特許第6241693号(P6241693)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6241693
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】パージ装置及びパージ方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20171127BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   H01L21/68 A
   B65G1/00 501C
   B65G1/00 521D
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-550006(P2016-550006)
(86)(22)【出願日】2015年7月23日
(86)【国際出願番号】JP2015071011
(87)【国際公開番号】WO2016047260
(87)【国際公開日】20160331
【審査請求日】2017年3月1日
(31)【優先権主張番号】特願2014-195152(P2014-195152)
(32)【優先日】2014年9月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086830
【弁理士】
【氏名又は名称】塩入 明
(74)【代理人】
【識別番号】100096046
【弁理士】
【氏名又は名称】塩入 みか
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 順次
【審査官】 鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−114406(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/160917(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井走行車と容器受け渡し先との間で容器をパージガスによりパージする装置であって、
走行が自在でかつ容器を昇降させるホイストを備えるローカル台車と、
天井走行車の走行レールの下方でかつ容器受け渡し先の上方に設けられている、ローカル台車の走行レールと、
ローカル台車の走行レールの下方で、かつ容器受け渡し先の直上部を塞がないように設けられ、容器を載置自在なパージ台と、
パージ台に載置されている容器へパージガスを供給するパージガス供給装置、
とを備えているパージ装置。
【請求項2】
前記パージ台は、容器受け渡し位置の直上部とは異なる位置と前記直上部との間でスライド自在なスライド棚を備えていることを特徴とする、請求項1のパージ装置。
【請求項3】
前記パージ台として、前記スライド棚以外に固定の棚が設けられ、
さらに前記受け渡し先へ渡す容器を優先的に前記スライド棚でパージするように、容器を載置するパージ台を選択して、ローカル台車を制御する制御部を備えていることを特徴とする、請求項2のパージ装置。
【請求項4】
クリーンルームの天井部に設置され、かつ前記天井部からパージガスの供給を受けるように構成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかのパージ装置。
【請求項5】
前記容器は半導体ウェハーを収納するカセットであり、
かつ前記受け渡し先は半導体の処理装置のロードポートであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかのパージ装置。
【請求項6】
前記パージ台は、容器受け渡し先の直上部とは異なる位置に、固定部をさらに備え、
前記スライド棚は、固定部上の位置と容器受け渡し先の直上部との間で、スライド自在であり、
前記パージガス供給装置は、前記スライド棚に設けられかつ容器内へパージガスを供給する給気ノズルと、前記固定部から前記給気ノズルへパージガスを供給する配管とを備え、
前記配管は屈曲自在な屈曲部を備え、
前記スライド棚と前記固定部との間には、前記屈曲部を屈曲自在に支持するケーブルガイドが設けられていることを特徴とする、請求項2のパージ装置。
【請求項7】
前記スライド棚上に容器からの荷重を検出する荷重センサが設けられて、前記荷重センサにより容器からの荷重を検出すると、前記給気ノズルからパージガスを供給するように、前記パージガス供給装置が構成され、
前記ケーブルガイドに、荷重センサの電源線と信号線が、前記配管と共に支持されていることを特徴とする、請求項6のパージ装置。
【請求項8】
走行が自在でかつ容器を昇降させるホイストを備えるローカル台車と、
天井走行車の走行レールの下方でかつ容器受け渡し先の上方に設けられている、ローカル台車の走行レールと、
ローカル台車の走行レールの下方で、かつ容器受け渡し先の直上部を塞がないように設けられ、容器を載置自在なパージ台と、
パージ台に載置されている容器へパージガスを供給するパージガス供給装置、とを備えているパージ装置により、
天井走行車と容器受け渡し先との間で、容器をパージ台に一時的に載置し、パージガス供給装置により容器をパージガスでパージするパージ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体ウェハー等を収納している容器のパージに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体工場では、半導体ウェハーを収納するカセットを、天井走行車システムにより処理装置のロードポート間で搬送する。天井走行車システムとロードポートとの間の一時保管装置として、出願人は、ロードポートと天井走行車の走行レールの間に、ローカル台車とその走行レール、及びバッファを設けることを提案した(特許文献1 JP5229363B)。この装置では、ローカル台車の走行レールの間をカセットが上下に通過自在で、ローカル台車の走行レールの下方にバッファを設けて、天井走行車とローカル台車が共にアクセスできるようにする。このため、天井走行車とローカル台車が、共にロードポートとバッファとにアクセスできる。
【0003】
これとは別に、カセットを保管するストッカにパージ装置を設けて、カセットをNガス等によりパージすることが知られている。しかしながらストッカ以外の場所ではパージはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】JP5229363B
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
処理装置から次の処理装置へ搬送する過程で、容器をNガス等によりパージすると、ウェハー表面の酸化等を抑制できる。これによって次の処理装置への搬送時間に対する許容幅が増す。しかしながら処理装置内にパージ装置を設けると、処理装置の大がかりな改造につながるので現実的ではない。そこで処理装置の近傍にカセットのパージ装置が必要である。
【0006】
この発明の課題は、ロードポート等の受け渡し場所の付近で、容器をパージできる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のパージ装置は、天井走行車と容器受け渡し先との間で容器をパージガスによりパージし、
走行が自在でかつ容器を昇降させるホイストを備えるローカル台車と、
天井走行車の走行レールの下方でかつ容器受け渡し先の上方に設けられている、ローカル台車の走行レールと、
ローカル台車の走行レールの下方で、かつ容器受け渡し先の直上部を塞がないように設けられ、容器を載置自在なパージ台と、
パージ台に載置されている容器へパージガスを供給するパージガス供給装置、
とを備えている。
【0008】
この発明のパージ方法では、走行が自在でかつ容器を昇降させるホイストを備えるローカル台車と、
天井走行車の走行レールの下方でかつ容器受け渡し先の上方に設けられている、ローカル台車の走行レールと、
ローカル台車の走行レールの下方で、かつ容器受け渡し先の直上部を塞がないように設けられ、容器を載置自在なパージ台と、
パージ台に載置されている容器へパージガスを供給するパージガス供給装置、とを備えているパージ装置により、
天井走行車と容器受け渡し先との間で、容器をパージ台に一時的に載置し、パージガス供給装置により容器をパージガスでパージする。
【0009】
この発明では、容器の受け渡し先の近傍で、天井走行車による搬送を待つ間に、容器をパージできる。容器内に収納する物品は半導体のウェハー、食品、医薬品等で、物品の処理後に容器をパージすると、次の処理等を待つ間の物品の汚染、酸化等を少なくできる。また物品の処理前に容器をパージすると、予め物品の表面を清浄にすることができる。なおホイストは実施例では昇降装置と昇降台とに相当し、受け渡し先は実施例では処理装置のロードポートに相当する。パージ台は実施例ではスライド棚と固定棚とに相当し、パージガス供給装置は実施例では給気ノズルとその配管に相当する。この明細書において、パージ装置に関する記載はそのままパージ方法にも当てはまる。
【0010】
好ましくは、パージ台として、容器受け渡し位置の直上部とは異なる位置と直上部との間でスライド自在なスライド棚が設けられている。スライド棚を用いると、ローカル台車は走行せずに容器の受け渡し先へ容器を渡すことができ、スライド方向はローカル台車の走行方向と水平面内で例えば直角な方向である。
【0011】
好ましくは、パージ台としてスライド棚以外に固定の棚が設けられ、さらにパージ装置の制御部は、受け渡し先へ渡す容器を優先的にスライド棚でパージするように、容器を載置するパージ台を選択して、ローカル台車を制御する。固定の棚を設けることによりパージ台の数を増すことができ、受け渡し先へ渡す容器をより迅速に渡すことができる。
【0012】
好ましくは、パージ装置はクリーンルームの天井部に設置され、かつ天井部からパージガスの供給を受ける。天井部に設けるとパージ装置は床面を占有せず、またクリーンルームの天井にはNガス、乾燥清浄空気等のパージガスの配管が設けられていることが多いので、容易にパージガスの供給を受けることができる。
【0013】
好ましくは、容器は半導体ウェハーを収納するカセットであり、かつ容器の受け渡し先は半導体の処理装置のロードポートである。このようにすると、容器をロードポートに受け渡して処理装置により半導体ウェハーを処理する前あるいは後に、容器をパージできる。
【0014】
好ましくは、パージ台は、容器受け渡し先の直上部とは異なる位置に、固定部をさらに備え、
スライド棚は、固定部上の位置と容器受け渡し先の直上部との間で、スライド自在であり、
パージガス供給装置は、スライド棚に設けられかつ容器内へパージガスを供給する給気ノズルと、固定部から給気ノズルへパージガスを供給する配管とを備え、
配管は屈曲自在な屈曲部を備え、
スライド棚と固定部との間には、屈曲部を屈曲自在に支持するケーブルガイドが設けられている。
【0015】
配管の屈曲部をケーブルガイドで支持すると、スライド棚の給気ノズルへ容易にパージガスを供給できる。
【0016】
特に好ましくは、スライド棚上に容器からの荷重を検出する荷重センサが設けられて、荷重センサにより容器からの荷重を検出すると、給気ノズルからパージガスを供給するように、パージガス供給装置が構成され、
ケーブルガイドに、荷重センサの電源線と信号線が、配管と共に支持されている。
【0017】
荷重センサにより容器からの荷重を検出すると、パージガスを供給するので、パージガスを有効に使用できる。またケーブルガイドにより、配管だけでなく、電源線と信号線とを支持できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例のパージ装置と周囲の天井走行車システム及び処理装置の、一部切欠部付き正面図
図2】実施例のパージ装置と処理装置の、一部切欠部付き平面図
図3】実施例のスライド棚の平面図
図4】実施例のローカル台車の平面図
図5】実施例の制御系を示すブロック図
図6】第2の実施例のパージ装置の平面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。この発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づき、明細書の記載とこの分野での周知技術とを参酌し、当業者の理解に従って定められるべきである。
【実施例】
【0020】
図1図6に、実施例とその変形例とを示す。図1図2は、実施例のパージ装置20と、周囲の処理装置2、及び天井走行車システム8を示す。処理装置2はロードポート4を備え、ロードポート4はカセット6の受け渡し先の一例である。処理装置2は文字通りの処理装置でも検査装置等でも良く、また処理装置2に替えて空のカセットの置き場などでも良い。カセット6は、製品としての半導体ウェハーを収納しているものの他に、工程管理用、検査用等のウェハーを収納しているもの、あるいは空のカセット等でも良く、半導体ウェハーではなく、レチクル等を収納しているものでも良い。実施例ではカセット6としてFOUPを想定する。
【0021】
天井走行車システム8は走行レール10と天井走行車12とを備え、走行レール10はロードポート4の直上を通過し、クリーンルームの天井等から支持されている。天井走行車12では、例えば横送り装置13と回動装置14とにより、昇降装置15を横移動させると共に回動させ、昇降装置15により、カセット6をチャック自在な昇降台16を昇降させる。
【0022】
パージ装置20は、ローカル台車22とその走行レール24とを備え、走行レール24の一対の軌道の間の開口26をカセット6が上下に通過自在である。走行レール24の下部にパージ装置付きのバッファが設けられている。バッファでは、ロードポート4の直上部に、図1の左右方向(走行レール24の長手方向と水平面内で直角な方向)にスライド自在なスライド棚28が設けられ、ロードポート4の直上部から離れた位置に固定棚30が例えば2個設けられている。スライド棚28の下部には固定部29が設けられ、スライド機構とパージ用の部材とが収容され、固定棚30の下部にも図示しないパージ用の部材が取り付けられている。またパージ装置20は支柱31により、天井走行車12の走行レール10に取り付けられているが、地上側から支持しても良い。なおパージ装置20のパージ用のガス、電力等は、支柱31等を介しクリーンルームの天井側から供給を受けるものとするが、地上側から供給を受けても良い。
【0023】
図3はスライド棚28を示し、スライド棚28はガイド32に沿って固定部29に対し進退する。スライド機構の構造は任意であり、例えばNガス等で動作するシリンダ34により、ピストン36に固定したミドル部38を進退させる。そして図示しない倍速機構により、トップ部40をピストン36の2倍のストロークで進退させ、トップ部40にプレート33を固定して、カセットを載置させる。
【0024】
プレート33上にはカップリングピン42を3角形に配置して、カセットの底面をガイドし、着座センサ44によりカセットの有無を検出し、荷重センサ45によりカセットからの荷重の有無を検出する。プレート33には例えば2個の給気ノズル46,46と、例えば2個の排気ノズル48,48とが設けられ、配管50からNガス等のパージガスを供給し、配管52からカセットからの排気を排出する。配管50,52の蛇腹部がケーブルガイド54に取り付けられ、センサ44,45の電源、信号線と共に屈曲する。なお排気ノズル48と配管52は設けなくても良い。
【0025】
配管50,52は蛇腹部を有するものに限らず、ケーブルガイド54に支持され屈曲自在な部分(屈曲部)を備えていれば良い。屈曲部は例えばフッ素樹脂ゴム、ポリエステルエラストマー等の合成樹脂チューブでも良い。ケーブルガイド54は、例えば、断面がC字状の部材をピンで多数接続したものであり、ピンを中心に屈曲自在で、C字状の溝内に配管50,52と信号線、電源線を収納する。固定棚30は、シリンダ34等のスライド機構と、ケーブルガイド54とがないことを除いて、スライド棚28と同様の構造をしている。
【0026】
図4はローカル台車22を示し、例えば一対の走行部56と、昇降装置58とを備え、チャックを有する昇降台60を昇降装置58で昇降させることにより、ロードポート及び棚28,30との間で、カセットを移載する。
【0027】
図5はパージ装置20の制御系を示し、制御部62はパージ装置20を制御し、通信端末装置64は天井走行車12と通信して、ローカル台車22と天井走行車12との干渉を防止する。通信端末装置66は図示しない上位コントローラと通信し、パージ装置20内での搬送に関する指示と、カセットのパージの要否に関する指示を受信する。制御部62からの指示に従い、パージ制御部68は、荷重センサ45によりパージが可能な状態でカセットがスライド棚に載置されていることを検出すると、天井からのNガス(パージガス)の配管に設けられた電磁弁70を開き給気ノズルへパージガスを供給する。また制御部62の指示により、ローカル台車22とシリンダ34が動作する。
【0028】
実施例の動作を示す。天井走行車12あるいはロードポート4から、棚28,30へ移載されたカセット6の内部をNガス等によりパージする。カセット6が正しい位置に載置されていることを荷重センサ45により検出すると、給気ノズル46からパージガスを供給し、排気ノズル48から排気する。これによってカセット6内の雰囲気をパージガスで置換し、半導体ウェハーの酸化、汚染等を防止する。そして処理装置2での処理後にパージすると、次の処理装置までの搬送に長時間を要しても、半導体の品質への影響を小さくできる。さらにパージしたカセット6を処理装置2へ搬入することにより、半導体ウェハーの表面を予め清浄にした後に処理装置2へ搬入でき、かつ処理装置2内へ持ち込まれる周囲の空気を少なくできる。なお空のカセットの場合でも、パージによりカセット6内を浄化できる。またカセット6は図示しない弁を備え、ノズル46,48からの圧力により弁が開き、この圧力が無くなると弁が閉じて気密になるものとする。
【0029】
スライド棚28はロードポート4の直上部に進出自在に設けられているので、ロードポート4への荷下ろしを速やかに行うことができる。またロードポート4に面する位置にも設けることができるので、走行レール24の長さ当たりの棚の数を増すことができる。固定棚30からの荷下ろしでは、ローカル台車22の走行と、荷下ろし動作が必要であるが、スライド棚28からの荷下ろしではローカル台車22の走行が不要である。即ちローカル台車22がカセット6をチャックすると、スライド棚28は速やかに側方へ退避し、ローカル台車22は走行せずに荷下ろしを開始できる。このためロードポート4へ荷下ろしするカセットを優先して、スライド棚28で保管すると、速やかにロードポート4へカセット6を荷下ろしできる。
【0030】
図6は第2の実施例を示し、図1図5と同じ符号は同じものを表し、特に指摘する点以外は図1図5の実施例と同様である。前記の天井走行車システム8の他に、ホットロット等の生産管理上の属性が異なるカセットを搬送する天井走行車システム72を追加し、インターベイルートでは天井走行車システム8,72の走行レール74,75を並行に配置する。ベイ77内へ、天井走行車システム72の走行レール75から天井走行車12が直接乗り入れ自在にすると、走行レールの分岐と合流が複雑になる。そこで走行レール74,75,10の下方を通過するように、コンベヤ78,79を設け、コンベヤ78はベイ77内への搬送用、コンベヤ79はベイ77外の天井走行車システム72への搬送用である。ベイ77内に、例えば複数のパージ装置20のスライド棚28上を通過するように、ループ状の走行レール76を設け、天井走行車12等の搬送台車を走行させ、スライド棚28からコンベヤ78,79、天井走行車システム72までを接続する。さらに80はバッファで、走行レール76を走行する天井走行車12が、図1の横送り装置13によりバッファ80にカセットを移載する。バッファ80はNガスによるパージ機能を備えていてもいなくても良い。
【0031】
走行レール76を走行する天井走行車12と、天井走行車システム72は、搬送を急ぐホットロットのウェハーを収容したカセット、空のカセット、工程管理用あるいは検査用など製品とならないウェハーを収容したカセット、等を搬送し、これらのカセットを生産管理上の属性が異なるカセットと呼ぶ。コンベヤ78,79は、インターベイルートの天井走行車システム72と、ベイ77内の走行レール76を走行する天井走行車とを接続する。また走行レール76と天井走行車12とのシステムは、天井スペースでカセットを搬送できる任意のシステムに変更できる。例えばベイ77内を2次元に移動するガントリークレーン、ベイ77内にグリッド状に配置したグリッドレール上を走行する搬送台車、あるいはベイ77内に設けられかつクリーンエアの流れを塞がない床面上を走行する無人搬送車、等を用いることができる。なおこれらのシステムは全て、パージ装置20よりも高い位置に設ける。
【0032】
図6の実施例では、例えば処理装置2aから処理装置2bへカセットを搬送する際に、処理装置2aに面したパージ装置20aでパージした後に処理装置2b側のパージ装置20bへ搬送し、処理装置2b側のパージ装置20bで再度パージした後に処理する、等のことができる。またパージ装置20以外にバッファ80を設けて、ベイ内での保管能力を向上させる。そして天井走行車システム72,コンベヤ78,79,走行レール76等を設けることにより、パージによる搬送遅れをカバーすることができる。
【0033】
なおパージする容器はカセットに限らず任意で、収納する物品は、半導体ウェハーの他に、医薬品、食品等でも良い。
【符号の説明】
【0034】
2 処理装置 4 ロードポート 6 カセット
8,72 天井走行車システム 10 走行レール
12 天井走行車 13 横送り装置 14 回動装置
15 昇降装置 16 昇降台 20 パージ装置
22 ローカル台車 24 走行レール 26 開口
28 スライド棚 29 固定部 30 固定棚 31 支柱
32 ガイド 33 プレート 34 シリンダ
36 ピストン 38 ミドル部 40 トップ部
42 カップリングピン 44 着座センサ 45 荷重センサ
46 給気ノズル 48 排気ノズル 50,52 配管
54 ケーブルガイド 56 走行部 58 昇降装置
60 昇降台 62 制御部 64,66 通信端末
68 パージ制御部 70 電磁弁 74〜76 走行レール
77 ベイ 78,79 コンベヤ 80 バッファ
図1
図2
図3
図4
図5
図6