(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6241609
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】折畳み式扉装置
(51)【国際特許分類】
E05D 15/26 20060101AFI20171127BHJP
E05D 15/06 20060101ALI20171127BHJP
E06B 3/48 20060101ALI20171127BHJP
E05C 21/00 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
E05D15/26
E05D15/06 125A
E06B3/48
E05C21/00 B
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-13933(P2014-13933)
(22)【出願日】2014年1月29日
(65)【公開番号】特開2015-140569(P2015-140569A)
(43)【公開日】2015年8月3日
【審査請求日】2016年4月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220929
【氏名又は名称】東工シャッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087169
【弁理士】
【氏名又は名称】平崎 彦治
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 睦
【審査官】
富士 春奈
(56)【参考文献】
【文献】
実公昭45−021487(JP,Y1)
【文献】
実開昭51−038359(JP,U)
【文献】
実公昭50−025079(JP,Y1)
【文献】
実開昭57−110258(JP,U)
【文献】
実開昭53−049358(JP,U)
【文献】
特開2007−297835(JP,A)
【文献】
特開2009−52208(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 15/00−15/58
E06B 3/48、3/90−3/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のパネルが継手を介して折畳み可能に連結し、パネル中立軸上端に取付けた吊車を介して上レールに吊設される折畳み式扉において、上記吊車は1枚おきのパネル中立軸上端に取付け、そして、上レールから一方側へ張り出す継手の上端には規制部材をパネル上端より上方へ延ばして取付け、上レールには上記規制部材が係合するガイド材を沿設すると共に取り外し可能な構造とし、吊元側では片側のガイド材を切欠いて外側へ連続して張り出すガイド部を形成したガイドプレートを設け、折畳み式扉を伸長して間口を閉じた場合に床面に設けた落し穴に嵌る落し棒を取付けたことを特徴とする折畳み式扉装置。
【請求項2】
上レールの下側に凹溝又は凸条を沿設し、この凹溝又は凸条にガイド材が係合して着脱自在に取付け出来るようにした請求項1記載の折畳み式扉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数枚のパネルが継手を介して折畳み出来るように連結した折畳み式扉装置、及び折畳み式扉を吊設する為の上レールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来において、複数枚のパネルが継手を介して折畳み可能に連結した折畳み式扉は店舗などの間口(入口)に多用されている。この折畳み式扉は天井に設けた上レールに吊設され、床に敷設した下レールにガイドされるもので、折畳み式扉の上端には吊車が取付けられ、下端にはスライダーを設けている。従って、吊車が上レールに沿って移動するならば、折畳み式扉は伸長したり又は折畳まれて間口を開閉することが出来る。この場合、下端に設けているスライダーは下レールのガイド溝に沿って移動する。
【0003】
ところで、
図3は折畳み式扉を示す概略図であるが、同図に示すように縦長の長方形をした複数枚のパネル(イ)、(イ)・・・は継手を介して連結され、継手は主継手(ロ)、(ロ)・・・と従継手(ハ)、(ハ)・・・を有している。主継手(ロ)、(ロ)・・・はその上端に吊車(ニ)、(ニ)・・・を取着し、下端にはスライダー(図示なし)を延ばしている。そして、戸先側パネルの先端と戸尻側パネルの先端にも吊車(ニ)を取着している。
【0004】
そこで、該折畳み式扉を同図に示すように折畳む場合、主継手(ロ)、(ロ)・・・は上レール及び下レールと同一面に位置するが、従継手(ハ)、(ハ)・・・は上レール及び下レールからはみ出すことになる。従って、折畳み扉が折畳まれるならば、パネル(イ)、(イ)・・・は間口の正面側又は背面側へ張り出すことになり、その為に、張り出すパネル(イ)、(イ)・・・は障害になることが多い。
【0005】
また、上レール及び下レールから張り出したパネル(イ)、(イ)・・・は、片持ち支持状態と成って支持され、パネル(イ)、(イ)・・・の重量に基づくモーメントが上レール及び下レールの側面に作用し、同時に吊車(ニ)、(ニ)・・・及びスライダーにも側方からの力が働く。勿論、主継手(ロ)、(ロ)・・・にも作用する為に折畳み式扉にガタが発生し、折畳み操作に支障を来す。
【0006】
一方、折畳み式扉が伸長して間口を閉鎖する場合、上レール及び下レールから張り出した従継手(ハ)、(ハ)・・・が主継手(ロ)、(ロ)・・・と同一面となる必要があり、従継手(ハ)、(ハ)・・・は上レール及び下レールに拘束される。すなわち、従継手(ハ)、(ハ)・・・がフリーな状態であれば、上レール及び下レールに沿って伸長した折畳み式扉はガタ付いて安定性を欠く。その為に、折畳まれている折畳み式扉の戸先を引いて伸長する際、従継手(ハ)、(ハ)・・・が上レール及び下レールに沿って拘束されるようにガイド装置を設けている。
【0007】
ところで、比較的簡易な構造として構成した折畳み式扉が知られている。この折畳み式扉を構成するパネルは継手を介して連結し、パネルの中立軸の上端に吊車を取付けて構成している。このように構成した折畳み式扉では、継手にモーメントが発生しない為にガタ付きは少なく、何時までも比較的スムーズな開閉操作を行うことが出来る。そして、簡易な構造であることから下レールはなく、下レールにガイドされるスライダーを備えていない。
【0008】
図4はパネル中立軸の上端に吊車(チ)、(チ)・・・を取付け、該吊車(チ)、(チ)・・・を介して上レール(リ)に吊設される折畳み式扉の具体例を示している。同図の(a)は引手側のパネル(ホ)、(ホ)・・・が折畳まれて間口の一部が開口している場合、(b)は折畳み式扉が伸長して間口を閉じている場合、(c)は折畳み式扉が伸長した場合の引手側一部の正面図である。
各パネル(ホ)、(ホ)・・・は継手(ヘ)、(ト)、(ヘ)、(ト)・・・により連結されて、同図(a)に示すようにジグザグ状に折畳まれる。ここで、折畳み式扉は引先側から吊元側へ順次折畳まれるが、継手(ヘ)、(ヘ)・・・の上端には規制ローラ(ヌ)、(ヌ)・・・を取付けて、各パネル(ホ)、(ホ)・・・の折畳み方向を規制している。
【0009】
すなわち、
図5に前記
図4のA−A断面拡大図を示しているように、上レール(リ)の片側にはガイド材(ル)が取付けられ、上記規制ローラ(ヌ)、(ヌ)・・・はこのガイド材(ル)に当たるようにしている。従って、引手框を吊元側へ押圧するならば、折畳み式扉は規制ローラ(ヌ)、(ヌ)・・・を取付けた継手(ヘ)、(ヘ)・・・はガイド材(ル)の存在しない側から張り出して折畳まれる。
【0010】
ところで、この折畳み式扉を店舗の間口に装着する場合、戸先側から折畳まれた状態で上レール(リ)に沿って移動する為に、間口付近に物があれば折畳まれたパネル(ハ)が衝突する虞がある。また、コーナー部を移動する際には、開閉の勢い(慣性)で扉が揺れて壁面に当たらないように、前以て該壁面との間の距離をとって折畳み扉を装着する必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このように、パネル中立軸に吊車を取付けた従来の折畳み式扉には上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこれら問題点であり、間口付近に置かれた物に折畳まれるパネルが当たらないように、吊元側から順次折畳まれるようにした折畳み式扉装置、及び上レールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の係る折畳み式扉は複数枚のパネルが継手を介して連結し、そして、各パネルの中立軸上端に吊車を取付けている。そこで、上レールに吊車が載ることで該折畳み式扉は吊設され、上レールに沿って吊車が移動することで折畳み式扉は伸長し、また折畳まれる。本発明では下レールを床面に敷設せず、その為に折畳み扉の下端にスライダーを設けていない。そこで、折畳み式扉を伸長した場合に下端部を床面に固定する為に下方へ降下して床面に設けた落し穴に嵌る落し棒を取付けている。
【0013】
ところで、本発明の折畳み式扉装置は、折畳み扉を構成するパネルの具体的な形態や構造、及び各パネルを連結する継手の具体的な構造は問わないことにする。そして、折畳まれる際に上レールから一方側へ張り出す継手の上端には規制部材を取付け、上レールの片側又は両側にはガイド材を沿設している。そこで、上レールの下面両側に凹溝又は凸条を沿設しており、上記ガイド材を着脱自在としている。そして、吊元側には片側のガイド材を切欠き、規制部材を外方向へ導くようにガイド部を有すガイドプレートを設けている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る折畳み式扉は複数枚のパネルが継手を介して連結した構造であり、その為に伸長したり折畳むことが出来る。そして、上レールに載って折畳み扉を吊設する吊車はパネル中立軸の上端に取着されることで重量のバランスが保たれ、継手に無理な力がかからない。従って、何時までもスムーズな折畳み操作を行うことが出来る。
【0015】
そして、伸長した折畳み扉を折畳む場合、引手框を押すことで吊元側から折畳まれる。すなわち、上レールの両側にガイド材を沿設していることで、継手に取付けられて上方へ延びる規制部材はガイド材に当たって拘束されることから、引手側から折畳まれることはなく、吊元側に外側へ張り出すガイドプレートを設けていることで吊元側から折畳まれ、従来のように折畳まれたパネルが上レールに沿って移動することはない。その為に、間口付近に設置した物に折畳まれたパネルが衝突するといった事故は起きない。また、コーナー部で扉が外側へ揺れて張り出すこともなく、壁との距離が小さく成るように折畳み式扉装置が設置可能と成る。
【0016】
ここで、上記ガイド材は上レールに凹溝又は凸条を沿設して着脱自在としていることで、折畳み式扉を装着する現場の状況に応じてガイド材を上レールの両側に取付けたり、片側に取付けたりすることが出来る。その為に、折畳み式扉の折畳み方式はガイド材を両側に取付けることで吊元側から折畳まれ、片側にのみガイド材を取付けるならば引手側から折畳まれるようにすることが可能と成る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係る折畳み式扉装置を示す実施例で、(a)は折畳み式扉の吊元側が折畳まれた場合、(b)は折畳み式扉が伸長し間口を閉じている場合、(c)は引手側の一部正面図。
【
図4】パネル中立軸の上端に吊車を備えた従来の折畳み式扉装置で、(a)は折畳み式扉の引手側が折畳まれた場合、(b)は折畳み式扉が伸長し間口を閉じている場合、(c)は引手側の一部正面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は本発明に係る折畳み式扉装置を示す実施例であり、(a)は折畳み式扉の吊元側が折畳まれた場合、(b)は折畳み式扉が伸長し間口を閉じている場合、(c)は引手側の一部正面図を表している。
各パネル1,1・・・は継手3,4,3,4・・・により連結され、戸先側には戸先框5を有し、そして、戸先框5とパネル1との間には幅寸法が1/2のパネル2が連結している。また、吊元側には吊元框6を有し、該吊元框6とパネル1との間にも幅寸法1/2のパネル2が連結して折畳み式扉を構成している。
【0019】
そして、引手框5、及び1枚おきのパネル1,1・・・にはその中立軸の上端に吊車7,7・・・を取付け、該吊車7,7・・・を介して折畳み式扉は上レール8に吊設されている。各パネル1,1・・・は継手3,4,3,4・・・により連結されて、
図1(a)に示すように吊元側からジグザグ状に折畳まれる。すなわち、上レール8にはその両側にガイド材9,9を沿設していることで、
図4に示した従来の折畳み式扉のように引手框側が折畳まれることはなく、ガイド材9が存在しない吊元側で折畳まれる。
【0020】
勿論、継手3,3・・・の上端には規制部材である規制ローラ10,10・・・を取付けており、該規制ローラ10,10・・・がガイド材9,9に当接することで、折畳まれることなく、伸長した状態で上レール8に沿って移動し、ガイド材9が切れた吊元側にて規制ローラ10,10・・・は外へ張り出して折畳まれる。そこで、吊元側には上レール8から外方向へ張り出したガイドプレート11を設けている。
【0021】
ガイドプレート11はガイド材9から連続して外方向へ傾斜して延びるガイド部12を有し、その為に、ガイド材9に沿って移動する規制ローラ10,10・・・はガイド材9が切れたところでガイド部12に沿って外側へ動き、パネル1,1・・・は折畳まれる。逆に、折畳まれた折畳み式扉を伸長する場合には、引手框5を引くならば、ガイド部12に沿って移動する規制ローラ10は上レール8のガイド材9へ導かれる。
【0022】
図2は
図1のB−B断面拡大図を示しているが、継手3の上端に取付けた規制ローラ10はパネル1の上端から上方へ延び、そして、上レール8には吊車7が載り、その両側にガイド材9,9を沿設している。ここで、ガイド材9は上レール8に着脱自在と成っており、片側のガイド材9は必要に応じて取外すことが出来る。その為に、上レール8の下面には凹溝が沿設され、この凹溝にガイド材9を嵌めて取付けている。そして、片側ガイド材9が取外されるならば、前記
図4 に示すように、引手框5を吊元側へ押圧するならば、引手框側からパネル1,1・・・は折畳まれる。
【0023】
折畳み式扉を折畳む場合、
図4に示すように引手側から順次折畳む方が、
図1に示すように折畳み式扉全体を動かす必要がない為に開き始めの操作力は軽くなる。しかし、本発明では折畳み式扉付近に物品を設置しても障害に成らないように、また、コーナー部での扉の移動に伴う慣性にて外側へ揺れて張り出すこともなく、壁との距離が小さく成るように折畳み式扉装置を設置出来る効果が得られる。
【0024】
ただし、ガイド材は
図2に示す通り上レール下面に設けている凹溝に着脱自在としている。従って、折畳み式扉を装着する現場に応じて折畳み方式を変えることが可能である。すなわち、上レール両側にガイド材を取付けるならば、折畳み式扉は吊元側から折畳まれ、一方、上レールの片側にのみガイド材を取付けるならば、折畳み式扉は引手側から折畳むことが出来る。
【0025】
ところで、パネル1は枠体に透明なガラス板を嵌めて構成したり、又は枠体に複数本の縦桟を取付けて構成することが出来、具体的なパネル形態や構造は限定しない。そして、本発明の折畳み式扉装置では、下側を拘束する為の床レールは備えていない。その為に、
図1(b)のように伸長した場合に折畳み式扉の下端部は安定せず、パネル1の表面側を押圧するならば揺れ動くことになる。そこで、折畳み式扉には落し棒を備え、該落し棒が下がることで床面に設けた落し穴に嵌ることが出来るようにしている。
【0026】
落し棒は一般に隣り合うパネル1,1間に取付けられる。すなわち、パネル1,1間には両パネル1,1を連結する為の継手が設けられ、該継手の反対面側に取付けられる。パネル1,1の間にはガイド部材が取着され、このガイド部材に設けたガイド穴に落し棒を嵌めて取付け出来る。
落し棒にはツマミが設けられて該ツマミはガイド部材から外へはみ出しており、ツマミを持って押し下げるならば、落し棒の下端は落し穴に嵌り、その為に折畳み式扉の下端部は落し棒を介して床面に固定される。落し棒は折畳み式扉の適当な箇所に取付けられ、必ずしも1か所に限るものではない。
【符号の説明】
【0027】
1 パネル
2 パネル
3 継手
4 継手
5 引手框
6 吊元框
7 吊車
8 上レール
9 ガイド材
10 規制ローラ
11 ガイドプレート
12 ガイド部