そして、ステップ506として、ステップ504における再発呼に基づく通信の接続、通信の実施、状態通知の購読のキャンセル、接続の終了が行われる。なお、状態通知の購読のキャンセルが行われると、着呼側の通信装置10は、管理している待ち数を1減じる。
【0141】
その後、予め定められた時間だけ再発呼の実施を待機していた発呼側の通信装置10において、予め定められた時間経過後に再発呼が行われる(ステップ508)。
【0142】
ここで、着呼側の通信装置10は、
図14に示されるように、新規の着呼の接続を制限してもよい。
【0143】
図15は、新規の着呼の接続を制限する機能を備えた着呼側の通信装置10のシステム制御部12の機能構成の一例を示すブロック図である。
図15に示される構成は、
図3に示される構成に、接続制限部64が追加されている点で
図3に示した構成と異なっている。
【0144】
接続制限部64は、自装置への通信の接続待ちが発生している場合、接続待ちが解消するまで又は予め定められた時間まで、自装置への通信の接続待ちとなっている通信装置以外の通信装置からの発呼に対する通信の接続を制限する。これにより、接続待ちとなっていない発呼側の通信装置からの発呼が割り込むことにより、当該割り込んだ発呼により通信の接続がなされることを防ぎ、接続待ちの通信装置への通信の接続が優先される。なお、接続制限部64は、例えば、接続要求の際に付加された「Priority」ヘッダにおいて「normal」と記述されていた場合、新規の発呼(初回の発呼)であると判定し、「urgent」と記述されていた場合には接続待ちの再発呼であると判定する。
【0145】
なお、接続制限部64は、自装置への通信の接続待ちが発生している場合、かつ、接続待ちの数と現在通信中の接続数との和が、自装置が同時に通信可能な接続数(チャネル数)に達している場合、接続待ちが解消するまで又は予め定められた時間まで、自装置への通信の接続待ちとなっている通信装置以外の通信装置からの発呼に対する通信の接続を制限してもよい。これにより、複数の接続が可能な通信装置10においては、同時通信が可能な上限に達していないならば、新規の着呼による接続を許可することとなる。
【0146】
次に、第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態では、複数の再発呼先がある場合に、各再発呼先に対する通信の重要度に応じた順で再発呼を行う点で上記の実施形態と異なる。
【0147】
図16は、第3の実施形態における再発呼の動作の一例を示すシーケンスチャートである。なお、
図16に示したシーケンスチャートでは、SIPサーバを省略している。
【0148】
図16に示した例では、発呼側の通信装置10が複数の通信装置に対して発呼し、いずれの発呼についても、着呼側の通信装置から通信中の状態である旨の応答があった場合に、その後、各発呼先から予め定められた期間(リダイヤル調整期間)内に各発呼先から通信の接続が可能な状態になった旨の通知を受ける際の様子を示している。
【0149】
また、
図16に示した例において、発呼部40は、各発呼において通信の重要度を示す情報をともなって発呼しており、具体的には、通信の重要度を「Priority」ヘッダを利用して表しており、ヘッダに記述される内容が「non―urgent」、「normal」、「urgent」、「emergency」の順に重要度の高い通信であることを示している。
【0150】
ステップ600(S600)において、発呼側の通信装置10は、通信の重要度が「normal」である通信の接続を要求するための発呼を行う。また、その後、ステップ602(S602)において、発呼側の通信装置10は、通信の重要度が「urgent」である通信の接続を要求するための発呼をステップ600における発呼先とは異なる発呼先に行う。
【0151】
ここで、各発呼先において通信の接続が可能な状態に遷移し、予め定められたリダイヤル調整期間内に各発呼先から通信の接続が可能な状態である旨の通知を受付けたと想定する(ステップ604)。
【0152】
ステップ606において、第一の再発呼部42は、通信の重要度の順に従って再発呼を行う。この場合、ステップ602における発呼の通信の重要度のほうが、ステップ600における発呼の通信の重要度よりも高いので、ステップ602における発呼先への再発呼を優先して行う。
【0153】
なお、第一の再発呼部42は、重要度が同じ場合、再発呼回数が多い順に従って再発呼を行ってもよい。また、第一の再発呼部42は、再発呼回数も同じ場合、発呼部40による発呼の古い順に従って再発呼を行ってもよい。
【0154】
以上、各実施形態について説明したが、各実施形態に示した動作について適宜組み合わせてもよい。また、固定リダイヤル方式の再発呼を行う機能を有しない通信装置において、上述した機能を適宜備えていてもよい。